【解決手段】外部環境の変化を検知する検知手段11a,11bと、他の警報器10bと通信可能な通信手段12a,12bと、を備えた警報器10aを有する警報システムXであって、各警報器10a,10bはそれぞれの警報器10の点検処理を受け付ける点検操作手段19a,19bを各別に備え、点検操作手段19a,19bに対して所定時間の操作を行うことにより各警報器10a,10bのペアリング処理を行うペアリング設定モードに移行することができる。
前記点検操作手段に対して、前記所定時間が第一所定時間の場合に点検処理を行い、第二所定時間の場合に警報動作確認処理を行い、第三所定時間の場合に前記ペアリング処理を行い、前記第一〜第三所定時間より長い第四所定時間の場合に前記点検操作手段に対する処理をキャンセルする処理を行う請求項1または2に記載の警報システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の警報システムは、親機と複数の子機とをペアリングするために専用の縁組スイッチを備えていた。そのため、親機および子機には、当該縁組スイッチやそれに伴う回路を他のスイッチ類とは別に作製して組み付ける必要があり、その分、親機および子機を製造するのは煩雑で高コストとなっていた。
【0005】
従って、本発明の目的は、簡易な構成で各警報器をペアリングできる警報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る警報システムは、外部環境の変化を検知する検知手段と、他の警報器と通信可能な通信手段と、を備えた警報器を有する警報システムであって、その特徴構成は、各警報器はそれぞれの警報器の点検処理を受け付ける点検操作手段を各別に備え、前記点検操作手段に対して所定時間の操作を行うことにより各警報器のペアリング処理を行うペアリング設定モードに移行することができる点にある。
【0007】
本構成によれば、点検操作手段を操作することでペアリング設定モードに移行することができるため、ペアリング専用のスイッチ類を別に備える必要が無くなり、簡易な構成の警報システムとなる。
【0008】
本発明に係る警報システムの第二特徴構成は、外部環境の異常を検出して警報を行う警報システムであって、親機および当該親機と通信可能な子機を備え、前記親機は、外部環境の変化を検知する親機側検知手段と、前記子機と通信可能な親機側通信手段と、少なくとも親機識別子信号を記憶する親機側記憶手段と、前記親機識別子信号を前記子機に送信する親機側制御手段と、を有し、前記子機は、前記親機側検知手段とは異なり外部環境の変化を検知する子機側検知手段と、前記親機と通信可能な子機側通信手段と、少なくとも子機識別子信号を記憶する子機側記憶手段と、前記子機識別子信号を前記親機に送信する子機側制御手段と、前記子機の点検処理を受け付ける点検操作手段と、を有し、前記点検操作手段に対して所定時間の操作を行うことにより前記子機側制御手段によって前記子機から前記親機にペアリング要求が送られたとき、前記親機側制御手段は前記子機の機種情報に基づいてペアリング可能か否かを判断し、ペアリング可能の場合に前記親機側制御手段は前記子機に対して前記親機識別子信号を送信して前記子機側記憶手段が当該親機識別子信号を記憶し、前記子機側制御手段は前記親機に対して前記子機識別子信号を送信し、前記親機側制御手段は当該子機識別子信号を照合して前記親機側記憶手段が当該子機識別子信号を記憶した後、前記子機とのペアリング処理を行うように構成した点にある。
【0009】
本構成によれば、点検操作手段を操作することで親機および子機のペアリング設定モードに移行することができるため、親機および子機のペアリング専用のスイッチ類を別に備える必要が無くなり、簡易な構成の警報システムとなる。
【0010】
本発明に係る警報システムの第三特徴構成は、1台の前記親機に対して1台の前記子機のペアリング処理を行う点にある。
【0011】
本構成によれば、複数の子機があった場合でも、1台の親機に対して1台の子機毎にペアリング処理を行うため、確実にペアリング設定を行うことができる。
【0012】
本発明に係る警報システムの第四特徴構成は、前記点検操作手段に対して、前記所定時間が第一所定時間の場合に点検処理を行い、第二所定時間の場合に警報動作確認処理を行い、第三所定時間の場合に前記ペアリング処理を行い、前記第一〜第三所定時間より長い第四所定時間の場合に前記点検操作手段に対する処理をキャンセルする処理を行う点にある。
【0013】
