特開2016-216086(P2016-216086A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-216086(P2016-216086A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/20 20060101AFI20161125BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20161125BHJP
   B65B 27/00 20060101ALI20161125BHJP
   B65B 13/12 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   B65B13/20
   B25J15/08 D
   B65B27/00 C
   B65B13/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2015-102474(P2015-102474)
(22)【出願日】2015年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 智
(72)【発明者】
【氏名】加藤 重人
【テーマコード(参考)】
3C707
3E052
【Fターム(参考)】
3C707ES02
3C707ES03
3C707ET02
3C707EV21
3C707EW07
3E052AA07
3E052BA10
3E052CA01
3E052CA20
3E052CB05
3E052CB07
3E052CB10
3E052FA09
3E052FA13
3E052GA20
3E052HA07
3E052JA01
3E052LA01
3E052LA03
3E052LA20
(57)【要約】
【課題】本発明は、電線等の線状体の集線作業を行うことができるロボットハンドであって、汎用性の高いロボットハンドを提供することを目的とする。
【解決手段】ロボットハンド10において、一対の案内部51、52が閉状態時に第1移送機構部40によって送り出された帯状部材20が第2移送機構部60まで到達した状態で、帯状部材20が線状体Wの周囲を囲う。そして、第1移送機構部40と第2移送機構部60との少なくとも一方により帯状部材20のうち第1移送機構部40と第2移送機構部60との間に位置する部分が短くなるように帯状部材20を送ることで、帯状部材20が線状体Wの周囲で線状体Wを締め付け可能に徐々に絞られる。また、絞られた帯状部材20を少なくとも第1移送機構部40により送り戻すことによって送り出し前の状態に復帰可能に形成されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に形成された本体部を含み、全体として曲げ可能に形成された帯状部材と、
前記帯状部材を収納可能な収納部と、
前記収納部に収納された前記帯状部材を送り出し可能であると共に、送り出された前記帯状部材を前記収納部へ送り戻し可能な第1移送機構部と、
前記収納部の先端側に開閉可能に設けられた一対の案内部を含み、前記一対の案内部が開状態時に線状体を取り込み可能に形成され、前記一対の案内部が閉状態時に取り込んだ前記線状体の周囲を囲う経路に沿って前記第1移送機構部により送られた前記帯状部材を案内可能に形成されたガイド機構部と、
前記ガイド機構部によって前記経路に沿って案内されてきた前記帯状部材を受け取り、前記線状体から離れる方向へ向けて送り出し可能な第2移送機構部と、
を備え、
前記閉状態時に前記第1移送機構部によって送り出された前記帯状部材が前記経路に沿って移動し前記第2移送機構部まで到達した状態で、前記第1移送機構部と前記第2移送機構部との少なくとも一方により前記帯状部材のうち前記第1移送機構部と前記第2移送機構部との間に位置する部分が短くなるように前記帯状部材を送ることで、前記帯状部材が前記線状体の周囲で前記線状体を締め付け可能に徐々に絞られ、
絞られた前記帯状部材を少なくとも前記第1移送機構部により送り戻すことによって送り出し前の状態に復帰可能に形成されている、ロボットハンド。
【請求項2】
請求項1に記載のロボットハンドであって、
前記帯状部材は、前記本体部の一方主面に設けられたラック部を含み、
前記第1移送機構部は、前記ラック部に噛み合う第1歯車を含み、
前記第2移送機構部は、前記ラック部に噛み合う第2歯車を含む、ロボットハンド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のロボットハンドであって、
前記帯状部材は、前記本体部の先端側の側面に突出するように設けられたガイド突起をさらに含み、
前記案内部には、前記ガイド突起が嵌る溝が形成され、
前記帯状部材は、前記ガイド突起が前記溝に嵌まった状態で、前記溝に沿って移動可能に形成されている、ロボットハンド。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロボットハンドであって、
前記開状態にある一対の前記案内部が、前記第1移送機構部により送り出される前記帯状部材が移動する力を受けて前記閉状態に姿勢変更可能に形成されている、ロボットハンド。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロボットハンドであって、
前記閉状態にある一対の前記案内部が、前記第1移送機構部又は前記第2移送機構部の少なくとも一方により送り戻される前記帯状部材が移動する力を受けて、前記開状態に姿勢変更可能に形成されている、ロボットハンド。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のロボットハンドであって、
前記帯状部材は、前記本体部の基端側に設けられ前記第1移送機構部を空転させる空転部をさらに含み、
前記第1移送機構部が空転している状態で基端側の前記帯状部材の送り出しを止める送出停止部をさらに備える、ロボットハンド。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のロボットハンドであって、
前記線状体の周囲で前記帯状部材がギャップ部を介して対向し、
前記収納部よりも前記線状体側で前記ギャップ部に位置するように設けられた線状体押付部をさらに備え、
前記帯状部材は前記経路に沿った位置から前記線状体押付部へ向けて絞られる、ロボットハンド。
【請求項8】
請求項7に記載のロボットハンドであって、
前記線状体押付部は、前記収納部に近い接近状態と前記接近状態よりも前記収納部から離れた離隔状態とに姿勢変更可能に形成され、前記帯状部材が絞られた状態で前記離隔状態を取ることができる、ロボットハンド。
【請求項9】
請求項8に記載のロボットハンドであって、
前記線状体押付部は、前記帯状部材が移動する力を受けて前記接近状態と前記離隔状態とに姿勢変更可能に形成されている、ロボットハンド。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のロボットハンドであって、
前記案内部に対して前記線状体の延在方向に沿って側方に設けられ、前記線状体が前記帯状部材によって集められた状態で、粘着テープが巻回収容されたテープ巻回体を、前記線状体周りに回転させることで、前記線状体周りに粘着テープを巻付け可能に形成されたテープ巻付機構部をさらに備える、ロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、産業用ロボットの手先に取り付けられるロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤーハーネスを製造するための作業の一つに電線を集合させる集線作業がある。当該集線作業は、バラバラに延在する電線を集合させて電線束にすると共に集合させた状態に維持するものである。当該集線作業の後に、電線束の結束等の作業が行われる。
【0003】
この電線等の線状体の集線作業を行う装置が、例えば、特許文献1に開示されている。また、この集線作業と結束作業とを同時に行う装置が、例えば、特許文献2に開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の電線集束装置は、受皿の上に電線を受け溜めた状態で、受皿の側方で一対の爪により電線を把持するものである。
【0005】
特許文献2に記載の結束工具は、結束用のテープを送り込み、テープを被結束物の周りにめぐらせてからテープの先端を本体中でストッパにより把持したのち、テープを引き戻して被結束物を締め付けてからピンを打ち込むと共にテープを切断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−229519号公報
【特許文献2】特開昭61−21316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ワイヤーハーネスの製造の自動化を図るにあたって、当該集線作業を人に代わって行うことができるロボット、より詳細には、ロボットのうち製品を扱う手先、つまりロボットハンドが必要となる。さらに、当該ロボットハンドは、効率性の観点から、結束作業又は電線をしごく作業等、集線作業の他にワイヤーハーネスを製造するに当たり必要とされる作業も併せて行えるように、これらの作業を可能とする機能を追加可能であることが好ましい。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術をロボットハンドに適用すると、受皿用と把持用とでハンドが2手必要となり構成が大がかりになる恐れがあると共に、結束等の機能を追加しにくい。また、特許文献2に記載の技術では、結束用のテープを用いて集線作業を行うため、結束を伴わないで集線作業を行う箇所への適用が難しい。
【0009】
そこで、本発明は、電線等の線状体の集線作業を行うことができるロボットハンドであって、汎用性の高いロボットハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、第1の態様に係るロボットハンドは、帯状に形成された本体部を含み、全体として曲げ可能に形成された帯状部材と、前記帯状部材を収納可能な収納部と、前記収納部に収納された前記帯状部材を送り出し可能であると共に、送り出された前記帯状部材を前記収納部へ送り戻し可能な第1移送機構部と、前記収納部の先端側に開閉可能に設けられた一対の案内部を含み、前記一対の案内部が開状態時に線状体を取り込み可能に形成され、前記一対の案内部が閉状態時に取り込んだ前記線状体の周囲を囲う経路に沿って前記第1移送機構部により送られた前記帯状部材を案内可能に形成されたガイド機構部と、前記ガイド機構部によって前記経路に沿って案内されてきた前記帯状部材を受け取り、前記線状体から離れる方向へ向けて送り出し可能な第2移送機構部と、を備え、前記閉状態時に前記第1移送機構部によって送り出された前記帯状部材が前記経路に沿って移動し前記第2移送機構部まで到達した状態で、前記第1移送機構部と前記第2移送機構部との少なくとも一方により前記帯状部材のうち前記第1移送機構部と前記第2移送機構部との間に位置する部分が短くなるように前記帯状部材を送ることで、前記帯状部材が前記線状体の周囲で前記線状体を締め付け可能に徐々に絞られ、絞られた前記帯状部材を少なくとも前記第1移送機構部により送り戻すことによって送り出し前の状態に復帰可能に形成されている。
