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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-217920(P2016-217920A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】磁気センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/09 20060101AFI20161125BHJP
   H01L 43/08 20060101ALI20161125BHJP
   H01L 43/02 20060101ALI20161125BHJP
   G01R 33/02 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   G01R33/06 R
   H01L43/08 Z
   H01L43/02 Z
   G01R33/02 U
   G01R33/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-104057(P2015-104057)
(22)【出願日】2015年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小池 文人
(72)【発明者】
【氏名】徳永 一郎
(72)【発明者】
【氏名】奥村 博文
(72)【発明者】
【氏名】安田 由季子
【テーマコード(参考)】
2G017
5F092
【Fターム(参考)】
2G017AA03
2G017AC06
2G017AD55
2G017AD65
2G017BA05
2G017BA09
2G017BA15
2G017CB01
2G017CB18
5F092AB01
5F092AC08
5F092AD06
5F092BB04
5F092BB09
5F092BB10
5F092BB31
5F092BB42
5F092BB53
5F092BC04
5F092BC07
5F092BC42
5F092EA01
5F092FA05
5F092FA08
(57)【要約】
【課題】2つ出力情報を同等にできる磁気センサを提供することを目的とする。
【解決手段】磁気センサは、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子が複数個備えられた第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12と、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12のそれぞれの磁気抵抗効果素子Mが磁界を検知した検知信号を処理する第1制御部及び第2制御部と、を備え、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12における少なくとも2つの磁気抵抗効果素子Mのピン止めされた磁化方向(D1、D2、D3、D4)が異なっており、第1磁気検出素子群G11の複数の磁気抵抗効果素子Mと第2磁気検出素子群G12の複数の磁気抵抗効果素子Mとが磁化方向(D1、D2、D3、D4)が対称になるように配置されていることを特徴としている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性材料層を介して積層された磁気抵抗効果素子が複数個備えられた第1磁気検出素子群及び第2磁気検出素子群と、該第1磁気検出素子群及び該第2磁気検出素子群のそれぞれの前記磁気抵抗効果素子が磁界を検知した検知信号を処理する第1制御部及び第2制御部と、を備え、
前記固定磁性層は、第1磁性層と第2磁性層とが非磁性中間層を介して積層され、前記第1磁性層と前記第2磁性層とが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型であり、
前記第1磁気検出素子群及び前記第2磁気検出素子群における少なくとも2つの前記磁気抵抗効果素子のピン止めされた磁化方向が異なっており、
前記第1磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子と前記第2磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子とが前記磁化方向が対称になるように配置されていることを特徴とする磁気センサ。
【請求項2】
前記第1磁気検出素子群と前記第2磁気検出素子群が1つの素子基板上に形成されており、
前記素子基板上の基準点に対して前記磁化方向が点対称になるように、前記第1磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子と前記第2磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子とが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記第1磁気検出素子群、前記第2磁気検出素子群、前記第1制御部及び前記第2制御部は、1つの複合パッケージ体で封止されており、
前記第1制御部と前記第2制御部とは、前記第1磁気検出素子群及び前記第2磁気検出素子群を挟んで配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記第1磁気検出素子群及び前記第1制御部が1つの単独パッケージ体で封止され、
前記第1磁気検出素子群が、該単独パッケージ体の一方の端部に配置された第1センサ体と、
該第1センサ体と同一の構造である第2センサ体と、を有し、
該第2センサ体内に封止されている前記第1磁気検出素子群を前記第2磁気検出素子群とするとともに、前記第1制御部を前記第2制御部とし、
前記第1センサ体の前記一方の端部と前記第2センサ体の前記一方の端部とを基準線を挟んで対向させて配置しているとともに、
前記第1磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子の前記磁化方向と前記第2磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子の前記磁化方向とが前記基準線に対して線対称になるように磁化されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記第1磁気検出素子群及び前記第2磁気検出素子群における前記磁気抵抗効果素子の磁界を検知するそれぞれの感磁面は、前記単独パッケージ体の厚み方向の中心位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の磁気センサ。
【請求項6】
前記単独パッケージ体の他方の端部から平面方向の外側に向けて設けられた突設部を有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の磁気センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の磁気抵抗効果素子を有した磁気センサに関し、特に、2つの検出値を出力する磁気センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外部磁界を検出する磁気検出素子を用いた磁気センサは、電流情報、位置情報、角度情報等を得ることに用いられ、各種電子機器に搭載されるようになってきた。特に、角度情報を得るための磁気センサは、非接触で測定を行える利点から、回転センサや角度センサ等の回転角度検出装置に好適に用いられている。
【0003】
このような磁気センサを回転角度検出装置に用いた一例として、特許文献1(従来例)では、図13に示すような磁気検出素子(902a、902b、902c)を用いた磁気エンコーダ900(回転角度検出装置)が提案されている。図13は、従来例の磁気エンコーダ900の構成を示す概略図である。
【0004】
図13に示す磁気エンコーダ900は、N極とS極が交互に現われるように磁気パターンが配置されている回転体901(一般的には、磁石体である永久磁石または永久磁石にヨークが設けられているもの)と、回転体901の周囲に配置されている磁気検出素子(902a、902b、902c)と、磁気検出素子(902a、902c)からの信号を処理するEXORゲート903と、を備えて主に構成されている。そして、磁気検出素子902aと磁気検出素子902cとが逆相信号となるように配置されており、これら2つの信号を用いて、回転体901の回転方向RDや回転速度を検出している。なお、磁気検出素子902bを更に配置することで、磁気エンコーダ900の動作異常や回転体901の磁気パターンの異常を検出することができるとしている。
【0005】
