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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-215873(P2016-215873A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】車載通信システム及び車載制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20161125BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20161125BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20161125BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   B60R16/02 621J
   B60R16/023 P
   H01R13/64
   H01R13/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-103898(P2015-103898)
(22)【出願日】2015年5月21日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】坪内 利康
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC38
5E021JA02
5E021KA08
5E021KA15
5E021MA01
(57)【要約】
【課題】不正機器が接続される前に行われるコネクタの接続の解除を検出することができる車載通信システム及び車載制御装置を提供する。
【解決手段】通信線2にコネクタ4で接続された複数の車載制御装置3を備える車載通信システムは、検出部を備える。検出部は、コネクタ4の接続が解除される場合に、コネクタ4に配された圧電素子に作用する圧力により出力される電圧を検知することにより、コネクタ4の接続の解除を検出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信線にコネクタで接続された複数の車載制御装置を備え、該通信線を介して通信が行われる車載通信システムであって、
前記コネクタの接続が解除される場合に前記コネクタに作用する圧力を検出する検出部
を備える車載通信システム。
【請求項2】
前記コネクタに配された圧電素子を備え、
前記検出部は、前記圧電素子が出力する電圧に基づき、前記圧力を検出する
請求項1に記載の車載通信システム。
【請求項3】
前記コネクタは、雄コネクタと雌コネクタとを含み、
該雄コネクタ及び雌コネクタの一方は、他方を係止する係止部を備え、
前記圧電素子は、前記係止部に設けられている
請求項2に記載の車載通信システム。
【請求項4】
前記雄コネクタ及び雌コネクタの一方は、前記通信線に設けられ、
前記雄コネクタ及び雌コネクタの他方は、前記車載制御装置に設けられている
請求項3に記載の車載通信システム。
【請求項5】
前記検出部が前記コネクタに作用する圧力を検出した場合に、検出結果を通知する信号を前記通信線に出力する出力部
を備える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車載通信システム。
【請求項6】
前記検出部が前記コネクタに作用する圧力を検出した場合に、前記通信を制限する処理を行う制限処理部
を備える請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車載通信システム。
【請求項7】
通信線に接続するためのコネクタを構成する雄コネクタ及び雌コネクタの一方を備えた車載制御装置であって、
前記コネクタの接続が解除される場合に前記コネクタに作用する圧力を検出する検出部
を備える車載制御装置。
【請求項8】
前記雄コネクタ及び雌コネクタの一方は、前記コネクタの接続が解除される場合に外部から入力される電圧を検知するための端子を備える
請求項7に記載の車載制御装置。
【請求項9】
前記雄コネクタ及び雌コネクタの一方に配された圧電素子を備え、
前記検出部は、前記圧電素子が出力する電圧に基づき、前記圧力を検出する
請求項7に記載の車載制御装置。
【請求項10】
前記検出部が前記コネクタに作用する圧力を検出した場合に、検出結果を通知する信号を前記通信線に出力する出力部
を備える請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の車載制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信線にコネクタで接続された複数の車載制御装置を備える車載通信システムであって、コネクタの接続の解除を検出できる車載通信システム及び車載制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車載制御装置を通信線に接続してなり、該通信線を介して情報の通信が行われる車載通信システムがある。該通信線に不正機器が接続される場合、不正情報が流される、情報が盗まれる等の虞がある。この問題に対し、情報に暗号コードを付与して通信することが行われている。また、特許文献1では、情報の受信間隔を監視することにより、通信状態の異常を検知するネットワーク監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−187445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、情報に暗号コードを付与した場合でも、暗号コードを盗まれることにより、不正機器の侵入を認識できない場合がある。また、特許文献1に係るネットワーク監視装置では、通信が行われていない場合は通信状態の異常を検知できず、不正機器の侵入を認識できない。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通信線にコネクタで接続された複数の車載制御装置を備える車載通信システムであって、不正機器が接続される前に行われるコネクタの接続の解除を検出することができる車載通信システム及び車載制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車載通信システムは、通信線にコネクタで接続された複数の車載制御装置を備え、該通信線を介して通信が行われる車載通信システムであって、前記コネクタの接続が解除される場合に前記コネクタに作用する圧力を検出する検出部を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明にあっては、不正機器が接続される場合、初めにコネクタの接続が解除され、不正機器が該コネクタに接続される。コネクタの接続が解除される場合、該コネクタには圧力が作用する。本発明に係る車載通信システムは、コネクタに作用する圧力を検出することにより、不正機器が接続される前に行われるコネクタの接続の解除を検出することができる。
