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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-218269(P2016-218269A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】光デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/22 20060101AFI20161125BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   G02B27/22
   G02B6/00 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-103479(P2015-103479)
(22)【出願日】2015年5月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】北村 智和
(72)【発明者】
【氏名】田上 靖宏
(72)【発明者】
【氏名】奥田 満
(72)【発明者】
【氏名】岡田 和幸
【テーマコード(参考)】
2H038
2H199
【Fターム(参考)】
2H038AA55
2H038BA06
2H199BA32
2H199BB01
2H199BB06
2H199BB22
2H199BB27
(57)【要約】
【課題】光デバイスの構造が複雑になってしまうこと。
【解決手段】光デバイスは、出射面に平行な面内で光を導く導光板と、導光板によって導かれている指向性を持つ光が入射し、空間上の1つの収束点又は収束線に実質的に収束する又は空間上の1つの収束点又は収束線から実質的に発散する方向の出射光を出射面から出射させる光学面をそれぞれ有する複数の光収束部とを備え、複数の光収束部は、導光板の出射面側に設けられ、出射面に平行な面内でそれぞれ予め定められた線に沿って形成され、収束点又は収束線は複数の光収束部の間で互いに異なり、複数の収束点又は収束線の集まりによって空間上に像が形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射面に平行な面内で光を導く導光板と、
前記導光板によって導かれている指向性を持つ光が入射し、空間上の1つの収束点又は収束線に実質的に収束する又は空間上の1つの収束点又は収束線から実質的に発散する方向の出射光を前記出射面から出射させる光学面をそれぞれ有する複数の光収束部と
を備え、
前記複数の光収束部は、前記導光板の前記出射面側に設けられ、前記出射面に平行な面内でそれぞれ予め定められた線に沿って形成され、
前記収束点又は収束線は前記複数の光収束部の間で互いに異なり、複数の前記収束点又は収束線の集まりによって空間上に像が形成される
光デバイス。
【請求項2】
前記導光板が導く光の発散角は、前記出射面に平行な面内で5°以下である
請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記導光板が導く光の発散角をθとし、前記予め定められた線に沿う方向における前記像の2つの端点と前記複数の光収束部のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔpとした場合、1.5θ<ΦΔp/5を満たす
請求項1又は2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記導光板が導く光の発散角をθとし、前記像が有する2つの特徴点と前記複数の光収束部のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔiとした場合、1.5θ<2ΦΔiを満たす
請求項1から3のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記導光板が導く光の発散角をθとし、前記予め定められた線に直交する方向に隣接する2つの前記収束点と前記複数の光収束部のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔrとした場合、1.5θ<2ΦΔrを満たす
請求項1から4のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記導光板の入光端面と前記出射面の中央との間の距離をLとし、前記入光端面から入射する光の広がり幅をWとした場合、W≦L/10を満たす
請求項1から5のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項7】
光源と、
前記導光板の入光端面と前記光源との間に設けられ、前記光源から前記入光端面に入射する光を制限する開口を持つ遮光部と
