(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-218033(P2016-218033A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】複合環境センサー
(51)【国際特許分類】
G01N 27/12 20060101AFI20161125BHJP
G01N 15/06 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
G01N27/12 A
G01N15/06 C
G01N15/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-187665(P2015-187665)
(22)【出願日】2015年9月25日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0067386
(32)【優先日】2015年5月14日
(33)【優先権主張国】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.アンドロイド
(71)【出願人】
【識別番号】515267530
【氏名又は名称】センター・フォー・インテグレーテッド・スマート・センサーズ・ファンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒュン・テ
【テーマコード(参考)】
2G046
【Fターム(参考)】
2G046AA11
2G046AA12
2G046AA13
2G046AA14
2G046AA34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】微細塵埃濃度測定とガス成分及び濃度測定が可能でセンサーの大きさを減少させ、総電力消耗量も顕著に低減させることができる複合環境センサーを提供する。
【解決手段】ガスセンサー部10は、空気内に含まれた特定ガス成分を感知し、この過程で熱エネルギーを発散させる。空気は、前記熱エネルギーを含む要因によって流動して、ハウジング30内に具備された光源部21、光検出部22及び算出部を含む微細塵埃測定センサー部に前記空気内の微細塵埃濃度を測定させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入される空気に含まれた一つまたは二つ以上のガス成分を感知するガスセンサー部と、
前記ガスセンサー部によって流動する空気の微細塵埃濃度を測定する微細塵埃測定センサー部と、
を含む複合環境センサー。
【請求項2】
前記ガスセンサー部は、
揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、硫酸化物(SOx)、オゾン(O3)からなる群より選択される一つまたは二つ以上のガス成分を感知することができるガスセンサーモジュールで構成されることを特徴とする請求項1に記載の複合環境センサー。
【請求項3】
前記ガスセンサー部は、
マイクロヒーターを含むことを特徴とする請求項1に記載の複合環境センサー。
【請求項4】
内部に空気が流入される流入口及び内部を通過した空気が排出される排出口が形成されたハウジングをさらに含み、
前記ガスセンサー部及び微細塵埃測定センサー部は、
前記ハウジング内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の複合環境センサー。
【請求項5】
前記ガスセンサー部は、
前記ハウジングの流入口を通じて流入される空気に含まれる一つまたは二つ以上のガス成分を感知し、
前記微細塵埃測定センサー部は、
前記ガスセンサー及び排出口間の領域に配置されることを特徴とする請求項4に記載の複合環境センサー。
【請求項6】
前記ガスセンサー部は、
前記ハウジングの下部面または側面に付着して配置されることを特徴とする請求項5に記載の複合環境センサー。
【請求項7】
前記流入口に空気が流入されるように空気の流動を形成するポンプをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の複合環境センサー。
【請求項8】
前記微細塵埃測定センサー部は、
光源部と、
前記光源部から放出される光が空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を感知して対応する電気的信号を生成する光検出部と、
前記光検出部を通じて検出された電気的信号を利用して微細塵埃濃度を算出する算出部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の複合環境センサー。
【請求項9】
前記光源部は、
白色光ダイオード、赤外線LEDダイオード、レーザーダイオードのうち選択されるいずれか一つ以上で構成されることを特徴とする請求項8に記載の複合環境センサー。