ところで、昨今では、回転角度検出装置に対して、異常を検出するばかりで無く、異常が発生した際にも、正常な出力信号が得られるような2出力タイプの要求が高まってきており、それに用いられる磁気センサにおいても2出力タイプが要求されてきた。特に、車載向け回転角度検出装置では、車両の安全規格から2出力タイプとする要求が強くなってきた。この2出力タイプの要求に対して、従来例の磁気パターンが交互に配置されている回転体901を用いた場合では、回転体901の周囲にもう一組の磁気検出素子(磁気センサ)を配置することで、2出力タイプに容易に対応することができる。但し、それぞれの磁気検出素子を所定の位置に正確に配置しなければいけなく、多少なりともズレた場合は、同じ出力情報が得られにくいという課題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−201364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、昨今では、回転角度検出装置に対して、小型化の要求も強くなってきている。しかしながら、従来例のような磁気パターンを細かく交互に配置する永久磁石のタイプでは、磁石体(従来例では回転体901)を小さくすることが容易ではないという課題があった。この課題を解決するために、1組のN極及びS極を有した一般的な永久磁石を用いることが考えられた。
【0008】
しかしながら、この小型化した一般的な永久磁石を用いた磁石体の場合、例えば、図12(a)に示す比較例1のように、2つの磁気センサSN1及び磁気センサSN2に対して、それぞれ対応した2つの磁石体MG1及び磁石体MG2を用いなければいけなため、回転角度検出装置の充分な小型化ができないという課題があった。更に個々の磁気センサ(SN1、SN2)や磁石体(MG1、MG2)の特性には僅かな違いがあるため、磁気センサ(SN1、SN2)と磁石体(MG1、MG2)との組合せによっては、2つの磁気センサSN1及び磁気センサSN2からの出力が違うという虞もあった。
【0009】
また、例えば、図12(b)に示す比較例2のように、2つの磁気センサSN3及び磁気センサSN4に対して、1つの磁石体MG3で対応すると、磁石体MG3が大きくなるという課題があった。更に同様にして、2つの磁気センサSN3及び磁気センサSN4からの出力が違うという虞もあった。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するもので、2つ出力情報を同等にできる磁気センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために、本発明の磁気センサは、固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性材料層を介して積層された磁気抵抗効果素子が複数個備えられた第1磁気検出素子群及び第2磁気検出素子群と、該第1磁気検出素子群及び該第2磁気検出素子群のそれぞれの前記磁気抵抗効果素子が磁界を検知した検知信号を処理する第1制御部及び第2制御部と、を備え、前記固定磁性層が第1磁性層と第2磁性層とが非磁性中間層を介して積層され、前記第1磁性層と前記第2磁性層とが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型であり、前記第1磁気検出素子群及び前記第2磁気検出素子群における少なくとも2つの前記磁気抵抗効果素子のピン止めされた磁化方向が異なっており、前記第1磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子と前記第2磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子とが前記磁化方向が対称になるように配置されていることを特徴としている。
【0012】
これによれば、本発明の磁気センサは、1つの磁石体が発生する均等な磁界の位置に、第1磁気検出素子群と第2磁気検出素子群とが配置されることで、第1磁気検出素子群からの検知信号による検出値(第1検出値)と、第2磁気検出素子群からの検知信号による検出値(第2検出値)と、を同等の出力値として得ることができる。しかも、磁気抵抗効果素子がセルフピン止め型なので、第1磁気検出素子群及び第2磁気検出素子群のそれぞれの磁気抵抗効果素子を同一ウェハ上で作製することができ、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子(一方は第1磁気検出素子群内、他方は第2磁気検出素子群内)を同一タイミングで形成することができる。このため、第1検出値と第2検出値をより同等の出力値として得ることができる。これらのことにより、2つの出力値から得られる出力情報が同等な磁気センサを提供することができる。
【0013】
また、本発明の磁気センサは、前記第1磁気検出素子群と前記第2磁気検出素子群が1つの素子基板上に形成されており、前記素子基板上の基準点に対して前記磁化方向が点対称になるように、前記第1磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子と前記第2磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子とが配置されていることを特徴としている。
【0014】
これによれば、N極及びS極を有した一般的な磁石体(永久磁石または永久磁石にヨークが設けられているもの)が発生する平行な磁界に多少の歪み(特に、点対称に歪む場合が多い)があったとしても、点対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子が受ける磁界の強さが同じようになる。このため、第1磁気検出素子群からの検出値(第1検出値)と第2磁気検出素子群からの検出値(第2検出値)を同等の出力値としてより確実に得ることができる。更に、第1磁気検出素子群と第2磁気検出素子群が1つの素子基板(チップ)上に形成されているので、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子(一方は第1磁気検出素子群内、他方は第2磁気検出素子群内)を正確な対称位置に配置することができる。このため、第1検出値と第2検出値を同等の出力値としてより確実に得ることができる。
【0015】
また、本発明の磁気センサは、前記第1磁気検出素子群、前記第2磁気検出素子群、前記第1制御部及び前記第2制御部が、1つの複合パッケージ体で封止されており、前記第1制御部と前記第2制御部とは、前記第1磁気検出素子群及び前記第2磁気検出素子群を挟んで配置されていることを特徴としている。
【0016】
これによれば、第1制御部と第1磁気検出素子群との電気的接続(例えばワイヤーボンディング)、及び第2制御部と第2磁気検出素子群との電気的接続を行う際に、容易に且つ確実に行うことができる。このことにより、信頼性の高い磁気センサを提供することができる。
【0017】
また、本発明の磁気センサは、前記第1磁気検出素子群及び前記第1制御部が1つの単独パッケージ体で封止され、前記第1磁気検出素子群が、該単独パッケージ体の一方の端部に配置された第1センサ体と、該第1センサ体と同一の構造である第2センサ体と、を有し、該第2センサ体内に封止されている前記第1磁気検出素子群を前記第2磁気検出素子群とするとともに、前記第1制御部を前記第2制御部とし、前記第1センサ体の前記一方の端部と前記第2センサ体の前記一方の端部とを基準線を挟んで対向させて配置しているとともに、前記第1磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子の前記磁化方向と前記第2磁気検出素子群の複数の前記磁気抵抗効果素子の前記磁化方向とが前記基準線に対して線対称になるように磁化されていることを特徴としている。
【0018】
これによれば、1つの構成のセンサ体(単独パッケージ体)を作製し、互いに反転させるだけで、第1センサ体及び第2センサ体として用いることができる。このことにより、磁気センサを容易に作製することができる。
【0019】
また、本発明の磁気センサは、前記第1磁気検出素子群及び前記第2磁気検出素子群における前記磁気抵抗効果素子の磁界を検知するそれぞれの感磁面が、前記単独パッケージ体の厚み方向の中心位置に配置されていることを特徴としている。
【0020】
これによれば、互いに反転させた第1センサ体及び第2センサ体の厚み高さを揃えて配置するだけで、第1磁気検出素子群の磁気抵抗効果素子の感磁面と第2磁気検出素子群の磁気抵抗効果素子の感磁面とを同一平面にすることができる。このことにより、磁気センサを容易に作製することができる。
【0021】
また、本発明の磁気センサは、前記単独パッケージ体の他方の端部から平面方向の外側に向けて設けられた突設部を有していることを特徴としている。
【0022】