【0008】
本発明に係る車載通信システムは、前記コネクタに配された圧電素子を備え、前記検出部は、前記圧電素子が出力する電圧に基づき、前記圧力を検出することを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、コネクタに圧電素子を配することにより、駆動源を必要としない単純な構成で、コネクタに作用する圧力を検出することができる。
【0010】
本発明に係る車載通信システムは、前記コネクタが、雄コネクタと雌コネクタとを含み、該雄コネクタ及び雌コネクタの一方は、他方を係止する係止部を備え、前記圧電素子は、前記係止部に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、コネクタの接続が解除される場合、雄コネクタと雌コネクタとを係止する係止部に圧力が作用する。圧電素子が係止部に設けられていることにより、コネクタの接続が解除される場合には圧電素子に圧力が作用し、電圧が生じる。よって、検出部は、生じた電圧を検知することにより、コネクタに作用する圧力を検出することができる。
【0012】
本発明に係る車載通信システムは、前記雄コネクタ及び雌コネクタの一方が、前記通信線に設けられ、前記雄コネクタ及び雌コネクタの他方は、前記車載制御装置に設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、雄コネクタ及び雌コネクタの一方が通信線に設けられ、雄コネクタ及び雌コネクタの他方が車載制御装置に設けられている構成において、コネクタの接続の解除を検出することができる。
【0014】
本発明に係る車載通信システムは、前記検出部が前記コネクタに作用する圧力を検出した場合に、検出結果を通知する信号を前記通信線に出力する出力部を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、検出部がコネクタに作用する圧力を検出した場合に、検出結果を他の車載制御装置に通知することにより、他の車載制御装置も、不正機器が接続される前に行われるコネクタの接続の解除を認識することができる。
【0016】
本発明に係る車載通信システムは、前記検出部が前記コネクタに作用する圧力を検出した場合に、前記通信を制限する処理を行う制限処理部を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、コネクタの接続が解除される場合に車載通信システムの通信を制限することにより、不正機器がコネクタに接続される事態に対応することができる。
【0018】
本発明に係る車載制御装置は、通信線に接続するためのコネクタを構成する雄コネクタ及び雌コネクタの一方を備えた車載制御装置であって、前記コネクタの接続が解除される場合に前記コネクタに作用する圧力を検出する検出部を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、コネクタに作用する圧力を検出することにより、不正機器が接続される前に行われるコネクタの接続の解除を検出することができる。
【0020】
本発明に係る車載制御装置は、前記雄コネクタ及び雌コネクタの一方が、前記コネクタの接続が解除される場合に外部から入力される電圧を検知するための端子を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、自機に設けられた雄コネクタ又は雌コネクタは端子を有し、雄コネクタと雌コネクタとの接続が解除される場合に、検出部は端子を通して電圧を検知することができる。これにより、車載制御装置はコネクタの接続の解除を検出することができる。
【0022】
本発明に係る車載制御装置は、前記雄コネクタ及び雌コネクタの一方に配された圧電素子を備え、前記検出部は、前記圧電素子が出力する電圧に基づき、前記圧力を検出することを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、自機に設けられた雄コネクタ又は雌コネクタは圧電素子を有し、検出部は、雄コネクタと雌コネクタとの接続が解除される場合に、圧電素子に作用する圧力によって生じる電圧を検知する。これにより、車載制御装置はコネクタの接続が解除されることを検出することができる。
【0024】
本発明に係る車載制御装置は、前記検出部が前記コネクタに作用する圧力を検出した場合に、検出結果を通知する信号を前記通信線に出力する出力部を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、コネクタの接続が解除される場合に、コネクタの接続が解除される旨を他の車載制御装置に通知することにより、他の車載制御装置も、不正機器が接続される前に行われるコネクタの接続の解除を認識することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、不正機器が接続される前に行われるコネクタの接続の解除を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態1に係る車載通信システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る車載制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係るコネクタの一例を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態1に係るコネクタの一例を示す断面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る処理手順を示すフローチャートの一例である。
