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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-215305(P2016-215305A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】衝突検知装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-101774(P2015-101774)
(22)【出願日】2015年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100156351
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 秀央
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(72)【発明者】
【氏名】野村 琢磨
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707KV04
3C707KV11
3C707MS22
(57)【要約】
【課題】人為的ミスが発生する可能性のある設定操作を伴うことなく、監視対象物が周辺の設備機器およびセンサなどに衝突する前に当該衝突の可能性を検知する。
【解決手段】ロープ端部保持部材1およびロープ保持部材2と、ロープ端部保持部材1およびロープ保持部材2に保持されたロープ3と、ロープ3の変化から監視対象物のロープ3への衝突を検知する衝突検知部4とを備え、ロープ3は上方視において当該ロープ3が交差して得られる交差点を少なくとも1箇所に形成して配設し、ロープ保持部材2はロープ3の端部と交差点とを結んで得られる領域外、または交差点を結んで得られる領域外に配置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象物の衝突を検知する衝突検知装置において、
保持部材と、
前記保持部材に保持された線状部材と、
前記線状部材の変化から前記監視対象物の前記線状部材への衝突を検知する衝突検知部とを備え、
前記線状部材は、上方視において当該線状部材が交差して得られる交差点を少なくとも1箇所に形成して配設され、
前記保持部材は、前記線状部材の端部と前記交差点とを結んで得られる領域外、または前記交差点を結んで得られる領域外に配置することを特徴とする衝突検知装置。
【請求項2】
前記線状部材を、複数並行に配設したことを特徴とする請求項1記載の衝突検知装置。
【請求項3】
前記線状部材は、側方視において当該線状部材が交差して得られる交差点を少なくとも3箇所に形成して配設されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の衝突検知装置。
【請求項4】
前記線状部材は、所定の線幅を有することを特徴とする請求項1記から請求項3記載の衝突検知装置。
【請求項5】
前記線状部材に装甲を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の衝突検知装置。
【請求項6】
前記線状部材は、締結部材を介して締結したことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の衝突検知装置。
【請求項7】
前記衝突検知部は、前記線状部材の張力の変化から前記監視対象物の前記線状部材への衝突を検知することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の衝突検知装置。
【請求項8】
前記衝突検知部は、前記線状部材の移動から前記監視対象物の前記線状部材への衝突を検知することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の衝突検知装置。
【請求項9】
前記線状部材は、締結部材を介して締結された伝導性材料で構成され、
前記衝突検知部は、前記線状部材の通電状態から前記監視対象物の前記線状部材への衝突を検知することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の衝突検知装置。
【請求項10】
監視対象物の衝突を検知する衝突検知装置において、
光源と、前記光源から出射された光の光軸を屈曲させる光軸屈曲部と、前記光軸屈曲部で光軸が屈曲された光を受光すると共に、前記光の遮断を検知する受光部とを備え、
前記光軸は、当該光軸が交差して得られる交差点を少なくとも1箇所に形成し、
前記光軸屈曲部は、前記光源と前記交差点と前記受光部とを結んで得られる領域外、または前記交差点を結んで得られる領域外に配置することを特徴とする衝突検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボットなどの可動体の可動範囲内において、周辺設備との衝突を回避する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アームを備えたロボットなどの可動体が移動を伴う作業を行う際に、周辺の設備機器や人などの環境との接触や衝突を素早く検知し、可動体の動作停止などの制御を行い、周辺の設備機器を破損することのないように、あるいは人に危害を加えることのないように安全対策を施すことが求められている。