【0011】
第2の態様に係るロボットハンドは、第1の態様に係るロボットハンドであって、前記帯状部材は、前記本体部の一方主面に設けられたラック部を含み、前記第1移送機構部は、前記ラック部に噛み合う第1歯車を含み、前記第2移送機構部は、前記ラック部に噛み合う第2歯車を含む。
【0012】
第3の態様に係るロボットハンドは、第1又は第2の態様に係るロボットハンドであって、前記帯状部材は、前記本体部の先端側の側面に突出するように設けられたガイド突起をさらに含み、前記案内部には、前記ガイド突起が嵌る溝が形成され、前記帯状部材は、前記ガイド突起が前記溝に嵌まった状態で、前記溝に沿って移動可能に形成されている。
【0013】
第4の態様に係るロボットハンドは、第1から第3のいずれか1つの態様に係るロボットハンドであって、前記開状態にある一対の前記案内部が、前記第1移送機構部により送り出される前記帯状部材が移動する力を受けて前記閉状態に姿勢変更可能に形成されている。
【0014】
第5の態様に係るロボットハンドは、第1から第4のいずれか1つの態様に係るロボットハンドであって、前記閉状態にある一対の前記案内部が、前記第1移送機構部又は前記第2移送機構部の少なくとも一方により送り戻される前記帯状部材が移動する力を受けて、前記開状態に姿勢変更可能に形成されている。
【0015】
第6の態様に係るロボットハンドは、第1から第5のいずれか1つの態様に係るロボットハンドであって、前記帯状部材は、前記本体部の基端側に設けられ前記第1移送機構部を空転させる空転部をさらに含み、前記第1移送機構部が空転している状態で基端側の前記帯状部材の送り出しを止める送出停止部をさらに備える。
【0016】
第7の態様に係るロボットハンドは、第1から第6のいずれか1つの態様に係るロボットハンドであって、前記線状体の周囲で前記帯状部材がギャップ部を介して対向し、前記収納部よりも前記線状体側で前記ギャップ部に位置するように設けられた線状体押付部をさらに備え、前記帯状部材は前記経路に沿った位置から前記線状体押付部へ向けて絞られる。
【0017】
第8の態様に係るロボットハンドは、第7の態様に係るロボットハンドであって、前記線状体押付部は、前記収納部に近い接近状態と前記接近状態よりも前記収納部から離れた離隔状態とに姿勢変更可能に形成され、前記帯状部材が絞られた状態で前記離隔状態を取ることができる。
【0018】
第9の態様に係るロボットハンドは、第8の態様に係るロボットハンドであって、前記線状体押付部は、前記帯状部材が移動する力を受けて前記接近状態と前記離隔状態とに姿勢変更可能に形成されている。
【0019】
第10の態様に係るロボットハンドは、第1から第9のいずれか1つの態様に係るロボットハンドであって、前記案内部に対して前記線状体の延在方向に沿って側方に設けられ、前記線状体が前記帯状部材によって集められた状態で、粘着テープが巻回収容されたテープ巻回体を、前記線状体周りに回転させることで、前記線状体周りに粘着テープを巻付け可能に形成されたテープ巻付機構部をさらに備える。
【発明の効果】
【0020】
第1から第10の態様に係るロボットハンドによると、閉状態時に第1移送機構部によって送り出された帯状部材が経路に沿って移動し第2移送機構部まで到達した状態で、第1移送機構部と第2移送機構部との少なくとも一方により帯状部材のうち第1移送機構部と第2移送機構部との間に位置する部分が短くなるように帯状部材を送ることで、帯状部材が線状体の周囲で線状体を締め付け可能に徐々に絞られるため、空間内に位置する電線等の線状体の集線作業を行うことができる。また、絞られた帯状部材を少なくとも第1移送機構部により送り戻すことによって送り出し前の状態に復帰可能に形成されているため、当該ロボットハンドにより集線作業を繰り返し行うことができる。この際、結束作業を併せて行うか否かは問わない。これらより、集線作業を行うことができるロボットハンドであって、汎用性の高いロボットハンドを提供することができる。
【0021】
特に、第2の態様に係るロボットハンドによると、帯状部材が本体部の一方主面に設けられたラック部を含み、第1移送機構部がラック部に噛み合う第1歯車を含み、第2移送機構部がラック部に噛み合う第2歯車を含むため、簡易な構成で帯状部材の送り出し及び送り戻しを行うことができる。
【0022】
特に、第3の態様に係るロボットハンドによると、帯状部材が本体部の先端側の側面に突出するように設けられたガイド突起をさらに含み、案内部にはガイド突起が嵌る溝が形成され、帯状部材がガイド突起が溝に嵌まった状態で溝に沿って移動可能に形成されているため、帯状部材をガイド機構部に沿ってより確実に案内できる。
【0023】
特に、第4の態様に係るロボットハンドによると、開状態にある一対の案内部が、第1移送機構部により送り出される帯状部材が移動する力を受けて閉状態に姿勢変更可能に形成されているため、案内部を閉じる作業を自動化できる。これにより、集線作業の効率性を高めることができる。
【0024】
特に、第5の態様に係るロボットハンドによると、閉状態にある一対の案内部が、第1移送機構部又は第2移送機構部の少なくとも一方により送り戻される帯状部材が移動する力を受けて開状態に姿勢変更可能に形成されているため、案内部を開く作業を自動化できる。これにより、集線作業の効率性を高めることができる。
【0025】
特に、第6の態様に係るロボットハンドによると、帯状部材が、本体部の基端側に設けられ第1移送機構部を空転させる空転部をさらに含み、第1移送機構部が空転している状態で基端側の帯状部材の送り出しを止める送出停止部をさらに備えるため、第1移送機構部と第2移送機構部とを同期させても当該ロボットハンドによる集線作業が可能になる。これにより、第1移送機構部と第2移送機構部とを1つの駆動部で動かすことができるため、装置を小型化することができる。また、第1移送機構部と第2移送機構部とを動かしていれば、帯状部材が絞られた状態に自動的に移行するため、複雑な制御が不要となる。
【0026】
特に、第7の態様に係るロボットハンドによると、線状体の周囲で帯状部材がギャップ部を介して対向し、収納部よりも線状体側でギャップ部に位置するように設けられた線状体押付部をさらに備え、帯状部材は経路に沿った位置から線状体押付部へ向けて絞られるため、帯状部材によって締め付けられた線状体が収納部等と接触し傷つくことを抑制することができる。
【0027】
特に、第8の態様に係るロボットハンドによると、線状体押付部が収納部に近い接近状態と接近状態よりも収納部から離れた離隔状態とに姿勢変更可能に形成され、帯状部材が絞られた状態で離隔状態を取ることができるため、帯状部材によって締め付けられた状態の線状体を一対の案内部に囲まれた空間内の中央に寄せることができる。これにより、後の結束作業等を行いやすくなる。
【0028】
特に、第9の態様に係るロボットハンドによると、線状体押付部が、帯状部材が移動する力を受けて前記接近状態と前記離隔状態とに姿勢変更可能に形成されているため、線状体押付部を姿勢変更させる駆動部を省略することができる。
【0029】
特に、第10の態様に係るロボットハンドによると、案内部に対して線状体の延在方向に沿って側方に設けられ、線状体が帯状部材によって集められた状態で、粘着テープが巻回収容されたテープ巻回体を、線状体周りに回転させることで、線状体周りに粘着テープを巻付け可能に形成されたテープ巻付機構部をさらに備えるため、同じロボットハンドを用いて集線作業後にすぐに結束作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態に係るロボットハンドの開状態を示す概略正面図である。
図2】第1実施形態に係るロボットハンドの閉状態を示す概略正面図である。
図3】帯状部材を示す平面図である。
図4】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図5図4のV−V線に沿って切断した断面図である。
図6】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図7図6のVII−VII線に沿って切断した断面図である。
図8】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図9】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図10】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図11】第2実施形態に係るロボットハンドを示す概略正面図である。
図12】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図13】第3実施形態に係るロボットハンドを示す概略平面図である。
図14】第3実施形態に係るロボットハンドを示す概略正面図である。
図15】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図16】線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
図17】第4実施形態に係るロボットハンドを示す概略正面図である。
図18】第5実施形態に係るロボットハンドを示す概略正面図である。
図19】第6実施形態に係るロボットハンドの開状態を示す概略斜視図である。
図20】開状態から閉状態に移行中のロボットハンドを示す概略斜視図である。
図21】開状態から閉状態に移行中のロボットハンドを示す概略斜視図である。
図22】第6実施形態に係るロボットハンドの閉状態を示す概略斜視図である。
図23】係止部材を示す概略正面図である。
図24図23の部分拡大図である。
図25】開状態から閉状態に移行する動作を説明するための説明図である。
図26】開状態から閉状態に移行する動作を説明するための説明図である。
図27】開状態から閉状態に移行する動作を説明するための説明図である。
図28】開状態から閉状態に移行する動作を説明するための説明図である。
図29】閉状態から開状態に移行する動作を説明するための説明図である。
図30】閉状態から開状態に移行する動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るロボットハンド10について説明する。図1は、第1実施形態に係るロボットハンド10の開状態を示す概略正面図である。図2は、第1実施形態に係るロボットハンド10の閉状態を示す概略正面図である。
