特開2016-217577(P2016-217577A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-217577(P2016-217577A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】収容庫及び収容庫冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 16/00 20060101AFI20161125BHJP
   F25D 3/00 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   F25D16/00
   F25D3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-100874(P2015-100874)
(22)【出願日】2015年5月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】守山 亨
【テーマコード(参考)】
3L044
3L045
【Fターム(参考)】
3L044AA01
3L044AA04
3L044BA02
3L044CA11
3L044DC04
3L044DD07
3L044FA03
3L044HA01
3L044JA01
3L044KA02
3L044KA03
3L044KA04
3L044KA05
3L045AA02
3L045AA04
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA02
3L045KA16
3L045LA09
3L045LA13
3L045MA01
3L045NA03
3L045NA25
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L045PA05
(57)【要約】
【課題】蓄冷材を冷却する時間の短縮化を図ること。
【解決手段】可搬で収納空間となる収納室11が前面扉20により開閉可能なものであって、自身を構成する導出カプラ3bが冷凍機を備えた冷却装置40の吸引カプラ3cと連結されることで該冷却装置40と接続される場合に冷凍機から供給された冷媒により自身に設けられた蓄冷材22を冷却し、かつ冷却装置40と離脱させた後も収納室11を蓄冷材22により保冷させる収容庫1において、導出カプラ3bに対して、駆動することにより空気を送風するファンFを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬で収納空間が開閉扉により開閉可能なものであって、自身を構成する第1連結部が冷凍機を備えた冷却装置の第2連結部と連結されることで該冷却装置と接続される場合に前記冷凍機から供給された冷媒により自身に設けられた蓄冷材を冷却し、かつ前記冷却装置と離脱させた後も前記収納空間を前記蓄冷材により保冷させる収容庫において、
前記第1連結部に対して、駆動することにより空気を送風する送風手段を備えたことを特徴とする収容庫。
【請求項2】
前記第1連結部の近傍に配設され、かつ前記蓄冷材の冷却に用いられた冷媒の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段により検知された検知温度が予め決められた閾値未満となる場合に前記送風手段を駆動させる一方、前記検知温度が前記閾値以上となる場合に前記送風手段の駆動を停止させる制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の収容庫。
【請求項3】
前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の収容庫。
【請求項4】
上記請求項3に記載の収容庫と、前記冷却装置とを備えた収容庫冷却システムであって、
前記第1連結部の近傍に配設され、かつ前記蓄冷材の冷却に用いられた冷媒の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段により検知された検知温度が予め決められた閾値未満となる場合に前記送風手段及び前記加熱手段を駆動させる一方、前記検知温度が前記閾値以上となる場合に前記送風手段及び前記加熱手段の駆動を停止させる制御手段と
を備えたことを特徴とする収容庫冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容庫及び収容庫冷却システムに関し、より詳細には、例えば生鮮食品等の輸送等に用いられる収容庫及び収容庫冷却システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば生鮮食品等の輸送等に用いられる収容庫として、収容庫本体、蓄冷材及び冷却器を備えたものが知られている。