可動体と周辺の設備機器との衝突を検知する方法として、例えば特許文献1には、動力部の回転動力が伝達され運動する第1回転軸の第1角速度と、動力部の回転動力を取り出す回転軸となる第2回転軸の第2角速度とに基づいて、第1回転軸と第2回転軸との間に生じる捩れ角速度を所定の範囲内に制御し、モーター、アーム、および接続部を破損させることなく、アームの動作を停止させる回転動力源の制御を行う回転動力源制御方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、決定した姿勢となるようにロボットアームを駆動させた場合の当該ロボットアームの各自由軸における回転角度の組み合わせパターンと、干渉パターンンテーブルにおいて定義された組み合わせパターンとの照合に基づいて、決定した姿勢となるようにロボットアームを駆動させた場合に、ハンドアイセンサとロボットアームとが干渉するか否か判定し、干渉すると判定した場合には、適した姿勢を再決定する制御装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、ワークのピッキングに適した姿勢が決定されると、当該姿勢でピッキング箇所にエンドエフェクタを位置させた場合に、ハンドアイセンサの干渉候補点が、ロボットアームのベースが設置されたステージと干渉するか否かを、ステージの所定箇所を原点とするステージ座標系における干渉候補点の座標値のうち、ステージの法線方向に延在する座標軸に関する座標値が正の値であるか否かによって判定し、干渉が判定されるとワークのピッキングに適した姿勢が新たに決定される制御装置が開示されている。
【0005】
さらに、生産設備の分野では、非常停止スイッチの代替手法として、ロープスイッチが使用されている。ロープスイッチは、例えばバネなどの付勢体によって引張方向に付勢されて生産設備が設置された床面に対して略水平状態となって位置するロープ、当該ロープの引き操作などによりオンし、引き操作の解除によりオフするスイッチなどにより構成される。作業者がロープスイッチのロープを引き操作することによりスイッチがオンされ、非常停止の制御が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−6230号公報
【特許文献2】特開2011−93015号公報
【特許文献3】特開2011−93014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、可動体が周辺の設備機器と衝突した後に当該衝突を検知するため、アームの動作を停止させる回転動力源の制御を行う間に可動体や設備機器が破損する恐れがあるという課題があった。
【0008】
また、特許文献2および特許文献3に記載された技術では、干渉パターンテーブルの設定や座標変換の設定においてユーザによる処理操作を必要とし、誤った条件が設定される、あるいは誤った情報を参照して条件が設定されるなどの人為的ミスが発生するという課題があった。さらに、ミスが発生した状態で、実際の状況と一致しない条件に基づいて照合処理や変換処理が行われると、可動体の正しい姿勢を決定することができないという課題があった。
さらに、ロープスイッチを衝突検知に適用した場合、ロープスイッチのオン/オフを検知するセンサや、ロープの端部を保持する保持部材に可動体が衝突して、ロープスイッチが破損する、あるいは可動体が破損するという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、人為的ミスが発生する可能性のある設定操作を伴うことなく、監視対象物が周辺の設備機器およびセンサなどに衝突する前に当該衝突の可能性を検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る衝突検知装置は、監視対象物の衝突を検知する衝突検知装置において、保持部材と、保持部材に保持された線状部材と、線状部材の変化から監視対象物の線状部材への衝突を検知する衝突検知部とを備え、線状部材は上方視において当該線状部材が交差して得られる交差点を少なくとも1箇所に形成して配設され、保持部材を線状部材の端部と交差点とを結んで得られる領域外、または交差点を結んで得られる領域外に配置したものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、複雑な設定操作を必要としない容易な構成を用いて、可動体が周辺の設備機器およびセンサに衝突する前に当該衝突の可能性を検知することができる。これにより、設備機器、センサおよび可動体の破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る衝突検知装置の構成を示す上面図である。
図2】実施の形態1に係る衝突検知装置の構成を示す斜視図である。
図3】実施の形態1に係る衝突検知装置のロープの両端部の保持方法を示す説明図である。
図4】実施の形態1に係る衝突検知装置の衝突検知部にロープの張力の変化から可動体のロープへの衝突を検知する構成を示す図である。
図5】実施の形態1に係る衝突検知装置の衝突検知部にロープの移動から可動体のロープへの衝突を検知する構成を示す図である。
図6】実施の形態1に係る衝突検知装置の衝突検知部にロープの通電状態から可動体のロープへの衝突を検知する構成を示す図である。
図7】実施の形態2に係る衝突検知装置の複数のロープの配置例を示す図である。
図8】実施の形態2に係る衝突検知装置のロープのその他の構成例を示す図である。
図9】実施の形態2に係る衝突検知装置のロープに装甲部材を設ける構成を示す図である。
図10】実施の形態2に係る衝突検知装置の複数のロープの締結方法を示す図である。
図11】実施の形態2に係る衝突検知装置の複数のロープの設置方法を示す図である。
図12】実施の形態3に係る衝突検知装置の構成を示す上面図である。
図13】実施の形態4に係る衝突検知装置の構成を示す上面図である。
図14】実施の形態4に係る衝突検知装置の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1および図2を参照しながら、実施の形態1に係る衝突検知装置の構成について説明する。
図1は実施の形態1に係る衝突検知装置の構成を示す上面図であり、図2は実施の形態1に係る衝突検知装置の構成を示す斜視図である。
衝突検知装置は、ロープ端部保持部材(保持部材)1、ロープ保持部材(保持部材)2、ロープ(線状部材)3および衝突検知部4を備えて構成され、監視対象となる可動体20のロープ3への衝突を検知する。衝突検知装置が配置される領域には、可動体20が可動可能な最大領域を示す可動領域Aと、当該可動領域A内において可動体20が実際に作業を行う際に動作が許可された領域である動作制限領域Bが設定されている。
【0014】