を更に備える請求項1から6のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、前記予め定められた線に沿って連続的に配置された複数の屈折面を有する
請求項1から7のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項9】
前記複数の光収束部のそれぞれは、前記予め定められた線に直交する方向の長さが、前記予め定められた線に直交する方向に隣接する光収束部との間の距離の1/2を超えない
請求項1から8のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項10】
前記複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、回折格子を形成する複数の光学面を含む
請求項1から9のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項11】
前記複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、フレネルレンズを形成する複数の光学面を含む
請求項1から9のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項12】
前記複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、前記予め定められた線に沿って複数の光学面に分割されている
請求項1から11のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項13】
前記分割された前記複数の光学面のうちの第1光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線と、前記第1光学面に隣接する第2光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線とがなす角度をΔψとし、前記導光板が導く光の発散角をθとした場合、Δψ<1.5θを満たす
請求項12に記載の光デバイス。
【請求項14】
前記分割された前記複数の光学面のうちの第1光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線と、前記第1光学面に隣接する第2光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線とがなす角度は、5°未満である
請求項12又は13に記載の光デバイス。
【請求項15】
前記分割された前記複数の光学面のうちの第1光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線と、前記第1光学面に隣接する第2光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線とがなす角度をΔψとし、前記導光板が導く光の発散角をθとした場合、Δψ>θ/5を満たす
請求項12から14のいずれか1項に記載の光デバイス。
【請求項16】
前記出射面に平行な面内において、前記複数の光収束部が有する複数の前記光学面のパターン密度が30%以下である
請求項1から15のいずれか1項に記載の光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
導光板と、光源と、導光板の表面側に配置した、パララックスバリア方式又はレンズアレイ方式におけるマスク又はレンズアレイとを備えた、立体視可能な表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1 特開2012−008464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マスク又はレンズアレイを用いると、光デバイスの構造が複雑になってしまう。また、立体像が変形して認識され易い場合がある。また、透明な光デバイスからの光で立体的な像を形成することが容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様においては、光デバイスは、出射面に平行な面内で光を導く導光板と、導光板によって導かれている指向性を持つ光が入射し、空間上の1つの収束点又は収束線に実質的に収束する又は空間上の1つの収束点又は収束線から実質的に発散する方向の出射光を前記出射面から出射させる光学面をそれぞれ有する複数の光収束部とを備え、複数の光収束部は、前記導光板の前記出射面側に設けられ、前記出射面に平行な面内でそれぞれ予め定められた線に沿って形成され、収束点又は収束線は前記複数の光収束部の間で互いに異なり、複数の前記収束点又は収束線の集まりによって空間上に像が形成される。
