【解決手段】駆動装置及び駆動装置を操作する操作装置を搭載する車両(1)を電子制御する汎用車両コントローラ(100)であって、車両(1)の制御に必要な制御パラメータに対し車両(1)に搭載される搭載装置の装置パラメータが対応付けられ、装置パラメータが搭載装置の仕様に合わせて調整可能なように構成されている。
上記操作量の装置パラメータと上記駆動装置の制御パラメータである駆動量との対応付けが、テーブルを用いて設定可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。
上記インタフェース回路に接続される搭載装置の装置パラメータに依存する上記制御パラメータが、他の制御パラメータに対応付けられることを特徴とする請求項6に記載の電子制御装置。
上記装置パラメータ及び上記制御パラメータは、上記電子制御装置と通信する端末装置から読み書き可能なように構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の一実施形態について
図1〜
図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0033】
(システム構成)
本発明の一実施形態に係る汎用車両コントローラは、車両の種類や使用環境等に依存することなく、汎用的に使用可能な電子制御装置である。
【0034】
通常、農業機械や建設機械等の車両では、走行駆動としてのエンジンや作業装置を駆動する油圧装置が搭載され、これらのエンジンや油圧装置を制御する電子制御装置が搭載されている。エンジンの燃料噴射制御や点火制御、排気浄化制御といった各種のエンジン制御は、マイクロコンピュータを備えるエンジンECUにより統合的に行われる。
【0035】
電子制御装置には、エンジンECUとの通信インタフェース、及び、油圧装置、アクセルスロット、油圧スロット、制御モードスイッチ、ランプ、バッテリ等とのインタフェース回路が備えられ、これらの搭載装置からの入力情報に基づいたエンジンECUに対する回転数指示や、油圧装置に対する制御信号等を出力する。
【0036】
このような電子制御装置が、エンジンECU等の制御を行う際に必要となる各種パラメータは、車両に搭載されるアクセルスロット、バッテリ、作業装置等の搭載装置に関するパラメータ(以下、「装置パラメータ」と呼ぶ。)と、車両に搭載される駆動装置(エンジン、油圧装置、表示装置等)の制御や、バッテリ異常などの装置状態の検出制御に関するパラメータ(以下、「制御パラメータ」と呼ぶ。)と、に大別される。
【0037】
装置パラメータは、車両に搭載される各種の搭載装置に関する仕様を表すパラメータであり、例えば、駆動装置を操作する操作装置(アクセルスロット等)の抵抗値や有効角、バッテリの定格電圧、油圧装置の電気的特性などである。
【0038】
制御パラメータは、エンジン制御に関連するアクセルスロットのアクセル開度(操作量)、エンジン回転数(駆動量)、油圧装置に関する油圧スロットの開度(操作量)、油圧装置に対する制御信号(駆動量)といった駆動装置の制御を行うために必要となるパラメータや、表示装置の出力ポート選択、搭載装置の電気的特性への適合といった出力制御に関するパラメータや、バッテリ電圧異常やアクセル断線異常といった検出制御に必要となるパラメータなどである。制御パラメータは、産業機器メーカにより選定される装置の装置パラメータに応じ、調整される場合もある。
【0039】
装置パラメータ及び制御パラメータの具体例については、後述する。
【0040】
本発明の一実施形態に係る汎用車両コントローラは上記電子制御装置に該当するもので、想定される装置パラメータに対応可能とするハードウェア構成及びソフトウェア構成を有すると共に、それら装置パラメータ及び制御パラメータが、車両を製造する産業機器メーカ自身により、調整可能とするものである。調整された装置パラメータ及び制御パラメータによって、当該汎用車両コントローラは、エンジンECUや油圧装置等を制御する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態に係る汎用車両コントローラ100(電子制御装置)が搭載された車両1のシステム概要を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1は、エンジンECU11と、エンジン12(駆動装置)と、DPF13と、油圧装置14(駆動装置)と、CANバス15と、汎用車両コントローラ100とを備えている。
【0042】
また、車両1には、例えば、アクセルスロット31(操作装置)、バッテリ32、油圧スロット33(操作装置)、及び回転数テーブル選択SW、モード選択SW等の各種スイッチ34(操作装置)などが搭載され、汎用車両コントローラ100に接続されている。
【0043】