本構成によれば、点検操作手段に対して異なる複数の操作時間を設定することで、単一のスイッチで複数の処理を実行することができる。そのため、複数の処理に対応したスイッチ類を各別に備える必要が無くなり、より簡易な構成の警報システムとなる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の警報システムは、外部環境の異常を検出して警報を行うものである。具体的には、外部環境の変化を検知する検知手段と、他の警報器と通信可能な通信手段と、を備えた警報器を有する警報システムであって、各警報器はそれぞれの警報器の点検処理を受け付ける点検操作手段を各別に備え、当該点検操作手段に対して所定時間の操作を行うことにより各警報器のペアリング処理を行うペアリング設定モードに移行することができる警報システムである。
【0016】
本実施形態では、各警報器を所謂親機および子機のセットで構成された警報システムとして説明する。
【0017】
図1に示したように、警報システムXは、複数の警報器本体10を備える。当該警報器本体10は、親機10aと、当該親機10aと通信可能な少なくとも1つの子機10bとすることができる。本実施形態では、1台の親機10aと1台の子機10bを備えた場合について説明する。これら親機10aおよび子機10bは、例えば、同一室内の離間した異なる場所に配設してもよいし、隣接する部屋の各部屋に別箇に配設してもよいし、ビルにおける異なるフロアに別箇に配設してもよい。以下に説明するように、親機10aおよび子機10bのそれぞれにおいて、外部環境の変化を検知する検知手段等を備えている。
【0018】
親機10aは、外部環境の変化を検知する親機側検知手段11aと、子機10bと通信可能な親機側通信手段12aと、親機側検知手段11aが検知した結果に基づいて外部環境の変化の程度を算出する親機側演算手段13aと、少なくとも親機識別子信号および少なくとも選択可能な複数種類の親機側警報音信号S2を予め記憶する親機側記憶手段14aと、親機側演算手段13aが警報レベル以上の外部環境の変化を検知したと判定した場合に親機側演算手段13aより警報信号S1aを受け取り、親機側記憶手段14aに記憶されている何れかの親機側警報音信号S2aを警報音S3aとして出力する親機側警報手段15aと、親機識別子信号を子機10bに送信する親機側制御手段18aと、親機10aの点検処理を受け付ける親機側点検操作手段19aと、を有する。
【0019】
親機10aは、例えば壁面に取付板方式で設置する態様で、電源はコンセント式とすることが可能であるが、これらに限定されるものではない。親機10aをコンセント式とした場合、子機10bとの通信は常時行うように構成することができる。
【0020】
親機側検知手段11aとして、例えばLPガスセンサ、都市ガスセンサ、COセンサ、火災センサの何れかを備えるとよい。LPガスセンサはLPガスを検出でき、都市ガスセンサは炭化水素ガス等の漏洩ガスを検出することができ、COセンサは不完全燃焼で発生する一酸化炭素ガスを検出できるものであれば、公知の半導体式センサ素子や接触燃焼式ガスセンサ素子などが使用できる。また、火災センサは、温度の上昇を感知する温度センサや、煙感知機能を有する公知の散乱光式煙センサなどが使用できる。本実施形態では、親機側検知手段11aとしてLPガスセンサを適用したガス警報器とした場合について説明する。
【0021】
親機側通信手段12aは、無線通信等によって子機10bと通信できるように構成すればよく、当該無線通信は双方向通信とするのがよい。本実施形態では、当該親機側通信手段12aとして赤外線による通信を適用した場合について説明する。即ち、親機側通信手段12aは、赤外線の送受信部によって構成することができる。
【0022】
親機側通信手段12aは、送受信の際の電波の強度や周波数を変更できるように構成することが可能である。これにより、子機10bとの通信の精度が低い場合等に電波の強度や周波数を変更して子機10bとの通信の精度を向上させることができる。
【0023】
親機側演算手段13aは、親機側検知手段11aがLPガスの漏洩を検知した出力に基づき、LPガス濃度を算出する濃度算出部を備える。当該濃度算出部は、親機側検知手段11aからの出力信号に基づいてLPガス濃度を算出できるマイコンなどを使用するとよい。
【0024】
親機側記憶手段14aは、自身或いは他の警報器本体10の識別子信号を記憶できるように構成すればよい。即ち、親機識別子信号、子機識別子信号および少なくとも複数種類の親機側警報音信号S2aを記憶できるメモリやストレージであれば、どのような態様でもよい。本実施形態では、複数種類の親機側警報音信号S2aの他に、複数種類の子機側警報音信号S2bを記憶する場合について説明する。親機側記憶手段14aは、これら警報音信号の他に、例えばそれぞれの警報器本体10(親機10a、子機10b)を識別できる機器情報を記憶することが可能であり、さらに設置場所を示す位置情報等を記憶してもよい。