図6】本発明の実施の形態1に係るコネクタの接続解除の検出動作を説明するための模式図である。
図7】本発明の実施の形態2に係るコネクタの一例を示す断面図である。
図8】本発明の実施の形態2に係るコネクタの接続解除の検出動作を説明するための模式図である。
図9】本発明の実施の形態3に係る車載通信システムの構成例を示すブロック図である。
図10】本発明の実施の形態4に係る車載通信システムの構成例を示すブロック図である。
図11】本発明の実施の形態4に係る処理手順を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る車載通信システムの構成例を示すブロック図である。符号1は車両である。車両1は、複数の車載制御装置3を有する。各車載制御装置3は、車両1に配線された通信線2を介して接続され、相互に信号を送受信する。通信線2は、例えば導線ケーブル、光ファイバケーブル等である。
【0029】
図2は、本実施の形態1に係る車載制御装置3の構成例を示すブロック図である。車載制御装置3は、例えば車両1のエンジンの制御を行う電子制御装置、車両1の電装品の制御を行う電子制御装置、ABS(Antilock Brake System)に関する制御を行う電子制御装置、車両1のエアバッグの制御を行う電子制御装置等である。車載制御装置3は、制御部31、記憶部32及び通信部33等を備える。なお、該構成は各車載制御装置3に共通である。
【0030】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を含む。制御部31は、記憶部32に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、車両1に係る種々の情報処理又は制御処理等を行う。
【0031】
また、制御部31は、車載制御装置3の稼働状況に応じて、車載制御装置3を起動状態又は休止状態に切り替える制御を行う。休止状態とは、消費電力を抑制した状態であり、起動状態とは、消費電力を抑制していない状態である。制御部31は、例えば車両1の運転時には車両1の制御を行うため車載制御装置3を起動状態とするが、車両1の運転が停止し、所定時間以上、車載制御装置3への信号入力がない場合、省電力のために車載制御装置3を休止状態とする。
【0032】
また、制御部31は、外部から印加される電圧が入力される入力部(図示せず)を有する。制御部31は、休止状態であっても入力部に入力される電圧の値を監視しており、電圧値が後述する所定の閾値以上の場合、記憶部32及び通信部33を含めて車載制御装置3を休止状態から起動状態へと遷移させる。
【0033】
記憶部32は、マスクROM、フラッシュメモリ又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性のメモリ素子を含む。記憶部32は、制御部31が実行するプログラムと、該プログラムを実行するために必要な種々のデータとを記憶している。
【0034】
通信部33は、例えばCAN(Controller Area Network)プロトコルに従った通信を行う。通信部33は、後述するコネクタ4を介して、通信線2に通信可能に接続されている。
【0035】
図3は、本実施の形態1に係るコネクタ4の一例を示す斜視図であり、図4は、本実施の形態1に係るコネクタ4の一例を示す断面図である。コネクタ4は雄コネクタ41と、雌コネクタ42とを含む。
【0036】
図3に示すように、雄コネクタ41は、通信線2の一端に設けられている。雄コネクタ41は、略直方体状のハウジング41aを備える。ハウジング41aは、雄コネクタ41に係る複数の接続端子を保持する。該接続端子には複数の通信線2が接続されている。ハウジング41aの一面には、弾性を有するツメ部41bが設けられている。ここで説明の便宜上、該一面を上面とし、通信線2が繋がっている面を後面とする。ツメ部41bは矩形状の薄片である。ツメ部41bは、ハウジング41aの上面に対し、後面側を上として傾いている。また、ツメ部41bの矩形面には、該矩形面の横方向に長く、該矩形面から突起した小突起41cが設けられている。なお、接続端子及び通信線2の数は複数であるものとして説明したが、本実施の形態はこれに限られず、接続端子及び通信線2の数は一以上であればよい。
【0037】
図4に示すように、ツメ部41bの内部には、圧電素子41dが設けられている。また、雄コネクタ41は、出力端子41e、41fを備える。出力端子41e、41fは、圧電素子41dが出力した電圧を制御部31に印加するための端子である。出力端子41e、41fは、一端が圧電素子41dに接続され、他端が雄コネクタ41の挿入方向に向くように配されている。
【0038】
図3に示すように、雌コネクタ42は、車載制御装置3に設けられている。雌コネクタ42は、略直方体状のハウジング42aを備える。ハウジング42aは、雄コネクタ41が挿入可能なように、雄コネクタ41に対向する一面が開口している。ハウジング42a内側の寸法は、ハウジング41aが収容可能な横幅、高さ及び奥行である。雌コネクタ42は、雄コネクタ41の各接続端子に対応するように、複数の接続端子を備え、ハウジング42aは、該接続端子を保持する。また、ハウジング42a内側上面には、ツメ部41bが収容可能な横幅、高さ及び奥行を持った溝部42bが設けられている。
【0039】
図4に示すように、溝部42bには、ツメ部41bに係る小突起41cと嵌合可能な嵌合孔42cが設けられている。また、雌コネクタ42のハウジング42a内からは、車載制御装置3の制御部31に向けて入力端子31a、31bが配されている。入力端子31a、31bは、圧電素子41dが出力した電圧を制御部31に印加するための端子である。入力端子31a、31bは、一端が制御部31の入力部に接続されており、ハウジング42a内にある他端が、雄コネクタ41の挿入方向とは逆方向に向くように配されている。入力端子31a、31bは、コネクタ4の接続時には出力端子41e、41fと接触するようになっており(図6A参照)、圧電素子41dが出力した電圧は制御部31に印加される。
【0040】
