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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-215900(P2016-215900A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】車載装置及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20161125BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20161125BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20161125BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   B60R16/02 650J
   B60R16/023 P
   G08G1/01 A
   G08G1/09 H
   G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-104536(P2015-104536)
(22)【出願日】2015年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】立石 博志
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181MC04
5H181MC15
(57)【要約】
【課題】センサの故障を検知することができる車載装置、及び、前記車載装置を備える通信システムを提供する。
【解決手段】中継装置(車載装置)40は、センサD1,D2,D3,D4中の少なくとも1つから、周辺の環境に関する一又は複数の第1環境情報を取得する。中継装置40は、更に、環境に関する一又は複数の第2環境情報を外部から無線で受信する。中継装置40は、取得した一又は複数の第1環境情報と、受信した一又は複数の第2環境情報とに基づいて、センサD1,D2,D3,D4中の少なくとも1つについて、故障が発生しているか否かを判定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺の環境に関する第1環境情報をセンサから取得する取得部を備える車載装置において、
外部から環境に関する第2環境情報を受信する受信部と、
前記取得部が取得した前記第1環境情報、及び、前記受信部が受信した前記第2環境情報に基づいて、前記センサが故障しているか否かを判定する判定部と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記取得部が取得した前記第1環境情報を送信する送信部を備え、
前記取得部は、種類が異なる複数の前記第1環境情報を複数の前記センサから取得し、
前記受信部は、種類が前記複数の第1環境情報夫々と対応する複数の前記第2環境情報を受信し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記複数の第1環境情報と、前記受信部が受信した前記複数の第2環境情報とに基づいて、前記複数のセンサ夫々について、故障が発生しているか否かを判定し、
前記送信部は、前記判定部によって、前記故障が発生していると判定された一又は複数の前記センサを除く他の前記センサから、前記取得部が取得した一又は複数の前記第1環境情報を送信すること
を特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記受信部は前記第2環境情報を経時的に受信し、
前記判定部は、
前記受信部が前記第2環境情報を受信する都度、前記取得部が取得した前記第1環境情報が示す内容と、前記受信部が受信した前記第2環境情報が示す内容とが略一致しているか否かを判定し、
前記第1環境情報及び第2環境情報夫々が示す内容が略一致していないと複数回連続して判定した場合に前記センサが故障していると判定すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記受信部に前記第2環境情報を送信した送信対象が過去に該第2環境情報を前記受信部に送信した送信対象と異なる場合に判定を行うこと
を特徴とする請求項3に記載の車載装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の複数の車載装置を備え、
該複数の車載装置夫々は、前記取得部が取得した前記第1環境情報を他の前記車載装置の前記受信部に送信する第2の送信部を有すること
を特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサから情報を取得する車載装置、及び、該車載装置を備える通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の情報を取得し、取得した情報をサーバに送信する車載装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に記載の車載装置は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機から、自装置が搭載されている車両の位置を示す位置情報を取得する。
【0003】
多数の車両夫々に特許文献1に記載の車載装置が搭載されている場合、サーバには多数の位置情報が送信される。サーバが受信した多数の位置情報に基づいて、例えば、道路の渋滞状況を解析することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−102680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような車載装置として、レインセンサ、温度センサ又は湿度センサ等のセンサから車両周辺の環境に関する環境情報を取得する車載装置が考えられる。多数の車両にこの車載装置が搭載されている場合、サーバには多数の環境情報が送信される。環境情報と共に車両に位置情報がサーバに送信される場合、サーバが受信した多数の環境情報に基づいて、局所的な天候を解析することができる。
【0006】
