特開2016-215313(P2016-215313A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-215313(P2016-215313A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】加工ロボット装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/06 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   B25J9/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-102471(P2015-102471)
(22)【出願日】2015年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 智
(72)【発明者】
【氏名】加藤 重人
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707BS28
3C707CT02
3C707DS05
3C707HS26
(57)【要約】
【課題】なるべく広い用途で人代替作業が可能な加工ロボット装置をなるべく安価に提供することを目的とする。
【解決手段】加工ロボット装置20は、台座31と台座31を被加工物(例えば、電線WHa)に対して移動させるベース移動機構(例えば、垂直多関節ロボット40)とを含む支持ベース30と、台座31に支持され、被加工物を位置決め可能な一対のサブハンド50と、一対のサブハンド50の間で台座31に支持され、被加工物に対して加工を行うメインハンド70とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と前記台座を被加工物に対して移動させるベース移動機構とを含む支持ベースと、
前記台座に支持され、前記被加工物を位置決め可能な一対のサブハンドと、
前記一対のサブハンドの間で前記台座に支持され、前記被加工物に対して加工を行うメインハンドと、
を備える加工ロボット装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加工ロボット装置であって、
前記ベース移動機構は、前記台座を移動させる多関節アームを含む、加工ロボット装置。
【請求項3】
請求項1に記載の加工ロボット装置であって、
前記ベース移動機構は、前記台座を少なくとも2方向に移動させる複数軸方向移動ロボット機構を含む、を備える加工ロボット装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
前記支持ベースは、前記台座に対して前記メインハンドを支持するメインハンド用多関節アームを含む、加工ロボット装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
前記支持ベースは、前記一対のサブハンドを結ぶ第1方向において、前記メインハンドに対して前記一対のサブハンドの相対位置を変化させる第1移動機構を含む、加工ロボット装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
前記支持ベースは、第1方向に対して直交する面内において、前記メインハンドに対して前記一対のサブハンドの相対位置を変化させる第2移動機構を含む、加工ロボット装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
前記メインハンドを前記被加工物側に向けた作業姿勢と前記被加工物から遠ざけた収納姿勢との間で姿勢変更可能に支持するメインハンド収納機構を含む、加工ロボット装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
前記サブハンドを前記被加工物側に向けた作業姿勢と前記被加工物から遠ざけた収納姿勢のとの間で姿勢変更可能に支持するサブハンド収納機構を含む、加工ロボット装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
前記サブハンドを前記メインハンド側に近づけた作業姿勢と前記メインハンドから遠ざけた収納姿勢との間で旋回可能に支持するサブハンド旋回支持機構を含む、加工ロボット装置。
【請求項10】
請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
前記メインハンドが、前記一対のサブハンドの少なくとも1つを前記作業姿勢に姿勢変更させる、加工ロボット装置。
【請求項11】
請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の加工ロボット装置であって、
駆動部と、
前記駆動部の動きを、前記メインハンドを動作させる力、前記サブハンドを動作させる力、前記メインハンドを移動させる力、及び、前記サブハンドを移動させる力のうちの少なくとも1つとして伝達する線状部材と、
を備える加工ロボット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワイヤーハーネス等を加工するための用いられる加工ロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な人件費高騰の影響により、従来人手で行ってきた作業をロボットに代替させたいというニーズが高まっている。こういったいわゆる人代替ロボットニーズに対する対応は大きく分けて次の二つの方向性で検討されてきた。
【0003】
1つは人型の双腕ロボット、もう1つは単腕のロボットを想定作業に応じて組み合せたものである。
【0004】
例えば、単腕のロボットを用いて、ワイヤーハーネスのテープ巻き作業を行う構成が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−192456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人型の双腕ロボットのメリットは、人手作業の代替という目的から、一般的な人間の形態を模するだけで、ロボットに要求される可動範囲、設置スペース、作業勝手等の要求事項を容易に満たすことができるという点にある。その結果、様々な用途で同一タイプのロボットを使用でき、また、量産効果により人型のロボットを安価に製造できる可能性がある。
【0007】
双腕ロボットのアームが人の腕の動作を模することは比較的容易であるが、人の指及び手の機能を代替することは困難であり、広い範囲で人手作業を代替するには器用さが不足する。
【0008】
また、特許文献1は、単腕のロボットを用いて、ワイヤーハーネスのテープ巻き作業を行う構成を開示している。しかしながら、ワイヤーハーネスに対してテープ巻を行うためには、複数の電線を一定位置に保持して集合させる必要があり、単腕のロボットのみによってワイヤーハーネスのテープ巻き作業を行うことは困難である。
