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特開2016-216036ボンネットヒンジ、ボンネットヒンジ制御システム及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-216036(P2016-216036A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】ボンネットヒンジ、ボンネットヒンジ制御システム及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/38 20110101AFI20161125BHJP
   B62D 25/10 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   B60R21/38
   B62D25/10 E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-94170(P2016-94170)
(22)【出願日】2016年5月9日
(31)【優先権主張番号】20 2015 102 549.1
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516136228
【氏名又は名称】ボルクヴァルト トレードマーク ホールディングス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Borgward Trademark Holdings GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【弁理士】
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲瑩▼
(72)【発明者】
【氏名】李永武
【テーマコード(参考)】
3D004
【Fターム(参考)】
3D004AA04
3D004BA02
3D004CA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ボンネットヒンジ、ボンネットヒンジ制御システム及び車両を提供する。
【解決手段】ボンネットヒンジは、ヒンジ台10と、第1端がヒンジ台にヒンジ連結されて第1ヒンジ連結点21を形成し、第1ヒンジ連結点の回りを第1回転方向に沿って回転するヒンジアーム20と、ヒンジアームの第2端とヒンジ連結されて第2ヒンジ連結点22を形成し、第2ヒンジ連結点の回りを第1回転方向とは反対の第2回転方向に沿って回転するリフティング部と、を備える。リフティング部の第2回転方向と、ヒンジアームの第1回転方向とが反対方向であるため、ボンネットヒンジの運動自由度が増加し、ボンネット60の後端も変位可能になる。歩行者と車両とが衝突した場合には、ボンネットヒンジのリフティング部の動きよって、ボンネットの後端を持ち上げ、ボンネットとエンジンのハードポイントとの距離を効果的に増加させ衝突緩衝空間を増加させて、歩行者を保護する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ台(10)と、
第1端が前記ヒンジ台(10)にヒンジ連結されて第1ヒンジ連結点(21)を形成し、前記第1ヒンジ連結点(21)の回りを第1回転方向に沿って回転するヒンジアーム(20)と、
前記ヒンジアーム(20)の第2端とヒンジ連結されて第2ヒンジ連結点(22)を形成し、前記第2ヒンジ連結点(22)の回りを前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に沿って回転するリフティング部と、
を備える、ボンネットヒンジ。
【請求項2】
前記リフティング部は、
前記ヒンジアーム(20)に積み重ねられるように配置されることで前記ヒンジアーム(20)の第2端に近接するリフティングアーム(30)であって、前記リフティングアーム(30)の第1端が前記ヒンジアーム(20)の第1端側に配置され、前記リフティングアーム(30)の第2端が前記ヒンジアーム(20)の第2端側に配置されるリフティングアーム(30)と、
第1接続アーム(40)であって、前記第1接続アーム(40)の第1端が前記リフティングアーム(30)の第1端にヒンジ連結されて第3ヒンジ連結点(41)を形成し、前記第1接続アーム(40)の第2端が前記ヒンジアーム(20)の第2端にヒンジ連結されて前記第2ヒンジ連結点(22)を形成する第1接続アーム(40)と、
を有する、
請求項1に記載のボンネットヒンジ。
【請求項3】
前記リフティングアーム(30)は、前記リフティングアーム(30)の第2端に位置する位置決めピン(31)を有し、
前記ヒンジアーム(20)の第2端が前記位置決めピン(31)に重ね合わせられるように接続され、前記ヒンジアーム(20)の第2端は前記位置決めピン(31)に対して摺動する、
請求項2に記載のボンネットヒンジ。
