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特開2016-215111塗布装置、塗布制御装置および塗布制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-215111(P2016-215111A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】塗布装置、塗布制御装置および塗布制御方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20161125BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20161125BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20161125BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20161125BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20161125BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   B05C11/10
   B05C5/00 101
   B05D3/00 D
   B05D7/24 301P
   C09J5/00
   B05D1/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-101775(P2015-101775)
(22)【出願日】2015年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100156351
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 秀央
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一太郎
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
4J040
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC88
4D075AC92
4D075AC93
4D075AC94
4D075BB48Y
4D075CA48
4D075DA06
4D075EA35
4F041AB00
4F041BA34
4F041BA56
4F042AB00
4F042BA03
4F042BA04
4F042BA08
4F042BA12
4F042BA22
4F042DH09
4J040PB03
4J040PB24
(57)【要約】
【課題】接着剤をポンプ機構を用いて定量のための測定流路内に吸い上げることなく、微量塗布する接着剤の正確な塗布量を算出する。
【解決手段】ノズル1から吐出する接着剤5の吐出径dを検出する光電センサ2と、接着剤5の吐出の有無を検出する光電スイッチ3と、光電センサ2および光電スイッチ3の検出時間と、光電センサ2および光電スイッチ3の位置情報とから、接着剤5の吐出速度を算出する吐出速度算出部41と、算出した吐出速度と、光電センサ2が検出した吐出径dとから、接着剤5の塗布量を算出する塗布量算出部42とを備え、算出した塗布量に基づいて接着剤の塗布を制御する制御部4とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルから吐出する接着剤の吐出径を検出する径検出部と、
前記接着剤の吐出の有無を検出する吐出検出部と、
前記径検出部および前記吐出検出部の検出時間と、前記径検出部および前記吐出検出部の位置情報とから、前記接着剤の吐出速度を算出する吐出速度算出部と、前記吐出速度算出部が算出した吐出速度と、前記径検出部が検出した吐出径とから、前記接着剤の塗布量を算出する塗布量算出部とを備え、前記塗布量算出部が算出した塗布量に基づいて前記接着剤の塗布を制御する制御部とを備えた塗布装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記径検出部が検出した吐出径に基づいて、前記接着剤の塗布を制御することを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
前記径検出部は、レーザ光を照射して受光し、受光したレーザ光の前記接着剤による遮光量から前記接着剤の吐出径を検出する光電センサで構成され、