雄コネクタ41が雌コネクタ42に挿入されると、ツメ部41bが弾性を有することにより、ツメ部41bが溝部42bに沿う形で曲がる。雄コネクタ41がさらに挿入されると、小突起41cと嵌合孔42cとが嵌合される(図6A参照)。すると、ツメ部41bと溝部42bとが互いに係止され、コネクタ4は接続状態となる。
【0041】
次に、制御部31が行う処理について、フローチャートを用いて説明する。
図5は、本実施の形態1に係る処理手順を示すフローチャートの一例である。コネクタ4の接続が解除される場合、ツメ部41bに内蔵された圧電素子41dに圧力が作用し、圧電素子41dは電圧を出力する。制御部31は、圧電素子41dが出力する電圧を検知する(ステップS1)。制御部31は、該電圧の値が所定の閾値以上か否かを判定する(ステップS2)。閾値は、コネクタ4の接続を解除するために必要な圧力に応じて定められる電圧値である。また、閾値が正負どちらの値であるかは、コネクタ4の接続が解除される場合に圧電素子41dが出力する電圧の極性によって定まる。本実施の形態では、コネクタ4の接続が解除される場合に、電圧値は正の値を取るものとして説明する。電圧値が閾値未満である場合(ステップS2:NO)、処理はステップS1に戻される。
【0042】
電圧値が閾値以上である場合(ステップS2:YES)、電圧が印加されることにより、制御部31は、記憶部32及び通信部33を含む自機(車載制御装置3)を起動させる(ステップS3)。不正機器をコネクタ4に接続する行為は、車載制御装置3が休止している間、例えば夜間に行われる虞がある。そこで、制御部31は、圧電素子41dが出力した電圧を検知した場合は、圧電素子41dから印加される該電圧を利用して、自機を起動させる。なお、すでに車載制御装置3が起動している場合は、ステップS3の処理はスキップされる。次いで、制御部31は、ウェイクアップ信号を生成し(ステップS4)、ウェイクアップ信号を他の車載制御装置3に送信する(ステップS5)。ウェイクアップ信号の生成及び送信を行うのは、他の車載制御装置3も休止している虞があるためである。
【0043】
他の車載制御装置3に係る制御部31は、電圧を検知した車載制御装置3から送信されたウェイクアップ信号を受信する(ステップS6)。制御部31は、ウェイクアップ信号を受信した場合、自機を起動させる(ステップS7)。なお、すでに他の車載制御装置3が起動している場合は、ステップS7の処理はスキップされる。制御部31は、ウェイクアップ信号を送信した車載制御装置3に、自機を起動させた旨の応答信号を送信する(ステップS8)。なお、ウェイクアップ信号の送信元の特定は、ウェイクアップ信号に車載制御装置3の識別情報を付与しておき、他の車載制御装置3に係る制御部31が、該識別情報を読み出すことにより行えばよい。また、以下でも特に断りがない場合、車載通信システムにおける通信は同様にして送信元の特定が行われるものとする。
【0044】
ウェイクアップ信号を送信した制御部31は、応答信号を受信する(ステップS9)。制御部31は、応答信号を受信した場合、コネクタ4の接続が解除される旨の通知信号を生成する(ステップS10)。制御部31は、他の車載制御装置3に通知信号を送信する(ステップS11)。
【0045】
応答信号を送信した他の車載制御装置3に係る制御部31は、通知信号を受信する(ステップS12)。制御部31は、後述するように、車載通信システムにおける通信を制限し(ステップS13)、処理を終了する。
【0046】
次に、本実施の形態に係るコネクタ4の接続解除の検出動作について説明する。
図6は、本実施の形態1に係るコネクタ4の接続解除の検出動作を説明するための模式図である。図6Aはコネクタ4が接続された状態を、図6Bはコネクタ4の接続が解除された状態を示す。なお、図3、4では複数の通信線2が束となったハーネスが車載制御装置3に接続されるものとして図示したが、図6では簡潔のため通信線2は一本としている。
【0047】
図6Aでは、雄コネクタ41が雌コネクタ42に挿入されていることにより、ツメ部41bが溝部42bによって押圧されていることがわかる。図6Bでは、雄コネクタ41が雌コネクタ42から取り外されていることにより、ツメ部41bが押圧されていないことがわかる。つまり、コネクタ4が接続されている状態から、コネクタ4の接続が解除されるまでの間に、ツメ部41bに作用する圧力が変化する。また、圧電素子41dはツメ部41bに内蔵されていることから、ツメ部41bに作用する圧力は、圧電素子41dにも作用する。従って、コネクタ4が接続されている状態から、コネクタ4の接続が解除されるまでの間に、圧電素子41dに作用する圧力は変化する。圧電素子41dに作用する圧力が変化すると、圧電素子41dは電圧を出力する。
【0048】
図6Aで示すように、雄コネクタ41が雌コネクタ42に挿入されている場合、入力端子31a、31bと出力端子41e、41fとは接触している。圧電素子41dに作用する圧力が変化し始めても、コネクタ4の接続が完全に解除されるまでは、入力端子31a、31bと出力端子41e、41fとは接触している。よって、圧電素子41dが出力する電圧は、制御部31により検知される。
なお、図6Bで示すように、コネクタ4の接続が完全に解除された場合、出力端子41e、41fと入力端子31a、31bとが非接触となるので、制御部31は電圧を検知しなくなる。
【0049】
圧電素子41dは、押圧する場合と押圧してから離す場合の両方で、電圧を生じる。ただし、押圧する場合と押圧してから離す場合とでは、生じる電圧は逆極性となる。つまり、コネクタ4が接続されることにより圧電素子41dが押圧される場合と、コネクタ4の接続が解除されることにより圧電素子41dが押圧されなくなる場合とでは、生じる電圧が逆極性となる。制御部31は、生じる電圧の極性により、コネクタ4が接続されたか、それともコネクタ4の接続が解除されたかを判別する。
【0050】
以上より、コネクタ4の接続が解除される場合、圧電素子41dに作用する圧力が変化することにより圧電素子41dが電圧を出力し、制御部31は、該電圧を検知する。制御部31は、該電圧を検知した場合、後述する処理を実行する。
【0051】