【0005】
導光板が導く光の発散角は、前記出射面に平行な面内で5°以下であってよい。
【0006】
導光板が導く光の発散角をθとし、前記予め定められた線に沿う方向における前記像の2つの端点と前記複数の光収束部のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔpとした場合、1.5θ<ΦΔp/5を満たしてよい。
【0007】
導光板が導く光の発散角をθとし、前記像が有する2つの特徴点と前記複数の光収束部のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔiとした場合、1.5θ<2ΦΔiを満たしてよい。
【0008】
前記導光板が導く光の発散角をθとし、前記予め定められた線に直交する方向に隣接する2つの前記収束点と前記複数の光収束部のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔrとした場合、1.5θ<2ΦΔrを満たしてよい。
【0009】
導光板の入光端面と前記出射面の中央との間の距離をLとし、前記入光端面から入射する光の広がり幅をWとした場合、W≦L/10を満たしてよい。
【0010】
光源と、
導光板の入光端面と前記光源との間に設けられ、前記光源から前記入光端面に入射する光を制限する開口を持つ遮光部とを更に備えてよい。
【0011】
前記複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、前記予め定められた線に沿って連続的に配置された複数の屈折面を有してよい。
【0012】
複数の光収束部のそれぞれは、前記予め定められた線に直交する方向の長さが、前記予め定められた線に直交する方向に隣接する光収束部との間の距離の1/2を超えなくてよい。
【0013】
複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、回折格子を形成する複数の光学面を含んでよい。
【0014】
複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、フレネルレンズを形成する複数の光学面を含んでよい。
【0015】
複数の光収束部のうちの少なくとも1つの光収束部は、前記予め定められた線に沿って複数の光学面に分割されてよい。
【0016】
分割された前記複数の光学面のうちの第1光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線と、前記第1光学面に隣接する第2光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線とがなす角度をΔψとし、前記導光板が導く光の発散角をθとした場合、Δψ<1.5θを満たしてよい。
【0017】
分割された前記複数の光学面のうちの第1光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線と、前記第1光学面に隣接する第2光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線とがなす角度は、5°未満であってよい。
【0018】
前記分割された前記複数の光学面のうちの第1光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線と、前記第1光学面に隣接する第2光学面と前記収束点又は収束線上の点とを結ぶ直線とがなす角度をΔψとし、前記導光板が導く光の発散角をθとした場合、Δψ>θ/5を満たしてよい。
【0019】
出射面に平行な面内において、前記複数の光収束部が有する複数の前記光学面のパターン密度が30%以下であってよい。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態における表示装置10を、空間上に投影される立体像と共に概略的に示す。
図2】表示装置10のyz断面を概略的に示す。
図3】1つの屈折面31への入射光の発散角Δθと、出射光の発散角ΦΔとの関係を概略的に示す。
図4】像6の特徴点を説明するための概略図である。
図5】屈折面31のピッチ及と入射光の発散角Δθとの関係を概略的に示す。
図6】像の認識可否に関する実験結果を示す。
図7】光源20の構成を概略的に示す。
図8】表示装置10の変形例としての表示装置10Aを概略的に示す。
図9】表示装置10の変形例としての表示装置10Bのyz断面を概略的に示す。
