特開2016-217529(P2016-217529A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特開2016217529-無段変速装置 図000003
  • 特開2016217529-無段変速装置 図000004
  • 特開2016217529-無段変速装置 図000005
  • 特開2016217529-無段変速装置 図000006
  • 特開2016217529-無段変速装置 図000007
  • 特開2016217529-無段変速装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-217529(P2016-217529A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】無段変速装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 47/02 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   F16H47/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-106628(P2015-106628)
(22)【出願日】2015年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】日野 真和
(72)【発明者】
【氏名】松田 茂美
(72)【発明者】
【氏名】安藤 勝
(72)【発明者】
【氏名】外川 浩平
(57)【要約】
【課題】入力軸の動力と油圧ポンプの動力とを合成して出力するように構成された無段変速装置において、構造の簡素化を図る。
【解決手段】入力軸3及び油圧モータ5が回転駆動されることによって、入力軸3の動力により油圧モータ5の斜板18が回転駆動されるように構成する。入力軸3及び油圧ポンプ4が回転駆動されることによって、油圧モータ5のピストン17により油圧モータ5の斜板18が回転駆動されるように構成する。油圧ポンプ4の斜板14又は油圧モータ5の斜板18の角度を変更することにより、油圧モータ5の斜板18を入力軸3と同方向に回転駆動する正転状態と、油圧モータ5の斜板18を入力軸3の回転速度の絶対値を越えた回転速度で入力軸3と逆方向に回転駆動する逆転状態とに亘って、油圧モータ5のピストン17の作動状態を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力が伝達されて回転駆動される入力軸と、前記入力軸と一体的に回転する油圧ポンプと、前記入力軸と一体的に回転する油圧モータとを備え、
前記油圧ポンプ及び油圧モータに、作動油を吸入及び排出するピストンと、前記ピストンの作動のストロークを決める斜板とを備えて、
前記入力軸及び油圧モータが回転駆動されることによって、前記入力軸の動力が前記油圧モータのピストンにより前記油圧モータの斜板に伝達され、前記油圧モータの斜板が回転駆動されるように構成し、且つ、
前記入力軸及び油圧ポンプが回転駆動されることによって、前記油圧ポンプのピストンが作動し、前記油圧ポンプのピストンから作動油が前記油圧モータのピストンに供給されることにより、前記油圧ポンプの動力が前記油圧モータのピストンにより前記油圧モータの斜板に伝達されて前記入力軸の動力に加えられ、前記油圧モータの斜板が回転駆動されて、前記油圧モータの斜板から動力が出力されるように構成し、
前記油圧ポンプの斜板又は油圧モータの斜板を、前記油圧ポンプのピストン又は油圧モータのピストンの作動のストロークを変更するように、前記入力軸に対して角度変更自在に構成して、
前記油圧ポンプの斜板又は油圧モータの斜板の角度を変更することにより、前記油圧モータの斜板を前記入力軸と同方向に回転駆動する正転状態と、前記油圧モータの斜板を前記入力軸の回転速度の絶対値を越えた回転速度で前記入力軸と逆方向に回転駆動する逆転状態とに亘って、前記油圧モータのピストンの作動状態を変更自在に構成している無段変速装置。
【請求項2】
前記油圧ポンプの斜板を前記入力軸に対して角度変更自在に構成している請求項1に記載の無段変速装置。
【請求項3】
前記油圧ポンプ及び油圧モータの複数のピストンを、前記入力軸の周囲に配置して、前記入力軸の軸芯方向と平行に作動するように構成し、
前記油圧ポンプのピストンと前記油圧モータのピストンとを接続及び遮断する切換スプールを、前記油圧ポンプ及び油圧モータの各々のピストンに対応するように前記入力軸の周囲に放射状に備え、且つ、前記入力軸の半径方向に作動するように構成して、
前記油圧ポンプのピストンから作動油が前記切換スプールを介して前記油圧モータのピストンに供給され、前記油圧モータのピストンから作動油が前記切換スプールを介して前記油圧ポンプのピストンに戻されるように構成している請求項1又は2に記載の無段変速装置。
【請求項4】
前記切換スプールに対して前記入力軸の半径方向外側の部分に、リング状のガイド部を備えて、前記切換スプールの端部が前記ガイド部に接当するように構成し、
前記油圧ポンプ及び油圧モータに作動油を供給するチャージポンプの圧力を、前記切換スプールの前記入力軸の半径方向中心側の端部に掛けて、前記切換スプールを前記入力軸の半径方向外側に付勢し、
