特開2016-218080IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

例えば、金属やゴムなどの材料で構成された部品等の被試験体に対して圧縮や引っ張りなどの荷重を繰り返し加えることにより当該被試験体の耐久性を評価する試験などに用いられる振動試験装置

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】伸長方向と圧縮方向とで剛性の異なる特性を有する被試験体に対して振動を加えたときに生じる恐れのある振動の偏りを抑制することができる振動試験装置を提供する。
【解決手段】アクチュエータ15への指令信号Cに対する荷重振動の平均値が取りうる期待値の範囲を取得して、荷重振動が安定する前の過渡状態において、ロードセル16によって計測した荷重値信号Lの平均値がその期待値の範囲に含まれるとき、直前の指令信号からの振幅値の増加量が、直前の指令信号からの平均値の変化量の2倍超となるように指令信号Cを生成し、かつ、荷重値信号Lの平均値がその期待値の範囲に含まれないとき、直前の指令信号からの振幅値の増加量が、直前の指令信号からの平均値の変化量の2倍以下となるように指令信号Cを生成する。
【選択図】図1

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

被試験体TPとして、図10(a)に示すように、柱状ゴムからなる弾性部材81で構成された被試験体80がある。この被試験体80は、伸長方向及び圧縮方向の剛性が均等となる特性を有する。上述した振動試験装置801において、このような被試験体80に対し荷重振動を加えると、図11に示すように、試験開始後は目標振幅値Atに向かって徐々に荷重の振幅値Aが大きくなっていく。 一方、図10(b)に示すように、柱状ゴムからなる弾性部材81と、弾性部材81より硬質でかつ長さの短い金属などからなる支持部材82と、を組み合わせて構成された複合的な被試験体90がある。支持部材82は、例えば、棒状のステンレスからなる本体部82aと、本体部82aの先端に貼り付けられたゴム製のシートからなる緩衝部82bと、を有している。この被試験体90は、変形量が所定値以下の範囲では伸長方向及び圧縮方向に剛性が均等で、かつ、変形量が所定値を超えると伸長方向の剛性に対して圧縮方向の剛性が急激に高くなる特性を有している。 そして、振動試験装置801において、被試験体80と同様に、被試験体90に対し荷重振動を加えると、図12に示すように、試験開始直後は目標振幅値Atに向かって徐々に荷重の振幅値Aが大きくなるが、被試験体90の変形量が所定値を超えた時点の期間P1において、アクチュエータ815のピストン815bが被試験体90の支持部材82に当たって圧縮方向の変位が抑制される。このとき、アクチュエータ815は指令信号に応じた動作(変位)を行おうとするため圧縮方向の荷重が急激に大きくなり、荷重振動の振幅に偏りが生じる。しかし、この期間P1では荷重の振幅値A1が目標振幅値Atに満たないため、その次の期間P2でさらに振幅値Aを大きくするために、アクチュエータ815のピストン815bをより大きく変位させる指令信号が生成される。そして、この指令信号を受けてアクチュエータ815が動作すると、期間P2において圧縮方向の荷重がさらに大きくなり、荷重振動の振幅により大きな偏りが生じて、これにより、荷重の振幅値A2が目標振幅値Atを大きく超え、振動試験装置の安全機構が働いて当該振動試験装置が停止してしまうという問題があった。構成は荷重振動をフィードバックするものであったが、ピストン815bの変位振動(即ち、被試験体の変位振動)をフィードバックする構成においても同様の問題があった。 そこで、本発明は、伸長方向と圧縮方向とで剛性の異なる特性を有する被試験体に対して振動を加えたときに生じる恐れのある振動の偏りを抑制することができる振動試験装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