図10】表示装置10の変形例としての表示装置10Cのyz断面を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、一実施形態における表示装置10を、空間上に投影される立体像と共に概略的に示す。図2は、表示装置10のyz断面を概略的に示す。なお、分かり易く説明することを目的として、実施形態の説明に用いる図は概略的又は模式的なものとする。実施形態の説明に用いる図は、実際のスケールで描かれていない場合がある。
【0024】
表示装置10は、光を出射する出射面71を有する。表示装置10は、出射面71から出射する光によって、立体像としての像6を形成する。像6は、空間上の文字「A」の像である。像6は、ユーザによって空間上に認識される立体像である。なお、立体像とは、表示装置10の出射面71とは異なる位置にあるように認識される像をいう。立体像とは、例えば、表示装置10の出射面71から離れた位置に認識される2次元像も含む。つまり、立体像とは、立体的な形状として認識される像だけでなく、表示装置10の表示面上とは異なる位置に認識される2次元的な形状の像も含む概念である。
【0025】
表示装置10は、導光板70と、光源20とを備える。導光板70は、透明で屈折率が比較的に高い樹脂材料で成形される。導光板70を形成する材料は、例えばポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ガラス等であってよい。導光板70は、光デバイスの一例である。
【0026】
導光板70は、出射面71と、出射面71とは反対側の背面72とを有する。出射面71は、導光板70の一方の主面であり、背面72は、他方の主面である。また、導光板70は、導光板70の四方の端面である端面73、端面74、端面75及び端面76を有する。端面73は、導光板70の入光端面である。端面73には光源20が設けられ、光源20からの光は、端面73から導光板70に入射する。端面74は、端面73とは反対側の面である。端面76は、端面75とは反対側の面である。
【0027】
実施形態の説明において、x軸、y軸及びz軸の右手系の直交座標系を用いる場合がある。z軸方向を、出射面71に垂直な方向で定める。背面72から出射面71への向きをz軸プラス方向と定める。また、y軸方向を、端面73に垂直な方向で定める。端面73から端面74への向きをy軸プラス方向と定める。x軸は、端面75及び端面76に垂直な方向であり、端面75から端面76への向きをx軸プラス方向と定める。なお、記載が冗長にならないよう、xy平面に平行な面のことをxy面、yz平面に平行な面のことをyz面、xz平面に平行な面のことをxz面と呼ぶ場合がある。
【0028】
光源20は、例えばLEDを有する。光源20の光軸は、y軸に実質的に平行である。光源20からの光は、端面73に入射して、光源20から端面73に入射した光は、出射面71と背面72との間を全反射しながら、導光板70内を出射面71に平行な面内で広がりながら導光板70内を進む。導光板70に導かれる光の中心は、y軸に実質的に平行である。このように、導光板70は、光源20からの光を出射面71に平行な面内で面状に広げて導く。導光板70内を導かれている光は、導光板70内の各位置で指向性を持つ。具体的には、導光板70内を導かれている光は、導光板70内の各位置と光源20とを結ぶ方向を中心として指向性を持つ。
【0029】
導光板70の出射面71には、光収束部30a、光収束部30b及び光収束部30cを含む複数の光収束部30が形成されている。図1には、光収束部30a、光収束部30b及び光収束部30cのそれぞれにおいて、光収束部30a、光収束部30b及び光収束部30cのそれぞれから出射された複数の光線が収束する様子が示されている。光収束部30はx軸方向に実質的に連続して形成されている。光収束部30のx軸方向の各位置には、光源20から端面73に入射されて出射面71と背面72との間を全反射しながら導光板70によって導かれている光が入射する。ここで、導光板70によって導かれている光がyz面に沿う方向に広がりを有しないものとして説明する。
【0030】
光収束部30は、それぞれ多数の屈折面31を有する。図2に示されるように、屈折面31は、出射面71に凹部として形成された凹状プリズムの一面である。
【0031】
光収束部30aが有する屈折面31による複数の屈折光の光線は、定点PAに収束する。光収束部30bは、像6上の定点PBに対応する光収束部である。光収束部30bが有する屈折面31による複数の屈折光の光線は、定点PBに収束する。光収束部30cは、像6上の定点PCに対応する光収束部である。光収束部30cが有する屈折面31による複数の屈折光の光線は、定点PCに収束する。このように、任意の光収束部30がそれぞれの有する屈折面31の屈折光は、光収束部30に対応する定点に収束する。なお、定点Pが導光板70の背面72側にある場合は、出射光は、定点Pから発散する方向になる。したがって、定点Pが導光板70の背面72側にある場合、光収束部30が有する屈折面は、空間上の1つの収束点から実質的に発散する方向の出射光を出射面71から出射させる。各光収束部30が対応する定点は互いに異なり、複数の定点の集まりによって、空間上に像6が形成される。