【0003】
収容庫本体は、前面に開口が形成された直方状の断熱構造を有し、下部に配設されたキャスタにより移動可能なものである。この収容庫本体には、上記開口を開閉する断熱扉が設けられている。蓄冷材は、例えば平板状を成し、内部に蓄冷剤が収納されて構成されている。この蓄冷材は、収容庫本体の内部に配設されている。冷却器は、蓄冷材と熱的に接続した状態で配設されている。この冷却器には冷媒流路が設けられている。
【0004】
上記収容庫は、圧縮機等の冷凍機を内蔵する冷却装置と互いの連結部を連結させることで冷媒の循環が可能な態様で接続される場合、冷凍機から供給される冷媒を冷却器で蒸発させて蓄冷材を冷却することにより、その後に冷却装置との接続状態が解除された場合でも、蓄冷材に蓄えられた熱を利用して収容庫本体の内部空気を保冷することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−137158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述した収容庫では、冷却装置と互いの連結部を連結させて接続して蓄冷材を冷却する場合に、連結部同士が通過する冷媒により凍結してしまうことがあった。このように連結部同士が凍結してしまうと、蓄冷材の冷却が終了した後に収容庫を冷却装置からすぐに離脱させることが困難となって連結部同士の凍結部分を解凍させる必要があり、結果的に、蓄冷材を冷却する時間の長大化を招来していた。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、蓄冷材を冷却する時間の短縮化を図ることができる収容庫及び収容庫冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る収容庫は、可搬で収納空間が開閉扉により開閉可能なものであって、自身を構成する第1連結部が冷凍機を備えた冷却装置の第2連結部と連結されることで該冷却装置と接続される場合に前記冷凍機から供給された冷媒により自身に設けられた蓄冷材を冷却し、かつ前記冷却装置と離脱させた後も前記収納空間を前記蓄冷材により保冷させる収容庫において、前記第1連結部に対して、駆動することにより空気を送風する送風手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記収容庫において、前記第1連結部の近傍に配設され、かつ前記蓄冷材の冷却に用いられた冷媒の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により検知された検知温度が予め決められた閾値未満となる場合に前記送風手段を駆動させる一方、前記検知温度が前記閾値以上となる場合に前記送風手段の駆動を停止させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記収容庫において、前記送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る収容庫冷却システムは、上記収容庫と、前記冷却装置とを備えた収容庫冷却システムであって、前記第1連結部の近傍に配設され、かつ前記蓄冷材の冷却に用いられた冷媒の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により検知された検知温度が予め決められた閾値未満となる場合に前記送風手段及び前記加熱手段を駆動させる一方、前記検知温度が前記閾値以上となる場合に前記送風手段及び前記加熱手段の駆動を停止させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、送風手段が、駆動することにより第1連結部に対して空気を送風するので、蓄冷材の冷却に用いられた低圧の冷媒が通過することで第1連結部と第2連結部とが凍結してしまうことを回避することができる。これにより、蓄冷材の冷却が終了した後に、第1連結部と第2連結部とを解凍させる時間を必要としないで第1連結部を第2連結部から容易に離脱させることができ、結果的に、蓄冷材を冷却する時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態である収容庫冷却システムの構成を模式的に示す説明図である。
図2図2は、本発明の実施の形態である収容庫冷却システムの回路構成を示す説明図である。
図3図3は、図1に示した収容庫の本体キャビネットの接合部を示す斜視図である。
図4図4は、本発明の実施の形態である収容庫の制御系を模式的に示すブロック図である。
