【課題】財産や利益の存在を視覚的に強調することにより、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくできる財務諸表の構成図およびそれを出力するプログラムを提供する。
上記第3の金額を表す第3の棒グラフが、上記第1の基準軸に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように記されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、貸借対照表や損益計算書を、従来のように左右2本の棒グラフとして表した構成図では、左右のバランスが取れていることが明らかになる。つまり、極めて当然のことが視覚的に表されるにすぎない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、つぎの目的をもってなされた。
財産や利益の存在を視覚的に強調することにより、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくできる財務諸表の構成図およびそれを出力するプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の財務諸表の構成図は、下記の構成を採用した。
財務諸表における第1の金額と第2の金額および第3の金額が出力された構成図であって、
上記第3の金額が、上記第1の金額と上記第2の金額の差額であり、
上記第1の金額を表す第1の棒グラフが、第1の基準軸から第1の方向に延びるように記され、
上記第2の金額を表す第2の棒グラフが、上記第1の基準軸から上記第1の方向に延びるように記され、
上記第3の金額を表す第3の棒グラフが、上記第1の基準軸に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように記されている。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の財務諸表の構成図を出力するプログラムは、下記の構成を採用した。
財務諸表における第1の金額と第2の金額および第3の金額を構成図に出力するためのプログラムであって、
上記第3の金額を、上記第1の金額と上記第2の金額の差額として算出し、
上記第1の金額を表す第1の棒グラフを、第1の基準軸から第1の方向に延びるように上記構成図に出力し、
上記第2の金額を表す第2の棒グラフが、上記第1の基準軸から上記第1の方向に延びるように上記構成図に出力し、
上記第3の金額を表す第3の棒グラフが、上記第1の基準軸に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように上記構成図に出力する
ステップを、コンピュータ装置に実行させる。
【0012】
本発明では、上記構成に加えて、さらに下記の構成を採用することができる。
【0013】
上記財務諸表が貸借対照表であり、上記第1の金額が資産、上記第2の金額が負債、上記第3の金額が純資産または債務超過額である。
【0014】
上記財務諸表が損益計算書であり、上記第1の金額が売上総利益、上記第2の金額が販売管理費、上記第3の金額が利益または損失である。
【発明の効果】
【0015】
すなわち、本発明の構成図は、財務諸表における上記第3の金額が、上記第1の金額と上記第2の金額の差額である。そして、上記第1の金額を表す第1の棒グラフが、第1の基準軸から第1の方向に延びるように出力される。上記第2の金額を表す第2の棒グラフが、上記第1の基準軸から上記第1の方向に延びるように出力される。上記第3の金額を表す第3の棒グラフが、上記第1の基準軸に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように出力される。
【0016】
このようにすることにより、従来のように、左右のバランスが取れていることを視覚的に明らかにするのに加え、財産や利益の存在を視覚的に強調し、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくすることができる。
【0017】
本発明において、上記財務諸表が貸借対照表であり、上記第1の金額が資産、上記第2の金額が負債、上記第3の金額が純資産または債務超過額である場合には、
負債と純資産の合計が資産とバランスが取れていることを視覚的に明らかにするのに加え、財産である純資産の存在または債務超過の状態である債務超過額を視覚的に強調し、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくすることができる。
【0018】
本発明において、上記財務諸表が損益計算書であり、上記第1の金額が売上総利益、上記第2の金額が販売管理費、上記第3の金額が利益または損失である場合には、
利益または損失と販売管理費との合算が、売上総利益とバランスが取れていることを視覚的に明らかにするのに加え、利益または損失の存在を視覚的に強調し、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
〔概要〕
図1〜
図6は、本発明の一実施形態における財務諸表の構成図の一例を示す。
図1〜