【0032】
なお、導光板70によって導かれる光がyz面に沿う方向に広がりを有する場合、1つの光収束部30の屈折面31でそれぞれ屈折した光は、yz面に平行かつ出射面に平行な収束線上に実質的に収束する。例えば、光収束部30aによる光は、PAを含み、yz面に平行かつ出射面71に平行な線上に実質的に収束する。定点が導光板70の背面72側の場合も同様に、光収束部30が有する屈折面は、空間上の1つの収束線から実質的に発散する方向の出射光を出射面71から出射させる。本実施形態では、屈折面31に入射する光のxy面内の指向性、及び、屈折光のxz面内の収束性を取り上げる場合に、分かり易く説明することを目的として、屈折光が定点Pに収束するとして説明する場合がある。
【0033】
図示されるように、光収束部30aは、線190aに沿って形成されている。例えば、光収束部30aは、線190aに沿って複数の屈折面31が連続的に配置されて形成される。ここでは、線190は、x軸に平行な直線である。任意の光収束部30は、x軸に平行な直線に沿って複数の屈折面31が連続的に配置されて形成される。
【0034】
このように、光収束部30は、出射面71に平行な面内でそれぞれ予め定められた線に沿って形成されている。そして、光収束部30のそれぞれは、導光板70によって導かれている光が入射し、空間上の1つの収束点に実質的に収束する方向の出射光を出射面71から出射させる屈折面31を有する。
【0035】
なお、光収束部30のそれぞれは、線190に直交する方向の長さdyが、線190に直交する方向に隣接する他の光収束部30との間の距離Dyの1/2を超えないことが好ましい。例えば、dyは、Dyの約1/2であってよい。これにより、像6を形成する収束点が階段状に見えてしまうことを抑制できる。
【0036】
図3は、1つの屈折面31への入射光の発散角Δθと、出射光の発散角ΦΔとの関係を概略的に示す。なお、Δθは、導光板70が導く光の発散角である。具体的には、Δθはxy面内の発散角、すなわち、出射面71に平行な面内での発散角である。Δθは、角度方向の光強度分布において、光強度が最大値の半分となる位置の幅(半値全幅)であってよい。
【0037】
図3において、Δxは、定点Pにおける屈折面31による出射光のx軸方向の広がりを表す。dは、背面72から定点Pまでの距離を表す。ここで、屈折面31への入射光及び屈折面31による出射光が指向性を有する。具体的には、Δx及びΔθが微小であるとする。この場合、ΦΔx=Δx/dが近似的に成り立つ。
【0038】
実際には、出射光が出射面71における屈折等の影響等を受けるので、発散角ΦΔxはΔθより大きくなる。ここで、発散角ΦΔxは、ΔθのCα倍になるとする。Cαは、1より大きい値である。一例として、Cαとして1.5を適用してよい。
【0039】
ここで、定点Pが出射面71側にある場合、すなわち、定点Pが観察者側にある場合、dは8mm以上であることが好ましい。dが8mm未満であると、立体像として認識できない場合があるからである。また、Δxは1mm以下であることが好ましい。Δxが1mmを超えると、ロゴ等の像を十分な解像度で形成できない場合があるからである。
【0040】
したがって、ΦΔxは、atan(1/8)以下であることが好ましい。すなわち、Δθは、Cα×Δθ≦atan(1/8)を満たすことが好ましい。Cαを考慮して、Δθは5°以下であることが好ましい。
【0041】
図4は、像6の特徴点を説明するための概略図である。特徴点としては、予め定められた方向における像の端点、像を構成する直線の少なくとも一方の端点、像を構成する2つの線の交点、像を構成する線の変曲点等を例示できる。端点a1、端点a2、端点a3及び交点a4は、像6の特徴点である。
【0042】
端点a1は、像6上の点のうち、x軸方向において最もマイナス側に位置する。端点a2は、像6上の点のうち、x軸方向において最もプラス側に位置する。ΦΔxは、端点a1と背面72上の点Q1とを結ぶ直線と、端点a2と背面72上の点Q1とを結ぶ直線とがなす角度である。この場合において、Δθは、Cα×Δθ<(ΦΔp/10)×Cβを満たすことが好ましい。ここで、Cβは、1より大きい定数である。具体的には、Cβとして2を適用することが好ましい。このように、導光板70が導く光の発散角をΔθとし、予め定められた線に沿う方向における像の2つの端点と複数の光収束部30のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔpとした場合、1.5Δθ<ΦΔp/5を満たすことが好ましい。これにより、観察者は像6をはっきりと認識できる。なお、像6を最低でもN分割した収束点で形成する必要がある場合、Δθは、Cα×Δθ<(ΦΔp/N)×Cβを満たすことが好ましい。
