特開2016-217786(P2016-217786A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-217786(P2016-217786A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】車両拘束装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   G01M17/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2015-100385(P2015-100385)
(22)【出願日】2015年5月15日
(11)【特許番号】特許第6032322号(P6032322)
(45)【特許公報発行日】2016年11月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利道
(72)【発明者】
【氏名】古澤 政生
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両を車両試験装置のローラ上に拘束する車両拘束装置において、実際に路上を走行する車両における、車両ピッチング運動の挙動を再現しながらも、確実、強固に車両を拘束できる車両拘束装置を提供する。
【解決手段】車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置11であって、一端側が車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面9上の左右のポール10に回動可能に連結される一対の車両拘束治具12と、この車両拘束治具12の他端側を車両拘束治具12がヨーイング運動可能にポール10に連結させる第2リンク機構501を備える。
【選択図】図33
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と
を備えた車両拘束装置。
【請求項2】
前記車両拘束治具の一端側は前記車両の左右のシートベルト固定ピラーに連結される請求項1に記載の車両拘束装置。
【請求項3】
前記連結機構は、
前記ポールに具備されたブラケット部に挿通される一方で前記車両拘束治具の他端側に具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記ポールのブラケット部に嵌装される球面滑り軸受けと
を備えた請求項1または2に記載の車両拘束装置。
【請求項4】
前記連結機構は、
前記車両拘束治具の他端側に具備されたブラケット部に挿通される一方で前記ポールに具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記車両拘束治具のブラケット部に嵌装される球面滑り軸受けと
を備えた請求項1または2に記載の車両拘束装置。
【請求項5】
前記連結機構は、
前記ポールに具備されたブラケット部に挿通される一方で前記車両拘束治具の他端側に具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記ポールのブラケット部に嵌装される弾性部材を有する軸受けと
を備えた請求項1または2に記載の車両拘束装置。
【請求項6】
前記連結機構は、
前記車両拘束治具の他端側に具備されたブラケット部に挿通される一方で前記ポールに具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記車両拘束治具のブラケット部に嵌装される弾性部材を有する軸受けと
を備えた請求項1または2に記載の車両拘束装置。
【請求項7】
前記軸部における前記ポールのブラケット部と前記車両拘束治具のブラケット部との間の部位に中間部材を装着させた請求項3または4に記載の車両拘束装置。
【請求項8】
車両試験装置のローラ上に載せられた後部座席ドアを有する車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両の車両重心位置の近傍において当該車両に回動自在に連結される一対の車両拘束治具と、
前記車両の後部座席室内で前記車両拘束治具の他端側が連結される連結機構と、
前記車両の左右の後部座席ドア近辺における床面上に設置されて当該後部座席ドアの開口部を介して前記連結機構を支持する一対の車外固定装置と、
を備え、
前記連結機構は、
前記車両の後部座席室内に対向配置されて前記車外固定装置によって支持される左右一対の取り付け部材と、
この一対の取り付け部材を連結補強する第一補強治具と、
前記車両拘束治具の他端を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記第一補強治具の両端付近に連結させる連結治具と
を備えた車両拘束装置。
【請求項9】
前記連結治具は、前記第一補強治具の両端付近に装着される球面滑り軸受けを備えた請求項8に記載の車両拘束装置。
【請求項10】
前記車両の左右のシートベルト固定ピラーに取り付けられる一対のピラー取り付け部材と、
この一対のピラー取り付け部材を連結補強する長さ調整可能な補強治具と、
この補強治具の両端付近に前記車両拘束治具の一端側を連結させる連結治具と、
この連結治具に備えられる一方で前記補強治具の両端付近に装着される球面滑り軸受けと
をさらに備えた請求項2から9のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項11】
前記車両の左右のシートベルト固定ピラーに取り付けられる連結軸と、
この連結軸に前記車両拘束治具の一端側を連結させる連結治具と、
この連結治具に備えられる一方で前記連結軸に装着される球面滑り軸受けと
をさらに備えた請求項2から9のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項12】
前記球面滑り軸受けは弾性部材を備えた請求項3,4,7,9から11のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項13】
前記車両試験装置による前記車両の試験時に生じる当該車両の横振れを抑制する横振れ抑制機構をさらに備えた請求項1から12のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項14】
前記横振れ抑制機構は、
前記車両の本体と弾性当接する緩衝材と、
この緩衝材を前記車両の幅方向に調整可能に支持する支持部材と、
この支持部材が取り付けられる支柱部と
を備えた請求項13に記載の車両拘束装置。
【請求項15】
前記車両試験装置による車両試験時に生じる前記車両拘束治具の撓みを吸収する撓み吸収機構をさらに備えた請求項1から14のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項16】
前記撓み吸収機構は、
重力方向の撓みを生じた前記車両拘束治具と弾性当接する緩衝材を有する治具受け部と、
この治具受け部を水平方向または垂直方向に回転可能に支持する支柱部と
を備えた請求項15に記載の車両拘束装置。
【請求項17】
前記車両拘束治具に着脱自在に取り付けられて前記車両試験装置による前記車両の試験時に生じる当該車両拘束治具の振動を減衰する振動減衰装置をさらに備えた請求項1から16のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項18】
前記振動減衰装置は、
前記車両拘束治具に着脱自在に取り付けられる取り付け部材と、
この取り付け部材の下端部の外側面に着脱自在に接続される弾性部材と、
この弾性部材に一端が着脱自在に接続される長さ調整可能な軸部と、
この軸部の他端に着脱自在に接続される重量調整可能な錘部と
を備えた請求項17に記載の車両拘束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両をローラに載せて燃費や排ガス等の試験を行なうシャシダイナモメータ等の車両試験装置において車両を拘束する車両拘束装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両拘束装置として、図39に示すように、チェーンやワイヤロープ101を使用して、ワイヤロープ101の一端側101aを車両102に結合し、他端部101bを床面103上に設けたポール104に結合して、車両102のタイヤ102aをシャシダイナモメータ105のローラ106上に拘束する方式のものがある(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
また、図40(A)(B)に示すように、レール111に沿ってスライド可能に車両拘束装置112を取り付け、この車両拘束装置112のアーム支持部113に設けられたアーム部114の先端部に車体連結用のアダプタ115を設け、このアダプタ115を車両116のシャシ117に設けたアダプタ挿入部118に挿入することにより車両を拘束する方式のものが開発されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平10−307082号公報
【特許文献2】特開2007−212154号公報
【特許文献3】特開2011−033517号公報(段落[0002]〜段落[0005]及び図6図7参照)
【特許文献4】特開平1−279131号公報
【特許文献5】特開平10−67376号公報
【特許文献6】特開昭64−83743号公報
【特許文献7】特開2001−80583号公報
【特許文献8】実開平2−118849号公報
【特許文献9】実開平1−167642号公報
【特許文献10】実公平4−28045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際に路上を走行する車両においては、加減速に応じて各タイヤに加わる垂直荷重が変化するのに対して、シャシダイナモメータを使用した場合は、車両の各自由度を拘束するために垂直荷重が路上走行とは異なる。
【0006】
実際の路上走行の場合と、シャシダイナモメータを使用した場合とでは、車両ピッチング運動の相違により垂直荷重の加わり方が異なり試験結果に影響を及ぼす。垂直荷重変化の違いは、車両性能試験精度に悪影響を与えるため車両ピッチング運動の挙動を再現する必要がある。
【0007】
図39に示したチェーンやワイヤロープ101を使用した場合には、これらチェーンやワイヤロープ101により車両102のタイヤ102aをローラ106に押し付けるために前記車両ピッチング運動の挙動を再現するのが難しかった。
【0008】
これに対して、特許文献3の車両拘束装置は、レール111に沿ってスライド可能に取り付けられた車両拘束装置112の連結用のアダプタ115を車両116のシャシ117に設けたアダプタ挿入部118に挿入して車両を拘束するものであり、特許文献1,2のように、車両のタイヤをチェーンやワイヤロープ101でローラに押し付けることがないので、前記車両ピッチング運動の挙動を再現することが容易であるという利点がある反面、次に述べるような課題があった。
(1)前記アダプタ挿入部は、一般的に車両の底部のサイドシルに設けられており、サイドシルを有しない車両においては適用が困難である。サイドシルを有しない車両においては、アダプタ挿入部を設けたアタッチメントを車両の底部に取り付ける必要がある。
(2)前記アダプタ挿入部は、安全面から高剛性を要求されるが、車両全体からみるとサイドシルは、必ずしも高剛性部分ではない。