【0025】
複数種類の親機側警報音信号S2aとしては、「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、」などの電子音や、例えば「正常です」などの合成音信号を記憶するとよい。記憶する親機側警報音信号S2aの数は2種類以上であってもよく、合成音声および電子音の態様は、上記以外でもよい。その他の態様としては、例えば「ピッ、ピッ、ピッ、正常です。電波が受信できています。」、「ウー、ウー、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ガスが漏れていませんか。」、「ピッ、ピッ、ピッ、親機の故障です。」、「ピッ、ピッ、電波が受信できません。」、「交換期限を過ぎています。販売店に連絡してください。」等とすることができるが、これらに限定されるものではない(複数種類の子機側警報音信号S2bは後述する)。
【0026】
親機側警報手段15aは、親機側検知手段11aが警報レベル以上の被検知ガス濃度を継続して検知したことを親機側演算手段13aが判定した場合、当該親機側演算手段13aから警報信号S1aを受け取り、選択された警報音信号に基づいて音声により警報を発する。本実施形態では、親機側警報手段15aはスピーカおよびその駆動回路で構成され、親機側警報音信号S2aを警報音S3aに変換して出力する態様について説明するが、これに限定されるものではない。
【0027】
親機側制御手段18aは、親機識別子信号を子機10bに送信する。また、親機側制御手段18aは、子機10bから親機10aにペアリング要求が送られてきたときに付随する子機10bの機種情報に基づいてペアリング可能か否かを判断する。また、親機側制御手段18aは、ペアリング可能の場合に子機10bに対して親機識別子信号を送信する。さらに、親機側制御手段18aは子機識別子信号を照合して親機側記憶手段14aが当該子機識別子信号を記憶した後、子機10bとのペアリング処理を行う。
【0028】
親機側点検操作手段19aは、親機10aのセンサ機器や回路、電池寿命が正常か否かを調べる点検処理を受け付けるスイッチである。点検操作手段19の詳細は後述する。
【0029】
また、親機10aは、親機10aの状態をランプ等で視覚的に表示する親機側状態表示手段16aを備えてもよい。親機側状態表示手段16aは、例えば親機10aの電源のオンオフ、LPガス検知の有無をLEDランプの点灯の有無によって表示するように構成できる。
【0030】
このように親機10aを構成することにより、親機10aがLPガスの漏洩を検知すると、親機10aが親機側警報手段15aによって警報音S3aを出力する。
【0031】
子機10bは、親機側検知手段11aとは異なり外部環境の変化を検知する子機側検知手段11bと、親機10aと通信可能な子機側通信手段12bと、子機側検知手段11bが検知した結果に基づいて外部環境の変化の程度を算出する子機側演算手段13bと、少なくとも子機識別子信号および選択可能な複数種類の子機側警報音信号S2bを予め記憶する子機側記憶手段14bと、子機側演算手段13bが警報レベル以上の外部環境の変化を検知したと判定した場合に、子機側演算手段13bより警報信号S1bを受け取り、子機側記憶手段14bに記憶されている何れかの子機側警報音信号S2bを警報音S3bとして出力する子機側警報手段15bと、子機識別子信号を親機10aに送信する子機側制御手段18bと、子機10bの点検処理を受け付ける子機側点検操作手段19bと、を有する。
【0032】
子機10bは、例えば壁面に引掛方式で設置する態様で、電源は電池式とすることが可能であるが、これらに限定されるものではない。子機10bを電池式とした場合、親機10aとの通信は間歇的に行うように構成するのがよい。
【0033】
子機側検知手段11bとして、例えばLPガスセンサ、都市ガスセンサ、COセンサ、火災センサの何れかを備えるとよく、親機側検知手段11aと同じセンサを適用しても、異なるセンサを適用してもよい。即ち、本実施形態では、親機側検知手段11aとしてLPガスセンサを適用したため、子機側検知手段11bとしてCOセンサ、火災センサを適用する場合について説明するが、このような態様に限定されるものではない。
【0034】
子機側通信手段12bは、無線通信等によって親機10aと通信できるように構成すればよく、上述した親機側通信手段12aに準じた機器構成とすればよい。
【0035】