汎用車両コントローラ100には、例えば、エンジン制御機能21、付加制御機能22、システム保護機能23及び油圧制御機能24が備えられている。本実施形態では、エンジン制御機能21、油圧制御機能24を中心に、汎用車両コントローラ100の構成及び動作について説明する。付加制御機能22、システム保護機能23はもちろん、それら以外の機能であっても、同様に、汎用車両コントローラ100において、装置パラメータ及び制御パラメータの設定は可能である。なお、付加制御機能22は、例えば、排気ガス浄化装置の再生制御、自動アイドル制御といった機能、システム保護機能23は、例えば、エンジン始動中でのインターロック制御、バッテリ電圧低下の検出制御、緊急停止制御といった機能である。
【0044】
汎用車両コントローラ100には、例えば、アクセルスロット31のハードウェア仕様に適応した装置パラメータが設定され、アクセル開度に対するエンジン回転数の制御パラメータが設定される。汎用車両コントローラ100は、それら設定される装置パラメータ及び制御パラメータに基づき、エンジンECU11に対して回転数指示信号を出力し、エンジンECUがエンジン12を制御する。エンジンECU11はさらに、例えば、エンジンのクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ(図示省略)のクランク角信号、エンジンのカム軸の回転角度を検出するカム角センサ(図示省略)のカム角信号といった各種の信号を取得し、これらの信号により推定されるエンジン運転状態に基づき、エンジン12を制御してもよい。
【0045】
エンジンECU11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O等からなるマイクロコンピュータを備え、マイクロコンピュータに記憶したプログラムに従って演算処理を行う。エンジンECU11は、エンジン運転制御のための、複数の系統のソフトウェアを上述のROM、RAM等に格納している。このソフトウェアには燃料噴射系、点火系等を含み、これらのソフトウェア自体は公知である。
【0046】
エンジン12は、車両1に搭載されたエンジンであり、エンジンECU11により制御される。エンジン12は、例えばディーゼルエンジンであり、エンジン12には電子燃料噴射装置(図示省略)を介して燃料が噴射される。エンジン12には、電子制御方式の排気ガス浄化装置であるDPF(Diesel Particulate Filter)13が接続されている。エンジン12が出力する回転動力は車両1の走行伝動系及び作業伝動系の各々に分配供給される。
【0047】
CAN(Controller Area Network)バス15は、エンジンECU11と汎用車両コントローラ100とを相互に接続する。エンジンECU11と汎用車両コントローラ100とは、CANバス15を通して、相互にデータ通信可能である。汎用車両コントローラ100は、CANバス15を通して、上述した装置パラメータ及び制御パラメータにより調整されたエンジン制御内容をエンジンECU11に送信する。
【0048】
汎用車両コントローラ100は、そのソフトウェア構成として、
図2に示すように、制御部101と、RS485ドライバ41と、CANドライバ42と、を有している。制御部101は、車両1を製造する産業機器メーカのユーザにより調整される装置パラメータ及び制御パラメータに基づき、エンジンECU11や油圧装置14に対する制御信号を出力する機能を有する。制御部101は、アクセルスロット、油圧スロット、バッテリ電圧、回転数テーブル選択スイッチ、キーSW・緊急停止SW、EcoモードSW・アイソクロナスモードSW、といった装置の入力インタフェースを備えている。
【0049】
CANドライバ42は、CANバス15と通信するためのドライバである。制御部101は、このCANドライバ42を用いて、CANバス15と通信可能となっている。上述したように、汎用車両コントローラ100とエンジンECU11とは、CANバス15を通して、相互にデータ通信可能である。制御部101は、CANドライバ42を用いて、CANバス15と通信し、それにより、CANバス15に接続されたエンジンECU11と通信可能となっている。
【0050】
RS485ドライバ41は、RS485規格に準拠したシリアル通信を行うためのドライバである。制御部101は、このRS485ドライバ41を用いて、設定用PC200(端末装置)と通信可能となっている。設定用PC200は、RS485規格の通信線(図示省略)で汎用車両コントローラ100に接続される。なお、この通信線は、シリアル通信規格に対応した通信線であればよく、例えば、RS232C規格やRS422規格の通信線であってもよい。この通信線の規格は、RS485規格に限定されるものではない。
【0051】
設定用PC200は、車両1を製造する産業機器メーカであるユーザ(以下、単に「ユーザ」と呼ぶ。)が用いるものであり、ユーザは、この設定用PC200をRS485規格の通信線で汎用車両コントローラ100に接続し、上述した装置パラメータ及び制御パラメータを汎用車両コントローラ100に入力することができる。
【0052】
図7及び
図8に、設定用PC200の表示装置(図示省略)に表示される設定用画面を示す。具体的には、ユーザは、
図7に示す設定用画面から、各装置パラメータを入力する。また、ユーザは、
図7及び
図8に示す設定用画面から、各制御パラメータを入力する。
【0053】