【0009】
そこで、必要作業及び必要重量等に合せてロボット機種を選定し、ロボット台数を増加させれば、即ち、複数種の単腕のロボットを特定の対象工程に応じて組み合せれば、各種作業を実現することが可能な構成をとることができる。
【0010】
しかしながら、その場合、対象作業に合わせてカスタム化された多数の単腕ロボットを組合わせる必要があり、全体として高コストとなる。
【0011】
そこで、本発明は、なるべく広い用途で人代替作業が可能な加工ロボット装置をなるべく安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る加工ロボット装置は、台座と前記台座を被加工物に対して移動させるベース移動機構とを含む支持ベースと、前記台座に支持され、前記被加工物を位置決め可能な一対のサブハンドと、前記一対のサブハンドの間で前記台座に支持され、前記被加工物に対して加工を行うメインハンドとを備える。
【0013】
第2の態様は、第1の態様に係る加工ロボット装置であって、前記ベース移動機構は、前記台座を移動させる多関節アームを含むものである。
【0014】
第3の態様は、第1の態様に係る加工ロボット装置であって、前記ベース移動機構は、前記台座を少なくとも2方向に移動させる複数軸方向移動ロボット機構を含むものである。
【0015】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、前記支持ベースは、前記台座に対して前記メインハンドを支持するメインハンド用多関節アームを含むものである。
【0016】
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、前記支持ベースは、前記一対のサブハンドを結ぶ第1方向において、前記メインハンドに対して前記一対のサブハンドの相対位置を変化させる第1移動機構を含むものである。
【0017】
第6の態様は、第1〜第5のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、前記支持ベースは、第1方向に対して直交する面内において、前記メインハンドに対して前記一対のサブハンドの相対位置を変化させる第2移動機構を含むものである。
【0018】
第7の態様は、第1〜第6のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、前記メインハンドを前記被加工物側に向けた作業姿勢と前記被加工物から遠ざけた収納姿勢との間で姿勢変更可能に支持するメインハンド収納機構を含むものである。
【0019】
第8の態様は、第1〜第7のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、前記サブハンドを前記被加工物側に向けた作業姿勢と前記被加工物から遠ざけた収納姿勢のとの間で姿勢変更可能に支持するサブハンド収納機構を含むものである。
【0020】
第9の態様は、第1〜第8のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、前記サブハンドを前記メインハンド側に近づけた作業姿勢と前記メインハンドから遠ざけた収納姿勢との間で旋回可能に支持するサブハンド旋回支持機構を含むものである。
【0021】
第10の態様は、第7〜第9のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、前記メインハンドが、前記一対のサブハンドの少なくとも1つを前記作業姿勢に姿勢変更させるものである。
【0022】
第11の態様は、第7〜第10のいずれか1つの態様に係る加工ロボット装置であって、駆動部と、前記駆動部の動きを、前記メインハンドを動作させる力、前記サブハンドを動作させる力、前記メインハンドを移動させる力、及び、前記サブハンドを移動させる力のうちの少なくとも1つとして伝達する線状部材とを備える。
【発明の効果】
【0023】
第1の態様によると、一対のサブハンドの一方又は両方によって被加工物を位置決めした状態で、メインハンドによって被加工物に対して加工を行うことができる。このため、一対のサブハンドとメインハンドとの連携作業によって、被加工物に対して比較的器用な加工を行うことができる。これにより、なるべく広い用途で人代替作業が可能となる。また、被加工物に対して移動可能な台座に、一対のサブハンドとメインハンドとが支持されている。このため、加工ロボット装置をなるべく安価にすることができる。
【0024】
第2の態様によると、多関節アームによって台座を移動させることによって、一対のサブハンド及びメインハンドを移動させて、被加工物に対する加工を行え、加工ロボット装置をなるべく安価にしつつ一対のサブハンド及びメインハンドの移動自由度を向上させることができる。
【0025】
第3の態様によると、複数軸方向移動ロボット機構によって台座を移動させることによって、一対のサブハンド及びメインハンドを移動させて、被加工物に対する加工を行え、加工ロボット装置をなるべく安価にしつつ一対のサブハンド及びメインハンドの移動自由度を向上させることができる。
【0026】
第4の態様によると、メインハンドの移動自由度を向上させることができ、被加工物に対してより器用な加工が可能となる。
【0027】
第5の態様によると、第1移動機構によって一対のサブハンドをメインハンドに近づけることで、サブハンドによる被加工物の位置決め位置と、メインハンドによる被加工物の作業位置とを近づけることができ、第1移動機構によって一対のサブハンドをメインハンドからある程度遠ざけることで、サブハンドとメインハンドとが干渉し難いように容易に制御できる。
【0028】
第6の態様によると、第1方向に対して直交する面内において、メインハンドに対して一対のサブハンドの相対位置を変化させることにより、それらの移動自由度を向上させることができ、より器用な加工が可能となる。
【0029】
第7の態様によると、メインハンドを被加工物から遠ざけた収納姿勢に姿勢変更させておくことで、被加工物に対してメインハンドを移動させる際に、メインハンドが被加工物等と干渉し難くなる。
【0030】
第8の態様によると、サブハンドを被加工物から遠ざけた収納姿勢に姿勢変更させておくことで、被加工物に対してサブハンドを移動させる際に、サブハンドが被加工物等と干渉し難くなる。
【0031】
第9の態様によると、サブハンドを被加工物から遠ざけた収納姿勢に姿勢変更させておくことで、被加工物に対してサブハンドを移動させる際に、サブハンドが被加工物等と干渉し難くなる。
【0032】
第10の態様によると、簡易な構成によって、サブハンドを作業姿勢に姿勢変更させることができる。
【0033】