【請求項10】
前記微細塵埃測定センサー部は、
前記空気中の微細塵埃を濾過するフィルターと、
前記フィルターによって濾過された微細塵埃の重さ情報を利用して微細塵埃濃度を算出する算出部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の複合環境センサー。
【請求項11】
前記ガスセンサー部は、動作過程で熱エネルギーを発散させ、
空気は、前記熱エネルギーを含む要因によって流動することを特徴とする請求項1に記載の複合環境センサー。
【請求項12】
光源部及びカメラモジュールを含む携帯用端末機に結合して、前記携帯用端末機に空気の微細塵埃濃度及びガス成分を感知させる複合環境センサーにおいて、
前記携帯用端末機に結合し、内部に空気が流入される流入口及び内部を通過した空気が排出される排出口が形成されたハウジングと、
前記ハウジング内部に配置され、前記流入口を通じて流入される空気に含まれた一つまたは二つ以上のガス成分を感知し、前記情報を前記携帯用端末機に提供するガスセンサー部と、
前記携帯用端末機の光源部から照射された光が前記ガスセンサー部によって流動する空気に対して照射されるように誘導する光誘導部と、
前記光誘導部によって照射されて前記空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を前記携帯用端末機のカメラモジュールが感知するように誘導する光検出誘導部と、
を含む複合環境センサー。
【請求項13】
前記光検出誘導部は、
空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を収れんするレンズモジュールを含むことを特徴とする請求項12に記載の複合環境センサー。
【請求項14】
内部に空気が流入される流入口及び内部を通過した空気が排出される排出口が形成されたハウジングと、
前記ハウジング内部に配置され、前記流入口を通じて流入される空気に含まれた一つまたは二つ以上のガス成分を感知するガスセンサー部と、
前記ハウジング内部に配置され、前記ガスセンサー部から発生する熱によって流動する空気に対して光を照射する光源部と、
前記光源部から照射されて前記空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を感知して対応する電気的信号を生成する光検出部と、
前記光検出部を通じて測定される電気的信号を利用して微細塵埃濃度を算出する算出部と、
を含む複合環境センサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細塵埃濃度の測定とガス成分の感知が可能な複合環境センサーに関する。さらに詳しくは、全体ハウジング内に微細塵埃測定部及びがス成分測定部を同時に配置させることで、全体環境センサーの大きさを減少させ、総電力消耗量も顕著に低減させることができる複合環境センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
経済が発展するにつれて生活水準が段々向上され、空気質などに対する関心も増加して、使用者がより快適でかつきれいな空気を望む時代となった。
【0003】
これにより、住宅は、人間の人生の質的向上を追求するために、絶えなく多様な機能を適用しながら改良されている。特に、各種の環境汚染機械装置や自動車等から排出される空気に含有される各種の微細塵埃及び異物によって健康を脅威する問題などにより、多様な空気清浄機が発売されて販売されているが、空気清浄機だけでは、空気質が望むほど改善されないという問題点がある。
【0004】
そこで、利用者の健康及び便宜のために、空気質をリアルタイムで監視してより正確でかつ簡便に空気質を診断し、これに基づいて、空気質を速やかに改善することができる技術の開発が要求されている。
【0005】
これによる従来技術の一例として、特許文献1を提示する。
図1は、この特許の代表図面である。
【0006】
図1に示すように、特許文献1に提示された室内空気汚染度の測定装置は、室内空気の各種状態を感知する感知部1と、前記感知部1で感知した測定信号を受けて増幅してフィルタリングした後、デジタルデータに変換する信号処理部2と、前記信号処理部2を通じて測定データの入力を受け、測定されたデータについて予め格納されているデータ表示アルゴリズムと分析アルゴリズムによって測定データを表示すると共に、比較分析によってアラーム及び表示を制御する制御部3とを含む。この時、前記感知部1は、温度センサー、湿度センサー、一酸化炭素センサー、二酸化炭素センサー、塵埃センサーが組み込まれ、それぞれ温度、湿度、一酸化炭素量、二酸化炭素量、塵埃量をセンシングすることを特徴とする。
【0007】
これを通じて室内空気の汚染度を正確に測定することができ、測定分析された室内空気の質を客観的に見られるように表示することで、使用者に装置の親近感を与え、室内環境に対する重要さを認識させることができるという効果がある。