図7に示す設定用画面300には、通信ポートの設定を行うための通信ポート設定領域304、入力すべき装置パラメータ及び制御パラメータを汎用車両コントローラ100から読み込む処理及び、入力された装置パラメータ及び制御パラメータを汎用車両コントローラ100へ書き込む処理を実行するための設定値読み込み・書き込み領域305、入力された装置パラメータ及び制御パラメータをパラメータ格納部(内蔵メモリや外部メモリ等、図示省略)に保存する処理及び、入力すべき装置パラメータ及び制御パラメータをパラメータ格納部から読み込む処理を実行するための設定ファイル保存・読み込み領域306が、表示されている。
【0054】
ユーザは、通信ポート設定領域304を用いて、上述したRS485規格の通信線を介した、汎用車両コントローラ100と設定用PC200との接続を設定する。
【0055】
ユーザは、接続した車両1の汎用車両コントローラ100の装置パラメータ及び制御パラメータが未入力の場合、設定用PC200を用いて、汎用車両コントローラ100に装置パラメータ及び制御パラメータを入力する。そして、設定値読み込み・書き込み領域305を用いて、当該汎用車両コントローラ100に装置パラメータ及び制御パラメータを書き込むことで、汎用車両コントローラ100のパラメータ設定を行う。
【0056】
ユーザは、複数の車両の汎用車両コントローラ100に対してパラメータ設定を行う場合、装置パラメータ及び制御パラメータの設定を終えた後、設定ファイル保存・読み込み領域306を用いて、入力された装置パラメータ及び制御パラメータをパラメータ格納部に格納する。そして、装置パラメータ及び制御パラメータが未入力の汎用車両コントローラ100を搭載する車両1の汎用車両コントローラ100に設定用PC200を接続して、設定ファイル保存・読み込み領域306を用いて、パラメータ格納部に格納された装置パラメータ及び制御パラメータを読み込んだ後、設定値読み込み・書き込み領域305を用いて、当該汎用車両コントローラ100に装置パラメータ及び制御パラメータを書き込む。そうすることで、当該汎用車両コントローラ100のパラメータ設定を行うことができる。
【0057】
あるいは、複数の車両1の内、既に装置パラメータ及び制御パラメータが入力済みである汎用車両コントローラ100を搭載する車両1がある場合、ユーザは、当該車両1に搭載された汎用車両コントローラ100に設定用PC200を接続し、設定値読み込み・書き込み領域305を用いて、当該汎用車両コントローラ100から装置パラメータ及び制御パラメータを読み込む。そして、装置パラメータ及び制御パラメータが未入力の汎用車両コントローラ100を搭載する車両1の汎用車両コントローラ100に設定用PC200を接続し、設定値読み込み・書き込み領域305を用いて、当該汎用車両コントローラ100に装置パラメータ及び制御パラメータを書き込んでもよい。
【0058】
このように、ユーザは、複数の車両の各々に搭載される各汎用車両コントローラ100に対し、同一のパラメータを入力する場合、それら複数の汎用車両コントローラ100のうちの1つにパラメータの入力が完了すれば、他の汎用車両コントローラ100に、同一のパラメータを、それぞれ改めて入力する必要はない。それゆえ、ユーザの手間が省かれ、パラメータの入力処理の効率化が図られる。
【0059】
また、
図7に示す設定用画面300では、ユーザにより、タブ「Set Pram 1」301が選択されており、この選択により、装置パラメータを表示し、編集するための装置パラメータ表示・編集用領域300aが表示されている。この装置パラメータ表示・編集用領域300aでは、例えば、バッテリ電圧、アクセルスロット、エンジン仕様、油圧制御、といった装置パラメータが入力可能となっている。
【0060】
具体的には、バッテリ電圧は、バッテリの電圧容量とその低電圧検出条件が入力される。アクセルスロットは、アクセルスロットのタイプの選択及び、タイプ別にアナログ電圧値を算出する定数が入力される。エンジン仕様は、エンジン回転数の実力値(仕様値)が入力される。油圧制御は、PWM出力に使用するポート及びその電流制限値、ポテンショ別のアナログ電圧値を算出する定数が入力される。
【0061】
図8に示す設定用画面300にも、
図7と同様、通信ポートの設定を行うための通信ポート設定領域304、入力すべき制御パラメータを汎用車両コントローラ100から読み込む処理及び、入力された制御パラメータを汎用車両コントローラ100へ書き込む処理を実行するための設定値読み込み・書き込み領域305、入力された制御パラメータをパラメータ格納部(図示省略)に保存する処理及び、入力すべき制御パラメータをパラメータ格納部から読み込む処理を実行するための設定ファイル保存・読み込み領域306が、表示されている。なお、通信ポート設定領域304、設定値読み込み・書き込み領域305、設定ファイル保存・読み込み領域306の各々の機能については、
図7の場合と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0062】