子機側演算手段13bは、子機側検知手段11bがCOガスの漏洩や、煙を検知した出力に基づき、COガス濃度を算出する濃度算出部や、火災を判定する火災判定部を備える。これら濃度算出部や火災判定部は、上述した親機側演算手段13aと同様にマイコンなどを使用するとよい。
【0036】
子機側記憶手段14bは、自身或いは他の警報器本体10の識別子信号を記憶できるように構成すればよい。即ち、親機識別子信号、子機識別子信号および複数種類の子機側警報音信号S2bを記憶できるメモリやストレージであれば、どのような態様でもよい。子機側記憶手段14bは親機側記憶手段14aと同様に機器情報や位置情報等を記憶してもよい。
【0037】
複数種類の子機側警報音信号S2bとしては、「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、」などの電子音や、例えば「正常です」などの合成音信号を記憶するとよい。記憶する子機側警報音信号S2bの数は2種類以上であってもよく、合成音声および電子音の態様は、上記以外でもよい。その他の態様としては、例えば「ウー、ウー、ピッポッ、ピッポッ、空気が汚れて危険です。窓を開けて換気して下さい。」、「ウー、ウー、カン、カン、カン、火事です。火事です。」、「ピッ、ピッ、ピッ、子機の故障です。」、「ピッ、電池切れです。」、「ピッ、ピッ、電波が受信できません。」、「交換期限を過ぎています。販売店に連絡してください。」等とすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
子機側制御手段18bは、子機10bから親機10aにペアリング要求を送るように構成し、また、子機識別子信号を親機10aに送信可能に構成してある。
【0039】
子機側点検操作手段19bは、子機10bのセンサ機器や回路、電池寿命が正常か否かを調べる点検処理を受け付けるスイッチである。
【0040】
本実施形態の点検操作手段19(19a,19b)は、当該点検操作手段19に対して所定時間の操作を行うことにより複数のモードを実行できるように構成してある。具体的には、当該所定時間が第一所定時間の場合に点検処理を行い、第二所定時間の場合に警報動作確認処理を行い、第三所定時間の場合に前記ペアリング処理を行い、前記第一〜第三所定時間より長い第四所定時間の場合に点検操作手段19に対する処理をキャンセルする処理を行う。
【0041】
所定時間が第一所定時間の場合には、上述したようにセンサ機器や回路、電池寿命が正常か否かを調べる点検処理を行う。
所定時間が第二所定時間の場合には、警報機能が正常に稼働するか否かの警報動作確認処理を行う。
所定時間が第三所定時間の場合に、親機10aおよび子機10bをペアリングするペアリング処理を行う。ペアリング処理については後述する。
所定時間が第四所定時間の場合に点検操作手段19に対する処理をキャンセルする処理を行う。このキャンセル処理は、上述した点検処理、警報動作確認処理、ペアリング処理を取り消す処理とすることができる。
【0042】
第一〜第三所定時間は、第四所定時間より短く設定すれば、任意の時間を設定することができる。また、第一〜第三所定時間は、時間の長短の順番は問わない。これら第一〜第四所定時間の操作は、例えば点検操作手段19に対する所定時間の押圧操作とするため、第一〜第四所定時間のそれぞれの経過後に使用者がこれらを識別できるように構成することが可能である。例えば第一〜第四所定時間のそれぞれの経過後に、それぞれ異なる音声や異なる回数の「ピッ」音を出力するように構成すればよい。
【0043】
このように本発明の警報システムXでは、点検操作手段19を操作することでペアリング設定モードに移行することができるため、ペアリング専用のスイッチ類を別に備える必要が無くなり、簡易な構成の警報システムXとなる。
さらに、点検操作手段19に対して異なる複数の操作時間を設定することで、単一のスイッチで複数の処理を実行することができる。そのため、複数の処理に対応したスイッチ類を各別に備える必要が無くなり、より簡易な構成の警報システムXとなる。
【0044】
また、子機10bは、子機10bの状態をランプ等で視覚的に表示する子機側状態表示手段16bを備えてもよい。子機側状態表示手段16bは、例えば子機10bの電源のオンオフ、COガス検知および火災検知の有無を、これらが割り当てられたLEDランプの点灯の有無によって表示するように構成できる。
【0045】
このように子機10bを構成することにより、子機10bがCOガスの漏洩や煙を検知すると、子機10bが子機側警報手段15bによって警報音S3bを出力する。即ち、機器の故障(子機側警報手段15bの故障)が発生していない通常時は、子機10bが検出した外部環境の異常に基づく警報音は、子機10bのみが出力する。
【0046】