(3)サイドシルの位置は、車両の車両重心点位置ではなく、従って、車両の車両重心点位置を拘束していないために路上走行の車両ピッチング運動挙動と異なったものになる。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両拘束装置は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、その性質上、高剛性が要求される車両に車両拘束治具の一端側が結合される一方で、前記車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能にポールに連結されて、車両ピッチング運動の挙動を再現しながらも、確実、強固に車両を拘束できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(A)は車両のシートベルト固定ピラーを示す概略側面図、(B)は同ピラーの概略平面図、(C)は同ピラーの要部の拡大図。
図2】(A)は試験車両が供された本発明の第1実施形態の車両拘束装置の概略側面図、(B)は同装置の概略平面図。
図3】(A)(B)(C)は第1実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け方法の一例を示す説明図。
図4】(A)は試験車両が供された本発明の第2実施形態の車両拘束装置の概略側面図、(B)は同装置の概略平面図。
図5】(A)は試験車両が供された本発明の第3実施形態の車両拘束装置の概略側面図、(B)は同装置の概略平面図。
図6】第3実施形態の第1リンク機構の側面図。
図7】第3実施形態の第1リンク機構の平面図。
図8】第3実施形態の第1リンク機構の軸部の断面図。
図9】第3実施形態の第2リンク機構及び長さ調整機構の側面図。
図10】(A)は試験車両が供された本発明の第4実施形態の車両拘束装置の概略側面図、(B)は同装置の概略平面図並びに第1リンク機構の拡大図。
図11】第4実施形態の車両拘束装置の概略背面図。
図12】(A)は試験車両が供された本発明の第5実施形態の車両拘束装置の概略側面図、(B)は同装置の概略平面図。
図13】(A)は試験車両が供された本発明の第6実施形態の車両拘束装置の概略側面図、(B)は同装置の概略平面図。
図14】(A)は試験車両が供された本発明の第7実施形態の車両拘束装置の概略側面図、(B)は同装置の概略平面図。
図15】(A)(B)(C)は第8実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け方法の一例を示す説明図。
図16】(A)は試験車両が供された本発明の第8実施形態の車両拘束装置の概略平面図、(B)は同装置の概略背面図。
図17】(A)(B)(C)は第8実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け方法の一例を示す説明図。
図18】(A)は試験車両が供された本発明の第8実施形態の車両拘束装置の概略平面図、(B)は同装置の概略背面図。
図19】(A)(B)(C)は第8実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け方法の一例を示す説明図。
図20】(A)は試験車両が供された本発明の第8実施形態の車両拘束装置の概略平面図、(B)は同装置の概略背面図。
図21】(A)(B)(C)は第8実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け方法の一例を示す説明図。
図22】(A)は試験車両が供された本発明の第8実施形態の車両拘束装置の概略平面図、(B)は同装置の概略背面図。
図23】(A)(B)は第9実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け方法の一例を示す説明図。
図24】(A)は第9実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け状態の説明図、(B)は試験車両が供された本発明の同実施形態の車両拘束装置の概略側面図。
図25】(A)は試験車両が供された本発明の第9実施形態の車両拘束装置の概略平面図、(B)は同装置の概略背面図。
図26】第9実施形態におけるシートベルト固定ピラーへの車両拘束治具の取り付け状態の説明図。
図27】(A)は第10実施形態における撓み吸収機構の概略側面図、(b)は同機構の縦断面図。
図28】(A)は第10実施形態における撓み吸収機構の概略側面図、(b)は同機構の縦断面図。
図29】第10実施形態における車両拘束治具への撓み吸収機構並びに振動減衰装置の取り付け状態の説明図。
図30】(A)(B)は第11実施形態における振動減衰装置の概略側面図。
図31】(A)は試験車両が供された本発明の第12実施形態の車両拘束装置における同車両の横振れ抑制機構の概略側面図、(B)は同抑制機構の概略平面図。
図32】第12実施形態の横振れ抑制機構の概略背面図。
図33】(A)は第13実施形態における第2リンク機構の概略平面図、(B)は同機構の概略側面図。
図34】(A)は第13実施形態における第2リンク機構の他の態様を示す概略平面図、(B)は同態様の概略側面図。
図35】(A)は第14実施形態における第2リンク機構の概略平面図、(B)は同機構の概略側面図。
図36】(A)は第14実施形態における第2リンク機構の他の態様を示す概略平面図、(B)は同態様の概略側面図。
図37】(A)は第14実施形態における軸受けの斜視図、(B)は同軸受けの断面図。
図38】第14実施形態における球面滑り軸受けの他の態様を示す斜視図。
図39】従来例の説明図。
図40】(A)は他の従来例を示す斜視図、(B)は車両拘束装置のアダプタとアダプタ挿入部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の車両拘束装置を説明する前に、本発明の車両拘束装置を使用する車両について簡単に説明する。
【0013】
図1(A)(B)は、本発明の車両拘束装置を使用する車両1の略示的側面図と略示的平面図である。
【0014】
車両1は、ドアサイドにシートベルト(図示省略)を取り付けるシートベルト固定ピラー2を備えている。
【0015】
図1(C)に示すように、シートベルト固定ピラー2の上,下端部には、複数のネジ3によって上,下のシートベルト固定部4,5が取り付けられている。これら上,下のシートベルト固定部4,5にシートベルトの上,下端が取り付けられる。なお、図1(A)と(B)において、6は、車両重心点位置を示す。
【0016】
[第1実施形態]
図2(A)(B)は、第1実施形態の車両拘束装置11を使用した車両1の略示的側面図と略示的平面図である。
【0017】
車両拘束装置11は、シャシダイナモメータのローラ7上にタイヤ8を載せた車両1の左右のシートベルト固定ピラー2に一端側が結合され、他端側が床面9上の左右のポール10に結合される一対の車両拘束治具12,12を備える。
【0018】
車両拘束治具12,12は、鋼板等の機械的強度に優れた素材により板材や鋼管材など、車両の前後移動を拘束するために必要な引張強度と圧縮強度を備えた材質により形成されている。車両拘束治具12,12は、車長に合わせてその長さを調整可能なターンバックル等の長さ調整機構13を一端側に備えている。また、左右一対の車両拘束治具12,12の長さ方向の中央部には両者を連結するタイロッド14が設けられている。タイロッド14は、長さ方向の中央部に車両拘束治具12,12の間隔を車幅に合わせて調整するためのターンバックル等の長さ調整機構15を備えている。
【0019】
車両拘束治具12,12は、長さ方向の一端側が第1リンク機構16を介してシートベルト固定ピラー2に回動可能に結合されているとともに、他端側が第2リンク機構17を介してポール10に回動可能に結合されている。
【0020】
図2(A)に示すように、第1リンク機構16は、軸18が車両重心点位置6の近傍に位置するようにシートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付けられる。また、第2リンク機構17の軸21も車両重心点位置6と略同じ高さの位置するようにポール10に取り付けられている。尚、車両重心点位置6の近傍とは、車両重心点位置6に極力近づけた位置を云う。
【0021】
図3に示すように、第1リンク機構16は、軸18と、該軸18を回動可能に支持している軸受け部材19と、この軸受け部材19をシートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付けるための取り付け部材(以下、ピラー取り付け部材と称する)20と、を備えている。
【0022】
そして、第1リンク機構16は、車両拘束治具12,12の長さ方向の一端側を、軸18、軸受け部材19、ピラー取り付け部材20でシートベルト固定ピラー2の内面2aにおいて回動可能に連結している。
【0023】
ピラー取り付け部材20は、シートベルト固定ピラー2に見合う長板状に形成されていてシートベルト固定部4,5に代えて、シートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付けられる。
【0024】
また、第2リンク機構17は、車両拘束治具12の他端側に配置した軸21と、軸受け部材22と、を備えていて、該軸受け部材22を介してポール10に取り付けられている。
【0025】
次に、車両拘束治具12をシートベルト固定ピラー2へ取り付ける方法の一例を図3(A)(B)(C)を参照して説明する。
【0026】
この例においては、先ず、図3(A)に示すように、左右一対の車両拘束治具12,12の一端側を、軸18及び軸受け部材19を介してピラー取り付け部材20の中央部に取り付ける。一方、シートベルト固定ピラー2からシートベルト固定部4,5を取り外す。
【0027】
そして、図3(B)(C)に示すように、ピラー取り付け部材20をシートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付ける。ピラー取り付け部材20のシートベルト固定ピラー2への取り付けは、シートベルト固定ピラー2のネジ穴23とピラー取り付け部材20のネジ穴24を重ね合わせて、これらネジ穴23,24にネジ25を螺合することにより行なわれる。尚、図3(C)において、26は車両のフレーム、27は車室内、28は車室外を示す。
【0028】
第1実施形態の車両拘束装置11は、上述のような構成であって、その使用に際しては、先ず、図2に示すように、車両1をシャシダイナモメータのローラ7に載せ、車両1のシートベルト固定ピラー2に、車両拘束治具12の一端側を、第1リンク機構16を介して連結して、第1リンク機構16の軸18を車両重心点位置6の近傍に位置させる。一方、車両拘束治具12の他端側を、第2リンク機構17を介してポール10に取り付け、該ポール10の高さを調整して、第2リンク機構17の軸21を車両重心点位置6と略同じ高さの位置に設定して車両拘束治具12を略水平状態に保持する。
【0029】
そして、左右一対の車両拘束治具12で車両1を拘束し、ローラ7を回転させて、車両1の各種試験を行なう。
【0030】
車両拘束治具12の一端側を、高剛性のシートベルト固定ピラー2に結合するので、車両拘束治具12により確実、強固に車両を拘束することができる。
【0031】
また、車両拘束治具12の一端側を、車両重心点位置6付近において第1リンク機構16を介してシートベルト固定ピラー2に回動自在に結合し、車両拘束治具12の他端側を、車両重心点位置6と略同じ高さの位置において第2リンク機構17を介してポール10に回動自在に結合したので、車両(並進)前後運動は拘束されるが車両(回転)ピッチング運動と車両(並進)上下運動はフリーとなり、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現が可能になる。タイヤに加わる垂直荷重を加減速状態まで含めて走行状態と一致させることができるため、モード運転による燃費、排ガス試験や車両性能試験の車両挙動を含めた試験が可能となる。