図8に示す設定用画面300では、ユーザにより、タブ「Set Pram 2」302が選択されており、この選択により、制御パラメータを表示し、編集するための制御パラメータ表示・編集用領域300bが表示されている。この制御パラメータ表示・編集用領域300bは、エンジン回転数とポテンショ角度の関係をグラフ形式で表示可能な第1表示領域402と、PWM出力のDuty比とポテンショ角度の関係をグラフ形式で表示可能な第2表示領域403と、で構成されている。
【0063】
第1表示領域402では、例えば、通常制御時のエンジン回転数、機能選択、ECOモード(エコノミーモード)、アイソクロナスモード、といった制御パラメータ、テーブル切り替え時の補完値が入力される。
【0064】
具体的には、エンジン回転数では、ポテンショ角度4ポイント及び各々に相当するエンジン回転数が入力される。
【0065】
機能選択では、エンジンの制御モード(ECOモード、アイソクロナスモード)の利用可否が入力される。制御モードの制御パラメータとしては、ECOモードは、エンジン回転数5ポイントでのトルク制限率など、アイソクロナスモードは、切替ポテンショ角度とエンジン回転数などが入力される。また、テーブル切り替え時の補完値として、テーブル切り替え時の回転数の加減算率が入力される。
【0066】
このような第1表示領域402では、上述した制御パラメータに基づく、エンジン回転数とポテンショ角度の関係を示すグラフが表示可能となっている。また、制御モードを利用可と選択入力すると、利用可としたモード時のエンジン回転数とポテンショ角度の関係を示すグラフを、通常制御時のグラフと重ねて表示する。これにより、ユーザは、自身が入力した制御パラメータに基づき、エンジン12の回転数がどのように制御されるかを視覚的に確認することが可能となる。
【0067】
また、第2表示領域403では、例えば、油圧制御といった制御パラメータ、ECOモード(エコノミーモード)、テーブル切り替え時の補完値が入力される。具体的には、油圧制御では、ポテンショ角度6ポイント及び各々に相当するPWM制御値(Duty比)が入力される。ECOモードの制御パラメータとしては、ポテンショ角度6ポイントでのPWM制御値(Duty比)が入力される。また、テーブル切り替え時の補完値として、テーブル切り替え時のPWM制御値の加減算率が入力される。
【0068】
このような第2表示領域403では、上述した制御パラメータに基づく、PWM出力のDuty比とポテンショ角度の関係を示すグラフとECOモード時の同グラフが表示可能となっている。これにより、ユーザは、自身が入力した制御パラメータに基づき、エンジン12の油圧制御がどのように制御されるかを視覚的に確認することが可能となる。
【0069】
ここで、このような制御パラメータ表示・編集用領域300bは5つ用意されている(以下、各制御パラメータ表示・編集用領域300bを「テーブル」と呼ぶ。)。すなわち、
図8に示す設定用画面300では、上述したようなテーブルを5つ用意することができる。具体的には、テーブル切り替え用のタブ「Table 0」「Table 1」「Table 2」「Table 3」「Table 4」が設けられており、それらタブの選択により、各テーブルの設定が行える。なお、利用可能なテーブルの数は、
図7に示した設定用画面300における装置パラメータ表示・編集用領域300aにて、ユーザにより、任意の設定可能となっている。
【0070】
これにより、各テーブルにおいて、通常モードに加え、ECOモード、アイソクロナスモードの各々を設定可能とすることにより、5テーブル×3モード、つまり、15パターンの設定を可能とする。
【0071】
これらのテーブルの切り替えやモードの切り替えは、汎用車両コントローラ100に接続される回転数テーブル選択スイッチ、EcoモードSW・アイソクロナスモードSWによって行うように構成されている。したがって、車両1を使用する使用者は、車両1の使用の際、任意のタイミングでそれらテーブルや制御モードを切り替えることが可能となり、車両1の使用環境に即したエンジン回転数制御が可能となる。なお、ECOモード、アイソクロナスモードについては、設定用画面300の第1表示領域402において、選択されたテーブルでモード利用不可と設定されていると、EcoモードSW・アイソクロナスモードSWがONであっても、当該モードでの動作は行えないようにされている。よって、各テーブルの条件設定と、状況に応じたテーブル選択操作により、より細かなエンジン回転数制御が可能となる。
【0072】
このようにして、ユーザにより入力される装置パラメータ及び制御パラメータは、設定用PC200から汎用車両コントローラ100に送信され、汎用車両コントローラ100に設定される。設定が終了すると、ユーザにより、設定用PC200とRS485規格の通信線が外される。
【0073】
車両1が運転される際は、汎用車両コントローラ100の制御部101は、設定された装置パラメータ及び制御パラメータに基づき、汎用車両コントローラ100に接続されたアクセルスロットからの入力信号に対するエンジン回転数指示を、CANバス15を通じてエンジンECU11に送信する。また、油圧装置14を操作する際は、油圧スロットからの入力信号に対するPWM信号を油圧装置14に対して送信する。
【0074】
