【解決手段】光が通過する開口部を形成する開口形成部材と、前記開口部に対して出入りする羽根と、前記羽根が有する長孔に係合して前記羽根に動力を伝達する駆動ピンが設けられた駆動伝達部材と、を備え、前記開口形成部材には、前記羽根の走行停止のために前記駆動ピンが当接する第1当接部と、前記駆動ピンが前記第1当接部に当接する前の段階で前記駆動伝達部材の駆動に従動する従動部材が当接する第2当接部とが設けられ、前記従動部材には、前記従動部材が前記第2当接部に当接するときに、前記駆動伝達部材との間にて従動負荷を発生させる従動負荷発生部が設けられた羽根駆動装置とする。
前記駆動伝達部材は、前記駆動ピンを旋回させるための回動中心軸を有し、前記回動中心軸の周囲には、前記従動負荷発生部に作用する凸部を有する環状部材が配置され、前記従動部材は、前記環状部材の周囲を取り囲んで配置されて、前記環状部材に対向する内周面に設けられた凹部が前記凸部に係合することにより、前記駆動伝達部材との間に従動負荷を発生させることを特徴とする請求項1に記載の羽根駆動装置。
前記羽根は、1つの前記開口部に対して複数枚設けられ、1つの前記駆動ピンに対して前記羽根のそれぞれの前記長孔が共通して挿通されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の羽根駆動装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のようなカメラ用羽根駆動装置では、主地板に設けられた長孔の端部に出力ピンを当接させる構造であるため、その当接時の衝撃がシャッタ羽根に伝達されてシャッタ羽根の動作が安定しない、いわゆるバウンド動作が発生してしまう。
【0005】
本発明は、バウンド動作を低減した羽根駆動を実現できる羽根駆動装置及びシャッタ装置並びに撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の羽根駆動装置は、光が通過する開口部を形成する開口形成部材と、前記開口部に対して出入りする羽根と、前記羽根が有する長孔に係合して前記羽根に動力を伝達する駆動ピンが設けられた駆動伝達部材と、を備え、前記開口形成部材には、前記羽根の走行停止のために前記駆動ピンが当接する第1当接部と、前記駆動ピンが前記第1当接部に当接する前の段階で前記駆動伝達部材の駆動に従動する従動部材が当接する第2当接部とが設けられ、前記従動部材には、前記従動部材が前記第2当接部に当接するときに、前記駆動伝達部材との間にて従動負荷を発生させる従動負荷発生部が設けられたことを特徴とする。かかる本発明の態様によれば、駆動ピンが第1当接部に当接する前の段階において、従動部材が第2当接部に当接したときに従動部材を通じて駆動伝達部材に従動負荷を生じさせ、これによって駆動ピンが第1当接部に当接する際の衝撃を緩和することにより、バウンド動作が効果的に低減される。
【0007】
また、上記本発明では、前記駆動伝達部材は、前記駆動ピンを旋回させるための回動中心軸を有し、前記回動中心軸の周囲には、前記従動負荷発生部に作用する凸部を有する環状部材が配置され、前記従動部材は、前記環状部材の周囲を取り囲んで配置されて、前記環状部材に対向する内周面に設けられた凹部が前記凸部に係合することにより、前記駆動伝達部材との間に従動負荷を発生させることを特徴としてもよい。かかる本発明の態様によれば、駆動伝達部材と従動部材との間に環状部材を介在させるだけで、その環状部材によって駆動伝達部材と従動部材との間に所定の従動負荷を確実に発生させることができる。
【0008】
また、上記本発明では、前記開口形成部材には前記駆動ピンが挿入されて往復動作する細長の貫通孔が設けられ、前記貫通孔の長手方向両端部が前記第1当接部となり、前記開口形成部材のうち前記駆動伝達部材が配置される面上に突出して設けられた壁部である前記第2当接部が、往復動作する前記駆動伝達部材の移動方向両側において前記第1当接部のそれぞれに対応して設けられたことを特徴としてもよい。かかる本発明の態様によれば、駆動伝達部材の移動方向両側のそれぞれでバウンド動作を低減できる。