前記油圧ポンプ及び油圧モータが回転して前記切換スプールの端部が前記ガイド部に沿って摺動することにより、前記切換スプールが前記入力軸の半径方向に作動するように構成している請求項3に記載の無段変速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動軸等により出力される動力と、油圧ポンプ及び油圧モータの組み合わせにより出力される動力とを合成して出力するように構成された無段変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前述のような無段変速装置の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1では、回転駆動される入力軸(特許文献1の図1の2)、入力軸と一体的に回転する油圧ポンプ(特許文献1の図1の17)、入力軸と一体的に回転する油圧モータ(特許文献1の図1の18)が備えられている。
油圧ポンプ及び油圧モータは、作動油を吸入及び排出するピストン(特許文献1の図1の8,10)、及びピストンの往復作動のストロークを決める斜板(特許文献1の図1の6,12)を備えており、油圧ポンプの斜板(特許文献1の図1の6)が角度変更自在に構成されている。
【0003】
特許文献1では、以下の説明のように、動力が入力軸に伝達され、入力軸に相対回転自在に外嵌された油圧モータの斜板(特許文献1の図1の12)から、変速された動力が出力される。
入力軸及び油圧モータが回転駆動されることによって、入力軸の動力が油圧モータのピストンにより油圧モータの斜板に伝達され、油圧モータの斜板が回転駆動される。入力軸及び油圧ポンプが回転駆動されることによって、油圧ポンプのピストンが作動し、油圧ポンプのピストンから作動油が油圧モータのピストンに供給されて、油圧ポンプの動力が油圧モータのピストンにより油圧モータの斜板に伝達されて、入力軸の動力に加えられるのであり、油圧モータの斜板が回転駆動される。
【0004】
以上のように、入力軸の動力に油圧ポンプの動力が加算されて、油圧モータの斜板から動力が出力される状態となっており、油圧ポンプの斜板により油圧ポンプの動力を変速することによって、油圧モータの斜板から出力される動力が変速される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−8188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では油圧モータの斜板から正転の動力が出力されるので、特許文献1では無段変速装置を作業車に使用する為に、油圧モータの斜板の正転の動力を逆転の動力に変速する後進クラッチ(特許文献1の図2の37)が備えられている。これにより、無段変速装置を使用した全体の装置として、構造の簡素化の面で改善の余地がある。
【0007】
本発明は、入力軸の動力と油圧ポンプの動力とを合成して出力するように構成された無段変速装置において、作業車等の装置に無段変速装置を使用した場合、装置としての全体の構造の簡素化を図ることができるような無段変速装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、無段変速装置において次のように構成することにある。
動力が伝達されて回転駆動される入力軸と、前記入力軸と一体的に回転する油圧ポンプと、前記入力軸と一体的に回転する油圧モータとを備え、
前記油圧ポンプ及び油圧モータに、作動油を吸入及び排出するピストンと、前記ピストンの作動のストロークを決める斜板とを備えて、
前記入力軸及び油圧モータが回転駆動されることによって、前記入力軸の動力が前記油圧モータのピストンにより前記油圧モータの斜板に伝達され、前記油圧モータの斜板が回転駆動されるように構成し、且つ、
前記入力軸及び油圧ポンプが回転駆動されることによって、前記油圧ポンプのピストンが作動し、前記油圧ポンプのピストンから作動油が前記油圧モータのピストンに供給されることにより、前記油圧ポンプの動力が前記油圧モータのピストンにより前記油圧モータの斜板に伝達されて前記入力軸の動力に加えられ、前記油圧モータの斜板が回転駆動されて、前記油圧モータの斜板から動力が出力されるように構成し、
前記油圧ポンプの斜板又は油圧モータの斜板を、前記油圧ポンプのピストン又は油圧モータのピストンの作動のストロークを変更するように、前記入力軸に対して角度変更自在に構成して、
前記油圧ポンプの斜板又は油圧モータの斜板の角度を変更することにより、前記油圧モータの斜板を前記入力軸と同方向に回転駆動する正転状態と、前記油圧モータの斜板を前記入力軸の回転速度の絶対値を越えた回転速度で前記入力軸と逆方向に回転駆動する逆転状態とに亘って、前記油圧モータのピストンの作動状態を変更自在に構成している。
【0009】
(作用及び発明の効果)
[I]−1
本発明の第1特徴によると、入力軸及び油圧モータが回転駆動されることによって、入力軸の動力が油圧モータのピストンにより油圧モータの斜板に伝達され、油圧モータの斜板が回転駆動される機械系の伝動系が存在している。
同様に、入力軸及び油圧ポンプが回転駆動されることによって、油圧ポンプのピストンが作動し、油圧ポンプのピストンから作動油が油圧モータのピストンに供給されることにより、油圧ポンプの動力が油圧モータのピストンにより油圧モータの斜板に伝達される油圧系の伝動系が存在している。
これにより、機械系の伝動系と、油圧系の伝動系とが、直列に接続された状態となっている。
【0010】
[I]−2
本発明の第1特徴によると、機械系の伝動系が一定方向の動力(正転)であるのに対して、油圧系の伝動系では、油圧ポンプ又は油圧モータの斜板の角度を変更することによって、油圧系の伝動系を正転状態及び逆転状態に変速することができる。