これによれば、第1磁気検出素子群及び第2磁気検出素子群がそれぞれ設けられた一方の端部を確実に認識することができる。このことにより、間違えることなく一方の端部同士が対向するように磁気センサを容易に作製することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の磁気センサは、1つの磁石体が発生する均等な磁界の位置に、第1磁気検出素子群と第2磁気検出素子群とが配設されることで、第1磁気検出素子群からの検知信号による検出値(第1検出値)と、第2磁気検出素子群からの検知信号による検出値(第2検出値)と、を同等の出力値として得ることができる。しかも、磁気抵抗効果素子がセルフピン止め型なので、第1磁気検出素子群及び第2磁気検出素子群のそれぞれの磁気抵抗効果素子を同一ウェハ上で作製することができ、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子(一方は第1磁気検出素子群内、他方は第2磁気検出素子群内)を同一タイミングで形成することができる。このため、第1検出値と第2検出値をより同等の出力値として得ることができる。これらのことにより、2つの出力値から得られる出力情報が同等な磁気センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態の磁気センサを説明する図であって、図1(a)は、磁気センサの平面図であり、図1(b)は、磁気センサの側面図である。
図2】本発明の第1実施形態の磁気センサを説明する図であって、図1(a)に示す磁気センサの樹脂パッケージを取り除いた平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの素子基板を説明する図であって、第1磁気検出素子群及び第2磁気検出素子群を示した模式図である。
図4】本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの磁気抵抗効果素子を説明する図であって、その断面構成図である。
図5】本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの磁気抵抗効果素子を説明する図であって、図5(a)及び図5(b)は、図3に示す磁気抵抗効果素子のパターン例を示した図である。
図6】本発明の第1実施形態の磁気センサに係わる磁気抵抗効果素子をブリッジ接続した回路図であって、図6(a)は、第1磁気検出素子群のブリッジ回路であり、図6(b)は、第2磁気検出素子群のブリッジ回路である。
図7】本発明の第2実施形態の磁気センサを説明する図であって、図7(a)は、磁気センサの平面図であり、図7(b)は、磁気センサの側面図である。
図8】本発明の第2実施形態の磁気センサを説明する図であって、図7(a)に示す磁気センサの樹脂パッケージを取り除いた平面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係わる磁気センサの素子基板を説明する図であって、第1磁気検出素子群及び第2磁気検出素子群を示した模式図である。
図10】本発明の第2実施形態の磁気センサを説明する図であって、図10(a)は、図7(b)に示す磁気センサの樹脂パッケージを取り除いた側面図であり、図10(b)は、図10(a)に示すP部分の拡大側面図である。
図11】本発明の第2実施形態の磁気センサに係わる磁気抵抗効果素子をブリッジ接続した回路図であって、図11(a)は、第1磁気検出素子群のブリッジ回路であり、図11(b)は、第2磁気検出素子群のブリッジ回路である。
図12】比較例を説明する図であって、図12(a)は、比較例1の磁気センサ及び磁石体を示した模式図であり、図12(b)は、比較例2の磁気センサ及び磁石体を示した模式図である。
図13】従来例の磁気エンコーダの構成を示す概略図である
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の磁気センサ101を説明する図であって、図1(a)は、磁気センサ101の上面図であり、図1(b)は、磁気センサ101の側面図である。図2は、本発明の第1実施形態の磁気センサ101を説明する図であって、図1(a)に示す磁気センサ101の樹脂パッケージを取り除いた平面図である。図2では、端子T7の一部を省略している。また、図1及び図2には、説明を分かり易くするため、磁気センサ101が配設された際の磁石体MG10(永久磁石または永久磁石にヨークが設けられているもの)の大きさ及び位置を示している。
【0027】
本発明の第1実施形態の磁気センサ101は、図1に示すようなSIP(Single Inline Package)タイプの樹脂パッケージになっており、図2に示すように、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12が形成された素子基板15と、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12からの検知信号を処理する第1制御部C11及び第2制御部C12と、を備えて構成されている。他に、本発明の第1実施形態では、磁気センサ101は、8つのコンデンサCDと、コンデンサCDや素子基板15等が搭載された回路基板P19と、外部機器との接続のための端子T7と、を備えている。
【0028】
そして、磁気センサ101は、リング形状の磁石体MG10が発生する磁界の変化を検知し、検知した検知信号を処理して出力している。具体的には、例えば、磁気センサ101が回転角度検出装置に適用された際には、回転角度検出装置に備えられた磁石体MG10が回転角度を検出したい被回転検出体に連動して回転することで、磁石体MG10による磁界が変化し、この磁界の変化を磁気センサ101で検知して、検知した検知信号を処理して出力信号として回転角度検出装置に出力している。なお、磁気センサ101は、第1磁気検出素子群G11が検知した検知信号を第1制御部C11で処理して検出値(第1検出値)として出力できるともに、第2磁気検出素子群G12が検知した検知信号を第2制御部C12で処理して検出値(第2検出値)として出力でき、所謂、2出力タイプのセンサとなっている。
【0029】
また、本発明の第1実施形態では、磁気センサ101は、第1磁気検出素子群G11、第2磁気検出素子群G12、第1制御部C11及び第2制御部C12が図1に示すような1つの複合パッケージ体で封止されており、しかも、図2に示すように、第1制御部C11と第2制御部C12とは、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12(素子基板15)を挟んで配置されている。つまり、第1制御部C11と第1磁気検出素子群G11とが隣り合わせて配置されているとともに、第2制御部C12と第2磁気検出素子群G12とが隣り合わせて配置されている。
【0030】
これにより、第1制御部C11と第1磁気検出素子群G11との電気的接続(例えばワイヤーボンディングしての接続)、及び第2制御部C12と第2磁気検出素子群G12との電気的接続を行う際に、容易に且つ確実に行うことができる。このことにより、信頼性の高い磁気センサ101を提供することができる。
【0031】
更に、このように配置することにより、図2に示すように、第1磁気検出素子群G11と第2磁気検出素子群G12とを近づけて配置することができるとともに、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12を複合パッケージ体の中心に配置することができる。このため、小さな磁石体MG10であっても、リング形状の磁石体MG10の中央部に対向した位置となるように第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12を配設することができ、磁気センサ101は、所望の磁界の位置で磁界の変化を検知することができる。このことにより、磁気センサ101は、回転検出装置において小さな磁石体MG10を用いることに寄与することができる。
【0032】
次に、各構成要素について説明する。先ず、磁気センサ101の素子基板15について説明する。図3は、素子基板15を説明する図であって、複数個(具体的には各々8個)の磁気抵抗効果素子Mが備えられた第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12を示した模式図である。図3では、それぞれの磁気抵抗効果素子Mの詳細なパターンを省略して、パターンが形成された領域のみを示しているとともに、それぞれの磁気抵抗効果素子Mにおける磁化方向を矢印で示している。また、図3には、ソースVddのパッド、グランドGNDのパッド、出力信号Sc及び出力信号Ssのパッドも示している。なお、図3では、説明を分かり易くするため、それぞれの磁気抵抗効果素子Mを電気的に接続する配線パターンは省略している。
【0033】