しかしながら、故障のため、センサが誤った環境情報を出力している場合、受信した環境情報に基づいて、サーバによって行われる解析の精度が低い。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、センサの故障を検知することができる車載装置、及び、該車載装置を備える通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車載装置は、周辺の環境に関する第1環境情報をセンサから取得する取得部を備える車載装置において、外部から環境に関する第2環境情報を受信する受信部と、前記取得部が取得した前記第1環境情報、及び、前記受信部が受信した前記第2環境情報に基づいて、前記センサが故障しているか否かを判定する判定部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、センサから環境に関する第1環境情報を取得し、外部から環境に関する第2環境情報を取得する。第1環境情報及び第2環境情報に係る環境が略同じである場合、第1環境情報及び第2環境情報が示す内容は略一致している。例えば、第1環境情報及び第2環境情報夫々が特定の環境における温度を示す場合、第1環境情報及び第2環境情報夫々が示す温度の差は小さい。
【0010】
第1環境情報及び第2環境情報に基づいて、センサが故障しているか否かを判定する。これにより、センサの故障が検知される。
例えば、第1環境情報及び第2環境情報夫々が示す内容が複数回大きく異なった場合、センサが故障していると判定し、センサの故障を検知する。
【0011】
本発明に係る車載装置は、前記取得部が取得した前記第1環境情報を送信する送信部を備え、前記取得部は、種類が異なる複数の前記第1環境情報を複数の前記センサから取得し、前記受信部は、種類が前記複数の第1環境情報夫々と対応する複数の前記第2環境情報を受信し、前記判定部は、前記取得部が取得した前記複数の第1環境情報と、前記受信部が受信した前記複数の第2環境情報とに基づいて、前記複数のセンサ夫々について、故障が発生しているか否かを判定し、前記送信部は、前記判定部によって、前記故障が発生していると判定された一又は複数の前記センサを除く他の前記センサから、前記取得部が取得した一又は複数の前記第1環境情報を送信することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、種類が異なる複数の第1環境情報を複数のセンサから取得する。例えば、レインセンサから装置周辺の雨の有無を示す第1環境情報を取得し、温度センサから装置周辺の温度を示す第1環境情報を取得し、湿度センサから装置周辺の湿度を示す第1環境情報を取得する。種類が複数の第1環境情報夫々と対応する複数の第2環境情報を受信する。
【0013】
複数のセンサ夫々から取得した複数の第1環境情報と、受信した複数の第2環境情報とに基づいて、複数のセンサ夫々について、故障が発生しているか否かを判定する。そして、故障が発生していると判定された一又は複数のセンサを除く他のセンサから取得した一又は複数の第1環境情報を、例えばサーバに送信する。この場合、信頼性が高い一又は複数の第1環境情報のみがサーバに送信される。
【0014】
本発明に係る車載装置は、前記受信部は前記第2環境情報を経時的に受信し、前記判定部は、前記受信部が前記第2環境情報を受信する都度、前記取得部が取得した前記第1環境情報が示す内容と、前記受信部が受信した前記第2環境情報が示す内容とが略一致しているか否かを判定し、前記第1環境情報及び第2環境情報夫々が示す内容が略一致していないと複数回連続して判定した場合に前記センサが故障していると判定することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、第2環境情報を経時的に受信する。第2環境情報を受信する都度、センサから第1環境情報が示す内容と、受信した第2環境情報が示す内容とが略一致しているか否かを判定する。第1環境情報及び第2環境情報夫々が示す内容が略一致していないと複数回連続して判定した場合にセンサが故障していると判定する。
これにより、センサの故障が正確に検知される。
【0016】
本発明に係る車載装置は、前記判定部は、前記受信部に前記第2環境情報を送信した送信対象が過去に該第2環境情報を前記受信部に送信した送信対象と異なる場合に判定を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、第2環境情報を送信した送信対象が、過去に第2環境情報を送信した送信対象と異なる場合にセンサが故障しているか否かを判定する。このため、一の送信対象から内容に誤りがある第2環境情報を繰り返し受信した場合であっても、センサの故障を誤って検知することはない。
【0018】
本発明に係る通信システムは、前述した複数の車載装置を備え、該複数の車載装置夫々は、前記取得部が取得した前記第1環境情報を他の前記車載装置の前記受信部に送信する第2の送信部を有することを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、2つの車両夫々に搭載されている2つの車載装置夫々は互いに第1環境情報を送信する。一方の車載装置は、他方の車載装置が送信した第1環境情報を受信し、受信した第1環境情報を第2環境情報として用いる。2つの車載装置に関して、第2環境情報として用いられる第1環境情報の送受信を行うことが可能な距離が短い場合、第1環境情報及び第2環境情報夫々が示す内容が略一致する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によればセンサの故障を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施の形態における通信システムの概要図である。
図2】車両に搭載されている車載システムの要部構成を示すブロック図である。
図3】中継装置の要部構成を示すブロック図である。
図4】状態テーブルの一例を示す図表である。
図5】制御部が実行する取得処理の手順を示すフローチャートである。
図6】取得処理で記憶部に記憶される内容を示す図表である。
図7】制御部が実行するサーバ送信処理の手順を示すフローチャートである。
図8】制御部が実行する車両送信処理の手順を示すフローチャートである。
図9】制御部が実行する故障検知処理の手順を示すフローチャートである。