これにより、油圧系の伝動系を正転状態で増速するように変速すると、機械系の伝動系に油圧系の伝動系が加算される状態となって、油圧モータの斜板から出力される動力は正転状態で増速される状態となる。
【0011】
[I]−3
本発明の第1特徴によれば、油圧系の伝動系を速度「0」の状態とすると、機械系の伝動系のみが油圧モータの斜板から出力される。
次に、油圧系の伝動系を速度「0」から逆転状態に変速していくと、機械系の伝動系から油圧系の伝動系が減算される状態となって、油圧モータの斜板から出力される動力は正転状態で減速される状態となる。
【0012】
[I]−4
前項[I]−3に記載の状態において、油圧系の伝動系をさらに逆転状態に変速していき、機械系の伝動系の速度(絶対値)と、油圧系の伝動系の速度(絶対値)とが同じになると、油圧モータの斜板から出力される動力は速度「0」の状態となる。
次に前述の状態から油圧系の伝動系を逆転状態に変速していくと、機械系の伝動系の速度(絶対値)よりも、油圧系の伝動系の速度(絶対値)が大きくなるので、油圧モータの斜板から出力される動力は逆転状態となるのであり、さらに油圧系の伝動系を逆転状態に変速すると、油圧モータの斜板から出力される動力は逆転状態で増速される状態となる。
【0013】
[I]−5
以上のように、本発明の第1特徴によると、油圧ポンプ又は油圧モータの斜板の角度を変更することにより、油圧モータの斜板から出力される動力を正転状態及び逆転状態で変速することができるので、作業車等の装置に無段変速装置を使用した場合、特許文献1のように無段変速装置とは別に後進クラッチを備える必要がなく、構造の簡素化の面で有利なものとなる。
【0014】
本発明の第1特徴によると、機械系の伝動系に油圧系の伝動系が加算されて正転状態が得られ、機械系の伝動系から油圧系の伝動系が減算されて逆転状態が得られることによって、正転状態の最高速よりも逆転状態の最高速が小さいものとなる。
作業車では一般に高速で後進するような状態は生じないので、正転状態を前進とし、逆転状態を後進とすることにより、作業車に適した無段変速装置を得ることができる。
【0015】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の無段変速装置において次のように構成することにある。
前記油圧ポンプの斜板を前記入力軸に対して角度変更自在に構成している。
【0016】
(作用及び発明の効果)
油圧ポンプにおいて、油圧ポンプのピストンが入力軸と一体的に回転するのであり、油圧ポンプの斜板は入力軸と一緒に回転しなくてもよい。
本発明の第2特徴によると、油圧ポンプの斜板を入力軸に対して角度変更自在に構成しているので、油圧ポンプの斜板が入力軸と一緒に回転しなくてもよいことにより、油圧ポンプの斜板の角度変更の構造を簡素に構成することができる。
【0017】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の無段変速装置において次のように構成することにある。
前記油圧ポンプ及び油圧モータの複数のピストンを、前記入力軸の周囲に配置して、前記入力軸の軸芯方向と平行に作動するように構成し、
前記油圧ポンプのピストンと前記油圧モータのピストンとを接続及び遮断する切換スプールを、前記油圧ポンプ及び油圧モータの各々のピストンに対応するように前記入力軸の周囲に放射状に備え、且つ、前記入力軸の半径方向に作動するように構成して、
前記油圧ポンプのピストンから作動油が前記切換スプールを介して前記油圧モータのピストンに供給され、前記油圧モータのピストンから作動油が前記切換スプールを介して前記油圧ポンプのピストンに戻されるように構成している。
【0018】
(作用及び発明の効果)
無段変速装置において、油圧ポンプのピストンと油圧モータのピストンとを接続する場合、油圧ポンプのピストンと油圧モータのピストンとを接続及び遮断する切換スプールを備える必要がある。
【0019】
本発明の第3特徴によると、油圧ポンプ及び油圧モータの各々のピストンに対応するように、切換スプールが入力軸の周囲に放射状に備えられて、入力軸の半径方向に作動するように構成されており、油圧ポンプのピストンの配置に沿うように切換スプールを配置することができる。
これにより、入力軸に沿った方向において油圧ポンプ及び油圧モータの長さを抑えて、無段変速装置をコンパクトに構成することができる。
【0020】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の無段変速装置において次のように構成することにある。
前記切換スプールに対して前記入力軸の半径方向外側の部分に、リング状のガイド部を備えて、前記切換スプールの端部が前記ガイド部に接当するように構成し、
前記油圧ポンプ及び油圧モータに作動油を供給するチャージポンプの圧力を、前記切換スプールの前記入力軸の半径方向中心側の端部に掛けて、前記切換スプールを前記入力軸の半径方向外側に付勢し、
前記油圧ポンプ及び油圧モータが回転して前記切換スプールの端部が前記ガイド部に沿って摺動することにより、前記切換スプールが前記入力軸の半径方向に作動するように構成している。
【0021】
(作用及び発明の効果)
前項[III]に記載のように切換スプールを備えた場合、切換スプールの操作構造として、本発明の第4特徴では、リング状のガイド部及びチャージポンプの圧力を利用している。これにより、チャージポンプの圧力により切換スプールがガイド部に付勢された状態で、油圧ポンプ及び油圧モータの回転により、切換スプールがガイド部に沿って摺動する状態となって、切換スプールがガイド部により操作される。