【0032】
さらに、車両拘束治具12は、長さ調整機構13によって長さが調整可能であるので、車両1の車長に応じて長さを任意に調整できる。
【0033】
そして、ポール10は、車幅方向、車長方向の少なくとも一方向に調整可能であるので、車両1の車幅、車長等に合わせて、車両拘束治具12を調整することにより様々の大きさの車両に適用することができる。
【0034】
[第2実施形態]
図4は第2実施形態を示す。本実施形態は、第1実施形態の態様において、第2リンク機構17とポール10との間に拘束力検出器29を備え、この拘束力検出器29により車両の拘束力を検出する。拘束力検出器29の取り付け位置は、第2リンク機構17とポール10の間に限定されるものではなく、車両拘束治具12と第2リンク機構17との間や、第1リンク機構16とシートベルト固定ピラー2の間などであってもよく、車両1の拘束力を確実に検出できる箇所であればよい。本実施形態の車両拘束装置11によれば、車両1の拘束力を検出できるので、第1実施形態の効果に加えて、車両バネ上の特性を計測及び解析評価することが可能になる。
【0035】
[第3実施形態]
図5図9は第3実施形態を示す。この実施形態においては、図5に示すように、車両拘束治具12の一端側をシートベルト固定ピラー2に回動自在に結合する第1リンク機構31は、車両拘束治具12の一端側を回動可能に取り付ける筒状の軸部32と、この軸部32をシートベルト固定ピラー2に取り付ける軸支持アーム33と、を備える。
【0036】
図6図8に示すように、軸支持アーム33は、略T字状に形成されていて、一端側に軸部32が設けられ、他端側がネジ34によりシートベルト固定ピラー2に取り付けられる。軸支持アーム33は、シートベルト固定ピラー2に形成されている複数のネジ穴35を選択的に使用することにより取り付け高さ位置を調整可能になっている。
【0037】
軸支持アーム33を略T字状に形成したのは、軸支持アーム33をシートベルト固定ピラー2に取り付けた際に、軸部32の位置をシートベルト固定ピラー2の位置に対して車両の前後方向にずらすことにより、軸部32と運転席や助手席との干渉するのを抑制するためである。したがって、干渉するのを抑制することが可能であればその形状は問わない。尚、軸支持アーム33と軸部32は、伸縮可能にしてその長さを調整可能にしてもよい。
【0038】
また、車両拘束治具12の他端側を、ポール10に回動可能に取り付ける第2リンク機構41は、図5及び図9に示すように、車両拘束治具12の他端側に設けられた軸部42と、この軸部42を回転自在に支持している軸受け部材43と、を備え、ブラケット44を介してポール10に取り付けられている。
【0039】
ブラケット44は、図示を省略した高さ調整機構によりポール10に昇降可能に取り付けられていて、第2リンク機構41の高さ位置を調整可能になっている。
【0040】
左右一対の車両拘束治具12の軸受け部材43側の端部には、ターンバックル等の長さ調整機構45が設けられている。長さ調整機構45は、中央部の回転操作体46を回転させると、回転操作体46の左右に連設されたボルト47,48が左右逆方向に回転して、車両拘束治具12を車両の車長に合わせて車両拘束治具12の長さを調整可能になっている。その他の構成は、第1,2実施形態の場合と同様であるので同一構成部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0041】
次に、第3実施形態の車両拘束装置11の使用方法の一例を説明する。
【0042】
先ず、車両拘束治具12の一端側の第1リンク機構31の軸支持アーム33をシートベルト固定ピラー2の所望の高さ位置に取り付ける。そして、必要であれば軸支持アーム33の長さや軸部32の長さを調整し、第1リンク機構31の軸部32が運転席や助手席と干渉するのを防止する。
【0043】
次に、車両拘束治具12の他端側を、第2リンク機構41およびブラケット44を介してポール10に取り付ける。
【0044】
そして、左右一対の車両拘束治具12,12の長さや幅を調整して車両1を拘束し、ローラ7を回転させて、車両1の各種試験を行なう。
【0045】
第3実施形態の車両拘束装置11は、車両拘束治具12,12の長さ調整や幅調整は勿論のこと、車両拘束治具12,12の一端側をシートベルト固定ピラー2へ回動可能に取り付けている第1リンク機構31の軸部32の位置を、軸支持アーム33によってシートベルト固定ピラー2の位置から離間させたので、第1リンク機構31の軸部32が運転席や助手席と干渉するのを防止することができる。
【0046】
また、第2リンク機構41をポール10に昇降可能に取り付けたので、第2リンク機構41を昇降させて、第2リンク機構41を、第1リンク機構31の高さ位置に合わせて車両拘束治具12を略水平状態に保持して、各種試験を行なうことができるという効果がある。その他の構成、効果は第1、第2実施形態の車両拘束装置と同じであるので重複する説明は省略する。
【0047】
[第4実施形態]
図10図11は第4実施形態を示す。本実施形態は、第1実施形態の態様において、第1リンク機構16の代わりに、第1リンク機構51を備える。
【0048】
第1リンク機構51は、車両1内の左右のシートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付けられる一対のピラー取り付け部材20を連結補強する長さ調整可能な補強治具52と、この補強治具52の両端近傍にて車両拘束治具12を車両1の外側後方全方位に回動自在に連結させる連結治具53とを備える。
【0049】
補強治具52は前記一対のピラー取り付け部材20を連結させるクロスメンバーから成る。補強治具52はその長さを調整させる長さ調整機構54を備えている。尚、補強治具52は、その配置が車両1の車高方向(例えば、車両重心点位置6と略同じ高さ)に調整可能に、前記一対のピラー取り付け部材20に取り付けられる。
【0050】
連結治具53は、補強治具52の一端近傍に装着固定されるピロボール55と、このピロボール55を収容する球面軸受け部56と、この軸受け部56を車両拘束治具12と接続させる接続治具57とから成る。
【0051】
図10図11を参照しながら本実施形態の車両拘束装置11の使用例を説明する。
【0052】
例えば、後部座席ドア121を有する車両1では、先ず、当該ドア121を取り外した状態若しくは当該ドア121を開いてドア拘束治具58によって固定した状態にする。または、車両1の運転席と助手席のドア120を取り外した状態若しくは当該120ドアを開いてドア拘束治具58によって固定した状態にする。
【0053】
ドア拘束治具58としては、吸盤による固定などの様々な拘束治具が挙げられるが、後部座席ドア121と車両拘束治具12が接触しないように固定できればよいので、特に限定されることなく周知の拘束治具を適用すればよい。また、ドア拘束治具58の配置箇所や数量も、後部座席ドア121と車両拘束治具12とが接触しないように固定できればよいので、特に限定しない。
【0054】
次いで、車両1内に取り付けられた第1リンク機構51における両者の連結治具53に、車両1の外側後方斜めから車両1内に挿入された車両拘束治具12の一端が接続される。この連結治具53に接続された車両拘束治具12は車両1の外側後方全方位に回動自在となる。次いで、車両拘束治具12の他端側が、車両重心点位置6と略同じ高さの位置において、第2リンク機構17を介してポール10に回動自在に結合される。
【0055】
次いで、車両拘束治具12,12の長さが長さ調整機構13によって調整され、また、車両拘束治具12,12の間隔が長さ調整機構15によって調整される。また、ポール10は、床面上の台座部100において、その高さ、車両1の前後方向若しくは幅方向の配置、車両拘束治具12に対する接続方向が適宜調整される。
【0056】
以上のように車両1が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ7を回転させて車両1の各種試験が実施される。
【0057】
以上の本実施形態の車両拘束装置11によれば、車両拘束治具12の一端側が第1リンク機構51によってシートベルト固定ピラー2の内面2aにおいて回動自在に結合される一方で車両拘束治具12の他端側がリンク機構17によってポール10にて回動自在結合されている。したがって、第1実施形態の車両拘束装置11と同様に、車両1を確実、強固に拘束することができる。また、車両(並進)前後運動は拘束されるが車両(回転)ピッチング運動と車両(並進)上下運動はフリーとなり、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現が可能になる。よって、タイヤに加わる垂直荷重を加減速状態まで含めて走行状態と一致させることができるので、モード運転による燃費、排ガス試験や車両性能試験の車両挙動を含めた試験が可能となる。
【0058】
特に、本実施形態では、車両1の後部座席ドア121を外す若しくは開いて固定した状態で、車両拘束治具12を車両1の外側後方斜めから連結治具53を介して車両1内の補強治具52の一端近傍に結合できる。したがって、後部座席やトランクルームの形状等の影響を受けることなく、車両1と車両拘束治具12との連結位置を車両1の車両重心点位置6の近傍への調整が容易となる。また、車両1を車両試験装置に供するに際し必要であった車両1の改造を最小限に抑えることができる。これにより、試験準備時間の短縮化が可能となる。
【0059】
さらに、車両拘束治具12は、ピラー取り付け部材20の近傍部位(本実施形態では補強治具52の両端近傍)において連結治具53によって車両1の外側後方全方位に回動自在となっている。したがって、車両1内の車両拘束治具12の挿入空間に応じて車両拘束治具12を車両重心点位置6の近傍の高さまでに任意に設定できる。これにより、車両1の後部座席やトランクルーム等との物理的緩衝を避けるために車両重心点位置6から離れた高さ位置にて車両1の拘束を余儀なくした場合の車両1試験時に起こり得る路上走行とは異なる車両1のピッチング運動(例えば、オーバースイング等)を抑制できる。
【0060】
また、車両1内において対向する一対のピラー取り付け部材20は補強治具52によって連結補強されている。さらに、この補強治具52の両端近傍に連結治具53を介して車両拘束治具12が連結された状態となっているので、補強治具52に対する車両拘束治具12のモーメント(トルク)の負荷率が軽減する。これにより、補強治具52の変形とこれに伴うピラー取り付け部材20の変形や破断を防止できる。また、補強治具52は長さ調整機構54によって長さが調整可能であるので車両1のサイズに応じて任意に対応できる。さらに、補強治具52は前記一対のピラー取り付け部材20において車両1の車高方向に調整可能となっているので、補強治具52の配置を車両1のサイズに応じて車両重心点位置6の近傍の高さまで任意に設定できる。
【0061】
以上の説明から明らかなように本実施形態の車両拘束装置11は、例えば、4ドアタイプの車両1の拘束に有効である。
【0062】
尚、第1リンク機構51は、ピラー取り付け部材20がその構成材料の選択により剛性を充分に確保できる場合、必ずしも補強治具52を要しない。この場合、例えば、ピラー取り付け部材20に一体的に設けられた短小な固定軸に、連結治具53のピロボール55が装着固定される。
