(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-216042(P2016-216042A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】エアバッグモジュール用の締結装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/203 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
B60R21/203
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-161780(P2016-161780)
(22)【出願日】2016年8月22日
(62)【分割の表示】特願2013-541243(P2013-541243)の分割
【原出願日】2011年11月30日
(31)【優先権主張番号】202010016004.9
(32)【優先日】2010年12月1日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】513137363
【氏名又は名称】ダルフィー・メタル・エスパーニャ・ソシエダッド・アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】エイレオス・ガルシア,フェルナンド・ホセ
【テーマコード(参考)】
3D054
【Fターム(参考)】
3D054AA02
3D054AA07
3D054AA13
3D054BB06
3D054FF17
(57)【要約】
【課題】本発明は、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置を提供する。
【解決手段】エアバッグモジュールを車内にて締結する装置は、第一の部分、特に、掛止めフック30を含む舵取りハンドルの挿入体28と、第二の部分、特に、掛止めフック30用の通路開口部14と、ばね要素18用のホルダ16を含むエアバッグモジュールの基部板10とを備えている。該装置は、支持部分22と、弾性的に偏向可能な保持部分24とを有するばね要素18を備えている。該ばね要素18は、保持部分24が開始位置から偏向位置まで移動させることができるような仕方にてホルダ16内に保持されており、このことは、掛止めフック30を通路開口部14を通して保持位置まで案内することを可能にし、この保持位置にて、保持部分24は掛止めフック30の保持面40に対して押し付けられる。これに反して、支持部分22は、ホルダ16内にて不可動に保持されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグモジュールを車内にて締結する装置であって、
第一の部分、特に、掛止めフック(30)を含む舵取りハンドルの挿入体(28)である前記第一の部分と、
第二の部分、特に、掛止めフック(30)の受け入れ部(14)を含むエアバッグモジュールの基部板(10)とばね要素(18)用のホルダ(16)とである前記第二の部分と、
支持部分(22)と、弾性的に偏向可能な保持部分(24)とを含む、平坦な金属で出来た前記ばね要素(18)と、を備え、
該ばね要素(18)は、ホルダ(16)内に保持され、保持部分(24)を開始位置から偏向位置まで移動させることができ、このことは、掛止めフック(30)を受け入れ部(14)内に受け入れ、且つ保持位置に受け入れることを可能にし、この保持位置にて、保持部分(24)は掛止めフック(30)の保持面(40)に対して押し付けられようにした、装置において、
前記支持部分(22)は、ホルダ(16)内にて不可動に保持されることを特徴とする、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記支持部分(22)及び前記保持部分(24)を接続する基部(20)を有する、U字形の形状にて形成され、
前記保持部分(24)は、前記支持部分(22)に対面し、且つ掛止めフック(30)が前記通路開口部(14)を通して案内されたとき、前記支持部分(22)に向けて偏向するようにしたことを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記基部(20)から開始してストッパ(26)まで前記ホルダ(16)内に挿入し得るようにしたことを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記基部(20)に向けてテーパーが付けられ、
前記保持部分(24)及び前記支持部分(22)はばね要素(18)の基部(20)から伸びており、このため、前記保持部分(24)と前記支持部分(22)との間の距離は、前記基部(20)からの距離が増すに伴って増大することを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の装置において、
ばね要素(18)の挿入方向へのホルダ(16)の側接触面は、全体として、ばね要素(18)のものよりも大きいテーパー状態を構成することを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の装置において、
前記保持部分(24)は、前記基部(20)から伸びる第一の保持部分(24a)と、掛止めフック(30)に作用する該第一の保持部分(24a)から伸びる第二の保持部分(24b)とを含むことを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の装置において、
少なくとも第二の保持部分(24b)は、C字形の断面を有し、
、上側及び/又は下側張り出し部分(24d、24e)は、互いに平行に且つ/又は支持部分(22)に対面する第二の保持部分(24b)の壁に対して直角に伸び、特に、支持部分に向けて伸び、且つ/又は第二の保持部分(24b)の壁の上側及び/下側端縁に接続してC字形の断面を形成するようにしたことを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の装置において、
前記支持部分(22)は、前記基部(20)から伸びる第一の支持部分(22a)と、前記第一の支持部分(22a)から鈍角に伸びる第二の支持部分(22b)とを含むことを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の装置において、
前記支持部分(22)は、前記ばね要素(18)の基部(20)から伸びる第一の支持部分(22a)と、前記第一の支持部分(22a)から鈍角に伸びる第二の支持部分(22b)とを含み、該第二の支持部分に対して、同一方向に曲がった軸受け端部分(22c)が接続されることを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の装置において、
第一の支持部分(22a)と該第一の支持部分から伸びる第二の支持部分(22b)との間の鈍角な角度は、第一の保持部分(24a)と該保持部分から伸びる第二の保持部分(24b)との間にて形成される鈍角な角度に等しいことを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載の装置において、
前記基部(20)に対しより近くに配置された第一の支持部分(22a)は、該基部(20)に沿って伸びる第二の支持部分(22b)よりも短く、且つ/又は前記基部(22)に対しより近くに配置された第一の保持部分(24a)は、該基部に沿って伸びる第二の保持部分(24b)よりも短いことを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1項に記載の装置において、