この場合、チャージポンプの圧力という略一定の圧力が切換スプールに掛かる状態となるので、切換スプールがガイド部に沿って安定して摺動するようになる。
【0022】
本発明の第4特徴によると、油圧ポンプ及び油圧モータを備えた場合に必須のものと言ってよいチャージポンプの圧力を利用することにより、切換スプールの操作構造の簡素化を図ることができる。
本発明の第4特徴によると、切換スプールが放射状に配置されていることによって(前項[III]参照)、切換スプールの入力軸の半径方向中心側という狭い領域にチャージポンプの圧力を掛けることにより、全ての切換スプールにチャージポンプの圧力を掛けてガイド部に付勢することができるので、切換スプールの操作構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】油圧ポンプの斜板を中立位置に操作している状態での無段変速装置の縦断側面図である。
図2】油圧ポンプの斜板を正転側の最大角度に操作している状態での無段変速装置の縦断側面図である。
図3】油圧ポンプの斜板を停止角度に操作している状態での無段変速装置の縦断側面図である。
図4】油圧ポンプの斜板を逆転側の最大角度に操作している状態での無段変速装置の縦断側面図である。
図5】無段変速装置における切換スプールの付近の縦断正面図である。
図6】油圧ポンプの斜板の角度と出力ケース(油圧モータの斜板)の回転速度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[1]
無段変速装置の全体構造について説明する。
図1に示すように、固定のケーシング1,2が備えられて、入力軸3がベアリング(図示せず)によりケーシング1,2に回転自在に支持されており、入力軸3と一体的に回転する油圧ポンプ4、及び、入力軸3と一体的に回転する油圧モータ5が、入力軸3に支持されている。
【0025】
図1に示すように、入力軸3及び油圧モータ5の外側に、出力ケース6がベアリング7,8及びスラストベアリング9により回転自在に支持されており、出力ケース6に出力ギヤ6aが連結されている。
【0026】
以上の構造により、図1に示すように、入力軸3に動力が伝達され入力軸3が回転駆動されて、入力軸3の動力に油圧ポンプ4の動力が加算(減算)されるのであり、入力軸3の動力に油圧ポンプ4の動力が加算(減算)された動力が、出力ケース6の出力ギヤ6aから出力される(後述する[6]〜[9]参照)。
【0027】
[2]
次に、油圧ポンプ4の構造について説明する。
図1に示すように、円筒状のシリンダブロック10が入力軸3の外側に備えられて、シリンダブロック10が入力軸3のスプライン部3aに取り付けられており、シリンダブロック10が入力軸3と一体的に回転する。
【0028】
図1に示すように、シリンダブロック10において、複数のシリンダ11及びピストン12が、入力軸3の周囲に位置するように配置され、入力軸3の軸芯方向と平行に配置されており、ピストン12が入力軸3の軸芯方向と平行に作動する状態となっている。
【0029】
図1に示すように、スラストベアリング型式の斜板14が、ガイド部材13を介してケーシング1に支持されて、ガイド部材13に沿って入力軸3に対して角度変更自在に構成されており、ケーシング1の外部に備えられた操作機構(図示せず)により、斜板14の角度を変更することができる。この場合、斜板14は入力軸3と一体的に回転するものではなく、ケーシング1に固定された状態となっている。
シリンダ11にバネ15が備えられ、バネ15によりピストン12が突出側に付勢されて、ピストン12が斜板14に接当しており、斜板14によってピストン12の作動のストロークが決められる。
【0030】
これにより、入力軸3及び油圧ポンプ4(シリンダブロック10)が回転駆動されることによって、ピストン12が入力軸3の周囲を斜板14に沿って移動しながら入力軸3の軸芯方向と平行に作動して、シリンダ11及びピストン12から作動油が油圧モータ5に供給されるのであり、斜板14によってピストン12の作動のストロークが決まる。
以上のように、シリンダブロック10、シリンダ11及びピストン12、斜板14、バネ15等により、アキシャルピストン型式の油圧ポンプ4が構成されている。
【0031】
[3]
次に、油圧モータ5の構造について説明する。
図1に示すように、シリンダブロック10において、複数のシリンダ16及びピストン17が、入力軸3の周囲に位置するように配置され、入力軸3の軸芯方向と平行に配置されており(油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12とは逆向き)、ピストン17が入力軸3の軸芯方向と平行に作動する状態となっている。
【0032】
図1に示すように、スラストベアリング型式の斜板18が、出力ケース6に支持されている。斜板18は、出力ケース6と一体的に回転するものであり、入力軸3及び出力ケース6に対して角度が固定された状態となっている。シリンダ16にバネ19が備えられ、バネ19によりピストン17が突出側に付勢されて、ピストン17が斜板18に接当しており、斜板18によってピストン17の作動のストロークが決められる。
【0033】
これにより、入力軸3及び油圧ポンプ4(シリンダブロック10)が回転駆動されることによって、前項[2]に記載のように、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12から作動油が油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に供給されて、油圧モータ5のピストン17が斜板18に沿って移動するのであり、斜板18によって油圧モータ5のピストン17の作動のストロークが決まる。