【0063】
[第5実施形態]
図12は第5実施形態を示す。本実施形態は、第4実施形態の態様において、車両拘束治具12と第2リンク機構17との間に拘束力検出器29を備え、この拘束力検出器29により車両の拘束力を検出する。拘束力検出器29の取り付け位置は、車両拘束治具12と第2リンク機構17との間に限定されるものではなく、第2リンク機構17とポール10の間や、第1リンク機構16とシートベルト固定ピラー2の間などであってもよく、車両1の拘束力を確実に検出できる箇所であればよい。以上の本実施形態の車両拘束装置11によれば、車両1の拘束力を検出できるので、第4実施形態の効果に加えて、車両バネ上の特性を計測及び解析することが可能になる。
【0064】
[第6実施形態]
図13(a)(b)は第6実施形態を示す。本実施形態は、車両拘束治具12の一端側が車両1の内側後方斜めから車両重心点位置6の近傍の位置にて第1リンク機構51を介して車両1の左右のシートベルト固定ピラー2に回動自在に結合されていること以外は、第4実施形態と同じ態様となっている。
【0065】
図13を参照しながら本実施形態の車両拘束装置11の使用例を説明する。
【0066】
例えば、試験車両がハッチバックタイプの車両に例示される背面ドアを有する車両1である場合、この車両1の背面ドアを開き、このドアを図示省略のドア拘束治具58によって固定した状態にする。次いで、車両1内に取り付けられた第1リンク機構51の連結治具53に対して、車両1の内側後方斜めから車両1内に挿入された車両拘束治具12の一端が接続される。この連結治具53に接続された車両拘束治具12は車両1の内側後方の全方位に回動自在となる。次いで、第4実施形態と同様に、車両拘束治具12の他端側が、車両重心点位置6と略同じ高さの位置において、第2リンク機構17を介してポール10に回動自在に結合される。また、車両拘束治具12,12の長さ及び間隔が各々長さ調整機構13,15によって調整される。ポール10も、その高さ、前後方向若しくは左右方向の配置、車両拘束治具12との接続方向が各々調整される。以上のように車両1が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ7を回転させて車両1の各種試験が実施される。
【0067】
以上のように本実施形態の車両拘束装置11も、車両拘束治具12の一端側が第1リンク機構51によってシートベルト固定ピラー2の内面2aにおいて回動自在に結合される一方で車両拘束治具12の他端側がリンク機構17によってポール10にて回動自在に結合される。したがって、第4実施形態の車両拘束装置11と同様に、車両1を確実、強固に車両を拘束することができると共に、車両(並進)前後運動は拘束されるが車両(回転)ピッチング運動と車両(並進)上下運動はフリーとなり、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現が可能になる。
【0068】
特に、本実施形態では、車両1の内側後方斜めから車両拘束治具12を車両1内の補強治具52の一端近傍に結合できる。したがって、車両1のリアタイヤハウスや背面ドア開口部等との物理的緩衝を低減させながら、車両1と車両拘束治具12との連結位置を車両1の車両重心点位置6の近傍への調整が容易となる。また、車両1を車両試験装置に供するに際し必要であった車両の改造を最小限に抑えることができるので、試験準備時間の短縮化が可能となる。
【0069】
さらに、車両拘束治具12は、ピラー取り付け部材20の近傍部位(本実施形態では補強治具52の両端近傍)において連結治具53によって車両1の内側後方全方位に回動自在であるので、車両1内の車両拘束治具12の挿入空間に応じて車両拘束治具12を車両重心点位置6の近傍の高さまでに任意に設定できる。よって、車両1のリアタイヤハウスや背面ドア開口部等との物理的緩衝を避けるために車両重心点位置6から離れた高さ位置にて車両1の拘束を余儀なくした場合の車両1試験時に起こり得る路上走行とは異なる車両1のピッチング運動(例えば、オーバースイング等)を抑制できる。
【0070】
また、車両1内において対向する一対のピラー取り付け部材20は補強治具52によって連結され、この補強治具52の両端近傍には連結治具53を介して車両拘束治具12が連結された状態となっている。よって、実施形態4と同様に、ピラー取り付け部材20が補強される。さらに、補強治具52に対する車両拘束治具12のモーメント(トルク)の負荷率が軽減するので、補強治具52の変形とこれに伴うピラー取り付け部材20の変形や破断を防止できる。尚、補強治具52の長さは長さ調整機構54によって車両1のサイズに任意に対応できる。
【0071】
以上の説明から明らかなように本実施形態の車両拘束装置11は、例えば、2ドアタイプの車両1や背面ドアを有する車両1の拘束に有効である。
【0072】
本実施形態においても、ピラー取り付け部材20がその構成材料の選択により剛性を充分に確保できる場合、第1リンク機構51は必ずしも補強治具52を要しない。この場合も、前述のように、ピラー取り付け部材20に設けられた短小な固定軸に連結治具53のピロボール55を装着固定させた態様を採用すればよい。
【0073】
[第7実施形態]
図14(a)(b)は第7実施形態を示す。本実施形態は、第6実施形態の態様において、第2リンク機構17とポール10との間に拘束力検出器29を備え、この拘束力検出器29により車両の拘束力を検出する。拘束力検出器29の取り付け位置は、第2リンク機構17とポール10の間に限定されるものではなく、車両拘束治具12と第2リンク機構17との間や、第1リンク機構16とシートベルト固定ピラー2の間などであってもよく、車両1の拘束力を確実に検出できる箇所であればよい。以上の本実施形態の車両拘束装置11によれば、車両1の拘束力を検出できるので、第6実施形態の効果に加えて、車両バネ上の特性を計測及び解析することが可能になる。
【0074】
[第8実施形態]
図15,16に示された第8実施形態の車両拘束装置11は、第4実施形態の態様において、第1リンク機構51の代わりに、第1リンク機構71を備える。
【0075】
第1リンク機構71は、左右のシートベルト固定ピラー2の外面bに取り付けられる一対のピラー取り付け部材72aと、この一対のピラー取り付け部材72aの外面に取り付けられる連結軸73と、この連結軸73に装着されて車両拘束治具12を車両1の外側後方全方位に回動自在に連結させる連結治具53と、連結軸73をピラー取り付け部材72aに押圧固定する押圧部材74とを備える。
【0076】
ピラー取り付け部材72aには、この部材72aをシートベルト固定ピラー2の外面2bに固定させるネジ25が螺着されるネジ穴24aと、押圧部材74を当該部材72aに固定させるネジ25が螺着されるネジ穴24bとが形成されている。尚、ピラー取り付け部材72aにおいて、連結軸73はその配置が車高方向に調整可能となっている。
【0077】
図15図16を参照しながら本実施形態の車両拘束装置11の使用例を説明する。
【0078】
先ず、車両1の左右のシートベルト固定ピラー2の外面2bにおける後部座席ドア及びドアヒンジ金具の取り付け部70から当該ドア及びヒンジ金具が取り外される。
【0079】
一方、ピラー取り付け部材72aの外面には、予め、連結治具53が装着固定された連結軸73が突設配置され、さらに押圧部材74がこの連結軸73を押圧した状態でネジ25によって当該部材72aに固定される。
【0080】
次いで、シートベルト固定ピラー2の外面2bにおける取り付け部70のネジ穴23にピラー取り付け部材72aのネジ穴24aが重ねられた状態でこのネジ穴23,24aにネジ25が螺着される。このように、ピラー取り付け部材72aがシートベルト固定ピラー2の外面2bに固定されることにより、当該外面2bに第1リンク機構71が取り付けられる。このように図15(c)に示した車両重心点位置6の近傍に位置するようにシートベルト固定ピラー2の外面2bに取り付けられた第1リンク機構71の連結治具53に、車両1の外側後方斜めから車両1内に挿入された車両拘束治具12の一端が接続される。この連結治具53に接続された車両拘束治具12は連結治具53のピロボール55(図10)によって車両1の外側後方全方位に回動自在となる。
【0081】
次いで、第4実施形態と同様に、車両拘束治具12,12の長さが長さ調整機構13によって調整され、さらに、車両拘束治具12,12の他端側が、車両重心点位置6と略同じ高さの位置において、第2リンク機構17を介してポール10に回動自在に結合される。そして、ポール10は、床面上の台座部100において、その高さ、車両1の前後方向若しくは幅方向の配置、車両拘束治具12に対する接続方向が適宜調整される。
【0082】
以上のように車両1が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ7を回転させて車両1の各種試験が実施される。
【0083】
以上説明したように、本実施形態の車両拘束装置11によれば、車両拘束治具12の一端側が第1リンク機構71によってシートベルト固定ピラー2の外面2bにおいて回動自在に結合される一方で車両拘束治具12の他端側がリンク機構17によってポール10にて回動自在に結合されている。
【0084】
したがって、第4実施形態の車両拘束装置11と同様の効果を奏する。すなわち、車両1を確実、強固に車両を拘束することができると共に、車両(並進)前後運動は拘束されるが車両(回転)ピッチング運動と車両(並進)上下運動はフリーとなり、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現が可能になる。
【0085】
特に、試験車両が後部座席ドア121を有している車両1である場合、後部座席ドア121を外し、車両1の左右のシートベルト固定ピラー2の外面2bに第1リンク機構71を取り付け、この第1リンク機構71に車両拘束治具12の一端側を連結させればよい。この態様によれば、車両1の試験時に運転席や助手席の座席を任意に後方に調整可能となり、ハンドルと運転席の距離を任意に確保することが可能となる。よって、運転者の体格や計測する機材の設置などにより、ハンドルと運転席の距離を確保しようとした場合、運転席の位置を任意に変えることができ、車両1の試験運転に悪影響を及ぼさない。
【0086】
また、連結軸73はピラー取り付け部材72aにおいて車両1の車高方向に調整可能となっているので、連結軸73の配置を車両1のサイズに応じて車両重心点位置6の近傍の高さまで任意に設定できる。
【0087】
本実施形態においては、図17,18に示したように、ピラー取り付け部材72aの代わりに、ピラー取り付け部材72bを備えてもよい。
【0088】
ピラー取り付け部材72bはピラー取り付け部材72aよりも幅広に形成されている。このピラー取り付け部材72bは、図17(B)に示したように、一端側の長辺端部がシートベルト固定ピラー2の近傍後方部位(ホイールベース方向)に張り出した状態で当該ピラー2の外面2bに取り付けられる。
【0089】
車両拘束治具12を車両1の外側後方全方位に回動自在に連結させる連結治具53は、予め、シートベルト固定ピラー2の近傍後方部位においてピラー取り付け部材72bの外面に押圧部材74によって突設固定される連結軸73に軸着される。本態様の連結軸73も車高方向に配置調整可能となっている。
【0090】
左右のシートベルト固定ピラー2を介して車両1内において対向する一対のピラー取り付け部材72bは、連結軸73と同軸に配置される長さ調整可能な補強治具52によって連結補強されている。本態様の補強治具52も車高方向に配置調整可能となっている。尚、補強治具52は連結軸73と接続させてもよい。