【0009】
また、上記本発明では、前記羽根は、1つの前記開口部に対して複数枚設けられ、1つの前記駆動ピンに対して前記羽根のそれぞれの前記長孔が共通して挿通されたことを特徴としてもよい。かかる本発明の態様によれば、1つの駆動ピンによって複数の羽根に対し、バウンド動作を低減した動力伝達が可能となる。
【0010】
なお、本発明は、上述した羽根駆動装置と前記駆動伝達部材を駆動する駆動手段とを備えたシャッタ装置、あるいは上述した羽根駆動装置を備えた撮像装置に対しても広く適用できる。かかる本発明の態様によれば、シャッタ装置又は撮像装置において、優れた走行安定性を有する羽根駆動を実現できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バウンド動作を低減した羽根駆動を実現できる羽根駆動装置及びシャッタ装置並びに撮像装置を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明は、光が通過する開口形成部材の開口部に出入りする羽根の駆動装置に関し、羽根に係合する駆動ピンを有する動力伝達部材の動作に従動部材を従動させ、羽根の走行停止のために駆動ピンを当接部に当接させる前に、従動部材と駆動伝達部材との間で駆動伝達部材に従動負荷を発生させ、バウンド動作を低減するものである。
【0014】
例えば、開口形成部材に細長の貫通孔を設け、その貫通孔に動力伝達部材の駆動ピンを挿入して駆動ピンを貫通孔の長手方向に往復移動させるようにし、その駆動ピンに羽根を係合させることで、羽根に対する動力伝達を行う。
【0015】
この場合、駆動ピンは、細長の貫通孔のうち両端部にそれぞれ当接させて往復動作の折返しを行うが、そのときの衝撃を緩和するため、例えば、駆動伝達部材と開口形成部材との間には、駆動伝達部材の駆動に従動する従動部材と、この従動部材に従動負荷を生じさせるバネ部材等の弾性変形を許容する環状部材とを介在させる。
【0016】
より詳細には、開口形成部材の一方面側には、駆動伝達部材の回転軸が立設され、その回転軸回りには環状部材が固定され、更にその環状部材の周囲には、上記回転軸周りに回動可能な従動部材を配置する。この従動部材は、駆動伝達部材の駆動に伴って従動回転するが、その従動過程において、従動部材と環状部材との間で一時的な係合関係が成立するようにする。
【0017】
ここで、「一時的」に係合するとは、例えば、駆動ピンが貫通孔の両端部に当接する場合にはその当接直前のタイミングだけ従動部材と環状部材とがそれぞれ係合することを示すが、駆動ピンが貫通孔の一端部のみに当接する場合にはその当接直前のタイミングで従動部材と環状部材とが係合することを示す。このような従動部材と環状部材との一時的な係合によって駆動伝達部材と従動部材との間に一時的な従動負荷を生じさせ、駆動伝達部材の駆動ブレーキ、すなわち、駆動伝達部材を減速駆動させる。
【0018】
なお、従動部材と環状部材との一時的な係合関係とは、例えば、互いの凹凸を使った物理的な係合でもよいし、磁石等の磁力を使った磁気的な係合でもよい。また、ここでは、従動部材と環状部材とを係合させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、環状部材に相当する構成を動力伝達部材側に設け、従動部材と動力伝達部材とを直接的に係合させるようにしてもよい。
【0019】
いずれにしても、駆動ピンが貫通孔の少なくとも一端部に当接する前に、駆動ピンを有する駆動伝達部材の動作に従動する従動部材を通じて駆動伝達部材に従動負荷を生じさせ、これによって駆動伝達部材の駆動に実質的なブレーキ(減速作用)がかかり、駆動ピンが貫通孔の少なくとも一端部に当接したときの衝撃が事前に緩和されるため、羽根のバウンド動作を有効に低減できる。このようなバウンド低減効果は、例えば、羽根を高速動作させる場合において特に有効である他、往復動作のときに駆動ピンが当接する場合においても有効である。