図10】制御部が実行する故障検知処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本実施の形態における通信システム1の概要図である。通信システム1は、相互に接近している複数の車両20,21,22,23及びサーバ3を備える。車両20では、後述の複数のセンサD1,D2,D3,D4(図2参照)中の一又は複数の正常なセンサから、車両20周辺の環境に関する一又は複数の第1環境情報が取得される。取得される第1環境情報の数が2以上である場合、複数の第1環境情報の種類は互いに異なっている。センサD1,D2,D3,D4夫々から取得される第1環境情報は、車両20周辺における雨の有無、風速、温度及び湿度を示す。車両21,22,23夫々でも、同様に、車両21,22,23夫々の周辺の環境に関する一又は複数の第1環境情報が取得される。
【0023】
車両20では、他の車両21,22,23夫々から、環境に関する一又は複数の第2環境情報を含む環境信号が無線で受信される。ここで、一又は複数の第2環境情報は、他の車両21,22,23夫々で取得された一又は複数の第1環境情報である。車両20では、他の車両21,22,23夫々から受信された環境信号に含まれる第2環境情報に基づいて、4つのセンサD1,D2,D3,D4夫々について、故障が発生しているか否かが判定される。車両20では、4つのセンサD1,D2,D3,D4中の一又は複数の正常なセンサから取得した一又は複数の第1環境情報を含む環境データがサーバ3によって無線で送信される。
車両21,22,23夫々でも、車両20で実行される内容と同様の内容が実行される。
【0024】
サーバ3は、車両20,21,22,23夫々から受信した環境データに含まれる一又は複数の第1環境情報を記憶する。サーバ3に記憶されている複数の第1環境情報に基づいて、特定の処理、例えば、局所的な天候を解析する処理が実行される。
【0025】
図2は、車両20に搭載されている車載システム4の要部構成を示すブロック図である。
車両21,22,23夫々にも車載システム4が搭載されている。車両21,22,23夫々に搭載されている車載システム4は、車両20に搭載されている車載システム4と同様に構成されている。車両20に搭載されている車載システム4の説明において、車両20を車両21,22,23に置き換えることによって、車両21,22,23夫々に搭載されている車載システム4を説明することができる。車両21に関して、他の車両は車両20,22,23である。車両22に関して、他の車両は車両20,21,23である。車両23に関して、他の車両は車両20,21,22である。
【0026】
車両20に搭載されている車載システム4は、中継装置40、3つの通信線41,42,43、6つのECU(Electronic Control Unit)41a,41b,42a,42b,43a,43b及び4つのセンサD1,D2,D3,D4を有する。中継装置40には3つの通信線41,42,43が各別に接続されている。
【0027】
通信線41には、更に、ECU41a,41bが各別に接続されている。ECU41aには、通信線41の他にセンサD1が接続されている。通信線42には、更に、ECU42a,42bが各別に接続されている。ECU42aには、通信線42の他にセンサD2が接続されている。通信線43には、更に、ECU43a,43bが各別に接続されている。ECU43bには、更に、2つのセンサD3,D4が各別に接続されている。
【0028】
6つのECU41a,41b,42a,42b,43a,43b夫々は、車両20に搭載されている図示しない電気機器の動作を制御する。6つのECU41a,41b,42a,42b,43a,43bは、互いに有線で通信し、複数の電気機器を連動させる多様な制御処理を実現する。
【0029】
中継装置40は、6つのECU41a,41b,42a,42b,43a,43b間の通信を中継する。中継装置40は、例えば、通信線41に接続されているECU41aと、通信線43に接続されているECU43aとの間の通信を中継する。
【0030】
通信線41を介した中継装置40及びECU41a,41b間の通信、通信線42を介した中継装置40及びECU42a,42b間の通信、並びに、通信線43を介した中継装置40及びECU43a,43b間の通信は、CAN(Controller Area Network)プロトコル又はCAN−FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)等に従って実行される。
【0031】
センサD1は、レインセンサであり、車両20周辺における雨の有無を検出する。センサD2は、風速センサであり、車両20周辺の風速を検出する。ここで、センサD2が検出する風速は車両20の速度に影響されない。センサD3は、温度センサであり、車両20の外側における車両20周辺の温度を検出する。センサD4は、車両20の外側における車両20周辺の湿度を検出する。
【0032】
前述したように、車載システム4は、車両20に搭載されており、中継装置40を有する。このため、車両20周辺は、中継装置40周辺に相当する。
【0033】
センサD1,D2夫々は、検出結果を示す第1環境情報をECU41a,42aに出力する。センサD3,D4夫々は検出結果を示す第1環境情報をECU43bに出力する。
ECU41a,42a,43b夫々は、第1環境情報の送信を要求する送信要求を、中継装置40から受信する。ECU43bが受信する送信要求では、センサD3,D4が検出した2つの第1環境情報中の送信すべき第1環境情報が示されている。
【0034】
ECU41a,42a夫々は、送信要求を中継装置40から受信した場合、センサD1,D2から入力された第1環境情報を中継装置40に送信する。ECU43bは、送信要求を中継装置40から受信した場合、受信した送信要求に従って、センサD3,D4から入力された2つの第1環境情報中の少なくとも1つを中継装置40に送信する。
【0035】
中継装置40は、ECU41a,42a,43bに送信要求を送信する。これにより、中継装置40は、ECU41a,42a,43b夫々から、少なくとも1つの第1環境情報を受信する。中継装置40は、更に、他の車両21,22,23から環境信号を無線で受信する。中継装置40は、ECU41a,42a,43bから受信した第1環境情報と、他の車両21,22,23から受信した環境信号に含まれる第2環境情報とに基づいて、センサD1,D2,D3,D4夫々について、故障が発生しているか否かを判定する。
【0036】