制御部31は、コネクタ4の接続が解除される旨を他の車載制御装置3に通知する処理を行う。具体的には、制御部31は、圧電素子41dが出力する電圧により自機を起動させると共に、ウェイクアップ信号を生成、送信することにより、他の車載制御装置3を起動させる。休止状態から起動状態へと遷移した車載通信システムは、電圧を検知した車載制御装置3から他の車載制御装置3へと通知信号を送信する。他の車載制御装置3は、該通知信号を受信することにより、コネクタ4の接続が解除される旨を認識することができる。
【0052】
他の車載制御装置3に係る制御部31は、通知信号を受信すると、車載通信システムにおける通信を制限する処理を行う。具体的には、制御部31は、自機の動作を停止する処理を行う。これにより、不正機器がコネクタ4に接続される場合に、不正情報が流される、情報が盗まれる等の事態を防止することができる。
【0053】
以上より、本実施の形態1によれば、コネクタ4に作用する圧力を検出することにより、不正機器が接続される前に行われるコネクタ4の接続の解除を検出することができる。
【0054】
また、本実施の形態1によれば、コネクタ4に圧電素子41dが配される構成であるため、従来技術のようなソフトウェア上の対策よりも単純で、安価に実現できる。
【0055】
また、本実施の形態1によれば、コネクタ4の接続が解除される場合、雄コネクタ41と雌コネクタ42とを係止するツメ部41bに圧力が作用する。圧電素子41dがツメ部41bに設けられていることにより、コネクタ4の接続が解除される場合には圧電素子41dに圧力が作用し、電圧が生じる。制御部31は、該電圧を検知することにより、コネクタ4に作用する圧力を検出する。よって、圧電素子41dがツメ部41bに設けられていることにより、制御部31はコネクタ4に作用する圧力を検出することができる。
【0056】
また、本実施の形態1によれば、雄コネクタ41が通信線2に設けられ、雌コネクタ42が車載制御装置3に設けられている構成において、コネクタ4の接続の解除を検出することができる。
【0057】
また、本実施の形態1によれば、コネクタ4の接続が解除されることを、圧電素子41dが出力する電圧によって検出する。つまり、車両1のネットワークの通信状態を監視するのではなく、コネクタ4の物理的な接続状態を監視している。また、制御部31は、圧電素子41dが出力する電圧により自機を起動させると共に、ウェイクアップ信号を生成、送信することにより、他の車載制御装置3を起動させる。つまり、各車載制御装置3が休止状態であったとしても、コネクタ4の接続が解除される旨を通知することができる。以上より、従来技術のように、車載制御装置3が車両1のネットワークと通信可能な状態である必要はない。
【0058】
また、本実施の形態1によれば、コネクタ4の接続が解除される旨の通知を受けた他の車載制御装置3に係る制御部31は、車載通信システムにおける通信を制限する処理を行う。これにより、不正機器が接続される事態に対応することができる。
【0059】
(変形例1)
実施の形態1では、雄コネクタ41のツメ部41bに圧電素子41dが内蔵される構成であった。しかし、コネクタ4に作用する圧力を検出することができる構成であれば、コネクタ4に必ずしも圧電素子41dが配される必要はない。例えば、コネクタ4のツメ部41bに抵抗が内蔵され、制御部31は、ツメ部41bに作用する圧力が変化することによる抵抗値の変化を検知する構成としてもよい。また、コネクタ4のツメ部41bにコンデンサが内蔵され、制御部31は、ツメ部41bに作用する圧力が変化することによる静電容量の変化を検知する構成としてもよい。以上より、ツメ部31bに抵抗、コンデンサ等を内蔵させる構成であっても、コネクタ4に作用する圧力を検出することができる。
【0060】
(変形例2)
実施の形態1では、雄コネクタ41の押圧される部分は、ツメ部41bであった。しかし、押圧される部分は、ツメ形状に限られない。例えば、押圧される部分をツメ形状ではなく単なる凸形状とし、これに弾性を持たせる構成でもよい。さらに、押圧される部分は、必ずしもハウジング上面に位置していなければならないわけではない。例えば、押圧される部分がハウジング41aの前面に設けられていてもよい。つまり、コネクタ4の接続が解除される場合に、制御部31が、コネクタ4に配された圧電素子に作用する圧力の変化により生じる電圧を検知することができる構成であればよい。該構成であれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0061】
(変形例3)
実施の形態1では、制御部31が行う通信制限処理は、車載制御装置3の動作を停止する処理であるとした。しかし、該通信制限処理は、車載制御装置3の動作を停止する処理に限られない。例えば、自機が送受信する情報について、その情報の種類ごとに予め重要度を示す識別情報を付与して記憶部32に記憶しておき、重要度の低い情報については通信を行うが、重要度の高い情報については通信を行わないようにしてもよい。これにより、不正機器がコネクタ4に接続されたとしても、重要な情報の漏洩を防ぐことができる。
【0062】
(変形例4)
実施の形態1では、制御部31が行う処理は、通信を制限する処理に限られない。例えば、制御部31は、圧電素子41dが電圧を生じたという検出結果を記憶部32に記憶する処理を行ってもよい。上記のようにウェイクアップ信号及び通知信号を生成し、全ての車載制御装置3に送信しようとしても、通信線2における通信量が瞬間的に増大することから、全ての車載制御装置3への送信が、コネクタ4の接続が完全に解除される前に完了しない虞がある。そこで、圧電素子41dが生じた電圧を検知した制御部31は、検出結果を記憶部32に記憶しておく。コネクタ4の接続が解除され、不正機器がコネクタ4に接続された場合であっても、取り外された車載制御装置3が再びコネクタ4に接続されれば、事後的に他の車載制御装置3に前記検出結果を通知することができる。
【0063】
なお、上記の処理とは反対に、制御部31は、電圧を検知した場合に記憶部32に記憶されている情報を消去する処理を行ってもよい。これにより、取り外された車載制御装置3からの情報の漏洩を防止することができる。
【0064】
また、制御部31は、コネクタ4の接続が解除された旨をユーザに報知する処理を行ってもよい。車載通信システムに通信装置を設けておき、制御部31は、圧電素子41dが出力する電圧を検知した場合、該通信装置を通じて例えばユーザの携帯電話に報知する。これにより、ユーザはコネクタ4の接続が解除された旨を知ることができる。