図5図5は、図4に示した制御部が実施する凍結防止制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る収容庫及び収容庫冷却システムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である収容庫冷却システムを模式的に示すものであり、図1は収容庫冷却システムの構成を示す説明図であり、図2は回路構成を示す説明図である。ここで例示する収容庫冷却システムは、収容庫1と冷却装置40とを備えて構成されている。
【0016】
収容庫1は、内部に収容された商品を所望の温度に冷却した状態に保持するためのもので、本体キャビネット10と、前面扉(開閉扉)20とを備えて構成されている。
【0017】
本体キャビネット10は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)10aが形成された直方体状の断熱筐体であり、内部に収納空間である収納室11が形成されている。また、本体キャビネット10の下部には、キャスタ12が配設されており、これにより本体キャビネット10は移動可能(可搬可能)なものである。
【0018】
前面扉20は、本体キャビネット10の前面開口10aを覆うのに十分な大きさを有している。この前面扉20は、図示せぬヒンジ機構を介して本体キャビネット10に取り付けられており、開閉移動することで収納室11を開閉させるものである。また、前面扉20は、内部に断熱材が配設されることで断熱構造を有している。
【0019】
このような構成を有する収容庫1は、上記構成の他、冷却器21、蓄冷材22及び膨張機構23を備えている。冷却器21は、冷媒を通過させるための冷媒経路(図示せず)が蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。蓄冷材22は、例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。この蓄冷材22は、冷却器21に熱的に接続されているとともに、収納室11を形成する内壁面の裏面側に密着配置されている。尚、蓄冷材22は、収納室11の内部に配設されていても良いし、上述したように内壁面の裏面側に配設されるように本体キャビネット10の各壁部の内部に配設されていても良い。
【0020】
膨張機構23は、例えば温度膨張弁や電子膨張弁等により構成されるもので、入口側に接続された冷媒管路2aを通じて供給された冷媒を断熱膨張させて低温低圧の冷媒とするものである。かかる冷媒管路2aの端部には、導入カプラ3aが接続されている。上記膨張機構23の出口側に接続された冷媒管路2bは、冷却器21の入口側に接続されている。この冷却器21の出口側に接続された冷媒管路2cの端部には、導出カプラ(第1連結部)3bが接続されている。
【0021】
これら導入カプラ3a及び導出カプラ3bは、図3に示すように、本体キャビネット10の背面部に窪むようにして形成された接合部13において一部が露出する態様で設けられている。この接合部13においては、導出カプラ3bの側方域にファンF及びヒータHが設けられている。
【0022】
ファンFは、後述する制御部30から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合には導出カプラ3bに対して空気を送風する送風手段である。
【0023】
ヒータHは、導出カプラ3bとファンFとの間に設けられている。このヒータHは、制御部30から与えられる指令に応じて駆動して通電状態となるものであり、通電状態となる場合にはファンFにより送風される空気、すなわち導出カプラ3bに向けて送風される空気を加熱する加熱手段である。
【0024】
冷却装置40は、箱状の装置本体40aを備えている。かかる装置本体40aの内部には、冷凍機を構成する圧縮機41及び放熱器42が配設されている。圧縮機41は、入口側に接続された冷媒管路2dを通じて冷媒を吸引して圧縮することにより高温高圧の冷媒にするものである。この圧縮機41の入口側に接続された冷媒管路2dの端部には、吸引カプラ(第2連結部)3cが接続されている一方、その途中にアキュムレータ43が配設されている。アキュムレータ43は、該冷媒管路2dを通過する冷媒が気液混合冷媒である場合に、液相冷媒を貯留して気相冷媒を通過させる気液分離手段である。
【0025】
放熱器42は、入口側が冷媒管路2eを通じて圧縮機41の出口側に接続されており、圧縮機41で圧縮された冷媒を導入して周囲空気と熱交換させて放熱させるものである。そして、放熱器42は、放熱させた冷媒を該放熱器42の出口側に接続された冷媒管路2fを通じて送出するものである。この放熱器42の出口側に接続された冷媒管路2fは、その途中に出口バルブ44が配設されるとともに、その端部に供給カプラ3dが接続されている。出口バルブ44は、後述する冷却制御部50から与えられる指令により開閉する弁体であり、開成する場合には、該冷媒管路2fを冷媒が通過することを許容する一方、閉成する場合には、該冷媒管路2fを冷媒が通過することを規制するものである。