第11の態様によると、一対のサブハンド及びメインハンドを小型化及び軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】実施形態に係る加工ロボット装置を示す斜視図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3】第1変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図4】第2変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図5】第3変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図6】第3変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図7】第4変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図8】第4変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図9】第5変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図10】第5変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図11】第6変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図12】第6変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図13】第7変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図14】第8変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図15】第8変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
図16】サブハンドを収納する動作を示す説明図である。
図17】サブハンドを収納する動作を示す説明図である。
図18】第9変形例に係る加工ロボット装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
{実施形態}
以下、実施形態に係る加工ロボット装置について説明する。図1は加工ロボット装置20を示す斜視図であり、図2図1の部分拡大図である。
【0036】
加工ロボット装置20は、被加工物に対する加工を行う装置である。ここでは、被加工物がワイヤーハーネスWHを構成する電線WHaである例で説明する。ワイヤーハーネスWHは、複数の電線WHaが車両における配線形態に応じて分岐しつつ結束されることによって構成される。複数の電線WHaの端部には端子が取付けられている。ワイヤーハーネスWHの各端部において、端子がコネクタに挿入保持される。ワイヤーハーネスWHが車両に取付けられた状態で、各コネクタが車両の各種電気機器のコネクタに接続される。これにより、ワイヤーハーネスWHは、車両において各種電気機器同士を電気的に接続する配線部材として用いられる。
【0037】
上記複数の電線WHaの結束は、当該電線WHaを電線支持部材上に支持した状態でなされる。電線WHaの支持は、例えば、端部のコネクタをコネクタによって保持すること、及び、電線WHaの延在方向中間部をU字状の治具等で支持すること、等によってなされる。図1では、電線WHaが電線支持部材である図板10上に支持された状態を示している。
【0038】
本実施形態では、加工ロボット装置20が、図板上で所定の配線形態に応じて適宜分岐しつつ保持された複数の電線WHaを、その延在方向中間部の複数位置において結束する加工を想定して説明する。
【0039】
なお、電線WHaの支持構成は上記例に限られない。電線の端部のコネクタがコネクタ保持部によって保持され、電線の延在方向中間部がコネクタから垂下がった状態とされていてもよい。
【0040】
また、加工ロボット装置20による加工作業は、ワイヤーハーネスWHを構成する電線WHaを結束する作業に限られない。加工ロボット装置は、例えば、後述するメインハンド等による作業内容を変更することで、完成したワイヤーハーネスWHを車両に組付ける加工作業、その他、車両、家電機器、工場機器等の各種製品の加工にも適用可能である。
【0041】
もっとも、ワイヤーハーネスWH及びそれを構成する電線WHaは、全体的に柔軟物であるが故、ワイヤーハーネスWH及びそれを構成する電線WHaを図板等によってある程度一定形態に保持したとしても、加工対象となる部分はある程度自由に動き得る態様となっている。このため、当該部分を加工する際には、当該部分を保持しつつ加工を行うことが好ましい。本加工ロボット装置20は、このような柔軟物に対する部分的な加工を、当該部分を保持しつつ加工する場合に適する。
【0042】
加工ロボット装置20は、支持ベース30と、一対のサブハンド50と、メインハンド70とを備える。この実施形態では、加工ロボット装置20は、図板10の側方位置に設置され、当該図板10上に保持された複数の電線WHaの結束作業を行う。
【0043】
支持ベース30は、台座31と、台座31を被加工物であるワイヤーハーネスWHに対して移動させるベース移動機構としての垂直多関節ロボット40とを備える。
【0044】
垂直多関節ロボット40は、一般的な垂直多関節ロボット40であり、多関節アーム42を備える。多関節アーム42は、複数のアームが関節機構を介して軸周りに回転可能に連結された構成とされており、その先端部に台座31が支持されている。そして、上記多関節アーム42を動作させることによって、台座31を、図板10上に支持された複数の電線WHaに対する結束作業位置、即ち、作業エリアの任意の位置に移動させることができる。
【0045】
ここでは、多関節アーム42の基端部は、旋回駆動部44を介して旋回可能に支持されている。旋回駆動部44により多関節アーム42を旋回させることによって、台座31を、図板10上に支持された複数の電線WHaの配設位置に対してより広範囲且つ自由に移動させることができる。
【0046】
なお、台座を移動可能に支持するベース移動機構は、上記例に限られない。台座を複数軸方向移動ロボット機構によって移動可能に支持した例を後に変形例で説明する。
【0047】
台座31は、細長い角柱状に形成されており、その延在方向中間部が上記多関節アーム42の先端部に連結されている。
【0048】
一対のサブハンド50は、上記台座31の両端部に支持されている。メインハンド70は、一対のサブハンド50の間で台座31に支持されている。ここで、一対のサブハンド50を結ぶ方向、即ち、台座31の延在方向を第1方向とする。
【0049】
台座31の両端部のそれぞれに、上記第1方向において、メインハンド70に対して一対のサブハンド50の相対位置を変化させる第1移動機構32が設けられている。第1移動機構32は、リニアモータ、ネジ軸とネジ軸を回転駆動するモータとネジ軸に螺合されたナット部とを有する直線駆動機構等よって構成される。第1移動機構32は、第1方向に延在するように設けられた移動機構本体部32aと、当該移動機構本体部32aによって第1方向に移動可能な可動部32bとを含む。可動部32b上にサブハンド50が固定されることによって、サブハンド50が第1方向に沿って移動可能に支持される。