【0065】
上記のように、制御部31が行う処理は、様々な処理内容が考えらえる。制御部31が行う処理は、不正機器への対策としてセキュリティ上有効な処理であればよい。なお、上記複数の処理を組み合わせて実行することも考えられる。
【0066】
(実施の形態2)
実施の形態1では、雄コネクタ41に係るツメ部41bに圧電素子41dが内蔵され、制御部31は、圧電素子41dに作用する圧力が変化することによって生じる電圧を検知する形態について述べた。実施の形態2では、圧電素子242eが、雌コネクタ242に配されている形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については、説明を省略する。
【0067】
図7は、本実施の形態2に係るコネクタ204の一例を示す断面図である。コネクタ204は、雄コネクタ241と雌コネクタ242とを含む。雄コネクタ241はハウジング241aを備え、ハウジング241aにはツメ部241bが設けられている。雌コネクタ242はハウジング242aを備え、ハウジング242aには撓み部242dが設けられている。撓み部242dは、コネクタ204の接続時にツメ部241bと対応するようにハウジング242aの内側上面に設けられ、弾性を有する。また、圧電素子242eは、撓み部242dに内蔵されている。入力端子231a、231bは、圧電素子242eと、車載制御装置3の制御部31との間に配されている。
【0068】
図8は、本実施の形態2に係るコネクタ204の接続解除の検出動作を説明するための模式図である。図8Aはコネクタ204が接続されている状態を、図8Bはコネクタ204の接続が解除された状態を示す。
【0069】
図8Aでは、雄コネクタ241が雌コネクタ242に挿入されていることにより、撓み部242dがツメ部241bによって押圧されていることがわかる。図8Bでは、雄コネクタ241が雌コネクタ242から取り外されていることにより、撓み部242dが押圧されていないことがわかる。つまり、コネクタ204が接続されている状態から、コネクタ204の接続が解除されるまでの間に、撓み部242dに作用する圧力が変化する。また、圧電素子242eは撓み部242dに内蔵されていることから、撓み部242dに作用する圧力は、圧電素子242eにも作用する。従って、コネクタ204が接続されている状態から、コネクタ204の接続が解除されるまでの間に、圧電素子242eに作用する圧力は変化する。圧電素子242eに作用する圧力が変化すると、圧電素子242eは電圧を出力する。
【0070】
上記のように、圧電素子242eと制御部31との間には、入力端子231a、231bが配されている。よって、圧電素子242eが出力する電圧は、制御部31により検知される。
【0071】
以降の処理は、実施の形態1と同様である。制御部31は、電圧を検知すると、コネクタ204の接続が解除される旨を他の車載制御装置3に通知する処理を実行する。
【0072】
以上より、本実施の形態2によれば、通信線2に設けられたコネクタである雄コネクタ241ではなく、車載制御装置3に設けられたコネクタである雌コネクタ242に圧電素子242eが配されることにより、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0073】
また、本実施の形態2によれば、入力端子231a、231bは圧電素子242eに接続されている。実施の形態1では、出力端子41e、41fと入力端子31a、31bとが接触することにより、圧電素子41dと制御部31とが電気的に接続されていたが、出力端子41e、41fと入力端子31a、31bとが接触不良を起こした場合、制御部31は、圧電素子41dが出力する電圧を検知できない虞がある。本実施の形態2においては、入力端子231a、231bのみによって接続されているため、上記の事態を生じさせる虞がない。
【0074】
(実施の形態3)
実施の形態1、2では、車載制御装置3が、他の車載制御装置3に通信線2を介して接続される形態について述べた。しかし、通信線2を介して車載制御装置3に接続される機器は、他の車載制御装置3に限られない。実施の形態3では、車載制御装置303が、自機に接続されている通信線2とは別の通信線302を介して、他の車載制御装置3ではない別の車載機器305に接続される形態について述べる。なお、実施の形態1、2と重複する内容については、説明を省略する。
【0075】
図9は、本実施の形態3に係る車載通信システムの構成例を示すブロック図である。実施の形態1と同じように、一の車載制御装置303は、通信線2を介して、他の車載制御装置3と通信可能に接続されている。車載制御装置303と通信線2とは、コネクタ4によって接続されている。一方で、車載制御装置303は、通信線302を介して、車載機器305とも接続されている。
【0076】
車載機器305は、例えばセンサ、駆動機器、電装品等であり、通信線302を介して車載制御装置303と接続可能な機器であればよい。本実施の形態においては、車載機器305は速度センサであるものとして説明する。車載機器305に接続される車載制御装置303は、例えば車両1のエンジンを制御する電子制御装置である。車載機器305、すなわち速度センサは、車両1の走行速度を検出し、検出した走行速度を車載制御装置303に通知する。走行速度を通知された車載制御装置303は、例えば走行速度が法定速度を上回っている場合に、走行速度を法定速度以下にするようにエンジン駆動を制御する。
【0077】
車載機器305と車載制御装置303とを通信可能とする通信線302は、一端が車載制御装置303に、他端が車載機器305に接続されている。また、車載制御装置303と通信線302とは、コネクタ304によって接続されている。通信線302、車載制御装置303及びコネクタ304の構成は、それぞれ実施の形態1(又は実施の形態2)における通信線2、車載制御装置3及びコネクタ4(又はコネクタ204)と同様である。コネクタ304は、雄コネクタ341と雌コネクタ342とを含み、雄コネクタ341(又は雌コネクタ342)には圧電素子が配されている。コネクタ304の接続が解除される場合、圧電素子に作用する圧力が変化することにより、電圧が生じる。制御部331は電圧を検知すると、コネクタ304の接続が解除される旨を他の車載制御装置303に通知する処理を実行する。