中継装置40は、ECU41a,42a,43b中の少なくとも1つから受信した一又は複数の第1環境情報、具体的には、センサD1,D2,D3,D4中の正常なセンサから取得した一又は複数の第1環境情報を含む環境データをECU41bに送信する。
ECU41bは、中継装置40から環境データを受信した場合、受信した環境データを無線でサーバ3に送信する。
【0037】
図3は中継装置40の要部構成を示すブロック図である。中継装置40は、制御部50、3つの内部通信部51,52,53、位置検出部54、記憶部55、タイマ56、時計部57及び無線通信部58を有する。これらは、バス59によって接続されている。内部通信部51,52,53夫々は、バス59の他に、通信線41,42,43に接続されている。
【0038】
内部通信部51は、通信線41を介して、ECU41a,41b夫々からデータを受信する。内部通信部51が受信したデータは、内部通信部51から制御部50によって取得される。内部通信部51は、制御部50の指示に従って、データを、通信線41を介して、ECU41a,41bに送信する。更に、内部通信部51は、制御部50の指示に従って送信要求をECU41aに送信する。
【0039】
内部通信部52,53夫々は内部通信部51と同様に作用する。内部通信部51の説明において、通信線41及びECU41a,41bを通信線42及びECU42a,42bに置き換えることによって、内部通信部52の作用を説明することができる。内部通信部51の説明において、通信線41及びECU41a,41bを通信線43及びECU43b,43aに置き換えることによって、内部通信部53の作用を説明することができる。
【0040】
位置検出部54は、GPS衛星からのGPS電波を受信する受信機を用いて構成され、中継装置40、即ち、車両20の位置を検出する。位置検出部54が検出した位置を示す位置情報は、位置検出部54から制御部50によって取得される。
【0041】
タイマ56は、制御部50の指示に従って、計時の開始及び終了を行う。タイマ56が計時している計時時間は、タイマ56から、制御部50によって読み出される。
時計部57は、制御部50の指示に従って、現在の年月及び日時を示す日時情報を制御部50に出力する。制御部50は、時計部57から日時情報を取得する。
【0042】
無線通信部58は、他の車両21,22,23から、種類が、センサD1,D2,D3,D4中の正常なセンサから取得された一又は複数の第1環境情報夫々と対応する一又は複数の第2環境情報を含む環境信号を受信する。無線通信部58は、センサD1,D2,D3,D4から取得される第1環境情報の種類が4種類である場合、種類が4つの第1環境情報夫々と対応する4つの第2環境情報を含む環境信号を受信する。無線通信部58が受信した環境信号に含まれる一又は複数の第2環境情報は、無線通信部58から制御部50によって取得される。無線通信部58は受信部として機能する。
【0043】
無線通信部58は、更に、環境信号の送信を要求する要求信号を他の車両21,22,23から無線で受信する。無線通信部58は、制御部50の指示に従って、環境信号を他の車両21,22,23に無線で送信する。
【0044】
記憶部55は不揮発性メモリであり、記憶部55には制御プログラムP1が記憶されている。
制御部50は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を有し、記憶部55に記憶されている制御プログラムP1を実行することによって、中継処理、取得処理、サーバ送信処理、車両送信処理及び故障検知処理を並行して実行する。
【0045】
中継処理は、ECU41a,41b,42a,42b,43a,43b間の通信を中継する処理である。取得処理は第1環境情報を取得する処理である。サーバ送信処理はサーバ3に環境データを送信する処理である。車両送信処理は他の車両21,22,23に環境信号を送信する処理である。故障検知処理は、センサD1,D2,D3,D4の故障を検知する処理である。
【0046】
ECU41a,41b,42a,42b,43a,43b夫々が送信するデータにはデータ識別情報が含まれている。記憶部55には、データ識別情報に対応付けて、データを送信すべき送信先を示す対応表が記憶されている。送信先は、ECU41a,41b,42a,42b,43a,43b中の少なくとも1つである。
【0047】
制御部50は対応表に基づいて中継処理を行う。中継処理では、内部通信部51,52,53中の1つがデータを受信した場合において、受信したデータが第1環境情報を除く他のデータであるとき、受信されたデータのデータ識別情報と対応表とに基づいて、ECU41a,41b,42a,42b,43a,43bの中から、データの送信先を選択する。制御部50は、選択した送信先に基づいて、内部通信部51,52,53の中からデータを送信する対象を決定する。制御部50は、決定した対象に、受信されたデータを送信先へ送信させる。
【0048】
例えば、内部通信部51が、第1環境情報ではないデータを受信した場合、制御部50は、内部通信部51が受信したデータに含まれるデータ識別情報と対応表とに基づいて、該データの送信先を選択する。制御部50は、例えば、送信先としてECU43aを選択した場合、データを送信する対象として内部通信部53を決定する。制御部50は、内部通信部53に指示して、内部通信部51が受信したデータをECU43aへ送信させる。
【0049】
取得処理及び故障検知処理では、記憶部55に記憶されている状態テーブルが用いられる。状態テーブルは、センサD1,D2,D3,D4夫々の状態を示す。
【0050】
図4は状態テーブルの一例を示す図表である。図4に示すように、状態テーブルには、センサD1,D2,D3,D4夫々の状態、即ち、センサD1,D2,D3,D4夫々が正常であるか又は故障しているかが示されている。誤差範囲は、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる第2環境情報が示す内容(値)との差に関する誤差範囲である。センサD2,D3,D4夫々から取得された第1環境情報に関する誤差範囲は、風速E2以下、温度E3以下及び湿度E4以下である。風速E2、温度E3及び湿度E4夫々は正の実数である。センサD1から取得される第1環境情報は雨の有無を示すため、この第1環境情報が示す内容に関して誤差範囲はない。
【0051】