【0050】
また、台座31の延在方向中間部の一定位置にメインハンド70が固定されている。このため、第1方向におけるメインハンド70の両側で、一対のサブハンド50が第1方向に沿って移動可能となり、メインハンド70と一対のサブハンド50との間隔を変化させることができる。
【0051】
上記サブハンド50は、被加工物である電線WHaを位置決め可能に構成されている。ここでは、サブハンド50は、一対の把持部51と、開閉駆動部52とを備える。開閉駆動部52は、モータとギヤとの組合わせ構造、ソレノイドを利用した電磁アクチュエータ等により構成されており、一対の把持部51を開閉駆動する。一対の把持部51を閉じることで、複数の電線WHaを保持して位置決めすることができる。サブハンド50が上記構成である必要は無い。加工対象部分の性状に応じて、当該加工対象部分を加工上必要な程度に一定位置に位置決めできるものであればよい。なお、メインハンド70の加工状況に応じて、被加工物を移動させる必要がある場合、サブハンド50は加工対象部分を移動させてもよい。すなわち、サブハンド50による位置決め動作は、加工対象部分を絶対的な一定位置に支持する場合だけではなく、メインハンド70による加工状況に合わせて保持した加工対象部分を移動させる場合を含む。
【0052】
支持ベース30は、サブハンド50を支持するサブハンド用多関節アーム54を備える。サブハンド用多関節アーム54は、多関節アームによって構成されており、サブハンド用多関節アーム54の駆動によって、第1方向に対して直交する面内において、メインハンド70に対してサブハンド50の相対位置を変化させることができる。つまり、サブハンド用多関節アーム54は、第1方向に対して直交する面内において、メインハンド70に対して一対のサブハンド50の相対位置を変化させる第2移動機構である。第2移動機構が多関節アームである必要は無く、複数軸方向移動ロボット機構等によって構成されていてもよい。
【0053】
また、サブハンド用多関節アーム54の基端部は、旋回駆動部55を介して可動部32bに支持されている。この旋回駆動部55の旋回駆動によって、第1方向に対するサブハンド用多関節アーム54の姿勢を変化させることができる。
【0054】
メインハンド70は、被加工物である電線WHaに対して加工(特に、サブハンド50と比較して細かい加工作業)を行うように構成されている。例えば、メインハンド70は、複数の電線WHaに対して結束作業を行う。より具体的には、メインハンド70は、粘着テープの巻回体を回転可能に支持し、当該巻回体を複数の電線WHa周りに回転させて、粘着テープを複数の電線WHaに巻付けて、複数の電線WHaを粘着テープによって結束する結束装置である。このような粘着テープの結束装置自体は、周知である。
【0055】
メインハンド70としては、加工内容に応じて、被加工物を位置決めするよりも細かな作業を行えるハンド、例えば、3本以上の多指、複数関節の指等を備えた、サブハンドよりも自由度の高いロボットハンド等を用いることもできる。
【0056】
また、支持ベース30は、メインハンド70を支持するメインハンド用多関節アーム56を備える。メインハンド用多関節アーム56は、多関節アームによって構成されており、メインハンド用多関節アーム56が動作することによって、第1方向に対して直交する面内において、サブハンド50に対してメインハンド70の相対位置を変化させることができる。
【0057】
また、メインハンド用多関節アーム56の基端部は、旋回駆動部57を介して台座31に支持されている。この旋回駆動部57の旋回駆動によって、第1方向に対するメインハンド用多関節アーム56の姿勢を変化させることができる。
【0058】
上記加工ロボット装置20の動作は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成された制御ユニット90によって制御される。加工ロボット装置20の各動作は、撮像装置によって撮像された被加工物の画像に基づいて、加工対象を認識し、当該認識結果に基づいて制御されてもよいし、予めティーチングされた指示データに基づいて制御されてもよい。
【0059】
このように構成された加工ロボット装置20によると、一対のサブハンド50の一方又は両方によって被加工物である電線WHaを保持して位置決めした状態で、電線WHaに対して加工を行うことができる。このため、一対のサブハンド50とメインハンド70との連携作業によって、被加工物である電線WHaに対して比較的器用な加工を行うことができる。これにより、なるべく広い用途で人代替作業が可能となる。
【0060】
より詳細に説明すると、人が行う作業の多くは、利手と非利手による連携作業によってなされる。通常、利手は器用な動作を行い、非利手は、利手の動作に合わせて、被加工物を保持したり、ゆっくり移動させたりするという補助的な位置決め動作を行う。このため、人の代替作業は、被加工物に対する加工を行うメインハンドと、被加工物を位置決めするサブハンドとの組合わせにより行うのが適切と考えられる。
【0061】
もっとも、メインハンドとして自由度の高いロボットハンドを用いたとしても、人の利手による作業と比べると、器用さが不足する。そこで、本加工ロボット装置20では、メインハンド70の両側に、一対のサブハンド50を設けている。これにより、一対のサブハンド50が、人が行っていた非利手の動作に加えて、利手の動作の一部を行うことができる。例えば、一対のサブハンド50が柔軟物である複数の電線WHaの束を、間隔をあけた2箇所で保持し、その間でメインハンド70によって結束作業等を行うことができる。
【0062】
また、例えば、メインハンド70として、自由度の高いロボットハンドを採用した場合、一対のサブハンド50のそれぞれに粘着テープを巻回するテープ巻回装置を付加するとよい。なお、テープの巻回装置自体は周知である。これにより、メインハンド70によってばらつきがちな複数の電線WHaの集合作業を行い、一方(又は他方)のサブハンド50によって複数の電線WHaを束ねた状態に保持し、メインハンド70と他方(又は一方)のサブハンド50との連携作業によって、複数の電線WHaの結束作業を行うようにしてもよい。例えば、メインハンド70によって電線WHaに対する粘着テープの貼付け作業、切断作業を行い、サブハンド50側のテープ巻回装置によって粘着テープの巻回を行う等の連携作業を行うことができる。
【0063】