前記基部(20)に隣接して配置された第一の支持部分(22a)は、前記基部(20)に隣接して配置された第一の保持部分(24a)よりも長く、且つ/又は前記基部から遠方に形成された第二の支持部分(22b)は、C字形断面を有する、基部から遠方に形成された第二の保持部分(22b)よりも短いことを特徴とする、装置。
【請求項13】
請求項1から12の何れか1項に記載の装置において、
前記掛止めフック(30)は、該掛止めフック(30)が通路開口部(14)を通して案内されたとき、前記ばね要素(18)の前記保持部分(24)に斜めに衝突するような仕方にて配置された作用面(36)を含み、前記保持部分(24)の自由端が前記保持部分(24)のその他の領域よりも大きく偏向するようにしたことを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグモジュールを締結するため、エアバッグモジュール又は舵取りハンドルに形成された掛止めフックが舵取りハンドル又はエアバッグモジュールに配設された止めばねによって落下しないよう固定された、複数の異なるばね止めシステムが既知である。これらシステムのすべてにおいて、ドイツ国特許第DE 299 08 967号が一例として引用されており、この例において、エアバッグを解放したとき、力に耐えることができ、且つ該モジュールを舵取りハンドルにて安全に保持することができるよう、約2−3mmの最小直径を有する丸いばねワイヤにて出来たばねが曲げられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この型式のばねは、組み立て中、ばねアームをその不作動状態から掛止めフックがそれらを迂回してその取り付け位置となることができる位置まで押すことができるよう、モジュールをかなりの力によってのみ舵取りハンドルのその受け入れ位置まで押し込むことができる欠点がある。このため、全ての掛止めフックが正確に係合しているかどうかを確認するための追加的な点検が必要となる。
【0004】
エアバッグモジュールをかかる従来のワイヤばねにて組み立てるときのこれらの欠点を解決するため、当該出願人による欧州特許第EP 2 145 801 A1号は、汎用的な締結装置を提案している。丸型のワイヤばねに代えて、板の上に可動に支持され、且つ2つの平行な特に長いアームを有する、平坦な鉄にて出来たU字形のばねが提案されている。ばねの移動の自由度は、一方にてブリッジ状の要素によって制限され、他方、ピンによって制限され、このため、掛止めフックを板の通路開口部に最初に挿入したとき、ばねの全体が回転動作を行い、その後、アームの一方は偏向する。ばねをそのホルダ内にて全体として変位させることにより(該ホルダを圧縮せずに)、掛止めフックと係合するよう提供された個々の比較的長いばねアームは、僅かな程度だけ偏向する必要があった。このため、エアバッグモジュールを組み立てるときの力は、既に著しく少なくすることができていた。
【0005】
しかし、この型式の締結方法において、板におけるばねの妨害されない低摩擦の可動性を保証しなければならず、特に、ばねは、組み立てる間、全体として回転しなければならず、このため、遊びを持たせなければならなかった。更に、通路開口部、ブリッジ状要素及びピンの互いに対する寸法及び配置、並びにばね(曲がり)の形状の点にて特に、係合前、許容制限を厳守し、ばねが動かなくなる危険性を防止しなければならない。このため、製造コストは高くなる。更に、ばねを回転させるためには、モジュールの受け入れチャンバ内にて大きいスペースが必要となる。
【0006】
このため、本発明の目的は、スペースを殆ど必要とせず、モジュールを組み立てるための力が少なくて済む、ばね要素の助けを受けてエアバッグモジュールを簡単に且つ安全に締結することを可能にすることである。
【0007】
この目的は、請求項1に記載の特徴を備える装置により実現される。
本発明による装置の有利な効果及び便宜な形態は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置は、第一の部分、特に、掛止めフックを含む舵取りハンドルの挿入体と、第二の部分、特に、掛止めフック用の通路開口部を含むエアバッグモジュールの基部板と、ばね要素用のホルダとを備えている。該装置は、支持部分と、弾性的に偏向可能な保持部分とを含むばね要素を備えている。該ばね要素は、ホルダ内に保持され、保持部分は開始位置から偏向位置まで移動させることができ、このことは、掛止めフックを通路開口部を通して案内し、且つ保持位置となることを可能にし、この保持位置にて、保持部分は掛止めフックの保持面に対して押し付けられる。他方、支持部分は、ホルダ内にて実質的に不可動に保持される。「不可動に」という語は、本明細書にて、掛止めフックが案内されたとき、ばね要素の支持部分が変位し又は回転し、偏向することがないことを意味する。
【0009】
支持部分が不可動に軸受けするため、ばね要素は、本発明に従った装置内の規定された位置を取り、且つ締結作用の全体を通じて同一の位置を維持する。保持部分は、支持部分に対して偏向するだけであり、第二の部分におけるばね要素の位置は、それ自体、不変のままである。このようにして、ばね要素が動かなくなり又は不良に組み立てられる危険性は最小となる。
【0010】
ばね要素の特に小型の設計は、支持部分と保持部分とを接続する基部を有する平坦なスチールにて出来たばね要素の実質的にU字形の形態に起因するものである。保持部分は、支持部分に対面し、且つ好ましくは、掛止めフックを通路開口部を通じて案内したとき、支持部分に向けて偏向するようにする。
【0011】
本発明に従った締結装置の1つの好ましい実施の形態によれば、ばね要素は、基部にて開始してストッパまで、ホルダ内に挿入することができる。その結果、ばね要素を極めて簡単に、且つ便宜に締結装置の第二の部分に予組み立てることができる。ストッパに対して感得される程度に当接するため、予組み立て中、ばね要素が不完全に挿入される危険性は少なくなる。
【0012】
ばね要素の有利な形態は、ばね要素が基部に向けてテーパーが付けられ、保持部分及び支持部分はばね要素の基部から伸びており、このため、保持部分と支持部分との間の距離は基部からの距離が増すに伴って増大することを可能にする。
【0013】
ばね要素の上述した形態の有利な点は、ホルダの可能とされた形態と組み合わせて最も明確に表現され、この場合、ばね要素の挿入方向へのホルダの側方向接触面は全体として、ばね要素のものよりも大きいテーパー状態を形成する。
【0014】
かかる設計は、既に、ばね要素を挿入することによりばね要素の偏倚状態を自動的に実現する。
エアバッグモジュールの基部板の外端縁の経路に順応するようにしたばね要素の形状の場合、保持部分は、ばね要素の基部から伸びる第一の保持部分と、第一の保持部分から鈍角に伸びる第二の保持部分とを含み、該第二の保持部分は、掛止めフックに作用する。
【0015】
ばね要素の保持部分を強化するため、少なくとも第二の保持部分がC字形の断面を有する形態が有利である。この形態は、エアバッグモジュールが作動したとき、生ずる荷重に関して本発明に従った締結装置の保持力を顕著に増加させることができる。第二の保持部分のC字形の断面は、拡大した接触面のため、力をばね要素から掛止めフック内に一層良く伝達することを可能にする。
【0016】
上側及び/又は下側張り出し部分は互いに実質的に平行に且つ/又は支持部分に対面する第二の保持部分の壁に対して直角に伸び、特に、支持部分に向けて伸び、且つ/又は第二の保持部分の壁の上側及び/下側端縁に接続されてC字形の断面を形成するようにすることが特に好ましい。
【0017】