次に、上述したエンジン制御機能21及びアクセルスロット31、バッテリ32、油圧スロット33、及び油圧制御機能24を例として、装置パラメータ及び制御パラメータについて説明する。
【0075】
(エンジン制御機能21)
図3は、エンジン制御機能21の一例である、アクセル開度の調整を説明する説明図である。
図3の(a)は、エンジン12に対し、アクセル開度が「0%」の時、アイドルエンジン回転数が「1000rpm」となり、アクセル開度が「100%」の時、最高エンジン回転数が「2000rpm」となるように、設定された場合であり、
図3の(b)は、エンジン12に対し、アクセル開度が「6%」の時、アイドルエンジン回転数が「1000rpm」となり、アクセル開度が「68%」の時、最高エンジン回転数が「2000rpm」となるように、設定された場合である。
図3の(a)、(b)のいずれの場合も、ユーザにより、制御パラメータが入力されたものであるが、操作量を表すアクセル開度(制御パラメータ)はアクセルスロット31の有効角(装置パラメータ)に対応付けられており、
図8に示した設定用画面300では、アクセルスロット31の角度とエンジン回転数(制御パラメータ)との関係で設定入力される。
【0076】
図3の(a)に示すように、アクセル開度が「0%」の時、アイドルエンジン回転数が「1000rpm」となり、アクセル開度が「100%」の時、最高エンジン回転数が「2000rpm」となるように設定された場合、ドループ制御時においては、車両1に搭載されるエンジン12の仕様によっては、
図3の(b)に示すように、例えば、アクセル開度「0%」の時、エンジン回転数が「1000rpm」に達せず、また、アクセル開度「100%」の時、エンジン回転数が「2000rpm」を超えてしまう場合がある。
【0077】
そこで、
図3の(b)に示すように、当該エンジン仕様の回転数(実力値)に応じて、アクセル開度を換算しなければならない。ドループ制御時では、負荷変動等により、実際のエンジン回転数が、要求されているエンジン回転数と異なる場合が生じるからである。
【0078】
そこで、このような場合、
図3の(b)に示すように、アクセル開度「0%」「100%」のエンジン回転数をエンジン12の仕様のエンジン回転数(実力値)に換算し、直線補完すればよい。
【0079】
図4は、エンジン制御機能21の他の一例である、テーブル切り替えの調整を説明する説明図である。
図4の(a)は、上述したテーブル間の切り替えの様子を示しており、
図4の(b)は、
図4の(a)のA部を拡大したものである。
【0080】
上述した5つのテーブルは、エンジン12の始動中であっても、車両1を使用する使用者によって、切り替え可能となっている。例えば、車両1の前後進やシフトチェンジ、低アイドリングモード等の動作モード毎に最適なエンジン回転数制御を行いたい場合、テーブルの切り替えが必要となる。
【0081】
図4の(a)の場合、テーブル3からテーブル4への切り替えが行われている。この切り替えの際、図中「切り替えタイミング」においては、アクセル開度が大きく変化することになる。このため、
図4の(a)の場合であれば、この「切り替えタイミング」において、エンジン回転数が大きく減少する。このような急激なエンジン回転数の変化は、車両1の車体やエンジン12の振動を招く可能性がある。そこで、テーブル切り替え時の回転数の一定時間毎の加減算率を設定し、テーブル切り替え後のエンジン回転数を補正する。具体的には、設定用画面300において、テーブル毎にテーブル切り替え時の補完値(加算率、減算率)が設定可能とされている。
【0082】
図4の(b)の場合、テーブル切り替え時の一定時間毎の加算率が設定されている。図中「切り替えタイミング」において、テーブル3でのアクセル開度に基づくエンジン回転数と、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数と、の間には大きな差がある。そこで、先ず、この「切り替えタイミング」において、テーブル4で設定された加算率に従い、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数を上昇させ、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数と実エンジン回転数との差r1を吸収する(吸収1)。次に、所定の一定時間t1経過後、再び、設定された加算率に従い、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数を上昇させ、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数と実エンジン回転数との差r2を吸収する(吸収2)。そして、さらに所定の一定時間t2経過後、再び、設定された加算率に従い、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数を上昇させ、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数と実エンジン回転数との差r3を吸収する(吸収3)。その結果、さらに所定の一定時間t3経過後、テーブル4でのアクセル開度に基づくエンジン回転数と実エンジン回転数との差r3が無くなり、両者は一致することになる。上記とは逆にテーブル切り替えタイミングで要求されるエンジン回転数が高くなる場合には、設定されている減算率が適用される。なお、本実施形態では、テーブル切り替え時の補完値として加算率、減算率といったパーセンテージの設定であるが、これに限るものでなく、差分値やその他の補完係数を用いるものであってもよい。尚、補完する時間間隔も設定可能とされている。