【0032】
ロボットハンド10は、ワイヤーハーネスの製造に当たり、バラバラに延在する電線等の線状体Wを集合させて線束にすると共に集合させた状態に維持する集線作業を人の手に替わって行うものである。以降、ここでは、ロボットハンド10が線状体Wとして電線Wを取り扱うものとして説明する。
【0033】
ロボットハンド10は、帯状部材20と、収納部30と、第1移送機構部40と、ガイド機構部50と、第2移送機構部60とを備える。ガイド機構部50は、一対の案内部51、52を含む。ここで、ロボットハンド10による集線作業に係る動作の概要について説明する。
【0034】
まず、図1に示すようにロボットハンド10のうち一対の案内部51、52を、その間に電線Wを取り込み可能な開状態にする。そして、集合させたい複数の電線Wを一対の案内部51、52の間に取り込んだ後、図2に示すように一対の案内部51、52を閉状態にする。その後、第1移送機構部40によって収納部30に収納されている帯状部材20を送り出す。送り出された帯状部材20は、閉状態となっている一対の案内部51、52を含むガイド機構部50に沿って移動し、やがて第2移送機構部60に到達する。これにより、帯状部材20が電線Wの周囲を囲んだ状態となる(図6参照)。この状態から、帯状部材20のうち第1移送機構部40と第2移送機構部60との間に位置する部分であってガイド機構部50に沿った状態にある部分が短くなるように、第1移送機構部40と第2移送機構部60との少なくとも一方を用いてこの間に位置する帯状部材20を送る。これにより、帯状部材20が、ガイド機構部50に沿った状態から徐々に絞られていき、やがて電線Wを締め付ける(図10参照)。以上のようにして、ロボットハンド10によって複数の電線Wが集合すると共に、集合した状態が維持される。
【0035】
続いて、ロボットハンド10の各部の構成について詳述する。
【0036】
帯状部材20は、帯状に形成された本体部22を含む。さらにここでは、帯状部材20は、ラック部24とガイド突起26とを含む。帯状部材20は、全体として曲げ可能に形成されている。また、帯状部材20は、曲げられた際に真っ直ぐに戻ろうとする程度の剛性を有しているとよい。より詳細には、ここでは、第1移送機構部40と第2移送機構部60との間では、帯状部材20の移動する経路は、両端がギャップ部を介して対向する環状(ここではC字状)に設定されている部分が存在する。このように帯状部材20はC字状に設定された経路に沿って移動可能であると共にC字状に設定された経路の端部から外方へ曲がって移動可能に形成されている。
【0037】
ラック部24は、本体部22の一方主面に形成されている。ラック部24は、第1移送機構部40の後述する第1歯車42及び第2移送機構部60の後述する第2歯車62と噛み合うように形成されている。ラック部24は、本体部22のうちC字状の経路の外周側を向く主面に形成されている。これにより、本体部22のうちC字状の経路の内周側を向く主面が電線Wに当接する際に、ラック部24が電線Wを傷つけることを抑制できると共に、電線Wがラック部24を傷つけることを抑制できる。
【0038】
ガイド突起26は本体部22の先端側の側面に突出するように設けられている。ここでは、ガイド突起26は、本体部22の延在方向に直交する面に沿って切断した断面でほぼL字状に形成されている(図5参照)。つまり、ガイド突起26は、L字の基端で本体部に連なり、L字の先端が外周側へおりかえされたような形状に形成されている。もっとも、ガイド突起26には、外周側に折り返される部分(L字の先端側)は設けられていなくてもよい。また、ここでは、L字の先端は、外周側、つまり本体部22の主面のうちラック部24が設けられている主面側へ突出しているが、内周側へ突出していてもよい。また、ここでは、ガイド突起26は、本体部22の両側方から突出しているが、どちらか一つの側方にのみ突出していてもよい。
【0039】
収納部30は、帯状部材20を収納可能に形成されている。具体的には、ここでは、収納部30は、長尺筒状に形成され、帯状部材20のうち案内部51、52に送られる前の部分及び案内部51、52を通過した後の部分を収容可能に形成されている。また、収納部30の先端側には、ピンPによって一対の案内部51、52が回動可能に取り付けられる。この際、収納部30の先端縁部は、C字状に設定された経路のギャップ部を塞ぐ位置に設けられる。また、収納部30は、第1移送機構部40及び第2移送機構部60が収納部30内に位置する帯状部材20を送ることができるように設けられている。
【0040】
収納部30としては、例えば、筒状に形成されると共に、内部の収納空間を第1移送機構部40側の第1収納空間と第2移送機構部60側の第2収納空間とに仕切る仕切部が設けられていることが考えられる。この際、帯状部材20は、本体部22のうちラック部24が設けられていない側の主面が仕切部に当接し、仕切部に沿って摺動することが考えられる。また、収納部30には、第1歯車42及び第2歯車62が収納部30内の帯状部材20と噛み合うように凹部が形成されている。
【0041】
第1移送機構部40は、収納部30に収納された帯状部材20を送り出し可能に形成されている。また、第1移送機構部40は、送り出された帯状部材20を収納部30へ送り戻し可能に形成されている。
【0042】
具体的には、ここでは、第1移送機構部40は、帯状部材20のうちC字状の上記経路の一端側から延出する部分を送り可能に形成されている。ここでは、第1移送機構部40は、帯状部材20のラック部24に噛み合う第1歯車42と、当該第1歯車42を回転可能に支持する回転支持部44と、第1歯車42を回転駆動する駆動部とを含む。
【0043】
ガイド機構部50は、収納部30の先端側に開閉可能に設けられた一対の案内部51、52を含む。一対の案内部51、52が閉状態時に電線Wの周囲を囲う空間が形成される。さらに、一対の案内部51、52が閉状態時に第1移送機構部40によって送り出される帯状部材20を空間の周囲に沿って案内可能である。また、一対の案内部51、52が開状態時に空間へ線状体を引き入れ可能な開口が形成される。
【0044】
ここでは、案内部51、52は、正面視半円弧状に形成され、一端側がピンPにより収納部30に回動可能に取り付けられている。この際、一対の案内部51、52は、他端が接近及び離隔可能に設けられ、接近した状態が上記閉状態であり、離隔した状態が上記開状態である。一対の案内部51、52は、閉状態時に全体として閉環状(ここでは、円状)になる。この状態で、電線Wの周囲を囲う空間が形成される。また、一対の案内部51、52は、開状態で、電線Wを一対の案内部51、52の間に取り込み可能となる。
【0045】
案内部51、52は、長方形断面を有する。案内部51、52のうち内周側の面には、外周側の面に向けて凹む凹部が形成されている。当該凹部は、案内部51、52のうちC字状の上記経路に沿って延在するように設けられ、帯状部材20の本体部22が嵌る本体部用溝53aを構成する。本体部用溝53aの側方には、ガイド突起26が嵌まるガイド突起用溝53bが形成されている。ガイド突起用溝53bよりも内周側には、案内部51、52の外縁が位置する。これにより、帯状部材20のうち本体部22が本体部用溝53aに嵌まると共にガイド突起26がガイド突起用溝53bに嵌まった部分が、案内部51、52から内周側に抜け出てくることを抑制することができる。このため、帯状部材20をC字状に形成された上記経路に沿ってより確実に案内することができる。以降、本体部用溝53aとガイド突起用溝53bとを併せて単に溝53と称することがある。
【0046】
また、案内部51、52の一端側であってピンPで固定される部分よりも他端側には、貫通孔が形成されている。当該貫通孔を通じて帯状部材20が溝53と収納部30の内部との間で行き来可能とされている。また、当該貫通孔が形成されている部分がC字状に形成された上記経路の端部となる。
【0047】
第2移送機構部60は、ガイド機構部50によってC字状の上記経路に沿って案内されてきた帯状部材20を受け取り可能に設けられている。また、第2移送機構部60は、受け取った帯状部材20をC字状の他端から離れる方向へ向けて送り出し可能に設けられている。
【0048】
具体的には、ここでは、第2移送機構部60は、帯状部材20のうちC字状の上記経路の他端側から延出する部分を送り可能に形成されている。ここでは、第2移送機構部60は、帯状部材20のラック部24に噛み合う第2歯車62と、当該第2歯車62を回転可能に支持する第2回転支持部64と、第2歯車62を回転駆動する駆動部とを含む。
【0049】
なお、ロボットハンド10の各部の動作制御は、制御ユニット110によってなされる。制御ユニット110は、マイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと結合された主記憶部と、補助記憶部とを備える。主記憶部は、RAM(Random Access Memory)等によって構成され、補助記憶部は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク装置等の非一時的な記憶装置によって構成されている。補助記憶部には、マイクロプロセッサに対する指示を記述したプログラムが格納されており、マイクロプロセッサは、当該プログラムを読込んで後述する各処理ステップを実行する。なお、制御ユニット110が実行する各種処理の一部又は全部がハードウェアによって実現されてもよい。ここでは、プログラムに、上記各駆動部の駆動タイミング(条件)、動作内容(移動位置、移動方向、回転量)等が記述されており、本装置の各部は、そのプログラムの記述に従って、後で説明する動作を実行する。
【0050】
<動作>
続いて、図1図3に加えて、図4図10を参照しつつ上記ロボットハンド10による集線作業について詳述する。図4図6、及び図8図10は、線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。図5は、図4のV−V線に沿って切断した断面図である。また、図7は、図6のVII−VII線に沿って切断した断面図である。
【0051】
まずは、図1に示すようにロボットハンド10のうち一対の案内部51、52を、電線Wを取り込み可能な開状態にする。ここでは、作業者の手で案内部51、52の開閉動作を操作するものとして説明する。もっとも、一対の案内部51、52の開閉動作を作業者の手で操作することは必須ではない。例えば、一対の案内部51、52を開閉させるアクチュエータ等が設けられ、制御ユニット110によって開閉動作が制御される構成であってもよい。また、例えば、後述する第6実施形態に係るロボットハンド10Eのように、第1移送機構部40及び第2移送機構部60によって送られる帯状部材20が移動する力を受けて一対の案内部の開閉動作が行われてもよい。
【0052】