なお、サブハンド50が電線WHaの保持のみを行う場合を想定すると、メインハンド70が行う結束作業はより細かい作業であるといえる。結束作業には、テープの巻回、貼付け、切断作業等が必要となるからである。また、サブハンド50が電線WHaの保持及びテープ巻回を行う場合を想定すると、メインハンド70が行う複数の電線WHaの集合作業、粘着テープの貼付け作業、切断作業は、より細かい作業であるといえる。いずれにせよ、メインハンド70がサブハンド50よりも細かい加工作業を行う場合において、細かい加工作業は、サブハンド50が行う作業との関係で相対的に決る。
【0064】
また、被加工物である電線WHaに対して移動可能な台座31に、一対のサブハンド50とメインハンド70とが支持されている。このため、加工ロボット装置20をなるべく安価にすることができる。
【0065】
より具体的には、一対のサブハンド50とメインハンド70とは、多関節アーム42によって目標となる加工対象部分に対して一体的に移動する。このため、複数の作業用のハンドを個別に単腕のロボットによって構成する場合と比較すると、なるべく安価にすることができる。
【0066】
また、ベース移動機構である垂直多関節ロボット40は、台座31を移動させる多関節アーム42を備える。このため、一対のサブハンド50及びメインハンド70を一括して加工対象部分に向けて移動させることができ、加工ロボット装置20をなるべく安価にしつつ、一対のサブハンド50及びメインハンド70の移動自由度を向上させることができる。
【0067】
また、メインハンド70は、メインハンド用多関節アーム56によって移動可能に支持されているため、メインハンド70の移動自由度を向上させることができ、被加工物に対するメインハンド70の姿勢をなるべく自由にすることができる。これにより、被加工物に対してより器用な加工が可能となる。
【0068】
また、一対のサブハンド50は、第1移動機構32によって、第1方向において、メインハンド70に対して移動可能に支持されている。このため、第1移動機構32によってサブハンド50をメインハンド70に対して近づけることによって、サブハンド50による被加工物の位置決め位置と、メインハンド70による作業位置とをなるべく近づけることができ、両者の密な連携作業が可能となる。また、第1移動機構32によって、サブハンド50をメインハンド70からある程度遠ざけると、サブハンド50とメインハンド70とが干渉し難いように容易に制御できる。
【0069】
特に、旋回駆動部55、旋回駆動部57がサブハンド50及びメインハンド70を、第1方向に対して直交する一定姿勢にした状態で、第2移動機構であるサブハンド用多関節アーム54によって、サブハンド50を第1方向に対して直交する面内で移動させることによって、メインハンド70に対して一対のサブハンド50の位置を変化させることができる。これにより、メインハンド70とサブハンド50とを相対移動させてより多様な加工を行うことができ、かつ、サブハンド50とメインハンド70との干渉を回避できる。
【0070】
なお、台座31と、当該台座31に支持されたメインハンド70及びサブハンド50とをモジュール化しておき、作業内容に応じたモジュールを垂直多関節ロボット40に取付けるようにしてもよい。また、メインハンド70及びその支持部(ここでは、多関節アーム56)、サブハンド50及びその支持部(ここではサブハンド用多関節アーム54)をそれぞれモジュール化しておき、作業内容に応じたメインハンド又はサブハンドを台座に取付けるようにしてもよい。これらの工夫により、加工ロボット装置20の一部の構成を、各種加工を行う加工ロボット装置で共通化することができ、量産効果等によって加工ロボット装置を安価にすることができる。
【0071】
{変形例}
上記実施形態を前提として、各種変形例を説明する。以下の変形例の各図では、各構成部分が概略的に描かれているおり、また、メインハンド70が多関節指を有するハンドとして描かれている。
【0072】
まず、図3に示す第1変形例に係る加工ロボット装置20Bでは、台座31に対して、メインハンド70及びサブハンド50が一定位置に固定されている。すなわち、長尺状の台座31の両端部の一定位置に一対のサブハンド50が固定され、台座31の延在方向中間部の一定位置にメインハンド70が固定されている。一対のサブハンド50及びメインハンド70は同じ方向を向いている。なお、以下の各変形例では、ベース移動機構である垂直多関節ロボット40が概略的にブロックで描かれている。
【0073】
このように、一対のサブハンド50及びメインハンド70が相対移動不能に台座31に支持されていてもよい。
【0074】
また、図4に示す第2変形例に係る加工ロボット装置20Cでは、一対のサブハンド50が、第1移動機構32によって第1方向に沿って移動可能に台座31に支持されている。また、サブハンド50は、第1移動機構32の可動部32bに対しては一定位置に支持されている。つまり、上記第1実施形態における多関節アーム54、旋回駆動部55、57が省略されているともいえる。また、メインハンド70は、台座31に対して一定位置に支持されている。
【0075】
このように、上記実施形態において、多関節アーム54、56等が省略され、一対のサブハンド50が第1方向に沿って移動可能に支持されていてもよい。
【0076】
また、図5及び図6に示す第3変形例に係る加工ロボット装置20Dでは、上記実施形態において、旋回駆動部55、57が省略され、サブハンド用多関節アーム54及びメインハンド用多関節アーム56が第1方向に対して直交する面内で延在している。
【0077】
このため、サブハンド用多関節アーム54及びメインハンド用多関節アーム56によりサブハンド50及びメインハンド70を移動させた場合、サブハンド50及びメインハンド70は、第1方向に対して直交する面内で移動する。このため、第1移動機構32によってメインハンド70に対してサブハンド50を適切な位置に移動させることにより、サブハンド50及びメインハンド70の干渉をより確実に回避することができる。
【0078】
上記実施形態及び上記各変形例では、ベース移動機構が垂直多関節ロボットである例で説明した。以下の各変形例では、ベース移動機構が複数軸方向移動ロボット機構である例を説明する。
【0079】
図7及び図8に示す第4変形例に係る加工ロボット装置120は、支持ベース130と、一対のサブハンド150と、メインハンド170とを備える。この加工ロボット装置120も、上記加工ロボット装置20と同様に、図板等に保持された電線に対する加工作業等に用いられる。
【0080】
支持ベース130は、台座131と、複数軸方向移動機構140とを備える。
【0081】
台座131は、上記台座31と同様に、一対のサブハンド150とメインハンド170とを支持する。
【0082】
複数軸方向移動機構140は、台座131を被加工物に対して移動させるベース移動機構である。ここでは、複数軸方向移動機構140は、互いに直交する方向に沿って台座131を移動させる2つの直線移動機構142、144を備える。つまり、複数軸方向移動機構140は、いわゆる直交ロボット機構である。
【0083】