カウンタ値N1,N2,N3,N4夫々はゼロ又は正の整数である。カウンタ値N1,N2,N3,N4夫々は、センサD1,D2,D3,D4から取得された第1環境情報が示す内容に関して、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる第1環境情報が示す内容と略一致していないと連続して判定された回数である。
【0052】
カウンタ値N1は、センサD1から取得した第1環境情報が示す雨の有無が、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる第1環境情報が示す雨の有無と一致していないと連続して判定された回数である。カウンタ値N2,N3,N4夫々は、センサD2,D3,D4から取得した第1環境情報が示す値と、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる第2環境情報が示す値との差が誤差範囲を超えていると連続して判定された回数である。
【0053】
基準値R1,R2,R3,R4夫々は2以上の整数である。基準値R1,R2,R3,R4夫々は、故障検知処理において、制御部50が、センサD1,D2,D3,D4夫々が正常であるか又は故障しているか否かを判定するための基準値である。故障検知処理において、カウンタ値N1,N2,N3,N4夫々が基準値R1,R2,R3,R4未満である場合、制御部50は、センサD1,D2,D3,D4が正常であると判定する。また、故障検知処理において、カウンタ値N1,N2,N3,N4夫々が基準値R1,R2,R3,R4以上である場合、制御部50は、センサD1,D2,D3,D4は故障であると判定する。
【0054】
記憶部55に記憶されている内容の読み出し及び書き換えは制御部50によって実行される。制御部50は、状態テーブルにおいて、センサD1,D2,D3,D4夫々の状態及びカウンタ値を書き換える。
【0055】
図5は、制御部50が実行する取得処理の手順を示すフローチャートである。制御部50は取得処理を周期的に行う。まず、制御部50は、状態テーブルに基づいて、内部通信部51,52,53中の少なくとも1つに、送信要求を、ECU41a,42a,43bの少なくとも1つへ送信させる(ステップS1)。
【0056】
例えば、状態テーブルが示されている内容が図4の内容である場合、内部通信部51,52,53に指示して、正常なセンサD1,D2,D4が接続されているECU41a,42a,43bに送信要求を送信する。ここで、ECU43bに送信される送信要求では、ECU43bが中継装置40の内部通信部53に送信すべき第1環境情報として、センサD4が検出した第1環境情報が示されている。
【0057】
前述したように、ECU41a,42a,43b夫々は、送信要求を受信した場合、中継装置40の内部通信部51,52,53に第1環境情報を送信する。そして、制御部50は、内部通信部51,52,53が受信した第1環境情報を取得する。
以上のように、制御部50は、ECU41a及び内部通信部51間の通信、ECU42a及び内部通信部52間の通信、並びに、ECU43b及び内部通信部53間の通信を通じて、センサD1,D2,D3,D4から一又は複数の第1環境情報を取得する。センサD1,D2,D3,D4が正常である場合、制御部50は、4つのセンサD1,D2,D3,D4から種類が異なる4つの第1環境情報を取得する。制御部50は取得部として機能し、制御部50を有する中継装置40は車載装置として機能する。
【0058】
次に、制御部50は、ステップS1で送信を要求した全ての第1環境情報を内部通信部51,52,53が受信したか否かを判定する(ステップS2)。制御部50は、内部通信部51,52,53が全ての第1環境情報を受信していないと判定した場合(S2:NO)、ステップS2を再び実行し、内部通信部51,52,53が全ての第1環境情報を受信するまで待機する。
【0059】
制御部50は、内部通信部51,52,53が全ての第1環境情報を受信したと判定した場合(S2:YES)、時計部57から日時情報を取得し(ステップS3)、位置検出部54から、車両20の位置を示す位置情報を取得する(ステップS4)。その後、制御部50は、ステップS3,S4で取得した日時情報及び位置情報に対応付けて、内部通信部51,52,53が受信した全ての第1環境情報を記憶部55に記憶する(ステップS5)。
その後、制御部50は取得処理を終了する。制御部50は、次の周期が到来した場合、再び取得処理を開始する。
【0060】
図6は、取得処理で記憶部55に記憶される内容を示す図表である。4つのセンサD1,D2,D3,D4が正常である場合、日時情報及び位置情報夫々が示す日時及び位置に、4つの第1環境情報が示す内容が対応付けられている。
【0061】
日時A1,A2,A3,A4,・・・夫々は、日時情報が示す年月及び日時である。位置P1,P2,P3,P4,・・・夫々は位置情報が示す車両20の位置である。雨の有は、車両20周辺において雨が降っていることを示し、雨の無は、車両20周辺において雨が降っていないことを示す。風速W1,W2,W3,W4,・・・夫々はセンサD2から取得された第1環境情報が示す風速である。温度T1,T2,T3,T4,・・・夫々はセンサD3から取得された第1環境情報が示す温度である。湿度H1,H2,H3,H4,・・・夫々はセンサD4から取得された第1環境情報が示す湿度である。
【0062】
取得処理では、制御部50は、4つのセンサD1,D2,D3,D4の中で故障しているセンサから、第1環境情報を取得することはない。この場合、この第1環境情報は記憶部55に記憶されない。従って、例えば、センサD2が故障している場合、センサD1,D3,D4から取得した3つの第1環境情報が日時情報及び位置情報に対応付けられて記憶部55に記憶される。
【0063】
図7は、制御部50が実行するサーバ送信処理の手順を示すフローチャートである。制御部50はサーバ送信処理を周期的に実行する。制御部50は、まず、記憶部55から、一又は複数の最新の第1環境情報、即ち、年月及び日時が最も新しい日時情報に対応付けられた一又は複数の第1環境情報を読み出す(ステップS11)。
【0064】
次に、制御部50は、内部通信部51に指示して、ステップS11で読み出した一又は複数の第1環境情報を含む環境データをECU41bに送信させる(ステップS12)。前述したように、ECU41bは、内部通信部51から環境データを受信した場合、受信した環境データをサーバ3に無線で送信する。