【0008】
但し、従来技術のように複数個のセンサーをそれぞれ独立して構成すると、全体測定装置の大きさは、追加されるセンサーの個数に比例して増加するという問題点があり、これらの各々を駆動させるために電力量も増加するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−1160986号(2012.06.22)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたもので、従来に対比して全体センサーシステムの大きさを減少させた複合環境センサーを提供する。
【0011】
また、全体的に必要とする素子の数を減少させることで、消費電力量も減少させることができる複合環境センサーを提供する。
【0012】
また、環境センサー部間の有機的な配置構造を通じて、全体測定装置内に必要な素子の個数を減らすことで、製造費用も減少させることができる複合環境センサーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面に係る複合環境センサーは、流入される空気に含まれた一つまたは二つ以上のガス成分を感知するガスセンサー部と、前記ガスセンサー部によって流動する空気の微細塵埃濃度を測定する微細塵埃測定センサー部とを含む。
【0014】
一例として、前記ガスセンサー部は、揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、硫酸化物(SOx)、オゾン(O3)からなる群より選択される一つまたは二つ以上のガス成分を感知することができるガスセンサーモジュールで構成される。
【0015】
好ましい例として、前記ガスセンサー部は、マイクロヒーターを含む。
【0016】
本発明に係る複合環境センサーは、内部に空気が流入される流入口及び内部を通過した空気が排出される排出口が形成されたハウジングをさらに含み、前記ガスセンサー部及び微細塵埃測定センサー部は、前記ハウジング内に配置される。
【0017】
前記ガスセンサー部は、前記ハウジングの流入口を通じて流入される空気に含まれる一つまたは二つ以上のガス成分を感知し、前記微細塵埃測定センサー部は、前記ガスセンサー及び排出口間の領域に配置される。
【0018】
一実施例により、前記ガスセンサー部は、前記ハウジングの下部面または側面に付着して配置される。
【0019】
追加的な実施例として、本発明に係る複合環境センサーは、前記流入口に空気が流入されるように空気の流動を形成するポンプをさらに含む。
【0020】
前記微細塵埃測定センサー部は、多様な技術構成を有する。
一例として、前記微細塵埃測定センサー部は、光源部と、前記光源部から放出される光が空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を感知して対応する電気的信号を生成する光検出部と、前記光検出部を通じて検出された電気的信号を利用して微細塵埃濃度を算出する算出部とを含む。
この時、前記光源部は、白色光ダイオード、赤外線LEDダイオード、レーザーダイオードのうち選択されるいずれか一つ以上で構成される。
【0021】
他の例として、前記微細塵埃測定センサー部は、前記空気中の微細塵埃を濾過するフィルターと、前記フィルターによって濾過された微細塵埃の重さ情報を利用して微細塵埃濃度を算出する算出部とを含む。
【0022】
このように構成された複合環境センサーにおいて、前記ガスセンサー部は、動作過程で熱エネルギーを発散させ、空気は、前記熱エネルギーを含む要因によって流動する。
【0023】
本発明の他の側面に係る複合環境センサーは、光源部及びカメラモジュールを含む携帯用端末機に結合して、前記携帯用端末機に空気の微細塵埃濃度及びガス成分を感知させるように構成される。
【0024】
このような複合環境センサーは、前記携帯用端末機に結合し、内部に空気が流入される流入口及び内部を通過した空気が排出される排出口が形成されたハウジングと、前記ハウジング内部に配置され、前記流入口を通じて流入される空気に含まれた一つまたは二つ以上のガス成分を感知し、前記情報を前記携帯用端末機に提供するガスセンサー部と、前記携帯用端末機の光源部から照射された光が前記ガスセンサー部によって流動する空気に対して照射されるように誘導する光誘導部と、前記光誘導部によって照射されて前記空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を前記携帯用端末機のカメラモジュールが感知するように誘導する光検出誘導部とを含む。
【0025】
さらに、前記光検出誘導部は、空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を収れんするレンズモジュールを含む。
【0026】