特に、C字形の断面の形態は、ばねを平坦な金属、特に、(弾性的な)薄板金属にて製造する選択例の場合に有利であり、それは、第二の保持部分の領域におけるばねの捩れ剛性は、円形の断面及び同一の断面積を有する従来のばねの程度を超えて増大するからである。
【0018】
また、C字形の断面に代えて、L字形の断面とすることも考えられる。
好ましくは、支持部分は、ばね要素の基部から伸びる第一の支持部分と、第一の支持部分から鈍角にて伸びる第二の支持部分とを有している。
【0019】
ばね要素は、第一の支持部分と該部分から伸びる第二の支持部分との間の鈍角な角度は第一の保持部分と該部分から伸びる第二の保持部分との間にて形成される鈍角な角度に実質的に等しいような形態とすることが更に好ましい。
【0020】
好ましくは、装置用の本発明に従ったばね要素は、基部に対してより近く配置された第一の支持部分は該部分から伸びる第二の支持部分よりも短く、且つ/又は基部に対してより近く配置された第一の保持部分は該部分から伸びる第二の保持部分よりも短いような形態とされるものとする。
【0021】
好ましくは、装置用の本発明に従ったばね要素は、基部に隣接して配置された第一の支持部分は基部に隣接して配置された第一の保持部分よりも長く、且つ/又は基部から遠方に形成された第二の支持部分は基部から遠方に形成されて、C字形の断面を有することが好ましい第二の保持部分よりも短いような形態とされるものとする。
【0022】
このようにして、本発明に従って、モジュールを安全に保持し、且つモジュールの受け入れ部内に容易に挿入することを許容するばね要素及び締結装置を提供することが可能である。このため、装着が容易であるという顧客の要求にも応えることができる。
【0023】
本発明に従った締結装置の特に好ましい実施の形態によれば、掛止めフックは、作用面を有しており、該作用面は、掛止めフックが通路開口部を通して案内されたとき、ばね要素の保持部分に斜めに衝突し、保持部分の自由端が保持部分のその他の領域よりも大きく偏向するように配置されている。保持部分から更に遠方に隔てられた保持部分の自由な後端は、基部に近い保持分の前側領域よりも容易に偏向することができるため、偏向するために要求される力は、ばね要素が全体として保持部分の偏向に関して極めて剛性である場合であっても、比較的小さい。このようにして得られた力を効率よく変換することにより、第二の部分を締結装置の第一の部分に装着するために要求される力は最小となり、これにより、組み立ては極めて便利となる。
【0024】
本発明の更なる特徴及び有利な効果は、以下の説明及び添付図面を参照することにより、明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】ドイツ国特許第DE 299 08 967号
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】基部板と、ばね要素とを備える、本発明に従った締結装置を予め組み立て得るようにされた下部ユニットの斜視図的な底面図である。
【
図2】予め組み立てた状態にある、
図1の下部ユニットの斜視図的な底面図である。
【
図3】予め組み立てた下部ユニットの底面図である。
【
図4】予め組み立てた下部ユニットの頂面図である。
【
図5】予め組み立てた下部ユニットの側面図である。
【
図6】ばね要素が異なる位置にある、本発明に従った下部ユニットの頂面図である。
【
図7】ばね要素が異なる位置にある、本発明に従った締結装置の頂面図である。
【
図9】本発明に従った締結装置の斜視図的な詳細図である。
【
図10】
図2と比較して改変した、本発明に従った締結装置及び本発明に従ったばね要素の更なる実施の形態を示す斜視図的な詳細図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1において、インフレータ、エアバッグ等のような、エアバッグモジュール(図示せず)の実質的な構成要素が締結される、エアバッグモジュールの基部板10が図示されている。該エアバッグモジュールは、基部板10によって車内、特に、車の舵取りハンドル内に取り付けられ、又は舵取りハンドルと特に一体に形成された舵取りハンドルの挿入体に締結されている。
【0028】
基部板10は、軸方向を規定する実質的に円形の中央開口部12を有している。軸方向は、基部板10が舵取りハンドルの挿入体に装着される取り付け方向に対して平行であり、この方向は、
図1の図面に従って、以下に、垂直方向Vとして説明するが、その説明の何らの限定的な意味を与えるものではない。
【0029】
基部板10は、その外端縁と中央開口部12との間ある掛止めフック用の通路開口部14を有している。ばね要素用のホルダ16が通路開口部14に形成されている。別の通路開口部14及び別のホルダ16が中央開口部12の反対側に設けられている。
【0030】
図1は、水平の取り付け方向Hに向けてホルダ16内に挿入し、基部板10及びばね要素18が予め組み立てた状態を取ることができるようにしたばね要素18を更に示す。
ばね要素18は、好ましくは、ブランク材を切断し、且つその個々の部分を面取り加工することにより、平坦な金属片から作られる。
【0031】
ばね要素(及び/又は平坦な金属片)の厚さは、0.2から0.6mm、好ましくは、0.25から0.4mm、特に、0.3から0.35mmとする。
ばね要素18は、実質的にU字形であり、脚部は、特に、異なる程度に、曲がっていることが好ましい。
【0032】
基部板20から、支持部分22及び該部分に面する保持部分24は、ほぼ直角に伸び又は僅かにV字形に開放する。保持部分24と支持部分22との間の距離は、基部20からの距離が増すに伴って連続的に増大する、すなわちばね要素18は、基部20に向けてテーパーが付けられている。
【0033】
支持部分22及び保持部分24は、部分に分割することができる。基部20から伸びる第一の支持部分22aに対して、第二の支持部分22bが鈍角にて接続されている。第二の支持部分22bは、より大きく曲がった端部分22c内に開放し、該部分は、支持部分22の自由端を構成する。
【0034】
支持部分22に相応して、保持部分24も第一の保持部分24a、第二の保持部分24b及び後端の保持部分24cに分割されており、相応する部分は、互いに実質的に対面しており、第二の支持部分22b、第二の保持部分24b及び軸受け端部分22c及び保持端部分24cは、第一の支持部分22a及び第一の保持部分24aの各々に相対して同一の方向に曲がっている。このため、支持部分22及び保持部分24は、基部板10の外端縁の経路に順応することができる。
【0035】
好ましい実施の形態に依存して、ホルダ16の領域内にて、基部10は、1つ又は2つ以上の突起19を有しており、該突起にて、ばね要素18の軸受け端部分22c(及び/又は保持端部分24c)が係合して安全な座部を保証し、ばね要素が通路開口部の形態であることが好ましい受け入れ部分14から落下しないよう保護することができる。
【0036】
ばね要素18の全体は、実質的に矩形の断面であり、該矩形部分の長辺は、基部板10及びばね要素18の予め組み立てた状態にて、垂直方向に伸びている。例外は、第二の保持部分24であり、この第二の保持部分は、2つの実質的に水平に伸びる張り出し部24d、24eを更に含み、このため、C字形の断面を有している。
【0037】
好ましい実施の形態(
図1及び
図10)に依存して、最終的に曲がったばねは、40から60mm、特に、45から50mmの長さを有している(基部20から保持端部分24cまで測定)。
【0038】
好ましい実施の形態(
図1及び