【0091】
以上のように図17,18の実施形態は、ピラー取り付け部材72bの幅が車両ホイールベース方向に広く(ホイールベース方向にオフセットしている)なっており、シートベルト固定ピラー2近傍後方部位のピラー取り付け部材72bの外面において、車両拘束治具12が車両1の外側後方全方位に回動自在に取り付けられるようになっている。
【0092】
したがって、図17,18の実施形態も、図15,16の実施形態と同様に、車両1の試験時に運転席や助手席の座席を任意に後方に調整可能となり、ハンドルと運転席の距離を任意に確保することが可能となる。
【0093】
特に、車両1を介して対向する一対のピラー取り付け部材72bは長さ調整可能な補強治具52によって連結補強されているので、ピラー取り付け部材72bの剛性を高めることができる。さらに、補強治具52及び連結軸73はピラー取り付け部材72bにおいて車両1の車高方向に調整可能となっているので、補強治具52及び結軸73の配置を車両1のサイズに応じて車両重心点位置6の近傍の高さまで任意に設定できる。
【0094】
また、本態様において、連結治具53が軸着される連結軸73は、図19,20に示したように、ピラー取り付け部材72bの内面において突設させてもよい。本態様の連結軸73も車高方向に配置調整可能となっている。
【0095】
連結軸73は、シートベルト固定ピラー2近傍後方部位に対応したピラー取り付け部材72bの内面に突設固定され、さらに、車両1内において対向する一対のピラー取り付け部材72bを連結補強する補強治具52と接続される。
【0096】
本態様も図17,18の実施形態と同様の効果が得られることは明らかである。特に、本態様においては、連結軸73を押圧する押圧部材74が不要であるので、第1リンク機構71の部品点数が減少し、車両1への車両拘束装置11の組み付け作業が簡略化する。
【0097】
さらに、本態様においては、図21,22に示したように、連結軸73と補強治具52の間に、ピラー取り付け部材72bよりも幅広且つ全長が長いピラー取り付け部材72cを介在させてもよい。
【0098】
ピラー取り付け部材72cは、連結治具53が軸着された連結軸73を当該部材72cとピラー取り付け部材72bとによって狭持させた状態で、車両1内の左右のシートベルト固定ピラー2の内面2aにネジ25によって取り付けられる。そして、この左右のシートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付けられた一対のピラー取り付け部材72cは、連結軸73と同軸に配置される長さ調整可能な補強治具52によって連結補強されている。この補強治具52も連結軸73と接続させてもよい。尚、補強治具52,連結軸73は車高方向に配置調整可能となっている。
【0099】
本態様も、図17,18の実施形態と同様の効果が得られることは明らかである。特に、本態様においては、図21図22に示したように、連結治具53が軸着された連結軸73が、車両1のシートベルト固定ピラー2の外面2bに取り付けされたピラー取り付け部材72bと、当該ピラー2の内面2aに取り付けされたピラー取り付け部材72cとによって狭持され、さらに、車両1内で対向するピラー取り付け部材72cが長さ調整可能な補強治具52によって連結補強されている。これにより、車両拘束治具12を車両1に連結させる第1リンク機構71の剛性が向上する。
【0100】
[第9実施形態]
図23〜26は第9実施形態を示す。本実施形態は、第4〜7実施形態の態様において、一対の車両拘束治具12の代わりに、この治具12よりも短小の一対の車両拘束治具82を備え、ポール10の代わりに車外固定装置83を備える。
【0101】
図23,24に示したように、一対の車両拘束治具82は、一端側が後部座席ドア121を有する車両1の左右のシートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付けられるピラー取り付け部材20における第1リンク機構51に連結され、他端側が車両1の後部座席室122内に具備されるリンク機構84に連結される。
【0102】
第1リンク機構51の補強治具52は取り付け部材20において車高方向に配置調整可能となっている。第1リンク機構51とその要素の連結治具53の構成とその機能の説明は、図10を参照した第4実施形態の第1リンク機構51、連結治具53の構成及び機能の説明に譲る。
【0103】
車外固定装置83は、車両1の左右の後部座席ドア121近辺における床面9上に一対に設置され、後部座席ドア121の開口部123を介してリンク機構84を支持する。
【0104】
リンク機構84は、図25に示したように、後部座席ドア121側の車両1の後部座席室122内に対向して鉛直に配置されて車外固定装置83によって支持される左右一対の取り付け部材85と、この一対の取り付け部材85を連結補強する長さ調整可能な第一補強治具86と、この第一補強治具86の両端付近に車両拘束治具82の他端を回動可能に連結させる一対の連結治具53とを備える。
【0105】
第一補強治具86は、車両1内で対向する一対の取り付け部材85に対して配置が車両1の車高方向調整可能に取り付けられる。第一補強治具86の一端付近には、予め、連結治具53のピロボール55(図10)が装着固定される。一方、前記対向する一対の取り付け部材85間はさらに長さ調整な第二補強治具87によって補助的に連結補強される。
【0106】
車外固定装置83は、車両1内においてリンク機構84の一対の取り付け部材85を立設支持する一対の支持部材831を備える。この一対の支持部材831は、車外固定装置83の本体に具備された水平支持部材832によって水平支持され、さらに、車両1の後部座席室122内に具備される連結補強部材833によって安定的に連結補強されている。そして、車外固定装置83は、第1〜8実施形態のポール10と同様に、車両1の車幅方向、車長方向、車高方向のいずれか一方向に位置調整可能に床面9上に設置される。
【0107】
図23〜25を参照しながら本実施形態の車両拘束装置11の使用例を説明する。
【0108】
先ず、第1リンク機構51の連結治具53に車両拘束治具82の一端が連結されたピラー取り付け部材20が、シートベルト固定ピラー2の内面2aに取り付けられる。これにより、車両重心点位置6近傍において車両拘束治具82は車両1内において後方全方位に回動自在となる。次いで、車両拘束治具82の他端側が、車両重心点位置6と略同じ高さの位置において、後部座席室122内において支持されたリンク機構84の連結治具53に連結される。そして、車両拘束治具82,82の長さが長さ調整機構13によって調整され、さらに、車外固定装置83の位置が車両1の車幅方向、車長方向、車高方向のいずれか一方向に調整される。以上のように車両1が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ7を回転させて車両1の各種試験が実施される。
【0109】
以上の本実施形態の車両拘束装置11によれば、第6実施形態の車両拘束装置11と同様に、車両1を確実、強固に車両を拘束することができると共に、車両(並進)前後運動は拘束されるが車両(回転)ピッチング運動と車両(並進)上下運動はフリーとなり、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現が可能になる。
【0110】
特に、本実施形態においては、第6実施形態の効果に加えて、試験車両が後部座席ドア121を有している車両1である場合、車両拘束治具82の他端が連結されたリンク機構84が後部座席ドア121の開口部123を介して車外固定装置83によって支持されるので、車両試験に供される車両1の改造を低減させることができる。
【0111】
また、補強治具52、第一補強治具86はそれぞれ取り付け部材20,85において車両1の車高方向調整可能に取り付け可能となっているので補強治具52、第一補強治具86の配置を車両1のサイズに応じて車両重心点位置6の近傍の高さまで任意に設定できる。
【0112】
さらに、この第一補強治具86の両端付近に連結治具53を介して車両拘束治具82の他端が連結された状態となっているので、第一補強治具86に対する車両拘束治具82のモーメント(トルク)の負荷率が軽減し、第一補強治具86の変形とこれに伴うピラー取り付け部材85の変形や破断を防止できる。
【0113】
そして、この一対の取り付け部材85間はさらに長さ調整な第二補強治具87によって補助的に連結補強されているので、ピラー取り付け部材85が補強されながらも、第一補強治具86をさらに安定的支持できる。
【0114】
また、図26に示したように、第5実施形態と同様に、車両拘束治具82において拘束力検出器29を備えるとよい。本態様によれば、車両1の拘束力を検出できるので、車両1の前後方向の拘束力の計測信号が検出可能となる。
【0115】
さらに、同図に示したように、車両拘束治具82には、この治具82の固有振動を減衰させる振動減衰装置89を備えるとよい。振動減衰装置89としては、車両拘束治具12,82に対して非同心または非同軸に取り付ける周知の振動減衰装置が挙げられる。
【0116】
振動減衰装置89は、車両拘束治具82に着脱自在に取り付けられる取り付け部材89aと、この部材89aに着脱自在に接続されるゴム,バネに例示される弾性部材89bと、この部材89bに着脱自在に接続される重量調整可能な錘89cを備える。
【0117】
同図の実施態様によれば、車両1の試験時に生じる車両拘束治具82の固有振動が振動減衰装置89によって減衰されるので、拘束力検出器29は車両拘束治具82の影響を低減させた拘束力の計測信号が検出可能となる。
【0118】
[第10実施形態]
図27図28は第10実施形態を示す。本実施形態の車両拘束装置11は、第1〜9実施形態において、シャシダイナモメータによる車両1の試験時に生じる車両拘束治具12,82の撓みを吸収する撓み吸収機構90を備える。
【0119】
図27に示された撓み吸収機構90は、前記試験時に重力方向の撓みを生じた車両拘束治具と弾性当接する緩衝材900を有する治具受け部901と、この治具受け部901を水平方向または垂直方向に回転可能に支持する支柱部902とを備える。緩衝材900としては、ポリエチレンなどに例示される周知の弾性部材から成る厚板等が適用される。
【0120】
支柱部902は、床面9に設置された台座部903において、車両1の車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに位置調整可能に立設されている。
【0121】
以上の本実施形態によれば、撓み吸収機構90が配置されたことにより、第1〜9実施形態の効果に加えて、シャシダイナモメータによる車両1の試験時に重力方向に撓む拘束治具12,82の衝撃を緩衝材900により吸収できる。
【0122】
例えば、ブレーキ操作試験などにより車両1が急減速し、車両拘束治具12,82が撓むことがあっても、この撓みが治具受け部901上の緩衝材900によって吸収されるので、拘束力検出器29の拘束力の計測信号への影響を低減できる。また、車両拘束治具12,82の座屈現象による破損を防止できる。
【0123】
特に、治具受け部901は、車両拘束治具12,82の下(重力方向)に配置されており、水平方向または垂直方向に回転可能であるので、車両拘束治具12,82の任意の方向からの撓みに対応して当該撓みを吸収できる。
【0124】