前記吐出検出部は、レーザ光を照射して受光し、受光したレーザ光の前記接着剤による遮光の有無に基づいて前記接着剤の吐出の有無を検出する光電スイッチと、前記径検出部を構成する前記光電センサとで構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の塗布装置。
【請求項4】
前記径検出部は、レーザ光を照射して受光し、受光したレーザ光の前記接着剤による遮光量から前記接着剤の吐出径を検出する光電センサで構成され、
前記吐出検出部は、レーザ光を照射して受光し、受光したレーザ光の前記接着剤による遮光の有無に基づいて前記接着剤の吐出の有無を検出する2つの光電スイッチとで構成され、当該2つの光電スイッチは、前記接着剤の吐出方向に並列に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の塗布装置。
【請求項5】
前記径検出部および前記吐出検出部は、レーザ光を照射して受光し、受光したレーザ光の前記接着剤による遮光量を取得し、当該遮光量から前記接着剤の吐出径および前記検出時間とを検出する光電センサで構成され、
前記光電センサは、所定の幅を有した前記レーザ光を照射し、当該レーザ光の幅方向を、前記接着剤の吐出方向に対して所定角度傾斜させて配置したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の塗布装置。
【請求項6】
前記径検出部は、前記ノズルから吐出する接着剤を撮像する撮像手段で構成され、
前記吐出検出部は、レーザ光を照射して受光し、受光したレーザ光の前記接着剤による遮光の有無に基づいて前記接着剤の吐出の有無を検出する光電スイッチと、前記径検出部を構成する前記撮像手段とで構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の塗布装置。
【請求項7】
前記径検出部は、前記接着剤の吐出方向を検出し、
前記制御部は、前記径検出部が検出した前記接着剤の吐出方向から、前記接着剤の吐出位置を算出する吐出位置算出部を備え、前記吐出位置算出部が算出した吐出位置に基づいて前記接着剤の塗布を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の塗布装置。
【請求項8】
接着剤の塗布を制御する塗布制御装置において、
ノズルから吐出した前記接着剤が、少なくとも2地点を通過した際の時間情報と、前記時間情報を取得した位置を示す位置情報とから、前記接着剤の吐出速度を算出する吐出速度算出部と、前記吐出速度算出部が算出した吐出速度と、前記ノズルから吐出した前記接着剤の吐出径とから、前記接着剤の塗布量を算出する塗布量算出部とを備え、前記塗布量算出部が算出した塗布量に基づいて、前記接着剤の塗布を制御する制御部とを備えたことを特徴とする塗布制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記吐出径に基づいて、前記接着剤の塗布を制御することを特徴とする請求項8記載の塗布制御装置。
【請求項10】
ノズルから吐出した接着剤の塗布を制御する塗布制御方法において、
吐出速度算出部が、前記ノズルから吐出した接着剤が、少なくとも2地点を通過した際の時間情報と、前記時間情報を取得した位置を示す位置情報とから、前記接着剤の吐出速度を算出するステップと、
塗布量算出部が、前記吐出速度と、前記ノズルから吐出した前記接着剤の吐出径とから、前記接着剤の塗布量を算出するステップと、
制御部が、前記塗布量に基づいて前記接着剤の塗布を制御するステップとを備えたことを特徴とする塗布制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、接着剤の微量塗布技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
接着剤の塗布方法において、供給する接着剤の流量を精度よく制御し、ワークへの安定した接着剤の塗布を実現する技術が種々提案されている。空気圧を用いた塗布装置では、印加する空気圧をモニタして制御し、定量的な接着剤の塗布を行う技術が存在する。しかし、空気圧をモニタする場合、塗布する接着剤量を直接測定することができない。そこで、塗布する接着剤量を直接測定する技術も種々開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ギアポンプの駆動により接着剤をエクストルージョン型コータに供給する際の供給流量を流路の途中に設けられた流量計で測定し、測定した接着剤の供給流量に基づき接着剤が一定流量で塗布されるようにギアポンプをフィードバック制御する接着剤塗布装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ベローズを備えた可変容器に圧力を加えて可変容器内の液体を流路に送出する間に、流量計により測定される液体の流量に基づいて、可変容器に加えられる圧力を制御し、微小流量で液体を供給する液体供給装置が開示されている。また、特許文献3には、ノズルから吐出される接着剤の径寸法を光電センサで検出し、検出された接着剤の径寸法により塗布量を制御する塗布パターン検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−7153号公報