磁気センサ101の素子基板15は、シリコン等のベース基板を用いて作製されており、図3に示すように、磁気抵抗効果素子Mが8個(M1〜M8)備えられた第1磁気検出素子群G11と、磁気抵抗効果素子Mが8個(M9〜M16)備えられた第2磁気検出素子群G12と、が同一平面上に形成されている。なお、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12は、それぞれ8個の磁気抵抗効果素子M同士を配線パターン(図示していない)で接続し、後述するブリッジ回路(図6を参照)を構成している。
【0034】
ここで、素子基板15に形成された第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12における、磁気抵抗効果素子Mについて、先ず簡単に説明する。図4は、磁気抵抗効果素子Mの断面構成図である。図5は、磁気抵抗効果素子Mを説明する図であって、図5(a)及び図5(b)は、図3に示す磁気抵抗効果素子Mのパターン例を示した図である。
【0035】
磁気抵抗効果素子Mは、図4に示すように、シリコン等の基板S9(ベース基板が分割されたもの)上に、NiFeCr(ニッケル鉄クロム)或いはCr(クロム)等で形成されたシード層S8を介して、磁化方向がある方向にピン止めされた固定磁性層2、非磁性材料層3、磁化方向が外部磁界の方向に回転するフリー磁性層4、保護層H7の順に積層されて成膜される。磁気抵抗効果素子Mを構成する各層は、例えばスパッタにて成膜される。
【0036】
そして、図5(a)に示すように、1つの磁気抵抗効果素子Mは、X方向に帯状に長く延びる複数の素子部MaがY方向に間隔を空けてパターニングされており、各素子部MaのX1側端部間、及びX2側端部間が交互に導電部Mcにより接続されてミアンダ形状のパターンになっている。また、図5(b)に示すように、もう1つの磁気抵抗効果素子Mは、Y方向に帯状に長く延びる複数の素子部MaがX方向に間隔を空けてパターニングされており、同様にして、導電部Mcにより接続されてミアンダ形状のパターンになっている。この2つのパターンの磁気抵抗効果素子Mを組合せて、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12を構成している。なお、導電部Mcは非磁性、磁性の別を問わないが、電気抵抗の低いことが好適である。
【0037】
磁気抵抗効果素子Mの固定磁性層2は、図4に示すように、第1磁性層12と第2磁性層22とが非磁性中間層42を介して積層されたSFP(Synthetic Ferri Pin)構造である。この第1磁性層12の固定磁化方向(図4に示す矢印)と第2磁性層22の固定磁化方向(図4に示す矢印)とは、反平行に磁化固定されている。このSFP構造により、所謂セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子Mになっている。また、磁気抵抗効果素子Mの非磁性材料層3は、Cu(銅)などの非磁性導電材料が用いられ、フリー磁性層4は、NiFe(ニッケル鉄)、CoFe(コバルト鉄)、CoFeNi(コバルト鉄ニッケル)などの軟磁性材料が用いられ、それら単層構造、或いは積層構造で構成される。また、保護層H7として、Ta(タンタル)などが用いられる。
【0038】
以上のように構成された磁気抵抗効果素子Mでは、固定磁性層2を図4に示したセルフピン止め構造により形成することで、磁場中でのアニール処理が不必要になり、成膜時に磁界をかけることにより、磁化方向を任意の方向に揃えることができる。このため、複数回の成膜を行うことで、同一の基板(素子基板15)上に磁化方向が異なる複数の磁気抵抗効果素子Mを形成することが可能になる。このセルフピン止め構造は、一旦、磁化固定してしまえば、第1磁性層12と第2磁性層22間に生じる強いRKKY(Rudermann、Kittel、Kasuya、Yoshida)相互作用により、次の磁気抵抗効果素子Mの固定磁性層2に対する磁場中成膜によっても、既に成膜された固定磁性層2の磁化固定方向が揺らぐことは無い。なお、磁気抵抗効果素子Mの感度軸方向は、固定磁性層2(第2磁性層22)の磁化方向と一致している。
【0039】
以上のようなセルフピン止め型の磁気抵抗効果素子Mを用いて、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12が構成されている。そして、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12は、図3に示すように、4つの異なった磁化方向(固定磁性層2のピン止めされた磁化方向或いは感度軸方向)を有する磁気抵抗効果素子Mを組み合わせて構成されている。なお、本発明の第1実施形態では、4つの異なった磁化方向は、図3に示すように、X軸方向に向いた互いに逆向きの第1方向D1(X1方向)及び第2方向D2(X2方向)と、X軸方向と直交するY軸方向に向いた互いに逆向きの第3方向D3(Y1方向)及び第4方向D4(Y2方向)と、から構成されている。
【0040】
また、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12における磁気抵抗効果素子Mのそれぞれの磁化方向は、Y軸方向に平行な第1仮想線K1を挟んで、4つの異なった磁化方向の組合せで1組ずつ分かれている。
【0041】
更に、第1磁気検出素子群G11と第2磁気検出素子群G12とは、図3に示すように、X軸方向に平行で(第1仮想線K1と直交する)第1磁気検出素子群G11と第2磁気検出素子群G12との間を通る第2仮想線K2を挟んで、磁気抵抗効果素子Mのそれぞれの磁化方向(第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3、第4方向D4)が線対称になるように配置して構成した。これにより、1つの磁石体MG10の中心線を第2仮想線K2と一致させて磁石体MG10を配設することで、磁石体MG10が発生する左右の均等な磁界の位置に、第1磁気検出素子群G11と第2磁気検出素子群G12とが配設されることとなる。このため、第1磁気検出素子群G11からの検知信号による検出値(第1検出値)と、第2磁気検出素子群G12からの検知信号による検出値(第2検出値)とを、同等の出力値として得ることができる。
【0042】
しかも、磁気抵抗効果素子Mがセルフピン止め型なので、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12のそれぞれの磁気抵抗効果素子Mを同一ウェハ上で作製することができ、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子M(一方は第1磁気検出素子群G11内、他方は第2磁気検出素子群G12内)を同一タイミングで形成することができる。このため、第1検出値と第2検出値をより同等の出力値として得ることができる。
【0043】
更に、本発明の第1実施形態では、図3に示すように、第1磁気検出素子群G11の複数(8つ)の磁気抵抗効果素子Mと第2磁気検出素子群G12の複数(8つ)の磁気抵抗効果素子Mとが互いの磁化方向が基準点(図3では第1仮想線K1と第2仮想線K2が交わる交点)に対して点対称になるように配置されている。具体的には、磁気抵抗効果素子M1と磁気抵抗効果素子M9、磁気抵抗効果素子M2と磁気抵抗効果素子M10、磁気抵抗効果素子M3と磁気抵抗効果素子M11、磁気抵抗効果素子M4と磁気抵抗効果素子M12、磁気抵抗効果素子M5と磁気抵抗効果素子M13、磁気抵抗効果素子M6と磁気抵抗効果素子M14、磁気抵抗効果素子M7と磁気抵抗効果素子M15、磁気抵抗効果素子M8と磁気抵抗効果素子M16の互いの磁化方向が基準点に対して点対称になるように配置されている。これにより、N極及びS極を有した一般的な磁石体MG10が発生する平行な磁界に多少の歪みがあったとしても、点対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子Mが受ける磁界の強さが同じようになる。このため、第1磁気検出素子群G11からの検出値(第1検出値)と第2磁気検出素子群G12からの検出値(第2検出値)を同等の出力値としてより確実に得ることができる。特に、リング形状の磁石体MG10の場合、磁束が点対称に歪むことが多く、より有効である。
【0044】
また、本発明の第1実施形態では、第1磁気検出素子群G11と第2磁気検出素子群G12が1つの素子基板15(チップ)上に形成されているので、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子M(一方は第1磁気検出素子群G11内、他方は第2磁気検出素子群G12内)を正確な対称位置に配置することができる。このため、第1検出値と第2検出値を同等の出力値としてより確実に得ることができる。また、1チップなので、製造し易いという効果も奏する。
【0045】
更に、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12を近づけて配置することができ、磁界を発生するための磁石体MG10の中心位置に配設することで、小さいサイズの磁石体MG10を用いることができる。