本発明のまた他の側面に係る複合環境センサーは、内部に空気が流入される流入口及び内部を通過した空気が排出される排出口が形成されたハウジングと、前記ハウジング内部に配置され、前記流入口を通じて流入される空気に含まれた一つまたは二つ以上のガス成分を感知するガスセンサー部と、前記ハウジング内部に配置され、前記ガスセンサー部から発生する熱によって流動する空気に対して光を照射する光源部と、前記光源部から照射されて前記空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を感知して対応する電気的信号を生成する光検出部と、前記光検出部を通じて測定される電気的信号を利用して微細塵埃濃度を算出する算出部とを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明の好ましい実施例に係る複合環境センサーは、密閉したハウジング構造内の一つまたは二つ以上のガスを感知することができるガスセンサー部及び微細塵埃測定センサー部を共に配置させることで、周辺空気に対するガス成分及び濃度を測定すると共に、前記空気に含まれた微細塵埃濃度を測定することができるという効果がある。
【0028】
また、本発明に係る複合環境センサーにおいて、ガスセンサー部の動作過程で熱が発生する現象を活用して、全体測定装置内の空気の流動方向を制御することができるという効果がある。
【0029】
また、上記のような特性により、全体測定装置内には、空気の流動性を制御する別途の技術構成が不要であり、全体製造費用も減少させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】従来技術としての特許文献1の代表図である。
【
図2】本発明に係る複合環境センサーを示した概念図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る複合環境センサーを示した図面である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る複合環境センサーを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示して、詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは、本発明の特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物または代替物を含むものと理解すべきである。本発明を説明するにあたって、関連の公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合、その詳しい説明を省略する。
【0032】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明することに使用されるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されてはならない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用する。
【0033】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせなどの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0034】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。
図2は、本発明に係る複合環境センサーを示した概念図である。
図2に示すように、本発明に係る複合環境センサーは、ガスセンサー部10及び微細塵埃測定センサー部20を含む。
【0035】
先ず、本発明において、適用可能なガスセンサー部10では、空気内に含まれたガス成分を検出することができる全ての技術構成が適用されることができる。一例として、前記ガスセンサー部10では、揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、硫酸化物(SOx)、オゾン(O3)からなる群より選択される一つまたは二つ以上のガス成分を感知することができるガスセンサーモジュールが適用される。この時、前記ガスセンサーモジュールは、測定しようとするガス成分の種類によって単一のガスセンサーで構成されてもよく、複数個のガスセンサーで構成されてもよい。
【0036】
このようなガスセンサーモジュールは、それぞれの特性化したガス成分を感知するために、一定以上の温度に加熱しなければならない。一般的に、ガスセンサーモジュールは、ガス分子が表面に吸着した時に前記表面の特性変化(抵抗変化、電気伝導度変化など)を通じて当該ガスの有無を測定する。以後、他の空気を感知するためには、予めセンサー表面に吸着されているガス分子を引き離せばこそ再測定が可能であり、このため、一定以上の温度に加熱して吸着されたガス分子を分離する作業が必要となる。