【0083】
このように、テーブル切り替え時の駆動量(エンジン回転数)の補完制御を行うことにより、テーブル切り替え時において、エンジン回転数を緩やかに変化させることができる。また、テーブル切り替え時の補完値(加算率、減算率)はテーブル毎に設定できるので、対振動対策だけでなく緩急運転制御などの細かな運転制御を実現することができる。
【0084】
図5は、エンジン制御機能21の他の一例である、ECOモードにおける上限エンジン回転数の調整を説明する説明図である。エンジン12に要求するアクセル開度に上限を持たせることにより、エンジン回転数を制限する。このアクセル開度制限の制限値は、上述した5つのテーブル毎に設定可能である。
図5の場合であれば、通常モードでは、最高エンジン回転数が「2000rpm」となるようにアクセル開度「68%」が設定されている。これに対し、ECOモードでは、通常モードのアクセル開度「68%」の80%であるアクセル開度「55%」が上限として設定されている。
【0085】
このように、上限アクセル開度を制限することにより、すなわち、上限エンジン回転数を制限することにより、ECOモードにおける低燃費制御を行うことができる。なお、アクセル開度の上限設定と同様、実エンジン回転数に合わせたトルクリミット値の上限を設定することも可能である。
【0086】
図6は、エンジン制御機能21の他の一例である、ドループ制御とアイソクロナス制御との切り替えの調整を説明する説明図である。
図6の(a)は、ドループ制御によりエンジン制御を行う様子を示しており、
図6の(b)は、ドループ制御からアイソクロナス制御へ切り替えてエンジン制御を行う様子を示している。切り替え制御条件及びアイソクロナス制御時のエンジンECU11に対する指示値は、上述した5つのテーブル毎に設定可能となっている。
【0087】
図6の(a)に示すように、ドループ制御によりエンジン制御を行う場合、エンジン12に対する負荷変動により、実エンジン回転数がエンジン要求回転数(要求アクセル開度)を超えてしまう場合がある。そこで、切り替え制御条件及びアイソクロナス制御時のエンジンECU11に対する指示値を設定することにより、切り替えタイミングにおいて、エンジン回転数にヒステリシスを持たせ、オーバーシュートを低減する。
【0088】
具体的には、
図6の(b)に示すように、上述した切り替え制御条件を「アクセル開度60%超え、エンジン回転数2000rpm」とし、アイソクロナス制御時のエンジンECU11に対する指示値を「2000rpm」とすると、図中の「切り替えタイミング」において、ドループ制御からアイソクロナス制御への切り替えが行われる。
【0089】
(アクセルスロット31)
アクセルスロット31には、タイプ、ポテンショ抵抗値、有効角といった装置パラメータがある。
【0090】
まず、タイプとしては、ポテンショタイプとセンサタイプの二種から選択可能である。従来のECUであれば、使用するアクセルのタイプが決まっており、それに最適化されたインタフェース回路が設けられていた。これに対し、汎用車両コントローラ100では、ポテンショタイプとセンサタイプのいずれであっても対応可能となるように、インタフェース回路に冗長性を持たせている。具体的には、ポテンショタイプを使用する場合は電源供給回路に抵抗をいれるが、それではセンサタイプのアクセルスロットを使用するには電圧が低下してしまうため、センサ用の電源回路を別途設けることでポテンショタイプとセンサタイプのアクセルスロットを使用可能としている。
【0091】
次に、ポテンショ抵抗値としては、アクセルのポテンショ抵抗値が例えば1kΩ、2kΩ、5kΩの三種から選択可能である。また、有効角は、使用するポテンショやセンサの有効角が設定可能である。従来のECUであれば、ポテンショ抵抗値や有効角は固定であり、それらに適した入力インピーダンスの回路構成が設けられていた。これに対し、汎用車両コントローラ100では、ユーザにより使用されるポテンショ抵抗値(この場合は1〜5kΩ)を許容する入力インピーダンスの回路構成を設けている。
【0092】
有効角は、実際に可動あるいは使用する操作角度であり、ポテンショの構造やアクセルの構造などにより決定され、車両依存となる装置パラメータであり、例えば有効角が300°であればポテンショ角度0〜300°がアクセル開度の0〜100%に設定される。
【0093】
これらの装置パラメータは、
図7に示す装置パラメータ表示・編集用領域300aで設定することができ、車両に搭載されるアクセルスロットの仕様に合わせて調整することができる。
【0094】
(バッテリ32)