動作制限領域B内には、例えばロボットアームを備えたロボットである可動体20、可動体20が作業を行う対象である作業対象30が配置されている。図1の例では、可動体20がロボットアームを最大に伸ばした状態で可動する場合の領域を示したのが可動領域Aであり、可動体20が作業対象30に対して実際に作業動作を行うとして領域として制限された領域が動作制限領域Bである。動作制限領域B外であれば、設備機器40などを配置することが可能である。
【0015】
ロープ端部保持部材1a,1b(以下、総称する場合にはロープ端部保持部材1と称する。)は、例えば壁面、床面から立設された柱などで構成される。第1から第6のロープ保持部材2a,2b,2c,2d,2e,2f(以下、総称する場合にはロープ保持部材2と称する。)は、例えば床面から立設された円柱状の柱などで構成される。ロープ端部保持部材1およびロープ保持部材2は、動作制限領域B外に配置される。
図1の例では、2本のロープ端部保持部材1a,1bが、動作制限領域Bの頂点Ba近傍に配置されている。一対の第1のロープ保持部材2aおよび第2のロープ保持部材2bは、動作制限領域Bの頂点Bbの付近に配置されている。同様に、一対の第3のロープ保持部材2cおよび第4のロープ保持部材2dは動作制限領域Bの頂点Bcの付近に配置され、一対の第5のロープ保持部材2eおよび第6のロープ保持部材2fは動作制限領域Bの頂点Bd近傍に配置されている。
【0016】
ロープ3は、連続した1本のロープであり、一方の端部がロープ端部保持部材1aに保持される。一方の端部が保持されたロープ3は、第1のロープ保持部材2aに向けて延ばし、第1のロープ保持部材2aの外周に半周程度巻き付け、さらに隣接する第2のロープ保持部材2bの外周に半周程度巻き付け、第3のロープ保持部材2cに向けて延ばす。第3のロープ保持部材2cに向けて延ばすロープ3は、ロープ端部保持部材1aと第1のロープ保持部材2a間を結ぶロープ3と交差点Cで交わる。
【0017】
同様にロープ3は、第3のロープ保持部材2cの外周に半周程度巻き付け、さらに隣接する第4のロープ保持部材2dの外周に半周程度巻き付け、第5のロープ保持部材2eに向けて延ばす。第5のロープ保持部材2eに向けて延ばすロープ3は、第2のロープ保持部材2bと第3のロープ保持部材2c間を結ぶロープ3と交差点Dで交わる。
また、ロープ3は、第5のロープ保持部材2eの外周に半周程度巻き付け、さらに隣接する第6のロープ保持部材2fの外周に半周程度巻き付け、ロープ端部保持部材1bに向けて延ばす。ロープ端部保持部材1bに向けて延ばすロープ3は、第4のロープ保持部材2dと第5のロープ保持部材2e間を結ぶロープ3と交差点Eで交わる。ロープ3の他端は、ロープ端部保持部材1bに保持される。
【0018】
動作制限領域Bを上方から見た場合、上述したロープ3同士の交差点C,D,E,Fは、それぞれ動作制限領域Bの各頂点Ba,Bb,Bc,Bdと一致する。また、ロープ端部保持部材1aから第1のロープ保持部材2aに延びるロープ3、第2のロープ保持部材2bから第3のロープ保持部材2cに延びるロープ3、第4のロープ保持部材2dから第5のロープ保持部材2eに延びるロープ3、第6のロープ保持部材2fからロープ端部保持部材1bに延びるロープ3は、それぞれ矩形の動作制限領域Bの各辺と一致する。言い換えると、交差点C,D,E,Fを直線で結んで得られる領域を、動作制限領域Bに設定することができる。
【0019】
図3は、実施の形態1に係る衝突検知装置のロープ端部保持部材1a,1bのロープ3保持方法を示す説明図である。
ロープ3の端部には、ばね5などの付勢体が接続され、当該ばね5の他端がロープ端部保持部材1a,1bに固定される。これにより、ロープ3は引っ張り方向Xに付勢され、たわみが生じないように、ロープ保持部材2の周囲に張り回される。図3で示したばね5以外にも、ロープ3を引っ張り方向Xに付勢可能な手法であれば、ロープ3の端部の保持方法として種々適用可能である。
【0020】
次に、衝突検知部4の構成について図4から図6を参照しながら説明する。
図4から図6は、実施の形態1に係る衝突検知装置の衝突検知部4の構成を示す図である。詳細には、図4は衝突検知部4としてロープ3の張力の変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成、図5は衝突検知部4としてロープ3の移動から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成、図6は衝突検知部4としてロープ3の通電状態から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成を適用した場合を示している。
【0021】
まず、図4に基づいて、衝突検知部4としてロープ3の張力の変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成を適用した場合について説明する。
図4(a)はロープ3の端部においてロープ3にかかる張力の変化を検出し、当該張力の変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成を示し、図4(b)から図4(d)はロープ3の中間点においてロープ3にかかる張力の変化を検出し、当該張力の変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成を示している。
図4(a)では図3と同様に、ロープ3の端部にばね5などの付勢体を接続し、当該ばね5の他端がロープ端部保持部材1に固定される。衝突検知部4は、床面あるいは基台などに固定した近接センサ4aと、当該近接センサ4aを反応させるためにロープ3端部に設けたドグ4bとで構成される。ロープ3の張力に変化がない場合、近接センサ4aとドグ4bは近接しており、近接センサ4aがON状態となっている。近接センサ4aがON状態でロープ3に可動体20が接触した場合、ロープ3が矢印Y方向に引っ張られることによりばね5が変位し、ドグ4bが近接センサ4aから矢印Y方向に遠ざかる。ドグ4bが近接センサ4aから離れることにより、近接センサ4aがOFF状態となり、ロープ3の張力に変化が生じたことを検知する。
【0022】
図4(b)から図4(d)では、6本のロープ保持部材2のうちのいずれか少なくとも1本のロープ保持部材2の外周にベアリング4cを配置し、当該ベアリング4cの外周にロープ3を張り回す。