【0037】
本発明に係るガスセンサー部10は、このようにガス成分測定のためのセンサー表面部に吸着されているガス分子を引き離すために別途のヒーターモジュールを含んでもよく、好ましくは、マイクロヒーターを含む。これを通じて、ガスセンサー部10の大きさを小型化させることができ、窮極的には、前記ガスセンサー部10を含む複合環境センサーの大きさも小型化させることができる。
【0038】
このようなガスセンサー部10のガス成分感知方式によって空気は流動し、これにより、前記空気は、微細塵埃測定センサー部20を通過するように流動する。この時、前記空気の流動原因としては、多様な事項が適用される。一例として、ガスセンサー部10で発生する熱エネルギーと共に別途に具備されたポンプモジュールなどの組み合わせによって空気の流動が発生し得る。本発明では、このような多様な流動原因が組み合わされて適用される。
【0039】
微細塵埃測定センサー部20は、上記のようなガスセンサー部10によって流動する空気の微細塵埃濃度を測定する。この時、前記微細塵埃測定センサー部20は、重量法、ベータ線吸収法、光散乱法、光透過法などの微細塵埃測定方法を利用して空気内の微細塵埃濃度を測定することができる。
【0040】
重量法とは、濾過紙(フィルター)を利用して一定量の空気を濾過させ、前記濾過紙の重量の差を利用して、空気内の微細塵埃濃度を測定する方法を意味する。次いで、ベータ線吸収法とは、空気中に浮遊している微細塵埃を濾過紙上に捕集して、ベータ線を透過させて粒子状物質の重量濃度を連続的に測定する方法である。
【0041】
光散乱法とは、粒子状物質に光を照射すれば光が散乱する原理を利用して散乱光の量を測定し、その値に基づいて微細塵埃濃度を測定する方法を意味する。
【0042】
以下、
図3などでは、光散乱法を適用した微細塵埃測定センサー部20と具体化して説明するが、前記微細塵埃測定センサー部20として他の測定方法及びこのための必須技術要素も適用可能であることは、当業者なら理解できるはずである。
【0043】
追加の説明のための一実施例において、微細塵埃測定センサー部20が重量法を利用して微細塵埃濃度を測定する場合、前記微細塵埃測定センサー部20は、前記空気中の微細塵埃を濾過するフィルターと、前記フィルターによって濾過された微細塵埃の重さ情報を利用して微細塵埃濃度を算出する算出部とを含むように構成される。
【0044】
以下、
図3及び
図4では、本発明の一実施例に係る複合環境センサーについて詳しく説明する。
【0045】
図3は、本発明の一実施例に係る複合環境センサーを示した図面である。
図3に示すように、本発明に係る複合環境センサーは、ガスセンサー部10、光源部21及び光検出部22を含む微細塵埃測定センサー部、ハウジング30を含む。この時、前記ガスセンサー部10、微細塵埃測定センサー部は、前記ハウジング30内に具備される。
【0046】
ハウジング30は、内部に空気が流入される流入口31及び内部を通過した空気が排出される排出口32が形成されている。
【0047】
ガスセンサー部10は、このようなハウジング30内部に配置され、前記流入口31を通じて流入される空気に含まれた一つまたは二つ以上のガス成分を感知する。この時、感知されるガス成分は、ガスセンサー部10の種類によって選択的に適用され、一つまたは二つ以上のセンサーモジュールで構成されてもよい。一例として、前記ガスセンサー部10は、硫酸化物(SOx)センサー、一酸化炭素(CO)センサー、オゾン(O3)センサーが全て具備されたセンサーモジュールで構成される。
【0048】
このようなガスセンサー部10は、動作過程でセンサー表面部に吸着したガス成分を除去するために、一定温度以上に加熱され、この過程で、前記ガスセンサー部10は、流入される空気を流動させる。
図3に示すように、前記ガスセンサー部10は、ハウジング30の流入口31に近接するように前記ハウジング30の下部面に配置した時、流入口31を通じて引入れられた空気は、ガスセンサー部10を通過しながらガスセンサー10から獲得した熱エネルギーを含む追加的な流動原因によってハウジング30の上部方向に流動する。このように流動する空気は、光源部21及び光検出部22を含む微細塵埃測定センサー部を通過して排出口32を通じて外部に排出される。
【0049】
つまり、本発明に適用可能な実施例に係る複合環境センサーにおいて、ガスセンサー部10は、ガス成分の感知及び以後流動する空気が微細塵埃測定センサー部を適切に通過させる位置に配置され、微細塵埃測定センサー部20は、前記ガスセンサー部10及び排出口32間の領域に配置され、前記空気の微細塵埃濃度を測定する。
【0050】
この時、前記ガスセンサー部10は、実施例によって前記ハウジング30の下部面または側面に付着して配置される。但し、これは一実施例に過ぎず、前記ガスセンサー部10は、引入れられた空気が流動して前記ハウジング30の排出口32に排出させることができる位置であれば、どこでも配置可能である。