また、図28に示したように、治具受け部901には、水平方向の撓みを生じた車両拘束治具と弾性当接する緩衝材900を有する一対の受け止め部904を備えるとよい。本態様によれば、重力方向,車幅方向に撓む車両拘束治具12,82の衝撃が一対の受け止め部904の緩衝材900によって確実に吸収され、拘束治具12,82の影響を、より一層、低減させた拘束力の計測信号が検出可能となる。また、車両拘束治具12,82の座屈現象による破損をより効果的に防止できる。
【0125】
尚、図29に示したように、本実施形態においても、第9実施形態と同様に、車両拘束治具12,82に対して振動減衰装置89を着脱自在に取り付けるとよい。本態様によれば、車両1の試験時に生じる車両拘束治具82の固有振動が振動減衰装置89によって減衰するので、車両1の試験時に生じる車両拘束治具82の影響をさらに低減させた拘束力の計測信号が拘束力検出器29において検出可能となる。
【0126】
[第11実施形態]
図30は第11実施形態を示す。本実施形態の車両拘束装置11は、第1〜10実施形態のいずれかの態様において、シャシダイナモメータによる車両1の試験時に生じる車両拘束治具12,82の固有振動を減衰する振動減衰装置89を備える。
【0127】
振動減衰装置89としては、図30に示したように、車両拘束治具12,82に対して非同心または非同軸に着脱自在に取り付ける振動減衰装置が挙げられる。
【0128】
図30(A)に示された振動減衰装置89は、車両拘束治具12,82に着脱自在に取り付けられる取り付け部材891と、この取り付け部材891の下端部891cの外側面に着脱自在に接続される弾性部材892と、この弾性部材892に一端が着脱自在に接続される長さ調整可能な軸部893と、この軸部893の他端に着脱自在に接続される重量調整可能な錘部894を備える。
【0129】
取り付け部材891は、車両拘束治具12,82に着脱自在に取り付けられる上端部891aと、この上端部891aに着脱自在に接続される本体部891bと、この本体部891bに着脱自在に接続される下端部891cとを備える。
【0130】
本体部891bは上端部891a(車両拘束治具12,82に対する取り付け位置)を中心に全方位回転可能となっている。前記全方位回転可能とするために、上端部891aは例えば上端にピロボールを備えたものが適用される。
【0131】
本体部891bは上端部891aに対して着脱自在であるので、長さの異なる本体部891bを任意に選択すればよい。尚、本体部891bには、長さ調整機構を具備させると、本体部891bの交換が不要となる。
【0132】
下端部891cは水平方向に回転自在となっている。下端部891cは、例えば本体部891bの下端と螺合する雌ねじ部が形成されたもの適用されると、水平方向任意に回転自在となる。
【0133】
弾性部材892としては、例えば、周知の防振ダンパーに適用されている弾性ゴム、コイルバネ等の弾性部材が適用される。軸部893としては、例えば、弾性部材892に螺着される長さ調整可能なネジシャフトが適用される。錘部894としては、例えば、軸部893に螺着される分割可能な周知形状の錘が適宜に適用される。
【0134】
以上の本実施形態によれば、振動減衰装置89が配置されたことにより、第1〜10実施形態の効果に加えて、車両1の試験時に生じる車両拘束治具12,82の固有振動が振動減衰装置89によって減衰されるので、拘束力検出器29は車両拘束治具82の影響を低減させた拘束力の計測信号が検出可能となる。
【0135】
例えば、車両試験に供された車両1が急加減速した場合であっても、車両拘束治具12,82の固有振動の減衰率が振動減衰装置89によって低減し、当該治具12,82の振幅時間が短縮するので、拘束力検出器29の計測信号への影響を抑えることができる。
【0136】
ところで、棒状部材の固有振動を減衰させる従来の振動減衰装置としては、特許文献4〜7に開示された振動減衰装置が知られている。しかしながら、これらの振動減衰装置は、一端が自由端である棒状部材の固有振動を減衰させるためものであり、この棒状部材と同心または同軸に取り付ける構造となっている。よって、車両拘束治具12,82のような両端が固定された棒状の部材の固有振動を特許文献4〜7の振動減衰装置によって減衰させる場合、減衰率の調整のための錘の付け替えが困難となる。
【0137】
これに対して、振動減衰装置89は、車両拘束治具12,82から離間して非同心または非同軸に着脱自在に取り付けが可能となっているので、車両拘束治具12,82のような両端が固定されて固有振動数の調整が困難な棒状の部材に対して容易に取り付け可能となる。しかも、取り付け後であっても錘部894の重量調整が可能となるので、車両拘束治具12,82の固有振動周波数、減衰率の調整が容易となる。
【0138】
特に、振動減衰装置89においては、取り付け部材891は、上端部891aが車両拘束治具12,82に対して、本体部891bが上端部891aに対して、下端部891cが本体部891bに対して、弾性部材892が下端部891cに対して、軸部893が弾性部材892に対して、錘部894が軸部893に対して、それぞれ着脱自在となっている。したがって、車両拘束治具12,82に対する上端部891aの取り付け位置、本体部891b,軸部893,弾性部材892の長さ、弾性部材892の弾性力、錘部894の重さを任意個別に設定可能となる。よって、車両拘束治具12,82の固有振動周波数に対して柔軟に対応した調整が可能となる。そして、下端部891cを水平方向に回転自在とすることにより、前記調整の効果がさらに一層高まる。
【0139】
尚、図30(B)に示したように、取り付け部材891の下端部891cの外側面において既存の弾性部材892と対向させて弾性部材892を着脱自在に追加接続し、また、この弾性部材892に対して長さ調整可能な軸部893を着脱自在に接続し、さらに、この軸部893に対して重量調整可能な錘部894を着脱自在に接続するとよい。本態様によれば、車両拘束治具12,82の固有振動周波数、減衰率の調整範囲がさらに拡張する。
【0140】
以上説明した振動減衰装置89は車両拘束治具12,82を振動減衰対象物としているが、本発明の振動減衰装置は車両拘束治具12,82に限定することなく、振動現象を起こす他の棒状の部材に対しても適用でき、この他の部材の固有振動をも減衰させることができる。
【0141】
[第12実施形態]
図31図32は第12実施形態を示す。本実施形態の車両拘束装置11は、第1〜11実施形態のいずれかの態様において、シャシダイナモメータによる車両1の試験時に生じる車両1の横振れを抑制する横振れ抑制機構61をさらに備える。
【0142】
横振れ抑制機構61は車両1の前輪側及び後輪側の位置にて左右一対に配置されている。特に、第4,5実施形態においては、車両拘束治具12と緩衝しない程度に配置される。
【0143】
横振れ抑制機構61は、車両1の本体と弾性当接する緩衝材62と、この緩衝材62の配置を車両1の幅方向に調整自在に緩衝材62を支持する支持部材63と、この支持部材63が取り付けられる支柱部64とを備える。
【0144】
緩衝材62はスポンジやエアボールが充填されて成る。支持部材63,支柱部64は、車両拘束治具12と同様に、鋼板等の機械的強度に優れた素材により板材や鋼管材など、車両1の横力を拘束するために必要な引張強度と圧縮強度を備えた材質から成る。
【0145】
支持部材63は、図32に示したように、支柱部64に固定された水平支持部材65によって水平支持されている。一方、支柱部64は、床面9上に配置固定された台座部67において車両1の車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに位置調整可能に立設支持部材66によって立設支持されている。
【0146】
以上の本実施形態の車両拘束装置11によれば、横振れ抑制機構61が配置されたことにより、第1〜11実施形態の効果に加えて、シャシダイナモメータによる車両1の試験時に発生する車両1の横振れ(横力)を抑制できる。これにより、車両1のピッチング、上下運動以外の動きを抑えることができる。
【0147】
ところで、シャシダイナモメータにおける車両拘束装置として、特許文献1〜3に開示された車両拘束装置の他に、例えば、特許文献8,9に開示された車両固定装置が知られている。特許文献8の車両固定装置は、試験車両の四隅の対応位置に当該車両の固定機を配置している。特許文献9の車両固定装置は、試験車両の前後側を固定する車止めバーと、当該車両の左右側を固定する横押え部を備える。
【0148】
しかしながら、特許文献8,9の車両固定装置は、試験車両の前後及び左右が略完全に固定されるので車両ピッチング運動が必要以上に抑制される傾向となることから特許文献1〜3と同様に試験者の意図とする路上に近似した車両挙動を再現できない場合がある。
【0149】
これに対して、本実施形態の車両拘束装置11は、第1〜11実施形態のいずれかの車両拘束治具12と、横振れ抑制機構61を備えたことにより、車両ピッチング運動の解放を確保しながらも、車両1の試験時に発生する車両1の横力を抑制できる。これにより、垂直荷重が路上に近似した車両挙動をより一層効果的に実現できる。
【0150】
また、横振れ抑制機構61は、車両1の前輪側及び後輪側の位置にて左右一対に配置されることにより、車両1の左右フロントフェンダー部近傍と左右リアフェンダー部近傍する位置において車両1の横振れを抑制できる。したがって、通常、車両1の前方に設置されているエンジンを冷却するための車両1の冷却ファン吐出口に干渉することがなく運転が可能となる。また、乗車時などの車両1のドア開閉にも干渉しないため、計測機器を車両1に搭載する場合の準備時間が短縮する可能となる。
【0151】
さらに、横振れ抑制機構61において、緩衝材62が車両1の本体と弾性当接するので、車両1のピッチング運動を阻害する影響を低減できる。また、緩衝材62の配置位置は支持部材63によって車両1の幅方向に調整自在となっているので、車両1の車幅に応じて緩衝材62の配置を任意に設定できる。
【0152】
そして、支柱部64は車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに配置位置が調整可能であるので、車両1の車幅、車長、車高に応じて緩衝材62の配置を任意に設定できる。
【0153】
[第13実施形態]
図33に示した本実施形態の車両拘束装置11は、第1〜12実施形態のいずれかの態様において、第2リンク機構17の代わりに、以下の第2リンク機構(連結機構)501を備える。
【0154】
第2リンク機構501は、車両拘束治具12の他端側をこの車両拘束治具12がヨーイング運動(図33の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール10に連結させる。
【0155】
第2リンク機構501は、ポール10に具備されたブラケット部502に挿通される一方で車両拘束治具12の他端側に具備された一対のブラケット部125に支持される軸部503と、この軸部503に装着される一方でブラケット部502に嵌装されるピロボール(球面滑り軸受け)504を備える。
【0156】
また、ブラケット部125から軸部503の脱離を防止するために、軸部503の両端にはナット等の締結具505が装着されている。
【0157】
以上の第2リンク機構501を備えた車両拘束装置11によれば、第1〜12実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0158】
床面9におけるポール10の台座部100の配置を厳密に調整しなくても、ピロボール504によってポール10のブラケット部502に対する車両拘束治具12の設置角度を任意に設定できる。これにより、車両拘束装置11の取付け作業時間の短縮が可能となる。