バッテリ32には、バッテリ電圧といった装置パラメータがある。12Vと24Vの二種から選択可能である。従来のECUであれば、使用するバッテリ電圧が決まっているので、使用できる電圧範囲やエラー閾値等が固定されていた。これに対し、汎用車両コントローラ100では、8V〜32Vまでの範囲で連続使用可能な回路構成とし、エラーの閾値等は事前設定されたバッテリ電圧値に基づいた値で制御する。
【0095】
(油圧スロット33)
油圧スロット33には、ポテンショ抵抗値、有効角といった装置パラメータがある。
【0096】
ポテンショ抵抗値としては、油圧スロットのポテンショ抵抗値が例えば1kΩ、2kΩ、5kΩの三種から選択可能である。また、ポテンショの有効角としては、使用するポテンショの有効角が設定可能である。従来のECUであれば、ポテンショ抵抗値や有効角は固定であり、それらに適した回路構成が設けられていた。これに対し、汎用車両コントローラ100では、ユーザにより使用されるポテンショ抵抗値(この場合は1〜5kΩ)を許容する入力インピーダンスの回路構成を設けている。
【0097】
本実施形態では、油圧スロット33は2ch設けられ、それぞれについて装置パラメータが設定可能となっている。
【0098】
(油圧制御機能24)
油圧制御機能24には、油圧装置14のモータの極性、電流制限値といった電気的特性や、操作スロットの有効角、入力chといった装置パラメータと、スロット開度、PWM制御値(Duty比)といった駆動に関する制御パラメータ、PWM出力ポート選択、油圧モータの極性、電流制限値といった出力制御に関する制御パラメータがある。
【0099】
操作スロット入力ch、PWM出力chはそれぞれ複数設けられおり、本実施形態では、操作スロット入力ch、PWM出力chはそれぞれ複数設けられおり、本実施形態では、4chのPWM出力(PWM1、PWM2、PWM3、PWM4)に対し、対応する操作スロット入力が選択可能である。従来のECUであれば、出力chに対応する操作スロット入力が固定されている。これに対し、汎用車両コントローラ100では、操作スロット入力2ch(IN1、IN2)に対し、4chのPWM出力がマトリクス的に選択される。
例1)IN1−PWM1/IN2−PWM2
例2)IN1−PWM1、2、3、4
例3)IN1−PWM1、3/IN2−PWM2、4
操作スロットの操作量を表すスロット開度(制御パラメータ)は油圧スロット33の有効角(装置パラメータ)に対応付けられており、例えば、油圧スロット33の有効角が300°であれば油圧スロット角度0〜300°がPWM制御値のDuty比−100〜100%となる。
図8に示した設定用画面300では、油圧スロット33の角度とPWM制御値(制御パラメータ)との関係で設定入力される(以下、「油圧制御テーブル」と呼ぶ)。この油圧制御テーブルは、
図8に示す第2表示領域403において、各操作スロットと各PWM出力の全ての組合せの設定が入力される。
【0100】
さらに、油圧制御テーブルは、
図8に示す上述の5つのテーブル毎に設定可能とされており、テーブル毎にテーブル切り替え時の補完値(PWM制御量の加減算率)も設定可能とされているため、作業装置の制御を運転制御にあわせて細かく設定することが可能である。
【0101】
極性は、制御電流の極性を単極性と両極性の二種から選択可能である。従来のECUであれば、制御極性はモータの仕様に依存し、それに従った回路構成となるため、固定的に取り扱われている。これに対し、汎用車両コントローラ100では、極性を単極性と両極性の二種から選択可能としており、設定された極性で出力する回路構成を設けている。
【0102】
電流制限値としては、使用するモータコイルの定格電流値を設定可能である。従来のECUであれば、制御対象となるモータが決まっているため、そのモータの定格電流値に最適化した回路構成となっている。これに対し、汎用車両コントローラ100では、車両に搭載するモータに適応したモータコイルの定格電流値が設定され、これに従って出力電流を制限する回路構成を設けている。これらの極性と電流制限値の設定に従って、PWM出力の出力制御が行われる。
【0103】
(装置パラメータ及び制御パラメータの具体例)
上述の装置パラメータ及び制御パラメータについて具体例を用いて説明する。
【0104】
図9は、上述のエンジン制御機能21に関する、汎用車両コントローラ100により設定される装置パラメータ及び制御パラメータの具体例を説明する図である。
図9の(a)はアクセル開度(制御パラメータ)とエンジン要求回転数(制御パラメータ)との関係を示す図、
図9の(b)はポテンショ角度(装置パラメータ)とエンジン要求回転数(制御パラメータ)との関係を示す図である。
【0105】
この例では、アクセルスロットのポテンショの有効角が300°の場合を示している。
図9に示すように、アクセル開度100%に対し、ポテンショ有効角300°が対応付けされる。この対応付けは、
図7及び
図8に示した設定用画面300の制御パラメータ表示・編集用領域300bにおいて、装置パラメータであるポテンショ角度(アクセル開度)とエンジン要求回転数という関連で設定される。
【0106】