次に、集合させたい複数の電線Wを一対の案内部51、52の間に取り込んだ後、図2に示すように一対の案内部51、52を閉状態にする。これにより、一対の案内部51、52にそれぞれ形成された溝53が連通し、C字状の上記経路を形成する。上記したように、ここでは、作業者が案内部51、52を閉状態にする。
【0053】
なお、一対の案内部51、52は、閉状態に維持可能であることが好ましい。一対の案内部51、52を平常に維持するには、例えば、以下のような構成が考えられる。即ち、一対の案内部51、52の一方にロック部が設けられると共に他方にロック部と可能な被ロック部が設けられる。そして、一対の案内部51、52が閉状態にあるときに、ロック部と被ロック部とがロックすることで閉状態に維持可能となる。
【0054】
一対の案内部51、52が閉状態となったら、第1移送機構部40によって収納部30に収納されている帯状部材20を送り始める(図4参照)。この際、ここでは、第1移送機構部40の駆動部と第2移送機構部60の駆動部とは、別の駆動部を採用しているため、まずは、第1移送機構部40のみを駆動させて、帯状部材20を送り出す。
【0055】
そして、送り出された帯状部材20は、閉状態にある一対の案内部51、52、つまり、C字状の上記経路に沿って移動し、やがて第2移送機構部60に到達する(図6参照)。これにより、帯状部材20が電線Wの周囲を囲んだ状態となる。
【0056】
ここで、上記したように帯状部材20の先端側にはガイド突起26が設けられている。帯状部材20の本体部22及びガイド突起26は、図5に示すように、案内部51、52に設けられた本体部用溝53a及びガイド突起用溝53bにそれぞれ嵌まっている。このため、ガイド突起26が設けられている部分は、C字状の上記経路から外れる可能性は低い。そして、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分が案内部51、52の溝に嵌まっているため、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分よりも後端側もC字状の上記経路から外れにくくなる。
【0057】
より詳細には、図7に示すようにC字状の上記経路に沿って移動する帯状部材20の本体部22に対して外周側及び両側方には、案内部51、52の外縁が位置する。このため、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分よりも後端側についてもC字状の上記経路の外周側及び両側方には外れにくく、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分よりも後端側がC字状の上記経路から外れるとすると、C字状の上記経路の内周側となることが考えられる。しかしながら、以下に示すように、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分よりも後端側についても、C字状の上記経路の内周側に外れにくい。
【0058】
即ち、図1及び図2に示すように、第1移送機構部40がC字状の上記経路の一端側に設けられているため、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分がC字状の上記経路にある状態で、ガイド突起26が設けられている部分よりも後端側を第1移送機構部40が送り出す。
【0059】
この際、案内部51、52がC字状の上記経路に沿って設けられていることにより、帯状部材20のうち第1移送機構部40により送られる部分が移動する方向と、帯状部材20のうちC字状の上記経路に沿って移動する部分の移動方向とが異なる。このため、仮に帯状部材の剛性が小さい場合には、C字状の上記経路の一端側では、第1移送機構部40側から新たに送られてくる部分によって帯状部材がS字状に曲がってしまう。これに対して、ここでは、帯状部材20が曲げられた際に真っ直ぐに戻ろうとする程度の剛性を有していることにより、帯状部材20は、S字状にならないように外周側に広がろうとする。これにより、帯状部材20のうち第1移送機構部40側の部分がそれよりも先端側を押し出すことを順次繰り返してC字状の上記経路に沿って進んでいく。なお、案内部の貫通孔に帯状部材を強制的に曲げるガイド部が設けられている、又は、第1移送機構部が帯状部材のうちC字状の上記経路に沿った部分を送り可能に設けられているなどによっても、帯状部材がS字状になりにくいと考えられる。
【0060】
ここで、帯状部材20の移動について部分的に見ると、C字状の上記経路にある帯状部材20のうち第1移送機構部40側の部分がそれよりも先端側を案内部51、52の内周面に押し付けることで、押し付けられた部分よりも先端側が移動方向を変えて進み、さらにそれより先端側を案内部51、52の内周面に押し付ける。これが、帯状部材20の先端まで波及していく。従って帯状部材20の移動について全体的に見ると、帯状部材20は第1移送機構部40側の部分から順次移動方向を変えてC字状の上記経路に沿って案内部51、52の内周面上を摺動しつつ進んでいく。
【0061】
これらより、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分よりも後端側についても、C字状の上記経路から外れにくい。
【0062】
また、ここでは、一対の案内部51、52のうち一方の案内部52に対して帯状部材20が略全周に沿って配設された状態が初期状態に設定されている。換言すると、C字状の上記経路の略半分に亘る部分については、初期状態ですでに帯状部材20が配設されている。このため、初期状態において、帯状部材20のうち案内部52に収まっている部分の延在方向の寸法は、C字状の上記経路の一端側と任意の地点との2点を結ぶ距離よりも長い。これにより、帯状部材20のうち第1移送機構部40から新たに送られた部分を案内部51、52よりも内側で収めるには、案内部51、52の内側であって最も外周側で周方向に沿うように収めることになる。このことによっても、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分よりも後端側がC字状の上記経路から外れにくい。
【0063】
さらにここで、帯状部材20のうちガイド突起26より後端側がC字状の上記経路に対して内周側に外れている場合を考える。この場合、第1移送機構部40が帯状部材20を送り続けても、帯状部材20のうち当該外れている部分がC字状の上記経路に沿った位置に収まるまで帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分が移動を中断する又は第1移送機構部40の送り速度よりも遅く進むと考えられる。つまり、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分よりも後端側が案内部51、52に沿った位置に収まり、本体部22が本体部用溝53aの内周側を向く面に当接してから、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分が案内部51、52に沿って第1移送機構部40による送り速度と同じ速度で移動を始める。
【0064】
以上により、帯状部材20は、上記経路を外れることなく、また、一時的に上記経路を外れたとしても元の経路に復帰して、上記経路に沿って第2移送機構部60まで送られる。
【0065】
次に、帯状部材20が第2移送機構部60まで到達して、ガイド突起26がC字状の上記経路よりも先に進んだら、帯状部材20を絞っていく。より詳細には、ガイド突起26がC字状の上記経路よりも先に進むと、C字状の上記経路上に位置する帯状部材20に対して案内部51、52の内周側には、帯状部材20を塞ぐものが存在しない。このため、帯状部材20は、案内部51、52よりも内周側に進出可能となる。そして、帯状部材20のうち第1移送機構部40と第2移送機構部60との間に位置する部分であって案内部51、52に沿った状態にある部分が短くなるように、第1移送機構部40と第2移送機構部60との少なくとも一方を用いてこの間に位置する帯状部材20を送り始める。ここでは、第1移送機構部40を停止させて、第2移送機構部60のみを動かすことにより第1移送機構部40と第2移送機構部60との間に位置する帯状部材20を送る(図8参照)。これにより、帯状部材20が、C字状の上記経路から徐々に内周側に外れていく。つまり、帯状部材20が、一対の案内部51、52に沿った状態から徐々に絞られていき、やがて電線Wを締め付ける(図8図10参照)。
【0066】
この際、ここでは、絞られた帯状部材20の一端側と他端側との間には隙間が生じる。当該隙間の部分は、一対の案内部51、52又は収納部30によって埋められる。これにより電線W周りに閉環状の囲いが生じる。なお、電線Wは、帯状部材20により締め付けられた状態で一対の案内部51、52又は収納部30に当接することもあり得る。電線Wが帯状部材20により締め付けられた状態で一対の案内部51、52又は収納部30に当接しないようにするためには、例えば、後述する第2実施形態に係るロボットハンド10のように線状体押付部82を設けることが考えられる。
【0067】
以上のようにして、ロボットハンド10によって複数の電線Wが集合すると共に、集合した状態が維持される。
【0068】
なお、帯状部材20が電線Wを締め付ける力は、第1移送機構部40又は第2移送機構部60の回転トルクを電気的又は機械的に制御することで調整可能である。また、送り量から帯状部材20のうち第1移送機構部40と第2移送機構部60との間の部分の寸法を制御することによっても、帯状部材20が電線Wを締め付ける力を調整することができる。
【0069】
次に、ロボットハンド10を、帯状部材20を送り出す前の状態に戻す動作について説明する。
【0070】
図10のように、帯状部材20が電線Wを締め付けている状態で、帯状部材20のうち第1移送機構部40と第2移送機構部60との間に位置する部分が長くなるように、第1移送機構部40と第2移送機構部60との少なくとも一方を用いて帯状部材20をこの間に送り始める。ここでは、第1移送機構部40を停止させた状態で、第2移送機構部60によって帯状部材20を送り戻す。より詳細には、第2歯車62を図9及び図8における矢印と反対側に回転させる。これにより、帯状部材20が徐々に外周側に膨むように移動していき、やがてC字状の上記経路に沿った状態となる。
【0071】
この状態で、第1移送機構部40と第2移送機構部60とにより帯状部材20を送り戻す。より詳細には、第1歯車42及び第2歯車62を図6における矢印と反対側に回転させる。これにより、帯状部材20のうちガイド突起26が設けられている部分が一対の案内部51、52の溝53に嵌まると共に帯状部材20が第2移送機構部60から離れる。
【0072】
この後、第1移送機構部40により帯状部材20を送り戻す。より詳細には、第1歯車42を図4における矢印と反対側に回転させる。
【0073】