図10)に依存して、最終的に曲がったばねは、挿入前の状態にて(基部から僅かに開放するV字形)、その端部分22c、24cの領域内にて15から40mm、特に、20から30mmの幅を有している。
【0039】
好ましい実施の形態(
図1及び
図10)に依存して、その基部及び支持部分20、22の領域内にて、最終的に曲がったばねは、3から6mm、特に、4から5mmの高さを有しており、且つ/又はそのC字形の支持部分の領域内にて、該曲がったばねは3から7mm、特に、4から6mmの相応する高さを有している。
【0040】
ホルダ16は、以下に詳細に説明する複数の保持部分と、側接触面とを含む。ばね要素18は、基部20から開始して水平方向Hに向けて基部20がストッパ26に当接する点迄、ホルダ16内に挿入される。
図2から
図6は、基部板10及びばね要素18をその予め組み立てた状態にて示し、この状態のとき、ばね要素18は、ホルダ16内に完全に挿入され、且つ開始位置を取る。
【0041】
水平な保持部分は、ばね要素18を両方の垂直方向に固定することを可能にする。ホルダ16の側垂直接触面の全体は、ばね要素18のそれよりも挿入高さHに向けてより大きいテーパーを呈する。このため、自動的に、ばね要素18がホルダ16内に挿入されたとき、偏倚が蓄積する。
【0042】
支持部分22及び保持部分24が側方向に接触する垂直な接触面は、支持部分22が中央開口部12に向けて偏向せず、且つ保持部分が反対方向に偏向することができないことを確実にする。しかし、保持部分24が支持部分22に向けて弾性的に水平方向に偏向することは可能である。
図6は、保持部分24の最大に可能な偏向状態を示し、この状態にて、保持部分24は支持部分22に当接する。
図7に示したこの位置は、以下に偏向位置と称する。
【0043】
図7から
図9は、基部板10が車の舵取りハンドルの挿入体28に締結された、最終的に組み立てた状態にある、締結装置を示す。該舵取りハンドルの挿入体28は、そこから掛止めフック30が突き出す板として簡略化した状態で示されている。掛止めフック30は、基部分32と、水平面に対して平行でも垂直でもない作用面36を有する突出する突起34とを含む(作用面は、垂直方向Vに対して直角の向きとされている)。ばね要素18と掛止めフック30との間の相互作用は、全ての対に対して同一である。
【0044】
エアバッグモジュールを舵取りハンドルの挿入体28に締結するため、基部板10は、垂直方向Vに向けて舵取りハンドルの挿入体28に装着され、掛止めフック30が通路開口部14を通じて案内されるようにする。次に、作用面36が保持部分24に、より正確に言えば、強化した第二の保持部分24bに衝突する。掛止めフック30が更に案内されたとき、掛止めフック30の突起34は保持部分24を水平方向に偏向させ、掛止めフック30がばね要素18を経て摺動する。
図7に示したこの位置は、既に
図6に示した偏向位置に実質的に相応する。
【0045】
保持部分24の作用を容易にするため、突起34の作用面36は、傾斜させてあり、このため、基部分32からの作用面36の距離は、そこから掛止めフック30が伸びる基部面38からの作用面36の距離が増すに伴って、減少する。更に、後端にて、作用面36は、前端におけるよりも幅が広い。この作用面36の設計の結果、掛止めフック30を通して案内されるとき、保持部分24の自由な後端は、
図7の図面から明らかであるように、保持部分24のその他の領域よりも大きく偏向することとなる。
【0046】
突起34が保持部分24を通過すると直ちに、保持部分24は、偏向位置から水平方向に反発して戻り、偏倚されている間、該保持部分は掛止めフック30の保持面40と接触する。以下にて、この位置は、保持位置と称する。第二の保持部分24bのC字形の外形の上側張り出し部24dは、保持位置にて大きい接触面積を保証する。全体として、保持位置にあるとき、ばね要素18は、第二の保持部分24bの安定したC字形の外形のため、極めて大きい垂直方向への引き出し力に耐える。
【0047】
ばね要素18を基部板10に予め組み立てた後、掛止めフック30を基部板10の通路開口部14を通じて案内する間、及びその後、ばね要素18の支持部分22は、ホルダ内にて不可動に保持される、すなわち、支持部分22は、変位も回転もせず、又は偏向することもない。
【0048】
当然のこととして、掛止めフック30及びばね要素18を逆に配置することも可能である、すなわち、ばね要素18を舵取りハンドルの挿入体28にて保持し、掛止めフック30を基部板10に設けることができる。更に、エアバッグモジュールは、基部板10により舵取りハンドルの挿入体28に締結することが絶対に必要ではなく、ばね要素18及び掛止めフック30は、車、舵取りハンドル又はエアバッグモジュールの構成要素に固定された異なる構成要素に配置することも可能である。
【手続補正書】
【提出日】2016年9月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグモジュールを車内にて締結する装置であって、
掛止めフック(30)を含む舵取りハンドルの挿入体(28)と、
前記掛止めフック(30)の受け入れ部(14)を含むエアバッグモジュールの基部板(10)にばね要素(18)用のホルダ(16)を設けてなる前記基部板(10)と、
基部(20)と、該基部(10)の一の部分から伸びる支持部分(22)と、該基部(10)の他の部分から伸びる弾性的に偏向可能な保持部分(24)とを含む、平坦な金属で出来た前記ばね要素(18)と、を備え、
該ばね要素(18)は、ホルダ(16)内に保持され、保持部分(24)を開始位置から偏向位置まで移動させることができ、このことは、掛止めフック(30)を前記受け入れ部(14)内に受け入れ、且つ保持位置に受け入れることを可能にし、この保持位置にて、前記保持部分(24)は掛止めフック(30)の保持面(40)に対して押し付けられようにした、装置において、
前記支持部分(22)は、ホルダ(16)内にて不可動に保持され、且つ前記保持部分(24)は、前記基部(20)から伸びる第一の保持部分(24a)と、前記掛止めフック(30)上に作用する第二の保持部分(24b)とを含み、該第二の保持部分(24b)が前記第一の保持部分(24a)から互いに鈍角を形成して伸びている、ことを特徴とする、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置。
【請求項2】
エアバッグモジュールを車内にて締結する装置であって、
掛止めフック(30)を含むエアバッグモジュールの基部板(10)と、
前記基部板(10)の掛止めフック(30)の受け入れ部(14)を含む舵取りハンドルの挿入体(28)に、ばね要素(18)用のホルダ(16)を設けてなる前記舵取りハンドルの挿入体(28)と、
基部(20)と、該基部(10)の一の部分から伸びる支持部分(22)と、該基部(10)の他の部分から伸びる弾性的に偏向可能な保持部分(24)とを含む、平坦な金属で出来た前記ばね要素(18)と、を備え、
該ばね要素(18)は、ホルダ(16)内に保持され、保持部分(24)を開始位置から偏向位置まで移動させることができ、このことは、掛止めフック(30)を受け入れ部(14)内に受け入れ、且つ保持位置に受け入れることを可能にし、この保持位置にて、保持部分(24)は掛止めフック(30)の保持面(40)に対して押し付けられようにした、装置において、
前記支持部分(22)は、ホルダ(16)内にて不可動に保持され、且つ前記保持部分(24)が、前記基部(20)から伸びる第一の保持部分(24a)と、前記掛止めフック(30)上に作動する第二の保持部分(24b)とを含み、該第二の保持部分(24b)が前記第一の保持部分(24a)から互いに鈍角を形成して伸びている、ことを特徴とする、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記支持部分(22)及び前記保持部分(24)を接続する基部(20)を有する、U字形の形状にて形成され、