【0020】
以下、
図1乃至
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る羽根駆動装置について詳細に説明する。なお、
図1は本発明の一実施形態に係る羽根駆動装置(シャッタ装置)を示す分解図であり、
図2はこの
図1のシャッタ全開状態図であり、
図3は
図2の回転子部分の拡大図であり、
図4は
図1のシャッタ閉じ動作の途中状態図であり、
図5は
図4の回転子部分の拡大図であり、
図6は
図1のシャッタ閉じ動作の終了状態図であり、
図7は
図6の回転子部分の拡大図であり、
図8は
図1のシャッタ開き動作の途中状態図であり、
図9は
図8の回転子部分の拡大図である。
【0021】
図1乃至
図9に示すように、本実施形態のシャッタ装置は、同じ(1つの)駆動手段によって同時に相反する方向へ往復作動させられる2枚のシャッタ羽根2,3(以下、羽根ともいう)が、開き作動を行う場合には露光開口の中央部から開き始め、閉じ作動を行う場合には露光開口の中央部を最後にして閉じるように構成したシャッタ装置である。
【0022】
なお、このような本実施形態のシャッタ装置は、例えば、銀塩フィルムを使用するカメラにも、各種情報端末機器用カメラを含むデジタルカメラにも採用することが可能であるが、本実施形態の作動は、デジタルカメラに採用された場合で説明する。
【0023】
本実施形態の開口形成部材となる地板1は、合成樹脂製であって、その略中央部に円形をした被写体光路用の開口部1bが形成されている。また、この地板1には、所定の間隔を空けて他の開口形成部材となるカバー板4が取り付けられ、両者の間に一つの羽根室を形成している。この羽根室は、シャッタ羽根2,3が走行する空間となる。
【0024】
このカバー板4は、
図1にだけ示してあり、以降の図においては省略してあるが、平面形状は地板1と略同じ形状をしており、その略中央部には円形をした被写体光路用の開口部を形成している。なお、本実施形態では、カバー板4の開口部よりも上記の地板1の開口部1bの直径が小さいため、本実施形態における露光開口は、開口部1bによって規定される。また、このカバー板4は、図示はしていないが複数箇所でビスにより、地板1に取り付けられている。
【0025】
また、
図1に示すように、地板1の羽根室外側、すなわち、カバー板4側とは反対の面側には、例えば、羽根駆動ユニットを構成する、電磁アクチュエータである回転子7、バネ部材5、ブレーキ部材6、ヨーク8、コイル9、固定枠10がそれぞれ取り付けられている。なお、ヨーク8とコイル9とで駆動源を構成し、この駆動源によって回転子7を回転駆動する。
【0026】
さらに、本実施形態の回転子7は、シャッタ羽根2,3に回転動力を伝達する駆動伝達部材を構成する。具体的には、この回転子7は、径方向に2極に着磁された円筒状の永久磁石7bと、その永久磁石7bに一体化された合成樹脂製の駆動ピン部7aから構成され、地板1に回転可能に取り付けられている。なお、本実施形態では、駆動ピン7aが合成樹脂製であるが、それらを永久磁石製にすることも可能である。
【0027】
また、リング状のバネ部材5は、弾性変形を許容する金属製の環状部材から形成され、地板1の面上に固定され、回転子7の回動に従動するブレーキ部材(従動部材)6に対して実質的に回動負荷を生じさせる部材となる。詳細には、ブレーキ部材6の内面側には、所定の間隔をあけて2つの溝6d,6eが設けられている。一方、このブレーキ部材6の内面側に配置されたバネ部材5は、径方向外側(ブレーキ部材6側)に突出した突起5aが設けられている。この突起5aは、ブレーキ部材6の内面に設けられた2つの溝6d,6eのそれぞれにかみ合うように設けられている。すなわち、ブレーキ部材6は、地板1に実質的に固定され、その周囲を、回転子7の回動に伴ってブレーキ部材6が従動する際に、突起5aと2つの溝6d,6eとが一時的に係合する。この係合関係が一時的に成立する際に、突起5aと各溝6d,6eとの間に摩擦が生じることで、これが回転子7に対する負荷となり、回転子7が一時的に減速することになる。