以上のように、シリンダブロック10、シリンダ16及びピストン17、斜板18、バネ19等により、アキシャルピストン型式の油圧モータ5が構成されている。
【0034】
[4]
次に、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12と油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17とを油圧系によって接続する構造について説明する。
図1及び図5に示すように、シリンダブロック10において、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12と油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17との間の部分の外面に、リング状の溝部がシリンダブロック10の全周に亘って形成されており、シリンダブロック10の外面に円筒部材20が取り付けられている。
これにより、シリンダブロック19の溝部と円筒部材20との間で、シリンダブロック10の外面の全周に亘り円筒状(リング状)の高圧油路21が形成されており、ケーシング1と円筒部材20との間に、ベアリング24が備えられている。
【0035】
図1及び図5に示すように、シリンダブロック10において、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12と油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17との間の部分の内面に、リング状の溝部がシリンダブロック10の全周に亘って形成されており、シリンダブロック10の内面に円筒部材23が取り付けられている。これにより、シリンダブロック19の溝部と円筒部材23との間で、シリンダブロック10の内面の全周に亘り円筒状(リング状)の低圧油路22が形成されている。
【0036】
図1及び図5に示すように、高圧及び低圧油路21,22における油圧ポンプ4側の部分において、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12に対向する位置に、複数の孔部が入力軸3の周囲に放射状に配置されるように開口されており、孔部の各々は高圧及び低圧油路21,22、円筒部材20,23に亘って貫通している。
前述の孔部に切換スプール25が作動自在(入力軸3の半径方向に作動自在)に備えられており、油圧ポンプ4のシリンダ11の各々と、切換スプール25の各々とに亘って油路26が接続されている。
【0037】
図1及び図5に示すように、高圧及び低圧油路21,22における油圧モータ5側の部分において、油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に対向する位置に、複数の孔部が入力軸3の周囲に放射状に配置されるように開口されており、孔部の各々は高圧及び低圧油路21,22、円筒部材20,23に亘って貫通している。
前述の孔部に切換スプール27が作動自在(入力軸3の半径方向に作動自在)に備えられており、油圧モータ5のシリンダ16の各々と、切換スプール27の各々とに亘って油路28が接続されている。
【0038】
入力軸3により駆動されるチャージポンプ(図示せず)が備えられている。図1及び図5に示すように、チャージポンプの作動油が、入力軸3の内部の油路3bから、シリンダブロック10及び円筒部材23の油路30,31を介して、高圧及び低圧油路21,22に供給されており、高圧及び低圧油路21,22から切換スプール25,27及び油路26,28を介して、油圧ポンプ4及び油圧モータ5のシリンダ11,16に供給される。
【0039】
図1及び図5に示すように、入力軸3の外面と円筒部材23の内面とに間に円筒状(リング状)の空間32が形成されており、切換スプール25,27の内側の端部(入力軸3の半径方向中心側の端部)が、空間32に面している。チャージポンプの作動油が入力軸3の内部の油路3cから空間32に供給されて、チャージポンプの作動油の圧力が切換スプール25,27の内側の端部(入力軸3の半径方向中心側の端部)に掛かっており、チャージポンプの作動油の圧力により切換スプール25,27が外側(入力軸3の半径方向外側)に付勢されている。
【0040】
[5]
次に、切換スプール25,27の作動について説明する。
図1及び図5に示すように、ケーシング1の内面に、リング状のガイド部33が、入力軸3に対して偏芯した状態で固定されており、切換スプール25の外側の端部(入力軸3の半径方向外側の端部)がガイド部33に接当している。
出力ケース6の内面に、リング状のガイド部34が、入力軸3に対して偏芯した状態で固定されており、切換スプール27の外側の端部(入力軸3の半径方向外側の端部)がガイド部34に接当している。
【0041】
以上の構造によって、図1及び図5に示すように、入力軸3、油圧ポンプ4及び油圧モータ5(シリンダブロック10)がケーシング1に対して回転すると(油圧ポンプ4及び油圧モータ5(シリンダブロック10)と出力ケース6との間に回転速度差が発生すると)、切換スプール35,27の外側の端部がガイド部33,34に沿って摺動する状態となる。
【0042】