【0051】
このように、本発明において、ガスセンサー部10は、空気内に含まれた特定ガス成分を感知し、この過程で熱エネルギーを発散させる。空気は、前記熱エネルギーを含む要因によって流動して、ハウジング30内に具備された微細塵埃測定センサー部20に前記空気内の微細塵埃濃度を測定させることを特徴とする。
【0052】
微細塵埃測定センサー部20は、光源部21、光検出部22及び算出部を含む。先ず、ハウジング30内に配置された光源部21は、前記ガスセンサー部10によって流動する空気に対して光を照射し、光検出部22は、前記光源部21から照射されて前記空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を感知して対応する電気的信号を生成する。別途に構成された算出部(図示せず)は、前記光検出部22を通じて測定される電気的信号を利用して微細塵埃濃度を算出する。
【0053】
本発明に適用可能な実施例において、前記光源部21は、空気に対して一定強度の光を照射する機能を行う。この時、空気内に微細塵埃が含まれれば、前記光は、微細塵埃によって散乱し、これにより、光源部21から照射された光は、特定角度に屈折する。
【0054】
光検出部22は、上記のように散乱した光を感知する機能をする。一般的に、前記光検出部22は、前記光源部21から照射された光が直接的に感知されない位置に配置され、好ましくは、空気内の微細塵埃によって散乱光が発生されればこそ光が感知できる位置に配置される。これを通じて、微細塵埃測定センサー部20は、より信頼性高く微細塵埃濃度を測定することができる。
【0055】
このような光源部21としては、一定方向に光が照射可能なあらゆる光源モジュールが適用されることができ、一例として、白色光ダイオード、赤外線LEDダイオード、レーザーダイオードのうち選択されるいずれか一つ以上で構成される。即ち、前記光源部21は、微細塵埃の測定方法及び規格によって選択的に適用される。
【0056】
光検出部22は、微細塵埃による散乱光が感知できる素子として、フォトダイオード(PhotoDiode)などの素子で構成される。
【0057】
好ましくは、前記光源部21及び光検出部22は、光学レンズなどを含むことで、照射される光が収れん(または集光)できるようにするか、散乱した光を感知する効率を高めることができる。他の実施例において、前記ハウジング内部に散乱された光が前記光検出部22に向かう方向に反射させることができるミラーをさらに具備してもよい。
【0058】
図3は、本発明に適用可能な実施例に過ぎず、前記光源部21及び光検出部22は、
図3と違って、空気内の微細塵埃濃度を測定し易い位置及び構図に変更して配置されてもよい。
【0059】
一例として、
図3のようにガスセンサー部10が前記ハウジング30内の下部面に配置される場合、光源部21及び光検出部22は、それぞれハウジング30の左側面または右側面に配置される。この時、前記光源部21及び光検出部22は、微細塵埃による散乱光を測定し易いように、一定角度でチルト(Tilt)して配置される。
【0060】
このように構成された微細塵埃測定センサー部20をモジュールを通じて空気内の濃度を測定し、前記微細塵埃測定センサー部20を通過した空気は、排出口32を通じて外部に排出される。
【0061】
この時、前記ハウジング30の流入口31に外部空気が流入されるように空気の流動を形成するポンプ(図示せず)がさらに具備される。前記ポンプは、外部の空気がハウジング30の内部に流入し易くすることで、本発明に係る複合センサーは、空気に含まれたガス成分及び微細塵埃濃度測定を容易にすることができる。
【0062】
このような複合環境センサーは、携帯用端末機とも結合されてもよく、これについては
図4を通じて詳しく説明する。
【0063】
図4は、本発明の他の実施例に係る複合環境センサーを示した図面である。
図4に示すように、他の実施例に係る複合環境センサーは、光源部41及びカメラモジュール42を含む携帯用端末機40に結合して構成される。
【0064】
先ず、携帯用端末機40は、光源部41及びカメラモジュール42を含み、イメージ映像情報の格納及び分析が可能な全ての機器を通称する。一例として、アイフォン(I−phone)、アンドロイドフォン(andriod phone)などのスマートフォンが適用される。
【0065】
この時、
図4では、説明の便宜のために、光源部41及びカメラモジュール42が横方向に一定間隔離隔して形成され、これにより、光誘導部33及び光検出誘導部34も横方向に一定間隔離隔して形成される技術構成として限定して示したが、本発明に係る複合環境センサーは、光源部及びカメラモジュールの配置構造によって適応的に変更して構成されてもよい。
【0066】