【0043】
端点a1は、辺s1の一方の端点であり、端点a3は、辺s1の他方の端点である。交点a4は、辺s2と辺s3との交点である。ΦΔiaは、点Q1と端点a1とを結ぶ直線と、点Q1と端点a3とを結ぶ直線とがなす角度である。ΦΔibは、端点a3と点Q1とを結ぶ直線と、交点a4と点Q1を結ぶ直線とがなす角度である。なお、ΦΔia及びΦΔibは、xz面内の角度である。この場合、Δθは、Cα×Δθ<Cβ×ΦΔiaを満たすことが好ましい。また、Δθは、Cα×Δθ<Cβ×ΦΔibを満たすことが好ましい。このように、像が有する2つの特徴点と複数の光収束部30のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔiとした場合、Δθは、Cα×Δθ<Cβ×ΦΔiを満たすことが好ましい。具体的には、Δθは、1.5Δθ<2ΦΔiを満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、観察者が像6の特徴的な部分を認識することが容易になるので、観察者が像6を立体像として認識し易くなる。
【0044】
ここで、定点PDを、定点PBにy軸方向に隣接する、辺s2上の定点であるとする。ΦΔrは、点Q2と定点PDとを結ぶ直線と、点Q2と定点PBとを結ぶ直線とがなす角度である。なお、ΦΔrは、yz面内の角度である。この場合に、Δθは、Cα×Δθ<Cβ×ΦΔrを満たすことが好ましい。このように、光収束部30が形成される線に直交する方向に隣接する2つの収束点と複数の光収束部30のそれぞれとを結ぶ線がなす角度をΦΔrとした場合、Cα×Δθ<Cβ×ΦΔrを満たすことが好ましい。具体的には、Δθは、1.5Δθ<2ΦΔrを満たすことが好ましい。この条件を満たすことで、観察者は像6をよりクリアに認識できる。
【0045】
図5は、屈折面31のピッチ及と入射光の発散角Δθとの関係を概略的に示す。図5は、1つの光収束部30の部分を拡大して示す。
【0046】
Δψは、屈折面31と定点Pとを結ぶ直線と、屈折面31と定点Pとを結ぶ直線とがなす角度である。Δψは、5°未満であることが好ましい。すなわち、屈折面31と屈折面31とを離間して設ける場合、Δψは5°以上とならないようにすることが好ましい。Δψを5°未満にすることで、1つの光収束部30からの出射光の波面を均一にすることができる。
【0047】
なお、Λは、線190に沿う方向に隣接する屈折面31の中心位置の間の位置差である。Λは、屈折面31の配列のピッチを表す。出射面71から定点Pまでの距離dよりΛが十分に小さい場合、Δψ=Λ/dと近似できる。
【0048】
また、Δψ<Cα×Δθが満たされることが好ましい。具体的には、Cαとして1.5を適用した場合、Δψ<1.5Δθが満たされるようにすることが好ましい。これにより、出射光の強度が極端に小さくなる方向が生じることを抑制できる。
【0049】
また、Δψ>θ/5が満たされることが好ましい。これにより、出射光をある程度分離できる。そのため、いわゆるブラックマトリックス効果によって、像のコントラストが高まる場合がある。なお、図1に示すDy(線190に直交する方向に隣接する光収束部30との間の距離)及びΛは、Dy<5Λを満たすことが好ましい。
【0050】
図5において、光収束部30が有する屈折面31−1及び屈折面31−nは、線190に沿う方向の両端に位置する屈折面である。屈折面31−1は、x軸プラス側の端部に位置する。屈折面31−nは、x軸マイナス側の端部に位置する。ψは、屈折面31−1と定点Pとを結ぶ直線と、屈折面31−nと定点Pとを結ぶ直線とが成す角度である。この場合、ψは、20°以上であることが好ましい。このように、光収束部が形成された線に沿う方向の2つの端点と、収束点とを結ぶ直線がなす角度は、20°以上であることが好ましい。
【0051】
透明な表示装置で像を表示した場合、観察者には像だけでなく表示装置の背景も見える。この場合に観察者は、首を振って像の位置が変わらないことを確認することで、そこに像があることを認識することが多い。首を横に移動する量は、通常、150mm程度である。観察者の顔の位置が導光板から400mm程度とすると、その角度は約21度となる。したがって、ψを20°未満であると、観察者が首を振ると観察者が像を見ることができなくなる場合がある。
【0052】