図2は貸借対照表に適用した例であり、
図3〜
図6は損益計算書に適用した例である。
【0022】
本実施形態は、財務諸表における第1の金額と第2の金額および第3の金額が出力された構成図である。
上記第3の金額は、上記第1の金額と上記第2の金額の差額である。
上記第1の金額を表す第1の棒グラフが、第1の基準軸から第1の方向に延びるように記されている。
上記第2の金額を表す第2の棒グラフが、上記第1の基準軸から上記第1の方向に延びるように記されている。
上記第3の金額を表す第3の棒グラフが、上記第1の基準軸に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように記されている。
【0023】
〔貸借対照表〕
図1および
図2により、財務諸表として貸借対照表に適用した例を説明する。
図1は正常状態、
図2は債務超過状態である。
【0024】
図1に示す正常状態の例では、上記第1の金額が資産、上記第2の金額が負債、上記第3の金額が純資産(財産)である。つまり、資産が負債を上回り、事業体が正常な経営状態であることを示している。したがって、資産と負債の差額が純資産(財産)となる。
【0025】
本実施形態は、貸借対照表における資産と負債および純資産(財産)が出力された構成図である。上記純資産(財産)は、資産と負債の差額である。コンピュータ装置の表示装置に表示され、それが紙などの印刷媒体に印刷されたものである。
【0026】
上記資産を表す第1の棒グラフ11が、第1の基準軸1から第1の方向に延びるように記されている。この例では、上記第1の基準軸1は、水平方向に延びる直線として配置される。上記第1の方向は、上記第1の基準軸1に直交する上向きの方向である。
【0027】
上記第1の棒グラフ11の上部には資産の金額を示す数値が表示されている。
【0028】
上記第1の棒グラフ11は、流動資産部11Aの上に固定資産部11Bを積み上げるように表示されて構成されている。
【0029】
上記流動資産部11Aの中には、流動資産の金額を示す数値が表示されている。また、その下に、流動資産の内訳である現金及び預金、受取手形、売掛金、商品、未収入金、立替金、仮払金、有価証券、その他流動資産の金額をそれぞれ示す数値が表示されている。上記固定資産部11Bの中には、固定資産の金額を示す数値が表示されている。また、その下に、固定資産の内訳である建物、機械装置、車両運搬具、工具器具備品、投資有価証券、出資金、敷金、その他固定資産、繰延資産の金額をそれぞれ示す数値が表示されている。
【0030】
上記流動資産の内訳および固定資産の内訳は一例を示すものであり、当該財務諸表を作成する事業体の業態に応じ、適宜必要なものを適用して用いることができる。
【0031】
上記負債を表す第2の棒グラフ12が、上記第1の基準軸1から上記第1の方向に延びるように記されている。この例では、上記第2の棒グラフ12は、上記第1の棒グラフ11の隣に配置されている。
【0032】
上記第2の棒グラフ12の上部には負債の金額を示す数値が表示されている。
【0033】
上記第2の棒グラフ12は、流動負債部12Aの上に固定負債部12Bを積み上げるように表示されて構成されている。
【0034】
上記流動負債部12Aの中には、流動負債の金額を示す数値が表示されている。また、その下に、流動負債の内訳である支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払法人税等、未払消費税、前受金、預り金、仮受金、その他流動負債の金額をそれぞれ示す数値が表示されている。上記固定負債部12Bの中には、固定負債の金額を示す数値が表示されている。また、その下に、固定負債の内訳である長期借入金、役員借入金の金額をそれぞれ示す数値が表示されている。
【0035】
上記流動負債の内訳および固定負債の内訳は一例を示すものであり、当該財務諸表を作成する事業体の業態に応じ、適宜必要なものを適用して用いることができる。
【0036】
上記純資産(財産)を表す第3の棒グラフ13が、上記第1の基準軸1に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸2から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように記されている。この例では、上記第2の基準軸2は、水平方向に延びる直線として配置される。上記第2の方向は、上記第2の基準軸2に直交する下向きの方向である。この例では、上記第3の棒グラフ13は、上記第2の棒グラフ12の隣に配置されている。
【0037】
上記第3の棒グラフ13の上部には純資産(財産)の金額を示す数値が表示されている。上記第3の棒グラフ13の下部には、純資産(財産)の内訳である資本金、剰余金の金額をそれぞれ示す数値が表示されている。
【0038】
この例は、事業体の経営が正常状態の場合を示している。つまり、第1の金額である資産が第2の金額である負債を上回り、資産と負債の差額が第3の金額である純資産(財産)となる。したがって、第1の棒グラフ11の上端と第3の棒グラフ13の上端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。このレベルに第2の基準軸2が表示されている。上記第2の棒グラフ12の上端と、上記第3の棒グラフ13の下端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。また、第2の基準軸2からの距離も等しいレベルである。この例では、このレベルに上記第2の棒グラフ12の上端と上記第3の棒グラフ13の下端をつなぐ第3の基準軸3が表示されている。