【請求項4】
前記リフティングアーム(30)は、
前記ヒンジアーム(20)の上面に重なるように配置される止め板(32)と、
前記止め板(32)の第1端に接続され、前記ヒンジアーム(20)の一方の側に位置する接続板(33)と、を有し、
前記第1接続アーム(40)の第1端は前記接続板(33)にヒンジ連結されて前記第3ヒンジ連結点(41)を形成する、
請求項2又は3に記載のボンネットヒンジ。
【請求項5】
前記リフティングアーム(30)は、
前記止め板(32)の第2端に接続され、前記ヒンジアーム(20)の一方の側に位置するリミット板(34)と、
前記リミット板(34)に設けられる位置決めピン(31)と、
をさらに有し、
前記ヒンジアーム(20)の第2端が前記位置決めピン(31)に重ね合わせられるように接続され、前記ヒンジアーム(20)の第2端は前記位置決めピン(31)に対して摺動する、
請求項4に記載のボンネットヒンジ。
【請求項6】
前記ヒンジアーム(20)は、前記位置決めピン(31)に係止される止めフランジ(23)を有し、
前記止めフランジ(23)は前記ヒンジアーム(20)の第2端に位置し、
前記位置決めピン(31)が前記止めフランジ(23)の内側に制限される、
請求項3又は5に記載のボンネットヒンジ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のボンネットヒンジと、
前記ボンネットヒンジの前記リフティング部に駆動接続され、前記リフティング部が前記第2ヒンジ連結点(22)の回りを前記第2回転方向に沿って回転するよう駆動する駆動部(50)と、
前記駆動部(50)に電気的に接続される制御部と、
を備える、ボンネットヒンジ制御システム。
【請求項8】
前記制御部に電気的に接続され衝突状態を検出する検出部、をさらに備える、
請求項7に記載のボンネットヒンジ制御システム。
【請求項9】
フレーム、ボンネット(60)及びボンネットヒンジを備える車両であって、
前記ボンネットヒンジは請求項1から6のいずれか1項に記載のボンネットヒンジであり、
前記ボンネットヒンジの前記ヒンジ台(10)は、前記フレームに設けられ、
前記ボンネットヒンジの前記リフティング部は、前記ボンネット(60)に接続される、
車両。
【請求項10】
ボンネットヒンジ補強板をさらに備え、
前記リフティング部は、前記ボンネットヒンジ補強板により前記ボンネット(60)の内板に接続される、
請求項9に記載の車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両工学の技術分野に関し、特には、ボンネットヒンジ、ボンネットヒンジ制御システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者保護に対する要求が日々厳しくなるにつれて、ボンネットの衝撃応力、緩衝減衰への要求がますます高くなっている。
【0003】
従来技術の車両は、フレーム、ボンネット及びボンネットヒンジを備え、フレームがボンネットヒンジによりボンネットに接続される。ボンネットを開く必要があれば、使用者はボンネットの前端を持ち上げることでボンネットを開くことができる。
【0004】
従来技術のボンネットでは、外観要求を満たすため、車体の嵌合隙間ができるだけ小さくされる。従来のボンネットヒンジは、単一方向の運動自由度しか有さない。つまり、ボンネットの前端からボンネットを開くことしかできない。歩行者と車両とが衝突し、歩行者の頭部がボンネットに衝突したとしても、ボンネットは開かず、エンジン側へと変形する。そのため、歩行者の頭部がボンネット内部のエンジンのハードポイントに直接衝突し、歩行者の負傷が重傷化してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術においてボンネットヒンジの低自由度によってボンネットの緩衝減衰性が劣り、歩行者の負傷が重傷化するという問題を解決するボンネットヒンジ、ボンネットヒンジ制御システム及び車両を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明の一態様によれば、ヒンジ台と、第1端がヒンジ台にヒンジ連結されて第1ヒンジ連結点を形成し、第1ヒンジ連結点の回りを第1回転方向に沿って回転するヒンジアームと、ヒンジアームの第2端とヒンジ連結されて第2ヒンジ連結点を形成し、第2ヒンジ連結点の回りを第1回転方向とは反対の第2回転方向に沿って回転するリフティング部と、を備えるボンネットヒンジを提供する。
【0007】
さらに、リフティング部は、リフティングアームと、第1接続アームと、を有する。リフティングアームは、ヒンジアームに積み重ねられるように配置されることでヒンジアームの第2端に近接する。リフティングアームの第1端はヒンジアームの第1端側に配置され、リフティングアームの第2端はヒンジアームの第2端側に配置される。第1接続アームの第1端はリフティングアームの第1端にヒンジ連結されて第3ヒンジ連結点を形成し、第1接続アームの第2端はヒンジアームの第2端にヒンジ連結されて第2ヒンジ連結点を形成する。