図6は、像の認識可否に関する実験結果を示す。透明な導光板を用いて点及び線からなる図形の像を形成させ、5人の成人男性を被験者として、首を振った場合に像を認識できたか否かの実験結果を行った。×は、首を振ると像が消えてしまうか、像を立体的に認識できなかったことを示す。○は、首を振っても像を立体的に認識できたことを示す。この実験結果からも、ψを20°以上にすれば、観察者が首を振っても、観察者が像を認識できることがわかる。
【0053】
図7は、光源20の構成を概略的に示す。光源20は、発光部21と、遮光部22とを有する。遮光部22は、開口23を有する。開口23は、x軸方向の光を絞るスリットであってよい。発光部21は、例えばLEDである。発光部21が発した光のうち、遮光部22の開口23を通過した光だけが、導光板70の端面73に入射する。これにより、導光板70内への入射光の指向性を高めることができる。特に、入射光のx軸方向の広がりを小さくすることができる。開口23のx軸方向の幅を調節することで、上述したΔθに関する条件が満たされるようにすることができる。
【0054】
ここで、導光板70の端面73と出射面71の中央の位置Cとの間の距離をLとし、端面73から入射する光の広がり幅をWとした場合、W≦L/10を満たすことが好ましい。ここで、開口23のx軸方向の幅をWとして適用してよい。他にも、端面73から入光する光の強度分布の広がり幅を、Wとして適用してよい。例えば、x軸方向の位置を横軸とし、端面73から入光する光の強度を縦軸で表した光の強度分布において、光強度が最大値の半分となる位置の全幅(半値全幅)を、Wとして適用してよい。
【0055】
図8は、表示装置10の変形例としての表示装置10Aを概略的に示す。表示装置10Aは、光源20の変形例としての光源20Aを有する点を除いて、表示装置10と同様の構成を有する。光源20Aは、平行化光源である。具体的には、光源20Aは、y軸に実質的に平行な光を導光板70に入射する。
【0056】
光源20Aは、m個の光源部24−1〜光源部24−mを有する。ここで、mは、2以上の整数である。光源部24−1〜光源部24−mのそれぞれは、y軸に実質的に平行な光を発する平行光光源である。
【0057】
光源部24−1は、発光部21A−1と、凹面鏡25−1とを有する。凹面鏡25−1は、発光部21A−1に対して端面73とは反対側に設けられる。凹面鏡25−1は、発光部21A−1が発光した光を反射して、実質的にy軸に平行な光に変換する。これにより、光源部24−1は、導光板70の端面73に、y軸に実質的に平行な実質的な平行光を入射する。光源部24−2〜光源部24−mのそれぞれは、光源部24−1と同様の構成を有する。そのため、光源部24−2〜光源部24−mの構成については説明を省略する。
【0058】
導光板70の端面73には、光源部24−1〜光源部24−mが、x軸方向に沿って並べて設けられる。これにより、光源20Aは、導光板70の端面73の略全面から、y軸に実質的に平行な光を導光板70に入射することができる。
【0059】
図9は、表示装置10の変形例としての表示装置10Bのyz断面を概略的に示す。表示装置10Bは、屈折面31の変形例としての屈折面31Bを有する点を除いて、表示装置10と同様の構成を有する。屈折面31Bは、出射面71から突出した突状プリズムの一面で提供される。
【0060】
なお、図1から図9に関連して説明した屈折面31及び屈折面31Bは、1つの平面状の光学面である。表示装置10及び表示装置10Aの変形例として、各屈折面を、1つのフレネルレンズで置き換えてもよい。また、更なる他の変形例として、1つの光収束部30を形成する複数の屈折面31を、x軸方向に沿って連続する1つのフレネルレンズで置き換えてもよい。
【0061】
図10は、表示装置10の変形例としての表示装置10Cのyz断面を概略的に示す。表示装置10Cは、屈折面31に代えて光学面32を有する点を除いて、表示装置10と同様の構成を有する。光学面32は、出射面71に形成された回折格子である。光学面32は、例えば透過型回折格子である。表示装置10Cにおいては、コヒーレントな光を出射する光源を光源20として用いることが好ましい。そのため、表示装置10においては、光源20として、レーザ光源を有する光源を用いてよい。例えば、光源20は、レーザダイオードを有してよい。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0063】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0064】
6 像
10 表示装置
20 光源
30 光収束部
21 発光部
22 遮光部
23 開口
31 屈折面
32 光学面
70 導光板
71 出射面
72 背面
73、74、75、76 端面
190 線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10