【0065】
以上のように、内部通信部51は、記憶部55に記憶されている一又は複数の第1環境情報、言い換えると、制御部50が取得処理で一又は複数の正常なセンサから取得した一又は複数の第1環境情報を、ECU41bを介してサーバ3に送信する。内部通信部51は送信部として機能する。
【0066】
制御部50は、ステップS12を実行した後、サーバ送信処理を終了する。制御部50は、次の周期が到来した場合、再びサーバ送信処理を実行する。
【0067】
図8は制御部50が実行する車両送信処理の手順を示すフローチャートである。制御部50は、車両送信処理も周期的に実行する。また、記憶部55には、車載システム4が搭載されている車両20の車両識別情報が記憶されている。
【0068】
車両送信処理では、制御部50は、まず、無線通信部58が他の車両21,22,23中の1つから要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS21)。制御部50は、無線通信部58が要求信号を受信したと判定した場合(S21:YES)、サーバ送信処理のステップS11と同様に、一又は複数の最新の第1環境情報を記憶部55から読み出し(ステップS22)、更に、車両20の車両識別情報を読み出す(ステップS23)。
【0069】
次に、制御部50は、無線通信部58に指示して、ステップS21,S22で読み出した一又は複数の第1環境情報と車両識別情報とが第2環境情報として含まれる環境信号を、他の車両21,22,23の中で要求信号を無線通信部58に送信した車両に送信させる(ステップS24)。
【0070】
前述したように、車両21,22,23夫々に搭載されている車載システム4は、車両20に搭載されている車載システム4と同様に構成されている。従って、車両20,21,22,23に搭載されている4つの中継装置40,40,40,40夫々における無線通信部58は、制御部50が取得した一又は複数の第1環境情報が、第2環境情報として含まれている環境信号を、他の中継装置40の無線通信部58に送信する。車両20,21,22,23夫々の中継装置40が有する無線通信部58は第2の送信部として機能する。
【0071】
車両送信処理において、制御部50は、無線通信部58が要求信号を受信していないと判定した場合(S21:NO)、又は、ステップS24を実行した後、車両送信処理を終了する。その後、制御部50は、次の周期が到来した場合、再び車両送信処理を開始する。
【0072】
図9及び図10は、制御部50が実行する故障検知処理の手順を示すフローチャートである。制御部50は故障検知処理を周期的に実行する。また、後述するように、故障検知処理では、無線通信部58が他の車両21,22,23中の1つから環境信号を受信した場合、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる車両識別情報は記憶部55に記憶される。車両識別情報の記憶は、車両21,22,23中の同一車両から無線通信部58に送信された環境信号に含まれる一又は複数の第1環境情報に基づいて、制御部50が故障検知処理を2回以上行うことを防止するために実行される。
【0073】
制御部50は、まず、無線通信部58に指示して、要求信号を他の車両21,22,23中の1つに送信させる(ステップS31)。ここで、車両20の位置を基準として、無線通信部58が要求信号を送信することができる範囲は狭いため、要求信号は、車両20に接近している他の車両21,22,23中の1つに搭載されている中継装置40の無線通信部58が受信する。前述したように、要求信号を受信した無線通信部58は環境信号を送信する。
【0074】
制御部50は、ステップS31を実行した後、タイマ56に計時を開始させ(ステップS32)、無線通信部58が他の車両21,22,23中の1つから環境信号を受信したか否かを判定する(ステップS33)。制御部50は、無線通信部58が環境信号を受信していないと判定した場合(S33:NO)、タイマ56が計時している計時時間が基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS34)。基準時間は、一定であり、記憶部55に予め記憶されている。
【0075】
制御部50は、計時時間が基準時間未満である場合(S34:NO)、ステップS33を再び実行する。制御部50は、無線通信部58が環境信号を受信するか、又は、タイマ56が計時している計時時間が基準時間以上となるまで待機する。制御部50は、計時時間が基準時間以上であると判定した場合(S34:YES)、タイマ56に計時を終了させ(ステップS35)、故障検知処理を終了する。
【0076】
以上のように、故障検知処理では、ステップS31で無線通信部58が要求信号を送信してから、基準時間が経過するまでに環境信号を受信していない場合、車両20周辺に他の車両21,22,23が存在していないと推定し、制御部50は故障検知処理を終了する。
制御部50は、次の周期が到来した場合、再び故障検知処理を開始する。
【0077】
制御部50は、無線通信部58が環境信号を受信したと判定した場合(S33:YES)、タイマ50に計時を終了させ(ステップS36)、無線通信部58が過去に、他の車両21,22,23中の同一車両から環境信号を受信しているか否かを判定する(ステップS37)。
【0078】
ステップS37において、記憶部55に車両識別情報が記憶されていない場合、制御部50は、無線通信部58が過去に、他の車両21,22,23中の同一車両から環境信号を受信していないと判定する。
記憶部55に一又は複数の車両識別情報が記憶されている場合おいては、制御部50は、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる車両識別情報が、記憶部55に記憶されている一又は複数の車両識別情報中の1つと一致しているとき、無線通信部58が過去に、他の車両21,22,23中の同一車両から環境信号を受信していると判定する。同様の場合において、制御部50は、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる車両識別情報が、記憶部55に記憶されている一又は複数の車両識別情報のいずれとも一致していない場合、無線通信部58が過去に、他の車両21,22,23中の同一車両から環境信号を受信していないと判定する。
【0079】