アクセルスロットの操作角度(有効角)は車両依存となるが、アクセルスロットの有効角とアクセル開度との対応付けの調整が行えるので、ユーザにより、アクセルスロットの仕様(有効角)が異なっても、アクセル開度とエンジン要求回転数の設定を柔軟に行うことができる。
【0107】
また、制御対象(エンジン要求回転数)と実際に使用する入力装置(ポテンショ角度)の値を用いたテーブル設定を行うので、ユーザは直感的な設定が行える。
【0108】
図10は、実制御範囲を調整する際における、汎用車両コントローラ100により設定される装置パラメータ及び制御パラメータの具体例を説明する図である。
図10に示すように、この例では、ポテンショ角度0°〜30°はアイドリング範囲、ポテンショ角度240°で最高エンジン要求回転数とする場合、可変角下限、可変角上限(装置パラメータ)をそれぞれ30°、240°と設定する。この例では、任意のポテンショ角度で、実制御範囲を調整できる。
【0109】
図11は、断線検知及び短絡検知の検出制御に関する、汎用車両コントローラ100により設定される装置パラメータ及び制御パラメータの具体例を説明する図である。
図11に示すように、この例では、アクセルスロット31及び油圧スロット33のポテンショ電圧入力に対し断線検知電圧(
図11では0.5V)、短絡検知電圧(
図11では4.5V)を内部的に設定してあり、アクセル開度(0−100%)は、断線検知電圧、短絡検知電圧をそれぞれ0%、100%に割り当てている。
【0110】
使用するポテンショの抵抗値が変わると、断線検知電圧、短絡検知電圧は変動するが、ポテンショ抵抗値(1kΩ、2kΩ、5kΩ)(装置パラメータ)を持たせ、断線検知電圧及び短絡検知電圧(搭載装置の状態検出制御に関する制御パラメータ)を設定されたポテンショ抵抗値から算出する。そして、それぞれの電圧をアクセル開度0%、100%(駆動制御に関する制御パラメータ)としている。
【0111】
この例では、ポテンショの抵抗値に応じて断線検知電圧及び短絡検知電圧を算出するので、断線検知及び短絡検知を適切に行うことができる。また、ポテンショへの供給電圧の下限、上限(0〜5V)をアクセル開度に対応付けるのではなく、ポテンショ抵抗値によって算出する断線検知電圧及び短絡検知電圧に合わせてアクセル開度を設定するので、ポテンショの実可動範囲(有効角0〜300°)をアクセル開度(0〜100%)として正確に設定できる。
【0112】
図12は、バッテリ電圧低下検出に関する、汎用車両コントローラ100により設定される装置パラメータ及び制御パラメータの具体例を説明する図である。
図12の(a)が12Vバッテリの場合、
図12の(b)が24Vバッテリの場合である。バッテリ種別(12V/24V)(装置パラメータ)と、バッテリ低下判定値及び低電圧検出時間(搭載装置の状態検出制御に関する制御パラメータ)とが対応付けられている。
【0113】
この例では、装置パラメータとして使用するバッテリ種別を選択することで使用するバッテリの使用可能電圧範囲を識別し、その範囲に応じた制御パラメータとしてバッテリ低下判定値及び低電圧検出時間が設定されるので、バッテリ電圧低下異常を適切に検出することができる。
【0114】
図13は、表示装置の駆動に関する、汎用車両コントローラ100により設定される装置パラメータ及び制御パラメータの他の具体例を説明する図であり、表示装置のランプLED(制御パラメータ)に対する点灯条件(装置パラメータ)を設定する場合を示している。
【0115】
この例では、ランプLED(LED1,LED2,LED3)のそれぞれについて、その点灯条件が設定可能とされている。点灯条件としては、ECOモード、アイソクロナスモードなどの車両1に搭載されているSWの入力状況や、バッテリ電圧異常、スロット異常などの状態検出制御に関するパラメータや、エンジンエラー、自動アイドル中などの動作状態が設定可能とされている。これらの設定に従い、表示装置への出力制御が行われる。
【0116】
以上説明したように、汎用車両コントローラ100であれば、要求アクセル開度、回転数テーブル切り替え制御等のエンジン制御や車両に搭載される作業装置の制御等に必要となる制御パラメータ及び、車両1に搭載される、アクセルスロット、バッテリ等の装置パラメータを調整可能とすることにより、車両1の種類や使用環境等に依存することなく、汎用的に使用可能である。
【0117】
なお、汎用車両コントローラ100の制御部101は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0118】
後者の場合、制御部101は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0119】
上記実施形態では、車両1の駆動装置としてエンジン12を搭載した例を示したが、これに限るものではなく、モータや燃料電池などの駆動装置であってもよい。また、車両1に搭載される作業装置の駆動装置として油圧装置14を搭載した例を示したが、これに限るものではなく、モータやバルブなどで構成されていてもよい。
【0120】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。