【0008】
さらに、リフティングアームは、リフティングアームの第2端に位置する位置決めピンを有する。ヒンジアームの第2端には位置決めピンが重ね合わせられるように接続され、ヒンジアームの第2端は位置決めピンに対して摺動する。
【0009】
さらに、リフティングアームは、ヒンジアームの上面に重なるように配置される止め板と、止め板の第1端に接続され、ヒンジアームの一方の側に位置する接続板と、を有する。第1接続アームの第1端は接続板にヒンジ連結されて第3ヒンジ連結点を形成する。
【0010】
さらに、リフティングアームは、止め板の第2端に接続され、ヒンジアームの一方の側に位置するリミット板と、リミット板に設けられる位置決めピンと、をさらに有する。ヒンジアームの第2端には位置決めピンが重ね合わせられるように接続され、ヒンジアームの第2端は位置決めピンに対して摺動する。
【0011】
さらに、ヒンジアームは、位置決めピンに係止される止めフランジを有する。止めフランジはヒンジアームの第2端に位置し、位置決めピンが止めフランジの内側に制限される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、上記のボンネットヒンジと、ボンネットヒンジのリフティング部に駆動接続され、リフティング部が第2ヒンジ連結点の回りを第2回転方向に沿って回転するよう駆動する駆動部と、駆動部に電気的に接続される制御部と、を備えるボンネットヒンジ制御システムを提供する。
【0013】
さらに、ボンネットヒンジ制御システムは、制御部に電気的に接続され衝突状態を検出する検出部をさらに備える。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、フレーム、ボンネット及びボンネットヒンジを備えた車両を提供する。ボンネットヒンジは上記のボンネットヒンジである。ボンネットヒンジのヒンジ台は、フレームに設けられる。ボンネットヒンジのリフティング部は、ボンネットに接続される。
【0015】
さらに、車両はボンネットヒンジ補強板を備える。リフティング部は、ボンネットヒンジ補強板によりボンネットの内板に接続される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の技術案によれば、ヒンジアームの第1端がヒンジ台にヒンジ連結されて第1ヒンジ連結点を形成し、ヒンジアームが第1ヒンジ連結点の回りを第1回転方向に沿って回転し、リフティング部がヒンジアームの第2端にヒンジ連結されて第2ヒンジ連結点を形成し、リフティング部が第2ヒンジ連結点の回りを第1回転方向とは反対の第2回転方向に沿って回転する。リフティング部の第2回転方向とヒンジアームの第1回転方向とが反対方向であるため、ボンネットヒンジの運動自由度を増加させることができる。これにより該ボンネットヒンジを介して接続されるボンネットを前端で開くことが可能であるだけでなく、ボンネットの後端からも変位可能になる。歩行者と車両とが衝突した場合には、ボンネットヒンジのリフティング部の動きによって、ボンネットの後端を持ち上げ、ボンネットとエンジンのハードポイントとの距離を効果的に増加させることにより、衝突緩衝空間を増加させて、歩行者を効果的に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の一部を構成する明細書及び図面は、本発明をさらに理解するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を解釈するために用いられるが、本発明を制限するものではない。
図1】本発明に係るボンネットヒンジの構成の概略図である。
図2】本発明に係るボンネットヒンジのリフティング部の動作時の動作状態の概略図である。
図3図1の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
矛盾しないかぎり、本願の実施例及び実施例の特徴を相互に組み合わせてもよい。以下、図面及び実施例を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【0019】
従来技術では、ボンネットヒンジの低自由度のためにボンネットの緩衝減衰性が劣り歩行者への傷害が深刻化する、という問題を解決するための車両を、本発明は提供する。該車両はフレーム、ボンネット60及びボンネットヒンジを備える。
【0020】
図1及び図3に示すように、ボンネットヒンジは、ヒンジ台10、ヒンジアーム20及びリフティング部を備える。ヒンジアーム20は、第1端がヒンジ台10にヒンジ連結されて第1ヒンジ連結点21を形成し、第1ヒンジ連結点21の回りを第1回転方向に沿って回転する。リフティング部は、ヒンジアーム20の第2端にヒンジ連結されて第2ヒンジ連結点22を形成し、第2ヒンジ連結点22の回りを第1回転方向とは反対の第2回転方向に沿って回転する。ボンネットヒンジのヒンジ台10は、フレームに設けられる。ボンネットヒンジのリフティング部は、ボンネット60、例えばボンネット60の内板に接続される。