図4(b)の例では、ベアリング4cを設けたロープ保持部材2の任意の箇所に壁あるいは柱に一端が固定されたばね5などの付勢体の他端を固定する。衝突検知部4は、ベアリング4cと、当該ベアリング4cに接続され、ベアリング4cの動きに基づいてスイッチの切り替えを行うスイッチ切替部4dとで構成される。ロープ3の張力に変化がない場合、スイッチ切替部4dのスイッチはON状態となっている。スイッチがON状態でロープ3に可動体20が接触した場合、ロープ3が矢印Za方向あるいは矢印Zb方向に引っ張られることによりばね5が変位し、ベアリング4cが矢印Zc方向に移動する。ベアリング4cが移動することにより、スイッチ切替部4dにおいてスイッチがOFF状態に切り替えられ、ロープ3の張力に変化が生じたことが検出される。
【0023】
図4(c)の例では、ベアリング4cの周囲に圧力センサ4eを貼り付け、圧力センサ4e上にロープ3を張り回す。ロープ3に可動体20が接触し、ロープ3が引っ張られると圧力センサ4eに圧力が加わる。圧力センサ検出回路4fが、圧力センサ4eに加えられた圧力を検出することにより、ロープ3の張力に変化が生じたことを検出する。
図4(d)の例では、ロープ保持部材2の周囲にひずみセンサ4gを貼り付ける。ロープ3に可動体20が接触し、ロープ3が引っ張られるとロープ保持部材2がひずむ。ひずみセンサ検知部4hが、ロープ保持部材2のひずみを検出することにより、ロープ3の張力に変化が生じたことを検知する。
【0024】
図4(a)および図4(b)の構成では、ロープ3よりも大きな弾性を有するばね5などの付勢体を介して配置することにより、ロープ3に張力がかかった場合に当該張力を大きい変位として捉えることができ、衝突検知部4においてロープ3の張力の変化を検知する感度が向上する。これにより、可動体20のロープ3への衝突検知の感度を向上させることができる。図4(a)および図4(b)では、付勢体としてばね5を用いる例を示したが、ロープ3よりも大きな弾性を有するものであれば種々適用可能である。
【0025】
次に、図5に基づいて、衝突検知部4としてロープ3の移動から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成について説明する。
図5(a)はロープ3に接触した状態でロープ3の移動を検出する構成を示し、図5(b)はロープ3に非接触の状態でロープ3の移動を検出する構成を示している。
図5(a)では図4(b)および図4(c)と同様に、6本のロープ保持部材2のうちのいずれか少なくとも1本のロープ保持部材2の外周にベアリング4cを配置し、当該ベアリング4cの外周にロープ3を張り回す。ロープ保持部材2は固定部材4iを介して壁あるいは柱などに固定される。衝突検知部4は、ベアリング4cと、当該ベアリング4cに接続され、ベアリング4cの回転を検出する回転検出器4jとで構成される。ロープ3に可動体20が接触した場合、ロープ3が矢印Za方向あるいは矢印Zb方向に移動すると共に、ベアリング4cが矢印Zdあるいは矢印Ze方向に回転する。当該ベアリング4cの矢印Zdあるいは矢印Ze方向への回転を回転検出器4jが検出し、ロープ3の移動を検出する。
【0026】
図5(b)では、ロープ3の近傍、且つロープ3を撮像可能な位置に複数の撮像素子4kを配置している。衝突検知部4は、撮像素子4kと撮像素子4kが連続的に取得した画像データの画像処理を行ってロープ3の移動を検知する移動検知部4lとで構成される。ロープ3に可動体20が接触した場合、ロープ3が矢印Zf方向あるいは矢印Zg方向に移動する。撮像素子4kは当該移動を含む連続的な画像データを取得し、移動検知部4lは当該画像データの画像処理を行い輝度値の変化に基づいて、ロープ3が移動したことを検出する。撮像素子4kとしては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサなどが挙げられる。
【0027】
なお、図5(a)および図5(b)の構成では、ロープ3の移動から可動体20のロープ3への衝突を検知する場合を示したが、ロープ3の移動量を算出し、算出した移動量があらかじめ設定した閾値を超える場合にロープ3に可動体20が衝突したと判断する構成としてもよい。
図5(a)および図5(b)の構成では、ロープ3の張力変化の影響を受けにくく、張力変化について誤認識を抑制することができる。また、図5(b)で示した非接触の状態でロープ3の移動から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成では、撮像素子4kをロープ3に近接した任意の箇所に配置することが可能であり、衝突検知部4の配置の自由度が高まる。なお、撮像素子4kは動作制限領域Bよりも外に配置する。
【0028】
最後に、図6に基づいて、衝突検知部4としてロープ3の通電状態から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成について説明する。
図6では、複数のロープ3を、締結部材4mを介して締結し、1本のロープ3を構成している。ロープ3は導電性材料で構成され、電源4nにより電圧が印加されている。衝突検知部4は、ロープ3に電圧を印加する電源4nと、ロープ3への通電状態を検知する通電検知部4oとで構成される。ロープ3の張力に変化がない場合、全ての締結部材4mが締結され、通電検知部4oにおいて通電状態が検出されている。通電状態でロープ3に可動体20が接触していずれかの締結部材4mの締結が解除されると、通電検知部4oが通電遮断状態を検知する。
【0029】
図6で示した締結部材4mとして、例えば磁石、静電力、締め付け冶具およびマジックテープ(登録商標/以下、記載を省略する。)などを適用可能である。また、上述した以外にも、可動体20のロープ3への接触により締結が解除される材料であれば、適宜適用可能である。締結部材4mによるロープ3の締結状態に応じて、通電検知部4oが通電状態または通電遮断状態を検知するので、当該衝突検知部4を非常停止回路など、可動体20の運転を停止させるための回路に直接接続することができる。
【0030】