【0039】
図2に示す債務超過の例では、上記第1の金額が資産、上記第2の金額が負債、上記第3の金額が債務超過額である。つまり、負債が資産を上回り、事業体が債務超過に陥っている状態であることを示している。したがって、資産と負債の差額が債務超過額となる。
【0040】
この例は、事業体の経営が債務超過に陥っている場合を示している。つまり、第2の金額である負債が第1の金額である資産を上回り、資産と負債の差額が第3の金額である債務超過額となる。したがって、第2の棒グラフ12の上端と第3の棒グラフ13の上端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。このレベルに第2の基準軸2が表示されている。上記第1の棒グラフ11の上端と、上記第3の棒グラフ13の下端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。また、第2の基準軸2からの距離も等しいレベルである。この例では、このレベルに上記第1の棒グラフ11の上端と上記第3の棒グラフ13の下端をつなぐ第3の基準軸3が表示されている。それ以外は
図1と同様である。
【0041】
〔損益計算書〕
図3〜
図6により、財務諸表として損益計算書に適用した例を説明する。
図3〜
図4は仕入れすなわち売上原価のない業態の場合であり、
図3は黒字、
図4は赤字の状態を示す。
図5〜
図6は仕入れすなわち売上原価がある業態の場合であり、
図5は黒字、
図6は赤字の状態を示す。
【0042】
図3〜
図4において、仕入れすなわち売上原価のない業態の場合を説明する。
【0043】
図3に示す黒字の例では、上記第1の金額が売上高(商い高)=売上総利益(粗利)、上記第2の金額が販売管理費(経費)、上記第3の金額が利益である。仕入れすなわち売上原価のない業態なので、売上高(商い高)がすなわち売上総利益(粗利)となる。
【0044】
本実施形態は、損益計算書における売上高(商い高)=売上総利益(粗利)と販売管理費(経費)および利益が出力された構成図である。上記利益は、売上総利益(粗利)と販売管理費(経費)の差額である。コンピュータ装置の表示装置に表示され、それが紙などの印刷媒体に印刷されたものである。
【0045】
上記売上高(商い高)=売上総利益(粗利)を表す第1の棒グラフ21が、第1の基準軸1から第1の方向に延びるように記されている。この例では、上記第1の基準軸1は、水平方向に延びる直線として配置される。上記第1の方向は、上記第1の基準軸1に直交する上向きの方向である。
【0046】
上記第1の棒グラフ21の内部には自社の売上高(商い高)=売上総利益(粗利)の金額を示す数値が表示されている。その下に、利益率を示す数値が表示されている。
【0047】
上記販売管理費(経費)を表す第2の棒グラフ22が、上記第1の基準軸1から上記第1の方向に延びるように記されている。この例では、上記第2の棒グラフ22は、上記第1の棒グラフ21の隣に配置されている。
【0048】
上記第2の棒グラフ22の上には、販売管理費(経費)の金額を示す数値が表示されている。上記第2の棒グラフ22の中には、販売管理費(経費)の内訳である人件費、支払利息、その他販売管理費(経費)の金額をそれぞれ示す数値が表示されている。その下には、労働分配率を示す数値が表示されている。
【0049】
上記販売管理費(経費)の内訳などは一例を示すものであり、当該財務諸表を作成する事業体の業態に応じ、適宜必要なものを適用して用いることができる。
【0050】
上記利益を表す第3の棒グラフ23が、上記第1の基準軸1に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸2から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように記されている。この例では、上記第2の基準軸2は、水平方向に延びる直線として配置される。上記第2の方向は、上記第2の基準軸2に直交する下向きの方向である。この例では、上記第3の棒グラフ23は、上記第2の棒グラフ22の隣に配置されている。
【0051】
上記第3の棒グラフ23の上部には経常利益の金額を示す数値が表示されている。上記第3の棒グラフ23の下には、経常利益率、儲け率を示す数値、前期利益を示す金額が表示されている。
【0052】
この例は、事業体の経営が黒字の場合を示している。つまり、第1の金額である売上総利益(粗利)が第2の金額である販売管理費(経費)を上回り、売上総利益(粗利)と販売管理費(経費)の差額が第3の金額である利益となる。したがって、第1の棒グラフ21の上端と第3の棒グラフ23の上端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。このレベルに第2の基準軸2が表示されている。上記第2の棒グラフ22の上端と、上記第3の棒グラフ23の下端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。また、第2の基準軸2からの距離も等しいレベルである。この例では、このレベルに上記第2の棒グラフ22の上端と上記第3の棒グラフ23の下端をつなぐ第3の基準軸3が表示されている。