【特許文献2】特開2006−184989号公報
【特許文献3】特開平5−293417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した特許文献1に開示された技術に用いられるエクストルージョン型コータは塗布幅方向に延びる塗布口を備えることから、接着剤を帯状に広く塗布する際に用いられ、接着剤の微量塗布には適用しにくいという課題があった。さらに、ギアポンプも接着剤を微量に吐出させるには適さないという課題があった。
【0007】
また、特許文献2に開示された技術では、液体の流量を計測するためには、ポンプ機構により可変容器内の液体を一度流路に吸い上げる必要があるという課題があった。さらに、ポンプ機構を備えることにより装置が大型化するという課題もあった。
【0008】
また、特許文献3に開示された技術では、ノズル径が一定の場合、接着剤の吐出径と塗布量との関係は、微量吐出領域では一次関数によって決定されず、接着剤の単位時間当たりの塗布量が一定値以上となると吐出径はノズル径に影響を受けるという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、接着剤をポンプ機構を用いて定量のための測定流路内に吸い上げることなく、微量塗布する接着剤の正確な塗布量を算出することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る塗布装置は、ノズルから吐出する接着剤の吐出径を検出する径検出部と、接着剤の吐出の有無を検出する吐出検出部と、径検出部および吐出検出部の検出時間と、径検出部および吐出検出部の位置情報とから、接着剤の吐出速度を算出する吐出速度算出部と、吐出速度算出部が算出した吐出速度と、径検出部が検出した吐出径とから、接着剤の塗布量を算出する塗布量算出部とを備え、塗布量算出部が算出した塗布量に基づいて接着剤の塗布を制御する制御部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、接着剤を定量のための測定流路内に吸い上げることなく、装置の大型化を抑制した構成により、微量塗布する接着剤の塗布量を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る塗布装置の構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る塗布装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
図3】実施の形態1に係る塗布装置のその他の構成例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る塗布装置の光電センサの他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る塗布装置の構成を示す図である。
塗布装置10は、図1に示すように、ノズル1、光電センサ(吐出径検出部、吐出検出部)2、光電スイッチ3(吐出検出部)および制御部4から構成されている。
ノズル1は、圧力印加部(不図示)により一定の圧力Pが加えられた接着剤5を吐出口1aから吐出する。光電センサ2は、ノズル1から吐出された接着剤5の径寸法を検出するアナログ出力センサであり、投光器2aおよび受光器2bで構成される。投光器2aと受光器2bは、互いに光軸が一致するように、既知の距離、離間させて設置する。投光器2aはレーザ光を照射し、受光器2bは照射されたレーザ光を受光し、受光量に応じた電流が流れる。受光器2bは流れた電流によるアナログ電圧値を制御部4に出力する。
【0014】
接着剤5の吐出方向において光電センサ2の下方に、当該光電センサ2と並列に光電スイッチ3を配置している。光電スイッチ3は、ノズル1からの接着剤5の吐出の有無を検出するON/OFF出力センサであり、投光器3aと受光器3bとを備える、例えば透過型光電スイッチなどで構成される。投光器3aと受光器3bは両者の光軸が一致するように、既知の距離、離間させて設置する。投光器3aと受光器3bとの間に接着剤5が存在しない場合には投光器3aから照射された光が受光器3bに常に入射し、一方接着剤5が存在する場合には投光器2aから照射された光が遮断され受光器2bに光が入射しない。受光器2bは光が入射していない場合に、制御部4に対してON信号を出力する。