以上により、ロボットハンド10は、帯状部材20を送り出す前の図2の状態に戻る。なお、帯状部材20は初期位置よりも送り戻されないように形成されていることが好ましい。
【0074】
なお、帯状部材20のうち、ガイド突起26が設けられている部分については、C字状の上記経路に沿って送り戻される。ガイド突起26が設けられている部分以外の部分については、C字状の上記経路に沿って送り戻されることは必須ではなく、一対の案内部51、52に囲まれる空間を横切るように送り戻されてもよい。例えば、図10のような状態から、帯状部材20がC字状の上記経路に沿う状態になることを待たずに、第1移送機構部40によって帯状部材20を送り戻してもよい。
【0075】
第1実施形態に係るロボットハンド10によると、閉状態時に第1移送機構部40によって送り出された帯状部材20が経路に沿って移動し第2移送機構部60まで到達した状態で、第1移送機構部40と第2移送機構部60との少なくとも一方により帯状部材20のうち第1移送機構部40と第2移送機構部60との間に位置する部分が短くなるように帯状部材20を送ることで、帯状部材20が線状体の周囲で線状体を締め付け可能に徐々に絞られるため、空間内に位置する電線W等の線状体の集線作業を行うことができる。また、絞られた帯状部材20を少なくとも第1移送機構部40により送り戻すことによって送り出し前の状態に復帰可能に形成されているため、当該ロボットハンド10により集線作業を繰り返し行うことができる。この際、結束作業を併せて行うか否かは問わない。これらより、集線作業を行うことができるロボットハンド10であって、汎用性の高いロボットハンド10を提供することができる。
【0076】
また、帯状部材20が本体部22の一方主面に設けられたラック部24を含み、第1移送機構部40がラック部24に噛み合う第1歯車42を含み、第2移送機構部60がラック部24に噛み合う第2歯車62を含むため、簡易な構成で帯状部材20の送り出し及び送り戻しを行うことができる。
【0077】
また、帯状部材20が本体部22の先端側の側面に突出するように設けられたガイド突起26をさらに含み、案内部51、52にはガイド突起26が嵌る溝が形成され、帯状部材20がガイド突起26が溝に嵌まった状態で溝に沿って移動可能に形成されているため、帯状部材20をガイド機構部50に沿ってより確実に案内できる。
【0078】
{第2実施形態}
次に、第2実施形態に係るロボットハンド10Aについて説明する。図11は、第2実施形態に係るロボットハンド10Aを示す概略正面図である。図12は、帯状部材20Aの空転部28を示す概略正面図である。なお、本実施の形態の説明において、これまでの実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0079】
第2実施形態に係るロボットハンド10Aは、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとが同期可能に設けられている点で第1実施形態に係るロボットハンド10とは異なる。
【0080】
具体的には、上記第1実施形態のように、帯状部材20を送る際に、第1移送機構部40のみを稼働させるとき、第2移送機構部60のみを稼働させるとき及び両方を稼働させるときがあると、その制御が複雑になる場合もあり得る。これに対して、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとを同期させることで、その制御を簡易にすることが可能となる。
【0081】
より具体的には、帯状部材20Aは、空転部28をさらに含む。また、ロボットハンド10Aは、送出停止部70をさらに備える。
【0082】
空転部28は、本体部22の基端側に設けられ、第1移送機構部40を空転させる部分である。ここでは、空転部28は帯状部材20Aのうちラック部24が設けられている部分よりも基端側に位置する。空転部28には、ラック部24が設けられていない。また、空転部28は、第1歯車42と間隔をあけて配設されている。
【0083】
第1移送機構部40Aが帯状部材20Aのうちラック部24が設けられている部分をすべて送り出すことで、第1歯車42と噛み合う位置に空転部28が到達する。この際、空転部28が上記構成を含むため、第1移送機構部40Aが帯状部材20Aを送ることを抑制することができる。
【0084】
送出停止部70は、第1移送機構部40Aが空転している状態で基端側の帯状部材20Aの送り出しを止める部分である。より詳細には、送出停止部70がない場合、第1移送機構部40Aが空転している状態であっても、第2移送機構部60Aによって帯状部材20Aが送られていれば、帯状部材20Aのうち基端側も送られてしまう。このため、帯状部材20Aを絞ることができない。これに対して、ロボットハンド10Aに送出停止部70が設けられると、第1移送機構部40Aが空転している状態で第2移送機構部60Aによって帯状部材20Aが送られることで帯状部材20Aが絞られていく。
【0085】
ここでは、送出停止部70は、引掛り部72と被引掛り部74とを含む。引掛り部72は、帯状部材20Aに設けられている。ここでは、引掛り部72は帯状部材20Aの基端に設けられている。引掛り部72は、ラック部24が設けられている側に突出するように設けられている。被引掛り部74は、例えば、収納部30に設けられる。被引掛り部74は、第1移送機構部40Aが空転状態にあるときに帯状部材20Aの基端側が送られる際に、帯状部材20Aに設けられた引掛り部72と引掛り可能に設けられている。このような引掛り部72と被引掛り部74とは例えば鉤状に形成されていることが考えられる。
【0086】
第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとは同期して動く。ここでは、第1歯車42及び第2歯車62にそれぞれプーリー46、66を設けて、一対の当該プーリー46、66に無端ベルトBを掛け渡す。そして、駆動部によって当該無端ベルトBを回転させることで、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとが同期して動く。
【0087】
<動作>
次に、第2実施形態に係るロボットハンド10Aにより帯状部材20Aを送る動作について説明する。
【0088】
一対の案内部51、52の間に電線Wを取り込んだ状態で駆動部を稼働させると、上述したように、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとは同期して動く。この際、最初は、第2移送機構部60Aに帯状部材20Aが到達していないため、第1移送機構部40Aが帯状部材20Aを送る。そして、帯状部材20Aが第2移送機構部60Aに到達したら第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとにより帯状部材20Aが送られていき、やがて第1移送機構部40Aに空転部28が到達する。すると、第1移送機構部40Aが空転し第2移送機構部60Aによってのみ帯状部材20Aが送られていき、やがて引掛り部72と被引掛り部74とが引っ掛かり、基端側の帯状部材20Aが送られなくなる。これにより、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとの間に帯状部材20Aが供給されなくなり、帯状部材20Aのうちこの間に位置する部分が第2移送機構部60Aにより排出される。こうして帯状部材20Aのうち第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとの間の部分が短くなっていき、絞られていく。以上により、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとが同期して動く構成であっても電線Wを締め付けることができる。
【0089】
帯状部材20Aが絞られた状態から駆動部を稼働させると、上述したように、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとは同期して動く。この際、第1移送機構部40Aが空転しているため、最初は、第2移送機構部60Aにより帯状部材20を送り戻す。このとき帯状部材20Aは、C字状の上記経路に沿った状態を経て、第1移送機構部40Aと噛み合うようになる。帯状部材20Aが第1移送機構部40Aと噛み合うようになったら第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとにより帯状部材20Aが送り戻されていき、やがて第2移送機構部60Aから帯状部材20Aが離れる。すると、第2移送機構部60Aが空転し第1移送機構部40Aによってのみ帯状部材20Aが送り戻されていき、やがて送り出す前の状態に戻る。以上により、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとが同期して動く構成であってもロボットハンド10Aを、帯状部材20Aを送り出す前の状態に戻すことができる。
【0090】
第2実施形態に係るロボットハンド10Aによると、帯状部材20Aが、本体部22の基端側に設けられ第1移送機構部40Aを空転させる空転部28をさらに含み、第1移送機構部40Aが空転している状態で基端側の帯状部材20Aの送り出しを止める送出停止部70をさらに備えるため、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとを同期させても当該ロボットハンド10Aによる集線作業が可能になる。これにより、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとを1つの駆動部で動かすことができるため、装置を小型化及び軽量化することができる。また、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとを送り出し方向に動かしていれば、帯状部材20Aが絞られた状態に移行する。また、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとを送り戻し方向に動かしていれば、帯状部材20Aが送り出し前の状態に移行する。このため、ロボットハンド10Aにおいて複雑な制御が不要となる。
【0091】
なお、第1移送機構部40Aと第2移送機構部60Aとを同期させた場合、第1移送機構部40Aにより送られてきた帯状部材20Aが最初に第2移送機構部60Aに到達した際、帯状部材20Aのラック部24が第2移送機構部60Aの第2歯車62と噛み合わない場合がある。しかしながら、この場合でも、帯状部材20Aが曲げ可能な柔軟性を有するため、ラック部24と第2歯車62とが噛み合うように自然に調整されると考えられる。
【0092】
{第3実施形態}