【0021】
リフティング部の第2回転方向と、ヒンジアーム20の第1回転方向とが反対方向であるため、ボンネットヒンジの運動自由度を増加させることができる。そのため、該ボンネットヒンジを介して接続されるボンネット60を前端で開くことが可能であるだけでなく、ボンネットの後端からも変位可能になる。歩行者と車両とが衝突した場合には、ボンネットヒンジのリフティング部の動きよって、ボンネットの後端を持ち上げ、ボンネットとエンジンのハードポイントとの距離を効果的に増加させることにより、衝突緩衝空間を増加させて、歩行者を効果的に保護できる。
【0022】
好ましくは、車両はボンネットヒンジ補強板をさらに備え、リフティング部がボンネットヒンジ補強板によりボンネット60の内板に接続される。ボンネットヒンジ補強板が設けられることにより、ボンネットヒンジとボンネット60との接続面積が増加するため、ボンネットヒンジとボンネット60との接続部の構造強度を向上させ、ボンネット60の耐荷信頼性を向上させることができる。
【0023】
図1及び図2に示される好ましい実施形態において、リフティング部は、リフティングアーム30と、第1接続アーム40とを有する。リフティングアーム30は、ヒンジアーム20に積み重ねられるよう配置されて、ヒンジアーム20の第2端に近接する。リフティングアーム30の第1端はヒンジアーム20の第1端側に配置され、リフティングアーム30の第2端はヒンジアーム20の第2端側に配置される。第1接続アーム40の第1端はリフティングアーム30の第1端にヒンジ連結されて第3ヒンジ連結点41を形成し、第1接続アーム40の第2端はヒンジアーム20の第2端にヒンジ連結されて第2ヒンジ連結点22を形成する。この具体的な実施例において、リフティングアーム30は第1接続アーム40を介してヒンジアーム20と連結される。
【0024】
好ましくは、リフティングアーム30は、リフティングアーム30の第2端に位置する位置決めピン31を有する。ヒンジアーム20の第2端には位置決めピン31が重ね合わせられるよう接続され、ヒンジアーム20の第2端は位置決めピン31に対して摺動する(図2を参照)。ヒンジアーム20の第2端が、位置決めピン31に重ね合わせられるよう接続され、位置決めピン31に対して摺動することにより、リフティングアーム30の動作時に、第1接続アーム40が第2ヒンジ連結点22に対して回転する際の、ヒンジアーム20の動作信頼性を確保することができる。また、位置決めピン31は、リフティングアーム30の動作につれて駆動力をヒンジアーム20に伝達することで、両者間の力の伝達の役割を果たす。
【0025】
図2に示される好ましい実施形態において、リフティングアーム30は、止め板32と、接続板33と、を有する。止め板32は、ヒンジアーム20の上面に重なるように配置される。接続板33は、止め板32の第1端に接続され、ヒンジアーム20の一方の側に位置する。第1接続アーム40の第1端は、接続板33にヒンジ連結されて第3ヒンジ連結点41を形成する。止め板32がヒンジアーム20の上面に重なるように配置されることにより、止め板32は、重力とボンネット60の圧力とでヒンジアーム20の上面に常に位置し、外力により止め板32が上昇させられる時にしか、止め板32がヒンジアーム20の上面から乖離しない。
【0026】
図1及び図2に示すように、リフティングアーム30は、止め板32の第2端に接続され、ヒンジアーム20の一方の側に位置するリミット板34をさらに有する。位置決めピン31がリミット板34に設けられる。ヒンジアーム20の第2端には位置決めピン31が重ね合わせられるように接続される。ヒンジアーム20の第2端は、位置決めピン31に対して摺動する。リミット板34がヒンジアーム20の一方の側に設けられることにより、レイアウトの合理性を確保できるだけでなく、位置決めピン31とヒンジアーム20との位置決め嵌合の信頼性を確保できる。
【0027】
好ましくは、ヒンジアーム20は、位置決めピン31に係止される止めフランジ23を有する。止めフランジ23はヒンジアーム20の第2端に位置し、位置決めピン31は止めフランジ23の内側に制限される。止めフランジ23が設けられることにより、位置決めピン31とヒンジアーム20との位置決め嵌合の信頼性を効果的に確保でき、ヒンジアーム20の予想外の滑りを効果的に回避することによりボンネットヒンジの運動信頼性が向上する。
【0028】
図3に示すように、ヒンジアーム20とリフティングアーム30との接続強度及び信頼性を確保するために、本発明のボンネットヒンジは、第2接続アーム70をさらに備える。第2接続アーム70の両端に第4ヒンジ連結点71と第5ヒンジ連結点72とが設けられ、第2接続アーム70が、第4ヒンジ連結点71及び第5ヒンジ連結点72において、リフティングアーム30及びヒンジアーム20にヒンジ連結される。