【0159】
ところで、特許文献10に開示された従来の車両拘束装置は、車両を拘束するチェーンが連結されるフックを備えた移動金具を有するスライドベアリングをポールの任意の位置に設けることによりポールの上下方向及びポールを軸心に回転可能に移動金具の移動できる。
【0160】
しかしながら、前記従来の車両拘束装置においては、一旦、移動金具をポールに固定した後はポールの位置を微調整できない。さらに、前記車両のヨーイング運動が拘束される問題がある。
【0161】
特に、前記車両を前記ポールに結合させた後は、当該ポールの過回転防止などの保護協調を確保するため、当該車両の可動範囲が固定または制限される。つまり、車両のヨーイング運動が著しく拘束される。また、車両拘束後の走行状態においては、車両のヨーイングも考慮する必要があるので、前記チェーンと前記ポールとの結合部分にある程度の角度を許容しようとした場合に隙間等の機械的な遊びが大きくなる可能性がある。
【0162】
これに対して、本態様の車両拘束装置11においては、車両拘束治具12側のブラケット部125において支持された軸部503に装着されたピロボール504はポール10側のブラケット部502に嵌装された状態となっているので、軸部503とブラケット部502との隙間が最小限に抑えられる。したがって、車両1と床面9上のポール10とを確実、強固に連結でき、車両1の前後方向の運動を制限できる。
【0163】
また、床面9上のポール10の保護協調に加え、ピロボール504にて車両1の車幅方向の回転を拡張することにより、ピロボール504の可動範囲において車両1のヨーイング運動を許容することが可能となる。
【0164】
さらに、軸部503におけるポール10のブラケット部502と車両拘束治具12のブラケット部125との間の部位にはピロカラー(中間部材)506を装着させるとよい。ブラケット部502,125間の機械的な遊びがさらに解消されるので、車両1とポール10とを、より一層、確実及び強固に連結できる。
【0165】
以上のように本実施形態の車両拘束装置11によれば、試験者の意図とする路上に近似した車両挙動を、より一層、効果的に再現できる。
【0166】
また、上記の第2リンク機構501の代わりに、図34に示した以下の第2リンク機構(連結機構)501を採用してもよい。
【0167】
第2リンク機構501は、車両拘束治具12の他端側にこの治具12と同軸に具備されたブラケット部126に挿通される一方でポール10に具備された一対のブラケット部507に支持される軸部503と、この軸部503に装着される一方で車両拘束治具12のブラケット部126に嵌装されるピロボール504を備える。このような態様により、この車両拘束治具12がヨーイング運動(図34の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール10に連結される。
【0168】
前記一対のブラケット部507はポール10に具備されたブラケット部502の一端に固定されている。そして、このブラケット部507からの軸部503の脱離を防止するために、軸部503の両端には締結具505が装着されている。
【0169】
以上の第2リンク機構501を備えた車両拘束装置11によれば図33の第2リンク機構501を備えた車両拘束装置11と実質的に同等の効果が得られることは明らかである。
【0170】
尚、第2リンク機構501においても、軸部503におけるポール10のブラケット部502と車両拘束治具12のブラケット部126との間の部位にピロカラー506を装着させるとよい。本態様によれば、ブラケット部502,126間の機械的な遊びがさらに解消されるので、車両1とポール10とを、より一層、確実及び強固に拘束できる。
【0171】
[第14実施形態]
また、第13実施形態の第2リンク機構501の代わりに、図35に示された第2リンク機構(連結機構)501を採用してもよい。
【0172】
本態様の第2リンク機構501は、ピロボール504の代わりに軸受け508を備えたこと以外は、図33の第2リンク機構501と実質的に同じ態様となっている。
【0173】
すなわち、第2リンク機構501は、ポール10に具備されたブラケット部502に挿通される一方で車両拘束治具12の他端側に具備された一対のブラケット部125に支持される軸部503と、この軸部503に装着される一方でブラケット部502に嵌装される軸受け508とを備える。
【0174】
軸受け508は弾性部材を備える。すなわち、軸受け508は、図35に示したように、軸部503に装着される内側軸受け部581と、ブラケット部502に嵌装される外側軸受け部582と、この内側軸受け部581と外側軸受け部582との間に介在させる弾性部材583とを備える。また、緩衝材である弾性部材583は例えば弾性合成ゴムからなる。
【0175】
このような第2リンク機構501の態様により、この車両拘束治具12がヨーイング運動(図35の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール10に連結される。
【0176】
以上の第2リンク機構501を備えた車両拘束装置11によっても第13実施形態と同様の効果が得られることは明らかである。
【0177】
すなわち、床面9におけるポール10の台座部100の配置を厳密に調整しなくても、弾性部材583を備えた軸受け508によってポール10のブラケット部502に対する車両拘束治具12の設置角度を任意に設定できる。これにより、車両拘束装置11の取付け作業時間の短縮が可能となる。
【0178】
また、車両拘束治具12側のブラケット部125において支持された軸部503に装着された軸受け508はポール10側のブラケット部502に嵌装された状態となっているので、軸受け508の弾性部材583の緩衝材特性によって微小な車両1の前後方向の運動を許容する。さらには、車両拘束治具12において比較的大きな捻じり角が得られるので、車両拘束治具12とポール10とが連結された際の車両拘束治具12並びにポール10に対する応力負荷が軽減する。そして、床面9上のポール10の保護協調に加え、弾性部材583にて車幅方向の回転が拡張し、弾性部材583の緩衝材特性において車両1のヨーイング運動を許容することが可能となる。
【0179】
以上のように本実施形態の車両拘束装置11によれば試験者の意図とする路上に近似した車両挙動をより一層効果的に再現できる。
【0180】
また、上記の第2リンク機構501の代わりに、図36に示した第2リンク機構(連結機構)501を採用してもよい。本態様の第2リンク機構501は、ピロボール504の代わりに軸受け508を備えたこと以外は、図34の第2リンク機構501と実質的に同じ態様となっている。
【0181】
すなわち、図36の第2リンク機構501は、車両拘束治具12の他端側にこの治具12と同軸に具備されたブラケット部126に挿通される一方でポールに具備された一対のブラケット部507に支持される軸部503と、この軸部503に装着される一方で車両拘束治具12のブラケット部126に嵌装される軸受け508を備える。このような態様により、この車両拘束治具12がヨーイング運動(図36の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール10に連結される。
【0182】
以上の第2リンク機構501を備えた車両拘束装置11によれば図34の第2リンク機構501を備えた車両拘束装置11と実質的に同等の効果が得られることは明らかである。
【0183】
また、図33のブラケット部502、図34のブラケット部126は、ピロボール504の代わりに、図38に示したピロボールブッシュに例示される弾性部材593を備えたピロボール(球面滑り軸受け)509を備える。
【0184】
ピロボール509は、軸部503に装着される外周面が球面状を成す内筒部591と、ブラケット部502,126の一端に接続される外筒部592と、この内筒部591と外筒部592との間に介在させる弾性合成ゴムからなる弾性部材593を備える。
【0185】
このピロボール509が適用された第2リンク機構によれば、図33図34の車両拘束治具12において比較的大きな捻じり角が得られる。したがって、第13実施形態(図33図34の態様)の効果に加えて、車両拘束治具12とポール10とが連結された際の車両拘束治具12並びにポール10に対する応力負荷が軽減する。
【0186】
また、図25の補強治具52並びに第一補強治具86若しくは補強治具52と第一補強治具86のいずれかの両端付近に連結される連結治具53は、図38のピロボール509を備えるとよい。
【0187】
さらに、図10〜14,20,23の補強治具52の両端付近に連結される連結治具53、若しくは、図15,17,19,21の連結軸73に連結される連結治具53は、図38のピロボール509を備えるとよい。そして、この連結治具53を、図33〜36の第2リンク機構501,上述のピロボール59を有するブラケット部502,126のいずれかと組み合わせて車両拘束装置11に備えてもよい。
【0188】
ピロボール509は、上述の補強治具52,第一補強治具86の両端付近または上述の連結軸73に装着される。すなわち、ピロボール509は、補強治具52,第一補強治具86の両端付近または連結軸73に装着される外周面が球面状の内筒部591と、車両拘束治具12の一端または車両拘束治具82の一端若しくは他端が接続される連結治具53の接続治具57に接続される外筒部592と、この内筒部591と外筒部592との間に介在させる弾性合成ゴムからなる弾性部材593を備える。
【0189】
以上のピロボール509を備えた態様によれば、車両拘束治具12,82において、さらに比較的大きな捻じり角が得られる。したがって、第1〜14実施形態の効果に加えて、車両拘束治具12,82と補強治具52,第一補強治具86,連結軸73とが連結された際の車両拘束治具12,82,補強治具52,第一補強治具86及び連結軸73に対する応力負荷が軽減する。
【符号の説明】
【0190】
1…車両、121…後部座席ドア、122…後部座席室、123…開口部
2…シートベルト固定ピラー、2a…内面、2b…外面
3…ネジ
4,5…シートベルト固定部
6…車両重心点位置
7…ローラ
8…タイヤ
9…床面
10…ポール
11…車両拘束装置
12,82…車両拘束治具、125,126…ブラケット部
13,15,45,54…長さ調整機構
16,31,51,71…第1リンク機構
17,41,84…第2リンク機構
18…軸部
19…軸受け部材
20…ピラー取り付け部材
29…拘束力検出器
32…軸部
33…軸支持アーム
52…補強治具
53…連結治具
61…横振れ抑制機構、62…緩衝材、63…支持部材、64…支柱部
72a〜72c…ピラー取り付け部材、73…連結軸、74…押圧部材
83…車両固定装置、84…リンク機構、85…取り付け部材、86…第一補強治具、87…第二補強治具
89…振動減衰装置、891…取り付け部材、892…弾性部材、893…軸部、894…錘部、891a…上端部、891b…本体部、891c…下端部
90…撓み吸収機構、900…緩衝材、901…治具受け部、902…支柱部、904…受け止め部
501…第2リンク機構(連結機構)
502,507,125,126…ブラケット部、503…軸部、504…ピロボール(球面滑り軸受け)、506…ピロカラー(中間部材)、508…軸受け
509…ピロボール(球面滑り軸受け)、591…内筒部、592…外筒部、593…弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図16