前記保持部分(24)は、前記支持部分(22)に対面し、且つ掛止めフック(30)が前記通路開口部(14)を通して案内されたとき、前記支持部分(22)に向けて偏向するようにしたことを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記基部(20)から開始してストッパ(26)まで前記ホルダ(16)内に挿入し得るようにしたことを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記基部(20)に向けてテーパーが付けられ、
前記保持部分(24)及び前記支持部分(22)はばね要素(18)の基部(20)から伸びており、このため、前記保持部分(24)と前記支持部分(22)との間の距離は、前記基部(20)からの距離が増すに伴って増大することを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置において、
ばね要素(18)の挿入方向へのホルダ(16)の側接触面は、全体として、ばね要素(18)のものよりも大きいテーパー状態を構成することを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の装置において、
前記第二の保持部分(24b)はL字形の断面を有し、上側又は下側張り出し部分(24d、24e)が、前記支持部分(22)に対面する前記第二の保持部分(24b)の壁に対して直角に該支持部分(22)に向けて伸びており、前記上側又は下側張り出し部分(24d、24e)が前記第二の保持部分(24b)の前記壁の上端端縁又は下端端縁に接続して前記L字形の断面を形成することを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項1から6に記載の装置において、
少なくとも前記第二の保持部分(24b)は、C字形の断面を有し、
上側及び下側張り出し部分(24d、24e)は、互いに平行に且つ支持部分(22)に対面する前記第二の保持部分(24b)の壁に対して直角に該支持部分(22)に向けて伸び、且つ前記第二の保持部分(24b)の壁の上側端縁及び下側端縁に接続して前記C字形の断面を形成するようにしたことを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項3から8の何れか1項に記載の装置において、
前記支持部分(22)は、前記基部(20)から伸びる第一の支持部分(22a)と、前記第一の支持部分(22a)から鈍角に伸びる第二の支持部分(22b)とを含むことを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項3から8の何れか1項に記載の装置において、
前記支持部分(22)は、前記ばね要素(18)の基部(20)から伸びる第一の支持部分(22a)と、前記第一の支持部分(22a)から鈍角に伸びる第二の支持部分(22b)とを含み、該第二の支持部分に対して、同一方向に曲がった支持端部分(22c)が接続されることを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項7から10の何れか1項に記載の装置において、
前記支持部分(22)のうち前記基部(20)の一端から伸びる第一の支持部分(22a)と該第一の支持部分から伸びる第二の支持部分(22b)との間の鈍角な角度は、前記基部(20)の他端から伸びる前記第一の保持部分(24a)と該第一の保持部分から伸びる前記第二の保持部分(24b)との間にて形成される鈍角な角度に等しいことを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記第一の支持部分(22a)は、前記第二の支持部分(22b)よりも短く、且つ前記第一の保持部分(24a)は、前記第二の保持部分(24b)よりも短いことを特徴とする、装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の装置において、
前記基部(20)に隣接して配置された第一の支持部分(22a)は、前記基部(20)に隣接して配置された前記第一の保持部分(24a)よりも長く、且つ前記基部から遠方に形成された第二の支持部分(22b)は、C字形断面を有する、基部から遠方に形成された前記第二の保持部分(24b)よりも短いことを特徴とする、装置。
【請求項14】
請求項1から13の何れか1項に記載の装置において、
前記掛止めフック(30)は、該掛止めフック(30)が通路開口部(14)を通して案内されたとき、前記ばね要素(18)の前記保持部分(24)に斜めに衝突するような仕方にて配置された作用面(36)を含み、前記保持部分(24)の自由端が前記保持部分(24)のその他の領域よりも大きく偏向するようにしたことを特徴とする、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグモジュールを締結するため、エアバッグモジュール又は舵取りハンドルに形成された掛止めフックが舵取りハンドル又はエアバッグモジュールに配設された止めばねによって落下しないよう固定された、複数の異なるばね止めシステムが既知である。これらシステムのすべてにおいて、ドイツ国特許第DE 299 08 967号が一例として引用されており、この例において、エアバッグを解放したとき、力に耐えることができ、且つ該モジュールを舵取りハンドルにて安全に保持することができるよう、約2−3mmの最小直径を有する丸いばねワイヤにて出来たばねが曲げられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この型式のばねは、組み立て中、ばねアームをその不作動状態から掛止めフックがそれらを迂回してその取り付け位置となることができる位置まで押すことができるよう、モジュールをかなりの力によってのみ舵取りハンドルのその受け入れ位置まで押し込むことができる欠点がある。このため、全ての掛止めフックが正確に係合しているかどうかを確認するための追加的な点検が必要となる。
【0004】
エアバッグモジュールをかかる従来のワイヤばねにて組み立てるときのこれらの欠点を解決するため、当該出願人による欧州特許第EP 2 145 801 A1号は、汎用的な締結装置を提案している。丸型のワイヤばねに代えて、板の上に可動に支持され、且つ2つの平行な特に長いアームを有する、平坦な鉄にて出来たU字形のばねが提案されている。ばねの移動の自由度は、一方にてブリッジ状の要素によって制限され、他方、ピンによって制限され、このため、掛止めフックを板の通路開口部に最初に挿入したとき、ばねの全体が回転動作を行い、その後、アームの一方は偏向する。ばねをそのホルダ内にて全体として変位させることにより(該ホルダを圧縮せずに)、掛止めフックと係合するよう提供された個々の比較的長いばねアームは、僅かな程度だけ偏向する必要があった。このため、エアバッグモジュールを組み立てるときの力は、既に著しく少なくすることができていた。
【0005】
しかし、この型式の締結方法において、板におけるばねの妨害されない低摩擦の可動性を保証しなければならず、特に、ばねは、組み立てる間、全体として回転しなければならず、このため、遊びを持たせなければならなかった。更に、通路開口部、ブリッジ状要素及びピンの互いに対する寸法及び配置、並びにばね(曲がり)の形状の点にて特に、係合前、許容制限を厳守し、ばねが動かなくなる危険性を防止しなければならない。このため、製造コストは高くなる。更に、ばねを回転させるためには、モジュールの受け入れチャンバ内にて大きいスペースが必要となる。