次に、第3実施形態に係るロボットハンド10Bについて説明する。図13は、第3実施形態に係るロボットハンド10Bを示す概略平面図である。図14は、第3実施形態に係るロボットハンド10Bを示す概略正面図である。なお、本実施の形態の説明において、これまでの実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0093】
第3実施形態に係るロボットハンド10Bは、線状体押付部82をさらに備える点で第1実施形態に係るロボットハンド10とは異なる。
【0094】
ロボットハンド10Bにおいて、線状体の周囲で帯状部材20がギャップ部を介して対向している。線状体押付部82は、収納部30よりも線状体側でギャップ部に位置するように設けられている。そして、帯状部材20は経路に沿った位置から線状体押付部82へ向けて絞られる。
【0095】
線状体押付部82は、収納部30に近い接近状態と接近状態よりも収納部30から離れた離隔状態とに姿勢変更可能に形成され、帯状部材20が絞られた状態で離隔状態を取ることができる。また、線状体押付部82は、帯状部材20が移動する力を受けて接近状態と離隔状態とに姿勢変更可能に形成されている。
【0096】
より詳細には、ここでは、ロボットハンド10Bは、線状体押付部82を含む線状体押付機構部80をさらに備える。
【0097】
線状体押付機構部80は、上記線状体押付部82と、線状体押付部移動機構83とを備える。線状体押付部移動機構83は、一対の案内部51、52に囲まれる空間の軸方向に沿って収納部30の側方に設けられている。線状体押付部82は、線状体押付部移動機構83の先端側に設けられ、上記軸方向に沿って案内部51、52側に延在している。
【0098】
線状体押付部82は、曲面を有する板状に形成されている。曲面は、線状体押付部82が移動する前の状態で、一対の案内部51、52の内面に沿った形状に形成されている。線状体押付部82は、曲面のうち凹面が電線W側を向くように配設される。
【0099】
図13に示すように、線状体押付部82には、凹部82hが形成されている。凹部82hは、曲面の周方向一端側が他端側に向けて凹む態様で形成されている。凹部82hは、例えば、帯状部材20が絞られた際に帯状部材20がなるべく線状体押付部82と接触しないで移動可能となるように形成されていることが考えられる。このため、凹部82hは、収納部30内に位置する帯状部材20を延在方向に延長した線と重なる部分よりも外周側に設けられることが考えられる。
【0100】
線状体押付部移動機構83は、枠部88とストッパ87と第1支持部84と第2支持部86と弾性部85とを備える。
【0101】
枠部88は、収納部30の延在方向と同じ方向に延在する。枠部88は、ストッパ87と第1支持部84と第2支持部86と弾性部85とを収容する。枠部88は、収納部30に突設されていてもよいし、収納部30と一緒にロボットアーム等に突設されていてもよい。
【0102】
ストッパ87は、枠部88内を枠部88の延在方向に沿って移動可能に形成されている。当該ストッパ87の内部で枠部88の延在方向に沿って第1支持部84と第2支持部86と弾性部85と後述するドグ29とが移動可能に設けられている。ストッパ87は、初期状態で枠部の延在方向後端側に位置するように設けられる。
【0103】
第1支持部84の一方側には、連結部82aを介して線状体押付部82が連結される。第1支持部84の他方側には、弾性部85を介して第2支持部86が連結される。ここでは、弾性部85としてバネが用いられているものとして説明する。第1支持部84と第2支持部86と弾性部85とは、初期状態でストッパ87のうち枠部88の延在方向に沿った先端側に位置するように設けられる。
【0104】
ドグ29は、第1支持部84を押圧して、第1支持部84を枠部88の移動方向に沿って移動可能に設けられている。ドグ29は、ここでは、帯状部材20に突設されている。ドグ29は、例えば、帯状部材20の基端側の側方に突設される。ドグ29は、初期状態でストッパ87のうち枠部88の延在方向に沿った後端側に位置するように設けられる。
【0105】
<動作>
次に、第3実施形態に係るロボットハンド10Bによる電線W締め付け時の動作について、図13及び図14に加えて図15及び図16を参照しつつ説明する。図15及び図16は、線状体の締め付け動作を説明するための説明図である。
【0106】
まずは、図14にあるように、電線Wを一対の案内部51、52によって囲まれる空間内に取り込む。この状態では、線状体押付部82は接近状態となる。
【0107】
次に、図14の状態から、帯状部材20を送り始めると、帯状部材20の移動と共にドグ29がストッパ87内を先端側に向けて移動する。そして、ドグ29は、第2支持部86に当接した後、第2支持部86を枠部88の延在方向に沿って先端側に向けて押圧する。この押圧力が弾性部85を介して第1支持部84に伝わり、第1支持部84がストッパ87を枠部88の延在方向に沿った先端側に向けて押圧する。これにより、ストッパ87及びストッパ87内部に位置する各部材が枠部88内を先端側に向けて移動する。この際、第1支持部84に連結された線状体押付部82も、延在方向に沿って電線W側に移動していき、離隔状態となる。
【0108】
ストッパ87及びストッパ87内部に位置する各部材が枠部88内を先端側に向けて移動すると、図15に示すように、やがてストッパ87が枠部88の先端側に当接し、これ以上進めなくなる。この際、線状体押付部82は、連結部82aと連結している部分近傍が一対の案内部51、52の間の空間の中央よりも若干収納部30側に位置する。このため、電線Wのうち中央よりも収納部30側に位置する電線Wは線状体押付部82に当接した状態となり、中央に寄せられる。ここで、線状体押付部82が曲面を有する板状に形成されると共に凹面を電線W側に向けて配設されるため、帯状部材20を絞る前に線状体押付部82を電線Wに当接させる場合であっても、一対の案内部51、52内にバラバラに広がる電線Wを凹面内に取り込みやすくなる。
【0109】
そして、この状態からさらに帯状部材20を送ると共に、第2移送機構部60により帯状部材20を絞っていくと、図16に示すように、電線W束が帯状部材20と線状体押付部82とによって締め付けられる。さらに、この際、電線W束は、中央に寄せられる(センタリングされる)。より詳細には、図16に示す状態では、図15に示す状態に比べてドグ29及び第2支持部86は前進すると共に、第1支持部84は後退し、弾性部85が圧縮状態となっている。ここで、ドグ29及び第2支持部86の前進は、帯状部材20を絞り可能な位置まで送ったことによる。また、第1支持部84の後退は、帯状部材20が電線Wを締め付ける力が線状体押付部82を後退する方向に押圧し、弾性部85を圧縮させる力を上回ったことによる。第1支持部84の後退は、帯状部材20によって締め付けられた電線W束を一対の案内部51、52の間の空間内の中央に寄せるためである。このため、電線W押付部は、電線W束の径が小さい場合など、後退せずとも電線W束を中央に寄せることが可能である場合には、後退しないこともあり得る。
【0110】
この際、弾性部85として、バネ定数が可変となる空気バネ等が用いられることが好ましい。バネ定数が可変であることによって、センタリングさせたい電線Wの種類が異なる場合であっても、電線W束の外径の違い等による締め付け力の差を吸収することができる。このため、センタリングさせたい電線Wの種類が異なる場合であっても、複雑な制御を要さずに電線Wを中央に寄せやすくなる。
【0111】
第3実施形態に係るロボットハンド10Bによると、線状体の周囲で帯状部材20がギャップ部を介して対向し、収納部30よりも線状体側でギャップ部に位置するように設けられた線状体押付部82をさらに備え、帯状部材20は経路に沿った位置から線状体押付部82へ向けて絞られるため、帯状部材20によって締め付けられた線状体が収納部30又は案内部51、52と接触し傷つくことを抑制することができる。
【0112】
また、線状体押付部82が収納部30に近い接近状態と接近状態よりも収納部30から離れた離隔状態とに姿勢変更可能に形成され、帯状部材20が絞られた状態で離隔状態を取ることができるため、帯状部材20によって締め付けられた状態の線状体を一対の案内部51、52に囲まれた空間内の中央に寄せることができる。これにより、後の結束作業等を行いやすくなる。
【0113】
また、線状体押付部82が、帯状部材20が移動する力を受けて接近状態と離隔状態とに姿勢変更可能に形成されているため、線状体押付部82を姿勢変更させる駆動部を省略することができる。
【0114】
{第4実施形態}
次に、第4実施形態に係るロボットハンド10Cについて説明する。図17は、第4実施形態に係るロボットハンド10Cを示す概略正面図である。なお、本実施の形態の説明において、これまでの実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0115】
第4実施形態に係るロボットハンド10Cは、テープ巻付機構部90を備える点で、第1実施形態に係るロボットハンド10Cとは異なる。以下では、ロボットハンド10Cは、第3実施形態に係るロボットハンド10Bにテープ巻付機構部90が設けられたものとして説明する。
【0116】
テープ巻付機構部90は、粘着テープT1が巻回収容されたテープ巻回体T2を、帯状部材20によって集められた状態の電線Wの周りに回転させることで、電線W周りに粘着テープT1を巻付ける。テープ巻付機構部90は、例えば、線状体押付機構部80に対して収納部30とは反対側の側方に設けられている。もっとも、テープ巻付機構部90は、収納部30に対して線状体押付機構部80とは反対側の側方に設けられていてもよい。具体的には、テープ巻付機構部90は、回転体92と、回転支持部44と、回転駆動部96とを含む。
【0117】
回転体92には、線状体が収まる凹部92hが外周側から内周側に向かって凹む態様で形成されている。回転体92は、円板状部材の外周周りの一部から中心に向けてU字状の凹部92hを形成した構成とされている。回転体92の一方面側の外周側よりの部分には、粘着テープT1を巻回収容したテープ巻回体T2を回転可能に支持するテープ巻回体支持部92aが設けられている。
【0118】
回転支持部には、回転体92を回転可能に支持する軸受部が設けられると共に、回転体92周りの位置に、回転支持円板94b等が配設されることで、回転支持部によって回転体92が回転可能に支持されている。回転体92を回転支持部に対して回転させ、回転体92の凹部92hの位置と一対の案内部51、52の間の空間の中央とを一致させることで、回転体92の中心に電線W束を配設できるようになっている。また、この状態で、回転体92を回転させることで、回転体92の中心に電線W束を配設した状態で、その周りにテープ巻回体T2を回転させることができるようになっている。
【0119】