【0046】
ここで、素子基板15に形成された第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12における、ブリッジ回路について説明する。図6は、本発明の第1実施形態の磁気センサ101に係わる磁気抵抗効果素子Mをブリッジ接続した回路図であって、図6(a)は、第1磁気検出素子群G11のブリッジ回路であり、図6(b)は、第2磁気検出素子群G12のブリッジ回路である。図6には、それぞれの磁気抵抗効果素子Mの感度軸方向(磁化方向)を示している。
【0047】
第1磁気検出素子群G11のブリッジ回路は、図6(a)に示すように、4つの磁気抵抗効果素子M(M1、M2、M3、M4)を用いた第1ブリッジ回路BC1と、4つの磁気抵抗効果素子M(M5、M6、M7、M8)を用いた第2ブリッジ回路BC2と、を有して構成されている。
【0048】
一方、第2磁気検出素子群G12のブリッジ回路は、図6(b)に示すように、4つの磁気抵抗効果素子M(M9、M10、M11、M12)を用いた第3ブリッジ回路BC3と、4つの磁気抵抗効果素子M(M13、M14、M15、M16)を用いた第4ブリッジ回路BC4と、を有して構成されている。
【0049】
先ず、第1ブリッジ回路BC1は、図6(a)に示すように、第1方向D1(図3に示すX1方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M1と、第1方向D1にピン止めされた磁気抵抗効果素子M2と、第2方向D2(図3に示すX2方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M3と、第2方向D2にピン止めされた磁気抵抗効果素子M4と、から構成されている。つまり、図3に示すように、磁気抵抗効果素子M1及び磁気抵抗効果素子M2の感度軸方向(第1方向D1)と、磁気抵抗効果素子M3及び磁気抵抗効果素子M4の感度軸方向(第2方向D2)とは、反平行に配設されている。また、この4つの磁気抵抗効果素子Mは、図5(a)に示すパターンを用いている。
【0050】
そして、図6(a)に示すように、磁気抵抗効果素子M1の一端と磁気抵抗効果素子M4の一端とを接続して第1接続部CN1が形成され、磁気抵抗効果素子M2の一端と磁気抵抗効果素子M3の一端とを接続して第2接続部CN2が形成され、磁気抵抗効果素子M1の他端と磁気抵抗効果素子M3の他端とを接続して第3接続部CN3が形成され、磁気抵抗効果素子M4の他端と磁気抵抗効果素子M2の他端とを接続して第4接続部CN4が形成されている。このように構成された第1ブリッジ回路BC1には、第1接続部CN1と第2接続部CN2との間(ソースVddとグランドGND間)に所定の電位が印加されて、第3接続部CN3と第4接続部CN4から温度及び外部磁界の変化に対応した2つの出力(互いに反転したSin波の出力信号Ss)が行われるように構成されている。
【0051】
次に、第2ブリッジ回路BC2は、図6(a)に示すように、第3方向D3(図3に示すY1方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M5と、第3方向D3にピン止めされた磁気抵抗効果素子M6と、第4方向D4(図3に示すY2方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M7と、第4方向D4にピン止めされた磁気抵抗効果素子M8と、から構成されている。つまり、図3に示すように、磁気抵抗効果素子M5及び磁気抵抗効果素子M6の感度軸方向(第3方向D3)と、磁気抵抗効果素子M7及び磁気抵抗効果素子M8の感度軸方向(第4方向D4)とは、反平行に配設されている。この4つの磁気抵抗効果素子Mは、図5(b)に示すパターンを用いている。
【0052】
そして、図6(a)に示すように、磁気抵抗効果素子M5の一端と磁気抵抗効果素子M8の一端とを接続して第3接続部CN3が形成され、磁気抵抗効果素子M6の一端と磁気抵抗効果素子M7の一端とを接続して第4接続部CN4が形成され、磁気抵抗効果素子M5の他端と磁気抵抗効果素子M7の他端とを接続して第5接続部CN5が形成され、磁気抵抗効果素子M8の他端と磁気抵抗効果素子M6の他端とを接続して第6接続部CN6が形成されている。このように構成された第2ブリッジ回路BC2には、第3接続部CN3と第4接続部CN4との間(ソースVddとグランドGND間)に所定の電位が印加されて、第5接続部CN5と第6接続部CN6から温度及び外部磁界の変化に対応した2つの出力(互いに反転したCos波の出力信号Ss)が行われるように構成されている。
【0053】
以上のように構成された第1ブリッジ回路BC1及び第2ブリッジ回路BC2を有した第1磁気検出素子群G11からの出力値は、それぞれ位相がずれて波形の異なった4つの出力値となり、この4つの出力値が第1制御部C11に送信される。なお、一般に良く知られているブリッジ回路なので、外部磁界の変化と出力波の詳細な説明は省略する。
【0054】
一方、第2磁気検出素子群G12の第3ブリッジ回路BC3及び第4ブリッジ回路BC4は、第1磁気検出素子群G11の第1ブリッジ回路BC1及び第2ブリッジ回路BC2と同様に構成されており、第1ブリッジ回路BC1及び第2ブリッジ回路BC2における磁気抵抗効果素子Mと点対称にある磁気抵抗効果素子Mに置き換えているのみである。つまり、図6(b)に示すように、磁気抵抗効果素子M1には磁気抵抗効果素子M9、磁気抵抗効果素子M2には磁気抵抗効果素子M10、磁気抵抗効果素子M3には磁気抵抗効果素子M11、磁気抵抗効果素子M4には磁気抵抗効果素子M12、磁気抵抗効果素子M5には磁気抵抗効果素子M13、磁気抵抗効果素子M6には磁気抵抗効果素子M14、磁気抵抗効果素子M7には磁気抵抗効果素子M15、磁気抵抗効果素子M8には磁気抵抗効果素子M16を置き換えている。
【0055】
これにより、第3ブリッジ回路BC3及び第4ブリッジ回路BC4を有した第2磁気検出素子群G12からの出力値は、第1磁気検出素子群G11からの出力値と同様に、それぞれ位相がずれて波形の異なった4つの出力値となり、しかも同等の出力値が第2制御部C12に送信される。このため、磁気センサ101は、第1磁気検出素子群G11の系統と第2磁気検出素子群G12の系統のいずれか一方に不具合が生じた場合でも、正確な出力情報を外部機器に提供することができる。
【0056】
次に、磁気センサ101の第1制御部C11及び第2制御部C12について説明する。第1制御部C11及び第2制御部C12は、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成されており、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12からの検知信号を処理している。そして、第1制御部C11及び第2制御部C12は、端子T7を介して、処理した情報を出力信号(出力情報)として回転角度検出装置に出力している。
【0057】
また、本発明の第1実施形態では、2つの第1制御部C11と第2制御部C12とが2つのチップで独立して設けられている。このため、例えば第1制御部C11と第2制御部C12のどちらか一方に不具合が生じたとしても、もう一方で出力信号を出力することができる。このことにより、信頼性の高い磁気センサ101を提供することができる。
【0058】
最後に、磁気センサ101の回路基板P19及び端子T7について説明する。先ず、磁気センサ101の回路基板P19は、一般的に用いられている両面のプリント配線板(PWB、printed wiring board)を用いている。そして、図2に示すように、回路基板P19の一方の面に、コンデンサCD、素子基板15、第1制御部C11及び第2制御部C12を搭載しているとともに、回路基板P19の他方の面に、端子T7を搭載している。なお、図2では、詳細な配線パターンを省略している。
【0059】
次に、磁気センサ101の端子T7は、金属性の薄板を切断加工して、ニッケル等のめっきを施したものを利用しており、8つ備えられている。そして、片側4つから第1制御部C11が処理した出力信号が出力され、もう片側4つから第2制御部C12が処理した出力信号が出力される。
【0060】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の磁気センサ101における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0061】