【0015】
制御部4は、吐出速度算出部41、塗布量算出部42および判定部43で構成されている。
吐出速度算出部41は、光電センサ2からアナログ電圧値が入力された時間と光電スイッチ3からON信号が入力された時間との差分値と、光電センサ2と光電スイッチ3との距離hとから、接着剤5の吐出速度を算出する。塗布量算出部42は、吐出速度算出部41が算出した吐出速度と、光電センサ2から入力されたアナログ電圧値から取得される接着剤5の吐出径dとから、接着剤5の単位時間当たりの塗布量を算出する。
【0016】
判定部43は、塗布量算出部42が取得した接着剤5の吐出径dが許容範囲内の値であるか否か、および塗布量算出部42が算出した接着剤5の塗布量が許容範囲内の値であるか否か判定を行う。判定に用いられる接着剤5の吐出径dの許容範囲は、接着剤5の粘度およびノズル1の吐出口1aの径に基づいて予め設定されている。また、接着剤5の塗布量の許容範囲は、外部のワークにどのように接着剤5を塗布するかに基づいて予め設定されている。制御部4は、判定結果に基づいて、外部のワークへの接着剤5の塗布開始を制御する、あるいは圧力印加部などに対して塗布量の制御を行う。
【0017】
図2は、実施の形態1に係る塗布装置の動作を示すフローチャートである。
塗布装置のノズル1をワークの塗布部位に近接させる前に、ノズル1に光電センサ2および光電スイッチに近接させる。近接させた状態で、制御部4は圧力印加部に圧力印加指示を出力して、ノズル1の吐出口1aから光電センサ2および光電スイッチ3の投光器2a,3aと受光器2b,3bの光軸に対して接着剤5を吐出する(ステップST1)。ステップST1で接着剤5が吐出され受光器2bの受光を遮ると、光電センサ2がアナログ電圧値を制御部4に出力する(ステップST2)。さらに、接着剤5が受光器3bの受光を遮ると光電スイッチ3がON信号を制御部4に出力する(ステップST3)。
【0018】
制御部4の吐出速度算出部41は、ステップST2でアナログ電圧値が入力された時間と、ステップST3でON信号が入力された時間との差分値と、光電センサ2と光電スイッチ3との距離hとから、接着剤5の吐出速度を算出する(ステップST4)。塗布量算出部42は、ステップST4で算出された吐出速度と、ステップST2で入力された光電センサ2のアナログ電圧値から取得される接着剤5の吐出径dとから、接着剤5の塗布量を算出する(ステップST5)。判定部43は、ステップST5で取得された接着剤5の吐出径dが、設定された閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST6)。
【0019】
吐出径dが閾値以下である場合(ステップST6;YES)、判定部43はさらにステップST5で算出された接着剤5の塗布量が許容範囲内であるか否か判定を行う(ステップST7)。塗布量が許容範囲内である場合(ステップST7;YES)、判定部43は接着剤5が設定された塗布量で吐出されているとの判定結果を制御部4に出力する(ステップST8)。制御部4は、ステップST8で出力された判定結果に基づいて、外部のワークへの接着剤5の塗布開始の制御を行い(ステップST9)、処理を終了する。
【0020】
一方、吐出径dが閾値より大きい場合(ステップST6;NO)、判定部43はノズル1の吐出口1aに接着剤5の液滴が生成されている、あるいは吐出口1aに付着物が存在するなどの判定結果を制御部4に出力する(ステップST10)。制御部4は、ステップST10で出力された判定結果に基づいて、作業者にノズル1の吐出口1aの拭き取りを指示する警告あるいは警告音を出力するための制御を行い(ステップST11)、ステップST1の処理に戻る。また、塗布量が許容範囲内でない場合(ステップST7;NO)、判定部43は塗布量が安定していないと判定し(ステップST12)、ステップST1の処理に戻る。
【0021】
上述した塗布装置10は、ワーク上に接着剤5のドットパターンを形成する点塗布と、ワーク上に接着剤のラインパターンを形成する線塗布との双方に適用可能である。
【0022】
上述した図1の塗布装置10の構成に、投光器6aと受光器6bで構成される光電スイッチ6を追加して設け、図3に示す塗布装置10aを構成することも可能である。