直線移動機構142、144は、リニアモータ、ネジ軸とネジ軸を回転駆動するモータとネジ軸に螺合されたナット部とを有する直線駆動機構等よって構成される。
【0084】
一方の直線移動機構142は、長尺状の駆動本体部142aと、当該駆動本体部142aに沿って直線的に移動駆動される可動部142bとを備える。駆動本体部142aは、例えば、鉛直方向又は水平方向に沿った姿勢で固定されている。固定対象箇所は、フロア、工場の天井、支柱等である。
【0085】
他方の直線移動機構144は、長尺状の駆動本体部144aと、当該駆動本体部144aに沿って直線的に移動駆動される可動部144bとを備える。駆動本体部144aは、例えば、上記駆動本体部142aに対して直交する姿勢で、可動部142bに固定されている。
【0086】
可動部144bに台座131が固定されている。
【0087】
なお、複数軸方向移動機構140は、直線移動機構142、144に加えて、それらの移動方向の軸に対して直交する方向に移動駆動する別の直線移動機構を備えていてもよい。また、各直線移動機構による移動方向は交差していればよく、必ずしも直交している必要は無い。
【0088】
一対のサブハンド150は、上記一対のサブハンド50と同様であり、メインハンド170は、メインハンド70と同様である。台座131に対する一対のサブハンド150及びメインハンド170の延出方向は、複数軸方向移動機構140の設置位置又は設置姿勢に対する被加工物の保持箇所に応じて適宜設定される。
【0089】
例えば、複数軸方向移動機構140が床から離れた位置に設置され、2つの移動方向の軸が水平面内に配設された姿勢であり、かつ、被加工物が複数軸方向移動機構140の下方に保持される場合、一対のサブハンド150及びメインハンド170は、台座131に対して下方に向けて延出するように支持される。
【0090】
また、例えば、複数軸方向移動機構140が、2つの移動方向の軸の一方を鉛直方向に、他方を水平方向に沿わせた姿勢で設置され、被加工物が複数軸方向移動機構140の側方に保持される場合、一対のサブハンド150及びメインハンド170は、台座131に対して水平方向に向けて延出するように支持される。
【0091】
台座131の両端部のそれぞれに、上記第1方向において、サブハンド150を移動させるサブハンド用第1移動機構132が設けられている。サブハンド用第1移動機構132は、上記第1移動機構32と同様に構成されており、リニアモータ、ネジ軸とネジ軸を回転駆動するモータとネジ軸に螺合されたナット部とを有する直線駆動機構等よって構成される。サブハンド用第1移動機構132は、第1方向に延在するように設けられた移動機構本体部132aと、当該移動機構本体部132aによって第1方向に移動可能な可動部132bとを含む。可動部132b上に直線棒状のアーム154を介してサブハンド150が固定されることによって、サブハンド150が第1方向に沿って移動可能に支持される。
【0092】
また、台座131の延在方向中間部に、上記第1方向において、メインハンド170を移動させるメインハンド用第1移動機構134が設けられている。メインハンド用第1移動機構134は、上記サブハンド用第1移動機構132と同様に構成されており、第1方向に延在するように設けられた移動機構本体部134aと、当該移動機構本体部134aによって第1方向に移動可能な可動部134bとを含む。可動部134b上に直線棒状のアーム156を介してメインハンド170が固定されることによって、メインハンド170が第1方向に沿って移動可能に支持される。
【0093】
本変形例では、上記一対のサブハンド用第1移動機構132及びメインハンド用第1移動機構134の一方又は双方が、第1方向において、メインハンド170に対する一対のサブハンド150の相対位置を変化させる第1移動機構である。例えば、一対のサブハンド用第1移動機構132の駆動により、一対のサブハンド150をメインハンド170からある程度離れた位置に移動させることによって、一対のサブハンド150とメインハンド170との干渉を回避できる。また、メインハンド用第1移動機構134の駆動により、メインハンド170を一方のサブハンド150からある程度離れた位置に移動させることによって、メインハンド170と当該一方のサブハンド150との干渉を回避できる。
【0094】
この第4変形例によると、ベース移動機構として垂直多関節ロボット40を用いる点を除いて、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
また、ベース移動機構として複数軸方向移動機構140を用いているため、垂直多関節ロボット40と比較して、重量物を保持するように位置決めできるというメリットがある。また、複数軸方向移動機構140によって、一対のサブハンド150及びメインハンド170を一括して移動させて、加工対象部分に移動させることができる。
【0096】
図9及び図10に示す第5変形例に係る加工ロボット装置120Bは、上記第4変形例に係る加工ロボット装置120に対して次の点で異なっている。
【0097】
すなわち、支持ベース130に対応する支持ベース130は、サブハンド150を支持するサブハンド用複数軸方向移動機構154Bを備える。サブハンド用複数軸方向移動機構154Bは、第1方向に対して直交する面内において、台座131に対してサブハンド150を移動させる機構である。ここでは、サブハンド用複数軸方向移動機構154Bは、互いに直交する方向に沿ってサブハンド150を移動させる2つの直線移動機構154B1、154B2を備える。つまり、サブハンド用複数軸方向移動機構154Bは、いわゆる直交ロボット機構である。
【0098】
直線移動機構154B1、154B2は、リニアモータ、ネジ軸とネジ軸を回転駆動するモータとネジ軸に螺合されたナット部とを有する直線駆動機構等よって構成される。
【0099】
一方の直線移動機構154B1は、長尺状の駆動本体部154B1aと、当該駆動本体部154B1aに沿って直線的に移動駆動される可動部154B1bとを備える。駆動本体部154B1aは、第1方向に対して直交する姿勢で、サブハンド用第1移動機構132の可動部132bに突出する姿勢で固定されている。
【0100】
他方の直線移動機構154B2は、長尺状の駆動本体部154B2aと、当該駆動本体部154B2aに沿って直線的に移動駆動される可動部154B2bとを備える。駆動本体部154B2aは、駆動本体部154B1aに対して直交する姿勢で、可動部154B1bに突出する姿勢で固定されている。
【0101】
可動部154B2bにサブハンド150が固定されている。
【0102】
なお、各直線移動機構による移動方向は交差していればよく、必ずしも直交している必要は無い。
【0103】
また、支持ベース130は、メインハンド170を支持するメインハンド用複数軸方向移動機構156Bを備える。メインハンド用複数軸方向移動機構156Bは、第1方向に対して直交する面内において、台座131に対してメインハンド170を移動させる機構である。ここでは、メインハンド用複数軸方向移動機構156Bは、互いに直交する方向に沿ってメインハンド170を移動させる2つの直線移動機構156B1、156B2を備える。つまり、メインハンド用複数軸方向移動機構156Bは、いわゆる直交ロボット機構である。