【0006】
このため、本発明の目的は、スペースを殆ど必要とせず、モジュールを組み立てるための力が少なくて済む、ばね要素の助けを受けてエアバッグモジュールを簡単に且つ安全に締結することを可能にすることである。
【0007】
この目的は、請求項1に記載の特徴を備える装置により実現される。
本発明による装置の有利な効果及び便宜な形態は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置は、第一の部分、特に、掛止めフックを含む舵取りハンドルの挿入体と、第二の部分、特に、掛止めフック用の通路開口部を含むエアバッグモジュールの基部板と、ばね要素用のホルダとを備えている。該装置は、支持部分と、弾性的に偏向可能な保持部分とを含むばね要素を備えている。該ばね要素は、ホルダ内に保持され、保持部分は開始位置から偏向位置まで移動させることができ、このことは、掛止めフックを通路開口部を通して案内し、且つ保持位置となることを可能にし、この保持位置にて、保持部分は掛止めフックの保持面に対して押し付けられる。他方、支持部分は、ホルダ内にて実質的に不可動に保持される。「不可動に」という語は、本明細書にて、掛止めフックが案内されたとき、ばね要素の支持部分が変位し又は回転し、偏向することがないことを意味する。
【0009】
支持部分が不可動に軸受けするため、ばね要素は、本発明に従った装置内の規定された位置を取り、且つ締結作用の全体を通じて同一の位置を維持する。保持部分は、支持部分に対して偏向するだけであり、第二の部分におけるばね要素の位置は、それ自体、不変のままである。このようにして、ばね要素が動かなくなり又は不良に組み立てられる危険性は最小となる。
【0010】
ばね要素の特に小型の設計は、支持部分と保持部分とを接続する基部を有する平坦なスチールにて出来たばね要素の実質的にU字形の形態に起因するものである。保持部分は、支持部分に対面し、且つ好ましくは、掛止めフックを通路開口部を通じて案内したとき、支持部分に向けて偏向するようにする。
【0011】
本発明に従った締結装置の1つの好ましい実施の形態によれば、ばね要素は、基部にて開始してストッパまで、ホルダ内に挿入することができる。その結果、ばね要素を極めて簡単に、且つ便宜に締結装置の第二の部分に予組み立てることができる。ストッパに対して感得される程度に当接するため、予組み立て中、ばね要素が不完全に挿入される危険性は少なくなる。
【0012】
ばね要素の有利な形態は、ばね要素が基部に向けてテーパーが付けられ、保持部分及び支持部分はばね要素の基部から伸びており、このため、保持部分と支持部分との間の距離は基部からの距離が増すに伴って増大することを可能にする。
【0013】
ばね要素の上述した形態の有利な点は、ホルダの可能とされた形態と組み合わせて最も明確に表現され、この場合、ばね要素の挿入方向へのホルダの側方向接触面は全体として、ばね要素のものよりも大きいテーパー状態を形成する。
【0014】
かかる設計は、既に、ばね要素を挿入することによりばね要素の偏倚状態を自動的に実現する。
エアバッグモジュールの基部板の外端縁の経路に順応するようにしたばね要素の形状の場合、保持部分は、ばね要素の基部から伸びる第一の保持部分と、第一の保持部分から鈍角に伸びる第二の保持部分とを含み、該第二の保持部分は、掛止めフックに作用する。
【0015】
ばね要素の保持部分を強化するため、少なくとも第二の保持部分がC字形の断面を有する形態が有利である。この形態は、エアバッグモジュールが作動したとき、生ずる荷重に関して本発明に従った締結装置の保持力を顕著に増加させることができる。第二の保持部分のC字形の断面は、拡大した接触面のため、力をばね要素から掛止めフック内に一層良く伝達することを可能にする。
【0016】
上側及び/又は下側張り出し部分は互いに実質的に平行に且つ/又は支持部分に対面する第二の保持部分の壁に対して直角に伸び、特に、支持部分に向けて伸び、且つ/又は第二の保持部分の壁の上側及び/下側端縁に接続されてC字形の断面を形成するようにすることが特に好ましい。
【0017】
特に、C字形の断面の形態は、ばねを平坦な金属、特に、(弾性的な)薄板金属にて製造する選択例の場合に有利であり、それは、第二の保持部分の領域におけるばねの捩れ剛性は、円形の断面及び同一の断面積を有する従来のばねの程度を超えて増大するからである。
【0018】
また、C字形の断面に代えて、L字形の断面とすることも考えられる。
好ましくは、支持部分は、ばね要素の基部から伸びる第一の支持部分と、第一の支持部分から鈍角にて伸びる第二の支持部分とを有している。
【0019】
ばね要素は、第一の支持部分と該部分から伸びる第二の支持部分との間の鈍角な角度は第一の保持部分と該部分から伸びる第二の保持部分との間にて形成される鈍角な角度に実質的に等しいような形態とすることが更に好ましい。
【0020】
好ましくは、装置用の本発明に従ったばね要素は、基部に対してより近く配置された第一の支持部分は該部分から伸びる第二の支持部分よりも短く、且つ/又は基部に対してより近く配置された第一の保持部分は該部分から伸びる第二の保持部分よりも短いような形態とされるものとする。
【0021】
好ましくは、装置用の本発明に従ったばね要素は、基部に隣接して配置された第一の支持部分は基部に隣接して配置された第一の保持部分よりも長く、且つ/又は基部から遠方に形成された第二の支持部分は基部から遠方に形成されて、C字形の断面を有することが好ましい第二の保持部分よりも短いような形態とされるものとする。
【0022】
このようにして、本発明に従って、モジュールを安全に保持し、且つモジュールの受け入れ部内に容易に挿入することを許容するばね要素及び締結装置を提供することが可能である。このため、装着が容易であるという顧客の要求にも応えることができる。
【0023】
本発明に従った締結装置の特に好ましい実施の形態によれば、掛止めフックは、作用面を有しており、該作用面は、掛止めフックが通路開口部を通して案内されたとき、ばね要素の保持部分に斜めに衝突し、保持部分の自由端が保持部分のその他の領域よりも大きく偏向するように配置されている。保持部分から更に遠方に隔てられた保持部分の自由な後端は、基部に近い保持分の前側領域よりも容易に偏向することができるため、偏向するために要求される力は、ばね要素が全体として保持部分の偏向に関して極めて剛性である場合であっても、比較的小さい。このようにして得られた力を効率よく変換することにより、第二の部分を締結装置の第一の部分に装着するために要求される力は最小となり、これにより、組み立ては極めて便利となる。
【0024】
本発明の更なる特徴及び有利な効果は、以下の説明及び添付図面を参照することにより、明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】ドイツ国特許第DE 299 08 967号
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】基部板と、ばね要素とを備える、本発明に従った締結装置を予め組み立て得るようにされた下部ユニットの斜視図的な底面図である。
【
図2】予め組み立てた状態にある、
図1の下部ユニットの斜視図的な底面図である。
【
図3】予め組み立てた下部ユニットの底面図である。
【
図4】予め組み立てた下部ユニットの頂面図である。
【
図5】予め組み立てた下部ユニットの側面図である。
【
図6】ばね要素が異なる位置にある、本発明に従った下部ユニットの頂面図である。