【0078】
以上の構成により、車載制御装置303と、他の車載制御装置3ではない別の車載機器305とを接続するコネクタ304においても、実施の形態1、2と同じ一連の処理が可能となる。これにより、実施の形態1、2と同様の効果を奏する。
【0079】
(実施の形態4)
実施の形態1では、制御部31が、圧電素子41dに作用する圧力の変化により生じる電圧を検知すると、上記所定の処理を行う形態について述べた。実施の形態4では、通信線402を介して複数の車載制御装置403と接続されるゲートウェイ406が、車載通信システムにおける通信を制限する処理を行う形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については、説明を省略する。
【0080】
図10は、本実施の形態4に係る車載通信システムの構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係る車載通信システムは、ゲートウェイ(Gateway)406に複数の通信線402が接続されており、各通信線402に複数の車載制御装置403が接続されている。通信線402と車載制御装置403とは、コネクタ404によって接続されている。
【0081】
ゲートウェイ406は、接続された複数の通信線402間での通信を中継する中継器である。異なる通信線402がゲートウェイ406に接続されていることにより、各車載制御装置403は、自機が接続されている通信線402以外の通信線402に接続されている他の車載制御装置403と通信可能となっている。
【0082】
それぞれの通信線402に接続された複数の車載制御装置403は、一定の関連した制御系を構成しており、安全系、駆動系、ボディ系という制御系に分かれている。なお、制御系は前記3つの制御系に限られない。各制御系の車載制御装置403は、複数の車載制御装置403がそれぞれ信号の送受信を行うことにより、制御系全体として各制御系に関する制御を行う。
【0083】
次に、本実施の形態4における車載通信システムの動作処理を説明する。図11は、本実施の形態4に係る処理手順を示すフローチャートの一例である。ここで、駆動系の車載制御装置403、403、403、…のうち、一の車載制御装置403と通信線402とを接続するコネクタ404の接続が解除される場合を考える。図11では、コネクタ404の接続が解除される車載制御装置403が行う処理を左側に、ゲートウェイが行う処理を中央に、駆動系に係る他の車載制御装置403が行う処理を右側に示している。
【0084】
ステップS1〜S3の処理は、実施の形態1と同様なので、説明を省略する。自機を起動させた制御部431は、ウェイクアップ信号を生成し、ウェイクアップ信号をゲートウェイ406に送信する(ステップS404)。ゲートウェイ406は、ウェイクアップ信号を受信する(ステップS405)。ゲートウェイ6は、ウェイクアップ信号を受信した場合、自機を起動させる(ステップS406)。実施の形態1で説明したように、コネクタ404の接続が解除される場合に、車載通信システムが休止している虞があるためである。なお、ゲートウェイ406がすでに起動している場合、ステップS407の処理はスキップされる。ゲートウェイ406は、ウェイクアップ信号を送信した車載制御装置403に応答信号を送信する(ステップS407)。
【0085】
車載制御装置403に係る制御部431は、応答信号を受信する(ステップS408)。応答信号を受信すると、制御部431は、コネクタ404の接続が解除される旨の通知信号を生成し、通知信号をゲートウェイ406に送信する(ステップS409)。
【0086】
ゲートウェイ406は、通知信号を受信する(ステップS410)。通知信号を受信した場合、ゲートウェイ406はウェイクアップ信号を生成し、ウェイクアップ信号を駆動系に係る他の車載制御装置403に送信する(ステップS411)。他の車載制御装置403は、ウェイクアップ信号を受信する(ステップS412)。他の車載制御装置403に係る制御部431は、ウェイクアップ信号を受信した場合、自機を起動させる(ステップS413)。なお、他の車載制御装置403がすでに起動している場合、ステップS413の処理はスキップされる。他の車載制御装置403に係る制御部431は、ゲートウェイ406に応答信号を送信する(ステップS414)。
【0087】
ゲートウェイ406は、応答信号を受信する(ステップS415)。応答信号を受信すると、ゲートウェイ406は、駆動系の動作を停止させるための制御信号を生成する(ステップS416)。具体的には、駆動系に係る他の車載制御装置403、403、…の動作を停止させるための制御信号を生成する。ゲートウェイ406は、生成した制御信号を、駆動系に係る他の車載制御装置403に送信する(ステップS417)。
【0088】
駆動系に係る他の車載制御装置403は、制御信号を受信する(ステップS418)。制御信号を受信した場合、他の車載制御装置403は、制御信号に従って自機の動作を停止させ(ステップS419)、一連の処理を終了する。
【0089】
上記のように、コネクタ404の接続が解除される旨の通知信号を受信したゲートウェイ406は、コネクタ404の接続が解除される車載制御装置403以外の、駆動系に係る他の車載制御装置403、403、…の動作を停止させる処理を行う。これにより、駆動系に係る車載制御装置403、403、…の全てが動作を停止し、車両1の駆動系全体として動作が停止する。
【0090】
以上より、本実施の形態4によれば、一の制御系に係るコネクタ404の接続が解除される場合に、一の制御系全体の動作を停止することで、不正機器の接続による事故の発生等を未然に防ぐことが可能となる。
【0091】
また、本実施の形態4によれば、制御部431は、コネクタ404の接続が解除される旨の通知信号をゲートウェイ406にのみ送信する。すでに述べたように、通知信号を制御部431が他の車載制御装置403に送信しようとしても、通信線2における通信量が瞬間的に増大することから、全ての車載制御装置403への送信が完了しない虞がある。しかし、本実施の形態において、制御部431はゲートウェイ406にのみ送信すればよいので、実施の形態1に比べ、通信を高速で行うことが可能となる。これにより、通知処理が完了しない可能性を低減させることができる。
【0092】