これにより、図1及び図5に示すように、切換スプール35,27の外側の端部がガイド部33,34に沿って摺動すること、並びに、チャージポンプの作動油の圧力により切換スプール25,27が外側(入力軸3の半径方向外側)の付勢されていることにより、切換スプール25,27が入力軸3の半径方向に作動する。
【0043】
図1及び図5に示すように、切換スプール25,27が入力軸3の半径方向に作動することによって、切換スプール25により、高圧油路21と油路26とが接続された状態(切換スプール25が図1に示す位置から入力軸3の半径方向外側に作動した状態)、並びに、低圧油路22と油路26とが接続された状態(切換スプール25が図1に示す位置から入力軸3の半径方向中心側に作動した状態)が、交互に切り換えられる。
【0044】
同様に図1及び図5に示すように、切換スプール27により、高圧油路21と油路28とが接続された状態(切換スプール27が図1に示す位置から入力軸3の半径方向外側に作動した状態)、並びに、低圧油路22と油路28とが接続された状態(切換スプール27が図1に示す位置から入力軸3の半径方向中心側に作動した状態)が、交互に切り換えられる。
【0045】
図1及び図5に示すように、切換スプール25,27を放射状に配置する場合、隣接する切換スプール25,27の間の角度(ピッチ)θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6,θ7が同じ値ではなく、互いに数度ずつ異なる値に設定されている。
これにより、入力軸3、油圧ポンプ4及び油圧モータ5(シリンダブロック10)が回転することにより(切換スプール25,27が作動することにより)発生する高周波騒音において、高周波騒音の位相を分散させることができて(共鳴を抑えることができて)、高周波騒音を抑えることができる。
【0046】
[6]
次に、無段変速装置の作動状態について説明する(油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nに操作した状態)。
図1に示すように、入力軸3及び油圧モータ5が回転駆動されることによって、入力軸3の動力が油圧モータ5のピストン17により出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)に伝達され、出力ケ−ス6(油圧モータ5の斜板18)が回転駆動される機械系の伝動系(入力軸3の動力)が存在している。
【0047】
同様に図1に示すように、入力軸3及び油圧ポンプ4が回転駆動されることによって、油圧ポンプ4のピストン12が作動し、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12から作動油が油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に供給されることにより、油圧ポンプ4の動力が油圧モータ5のピストン17により出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)に伝達される油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)が存在している。
これにより、機械系の伝動系(入力軸3の動力)と、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)とが、直列に接続された状態となっている。
【0048】
図1に示すように、機械系の伝動系(入力軸3の動力)が一定方向の動力(正転)であるのに対して、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)では、油圧ポンプ4の斜板14の角度を変更することにより、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)を正転状態及び逆転状態に変速することができる。
【0049】
図1及び図6の中立位置Nに示す状態は、油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nに操作している状態であり、入力軸3に対して油圧ポンプ4の斜板14が直交する状態である。
この状態において、油圧ポンプ4のピストン12は作動せず(油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12から、作動油が油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に供給されず)、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)が速度「0」の状態となって、機械系の伝動系(入力軸3の動力)のみが出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される(図6において、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)の回転速度V1の状態)。
【0050】
前述のように、入力軸3、油圧ポンプ4及び油圧モータ5が回転駆動されると、前項[4]に記載のように、切換スプール25,27が入力軸3の半径方向に作動して、切換スプール25により、高圧油路21と油路26とが接続された状態、及び、低圧油路22と油路26とが接続された状態が交互に切り換えられる。
同様に切換スプール27により、高圧油路21と油路28とが接続された状態、及び、低圧油路22と油路28とが接続された状態が交互に切り換えられる。