回転駆動部96は、上記回転体92を回転駆動可能に構成されている。ここでは、回転駆動部96は、モータ等によって構成されている。ここでは、回転体92周りに設けられた2つの回転支持円板94bが歯車によって構成されており、当該歯車が回転体92周りに形成された歯車に噛合っている。また、回転駆動部96の駆動軸に取付けられた駆動歯車96aが2つの回転支持円板94bに噛合っている。そして、回転駆動部96の回転駆動力が駆動歯車96aから2つの回転支持円板94bを介して回転体92に伝達され、これにより、回転体92が回転駆動するようになっている。この際、回転体92の凹部92hの位置に拘らず、2つの回転支持円板94bの少なくとも一方が回転体92周りに形成された歯車に噛合う。このため、回転体92を継続して360度以上回転させることができるようになっている。
【0120】
そして、帯状部材20によって集められた電線W束に、このテープ巻付機構部90によってテープ巻回体T2を電線W束周りに回転させることで、電線W束に粘着テープT1を巻付けることができる。なお、電線W束の延在方向上流側又は下流側に電線W束を把持して延在方向に移動させる機構が設けられると、粘着テープT1を電線W束に対して順次螺旋状に巻付けることができる。この際、電線W束の移動速度と、テープ巻回体T2の回転速度とを適宜調整することで、粘着テープT1を電線W束に対して密に巻くこともできるし、粗く巻くこともできる。
【0121】
なお、テープ巻付機構部90は、テープ巻付機構部移動機構等により電線Wに対して接近及び離隔移動可能に設けられているとよい。これにより、初期状態で、テープ巻付機構部90が電線Wに対して離隔した位置にあると、テープ巻付機構部90が帯状部材20による電線Wの集線作業を邪魔することを抑制することができる。この際、回転体92の凹部92hは電線W束に向けた位置に開口している。
【0122】
テープ巻付機構部移動機構としては、例えば、線状体押付部移動機構が併用されることが考えられる。この場合、第2支持部86等に回転支持部が取り付けられることで、線状体押付部82と共にテープ巻付機構部90が移動する。さらに、線状体押付部82と帯状部材20とによって電線Wがある程度まとまった状態で凹部92h内に電線Wを収容することができる。これにより、凹部92h及びテープの旋回径を小さくすることができる。
【0123】
もっとも、テープ巻付機構部移動機構としては、線状体押付部移動機構83とは別に設けられることも考えられる。この場合、テープ巻付機構部移動機構は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成され、例えば、収納部30の延在方向に沿って配設されることが考えられる。
【0124】
<動作>
次に、本ロボットハンド10Cの動作について説明する。
【0125】
まずは、第3実施形態に係るロボットハンド10Bと同様に、帯状部材20によって電線Wを集めると共に線状体押付部82によって電線Wをセンタリングする。
【0126】
この際、テープ巻付機構部90も電線W束に向けて移動する。これにより、電線W束のうち、案内部51、52から延出する部分が、テープ巻付機構部90の回転体92の中心に配設される。そして、粘着テープT1の先端部が電線W束のうち案内部51、52から延出する部分に貼付けられる。粘着テープT1の先端部の貼付けは、作業者の手によって行われてもよいし、テープ巻付機構部90が上記のように移動することで、自動的に電線W束に貼付けられてもよい。また、粘着テープT1の先端部を貼り付ける機構が別途線状体押付部82等に設けられてもよい。そして、テープ巻付機構部90がテープ巻回体T2を電線W束の周りに回転させることで、粘着テープT1が電線W束に巻付けられる。なお、巻付け回数は、電線Wの種類等によって適宜設定される。例えば、粘着テープT1を電線W束に対して2回巻付ける。この後、電線W束によっては、粘着テープT1が電線W束に対して螺旋状に巻付けられる。
【0127】
電線W束に対して粘着テープT1が巻付けられた後、電線W束とテープ巻回体T2との間で粘着テープT1が切断される。この切断は、作業者によって行われてもよいし、テープ巻付機構部90に組込まれたカッタ及びカッタ駆動部等によって自動で行われてもよい。
【0128】
これにより、電線W束に対する粘着テープT1の巻付作業が終了となり、電線W束が結束される。
【0129】
第4実施形態に係るロボットハンド10Cによると、案内部51、52に対して線状体の延在方向に沿って側方に設けられ、線状体が帯状部材20によって集められた状態で、粘着テープT1が巻回収容されたテープ巻回体T2を、線状体周りに回転させることで、線状体周りに粘着テープT1を巻付け可能に形成されたテープ巻付機構部90をさらに備えるため、同じロボットハンド10Cを用いて集線作業後にすぐに結束作業を行うことができる。
【0130】
{第5実施形態}
次に、第5実施形態に係るロボットハンド10Dについて説明する。図18は、第5実施形態に係るロボットハンド10Dを示す概略正面図である。なお、本実施の形態の説明において、これまでの実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0131】
第5実施形態に係るロボットハンド10Dは、ワークW1を把持可能な点で第1実施形態に係るロボットハンド10とは異なる。
【0132】
具体的には、ロボットハンド10Dは、一対の爪部100と、開閉機構部とを備える。
【0133】
一対の爪部100は、一対の案内部51、52のうちピンPで固定される端部とは反対側の端部に設けられている。一対の爪部100で挟むことで、ワークW1を把持可能とされる。
【0134】
開閉機構部は、一対の案内部51、52を開閉可能に設けられている。開閉機構部は、一対の爪部100の把持力を調整する部分である。開閉機構部としては、後述する第6実施形態に係るロボットハンド10Eのように、帯状部材20が移動する力を受けて案内部51、52を開閉可能に設けられていてもよい。また、開閉機構部としては、例えば、ピンP及び案内部51、52に歯車が設けられ、ピンPに設けられた歯車を駆動部により回転駆動させる構成であってもよい。
【0135】
第5実施形態に係るロボットハンド10Dによると、ワークW1を把持可能に形成されているため、当該ロボットハンド10Dを用いて集線作業以外の作業も行うことができる。このようなロボットハンド10Dは、ワークW1が射出成型品等の一定形状を有する部品である場合に特に効果的である。
【0136】
{第6実施形態}
次に、第6実施形態に係るロボットハンド10Eについて説明する。図19乃至図22は、第6実施形態に係るロボットハンド10Eを示す概略斜視図である。なお、図19は、第6実施形態に係るロボットハンド10Eの開状態を示す概略斜視図である。図20及び図21は、開状態から閉状態に移行中のロボットハンド10Eを示す概略斜視図である。図22は、第6実施形態に係るロボットハンド10Eの閉状態を示す概略斜視図である。なお、本実施の形態の説明において、これまでの実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0137】
第6実施形態に係るロボットハンド10Eは、案内部51E、52Eが、帯状部材20が移動する力を受けて開閉可能に設けられている点で第1実施形態に係るロボットハンド10とは異なる。具体的には、開状態にある一対の案内部51E、52Eが、第1移送機構部40により送り出される帯状部材20が移動する力を受けて閉状態に姿勢変更可能に形成されている。また、閉状態にある一対の案内部51E、52Eが、第1移送機構部40又は第2移送機構部60の少なくとも一方により送り戻される帯状部材20が移動する力を受けて、開状態に姿勢変更可能に形成されている。
【0138】
より具体的には、ここでは、一方の案内部51Eは収納部30と一体に設けられている。他方の案内部52Eは、一方の案内部51Eに対して回動可能に設けられている。そして、ロボットハンド10Eは、案内部開閉機構120をさらに備える。案内部開閉機構120は、案内部52Eに取り付けられた係止部材122と、案内部51Eに取り付けられた被係止部材126とを含む。
【0139】
案内部51Eは、略4分の3円弧状に形成されている。案内部51Eの周方向一端側に被係止部材126が取り付けられている。案内部51Eは、幅広部54と幅狭部55とが周方向一端側から他端側に向けて周方向に連なった形状に形成されている。そして、初期状態で、幅狭部に案内部52Eが被せられている。より詳細には、案内部51Eの内周側は、略半円弧状の幅広部54aと略4分の1円弧状の幅狭部55aとで構成されている。また、案内部51Eの外周側は、略4分の1円弧状の幅広部54bと略半円弧状の幅狭部55bとで構成されている。
【0140】
案内部52Eは、上記したように案内部51Eの幅狭部55に被せられている。案内部52Eの周方向一端側は、幅狭部55に沿って摺動可能に案内部51Eに取り付けられている。初期状態で、案内部51Eの周方向一端側と案内部52Eの周方向他端側との間には、間隔があいており、電線Wを取り込み可能な開口が形成される。また、初期状態で案内部52Eの周方向一端側は、案内部51Eの幅広部54に当接することでそれ以上他端側から一端側に向けて摺動しないようになっている。そして、案内部52Eの周方向他端側が案内部51Eの周方向他端側から上記開口を塞ぐように周方向に延出可能とされている。そして、案内部52Eの周方向他端側に設けられた係止部材122と案内部51Eの周方向一端側に設けられた被係止部材126とが係止することで、案内部52Eが延出して上記開口を塞いだ状態が維持される。
【0141】
より具体的には、案内部52Eの内周側部分52aは略4分の1円弧状に形成され、外周側部分52bは略半円弧状に形成され、案内部52Eの他端側で両者が内外方向に連なるように設けられている。この際、案内部52Eの周方向他端側には、案内部52Eの周方向端縁部から周方向に沿って周方向一端側に向けて凹む係止凹部52hが形成されている。係止凹部52hは、案内部52Eが案内部51Eの周方向一端側に向けて延出した際に、被係止部材126のうち後述する係止ピン127が挿通される部分である。
【0142】
続いて案内部開閉機構120について、図19乃至図22に加えて図23及び図24を用いて説明する。図23は、係止部材122を示す概略正面図である。図24は、図23の部分拡大図である。上述したように案内部開閉機構120は、係止部材122と被係止部材126とを含む。
【0143】
係止部材122は、案内部52Eの内周側部分52aと同程度の周長を有する略弧状に形成された部材である。係止部材122は、電線W回りで案内部52Eと一体的に回動可能に設けられている。また、係止部材122は、基端側で案内部52Eに対してピンPによって回動可能に取り付けられている。ここでは、係止部材122が案内部52Eに対して回動する軸と、案内部52Eが案内部51Eに対して回動する軸とは平行に設定されている。より具体的には、係止部材122は、本体部123と第1被押圧部124とを含むと共に、係止部材122には係止溝122hが形成されている。また、係止部材122は、第2被押圧部125をさらに含む。