本実施形態の警報システムXは、1台の親機10aに対して1台の子機10bのペアリング処理を行うように構成してある。ペアリング処理のフローチャートを
図2〜4に示す。
図2のフローチャートは、子機10bから親機10aに対してペアリング要求を送ってペアリング処理を行うフローを示す。このときのペアリング処理における親機10aのフローチャートを
図3に示し、子機10bのフローチャートを
図4に示す。
【0047】
親機10aおよび子機10bのペアリング処理は、子機10bから親機10aに対してペアリング要求を送る他、親機10aから子機10bに対してペアリング要求を送ってもよいし、設置後に初めてペアリングする場合や、一旦ペアリングを解除した後に再度ペアリング(再設定)する場合等、何れの場合であっても同じペアリング処理を行えばよい。本実施形態では再設定する場合について説明する。
【0048】
図2に示したように、点検操作手段19bを10秒(第三所定時間)押圧操作することにより、子機10bから親機10aにペアリング要求を送ってペアリング処理を実行する。このとき、5回の「ピッ」音を出力することで、使用者はペアリング処理であることを認識することができる。この音声が出力されてから2秒以内に点検操作手段19bを解放すれば、ペアリング再設定モードとなる(ステップ#1〜#4)。後述するペアリング処理が成功すれば、「ピー」音を出力し、ペアリング処理が失敗すれば3回の「ピッ」音を出力することで使用者はペアリング処理の結果を認識することができる(ステップ#5〜#8)。
【0049】
このときの親機10aの概要を説明する(
図3)。
使用チャンネル(CH)が58で子機10bからペアリング要求があれば、ペアリング要求に付随する子機10bの機種情報に基づいてペアリング可能か否かを判断する。親機10aおよび子機10bの機種がそれぞれのペアリングに対応する場合はACK送信を、対応しない場合はNAK送信を子機10bに対して行う(ステップ#101〜#107)。
ACK送信後に子機10bから機器情報(無線の規格等)を受信すればペアリング可能となり、この場合に親機側制御手段18aは、子機10bに対して使用チャンネルおよび親機識別子信号を送信する。さらに、親機側制御手段18aは子機10bから送られた設定完了信号としての子機識別子信号を照合して、親機側記憶手段14aが当該子機識別子信号を記憶する。その後、ACK送信を子機10bに対して行うことで子機10bとのペアリング処理を行うことができる(ステップ#109〜#115)。
一方、親機側制御手段18aは子機10bから送られた設定完了信号としての子機識別子信号を10秒以内に照合できない場合は、ペアリング処理が失敗したと判定する(ステップ#116〜#117)。
【0050】
このときの子機10bの概要を説明する(
図4)。
使用チャンネル(CH)が58で、子機10b(子機側制御手段18b)から親機10aにペアリング要求を送り、親機10aから2秒以内にACK応答があれば、親機10aに子機識別子信号および機器情報(無線の規格等)を送信する(ステップ#201〜#206)。その後、10秒以内にACK応答、使用チャンネルおよび親機識別子信号の応答があれば、子機側記憶手段14bが当該親機識別子信号を記憶する。その後、10秒以内にACK応答があれば親機10aとのペアリング処理を行うことができる(ステップ#207〜#212)。
一方、#207,210において10秒以内にACK応答が無ければペアリング処理が失敗したと判定する(ステップ#213)。
【0051】
尚、子機10bからのペアリング要求時に、信号強度の強弱によって、ペアリング可否の判定をしてもよい。また、上述の態様に限らず、親機10aから子機10bに対してペアリング要求を送ってペアリング処理を行ってもよい。
【0052】
このように本発明の警報システムXでは、点検操作手段19を操作することで親機10aおよび子機10bのペアリング設定モードに移行することができるため、親機10aおよび子機10bのペアリング専用のスイッチ類を別に備える必要が無くなり、簡易な構成の警報システムXとなる。
【0053】
上術したように、本実施形態の警報システムXは、1台の親機10aに対して1台の子機10bのペアリング処理を行うように構成してあるため、確実にペアリング設定を行うことができる。仮に1台の親機10aに対して子機10bが複数台ある場合には、1台の親機10aに対して1台の子機10bのペアリング処理を、それぞれの子機10bに対して複数回行うこととなる。また、1台の親機10aに対して複数台の子機10bのペアリング処理を実行しようとしたときには、ペアリングエラーを報知するように構成するとよい。また、子機どうしのペアリングは行わないものとする。