この時、前記携帯用端末機40は、ハウジング30の光誘導部33及び光検出誘導部34を通じて感知された微細塵埃濃度及び前記ガスセンサー部30を通じて感知された情報を獲得して、周辺空気に対する総合的な環境情報を獲得する。
【0067】
この時、ハウジング30は、前記携帯用端末機に結合し、内部に空気か流入される流入口31及び内部を通過した空気が排出される排出口32が形成される。
【0068】
この時、前記ハウジング30の内部には、ガスセンサー部10が配置され、前記ガスセンサー部10は、動作過程時に熱エネルギーが発生し、これにより、前記流入口31を通じて流入された空気は、流動してハウジング30の排出口32に向かって排出される。
【0069】
前記実施例において、本発明に係る複合環境センサーは、別途の光源部及び光検出部を具備せず、代わりに、携帯用端末機40に形成された光源部41及びカメラモジュール42を活用して空気内の微細塵埃濃度を測定する。
【0070】
このため、前記ハウジング30には、さらに光誘導部33及び光検出誘導部34が形成される。
【0071】
先ず、光誘導部33は、前記携帯用端末機40の光源部41から照射された光が前記ハウジング30内部に照射されるように誘導する。このため、光誘導部33は、前記光源部41の光が漏れないように前記光源部41に密着して結合され、光繊維で構成されて光源部41の光をハウジング30内部に誘導する。
【0072】
他の一例として、前記光誘導部33は、複数個のミラー部材で構成されてもよく、その他に前記光源部41で照射された光を前記ハウジング30内部に誘導することができる全ての技術構成を適用してもよい。
【0073】
このような光誘導部33は、前記携帯用端末機40の光源部41から照射された光を誘導して前記ガスセンサー10から発生する熱によって流動する空気に照射されるようにする。
【0074】
この時、前記光誘導部33は、さらにレンズモジュールを含んでもよい。これにより、
図4に示すように、光源部41から誘導された光が一定領域に集光されて照射されるように構成される。
【0075】
光検出誘導部34は、携帯用端末機40のカメラモジュール42と結合して前記光誘導部33によって照射された光の中で、微細塵埃によって散乱する光が前記携帯用端末機40のカメラモジュール42によって感知されるように誘導する。
【0076】
好ましくは、前記光検出誘導部は、空気内に含まれた微細塵埃によって散乱する光を収れんするレンズモジュールを含むことで、散乱光の検出正確度を向上させることができる。
【0077】
このように光検出誘導部34を通じてカメラモジュール42が感知した散乱光情報を利用して、携帯用端末機40は、流入された空気内の微細塵埃濃度を測定する。このため、携帯用端末機40は、自体アルゴリズムなどのプログラムを活用し、このような演算は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置で行われる。
【0078】
即ち、前記携帯用端末機40は、前記カメラモジュール42が前記光検出誘導部34を通じて光を感知して生成した電気的信号に基盤して微細塵埃濃度を測定する。
【0079】
さらに、前記ガスセンサー部10は、別途の通信モジュールを具備して前記携帯用端末機40にセンシング情報を提供する。例えば、携帯用端末機40に具備されたイヤホン連結端子を通じた有線通信でセンシング情報を提供してもよく、ガスセンサー部10に具備されたブルトゥース、NFCなどの別途の無線通信モジュールを通じてセンシング情報を提供してもよい。
【0080】
このように、
図3及び
図4に示した複合環境センサーによると、従来に対比して小型化された技術構成を活用して、周辺空気の微細塵埃濃度と共にガス成分の検知が可能となる。このように測定されたガス成分情報及び微細塵埃濃度情報は、有線または無線通信を通じて携帯用端末機または別途の処理装置を通じて総合的に検出及び管理されることができ、このような情報は、前記携帯用端末機のディスプレー部または別途のディスプレー装置を通じて使用者に提供されることができる。
【0081】
これまで本発明について好ましい実施例を中心として検討した。本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態に具現可能であることが理解できるであろう。従って、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に表れており、それと同等の範囲内にある全ての差異点は、本発明に含まれていると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0082】
10:ガスセンサー部
20:微細塵埃測定センサー部
21:光源部
22:光検出部
30:ハウジング
31:流入口
32:排出口
33:光誘導部
34:光検出誘導部
40:携帯用端末機
41:光源部
42:カメラモジュール