【0051】
しかしながら油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nに操作している状態において、油圧ポンプ4のピストン12は作動しないので(油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12から、作動油が油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に供給されないので)、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)が速度「0」の状態となって、機械系の伝動系(入力軸3の動力)のみが出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される(図6において、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)の回転速度V1の状態)。
【0052】
[7]
次に、無段変速装置の作動状態について説明する(油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから正転側に操作した状態)。
図1から図2に示すように、油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから正転側に操作すると、入力軸3及び油圧ポンプ4が回転駆動されることによって、油圧ポンプ4のピストン12が作動する。
【0053】
これにより、図2及び図5に示すように、油圧ポンプ4のピストン12が退入するタイミングで、切換スプール25により高圧油路21と油路26とが接続された状態となり、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12から作動油が高圧油路21に供給される。
切換スプール27により高圧油路21と油路28とが接続された状態となると、この切換スプール27に対応する油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に、高圧油路21から作動油が供給されて、油圧モータ5のピストン17が突出する。
【0054】
図2及び図5に示すように、油圧モータ5のピストン17が退入するタイミングで、切換スプール27により低圧油路22と油路28とが接続された状態となって、油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17から作動油が低圧油路22に供給される。
切換スプール25により低圧油路22と油路26とが接続された状態となると、この切換スプール25に対応する油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12に、低圧油路22から作動油が供給されて、油圧ポンプ4のピストン12が突出する。
【0055】
以上のようにして、図2及び図6に示すように、油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから正転側に操作していくと、入力軸3及び油圧ポンプ4が回転駆動されることにより、油圧ポンプ4のピストン12が作動し、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12から作動油が油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に供給されることにより、油圧ポンプ4の動力が油圧モータ5のピストン17により出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)に伝達される。
【0056】
これにより、図2及び図6に示すように、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)が正転状態で増速されるように変速されて、機械系の伝動系(入力軸3の動力)に油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)が加算される状態となって、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される動力は正転状態で増速される状態となる。
図2に示す状態は、油圧ポンプ4の斜板14を正転側の最大角度AFに操作した状態であり、図6において出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)の正転側の最高回転速度VFの状態である。
【0057】
[8]
次に、無段変速装置の作動状態について説明する(油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから逆転側に操作した状態)。
図1から図3に示すように、油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから逆転側に操作すると、入力軸3及び油圧ポンプ4が回転駆動されることによって、油圧ポンプ4のピストン12が作動するのであり、前項[7]に記載のように切換スプール25,27が作動して、油圧ポンプ4のシリンダ11及びピストン12から作動油が油圧モータ5のシリンダ16及びピストン17に供給されることにより、油圧ポンプ4の動力が油圧モータ5のピストン17により出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)に伝達される。