本発明の第1実施形態の磁気センサ101は、磁気抵抗効果素子Mを複数個有した第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12を備え、第1磁気検出素子群G11の複数の磁気抵抗効果素子Mと第2磁気検出素子群G12の複数の磁気抵抗効果素子Mとが、ピン止めされた磁化方向が対称になるように配置して構成した。これにより、1つの磁石体MG10が発生する均等な磁界の位置に、第1磁気検出素子群G11と第2磁気検出素子群G12とが配設されることとなる。このため、第1磁気検出素子群G11からの検出値(第1検出値)と第2磁気検出素子群G12からの検出値(第2検出値)を同等の出力値として得ることができる。しかも、磁気抵抗効果素子Mがセルフピン止め型なので、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12のそれぞれの磁気抵抗効果素子Mを同一ウェハ上で作製することができ、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子M(一方は第1磁気検出素子群G11内、他方は第2磁気検出素子群G12内)を同一タイミングで形成することができる。このため、第1検出値と第2検出値を同等の出力値としてより得ることができる。これらのことにより、2つの出力値から得られる出力情報が同等な磁気センサ101を提供することができる。
【0062】
また、第1磁気検出素子群G11の複数の磁気抵抗効果素子Mと第2磁気検出素子群G12の複数の磁気抵抗効果素子Mとが互いの磁化方向が基準点に対して点対称になるように配置されている。これにより、N極及びS極を有した一般的な磁石体MG10が発生する平行な磁界に多少の歪み(特に、点対称に歪む場合が多い)があったとしても、点対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子Mが受ける磁界の強さが同じようになる。このため、第1磁気検出素子群G11からの検出値(第1検出値)と第2磁気検出素子群G12からの検出値(第2検出値)を同等の出力値としてより確実に得ることができる。更に、第1磁気検出素子群G11と第2磁気検出素子群G12が1つの素子基板15(チップ)上に形成されているので、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子M(一方は第1磁気検出素子群G11内、他方は第2磁気検出素子群G12内)を正確な対称位置に配置することができる。このため、第1検出値と第2検出値を同等の出力値としてより確実に得ることができる。これらのことにより、2つの出力値から得られる出力情報が同等な磁気センサ101を確実に提供することができる。
【0063】
また、第1制御部C11と第2制御部C12とは、第1磁気検出素子群G11及び第2磁気検出素子群G12を挟んで配置されて1つの複合パッケージ体で封止されているので、第1制御部C11と第1磁気検出素子群G11との電気的接続(例えばワイヤーボンディングしての接続)、及び第2制御部C12と第2磁気検出素子群G12との電気的接続を行う際に、容易に且つ確実に行うことができる。このことにより、信頼性の高い磁気センサ101を提供することができる。
【0064】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態の磁気センサ102は、第1実施形態の磁気センサ101における1つの複合パッケージ体の形態に対し、2つの単独パッケージ体を組み合わせた形態である構成が異なる。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
図7は、本発明の第2実施形態の磁気センサ102を説明する図であって、図7(a)は、磁気センサ102の平面図であり、図7(b)は、磁気センサ102の側面図である。図8は、本発明の第2実施形態の磁気センサ102を説明する図であって、図7(a)に示す磁気センサ102の樹脂パッケージを取り除いた平面図である。図8では、端子T7の一部を省略している。また、図7及び図8には、説明を分かり易くするため、磁気センサ102が配設された際の磁石体MG10(永久磁石または永久磁石にヨークが設けられているもの)の大きさ及び位置を示している。
【0066】
本発明の第2実施形態の磁気センサ102は、図7に示すようなSIP(Single Inline Package)タイプの樹脂パッケージになっており、単独パッケージ体である第1センサ体S21と、第1センサ体S21と同一の構造である第2センサ体S22と、を組み合わせて構成されている。そして、図8に示すように、第1センサ体S21には、第1磁気検出素子群G21及び第1制御部C21が封止されているとともに、第2センサ体S22には、第2磁気検出素子群G22及び第2制御部C22が封止されている。
【0067】
特に、本発明の第2実施形態の磁気センサ102では、第1センサ体S21と第2センサ体S22とは、同じ単独パッケージ体を用いており、一方を反転させて並べて構成している。つまり、磁気センサ102は、第1センサ体S21の第1磁気検出素子群G21を第2センサ体S22の第2磁気検出素子群G22とするとともに、第1センサ体S21の第1制御部C21を第2センサ体S22の第2制御部C22としている。これにより、1つの構成のセンサ体(単独パッケージ体)を作製するだけで、第1センサ体S21及び第2センサ体S22として用いることができる。このことにより、磁気センサ102を容易に作製することができる。
【0068】
また、本発明の第2実施形態の磁気センサ102では、好適にSIPタイプのパッケージを用いており、2つのセンサ体(第1センサ体S21及び第2センサ体S22)を反転させて並設する際に、それぞれの端子T7がお互いに邪魔をせずに、厚み方向の高さを好適に合わせることができる。なお、作製された単独パッケージ体(センサ体)は、2つ用いて2出力タイプの磁気センサ102に適用するばかりでなく、1出力タイプの磁気センサとして、用いることもできる。
【0069】
このように2つの単独パッケージ体を組合せた磁気センサ102は、図8に示すように、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22が形成された素子基板25と、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22からの検知信号を処理する第1制御部C21及び第2制御部C22と、を備えて構成されることとなる。他に、本発明の第2実施形態では、磁気センサ102は、8つのコンデンサCDと、コンデンサCDや素子基板25等が搭載された回路基板P29と、外部機器との接続のための端子T7と、を備えている。そして、その際には、第1磁気検出素子群G21が形成された素子基板25(説明を分かり易くするため素子基板25Aとする)は、単独パッケージ体(第1センサ体S21)の回路基板P29(説明を分かり易くするため回路基板P29Aとする)の一方(図8に示すY2方向)の端部に配置されるとともに、第2磁気検出素子群G22が形成された素子基板25(説明を分かり易くするため素子基板25Bとする)は、単独パッケージ体(第2センサ体S22)の回路基板P29(説明を分かり易くするため回路基板P29Bとする)の一方(図8に示すY1方向)の端部に配置される。
【0070】
また、磁気センサ102には、単独パッケージ体の他方の端部(素子基板25が配置されている一方の反対側)から平面方向の外側に向けて設けられた突設部26を有している。これにより、回路基板P29に第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22がそれぞれ設けられた一方の端部を確実に認識することができる。このことにより、磁気センサ102を作製する際に、間違えることなく一方の端部同士が対向するようにできる。なお、この突設部26は、金属性の薄板を切断加工して作製する端子T7と同時に形成することで、容易に作製することができる。
【0071】
そして、本発明の第2実施形態の磁気センサ102は、リング形状の磁石体MG10が発生する磁界の変化を検知し、検知した検知信号を処理して出力している。具体的には、例えば、磁気センサ102が回転角度検出装置に適用された際には、回転角度検出装置に備えられた磁石体MG10が回転角度を検出したい被回転検出体に連動して回転することで、磁石体MG10による磁界が変化し、この磁界の変化を磁気センサ102で検知して、検知した検知信号を処理して出力信号として回転角度検出装置に出力している。なお、磁気センサ102は、第1実施形態の磁気センサ101と同様に、第1磁気検出素子群G21が検知した検知信号を第1制御部C21で処理して検出値(第1検出値)として出力できるともに、第2磁気検出素子群G22が検知した検知信号を第2制御部C22で処理して検出値(第2検出値)として出力でき、所謂、2出力タイプのセンサとなっている。
【0072】