図4から図6で示したいずれかの構成を有する衝突検知部4が検知したロープ3の変化を報知信号として外部装置の警報装置あるいは非常停止回路などに出力することにより、警報装置であれば可動体20が動作制限領域Bから出たことを警告する警告音を出力する、非常停止回路であれば可動体20の運転を停止させる制御を行うことができる。
【0031】
以上のように、この実施の形態1によれば、可動体20の周囲を囲むロープ3と、可動体20の動作制限領域B外に配置したロープ3を保持するロープ端部保持部材1およびロープ保持部材2と、ロープ3の変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する衝突検知部4とを備え、動作制限領域Bを上方から見た場合に、ロープ3同士が交差する各交差点C,D,E,Fを結んだ領域と、可動体20の動作制限領域Bとが一致するように、すなわち、交差点C,D,E,Fを直線で結んで得られる領域を動作制限領域Bに設定するように構成したので、動作制限領域Bと一致する領域がロープ3と当該ロープ3の交差点C,D,E,Fのみによって構成され、可動体20の衝突により衝突検知部4、ロープ端部保持部材1およびロープ保持部材2が破損するのを抑制することができる。
【0032】
また、この実施の形態1によれば、ロープ3の端部に当該ロープ3よりも大きな弾性を有するばね5を接続して当該ばね5をロープ端部保持部材1に固定し、ばね5の変位を検知する衝突検知部4を近接センサ4aおよびドグ4bで構成したので、ロープに係る張力を大きな変化として捉えることができ、衝突検知部4の検知感度を向上させることができる。
【0033】
また、この実施の形態1によれば、衝突検知部4をロープ3の中間部分を外周に張り回したベアリング4cと、当該ベアリング4cが設けられたロープ保持部材2に接続されたばね5を壁部などの構成部材に固定し、ベアリング4cの移動によりスイッチ動作が行われるスイッチ切替部4dで構成したので、ロープに係る張力を大きな変化として得ることができ、衝突検知部4の検知感度を向上させることができる。
【0034】
また、この実施の形態1によれば、衝突検知部4をロープ3の中間部分を外周に張り回したベアリング4cと、当該ベアリング4cの回転を検出する回転検出器4jで構成したので、ロープの張力の変化の影響を受けることなく、可動体のロープへの衝突を検知することができる。これにより、安定して衝突検知を行うことができる。
【0035】
また、この実施の形態1によれば、衝突検知部4をロープ3の近傍に配置したロープ3を撮像する撮像素子4kと、撮像素子4kの撮像画像を解析することによりロープ3の移動を検知する移動検知部4lとを備えるように構成したので、ロープの張力の変化の影響を受けることなく、安定して可動体のロープへの衝突を検知することができる。また、撮像素子4kをロープ3の近傍の任意の箇所に配置することができる。
【0036】
また、この実施の形態1によれば、ロープ3に導電性のロープを適用し、当該ロープ3への通電状態を監視し、通電遮断状態を検知する通電検知部4oを備えるように構成したので、ロープ3自体の切断を検知することができ、通電検知部4oに可動体の非常停止回路などを直接接続することができる。
【0037】
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、1本のロープ3あるいは締結部材4mを介して締結した1本のロープ3をロープ保持部材2の外周に張り回す構成を示した。この実施の形態2では、当該ロープ3の種別およびロープ3の張り回し方について種々の構成例を示す。まず、図7を参照しながらロープ3を複数本張り回す構成を示す。
【0038】
図7は、実施の形態2に係る衝突検知装置の複数のロープ3の配置例を示す図である。
図7(a)は、可動体20の側方の高さ方向に複数本のロープ3を並設している。言い換えると、ロープ保持部材2が立設された床面から上方に向けて、ロープ保持部材2の外周に一定間隔を空けて3本のロープ3a,3b,3cを並行に張り回した場合を示している。なお、各ロープ3a,3b,3cのロープ保持部材2への張り回し方法は実施の形態1と同様である。ロープ保持部材2の下方から上方にかけて複数のロープ3を張り回すことにより、可動体20の側方を覆う仮想的な衝突検知面6a,6bが形成される。当該仮想的な衝突検知面6a,6bにより、可動体20の動作制限領域Bについて高さ方向も考慮した面を設定することができる。3本のロープ3a,3b,3cの変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する場合、1つの衝突検知部4で検知する構成としてもよいし、各ロープ3a,3b,3cにそれぞれ独立して衝突検知部4を接続して構成してもよい。
【0039】
図7(b)は、可動体20の側方の高さ方向に複数のロープ3を並設し、且つ可動体20の上方に複数のロープ3を並設し、可動体20の側面および上面を囲むように複数のロープ3を格子状に配置した場合を示している。図7(b)では図示の都合上、4つの側面のうち2つの側面におけるロープ3の記載を省略している。また、図7(b)ではロープ保持部材2の図示を省略しているが、可動体20の上方を囲むようにロープ3を配設可能な位置、例えば壁や天井にロープ保持部材2を配置する。可動体20の側方を覆う仮想的な衝突検知面6a,6bに加え、可動体20の上方を覆う仮想的な衝突検知面6cが形成されることにより、可動体20の動作制限領域Bを3次元空間で設定することができる。
【0040】
図7(b)において、1つの衝突検知部4が全てのロープ3の変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成としてもよいし、各ロープ3にそれぞれ独立して衝突検知部4を接続して構成してもよい。なお、図7(b)の例では、可動体20の側面および上面を囲むロープ3の配置を示したが、当該配置に限定されることなく、4側面および上面を全て囲むロープ3の配置としてもよい。また、図7(b)では可動体20の4つの側面および上面をロープ3で囲む例を示したが、図7(b)の構成に限定されるものではない。例えば可動体20の側面を6つの面で囲み、且つ上面を2つの面で囲むようにロープ3を配置する構成としてもよい。
【0041】
図8は、実施の形態2に係る衝突検知装置のロープ3のその他の適用例を示す図である。