【0053】
図4に示す赤字の例では、上記第1の金額が売上高(商い高)=売上総利益(粗利)、上記第2の金額が販売管理費(経費)、上記第3の金額が損失である。つまり、販売管理費(経費)が売上高(商い高)=売上総利益(粗利)を上回り、事業体が赤字に陥っている状態であることを示している。したがって、売上高(商い高)=売上総利益(粗利)と販売管理費(経費)の差額が損失となる。
【0054】
この例は、事業体の経営が赤字に陥っている場合を示している。つまり、第2の金額である販売管理費(経費)が第1の金額である売上総利益(粗利)を上回り、売上総利益(粗利)と販売管理費(経費)の差額が第3の金額である損失となる。したがって、第2の棒グラフ22の上端と第3の棒グラフ23の上端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。このレベルに第2の基準軸2が表示されている。上記第1の棒グラフ21の上端と、上記第3の棒グラフ23の下端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。また、第2の基準軸2からの距離も等しいレベルである。この例では、このレベルに上記第1の棒グラフ21の上端と上記第3の棒グラフ23の下端をつなぐ第3の基準軸3が表示されている。それ以外は
図3と同様である。
【0055】
図5〜
図6において、仕入れすなわち売上原価がある業態の場合を説明する。
【0056】
図5に示す黒字の例では、上記第1の金額が売上総利益(粗利)、上記第2の金額が販売管理費(経費)、上記第3の金額が利益である。仕入れすなわち売上原価がある業態なので、上記売上総利益(粗利)に売上原価を加算した金額が売上高(商い高)となる。
【0057】
第1の金額である売上総利益(粗利)を示す第1の棒グラフ21の上には、売上原価を示す売上原価部24が積み上げるように表示されている。上記売上原価部24の内部には、売上原価の金額を示す数値が表示されている。その下に、売上原価の内訳である期首棚卸高、仕入高、期末棚卸高の金額をそれぞれ示す数値が表示されている。
【0058】
上記売上原価の内訳などは一例を示すものであり、当該財務諸表を作成する事業体の業態に応じ、適宜必要なものを適用して用いることができる。
【0059】
上記売上原価部24の上部には、売上原価と売上総利益(粗利)を足した売上高(商い高)の金額を示す数値が表示されている。それ以外は、
図3と同様である。
【0060】
図6に示す赤字の例では、上記第1の金額が売上総利益(粗利)、上記第2の金額が販売管理費(経費)、上記第3の金額が損失である。つまり、販売管理費(経費)が売上総利益(粗利)を上回り、事業体が赤字に陥っている状態であることを示している。したがって、売上総利益(粗利)と販売管理費(経費)の差額が損失となる。
【0061】
この例は、事業体の経営が赤字に陥っている場合を示している。つまり、第2の金額である販売管理費(経費)が第1の金額である売上総利益(粗利)を上回り、売上総利益(粗利)と販売管理費(経費)の差額が第3の金額である損失となる。したがって、第2の棒グラフ22の上端と第3の棒グラフ23の上端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。このレベルに第2の基準軸2が表示されている。上記第1の棒グラフ21の上端と、上記第3の棒グラフ23の下端は、上記第1の基準軸1からの距離が等しいレベルである。また、第2の基準軸2からの距離も等しいレベルである。この例では、このレベルに上記第1の棒グラフ21の上端と上記第3の棒グラフ23の下端をつなぐ第3の基準軸3が表示されている。それ以外は
図5と同様である。
【0062】
図1〜
図6に示したように、第1の金額を示す第1の棒グラフと、第2の金額を示す第2の棒グラフを隣接させて表示するのが好ましい。第3の棒グラフで示される第3の金額は、第1の金額と第2の金額の差額である。このため、差額である第3の金額を算出するベースとなった第1の金額と第2の金額をそれぞれ示す第1の棒グラフと第2の棒グラフを隣接させて表示することで、構成図が見やすくなるからである。
【0063】
〔システムおよびプログラム〕
図7は、上記各構成図を出力するプログラムを実行するためのシステムの一例を示す図である。
【0064】
このシステムはコンピュータ装置であり、入力装置31、演算装置32、データ格納装置33、印刷装置34、表示装置35を備えている。
【0065】
上記入力装置31としては例えば、キーボード、マウス、メモリリーダライタ、ディスク読取装置などを適用することができる。
【0066】
上記演算装置32は、具体的にはCPUやメモリ等であり、後述するように、本発明のプログラムを実行し、入力装置31、データ格納装置33、印刷装置34、表示装置35を制御する。
【0067】