請求項1に記載された発明は、目的を達成するために、被試験体に対して指令信号に示される振幅値及び平均値に応じた振動を与える振動手段と、前記被試験体に加えられた荷重値を計測する荷重値計測手段と、前記荷重値計測手段によって計測された前記荷重値に示される荷重振動の振幅値及び平均値を取得する荷重振動取得手段と、前記荷重振動の振幅値及び平均値が所定の目標振幅値及び目標平均値に近づくように、前記荷重振・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、被試験体に加えられた荷重値を計測し、この荷重値に示される荷重振動の振幅値及び平均値を取得して、これら荷重振動の振幅値及び平均値が目標振幅値及び目標平均値に近づくように、これら荷重振動の振幅値及び平均値をフィードバックして振動手段への指令信号を生成する。そして、指令信号に対する荷重振動の平均値が取りうる期待値の範囲を取得して、荷重振動が安定する前の過渡状態において、荷重振動の平均値がその期待値の範囲に含まれるとき、直前の指令信号に対して荷重振動の振幅値及び平均値が所定の目標値に近づくようにフィードバック制御して指令信号を生成し、かつ、荷重振動の平均値がその期待値の範囲に含まれないとき、直前の指令信号からの振幅値の増加量が、直前の指令信号からの平均値の変化量の2倍以下となるように前記指令信号を生成する。 荷重振動が安定する前の過渡状態において、荷重振動の平均値がその期待値の範囲から外れたときは、被試験体の剛性の変化により荷重振動の振幅値が片側に大きく振れて偏りが生じたものと考えられる。このようなときに、新たに生成する指令信号において、直前の指令信号からの振幅値の増加量を、直前の指令信号に対して荷重振動の振幅値及び平均値が所定の目標値に近づくようにフィードバック制御して指令信号を生成することで、指令信号全体を、当該指令信号の振幅値におけるその中央値を挟んだ片側の増加量より大きくシフト(平均値を変化)させて、当該片側方向への荷重振動の振幅値の増加を抑制することができる。これにより、伸長方向と圧縮方向とで剛性の異なる特性を有する被試験体に対して振動を加えたときに生じる恐れのある振動の偏りを抑制することができる。 請求項2に記載された発明によれば、荷重振動の平均値がその期待値の範囲に含まれないとき、直前の指令信号からの振幅値の増加量が0となるように指令信号を生成する。そのため、指令信号全体を、当該指令信号の振幅値を増加することなくシフト(平均値を変化)させて、当該片側方向への荷重振動の振幅値の増加をより確実に抑制することができる。これにより、伸長方向と圧縮方向とで剛性の異なる特性を有する被試験体に対して振動を加えたときに生じる恐れのある振動の偏りをより確実に抑制することができる。 請求項3に記載された発明によれば、被試験体の変位値を計測し、この変位値に示される変位振動の振幅値及び平均値を取得して、これら変位振動の振幅値及び平均値が目標振幅値及び目標平均値に近づくように、これら変位振動の振幅値及び平均値をフィードバックして振動手段への指令信号を生成する。そして、指令信号に対する変位振動の平均値が取りうる期待値の範囲を取得して、変位振動が安定する前の過渡状態において、変位振動の平均値がその期待値の範囲に含まれるとき、直前の指令信号に対して変位振動の振幅値及び平均値が所定の目標値に近づくようにフィードバック制御して指令信号を生成し、かつ、変位振動の平均値がその期待値の範囲に含まれないとき、直前の指令信号からの振幅値の増加量が、直前の指令信号からの平均値の変化量の2倍以下となるように指令信号を生成する。 変位振動が安定する前の過渡状態において、変位振動の平均値がその期待値の範囲から外れたときは、被試験体の剛性の変化により変位振動の振幅値が片側に大きく振れて偏りが生じたものと考えられる。このようなときに、新たに生成する指令信号において、直前の指令信号に対して変位振動の振幅値及び平均値が所定の目標値に近づくようにフィードバック制御して指令信号を生成することで、指令信号全体を、当該指令信号の振幅値におけるその中央値を挟んだ片側の増加量より大きくシフト(平均値を変化)させて、当該片側方向への変位振動の振幅値の増加を抑制することができる。これにより、伸長方向と圧縮方向とで剛性の異なる特性を有する被試験体に対して振動を加えたときに生じる恐れのある振動の偏りを抑制することができる。 請求項4に記載された発明によれば、変位振動の平均値がその期待値の範囲に含まれないとき、直前の指令信号からの振幅値の増加量が0となるように指令信号を生成する。そのため、指令信号全体を、当該指令信号の振幅値を増加することなくシフト(平均値を変化)させて、当該片側方向への変位振動の振幅値の増加をより確実に抑制することができる。これにより、伸長方向と圧縮方向とで剛性の異なる特性を有する被試験体に対して振動を加えたときに生じる恐れのある振動の偏りをより確実に抑制することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)

この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の一実施形態の振動試験装置の概略構成図である。

【図2】図1の振動試験装置の機能ブロック図である。

【図3】図2の振動制御部のマイクロコンピュータにおける処理(過渡状態時の加振処理)の一例を示すフローチャートである。

【図4】図1の振動試験装置の概念的な機能ブロック図である。

【図5】振動試験の開始直後の過渡状態における荷重振動の変化の様子の一例を示すグラフである。

【図6】振動試験の開始直後の過渡状態から荷重振動が安定した定常状態までの荷重振動の変化の様子の一例を示すグラフである。

【図7】振動試験の開始直後の過渡状態から荷重振動が安定した定常状態までの荷重振動の変化の様子の他の一例を示すグラフである。

【図8】従来の振動試験装置の概略構成図である。

【図9】図8の振動試験装置における加振処理の開始直後の過渡状態から荷重振動が安定した定常状態までの荷重振動の変化の様子の一例を示すグラフである。

【図10】(a)は、弾性部材のみで構成された被試験体の一例を示す図であり、(b)は、弾性部材と支持部材とを組み合わせて構成された被試験体の一例を示す図である。

【図11】図8の振動試験装置に図10(a)の被試験体を設置して振動試験を実施したときの開始直後の過渡状態における荷重振動の変化の様子の一例を示すグラフである。

【図12】図8の振動試験装置に図10(b)の被試験体を設置して振動試験を実施したときの開始直後の過渡状態における荷重振動の変化の様子の一例を示すグラフである。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1、1A 振動試験装置   10 加振部   15 アクチュエータ(振動手段)   15a シリンダ   15b ピストン   16 ロードセル(荷重値計測手段)   17 位置センサ(変位値計測手段)   20 振動制御部   22 発振器(指令信号生成手段)   30 マイクロコンピュータ(荷重振動取得手段、指令信号生成手段、期待値範囲取得手段、変位振動取得手段)   35 メモリ   80、90、TP 被試験体   81 弾性部材   82 支持部材   H 変位値信号   L 荷重値信号   A 荷重振動の振幅値、変位振動の振幅値   M 荷重振動の平均値、変位振動の平均値   At 荷重振動の目標振幅値   Mt 荷重振動の目標平均値   W 荷重振動の平均値の期待値の範囲   C 指令信号   Ac 指令信号の振幅値   Mc 指令信号の平均値

全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録

[広告欄]

ログインすれば広告は減ります

ログインすれば広告は減ります