図8では、例えば5cmあるいは10cm程度の線幅を有する幅広のロープ3dを用いる例を示し、ロープ保持部材2を介して可動体20の周囲に張り回す場合を示している。ロープ3dのロープ保持部材2への張り回し方法は実施の形態1と同様である。ただし、ロープ3dが一定の線幅を有することから、ロープ3dとロープ3dが重なる交差点では、一方のロープ3dをロープ保持部材2の上下方向のいずれかにずらしてロープ3d同士を交差させる。
【0042】
図9は、実施の形態2に係る衝突検知装置のロープ3に装甲部材7を設ける構成を示す図である。
図9の例では、2本のロープ3a,3bにまたがるように装甲部材7を配置している。装甲部材7の形状は、当該装甲部材7に可動体20が衝突した際の衝突力をロープ3に伝達可能な形状であれば、任意に構成することが可能である。図9の例では、装甲部材7の一方の面を凹ませた形状を示している。この場合、当該凹ませた面を可動体20側に向けて配置する。装甲部材7の素材としては、ゴムおよび樹脂などが用いられる。装甲部材7は、例えば可動体20が衝突すると推定される箇所など、任意の箇所に配置する。また、図9では図示していないが、装甲部材7を所定の間隔を空けて複数配置してもよい。
装甲部材7を設けることにより、可動体20が当該装甲部材7に衝突した際の力をロープ3に伝達することができる。さらに、装甲部材7の衝突面の形状を、面や特殊形状などの任意の形状で構成することにより、可動体20の衝突力を効率よくロープ3に伝達することができる。
【0043】
図10は、実施の形態2に係る衝突検知装置の複数のロープ3の締結方法を示す図である。
図10は、衝突検知装置を上方から見た図であり、ロープ端部保持部材1aから第1から第6のロープ保持部材2a,2b,2c,2d,2e,2fを介してロープ端部保持部材1bまでロープ3を張り回す際に、ロープ3の中間の4か所に設けた締結部材8a,8b,8c,8dでロープ3a,3b,3c,3d,3eを締結する場合を示している。ロープ3aとロープ3bは締結部材8aを介して締結され、ロープ3bとロープ3cは締結部材8bを介して締結され、ロープ3cとロープ3dは締結部材8cを介して締結され、ロープ3dとロープ3eは締結部材8dを介して締結されている。なお、ロープ3aとロープ3eは衝突検知部4pにより変化が検知され、ロープ3bとロープ3cは衝突検知部4qにより変化が検知され、ロープ3dは衝突検知部4rにより変化が検知される。
【0044】
締結部材8a,8b,8c,8dは、例えば磁石、静電力、締め付け冶具およびマジックテープなどを適用して構成する。締結部材8a,8b,8c,8dに電磁石あるいは静電力を適用する場合には、電力を制御して締結力を調整する。また、締結部材に永久磁石を適用する場合には、無電力で締結可能である。締結部材8a,8b,8c,8dに締め付け冶具を適用する場合、機械的な締め付け力で締結するため無電力で締結可能であり、電磁気の影響を受けにくい。また、締結部材8a,8b,8c,8dにマジックテープを適用する場合、安価な構成で、且つ無電力で締結可能であり、電磁気の影響を受けにくい。
【0045】
例えば、可動体20がロープ3aに衝突すると、当該衝突による締結部材8aの締結が解除され、衝突検知部4pがロープ3aの変化を検知する。複数のロープ3a,3b,3c,3d,3eを締結部材8a,8b,8c,8dを介して締結した場合、可動体20の衝突によるロープ3が破損するのを抑制することができる。さらに、安全を確認した後再度締結部材8a,8b,8c,8dを締結し直すのみで可動体20の運転を再開することができる。また、可動体20の衝突によりロープ3が破損した場合にも、破損したロープ3部分のみを交換すればよい。このように、ロープ3の締結解除と締結とを繰り返し行うことがで、されにロープ3の長さの調整やロープ3の痛みのある箇所の交換、可動体20との衝突からの衝突検知装置の復帰が容易となる。
【0046】
図11は、実施の形態2に係る衝突検知装置の複数のロープ3の設置方法を示す図である。
図11は衝突検知装置を上方から見た図であり、4本のロープ3a,3b,3c,3dの各端部を壁に固定し、ロープ3aとロープ3bを交差点Fで交差させ、ロープ3aとロープ3cを交差点Cで交差させ、ロープ3cとロープ3dを交差点Dで交差させ、ロープ3bとロープ3dを交差点Eで交差させている。実施の形態1と同様に、動作制限領域Bを上方から見た場合、上述したロープ3同士の交差点C,D,E,Fは、それぞれ動作制限領域Bの各頂点Ba,Bb,Bc,Bdと一致する。また、ロープ3a,3b,3c,3dの一部は、矩形の動作制限領域Bの各辺と一致する。なお、ロープ3a,3b,3c,3dの各端部を固定した壁は、動作制限領域B外に位置する。
言い換えると、交差点C,D,E,Fを直線で結んで得られる領域を、動作制限領域Bに設定することができる。
【0047】
さらに、ロープ3a,3b,3c,3dを壁に固定する際に、ばね5などの付勢体を介して固定することにより、たわみが生じないようにロープ3a,3b,3c,3dを配設することができる。また、図11の例では、2つの衝突検知部4を配置し、2本のロープの変化から可動体20のロープ3への衝突を検知する構成を示している。なお、衝突検知部4の配置数は変更可能である。
【0048】
以上のように、この実施の形態2によれば、複数本のロープ3を可動体20の側方の高さ方向に並設するように構成したので、可動体のロープへの衝突をより広い範囲で検知することができる。
【0049】
また、この実施の形態2によれば、複数本のロープ3の屈曲方向を任意の角度に設定可能とし、可動体20の側方の高さ方向に加えて、可動体20の上方に並設するように構成したので、任意の多面体形状の動作制限領域を設定することができる。
【0050】
また、この実施の形態2によれば、一定の線幅を有するロープ3dを配置するように構成しての、ロープの配置数を抑制した状態で、面による衝突検知を行うことができる。
【0051】
また、この実施の形態2によれば、ロープ3に装甲部材7を設けるように構成したので、可動体の装甲部材への衝突をロープに確実に伝達することができる。
【0052】