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図20
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図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【手続補正書】
【提出日】2016年9月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両の左右のシートベルト固定ピラーに回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と
を備えた車両拘束装置。
【請求項2】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と
を備え
前記連結機構は、
前記ポールに具備されたブラケット部に挿通される一方で前記車両拘束治具の他端側に具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記ポールのブラケット部に嵌装される球面滑り軸受けと
を備えた車両拘束装置。
【請求項3】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と
を備え
前記連結機構は、
前記車両拘束治具の他端側に具備されたブラケット部に挿通される一方で前記ポールに具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記車両拘束治具のブラケット部に嵌装される球面滑り軸受けと
を備えた車両拘束装置。
【請求項4】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と
を備え、
前記連結機構は、
前記ポールに具備されたブラケット部に挿通される一方で前記車両拘束治具の他端側に具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記ポールのブラケット部に嵌装される弾性部材を有する軸受けと
を備えた車両拘束装置。
【請求項5】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と
を備え、
前記連結機構は、
前記車両拘束治具の他端側に具備されたブラケット部に挿通される一方で前記ポールに具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、
この軸部に装着される一方で前記車両拘束治具のブラケット部に嵌装される弾性部材を有する軸受けと
を備えた車両拘束装置。
【請求項6】
前記軸部における前記ポールのブラケット部と前記車両拘束治具のブラケット部との間の部位に中間部材を装着させた請求項またはに記載の車両拘束装置。
【請求項7】
車両試験装置のローラ上に載せられた後部座席ドアを有する車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両の車両重心位置の近傍において当該車両に回動自在に連結される一対の車両拘束治具と、
前記車両の後部座席室内で前記車両拘束治具の他端側が連結される連結機構と、
前記車両の左右の後部座席ドア近辺における床面上に設置されて当該後部座席ドアの開口部を介して前記連結機構を支持する一対の車外固定装置と
を備え、
前記連結機構は、
前記車両の後部座席室内に対向配置されて前記車外固定装置によって支持される左右一対の取り付け部材と、
この一対の取り付け部材を連結補強する第一補強治具と、
前記車両拘束治具の他端を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記第一補強治具の両端付近に連結させる連結治具と
を備えた車両拘束装置。
【請求項8】
前記連結治具は、前記第一補強治具の両端付近に装着される球面滑り軸受けを備えた請求項に記載の車両拘束装置。
【請求項9】
前記車両の左右のシートベルト固定ピラーに取り付けられる一対のピラー取り付け部材と、
この一対のピラー取り付け部材を連結補強する長さ調整可能な補強治具と、
この補強治具の両端付近に前記車両拘束治具の一端側を連結させる連結治具と、
この連結治具に備えられる一方で前記補強治具の両端付近に装着される球面滑り軸受けと
をさらに備えた請求項からのいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項10】
前記車両の左右のシートベルト固定ピラーに取り付けられる連結軸と、
この連結軸に前記車両拘束治具の一端側を連結させる連結治具と、
この連結治具に備えられる一方で前記連結軸に装着される球面滑り軸受けと
をさらに備えた請求項からのいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項11】
前記球面滑り軸受けは弾性部材を備えた請求項2,3,6,8から10のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項12】
前記車両試験装置による前記車両の試験時に生じる当該車両の横振れを抑制する横振れ抑制機構をさらに備えた請求項1から11のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項13】
前記横振れ抑制機構は、
前記車両の本体と弾性当接する緩衝材と、
この緩衝材を前記車両の幅方向に調整可能に支持する支持部材と、
この支持部材が取り付けられる支柱部と
を備えた請求項12に記載の車両拘束装置。
【請求項14】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と、
前記車両試験装置による車両試験時に生じる前記車両拘束治具の撓みを吸収する撓み吸収機構と
を備えた車両拘束装置。
【請求項15】
前記車両試験装置による車両試験時に生じる前記車両拘束治具の撓みを吸収する撓み吸収機構をさらに備えた請求項から13のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項16】
前記撓み吸収機構は、
重力方向の撓みを生じた前記車両拘束治具と弾性当接する緩衝材を有する治具受け部と、
この治具受け部を水平方向または垂直方向に回転可能に支持する支柱部と
を備えた請求項14または15に記載の車両拘束装置。
【請求項17】
車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、
一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、
この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と、
前記車両拘束治具に着脱自在に取り付けられて前記車両試験装置による前記車両の試験時に生じる当該車両拘束治具の振動を減衰する振動減衰装置と
を備えた車両拘束装置。
【請求項18】
前記車両拘束治具に着脱自在に取り付けられて前記車両試験装置による前記車両の試験時に生じる当該車両拘束治具の振動を減衰する振動減衰装置をさらに備えた請求項1から16のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【請求項19】
前記振動減衰装置は、
前記車両拘束治具に着脱自在に取り付けられる取り付け部材と、
この取り付け部材の下端部の外側面に着脱自在に接続される弾性部材と、
この弾性部材に一端が着脱自在に接続される長さ調整可能な軸部と、
この軸部の他端に着脱自在に接続される重量調整可能な錘部と
を備えた請求項17または18に記載の車両拘束装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両の左右のシートベルト固定ピラーに回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構を備える。
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構を備える。前記連結機構は、前記ポールに具備されたブラケット部に挿通される一方で前記車両拘束治具の他端側に具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、この軸部に装着される一方で前記ポールのブラケット部に嵌装される球面滑り軸受けを備える。
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構を備える。前記連結機構は、前記車両拘束治具の他端側に具備されたブラケット部に挿通される一方で前記ポールに具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、この軸部に装着される一方で前記車両拘束治具のブラケット部に嵌装される球面滑り軸受けを備える。
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構を備える。前記連結機構は、前記ポールに具備されたブラケット部に挿通される一方で前記車両拘束治具の他端側に具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、この軸部に装着される一方で前記ポールのブラケット部に嵌装される弾性部材を有する軸受けを備える。
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構を備える。前記連結機構は、前記車両拘束治具の他端側に具備されたブラケット部に挿通される一方で前記ポールに具備された一対のブラケット部に支持される軸部と、この軸部に装着される一方で前記車両拘束治具のブラケット部に嵌装される弾性部材を有する軸受けを備える。
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた後部座席ドアを有する車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両の車両重心位置の近傍において当該車両に回動自在に連結される一対の車両拘束治具と、前記車両の後部座席室内で前記車両拘束治具の他端側が連結される連結機構と、前記車両の左右の後部座席ドア近辺における床面上に設置されて当該後部座席ドアの開口部を介して前記連結機構を支持する一対の車外固定装置を備える。前記連結機構は、前記車両の後部座席室内に対向配置されて前記車外固定装置によって支持される左右一対の取り付け部材と、この一対の取り付け部材を連結補強する第一補強治具と、前記車両拘束治具の他端を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記第一補強治具の両端付近に連結させる連結治具を備える。
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と、前記車両試験装置による車両試験時に生じる前記車両拘束治具の撓みを吸収する撓み吸収機構を備える。
本発明の一態様は、車両試験装置のローラ上に載せられた車両を拘束する車両拘束装置であって、一端側が前記車両に回動可能に連結される一方で他端側が床面上の左右のポールに回動可能に連結される一対の車両拘束治具と、この車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構と、前記車両拘束治具に着脱自在に取り付けられて前記車両試験装置による前記車両の試験時に生じる当該車両拘束治具の振動を減衰する振動減衰装置を備える。