次に、各構成要素について説明する。先ず、磁気センサ102の素子基板25について説明する。図9は、素子基板25を説明する図であって、複数個(具体的には各々8個)の磁気抵抗効果素子Mが備えられた第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22を示した模式図である。図9では、それぞれの磁気抵抗効果素子Mの詳細なパターンを省略して、パターンが形成された領域のみを示しているとともに、それぞれの磁気抵抗効果素子Mにおける磁化方向を矢印で示している。また、図9には、ソースVddのパッド、グランドGNDのパッド、出力信号Sc及び出力信号Ssのパッドも示している。なお、図9では、説明を分かり易くするため、それぞれの磁気抵抗効果素子Mを電気的に接続する配線パターンは省略している。図10(a)は、図7(b)に示す磁気センサ102の樹脂パッケージを取り除いた側面図であり、図10(b)は、図10(a)に示すP部分の拡大側面図である。図10(a)では、端子T7の一部を省略しているとともに、樹脂パッケージの外形部分を2点鎖線で示している。また、図10(b)では、説明を分かり易くするため、紙面手前に見えていた第2制御部C22を省略している。
【0073】
先ず、磁気センサ102の素子基板25は、シリコン等のベース基板を用いて作製されており、ベース基板の一方の面側に磁気抵抗効果素子Mが複数個形成された素子基板25A及び素子基板25Bから構成されている。そして、図9に示すように、素子基板25Aには、磁気抵抗効果素子Mが8個(M21〜M28)備えられた第1磁気検出素子群G21を有するとともに、素子基板25Bには、磁気抵抗効果素子Mが8個(M29〜M36)備えられた第2磁気検出素子群G22を有している。なお、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22は、それぞれ8個の磁気抵抗効果素子M同士を配線パターン(図示していない)で接続し、後述するブリッジ回路(図11を参照)を構成している。
【0074】
また、本発明の第2実施形態では、図10(a)に示すように、磁気抵抗効果素子Mにおける磁界を検知する感磁面、つまり磁気抵抗効果素子Mが形成された一方の面が単独パッケージ体の厚み方向の中心位置に配置されるように、素子基板25がパッケージングされている。これにより、図10(b)に示すように、同じ単独パッケージ体(第1センサ体S21及び第2センサ体S22)同士を互いに反転させて並設させたとしても、第1センサ体S21及び第2センサ体S22の厚み高さを揃えて配置するだけで、第1磁気検出素子群G21の磁気抵抗効果素子Mの感磁面(第1感磁面25p)と、第2磁気検出素子群G22の磁気抵抗効果素子Mの感磁面(第2感磁面25q)とを、同一平面上にすることができる。
【0075】
ここで、本発明の第2実施形態に用いられた磁気抵抗効果素子Mは、第1実施形態と同じセルフピン止め型の磁気抵抗効果素子Mなので、磁気抵抗効果素子Mの詳細な説明は省略する。
【0076】
以上のようなセルフピン止め型の磁気抵抗効果素子Mを用いた第1磁気検出素子群G21(第2磁気検出素子群G22)は、図9に示すように、4つの異なった磁化方向(固定磁性層2のピン止めされた磁化方向或いは感度軸方向)を有する磁気抵抗効果素子Mを組み合わせて構成されている。
【0077】
そして、図8に示すように、第1センサ体S21の一方の端部と第2センサ体S22の一方の端部とを、基準線(X軸方向に平行で第1センサ体S21と第2センサ体S22との間を通る第3仮想線K23)を挟んで対向させて配置させて、第1磁気検出素子群G21と第2磁気検出素子群G22とが、図9に示すように、磁気抵抗効果素子Mのそれぞれの磁化方向(第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3、第4方向D4)が基準線(第3仮想線K23)に対して線対称になるように配置して構成した。これにより、1つの磁石体MG10の中心線を基準線(第3仮想線K23)と一致させて磁石体MG10を配設することで、磁石体MG10が発生する左右の均等な磁界の位置に、第1磁気検出素子群G21と第2磁気検出素子群G22とが配設されることとなる。このため、第1磁気検出素子群G21からの検知信号による検出値(第1検出値)と、第2磁気検出素子群G22からの検知信号による検出値(第2検出値)とを、同等の出力値として得ることができる。
【0078】
しかも、磁気抵抗効果素子Mがセルフピン止め型なので、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22のそれぞれの磁気抵抗効果素子Mを同一ウェハ上で作製することができ、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子M(一方は第1磁気検出素子群G21内、他方は第2磁気検出素子群G22内)を同一タイミングで形成することができる。このため、第1検出値と第2検出値をより同等の出力値として得ることができる。
【0079】
ここで、素子基板25(25A、25B)に形成された第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22における、ブリッジ回路について簡単に説明する。図11は、本発明の第2実施形態の磁気センサ102に係わる磁気抵抗効果素子Mをブリッジ接続した回路図であって、図11(a)は、第1磁気検出素子群G21のブリッジ回路であり、図11(b)は、第2磁気検出素子群G22のブリッジ回路である。図11には、それぞれの磁気抵抗効果素子Mの感度軸方向(磁化方向)を示している。
【0080】
第1磁気検出素子群G21のブリッジ回路は、図11(a)に示すように、4つの磁気抵抗効果素子M(M21、M22、M23、M24)を用いた第1ブリッジ回路BC21と、4つの磁気抵抗効果素子M(M25、M26、M27、M28)を用いた第2ブリッジ回路BC22と、を有して構成されている。
【0081】
一方、第2磁気検出素子群G22のブリッジ回路は、図11(b)に示すように、4つの磁気抵抗効果素子M(M29、M30、M31、M32)を用いた第3ブリッジ回路BC23と、4つの磁気抵抗効果素子M(M33、M34、M35、M36)を用いた第4ブリッジ回路BC24と、を有して構成されている。
【0082】
先ず、第1ブリッジ回路BC21は、図11(a)に示すように、第4方向D4(図9に示すY2方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M21と、第4方向D4にピン止めされた磁気抵抗効果素子M22と、第3方向D3(図9に示すY1方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M23と、第3方向D3にピン止めされた磁気抵抗効果素子M24と、から構成されている。そして、このように構成された第1ブリッジ回路BC21には、第1接続部CN1と第2接続部CN2との間(ソースVddとグランドGND間)に所定の電位が印加されて、第3接続部CN3と第4接続部CN4から温度及び外部磁界の変化に対応した2つの出力(互いに反転したSin波の出力信号Ss)が行われるように構成されている。
【0083】
次に、第2ブリッジ回路BC22は、図11(a)に示すように、第1方向D1(図9に示すX2方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M25と、第1方向D1にピン止めされた磁気抵抗効果素子M26と、第2方向D2(図9に示すX1方向)にピン止めされた磁気抵抗効果素子M27と、第2方向D2にピン止めされた磁気抵抗効果素子M28と、から構成されている。そして、このように構成された第2ブリッジ回路BC22には、第3接続部CN3と第4接続部CN4との間(ソースVddとグランドGND間)に所定の電位が印加されて、第5接続部CN5と第6接続部CN6から温度及び外部磁界の変化に対応した2つの出力(互いに反転したCos波の出力信号Ss)が行われるように構成されている。
【0084】
以上のように構成された第1ブリッジ回路BC21及び第2ブリッジ回路BC22を有した第1磁気検出素子群G21からの出力値は、それぞれ位相がずれて波形の異なった4つの出力値となり、この4つの出力値が第1制御部C21に送信される。
【0085】
一方、第2磁気検出素子群G22の第3ブリッジ回路BC23及び第4ブリッジ回路BC24は、第1磁気検出素子群G21の第1ブリッジ回路BC21及び第2ブリッジ回路BC22と同様に構成されており、第1ブリッジ回路BC21及び第2ブリッジ回路BC22における磁気抵抗効果素子Mと線対称にある磁気抵抗効果素子Mに置き換えているのみである。つまり、図11(b)に示すように、磁気抵抗効果素子M21には磁気抵抗効果素子M29、磁気抵抗効果素子M22には磁気抵抗効果素子M30、磁気抵抗効果素子M23には磁気抵抗効果素子M31、磁気抵抗効果素子M24には磁気抵抗効果素子M32、磁気抵抗効果素子M25には磁気抵抗効果素子M33、磁気抵抗効果素子M26には磁気抵抗効果素子M34、磁気抵抗効果素子M27には磁気抵抗効果素子M35、磁気抵抗効果素子M28には磁気抵抗効果素子M36を置き換えている。