【0144】
本体部123は、帯状部材20に対してC字状の上記経路よりも外周側に位置するように配設される。本体部123は、案内部52Eの内部に収められる。本体部123のうち基端側がピンPにより案内部52Eに回動可能に取り付けられている。また、本体部123のうち周方向に沿って係止溝122hより先端側の外縁部分123aは湾曲状に形成されている。
【0145】
第1被押圧部124は、本体部123の先端側(ここでは、本体部123の先端)に設けられている。第1被押圧部124は、本体部123から内周側に突出しており、初期状態で、C字状の上記経路を横切るように設けられる。これにより、第1被押圧部124は、帯状部材20が初期状態から送り出される際に帯状部材20、より詳細には、帯状部材20のガイド突起26に押圧される。第1被押圧部124が帯状部材20のガイド突起26に押圧されることで、係止部材122及び案内部52Eが案内部51Eに対して周方向に延出可能とされる。第1被押圧部124のうち被押圧面124aは、傾斜面状(ここでは、湾曲面状)に形成されている。
【0146】
なお、ここでは、第1被押圧部124は、帯状部材20の本体部22の幅と同程度の間隔を開けて対向する一対の平行平板状に形成されているがこのことは必須ではない。また、第1被押圧部124の内周側は初期状態で案内部52Eよりも内周側に突出しているがこのことは必須ではない。
【0147】
係止溝122hは、本体部123の先端側に形成されている。より詳細には、係止溝122hは、本体部123の外周側から内周側に向けて凹む態様で形成されている。また、係止溝122hの周縁のうち本体部123の先端側に位置する部分よりも基端側に位置する部分が外周側に出っ張るように形成されている。そして、係止溝122hの周縁のうち外周側に出っ張っている部分が初期状態で係止凹部52hの底側に位置するように案内部52Eに対して係止部材122が取り付けられる。
【0148】
第2被押圧部125は、一対の案内部51E、52Eが閉状態にあるときに帯状部材20が送り戻される際に帯状部材20のガイド突起26に押圧される。第2被押圧部125が帯状部材20のガイド突起26に押圧されることで、係止部材122及び案内部52Eが案内部51Eに対して初期状態に戻るように周方向に移動可能とされる。第2被押圧部125は本体部123の基端側(ここでは、本体部123の基端)に設けられている。第2被押圧部125は、本体部123から内周側に突出しており、常にC字状の上記経路を横切るように設けられる。このため、ガイド突起26は、初期状態で第2被押圧部125よりも先端側に位置するように配設され、第2被押圧部125よりも基端側には位置しない。ここでは、第2被押圧部125の先端は、本体部123の基端側から先端側に向けて折り返されたような鉤状に形成されている。また、第2被押圧部125の被押圧面125aのうち鉤状になっている先端部分までの中間部分は、傾斜面状(ここでは、湾曲面状)に形成されている。また、第2被押圧部125は、第1被押圧部124に対してガイド突起26の延在方向の寸法以上の間隔をあけて設けられる。
【0149】
被係止部材126は、係止ピン127と連結部128とを含む。係止ピン127は、円柱状に形成されている。係止ピン127は、連結部128を介して、案内部51Eの周方向一端側に取り付けられている。係止ピン127は、案内部51Eの端縁部と周方向に間隔をあけて設けられている。
【0150】
<動作>
続いて、一対の案内部51E、52Eの開閉動作について、図19乃至図24に加えて、図25乃至図30を用いて説明する。図25乃至図28は、開状態から閉状態に移行する動作を説明するための説明図である。図29及び図30は、閉状態から開状態に移行する動作を説明するための説明図である。
【0151】
まず、一対の案内部51E、52Eを開状態から閉状態に移行する動作について説明する。
【0152】
まず図19及び図23に示す初期状態(開状態)から帯状部材20を送り始める。すると、図20及び図25に示すように、帯状部材20のガイド突起26が第1被押圧部124を押圧することによって、係止部材122と案内部52Eとが案内部51Eに対して案内部51E、52E間の開口を塞ぐように摺動していく。
【0153】
そのまま、帯状部材20を送り続けると、やがて係止ピン127が係止凹部52h内に挿通され、図21及び図26に示すように、係止凹部52hの底に位置する係止溝122hの周縁のうち外周側に出っ張った部分に当接する。そのまま、帯状部材20を送り続けようとしても、係止ピン127が係止溝122hの周縁に当接しているため、係止部材122はこれ以上案内部51Eの周方向一端側に向けて摺動できない。このため、図27に示すように、第1被押圧部124のうち湾曲状に設けられた被押圧面124aが帯状部材20の先端に沿って摺動することで係止部材122は案内部52Eに対して外周側に向けて回動し始める。この際、係止溝122hの周縁が係止ピン127を覆うように係止部材122が回動する。
【0154】
そして、係止部材122が案内部52Eに対して回動し終わると、図22及び図28に示すように、第1被押圧部124が帯状部材20のガイド突起26よりも外周側に位置することによって、帯状部材20を案内部51Eより先へ送り進めることが可能になる。また、この状態で、係止ピン127が係止溝122hに収まると共に、係止溝122hの周縁のうち係止部材122の先端側に位置する周縁が係止凹部52hのうち係止ピン127よりも係止凹部52hの開口側を横切るようにして塞ぐ。これにより、係止ピン127が係止凹部52hの周縁と係止溝122hの周縁とに囲まれた状態となり、係止ピン127が抜けることが抑制される。以て、係止部材122と被係止部材126とが係止した状態、即ち一対の案内部51E、52Eがロックされた状態となる。
【0155】
次に、一対の案内部51E、52Eを閉状態から開状態に移行する動作について説明する。
【0156】
閉状態時に帯状部材20を送り戻していくと、やがて、図29に示すように帯状部材20のガイド突起26が第2被押圧部125に当接する。そのまま、帯状部材20を送り戻そうとしても、係止ピン127が係止溝122hに収まっているため、係止部材122は案内部51Eの周方向他端側に向けて摺動できない。ここで、第2被押圧部125が第1被押圧部124に対してガイド突起26の延在方向の寸法以上の間隔をあけて設けられているため、ガイド突起26が第2被押圧部125を押圧している状態で第1被押圧部124の内周側にガイド突起26が位置しない。このため、帯状部材20のガイド突起26が第2被押圧部125を押圧すると、第2被押圧部125の被押圧面125aがガイド突起26の基端に沿って摺動し、係止部材122が案内部52Eに対して内周側に向けて回動し始める。
【0157】
そして、係止部材122が案内部52Eに対して回動し終わると、図30に示すように、係止ピン127が係止溝122hから外れる。これにより係止ピン127は、係止凹部52hに沿って外方に抜けることが可能になる。以て、係止部材122と被係止部材126との係止が解除された状態、即ち、一対の案内部51E、52Eのロックが解除された状態となり、帯状部材20をさらに送り戻すことが可能になる。この際、ガイド突起26の先端部分は、第2被押圧部125の鉤状部分に収まるため、抜けにくくなっている。そして、帯状部材20を送り戻していくと、第2被押圧部125がガイド突起26に押圧されることで係止部材122及び案内部52Eが移動していき、やがて案内部52Eが案内部51Eの幅広部54に当接し、係止部材122及び案内部52Eが初期状態に戻る。
【0158】
第6実施形態に係るロボットハンド10Eによると、開状態にある一対の案内部51E、52Eが、第1移送機構部40により送り出される帯状部材20が移動する力を受けて閉状態に姿勢変更可能に形成されているため、案内部51E、52Eを閉じる作業を自動化できる。これにより、集線作業の効率性を高めることができる。この際、案内部51E、52Eを閉じるために別の駆動部を採用する必要がないため、ロボットハンド10Eを簡易化することができる。
【0159】
また、閉状態にある一対の案内部51E、52Eが、第1移送機構部40又は第2移送機構部60の少なくとも一方により送り戻される帯状部材20が移動する力を受けて開状態に姿勢変更可能に形成されているため、案内部51E、52Eを開く作業を自動化できる。これにより、集線作業の効率性を高めることができる。この際、案内部51E、52Eを開くために別の駆動部を採用する必要がないため、ロボットハンド10Eを簡易化することができる。
【0160】
{変形例}
第1実施形態において、第1移送機構部40及び第2移送機構部60が帯状部材20を送る構成として、歯車とラックとの組み合わせについて説明したが、これに限られるものではない。第1移送機構部40及び第2移送機構部60が帯状部材20を送る構成としては、例えば、互いに逆回転するように対向して配置された2つのローラーによって帯状部材20を挟み込んで送る構成であってもよい。
【0161】
また、第1実施形態において、ガイド突起26が設けられるものとして説明したが、ガイド突起26は設けられていなくてもよい。
【0162】
また、第3実施形態において、線状体押付部82が移動するものとして説明したが、線状体押付部82は、移動せずに固定された構成であってもよい。また、線状体押付部82が移動する場合であっても帯状部材20が移動する力を受けて移動することは必須ではない。線状体押付部82は、例えば、別の駆動部によって帯状部材20にかかわらず移動する構成であってもよい。
【0163】
また、第6実施形態において、帯状部材20が移動する力を受けて一対の案内部51E、52Eが開閉可能であるものとして説明したがこのことは必須ではない。一対の案内部51E、52Eは、帯状部材20が移動する力を受けて開状態から閉状態、又は閉状態から開状態のどちらか一方の姿勢変更のみが可能であってよい。
【0164】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0165】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0166】
10 ロボットハンド
20 帯状部材
22 本体部
24 ラック部
26 ガイド突起
28 空転部
30 収納部
40 第1移送機構部
42 第1歯車
50 ガイド機構部
51、52 案内部
53a 本体部用溝
53b ガイド突起用溝
60 第2移送機構部
62 第2歯車
70 送出停止部
80 線状体押付機構部
82 線状体押付部
83 線状体押付部移動機構
90 テープ巻付機構部
122 係止部材
126 被係止部材
W 線状体
T1 粘着テープ
T2 テープ巻回体
図1
図2
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