【0104】
直線移動機構156B1、156B2は、リニアモータ、ネジ軸とネジ軸を回転駆動するモータとネジ軸に螺合されたナット部とを有する直線駆動機構等よって構成される。
【0105】
一方の直線移動機構156B1は、長尺状の駆動本体部156B1aと、当該駆動本体部156B1aに沿って直線的に移動駆動される可動部156B1bとを備える。駆動本体部156B1aは、第1方向に対して直交する姿勢で、メインハンド用第1移動機構134の可動部134bに突出する姿勢で固定されている。
【0106】
他方の直線移動機構156B2は、長尺状の駆動本体部156B2aと、当該駆動本体部156B2aに沿って直線的に移動駆動される可動部156B2bとを備える。駆動本体部156B2aは、駆動本体部156B1aに対して直交する姿勢で、可動部156B1bに突出する姿勢で固定されている。
【0107】
可動部156B1bにメインハンド170が固定されている。
【0108】
なお、各直線移動機構による移動方向は交差していればよく、必ずしも直交している必要は無い。
【0109】
また、一対のサブハンド150、メインハンド170の少なくとも1つは、上記実施形態と同様に、多関節アームによって台座131に対して支持されていてもよい。
【0110】
上記一対のサブハンド用複数軸方向移動機構154B及びメインハンド用複数軸方向移動機構156Bの少なくとも一方は、第1方向に対して直交する面内において、メインハンド170に対してサブハンド150の相対位置を変化させる第2移動機構である。
【0111】
この第5変形例によると、一対のサブハンド150及びメインハンド170を、第1方向に対して直交する面内で移動させることができるため、一対のサブハンド150とメインハンド170との連携作業によってより器用な加工が加工となる。
【0112】
また、一対のサブハンド150、メインハンド170が複数軸方向移動機構によって支持されるため、より重量物の保持等に適する。
【0113】
図11及び図12に示す第5変形例に係る加工ロボット装置120Cでは、上記第4変形例に係る加工ロボット装置120に対して次の点で異なっている。
【0114】
すなわち、加工ロボット装置120Cは、メインハンド170を被加工物に向けた作業姿勢(図12の実線参照)と被加工物から遠ざけた収納姿勢(図12の一点鎖線参照)との間で姿勢変更可能に支持するメインハンド収納機構200を含む。
【0115】
ここでは、メインハンド収納機構200は、アーム156と台座131との間に設けられており、アーム156の基端部の軸部156aが台座131側に設けられた軸受部131aによって回転可能に軸支されることによって構成されている。好ましくは、メインハンド収納機構200は、ボールプランジャのボール部分等の突部の係脱可能な嵌り込み構造等によって、作業姿勢、収納姿勢に支持され、ある一定以上の力を加えることによって、作業姿勢から収納姿勢へ、又は、その逆に姿勢変更可能となる。
【0116】
また、加工ロボット装置120Cは、サブハンド150を被加工物に向けた作業姿勢(図12の実線参照)と被加工物から遠ざけた収納姿勢(図12の一点鎖線参照)との間で姿勢変更可能に支持するサブハンド収納機構210を含む。
【0117】
ここでは、サブハンド収納機構210は、アーム154と台座131との間に設けられており、アーム154の基端部の軸部154aが台座131側に設けられた軸受部131bによって回転可能に軸支されることによって構成されている。好ましくは、サブハンド収納機構210は、ボールプランジャのボール部分等の突部の係脱可能な嵌り込み構造等によって、作業姿勢、収納姿勢に支持され、ある一定以上の力を加えることによって、作業姿勢から収納姿勢へ、又は、その逆に姿勢変更可能となる。
【0118】
上記姿勢変更は、作業者による手作業、メインハンド170がサブハンド150を姿勢変更させること、サブハンド150がメインハンド170を姿勢変更させること、又は、別途設けられた駆動機構等によってなされる。
【0119】
この第6変形例によると、異なる位置の加工対象部分に向けて一対のサブハンド150及びメインハンド170を移動させる際に、一対のサブハンド150及びメインハンド170の少なくとも1つを収納姿勢へと姿勢変更させておくことで、一対のサブハンド150及びメインハンド170が被加工物又は当該被加工物を保持する他の部分等に干渉し難くなる。
【0120】
図13に示す第7変形例に係る加工ロボット装置120Dは、第5変形例に係る加工ロボット装置120Bにおいて、メインハンド収納機構200D、サブハンド収納機構210Dを設けた例である。
【0121】
すなわち、メインハンド収納機構200Dは、2つの軸支構造部202D、204Dを含む。各軸支構造部202D、204Dのそれぞれは、上記メインハンド収納機構200と同様構造であり、一方の軸支構造部202Dは、台座131と駆動本体部156B1aとの間に設けられており、他方の軸支構造部204Dは、可動部156B1bと駆動本体部156B2aとの間に設けられている。このため、本第7変形例では、台座131に対して一方の駆動本体部156B1aを倒すように姿勢変更させることができ、また、駆動本体部156B1aに対して他方の駆動本体部156B2aを倒すように姿勢変更させることができる。
【0122】
また、サブハンド収納機構210Dは、2つの軸支構造部212D、214Dを含む。各軸支構造部212D、214Dのそれぞれは、上記サブハンド収納機構210と同様構造であり、一方の軸支構造部212Dは、台座131と駆動本体部154B1aとの間に設けられており、他方の軸支構造部214Dは、可動部154B1bと駆動本体部154B2aとの間に設けられている。
【0123】
このため、本第7変形例では、台座131に対して一方の駆動本体部156B1a、154B1aを倒すように姿勢変更させることができ、また、駆動本体部156B1a、154B1aに対して他方の駆動本体部156B2a、154B2aを倒すように姿勢変更させることができる。
【0124】
このため、メインハンド170、サブハンド150を、複数軸方向移動機構によって支持した構成においても、必要に応じて、メインハンド170、サブハンド150が他と干渉し難いように収納することができる。
【0125】
図14及び図15に示す第8変形例に係る加工ロボット装置120Eは、第5変形例に係る加工ロボット装置120Bにおいて、サブハンド150を、メインハンド170側に近づけた作業姿勢と、メインハンド170から遠ざけた収納姿勢との間で旋回可能に支持するサブハンド旋回支持機構230を設けた例である。
【0126】