【0028】
一方、このような回転子7の駆動ピン7aは、地板1に円弧状に形成された細長の貫通孔である回転子ストッパ1aから羽根室内に向けて挿入され、シャッタ羽根2,3を貫通して係合した先端部を、カバー板4の同じ形状をした孔に挿入している。これにより、回転子7が回転駆動すると、駆動ピン7aが回転子ストッパ1aの長手方向に往復移動し、その折返し時点においては、駆動ピン7aが回転子ストッパ1aの両端部に当接する。そして、本実施形態では、このように駆動ピン7aが回転子ストッパ1aの両端部に当接する前のタイミングで、上記ブレーク部材6で回転負荷(摩擦力)を一時的に生じさせて、回転子7の回動動作を一時的に減速させて、回転子7の駆動ピン7aを回転子ストッパ1aの両端部に当接させるようになっている。
【0029】
詳細には、上記のブレーキ部材6は、径方向外側に向けて突出した一対の突起部6a,6bがそれぞれ設けられ、その内側に形成された孔6cと回転子7の軸7cとが嵌合し、回動可能に取り付けられている。つまり、このブレーキ部材6は、回転子7に従動して回動するが、その従動過程において、一対の突起部6a,6bが、地板1に設けられた壁部(第2当接部)であるブレーキ部材ストッパ1h,1gに当接する。これら各当接によって、ブレーキ部材6の回動が停止されるが、回転子7の回動は継続されるため、上記バネ部材5の突起5aがブレーキ部材6の各溝6d,6eとの間を行き来し、その際、突起5aがブレーキ部材6の各溝6d,6eの間の突起を乗り越えて、その後、一時的な係合関係が成立する。
【0030】
このようなバネ部材5の突起5aとブレーキ部材6の各溝6d,6eとの係合関係から、ブレーキ部材6によって回転子7の回動速度が減速、すなわち、ブレーキがかかり、その後、回転子7の駆動ピン7aが回転子ストッパ1aに当接するため、バウンド動作が実質的に低減される。なお、ここでのブレーキ力は、突起5a又はブレーキの各溝6d,6eの形状等を変更することにより調整可能である。
【0031】
なお、このような回転子7を駆動するための駆動源を構成するヨーク8は、平面形状が示されていないが、詳細は図示しないが略U字形(鍬形形状)をしており、二つの脚部の一方をコイル9の中空部に挿入しており、固定枠10により地板1に固定されている。
【0032】
また、本実施形態では、
図2に示されているように、地板1の羽根室側の面には、二つの羽根取り付け軸1c,1dと、2つの羽根ストッパ1e,1fと、が一体成形で立設されている。さらに、羽根室内には、2枚のシャッタ羽根2,3が配置されている。それらのうち、地板1側に配置されているシャッタ羽根2は、長孔2aを有し、上記の羽根取り付け軸1dに回転可能に取り付けられている。
【0033】
一方、カバー板4側に配置されているシャッタ羽根3は、長孔3aを有し、上記の羽根取り付け軸1cに回転可能に取り付けられている。そして、それらのシャッタ羽根2,3の長孔2a,3aには、上記の回転子7の駆動ピン7aが嵌合されている。
【0034】
次に、本実施形態のシャッタ作動を説明する。
図2は、撮影待機状態を示したものであり、シャッタ羽根2,3は、開口部1bを全開にしている。そのため、図示していない固体撮像素子には被写体光が当たっており、撮影者は、モニターによって被写体像を観察することが可能になっている。
【0035】
また、このとき、電磁アクチュエータのコイル9には通電されていない。このとき、回転子7は、その永久磁石7dの磁極とヨーク8の二つの磁極部との対向配置関係によって時計方向へ回転するように付勢されており、それによって、駆動ピン7aには、
図2において略下方へ移動し、シャッタ羽根2,3を相反する方向へ回転させる力が与えられている。このとき、シャッタ羽根2,3が、羽根ストッパ1e,1fに接触し、さらに
図3のように駆動ピン7aが地板1の回転子ストッパ1aに接触し、その回転を阻止されているため、この状態が維持されている。
【0036】