図3に示す塗布装置10aの構成とした場合、制御部4の吐出速度算出部41は、光電スイッチ6からON信号が入力された時間と、光電スイッチ3からON信号が入力された時間との差分値と、光電スイッチ6と光電スイッチ3との距離haとから、接着剤5の吐出速度を算出する。光電スイッチ3,6が光電センサ2よりも検知性能が高い場合、接着剤5による光の遮断をより早く検知することができ、接着剤5の正確な吐出速度を算出することができる。
【0023】
以上のように、この実施の形態1によれば、ノズル1から吐出する接着剤5の吐出径dを検出する光電センサ2と、ノズル1から吐出する接着剤5の有無を検出する光電スイッチ3と、光電センサ2の検出時間と光電スイッチ3の検出時間との差分値と、光電センサ2と光電スイッチ3の距離とから接着剤5の吐出速度を算出する吐出速度算出部41と、算出された吐出速度と、吐出径dとから接着剤5の塗布量を算出する塗布量算出部41と、算出した塗布量が許容範囲内であるか否か判定を行う判定部43とを備え、判定結果に応じてワークへの接着剤の塗布開始を制御する制御部4とを備えるように構成したので、単位時間当たりのワークへの塗布量を正確に算出することができる。これにより、ノズルからの接着剤の吐出が安定した状態で、ワークに接着剤を塗布することができる。
【0024】
また、この実施の形態1によれば、光電センサ2と光電スイッチ3の距離とから接着剤5の吐出速度を算出する吐出速度算出部41を備えるように構成したので、算出した吐出速度に基づいて演算した移動速度でノズル1を移動させながらワーク上に接着剤を定量塗布することができる。また、算出した吐出速度を変化させることにより、接着剤の塗布量を制御することも可能である。さらに、算出した吐出速度に基づいてワークの移動速度を変化させる制御を行い、接着剤の塗布量を制御することも可能である。
【0025】
なお、上述した塗布装置10において、光電センサ2をノズル1の吐出口1aに可能な限り近接させることにより、仮に接着剤5がノズル1から曲がって吐出された場合にも、塗布量接着剤5の吐出径dを正確に取得することができる。
【0026】
また、上述した塗布装置10において、光電センサ2に換えて、ノズル1の吐出口1aから吐出される接着剤5の画像を撮像する撮像部と、当該撮像部が撮像した画像の画像処理を行う画像処理部とを設け、制御部4の塗布量算出部42において画像処理結果を参照して吐出された接着剤5の吐出径dを算出し、塗布量を算出するように構成することも可能である。この場合、画像処理部において、接着剤5の撮像を検知した場合に、検知信号を制御部4に出力することにより、吐出速度算出部41は当該検知信号が入力された時間と光電スイッチ3のON信号が入力された時間との差分値を取得することができる。
【0027】
また、上述した塗布装置10において、光電センサ2および光電スイッチ3に換えて、ノズル1の吐出口1aから吐出される接着剤5の形状を2次元的に検出し、アナログ信号を出力する2次元形状測定センサなどを適用することにより、1つのセンサで、接着剤5の吐出径dおよび吐出速度を示す情報を得ることができる。2次元形状測定センサは、例えば2次元の透過式で、多点において接着剤5の形状を検出する。
【0028】
また、上述した塗布装置10において、図4(a)および図4(b)に示すように、接着剤5の吐出方向に所定の幅を有するレーザ光7cを出力する光電センサ7(7a,7b)を、接着剤5の吐出方向である矢印Aに対して所定角度傾けてレーザ光7cの幅方向が矢印Bとなるように配置し、接着剤の接着剤5の吐出径dおよび吐出速度を同時に取得するように構成してもよい。吐出速度は、レーザ光7cが接着剤5によって遮光される領域(図4(a)における領域C)の長さを予め算出しておき、当該特定の領域を接着剤5が
【0029】
また、上述した塗布装置10において、ノズル1から吐出される接着剤5が、設定された吐出方向に吐出しているか、あるいは設定された吐出方向からずれて吐出しているか検知する機能を備えた光電センサ2で構成してもよい。この場合、制御部4に吐出位置算出部を追加して設け、光電センサ2の吐出方向の検知結果から接着剤5の位置を算出することができ、判定部43が算出された接着剤5の吐出位置が許容範囲外であると判定した場合には、ノズル1の吐出口1aに付着物があるとの判定結果を制御部4に出力する。制御部4は、判定結果に基づいて作業者にノズル1の吐出口1aの拭き取りを指示する警告あるいは警告音を出力するための制御を行う。
【0030】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 ノズル
1a 吐出口
2 光電センサ
2a,3a,6a 投光器
2b,3b,6b 受光器
3,6 光電スイッチ
4 制御部
5 接着剤
7,7a,7b 光電センサ
7c レーザ光
10,10a 塗布装置
41 吐出速度算出部
42 塗布量算出部
43 判定部
図1
図2
図3
図4