また、この実施の形態2によれば、複数本の短いロープ3a,3b,3c,3d,3eを締結部材8a,8b,8c,8dを介して締結し、当該締結したロープ3を可動体20の周囲に配設し、可動体20が当該ロープ3に衝突することによりロープ3の締結が解除されるように構成したので、ロープ同士の締結や締結解除を繰り返し行うことができ、ロープの長さ調整、劣化したロープの交換、可動体との衝突からの復元が容易となる。
【0053】
なお、上述した実施の形態1および実施の形態2では、ロープ3を配置する構成を示したが、ロープ3以外にもワイヤなどの線状部材を適用することが可能である。また、ロープ保持部材2を円柱で構成する場合を例に示したが、壁や天井に固定した滑車などを適用して構成することも可能である。
【0054】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2で示したロープ端部保持部材1、ロープ保持部材2、ロープ3、衝突検知部4に換えて、光センサ9および光軸屈曲部10を適用して衝突検知装置を実現する構成を示す。
図12は、実施の形態3に係る衝突検知装置の構成を示す上面図である。
衝突検知装置は、光センサ9および第1から第6の光軸屈曲部10a,10b,10c,10d,10e,10f(以下、総称する場合には光軸屈曲部10と称する)を備えて構成され、監視対象となる可動体20が光センサ9から出力される光の光軸を遮断したか否かにより、当該可動体20が動作制限領域B外に出たか否かを検知する。
実施の形態1と同様に、衝突検知装置が配置される領域には可動領域Aと、動作制限領域Bが設定されている。動作制限領域B内には、可動体20、作業対象30が配置されている。
【0055】
光センサ9は、光を出射する光源9aと、光源9aから出射された光を受光する受光部9bで構成される。光源9aは、例えば発光ダイオードやレーザ光源である。当該光センサ9の光源9aは実施の形態1で示したロープ端部保持部材1aに相当し、受光部9bは実施の形態1で示したロープ端部保持部材1bおよび衝突検知部4に相当する。光源9aから出射された光は、6か所に設けた第1から第6の光軸屈曲部10a,10b,10c,10d,10e,10fにより順次光軸が屈曲され、受光部9bに導かれる。第1から第6の光軸屈曲部10a,10b,10c,10d,10e,10fは、実施の形態1で示した第1から第6のロープ保持部材2a,2b,2c,2d,2e,2fに相当する。
光センサ9および光軸屈曲部10は全て動作制限領域B外に配置される。
【0056】
図11の例では、光センサ9が、動作制限領域Bの頂点Ba近傍に配置されている。一対の第1の光軸屈曲部10aおよび第2の光軸屈曲部10bは、動作制限領域Bの頂点Bbの付近に配置されている。同様に、一対の第3の光軸屈曲部10cおよび第4の光軸屈曲部10dは動作制限領域Bの頂点Bcの付近に配置され、一対の第5の光軸屈曲部10eおよび第6の光軸屈曲部10fは動作制限領域Bの頂点Bd近傍に配置されている。なお、光センサ9および光軸屈曲部10は、可動体20が設置された床面から任意の高さに設置されるものとする。
【0057】
実施の形態1のロープ3に相当する光センサ9が出射する光の光軸11aは、光源9aから出射されて第1の光軸屈曲部10aおよび第2の光軸屈曲部10bにより伝搬方向が変えられ、第3の光軸屈曲部10cに向かって進む。光源9aから第1の光軸屈曲部10aに延びる光軸11aと、第2の光軸屈曲部10bから第3の光軸屈曲部10cに延びる光軸11bとが交差点Cで交わる。
同様に、第2の光軸屈曲部10bから延びる光軸11bは、第3の光軸屈曲部10cおよび第4の光軸屈曲部10dにより伝搬方向が変えられ、第5の光軸屈曲部10eに向かって進む。第2の光軸屈曲部10bから第3の光軸屈曲部10cに延びる光軸11bと、第4の光軸屈曲部10dから第5の光軸屈曲部10eに延びる光軸11cとが交差点Dで交わる。
また、第4の光軸屈曲部10dから延びる光軸11cは、第5の光軸屈曲部10eおよび第6の光軸屈曲部10fにより伝搬方向が変えられ、受光部9bに向かって進む。第4の光軸屈曲部10dから第5の光軸屈曲部10eに延びる光軸11cと、第6の光軸屈曲部10fから受光部9bに延びる光軸11dとが交差点Fで交わる。光軸11dを進んだ光は受光部9bで受光される。
【0058】
動作制限領域Bを上方から見た場合、上述した光軸同士の交差点C,D,E,Fは、それぞれ動作制限領域Bの各頂点Ba,Bb,Bc,Bdと一致する。また、光源9aから第1の光軸屈曲部10aに延びる光軸11a、第2の光軸屈曲部10bから第3の光軸屈曲部10cに延びる光軸11b、第4の光軸屈曲部10dから第5の光軸屈曲部10eに延びる光軸11c、第6の光軸屈曲部10fから受光部9bに延びる光軸11dは、それぞれ矩形の動作制限領域Bの各辺と一致する。言い換えると、交差点C,D,E,Fを直線で結んで得られる領域を、動作制限領域Bに設定することができる。
【0059】
監視対象となる可動体20が光源9aから出射される光の光軸を遮断し、受光部9bに光が入射されない場合には可動体20が動作制限領域B外に出たことを検知する。
【0060】
以上のように、この実施の形態3によれば、可動体20の動作制限領域B外に光センサ9および光軸屈曲部10を配置し、光センサ9は、光を出射する光源9aおよび当該光を受信すると共に、光の光軸の遮断を検知する受光部9bを備え、衝突検知装置を上方から見た場合に、光軸により囲まれる領域が、可動体20の動作制限領域Bと一致するように、すなわち光軸により囲まれる領域を動作制限領域Bに設定するように構成したので、光軸の遮断により可動体が動作制限領域外に出たことを検知することができる。また、検知速度が速い。また、ロープ3をロープ保持部材2を介して張り回す場合と比較して、たわみや弾性がなく、どの領域においても可動体20の動作制限領域B外への飛び出しを検知することができる。
【0061】
なお、上述した実施の形態3では、光センサ9を一つ配置する構成を示したが、光センサ9を複数配置し、図7(a)あるいは図7(b)に示した構成に相当するように、光軸により囲まれる領域を複数形成するように構成してもよい。また、図8に示した構成に相当するように、光軸に所定の幅を持たせるように構成してもよい。
【0062】
実施の形態4.