次いで、撮影に際してレリーズボタンが押されると、固体撮像素子に蓄積されていた電荷を放出させて、撮影が開始され、新たな電荷が固体撮像素子に蓄積されていく。そして、所定の時間が経過すると、露光時間制御回路からの信号によって、コイル9に対して順方向の電流が供給される。そのため、回転子7は、バネ部材5、ブレーキ部材6と一体となって反時計方向へ回転させられ、駆動ピン7aを、
図2において略上方へ移動させていくので、シャッタ羽根2は時計方向へ回転され、シャッタ羽根3は反時計方向へ回転される。
【0037】
それによって、2枚のシャッタ羽根2,3は、開口部1bを閉じていく。その後、
図4のようにシャッタ羽根2,3が開口部1bの中央部を覆い終わると、
図5のようにブレーキ部材6は、突起部6aが地板1のブレーキ部材ストッパ1gに当接することにより停止する。
【0038】
このとき、回転子7は回転を続け、バネ部材5が実質的に変形をすることで、バネ部材5の突起5aがブレーキ部材6の溝6dから6eに移動しながら回転子7は回転を続ける。このとき回転子7は摩擦力を受けて減速をする。
【0039】
次いで、
図7のように回転子7の駆動ピン7aが地板1の回転子ストッパ1aに当接して停止させられ、同時に
図6のようにシャッタ羽根2,3も減速されながら地板1の羽根ストッパ1e、1fに当接することにより回転が停止させられる。このとき、上述したように回転子7は、回転が停止する前に、ブレーキ部材6から負荷を受けて減速した状態となる。このため、回転子7が停止したときのバウンド動作が低減される。
【0040】
このようにして、
図6に示された状態になると、固体撮像素子に蓄積された電荷が、撮像情報として記憶装置に転送される。そして、その転送が終わると、コイル9に対して上記とは異なり逆方向の電流が供給されるため、回転子7は、ブレーキ部材6、バネ部材5と一体となって時計方向へ回転させられ、その駆動ピン7aを、
図6において略下方へ移動させていく。
【0041】
そのため、シャッタ羽根2,3は、相反する方向へ回転させられ、開口部1bをその略中央部から開放していく。そして、
図8のようにシャッタ羽根2,3が開口部1bを全開にすると、
図9のようにブレーキ部材6は、突起部6bが地板1のブレーキ部材ストッパ1hに当接することにより停止する。
【0042】
また、回転子7は回転を続け、バネ部材5が変形をすることで、バネ部材5の突起5aがブレーキ部材6の溝6eから6dに移動しながら回転子7は回転を続ける。この際、回転子7は減速をする。その後、
図3の状態に復帰することになる。同時にシャッタ羽根2,3も減速されながら地板1の羽根ストッパ1e、1fに当接することにより回転が停止させられ、
図2の状態に復帰することになる。なお、本実施形態の作動はデジタルカメラに採用された場合で説明したが、銀塩フィルムカメラに採用された場合には、
図6に示された状態が撮影待機状態になって、シャッタ羽根2,3の開閉作動によって撮影が行われる。
【0043】
このように、本実施形態によれば、羽根2,3がブレーキ部材6、バネ部材5により減速されながら地板1のシャッタ羽根ストッパ1e、1fに当接するため、衝撃力を低減させることができ、シャッタ羽根2,3の耐久性およびバウンドに有利である。なお、シャッタ羽根2,3がブレーキ部材6、バネ部材5により減速されるのは、シャッタ閉じ動作においては、シャッタ羽根2,3が地板1の開口部1bを遮蔽し終わった後であり、シャッタ開き動作においては、シャッタ羽根2,3が地板1の開口部1bを全開にした後であるため、シャッタスピードへの影響は無い。
【0044】
以上、本発明を一実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した一実施形態では、従動部材と回動軸との間に環状部材を配置して従動負荷を生じさせる構造について例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、従動部材と駆動伝達部材とが一時的に係合して駆動伝達部材に負荷を生じさせる構造としてもよい。