上記データ格納装置33としては例えば、ハードディスクドライブ、メモリリーダライタ、ディスク書込装置などを適用することができる。
【0068】
上記印刷装置34は、各種のプリンタを使用することができる。上記表示装置35は、液晶ディスプレイ等を使用することができる。
【0069】
上記演算装置32は、本発明のプログラムを実行するプログラム実行部32Eを備えている。
【0070】
また、上記演算装置32は、本発明のプログラムの実行に伴って、上記入力装置31を制御する入力装置制御部32A、上記データ格納装置33を制御する格納装置制御部32B、上記印刷装置34を制御する印刷制御部32C、上記表示装置35を制御する表示制御部32Dを備えている。
【0071】
上記プログラム実行部32Eで実行される本発明のプログラムは、財務諸表における第1の金額と、合計することにより上記第1の金額になる第2の金額および第3の金額を構成図に出力するためのプログラムである。
【0072】
そして、上記プログラムは、上記第1の金額を表す第1の棒グラフを、第1の基準軸から第1の方向に延びるように上記構成図に出力する。
このとき、上記第3の金額を、上記第1の金額と上記第2の金額の差額として算出する。
そして、上記第2の金額を表す第2の棒グラフが、上記第1の基準軸から上記第1の方向に延びるように上記構成図に出力し、
上記第3の金額を表す第3の棒グラフが、上記第1の基準軸に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように上記構成図に出力する。
以上のステップを、コンピュータ装置に実行させる。
【0073】
具体的には、上記プログラムは、貸借対照表を出力するときには、つぎのステップをコンピュータ装置に実行させる。
【0074】
すなわち、上記資産を表す第1の棒グラフ11を、第1の基準軸1から第1の方向に延びるように上記構成図に出力し、
上記負債を表す第2の棒グラフ12が、上記第1の基準軸1から上記第1の方向に延びるように上記構成図に出力し、
上記純資産(財産)または債務超過額を表す第3の棒グラフ13が、上記第1の基準軸1に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸2から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように上記構成図に出力する。
【0075】
また、上記プログラムは、損益計算書を出力するときには、つぎのステップをコンピュータ装置に実行させる。
【0076】
すなわち、上記売上総利益(粗利)を表す第1の棒グラフ21を、第1の基準軸1から第1の方向に延びるように上記構成図に出力し、
上記販売管理費(経費)を表す第2の棒グラフ22が、上記第1の基準軸1から上記第1の方向に延びるように上記構成図に出力し、
上記利益または損失を表す第3の棒グラフ23が、上記第1の基準軸1に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸2から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように上記構成図に出力する。
【0077】
上記プログラムでは、上記構成図をコンピュータ装置の表示装置に表示し、それを紙などの印刷媒体に印刷する。
【0078】
〔実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の構成図は、財務諸表における第3の金額が第2の金額と第3の金額の差額である。そして、上記第1の金額を表す第1の棒グラフが、第1の基準軸から第1の方向に延びるように出力される。上記第2の金額を表す第2の棒グラフが、上記第1の基準軸から上記第1の方向に延びるように出力される。上記第3の金額を表す第3の棒グラフが、上記第1の基準軸に対抗して平行するように設けられた第2の基準軸から上記第1の方向と反対の第2の方向に延びるように出力される。
【0079】
このようにすることにより、従来のように、左右のバランスが取れていることを視覚的に明らかにするのに加え、財産や利益または債務超過額の存在を視覚的に強調し、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくすることができる。
【0080】
本実施形態は、上記財務諸表が貸借対照表であり、上記第1の金額が資産、上記第2の金額が負債、上記第3の金額が純資産(財産)または債務超過額であるため、
負債と純資産(財産)の合計が資産とバランスが取れていることを視覚的に明らかにするのに加え、財産である純資産(財産)または債務超過額の存在を視覚的に強調し、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくすることができる。
【0081】
本実施形態は、上記財務諸表が損益計算書であり、上記第1の金額が売上総利益(粗利)、上記第2の金額が販売管理費(経費)、上記第3の金額が利益または損失であるため、
利益または損失と販売管理費(経費)との合算が、売上総利益(粗利)とバランスが取れていることを視覚的に明らかにするのに加え、利益または損失の存在を視覚的に強調し、企業の経営成績や財務情況などの情況を見やすくすることができる。