【0026】
このような構成の収容庫1と冷却装置40とは、導入カプラ3aと供給カプラ3dとが連結され、かつ導出カプラ3bと吸引カプラ3cとが連結されることにより、冷媒が循環する冷媒回路を形成するものである。
【0027】
図4は、図1に示した収容庫1の制御系を模式的に示すブロック図である。この図4に示すように、収容庫1は、温度センサS及び制御部30を備えている。温度センサSは、導出カプラ3bの近傍であって、かつ該導出カプラ3bが端部に接続された冷媒管路2cに設けられている。この温度センサSは、蓄冷材22の冷却に用いられた冷媒の温度を検知するものである。かかる温度センサSは、冷媒の温度を検知した場合には、その検知温度を温度信号として制御部30に与えるものである。
【0028】
制御部30は、メモリ35に記憶されたプログラムやデータに従って、ファンF及びヒータHの動作を統括的に制御するものであり、入力処理部31、判定処理部32、ファン駆動処理部33及びヒータ駆動処理部34を備えている。
【0029】
入力処理部31は、温度センサSから与えられる温度信号(検知温度)を入力するとともに、所定の通信ライン60を通じて接続された冷却装置40の冷却制御部50から与えられる信号を入力するものである。ここで冷却制御部50から与えられる信号としては、導入カプラ3aと供給カプラ3dとが連結されるとともに導出カプラ3bと吸引カプラ3cとが連結される場合において、蓄冷材22の冷却を開始する旨の冷却開始信号や、蓄冷材22の冷却を終了する旨の冷却終了信号がある。
【0030】
判定処理部32は、メモリ35から基準温度情報を読み出して、該基準温度情報に含まれる基準温度と、入力処理部31を通じて入力された検知温度とを比較して、検知温度が基準温度未満であるか否かを判定するものである。ここで基準情報は、ファンF及びヒータHを駆動するか否かの判定を行うための閾値であり、本実施の形態では例えば0℃とされている。
【0031】
ファン駆動処理部33は、ファンFに駆動指令を与えて該ファンFを駆動、あるいはファンFに駆動停止指令を与えて該ファンFを駆動停止にさせるものである。ヒータ駆動処理部34は、ヒータHに駆動指令を与えて該ヒータHを駆動(通電状態)、あるいはヒータHに駆動停止指令を与えて該ヒータHを駆動停止(非通電状態)にさせるものである。
【0032】
このような構成を有する収容庫1は、導入カプラ3aが供給カプラ3dと連結されるとともに導出カプラ3bが吸引カプラ3cと連結されることにより、冷却装置40と接続されて収容庫冷却システムを構成する。また、収容庫1の制御部30は、通信ライン60を介して冷却制御部50に電気的に接続される。
【0033】
そして、冷却制御部50により出口バルブ44が開成させられて圧縮機41が駆動することで蓄冷材22の冷却運転が開始され、冷却開始信号が冷却制御部50から制御部30に与えられる。
【0034】
ここで蓄冷材22の冷却運転について説明する。圧縮機41で圧縮された冷媒(高温高圧冷媒)は、冷媒管路2eを通じて放熱器42に至り、該放熱器42で周囲空気と熱交換することにより凝縮して放熱する。放熱器42で放熱した冷媒は、冷媒管路2f,2aを通過して膨張機構23に至り、該膨張機構23にて断熱膨張する。膨張機構23で断熱膨張した冷媒は、冷媒管路2bを通過した後に冷却器21の冷媒経路を通過する。冷却器21を通過する冷媒は、熱的に接続する蓄冷材22と熱交換して蒸発することにより蓄冷材22を冷却する。冷却器21を通過した冷媒は、冷媒管路2c,2dを通過し、アキュムレータ43で気液分離されて圧縮機41に吸引され、再び圧縮されて冷媒回路を循環することとなる。このようにして冷媒回路を循環することにより、蓄冷材22は冷却されていき徐々に凍結する。
【0035】
上記冷却開始信号が与えられた制御部30は、凍結防止制御処理を行う。図5は、図4に示した制御部30が実施する凍結防止制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0036】
この凍結防止制御処理において制御部30は、入力処理部31を通じて温度センサSからの温度信号(検知温度)の入力待ちとなる(ステップS101)。
【0037】
入力処理部31を通じて温度センサSから温度信号を入力した場合(ステップS101:Yes)、制御部30は、判定処理部32を通じてメモリ35より基準温度情報を読み出し(ステップS102)、ステップS101で入力した温度信号に含まれる検知温度がステップS102で読み出した基準温度情報に含まれる基準温度未満であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0038】