【0029】
ボンネットヒンジの自動動作、衝突モードの緊急スタートを実現するために、本発明はボンネットヒンジ制御システムをさらに提供する。ボンネットヒンジ制御システムは、上記のボンネットヒンジ、駆動部50及び制御部を備える。駆動部50は、ボンネットヒンジのリフティング部に駆動接続され、リフティング部が第2ヒンジ連結点22の回りを第2回転方向に沿って回転するよう駆動する。制御部は、駆動部50に電気的に接続される。制御部を制御することにより、駆動部50は、ボンネットヒンジのリフティング部が第2ヒンジ連結点22の回りを第2回転方向に沿って回転するように駆動する。言い換えれば、ボンネット60の運転室に近接する一端が持ち上げられ、それによりボンネット60とエンジンのハードポイントとの距離が増加し、衝突の緩衝性能が改善される。
【0030】
好ましくは、駆動部50はリニアシリンダ、リニアモータ或いは持ち上げ装置などである。
【0031】
好ましくは、該制御部は非常スイッチであってもよい。非常時に、運転者は該スイッチを押して駆動部50を動作させ、リフティング部によりボンネット60を持ち上げる。
【0032】
勿論、該制御部は論理制御回路やPLCコントローラなどであってもよい。
【0033】
本発明に係るボンネットヒンジ制御システムは、制御部に電気的に接続され衝突状態を検出する検出部をさらに備える。検出部が設けられることにより、衝突が発生した場合、検出部は衝突状態を検出すると衝突信号を制御部に自ら送信し、それにより緊急衝突措置が取られる。
【0034】
好ましくは、検出部は接触センサである。該接触センサが衝突圧力を受けると、衝突信号が制御部に出力され、これにより駆動部50がリフティング部を駆動する。
【0035】
図示されていない好ましい実施形態では、リフティングアーム30の第2端がヒンジアーム20の第2端に直接ヒンジ連結され、それにより第1接続アーム40が省略される。この時、駆動部50とリフティングアーム30との駆動接続は、相対摺動/相対回転が可能な接続構造である。例えば、リフティングアーム30にシュートが設けられ、駆動部50の駆動端が該シュートで移動可能であるとともに相対回転が可能であり、これによりリフティングアーム30がヒンジアーム20に対して正常に回転できる。
【0036】
別の図示されていない好ましい実施形態では、リフティングアーム30の第2端がヒンジアーム20の第2端に直接ヒンジ連結され、第1接続アーム40が設けられ、且つ第1接続アーム40の第2端もヒンジアーム20の第2端ヒンジに連結され、さらに2つのヒンジ連結点が重ならない。この時、第1接続アーム40とのヒンジ連結点が配置される、ヒンジアーム20のヒンジ連結孔が長孔であることにより、ヒンジアーム20に接続されるヒンジ連結軸が該長孔内で摺動できる。
【0037】
本発明に係るボンネットヒンジ制御システムの動作原理は以下のとおりである。
【0038】
ボンネットを正常に開く時、リフティング部が重力及びボンネット60の圧力でヒンジアーム20に常に押し付けられ、操作者がボンネット60に作用する重力に打ち勝つように、ボンネット60を車両の前側から開き、この時、ボンネットヒンジのヒンジアーム20が第1ヒンジ連結点21のみの回りを第1方向へ回転する。ボンネット60を開く過程において、ヒンジアーム20の第2端が位置決めピン31に重ね合わせ接続されてリミット嵌合されることにより、ボンネット60、リフティング部の動作につれて、ヒンジアーム20が円滑に回転できる。
【0039】
衝突時には、リフティング部が動作し、まず検出部が衝突状態を検出して制御部に衝突信号を送信して駆動部50を動作させ、リフティング部を持ち上げ、この時、リフティング部はボンネット60の重力に打ち勝ってボンネット60を持ち上げる。
【0040】
上記から分かるように、本発明の上記実施例は以下の技術的効果を実現する。
1.本発明に係るボンネットヒンジは、衝突時、ボンネット60を持ち上げることで、衝突空間を効果的に増加させ、歩行者への傷害を軽減させることができる。
2.本発明に係るボンネットヒンジは、衝突後に再使用可能である。
3.本発明に係るボンネットヒンジは、構成がシンプルで、実現しやすいという特徴を有する。
【0041】
上記は本発明の好ましい実施例であり、本発明を制限するものではない。当業者は、本発明に対して様々な変更や変化を行うことができる。本発明の趣旨及び原則を逸脱せずに行った変更、均等物への置換や改良などは、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0042】
10 ヒンジ台
20 ヒンジアーム
21 第1ヒンジ連結点
22 第2ヒンジ連結点
23 止めフランジ
30 リフティングアーム
31 位置決めピン
32 止め板
33 接続板
34 リミット板
40 第1接続アーム
41 第3ヒンジ連結点
50 駆動部
60 ボンネット
70 第2接続アーム
71 第4ヒンジ連結点
72 第5ヒンジ連結点

図1
図2
図3