上述した実施の形態1から実施の形態3では、動作制限領域Bが四角形である場合を例に示したが、四角形に限定されるものではない。少なくとも1点の交差点が存在すれば可動体20の動作領域を制限することができる。この実施の形態4では、1つの交差点でロープ3または光軸11で交わる構成を示す。
図13は、実施の形態4に係る衝突検知装置の構成を示す上面図であり、ロープへの衝突を検知する構成を示す。
実施の形態4の衝突検知装置は、実施の形態1で示した衝突検知装置と同様にロープ端部保持部材(保持部材)1、ロープ保持部材(保持部材)2、ロープ(線状部材)3および衝突検知部4を備えて構成されている。また、可動体20が可動可能な最大領域を示す可動領域Aが設定され、当該可動領域A内において可動体20が実際に作業を行う際にロープ3が張り回された方向への動作が制限される。図13の構成では、可動体20は、可動領域A1および可動領域A2での動作が制限される。
【0063】
ロープ端部保持部材1a,1b、一対の第1のロープ保持部材2aおよび第2のロープ保持部材2bが配置される。ロープ端部保持部材1a,1bは、可動領域A外に配置される。ロープ3は、連続した1本のロープであり、一方の端部がロープ端部保持部材1aに保持される。一方の端部が保持されたロープ3は、第1のロープ保持部材2aに向けて延ばし、第1のロープ保持部材2aの外周に半周程度巻き付け、さらに隣接する第2のロープ保持部材2bの外周に半周程度巻き付け、ロープ端部保持部材1bに向けて延ばす。ロープ端部保持部材1bに向けて延ばすロープ3は、ロープ端部保持部材1aと第1のロープ保持部材2a間を結ぶロープ3と交差点Cで交わる。ロープ3の他端は、ロープ端部保持部材1bに保持される。
【0064】
衝突検知部4は、可動体20のロープ3への衝突を検知する。衝突検知部4は実施の形態1の図4から図6で示した構成を適用することができる。また、図13で示した衝突検知装置の構成に実施の形態2の構成を適用することも可能である。
【0065】
図14は、実施の形態4に係る衝突検知装置の構成を示す上面図であり、光軸の遮断を検知する構成を示す。
実施の形態4の衝突検知装置は、実施の形態3で示した衝突検知装置と同様に光センサ9および第1の光軸屈曲部10aおよび第2の光軸屈曲部10bを備えて構成され、監視対象となる可動体20が光センサ9から出力される光の光軸を遮断したか否かにより、当該可動体20が動作制限領域B外に出たか否かを検知する。可動領域Aが設定され、当該可動領域A内において可動体20が実際に作業を行う際に光軸が形成された方向への動作が制限される。図14の構成では、可動体20は、可動領域A1および可動領域A2での動作が制限される。
【0066】
光センサ9は、光を出射する光源9aと、光源9aから出射された光を受光する受光部9bで構成される。光源9aから出射された光は、第1の光軸屈曲部10aおよび第2の光軸屈曲部10bにより光軸が屈曲され、受光部9bに導かれる。光源9aおよび受光部9bは可動領域A外に配置される。光センサ9が出射する光の光軸11aは、光源9aから出射されて第1の光軸屈曲部10aおよび第2の光軸屈曲部10bにより伝搬方向が変えられ、受光部9bに向かって進む。光源9aから第1の光軸屈曲部10aに延びる光軸11aと、第2の光軸屈曲部10bから受光部9bに延びる光軸11bとが交差点Cで交わる。光軸11bを進んだ光は受光部9bで受光される。監視対象となる可動体20が光源9aから出射される光の光軸を遮断し、受光部9bに光が入射されない場合には可動体20が可動領域A1または可動領域A2に出たことを検知する。
【0067】
上記以外にも、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1,1a,1b ロープ端部保持部材
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f ロープ保持部材
3,3a,3b,3c ロープ
4,4p,4q,4r 衝突検知部
4a 近接センサ
4b ドグ
4c ベアリング
4d スイッチ切替部
4e 圧力センサ
4f 圧力センサ検出回路
4g ひずみセンサ
4h ひずみセンサ検出回路
4i 固定部材
4j 回転検出器
4k 撮像素子
4l 移動検知部
4m,8a,8b,8c,8d 締結部材
4n 電源
4o 通電検知部
5 付勢体
6a,6b,6c 仮想的な衝突検知面
7 装甲部材
9 光センサ
9a 光源
9b 受光部
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f 光軸屈曲部
11a,11b,11c,11d 光軸
20 可動体
30 作業対象
40 設備機器
A,A1,A2 可動領域
B 動作制限領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14