検知温度が基準温度未満であると判定した場合(ステップS103:Yes)、制御部30は、ファン駆動処理部33を通じてファンFに駆動指令を送出するとともにヒータ駆動処理部34を通じてヒータHに駆動指令を送出し(ステップS104,ステップS105)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0039】
これによれば、ファンFが駆動するとともにヒータHが駆動することで、導出カプラ3bにヒータHで加熱された空気を送風することができる。
【0040】
一方、検知温度が基準温度以上であると判定した場合(ステップS103:No)、制御部30は、ファン駆動処理部33を通じてファンFに駆動停止指令を送出するとともにヒータ駆動処理部34を通じてヒータHに駆動停止指令を送出し(ステップS106,ステップS107)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0041】
このような凍結防止制御処理は、冷却制御部50から冷却終了信号が与えられるまで繰り返し実施される。
【0042】
そして、冷却終了信号が与えられた収容庫1は、導入カプラ3aが供給カプラ3dと切り離され、かつ導出カプラ3bが吸引カプラ3cと切り離されることにより、冷却装置40から離脱する。冷却装置40から離脱しても収容庫1の収納室11の内部空気は蓄冷材22により保冷されることから、該収納室11の内部に所定の商品を収納することで、かかる商品を所望の温度状態に冷却しながら収容庫1を運搬することができる。
【0043】
以上説明したように本実施の形態である収容庫1によれば、導入カプラ3aが供給カプラ3dに連結され、かつ導出カプラ3bが吸引カプラ3cと連結されることにより冷却装置40と接続される場合に、ファンFを駆動させて空気を導出カプラ3bに送風するので、蓄冷材22の冷却に用いられた低圧の冷媒が通過することで導出カプラ3bと吸引カプラ3cとが凍結してしまうことを回避することができる。これにより、冷却終了信号が与えられることで蓄冷材22の冷却が終了した後に、導出カプラ3bと吸引カプラ3cとを解凍させる時間を必要としないで導出カプラ3bを吸引カプラ3cから容易に離脱させることができ、結果的に、蓄冷材22を冷却する時間の短縮化を図ることができる。
【0044】
特に、ヒータHで加熱された空気を導出カプラ3bに送風しているので、導出カプラ3bと吸引カプラ3cとが凍結してしまうことを防止することができる。更に、制御手段が、温度センサSの検知温度が基準温度未満となる場合にだけファンF及びヒータHを駆動させるようにしているので、導出カプラ3bと吸引カプラ3cとが凍結する虞れがないような検知温度が基準温度以上となる場合にもファンF及びヒータHを駆動させてしまうことを抑制でき、これにより消費電力量の低減化を図ることができる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0046】
上述した実施の形態では、加熱手段としてのヒータHが設けられていたが、本発明においては、送風手段により送風される空気を加熱する加熱手段が設けられていなくてもよい。この場合、上述した凍結防止制御処理では、ステップS105及びステップS107の処理が省略されることとなる。また上述した実施の形態では、加熱手段としてのヒータHが導出カプラ3bとファンFとの間に設けられていたが、本発明においては、加熱手段の配設個所は特に限定されるものではなく、送風手段の空気の吸い込み側に加熱手段が配設されてもよい。
【0047】
上述した実施の形態では、各カプラ3a等の連結を行う接合部13は、本体キャビネット10の背面部に設けられていたが、本発明においては、接合部13の配設個所は本体キャビネット10の背面部に限定されるものではない。
【0048】
上述した実施の形態では、制御手段である制御部30が収容庫1に設けられていたが、本発明においては、制御手段は冷却装置40に設けられていてもよいし、収容庫1と冷却装置40とから独立して設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 収容庫
3a 導入カプラ
3b 導出カプラ(第1連結部)
3c 吸引カプラ(第2連結部)
3d 供給カプラ
10 本体キャビネット
10a 前面開口
11 収納室
13 接合部
20 前面扉(開閉扉)
21 冷却器
22 蓄冷材
23 膨張機構
30 制御部
31 入力処理部
32 判定処理部
33 ファン駆動処理部
34 ヒータ駆動処理部
35 メモリ
40 冷却装置
41 圧縮機
42 放熱器
50 冷却制御部
F ファン
H ヒータ
S 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5