【
図7】ばね要素が異なる位置にある、本発明に従った締結装置の頂面図である。
【
図9】本発明に従った締結装置の斜視図的な詳細図である。
【
図10】
図2と比較して改変した、本発明に従った締結装置及び本発明に従ったばね要素の更なる実施の形態を示す斜視図的な詳細図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1において、インフレータ、エアバッグ等のような、エアバッグモジュール(図示せず)の実質的な構成要素が締結される、エアバッグモジュールの基部板10が図示されている。該エアバッグモジュールは、基部板10によって車内、特に、車の舵取りハンドル内に取り付けられ、又は舵取りハンドルと特に一体に形成された舵取りハンドルの挿入体に締結されている。
【0028】
基部板10は、軸方向を規定する実質的に円形の中央開口部12を有している。軸方向は、基部板10が舵取りハンドルの挿入体に装着される取り付け方向に対して平行であり、この方向は、
図1の図面に従って、以下に、垂直方向Vとして説明するが、その説明の何らの限定的な意味を与えるものではない。
【0029】
基部板10は、その外端縁と中央開口部12との間ある掛止めフック用の通路開口部14を有している。ばね要素用のホルダ16が通路開口部14に形成されている。別の通路開口部14及び別のホルダ16が中央開口部12の反対側に設けられている。
【0030】
図1は、水平の取り付け方向Hに向けてホルダ16内に挿入し、基部板10及びばね要素18が予め組み立てた状態を取ることができるようにしたばね要素18を更に示す。
ばね要素18は、好ましくは、ブランク材を切断し、且つその個々の部分を面取り加工することにより、平坦な金属片から作られる。
【0031】
ばね要素(及び/又は平坦な金属片)の厚さは、0.2から0.6mm、好ましくは、0.25から0.4mm、特に、0.3から0.35mmとする。
ばね要素18は、実質的にU字形であり、脚部は、特に、異なる程度に、曲がっていることが好ましい。
【0032】
基部板20から、支持部分22及び該部分に面する保持部分24は、ほぼ直角に伸び又は僅かにV字形に開放する。保持部分24と支持部分22との間の距離は、基部20からの距離が増すに伴って連続的に増大する、すなわちばね要素18は、基部20に向けてテーパーが付けられている。
【0033】
支持部分22及び保持部分24は、部分に分割することができる。基部20から伸びる第一の支持部分22aに対して、第二の支持部分22bが鈍角にて接続されている。第二の支持部分22bは、より大きく曲がった端部分22c内に開放し、該部分は、支持部分22の自由端を構成する。
【0034】
支持部分22に相応して、保持部分24も第一の保持部分24a、第二の保持部分24b及び後端の保持部分24cに分割されており、相応する部分は、互いに実質的に対面しており、第二の支持部分22b、第二の保持部分24b及び軸受け端部分22c及び保持端部分24cは、第一の支持部分22a及び第一の保持部分24aの各々に相対して同一の方向に曲がっている。このため、支持部分22及び保持部分24は、基部板10の外端縁の経路に順応することができる。
【0035】
好ましい実施の形態に依存して、ホルダ16の領域内にて、基部10は、1つ又は2つ以上の突起19を有しており、該突起にて、ばね要素18の軸受け端部分22c(及び/又は保持端部分24c)が係合して安全な座部を保証し、ばね要素が通路開口部の形態であることが好ましい受け入れ部分14から落下しないよう保護することができる。
【0036】
ばね要素18の全体は、実質的に矩形の断面であり、該矩形部分の長辺は、基部板10及びばね要素18の予め組み立てた状態にて、垂直方向に伸びている。例外は、第二の保持部分24であり、この第二の保持部分は、2つの実質的に水平に伸びる張り出し部24d、24eを更に含み、このため、C字形の断面を有している。
【0037】
好ましい実施の形態(
図1及び
図10)に依存して、最終的に曲がったばねは、40から60mm、特に、45から50mmの長さを有している(基部20から保持端部分24cまで測定)。
【0038】
好ましい実施の形態(
図1及び
図10)に依存して、最終的に曲がったばねは、挿入前の状態にて(基部から僅かに開放するV字形)、その端部分22c、24cの領域内にて15から40mm、特に、20から30mmの幅を有している。
【0039】
好ましい実施の形態(
図1及び
図10)に依存して、その基部及び支持部分20、22の領域内にて、最終的に曲がったばねは、3から6mm、特に、4から5mmの高さを有しており、且つ/又はそのC字形の支持部分の領域内にて、該曲がったばねは3から7mm、特に、4から6mmの相応する高さを有している。
【0040】
ホルダ16は、以下に詳細に説明する複数の保持部分と、側接触面とを含む。ばね要素18は、基部20から開始して水平方向Hに向けて基部20がストッパ26に当接する点迄、ホルダ16内に挿入される。
図2から
図6は、基部板10及びばね要素18をその予め組み立てた状態にて示し、この状態のとき、ばね要素18は、ホルダ16内に完全に挿入され、且つ開始位置を取る。
【0041】
水平な保持部分は、ばね要素18を両方の垂直方向に固定することを可能にする。ホルダ16の側垂直接触面の全体は、ばね要素18のそれよりも挿入高さHに向けてより大きいテーパーを呈する。このため、自動的に、ばね要素18がホルダ16内に挿入されたとき、偏倚が蓄積する。
【0042】
支持部分22及び保持部分24が側方向に接触する垂直な接触面は、支持部分22が中央開口部12に向けて偏向せず、且つ保持部分が反対方向に偏向することができないことを確実にする。しかし、保持部分24が支持部分22に向けて弾性的に水平方向に偏向することは可能である。
図6は、保持部分24の最大に可能な偏向状態を示し、この状態にて、保持部分24は支持部分22に当接する。
図7に示したこの位置は、以下に偏向位置と称する。
【0043】
図7から
図9は、基部板10が車の舵取りハンドルの挿入体28に締結された、最終的に組み立てた状態にある、締結装置を示す。該舵取りハンドルの挿入体28は、そこから掛止めフック30が突き出す板として簡略化した状態で示されている。掛止めフック30は、基部分32と、水平面に対して平行でも垂直でもない作用面36を有する突出する突起34とを含む(作用面は、垂直方向Vに対して直角の向きとされている)。ばね要素18と掛止めフック30との間の相互作用は、全ての対に対して同一である。
【0044】
エアバッグモジュールを舵取りハンドルの挿入体28に締結するため、基部板10は、垂直方向Vに向けて舵取りハンドルの挿入体28に装着され、掛止めフック30が通路開口部14を通じて
図9中下方から上方へ移動しつつ案内されるようにする。次に、
掛止めフック30の作用面36が
ばね要素18の図9中手前側の保持部分24に、より正確に言えば、強化した第二の保持部分24bに
下方から衝突する。
続いて、掛止めフック30が更に
上方へ移動案内されたとき、掛止めフック30の突起34は
第二の保持部分
24bを水平方向に
図9中右方へ偏向させ、掛止めフック30がばね要素18
の第二の保持部分24bの図9中左側外側面に摺動しながら上方へ移動する。
図7に示した
第二の保持部分24bのこのときの位置
24b´は、既に
図6に示した偏向位置
24b´に実質的に相応する。
【0045】
第二の保持部分24bの図9中右方への偏向作用を容易にするため、
掛止めフック30の突起34の作用面36は、