【0058】
この場合、油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから逆転側に操作するので、機械系の伝動系(入力軸3の動力)が一定方向の動力(正転)であるのに対して、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)は逆転状態となる。
これにより、図3及び図6に示すように、油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから逆転側に操作していくと、機械系の伝動系(入力軸3の動力)から油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)が減算される状態となって、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される動力は正転状態で減速される状態となる。
【0059】
図3及び図6に示すように、油圧ポンプ4の斜板14を中立位置Nから逆転側に操作して停止角度A0に操作すると、機械系の伝動系(入力軸3の動力)の速度(絶対値)と、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)の速度(絶対値)とが同じになって、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される動力は速度「0」の状態となる。
このように、油圧ポンプ4の斜板14を停止角度A0に操作した状態が、無段変速装置の停止状態となる。
【0060】
[9]
次に、無段変速装置の作動状態について説明する(油圧ポンプ4の斜板14を停止角度A0から逆転側に操作した状態)。
図3,4,6に示すように、油圧ポンプ4の斜板14を停止角度A0から逆転側に操作すると、機械系の伝動系(入力軸3の動力)の速度(絶対値)よりも、油圧系の伝動系(油圧ポンプ4の動力)の速度(絶対値)が大きくなるので、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される動力は逆転状態となるのであり、さらに油圧ポンプ4の斜板14を停止角度A0から逆転側に操作すると、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される動力は逆転状態で増速される状態となる。
【0061】
図4に示す状態は、油圧ポンプ4の斜板14を逆転側の最大角度ARに操作した状態であり、図6において出力ケース6の逆転側の最高回転速度VRの状態である。
図3及び図6に示すように、油圧ポンプ4の斜板14の停止角度A0が中立位置Nから逆転側に寄った位置にあるので、出力ケース6の正転側の最高回転速度VFに比べて、出力ケース6の逆転側の最高回転速度VRが低速になる。
【0062】
図2及び図4に示すように、油圧ポンプ4の斜板14の逆転側の最大角度ARが、油圧ポンプ4の斜板14の正転側の最大角度AFよりも大きくなるように構成している(逆転状態での油圧ポンプ4の容量が正転状態の油圧モータ5の容量よりも大きくなる状態)。
これにより、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)から出力される動力が逆転状態となる状態が確実に得られるのであり、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)の正転側の最高回転速度VFと、出力ケース6(油圧モータ5の斜板18)の逆転側の最高回転速度VRとの間に、あまり大きな速度差が生じないようにすることができる。
【0063】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための形態]において、油圧モータ6の斜板18を入力軸3に対して角度変更自在に構成し、油圧ポンプ4の斜板14を入力軸3に対して角度が固定された状態に構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態]において、油圧ポンプ4の斜板14及び油圧モータ6の斜板18の両方を、入力軸3に対して角度変更自在に構成してもよい。
【0064】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、隣接する切換スプール25の間の角度(ピッチ)θ1〜θ7を互いに異なる値に設定して、隣接する切換スプール27の間の角度(ピッチ)θ1〜θ7を互いに異なる値に設定し、これに加えて、隣接する切換スプール25の間の角度(ピッチ)θ1〜θ7と、隣接する切換スプール27の間の角度(ピッチ)θ1〜θ7とを互い異なる値に設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、伝動軸等により出力される動力と、油圧ポンプ及び油圧モータの組み合わせにより出力される動力とを、合成して出力するように構成された無段変速装置に適用できるものであり、本発明の無段変速装置は農業機械や建設機械等の乗用型作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0066】
3 入力軸
4 油圧ポンプ
5 油圧モータ
12 油圧ポンプのピストン
14 油圧ポンプの斜板
17 油圧モータのピストン
18 油圧モータの斜板
25,27 切換スプール
33,34 ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6