なお、記憶部55が記憶している一又は複数の車両識別情報は、例えば、車両20の図示しないイグニッションスイッチがオフとなった場合、即ち、車両20の図示しないエンジンが停止した場合に消去されてもよい。この場合、ステップS37における「過去」は、イグニッションスイッチがオンとなってから、即ち、エンジンが作動してから、ステップS37が実施されるまでの期間を示す。
【0080】
制御部50は、無線通信部58が過去に、他の車両21,22,23中の同一車両から環境信号を受信していると判定した場合(S37:YES)、故障検知処理を終了する。その後、制御部50は、次の周期が到来した場合、再び故障検知処理を開始する。
【0081】
制御部50は、無線通信部58が過去に、他の車両21,22,23中の同一車両から環境信号を受信していないと判定した場合(S37:NO)、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる車両識別情報を記憶部55に記憶する(ステップS38)。
【0082】
次に、制御部50は、サーバ送信処理のステップS11、又は、車両送信処理のステップS22と同様に、一又は複数の最新の第1環境情報を記憶部55から読み出す(ステップS39)。
制御部50は、ステップS39を実行した後、カウンタ値N1,N2,N3,N4の中で、正常な第1環境情報に係るセンサのカウンタ値をゼロに設定する(ステップS40)。
【0083】
制御部50は、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる一又は複数の第2環境情報の内容と、ステップS39で読み出した一又は複数の最新の第1環境情報の内容と、状態テーブル(図4参照)とに基づいてステップS40を実行する。
【0084】
センサD1に関しては、第1環境情報が示す雨の有無が、第2環境情報が示す雨の有無と一致している場合、カウンタ値N1をゼロに設定する。このとき、センサD1は正常であるとみなされる。
センサD2に関しては、第1環境情報及び第2環境情報が示す風速の差が風速E2以下である場合、第1環境情報及び第2環境情報が示す内容が略一致しているとして、カウンタ値N2をゼロに設定する。このときセンサD2は正常であるとみなされる。
【0085】
センサD3に関しては、第1環境情報及び第2環境情報が示す温度の差が温度E3以下である場合、第1環境情報及び第2環境情報が示す内容が略一致しているとして、カウンタ値N3をゼロに設定する。このとき、センサD3は正常であるとみなされる。
センサD4に関しては、第1環境情報及び第2環境情報が示す湿度の差が湿度E4以下である場合、第1環境情報及び第2環境情報が示す内容が略一致しているとして、カウンタ値N4をゼロに設定する。このとき、センサD4は正常であるとみなされる。
【0086】
次に、制御部50は、ステップS39で読み出した一又は複数の最新の第1環境情報の中に一又は複数の異常な第1環境情報が存在するか否かを判定する(ステップS41)。制御部50は、ステップS41において、ステップS39で読み出した一又は複数の最新の第1環境情報の中で、内容が無線通信部58によって受信された環境信号に含まれる第2環境情報と略一致していない第1環境情報が少なくとも1つ存在する場合、異常な第1環境情報が存在すると判定する。ここで、センサD1に関して、第1環境情報及び第2環境情報が示す雨の有無が略一致していないことは、第1環境情報及び第2環境情報が示す雨の有無が一致していないことを意味する。
【0087】
センサD1に関しては、第1環境情報が示す雨の有無が、第2環境情報が示す雨の有無と一致していない場合、制御部50は、第1環境情報が異常であると判定する。
センサD2に関しては、第1環境情報及び第2環境情報が示す風速の差が風速E2を超えている場合、制御部50は、第1環境情報が異常であると判定する。
【0088】
センサD3に関しては、第1環境情報及び第2環境情報が示す温度の差が温度E3を超えている場合、制御部50は、第1環境情報が異常であると判定する。
センサD4に関しては、第1環境情報及び第2環境情報が示す湿度の差が湿度E4を超えている場合、制御部50は、第1環境情報が異常であると判定する。
【0089】
制御部50は、一又は複数の異常な第1環境情報が存在すると判定した場合(S41:YES)、一又は複数の異常な第1環境情報に係るセンサのカウンタ値をインクリメントする(ステップS42)。例えば、制御部50は、センサD1,D3夫々から取得した第1環境情報が異常であると判定した場合、ステップS42でカウンタ値N1,N3夫々をインクリメントする。
【0090】
次に、制御部50は、カウンタ値N1,N2,N3,N4の中で、基準値R1,R2,R3,R4以上のカウンタ値が存在するか否かを判定する(ステップS43)。ここで、カウンタ値N1,N2,N3,N4夫々は基準値R1,R2,R3,R4に対応する。基準値R1,R2,R3,R4夫々は、一定であり、予め設定されている値である。
【0091】
制御部50は、カウンタ値N1,N2,N3,N4の中で、基準値R1,R2,R3,R4以上のカウンタ値が存在すると判定した場合(S43:YES)、状態テーブルを書き換える(ステップS44)。具体的には、状態テーブルにおいて、基準値R1,R2,R3,R4以上のカウンタ値に係るセンサに対応する状態を「正常」から「故障」に書き換える。
【0092】
制御部50は、ステップS45を実行した後、センサD1,D2,D3,D4の中で故障しているセンサを通知することによって、報知を行う(ステップS45)。制御部50は、図示しない表示装置へのメッセージの表示、又は、図示しないランプの点灯等によって報知を行う。
【0093】
制御部50は、一又は複数の異常な第1環境情報が存在しないと判定した場合(S41:NO)、又は、カウンタ値N1,N2,N3,N4の中で、基準値R1,R2,R3,R4以上のカウンタ値が存在していないと判定した場合(S43:NO)、故障検知処理を終了する。その後、制御部50は、次の周期が到来した場合、再び故障検知処理を開始する。
【0094】
制御部50は、ステップS45を実行した後、故障検知処理を終了する。その後、センサD1,D2,D3,D4中に少なくとも1つの正常なセンサが存在する場合においては、制御部50は、次の周期が到来したとき、再び故障検知処理を開始する。センサD1,D2,D3,D4の全てが故障している場合、制御部50は故障検知処理を再開することはない。