【0086】
これにより、第3ブリッジ回路BC23及び第4ブリッジ回路BC24を有した第2磁気検出素子群G22からの出力値は、第1磁気検出素子群G21からの出力値と同様に、それぞれ位相がずれて波形の異なった4つの出力値となり、しかも同等の出力値が第2制御部C22に送信される。このため、磁気センサ102は、第1磁気検出素子群G21の系統と第2磁気検出素子群G22の系統のいずれか一方に不具合が生じた場合でも、正確な出力情報を外部機器に提供することができる。
【0087】
次に、磁気センサ102の第1制御部C21及び第2制御部C22について説明する。第1制御部C21及び第2制御部C22は、第1実施形態と同様に、集積回路(IC)を用いて構成されており、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22からの検知信号を処理している。そして、第1制御部C21及び第2制御部C22は、端子T7を介して、処理した情報を出力信号(出力情報)として回転角度検出装置に出力している。
【0088】
また、本発明の第1実施形態では、第1制御部C21と第2制御部C22とが2つのチップで独立して設けられて、別々なパッケージングとなっている。このため、例えば第1制御部C21と第2制御部C22のどちらか一方に不具合が生じたとしても、もう一方で出力信号を出力することができる。このことにより、信頼性の高い磁気センサ102を提供することができる。
【0089】
最後に、磁気センサ102の回路基板P29(P29A、P29B)について説明する。磁気センサ102の回路基板P29は、第1実施形態と同様に、一般的に用いられている両面のプリント配線板(PWB)を用いている。そして、図8に示すように、回路基板P29A(回路基板P29B)の一方の面に、コンデンサCD、素子基板25A(素子基板25B)及び第1制御部C21(第2制御部C22)を搭載しているとともに、回路基板P29Aの他方の面に、端子T7を搭載している。図8では、詳細な配線パターンを省略している。
【0090】
以上のように構成された本発明の第2実施形態の磁気センサ102における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0091】
本発明の第2実施形態の磁気センサ102は、磁気抵抗効果素子Mを複数個有した第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22を備え、第1磁気検出素子群G21の複数の磁気抵抗効果素子Mと第2磁気検出素子群G22の複数の磁気抵抗効果素子Mとが、ピン止めされた磁化方向が対称になるように配置して構成した。これにより、1つの磁石体MG10が発生する均等な磁界の位置に、第1磁気検出素子群G21と第2磁気検出素子群G22とが配設されることとなる。このため、第1磁気検出素子群G21からの検出値(第1検出値)と第2磁気検出素子群G22からの検出値(第2検出値)を同等の出力値として得ることができる。しかも、磁気抵抗効果素子Mがセルフピン止め型なので、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22のそれぞれの磁気抵抗効果素子Mを同一ウェハ上で作製することができ、対称関係にある2つの磁気抵抗効果素子M(一方は第1磁気検出素子群G21内、他方は第2磁気検出素子群G22内)を同一タイミングで形成することができる。このため、第1検出値と第2検出値を同等の出力値としてより得ることができる。これらのことにより、2つの出力値から得られる出力情報が同等な磁気センサ102を提供することができる。
【0092】
また、1つの単独パッケージ体で封止された同一の構成の第1センサ体S21と第2センサ体S22とを、単独パッケージ体の一方の端部同士対向させて配置することで、第1磁気検出素子群G21の複数の磁気抵抗効果素子Mと第2磁気検出素子群G22の複数の磁気抵抗効果素子Mとが互いの磁化方向が線対称になるような構成とした。このため、1つの構成のセンサ体を作製し、互いに反転させるだけで、第1センサ体S21及び第2センサ体S22として用いることができる。このことにより、磁気センサ102を容易に作製することができる。
【0093】
また、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22における磁気抵抗効果素子Mのそれぞれの感磁面が単独パッケージ体の厚み方向の中心位置に配置されているので、互いに反転させた第1センサ体S21及び第2センサ体S22の厚み高さを揃えて配置するだけで、第1磁気検出素子群G21の磁気抵抗効果素子Mの感磁面と第2磁気検出素子群G22の磁気抵抗効果素子Mの感磁面とを同一平面にすることができる。このことにより、磁気センサ102を容易に作製することができる。
【0094】
また、第1センサ体S21及び第2センサ体S22の他方の端部に外側に向けて設けられた突設部26を有しているので、第1磁気検出素子群G21及び第2磁気検出素子群G22がそれぞれ設けられた一方の端部を確実に認識することができる。このことにより、間違えることなく一方の端部同士が対向するように磁気センサ102を容易に作製することができる。
【0095】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0096】
<変形例1>
上記第1実施形態では、第1磁気検出素子群G11のブリッジ回路(第1ブリッジ回路BC1及び第2ブリッジ回路BC2)と第2磁気検出素子群G12のブリッジ回路(第3ブリッジ回路BC3及び第4ブリッジ回路BC4)とを、互いの磁化方向が基準点(中心点)に対して点対称になるように配置された磁気抵抗効果素子Mの組み合わせで構成したが、これに限りものではない。例えば、互いの磁化方向が基準線に対して線対称になるように配置された磁気抵抗効果素子Mの組み合わせで構成しても良い。
【0097】
<変形例2>
上記第1実施形態では、2つの第1制御部C11と第2制御部C12とを好適に独立して設けた構成したが、これに限るものではなく、1チップ内に設ける構成でも良い。
【0098】
<変形例3>
上記第2実施形態では、突設部26を単独パッケージ体の他方の端部に設ける構成としたが、2つのセンサ体を並設する際に干渉しなければ、何れの部分に設けても良い。例えば、端子T7側でも良いし、端子T7と対向する側でも良い。また、一方の端部側に設けても良い。
【0099】
<変形例4>
上記第2実施形態では、突設部26を金属性の薄板とし、端子T7と同時に形成したが、これに限るものではない。例えば、樹脂パッケージの外形に樹脂製の凸形状を設けることで、突設部としても良い。
【0100】
<変形例5>
上記実施形態では、複数の異なった磁化方向が、直交するX軸方向とY軸方向で互いに逆向きの4つの方向(第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3、第4方向D4)から構成されていたが、これに限るものではない。例えば、互いに逆向きの2つの方向でも良いし、120°ずれた3つの方向でも良いし、60°ずれた6つの方向でも良い。
【0101】
<変形例6>
上記実施形態では、ブリッジ回路をフルブリッジ回路を4つ用いて構成したが、これに限るものではない。例えばフルブリッジ回路2つでも良いし、ハーフブリッジ回路を組み合わせても良い。
【0102】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
C11、C21 第1制御部
C12、C22 第2制御部
G11、G21 第1磁気検出素子群
G12、G22 第2磁気検出素子群
M、M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9、M10、
M11、M12、M13、M14、M15、M16、
M21、M22、M23、M24、M25、M26、M27、M28、M29、
M30、M31、M32、M33、M34、M35、M36 磁気抵抗効果素子
S21 第1センサ体
S22 第2センサ体
2 固定磁性層
3 非磁性材料層
4 フリー磁性層
12 第1磁性層
22 第2磁性層
42 非磁性中間層
15、25、25A、25B 素子基板
25p 感磁面(第1感磁面)
25q 感磁面(第2感磁面)
26 突設部
D1 磁化方向(第1方向)
D2 磁化方向(第2方向)
D3 磁化方向(第3方向)
D4 磁化方向(第4方向)
K23 基準線(第3仮想線)
101、102 磁気センサ
図1
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図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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図13