また、本実施の形態4によれば、ゲートウェイ406が一括して制御信号を生成し、他の車載制御装置403、403、…に送信する。よって、車載通信システム全体の処理負担を軽減させることができる。
【0093】
(変形例1)
実施の形態4では、コネクタ404の接続が解除される旨の通知信号を受信した場合、ゲートウェイ406は、一の制御系に係る全ての車載制御装置403、403、…の動作を停止させるものとした。しかし、一部の車載制御装置403、403、…だけ動作を停止させれば不正機器の侵入を防止できるのであれば、必ずしも一の制御系に係る全ての車載制御装置403の動作を停止させなくてもよい。変形例1では、一の制御系に係る一部の車載制御装置403、403、…だけ動作を停止させる形態について述べる。
【0094】
ゲートウェイ406の記憶部(図示せず)は、例えば、一の車載制御装置403との通信ができないと、他の車載制御装置403、403、…が動作できなくなる場合に、前記一の車載制御装置403と前記他の車載制御装置403、403、…とを対応付けたテーブルを記憶しておく。ゲートウェイ406は、コネクタ404の接続が解除される旨の通知信号を受信した場合、該通知信号の送信元を特定することにより、コネクタ404の接続が解除される車載制御装置403を特定し、前記テーブルを参照する。なお、通知信号の送信元の特定は、通知信号に車載制御装置403を特定する識別情報を付与しておき、ゲートウェイ406が通知信号を受信した場合に、該識別情報を読み出すことにより行えばよい。また、車載制御装置403の特定は、通知信号ではなく、ウェイクアップ信号(実施の形態4におけるステップS404)の送信元を同様にして特定することにより行ってもよい。ゲートウェイ406は、他の車載制御装置403、403、…が、コネクタ404の接続が解除される車載制御装置403と対応付けられているか否かを判定する。
【0095】
また、ゲートウェイ406は、対応付けられていると判定した他の車載制御装置403、403、…が、さらに別の車載制御装置403、403、…と対応付けられているか否かを判定する。ゲートウェイ406は、この判定処理を、対応付けられている車載制御装置403がなくなるまで繰り返す。この判定処理により、コネクタ404に不正機器が接続されることにより悪影響のある車載制御装置403、403、…が特定される。
【0096】
ゲートウェイ406は、特定された他の車載制御装置403、403…の動作を停止させるための制御信号を生成する。ゲートウェイ406は、特定された他の車載制御装置403、403、…に、該制御信号を送信する。制御信号を受信した他の車載制御装置403、403、…は、制御信号に従って自機の動作を停止させる。
【0097】
以上より、変形例1によれば、ゲートウェイ406の記憶部は、一の車載制御装置403と他の車載制御装置403、403、…とを対応付けたテーブルを記憶しておく。ゲートウェイ406は、コネクタ404の接続が解除された場合に、前記テーブルを参照して、コネクタ404の接続が解除される車載制御装置403と他の車載制御装置403、403、…が対応付けられているか否かを判定する。ゲートウェイ406は、この判定結果により、前記一の車載制御装置403と対応付けられている他の車載制御装置403、403、…に制御信号を送信し、前記他の車載制御装置403、403、…の動作を停止させる。
これにより、一の制御系に係る全ての車載制御装置403、403…の動作を停止させずとも、不正機器がコネクタ404に接続されることにより動作に悪影響が出る一部の車載制御装置403、403…の動作を停止させることができるので、実施の形態4と同様の効果を奏する。
【0098】
(変形例2)
実施の形態4において、コネクタ404の接続が解除される旨の通知信号を受信したゲートウェイ406は、接続が解除されるコネクタ404を有する通信線402と、他の通信線402、402との通信を遮断する処理を行ってもよい。これにより、不正機器の接続による悪影響を、不正機器が接続される通信線402に係る制御系に留めることができる。
【0099】
(変形例3)
実施の形態4において、ゲートウェイ406は、一の制御系の動作を停止させる場合に、該制御系とは別の制御系の動作を停止させる処理を行ってもよい。例えば、実施の形態4では駆動系に係る車載制御装置403、403、…の動作を停止させることとしたが、併せて安全系に係る車載制御装置403、403、…の動作を停止させることとしてもよい。駆動系及び安全系の制御は、車両1の運転時にユーザの安全に直結する重要な制御が多い。そこで、駆動系に係るコネクタ404に不正機器が接続される場合に、不正機器の侵入による安全系への悪影響を考慮し、駆動系のみならず、安全系に係る車載制御装置403、403、…の動作も停止させる。
なお、上記の例では駆動系及び制御系の動作を停止させることとしたが、停止させる制御系の組み合わせは、この組み合わせに限定されない。例えば、駆動系の動作を停止させる場合に、ボディ系の動作は停止させるが、ユーザの安全を考慮して安全系の動作は停止させないという組み合わせも考えられる。
【0100】
以上より、変形例3によれば、一の制御系に係るコネクタ404の接続が解除される場合であって、該一の制御系に係る車載制御装置403、403、…の動作を停止させる場合に、ゲートウェイ406は、他の制御系に係る車載制御装置403、403、…の動作を停止させる処理を行う。これによって、不正機器の侵入による重大事故の発生等を防止することができる。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
1 車両
2,302,402 通信線
3,303,403 車載制御装置
31,331,431 制御部
31a,31b,231a,231b 入力端子
32 記憶部
33 通信部
4,204,304,404 コネクタ
41,241,341 雄コネクタ
41a,241a ハウジング
41b,241b ツメ部
41c 小突起
41d 圧電素子
41e,41f 出力端子
42,242,342 雌コネクタ
42a,242a ハウジング
42b 溝部
42c 嵌合孔
242d 撓み部
242e 圧電素子
305 車載機器
406 ゲートウェイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11