【0095】
前述したように、車両20,21,22,23は互いに接近しているので、車両20,21,22,23夫々に搭載されている中継装置40の制御部50が取得する一又は複数の第1環境情報が示す内容は、この中継装置40の無線通信部58が受信した環境信号に含まれる一又は複数の第2環境情報が示す内容と略一致している。
【0096】
故障検知処理では、制御部50が取得した一又は複数の第1環境情報と、無線通信部58が受信した環境信号に含まれている一又は複数の第2環境情報とに基づいて、カウンタ値N1,N2,N3,N4夫々が調整される。言い換えると、制御部50は、取得処理で一又は複数の第1環境情報を取得し、故障検知処理で、環境信号に含まれている一又は複数の第2環境情報を取得する。そして、制御部50は、取得した一又は複数の第1環境情報と、取得した一又は複数の第2環境情報とに基づいて、カウンタ値N1,N2,N3,N4を調整する。
【0097】
その後、制御部50は、カウンタ値N1,N2,N3,N4に基づいて、センサD1,D2,D3,D4夫々について、故障が発生しているか否かと判定する。これにより、制御部50は、センサD1,D2,D3,D4夫々の故障を検知することができる。制御部50は判定部としても機能する。
【0098】
前述したように、センサD1,D2,D3,D4中の1つが正常である限り、故障検知処理は周期的に実行されため、無線通信部58は経時的に環境信号、即ち、一又は複数の第2環境情報を他の車両21,22,23から受信する。制御部50は、無線通信部58が環境信号を受信する都度、記憶部55に記憶されている一又は複数の第1環境情報、即ち、取得処理で制御部50が取得した一又は複数の第1環境情報が示す内容と、無線通信部58が受信した環境信号に含まれている第2環境情報が示す内容とが略一致しているか否かを判定する。
【0099】
制御部50は、カウンタ値N1,N2,N3,N4が基準値R1,R2,R3,R4以上であると判定した場合、即ち、第1環境情報及び第2環境情報夫々が示す内容が略一致していないと、基準値R1,R2,R3,R4が示す回数だけ連続して判定した場合、センサD1,D2,D3,D4が故障していると判定する。ここで、センサD1にはカウンタ値N1及び基準値R1が対応する。センサD2にはカウンタ値N2及び基準値R2が対応する。センサD3にはカウンタ値N3及び基準値R3が対応する。センサD4にはカウンタ値N4及び基準値R4が対応する。
カウンタ値N1,N2,N3,N4夫々は2以上の整数であるため、制御部50は、センサD1,D2,D3,D4夫々の故障を正確に検知することができる。
【0100】
故障検知処理では、制御部50は、前述したように、無線通信部58が受信した環境信号に含まれる車両識別情報が記憶部55に記憶されていない場合に、カウンタ値N1,N2,N3,N4が基準値R1,R2,R3,R4以上であるか否かを判定する。言い換えると、制御部50は、無線通信部58に環境信号を送信した送信対象が過去に環境信号を無線通信部58に送信した送信対象と異なる場合に、センサD1,D2,D3,D4夫々について故障しているか否かを判定する。
このため、他の車両21,22,23から内容に誤りがある環境信号を車両20の無線通信部58が繰り返し受信した場合であっても、制御部50はセンサD1,D2,D3,D4夫々の故障を誤って検知することはない。
【0101】
故障検知処理では、センサD1,D2,D3,D4の中で、故障が発生していると判定された一又は複数のセンサの状態を、制御部50は「故障」に書き換える。そして、サーバ送信処理では、前述したように、センサD1,D2,D3,D4の中で故障しているセンサを除く、一又は複数の正常なセンサから制御部50が取得した一又は複数の第1環境情報を含む環境データを、内部通信部51がECU41bを介してサーバ3に送信する。このため、サーバ処理において、信頼性の高い一又は複数の第1環境情報のみをサーバに送信することができる。
【0102】
制御部50は、取得処理及び車両送信処理を短い周期で繰り返し実行し、サーバ送信処理及び故障検知処理を長い周期で繰り返し実行する。例えば、制御部50は、取得処理及び車両送信処理夫々を2分間隔で実行し、サーバ送信処理及び故障検知処理夫々を30分間隔で実行してもよい。
【0103】
なお、車載システム4が有するセンサの数は、4に限定されず、1、2、3又は5以上であってもよい。更に、車両20,21,22,23夫々に搭載されている車載システム4が有するセンサの数は異なっていてもよい。この場合、第2環境情報に種類が対応する第1環境情報を出力するセンサについてのみ、故障が発生しているか否かを判定すればよい。
【0104】
また、通信システム1が備える車両の数は4つに限定されず、2、3又は5以上であってもよい。通信システム1が備える車両の数は、時間の経過と共に変化する。
更に、車両20の代わりに、道路に整備されているゲート等に車載システム4が搭載されてもよい。この場合であっても、車載システム4が有する中継装置40は同様の効果を奏する。
【0105】
車載システム4が備えるECUの数は6に限定されず、2以上5以下又は7以上であってもよい。また、1本の通信線に接続されるECUの数も2に限定されず、1又は3以上であってもよい。更に、車載システム4が有する通信線の数は3に限定されず、2又は4以上であってもよい。通信システム1が備える車両夫々が備える車載システム4に関して、ECU及び通信線夫々の数も、センサの数と同様に異なっていてもよい。センサが検出する対象は、雨の有無、風速、温度又は湿度に限定されず、環境に関していればよい。
【0106】
中継装置40の代わりに、一又は複数のセンサが接続されており、サーバ3への環境データの送信機能を有する車載装置を用いてもよい。この場合、車載装置は、中継装置40が行う処理の中で、中継処理を除く他の処理を行う。取得処理では、車載装置は一又は複数のセンサから直接に一又は複数の第1環境情報を取得する。
【0107】
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
1 通信システム
20,21,22,23 車両
40 中継装置(車載装置)
50 制御部(取得部、判定部)
51 内部通信部(送信部)
58 無線通信部(受信部、第2の送信部)
D1,D2,D3,D4 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10