同図に示す如く傾斜させてあり、このため、基部分32からの作用面36の距離は、そこから掛止めフック30が伸びる基部面38からの作用面36の距離が増すに伴って、減少する。更に、後端にて、作用面36は、前端におけるよりも幅が広い。この作用面36の設計の結果、掛止めフック30を通して案内されるとき、保持部分24の
第二の保持部分24bは図7中、符号24bの位置から符号24b´の位置まで偏向しており、その自由な後端は、
図7の図面から明らかであるように、保持部分24のその他の領域よりも大きく偏向することとなる。
【0046】
続いて、突起34が
第二の保持部分
24bの外側面を上方へ通過すると直ちに、
第二の保持部分24bは、
自身の弾性力により偏向位置から水平方向に反発して
図9中左方へ同図に示す位置まで戻り、
該第二の保持部分24bは掛止めフック30の
突起34の下方の保持面40と
弾性的に当接接触する。以下にて、この位置は、保持位置と称する。第二の保持部分24bのC字形の外形の上側張り出し部24dは、保持位置にて
掛止めフック30の突起34との大きい接触面積を保証する。全体として、保持位置にあるとき、ばね要素18は、第二の保持部分24bの安定したC字形の外形のため、極めて大きい垂直方向への引き出し力に耐える。
【0047】
ばね要素18を基部板10に予め組み立てた後、掛止めフック30を基部板10の通路開口部14を通じて
図9中下方から上方へ案内
移動させる間、及びその後、ばね要素18の支持部分22は、ホルダ内にて不可動に保持される、すなわち、支持部分22は、変位も回転もせず、又は偏向することもない。
【0048】
当然のこととして、掛止めフック30及びばね要素18を逆に配置することも可能である、すなわち、ばね要素18を舵取りハンドルの挿入体28にて保持し、掛止めフック30を基部板10に設けることができる。更に、エアバッグモジュールは、基部板10により舵取りハンドルの挿入体28に締結することが絶対に必要ではなく、ばね要素18及び掛止めフック30は、車、舵取りハンドル又はエアバッグモジュールの構成要素に固定された異なる構成要素に配置することも可能である。
以下は、当初の請求項の記載である。
(請求項1)エアバッグモジュールを車内にて締結する装置であって、第一の部分、特に、掛止めフック(30)を含む舵取りハンドルの挿入体(28)である前記第一の部分と、 第二の部分、特に、掛止めフック(30)の受け入れ部(14)を含むエアバッグモジュールの基部板(10)とばね要素(18)用のホルダ(16)とである前記第二の部分と、支持部分(22)と、弾性的に偏向可能な保持部分(24)とを含む、平坦な金属で出来た前記ばね要素(18)と、を備え、該ばね要素(18)は、ホルダ(16)内に保持され、保持部分(24)を開始位置から偏向位置まで移動させることができ、このことは、掛止めフック(30)を受け入れ部(14)内に受け入れ、且つ保持位置に受け入れることを可能にし、この保持位置にて、保持部分(24)は掛止めフック(30)の保持面(40)に対して押し付けられようにした、装置において、前記支持部分(22)は、ホルダ(16)内にて不可動に保持されることを特徴とする、エアバッグモジュールを車内にて締結する装置。
(請求項2)請求項1に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記支持部分(22)及び前記保持部分(24)を接続する基部(20)を有する、U字形の形状にて形成され、
前記保持部分(24)は、前記支持部分(22)に対面し、且つ掛止めフック(30)が前記通路開口部(14)を通して案内されたとき、前記支持部分(22)に向けて偏向するようにしたことを特徴とする、装置。
(請求項3)請求項1又は2に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記基部(20)から開始してストッパ(26)まで前記ホルダ(16)内に挿入し得るようにしたことを特徴とする、装置。
(請求項4)請求項1から3の何れか1項に記載の装置において、
前記ばね要素(18)は、前記基部(20)に向けてテーパーが付けられ、
前記保持部分(24)及び前記支持部分(22)はばね要素(18)の基部(20)から伸びており、このため、前記保持部分(24)と前記支持部分(22)との間の距離は、前記基部(20)からの距離が増すに伴って増大することを特徴とする、装置。
(請求項5)請求項1から4の何れか1項に記載の装置において、
ばね要素(18)の挿入方向へのホルダ(16)の側接触面は、全体として、ばね要素(18)のものよりも大きいテーパー状態を構成することを特徴とする、装置。
(請求項6)請求項1から5の何れか1項に記載の装置において、
前記保持部分(24)は、前記基部(20)から伸びる第一の保持部分(24a)と、掛止めフック(30)に作用する該第一の保持部分(24a)から伸びる第二の保持部分(24b)とを含むことを特徴とする、装置。
(請求項7)請求項1から6の何れか1項に記載の装置において、
少なくとも第二の保持部分(24b)は、C字形の断面を有し、
上側及び/又は下側張り出し部分(24d、24e)は、互いに平行に且つ/又は支持部分(22)に対面する第二の保持部分(24b)の壁に対して直角に伸び、特に、支持部分に向けて伸び、且つ/又は第二の保持部分(24b)の壁の上側及び/下側端縁に接続してC字形の断面を形成するようにしたことを特徴とする、装置。
(請求項8)請求項1から7の何れか1項に記載の装置において、
前記支持部分(22)は、前記基部(20)から伸びる第一の支持部分(22a)と、前記第一の支持部分(22a)から鈍角に伸びる第二の支持部分(22b)とを含むことを特徴とする、装置。
(請求項9)請求項1から8の何れか1項に記載の装置において、
前記支持部分(22)は、前記ばね要素(18)の基部(20)から伸びる第一の支持部分(22a)と、前記第一の支持部分(22a)から鈍角に伸びる第二の支持部分(22b)とを含み、該第二の支持部分に対して、同一方向に曲がった支持端部分(22c)が接続されることを特徴とする、装置。
(請求項10)請求項1から9の何れか1項に記載の装置において、
第一の支持部分(22a)と該第一の支持部分から伸びる第二の支持部分(22b)との間の鈍角な角度は、第一の保持部分(24a)と該保持部分から伸びる第二の保持部分(24b)との間にて形成される鈍角な角度に等しいことを特徴とする、装置。
(請求項11)請求項1から10の何れか1項に記載の装置において、
前記基部(20)に対しより近くに配置された第一の支持部分(22a)は、該基部(20)に沿って伸びる第二の支持部分(22b)よりも短く、且つ/又は前記基部(22)に対しより近くに配置された第一の保持部分(24a)は、該基部に沿って伸びる第二の保持部分(24b)よりも短いことを特徴とする、装置。
(請求項12)請求項1から11の何れか1項に記載の装置において、
前記基部(20)に隣接して配置された第一の支持部分(22a)は、前記基部(20)に隣接して配置された第一の保持部分(24a)よりも長く、且つ/又は前記基部から遠方に形成された第二の支持部分(22b)は、C字形断面を有する、基部から遠方に形成された第二の保持部分(22b)よりも短いことを特徴とする、装置。
(請求項13)請求項1から12の何れか1項に記載の装置において、
前記掛止めフック(30)は、該掛止めフック(30)が通路開口部(14)を通して案内されたとき、前記ばね要素(18)の前記保持部分(24)に斜めに衝突するような仕方にて配置された作用面(36)を含み、前記保持部分(24)の自由端が前記保持部分(24)のその他の領域よりも大きく偏向するようにしたことを特徴とする、装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】