すなわち、一対のサブハンド150のそれぞれにおいて、台座131と一方の直線移動機構154B1との間にサブハンド旋回支持機構230が設けられている。
【0127】
サブハンド旋回支持機構230は、台座131に対して、直線移動機構154B1の延在方向に沿った軸周りで当該直線移動機構154B1を回転可能に支持する一般的な回転支持構造である。ここでは、サブハンド旋回支持機構230は、直線移動機構154B2を、台座131の延在方向に対して直交する作業姿勢(図14の実線参照)と、第1方向に沿って台座131の端部外側を向く収納姿勢(図12の2点鎖線参照)との間で旋回可能に支持する。
【0128】
また、メインハンド170の直線移動機構156B1は、上記実施形態と同様に、旋回駆動部144Eを介して台座131に旋回駆動可能に支持されている。この旋回駆動部144Eの駆動により、メインハンド170側の直線移動機構156B2は、台座131の延在方向に対して直交する姿勢と、第1方向に沿った姿勢になるべく近づけるように傾けた姿勢との間で姿勢変更駆動可能に構成されている。
【0129】
上記姿勢変更は、作業者による手作業、メインハンド170がサブハンド150を姿勢変更させること、又は、別途設けられた駆動機構等によってなされる。
【0130】
この第8変形例によっても、必要に応じて、メインハンド170、サブハンド150が他と干渉し難いように収納することができる。
【0131】
上記第7及び第8変形例において、メインハンド170が一対のサブハンド150の少なくとも一方を姿勢変更させることが好ましい。
【0132】
図16に示す例では、メインハンド170を多関節アーム240によって支持している。そして、メインハンド170を一方のサブハンド150に近づけて、メインハンド170でサブハンド150を押すことで、サブハンド150を作業姿勢から収納姿勢に姿勢変更させている。また、メインハンド170を他方のサブハンド150に近づけて、メインハンド170でサブハンド150を押すことで、他方のサブハンド150を作業姿勢から収納姿勢に姿勢変更させている。逆にすることで、サブハンド150を収納姿勢から作業姿勢に姿勢変更させることができる。
【0133】
図17に示す例では、メインハンド170を旋回駆動部144Eによって旋回駆動することによって、メインハンド170によってサブハンド150又は直線移動機構154B2を押すことで、サブハンド150を作業姿勢から収納姿勢に姿勢変更させている。また、メインハンド170として、複雑な動きが可能なハンドを用いる等して、メインハンド170によってサブハンド150又は直線移動機構154B2を掴んで引っ張ることで、サブハンド150を収納姿勢から作業姿勢に姿勢変更させることもできる。
【0134】
このように、メインハンド170によってサブハンド150を姿勢変更させることで、別途アクチュエータ等を設けることなく、簡易かつ軽量な構成によって、サブハンド150の姿勢変更が可能となる。
【0135】
図18に示す第9変形例に係る加工ロボット装置120Fでは、第4変形例に係る加工ロボット装置120において、駆動部300と、線状部材310とを備える。
【0136】
駆動部300は、モータ等である。駆動部300は、ある程度重量物であり、加工ロボット装置120Fの可動部分に設けられていると、その負荷が大きくなってしまう。そこで、一対のサブハンド150及びメインハンド170とは別の固定箇所に設けられている。ここでは、駆動部300は、ベース移動機構である複数軸方向移動機構140の固定箇所(床、床上に固定設置された台の上、天井に固定設置された棚等)に設けられている。
【0137】
駆動部300は、一対のサブハンド150及びメインハンド170を動作させるモータ、及び、一対のサブハンド150及びメインハンド170を移動させるモータの少なくとも1つを含む。ここでは、駆動部300は、一対のサブハンド150及びメインハンド170を動作させる3つのモータと、一対のサブハンド150及びメインハンド170をそれぞれ第1方向に沿って移動させる3つのモータを含む。
【0138】
そして、各駆動部300の回転軸と、一対のサブハンド150及びメインハンド170、一対のサブハンド用第1移動機構132、メインハンド用第1移動機構134とがそれぞれ線状部材310を介して連結されている。線状部材310は、フレキシブルシャフト等と呼ばれる曲げ可能な回転運動伝達部材である。具体的には、線状部材310は、金属等の線状材の外周に樹脂等のチューブを被せた部材である。内部の線状材は、チューブに対して回転可能に構成されている。そして、内部の線状材の一端部をモータの回転軸部に固定し、他端部を一対のサブハンド150及びメインハンド170を動作させる軸部、又は、一対のサブハンド用第1移動機構132、メインハンド用第1移動機構134を動作させる軸部に固定することで、モータの回転運動が、メインハンド170を動作させる力、サブハンド150を動作させる力、メインハンド170を移動させる力、サブハンド150を移動させる力として伝達される。
【0139】
線状部材310自体は、曲げ可能であるため、一対のサブハンド150及びメインハンド170等の動きに合せて、線状部材310が変形することによって、当該動きに追従することができる。
【0140】
この変形例によると、加工ロボット装置120Fにおける可動部分を小型化及び軽量化することが可能となる。
【0141】
なお、設置箇所、設置姿勢等の必要に応じて、線状部材310の回転運動が、ウオームギヤ等を介して方向転換されて伝達されてもよい。一般的に線状部材310を介して各部を駆動すると、動作精度の低下が懸念されるが、人代替という用途では精度は比較的低くても問題とはなり難い。また、画像認識等に基づいて補正しつつ動作制御を行うことで、実用上問題がない制御が可能となる。
【0142】
{変形例}
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0143】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0144】
20、20B、20C、20D、120、120B、120C、120D、120E、120F 加工ロボット装置
30、130 支持ベース
31、131 台座
32 第1移動機構
40 垂直多関節ロボット
42 多関節アーム
50、150 サブハンド
54 サブハンド用多関節アーム
56 メインハンド用多関節アーム
70、170 メインハンド
132 サブハンド用第1移動機構
134 メインハンド用第1移動機構
140 複数軸方向移動機構
154B サブハンド用複数軸方向移動機構
156B メインハンド用複数軸方向移動機構
200、200D メインハンド収納機構
210、210D サブハンド収納機構
230 サブハンド旋回支持機構
240 多関節アーム
300 駆動部
310 線状部材
WH ワイヤーハーネス
WHa 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18