【解決手段】 車両に設置される車載器であって、運転者が所持している情報記録媒体であって、運転者を特定する運転者特定情報を記憶した運転者特定情報記憶手段と、外部機器と通信する通信手段と、を備えた前記情報記録媒体から、前記運転者特定情報を受信する運転者特定情報受信手段と、前記車両に設けられた車両走行情報取得手段から前記車両の走行情報を取得する走行情報取得手段と、前記運転者特定情報と前記走行情報とを関連付けた運転者走行データを生成して、記憶する記憶手段と、を備えた。
前記運転者に対して、前記情報記録媒体を前記車載器に近づけることを促すメッセージを報知する第4報知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車載器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、誰が速度違反をしたかを判定することはできるが、運転者ごとに運転者走行データを生成して、記憶できなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る車載器は、
車両に設置される車載器であって、
運転者が所持している情報記録媒体であって、運転者を特定する運転者特定情報を記憶した運転者特定情報記憶手段と、外部機器と通信する通信手段と、を備えた前記情報記録媒体から、前記運転者特定情報を受信する運転者特定情報受信手段と、
前記車両に設けられた車両走行情報取得手段から前記車両の走行情報を取得する走行情報取得手段と、
前記運転者特定情報と前記走行情報とを関連付けた運転者走行データを生成して、記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る車載システムは、
車両に設置される車載器と、
サーバと、
を含む車載システムであって、
前記車載器は、
運転者が所持している情報記録媒体であって、運転者を特定する運転者特定情報を記憶した記憶手段と、外部機器と通信する通信手段と、を備えた前記情報記録媒体から、前記運転者特定情報を受信する運転者特定情報受信手段と、
前記車両に設けられた走行情報取得手段から前記車両の走行情報を取得する走行情報取得手段と、
前記運転者特定情報と前記走行情報とを関連付けた運転者走行データを生成して、記憶する記憶手段と、
前記運転者走行データを前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記車載器が送信した前記運転者走行データを受信する受信手段と、
受信した前記運転者走行データを蓄積する蓄積手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御方法は、
車両に設置される車載器の制御方法であって、
運転者が所持している情報記録媒体であって、運転者を特定する運転者特定情報を記憶した記憶手段と、外部機器と通信する通信手段と、を備えた前記情報記録媒体から、前記運転者特定情報を受信する運転者特定情報受信ステップと、
前記車両に設けられた走行情報取得手段から前記車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記運転者特定情報と前記走行情報とを関連付けた運転者走行データを生成して、記憶する記憶ステップと、
を含む。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御プログラムは、
車両に設置される車載器の制御プログラムであって、
運転者が所持している情報記録媒体であって、運転者を特定する運転者特定情報を記憶した記憶手段と、外部機器と通信する通信手段と、を備えた前記情報記録媒体から、前記運転者特定情報を受信する運転者特定情報受信ステップと、
前記車両に設けられた走行情報取得手段から前記車両の走行情報を取得する走行情報取得ステップと、
前記運転者特定情報と前記走行情報とを関連付けた運転者走行データを生成して、記憶する記憶ステップと、
含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運転者ごとに運転者走行データを生成して、記憶できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての車載器100について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る車載器100の機能構成を示すブロック図である。車載器100は、車両の運転者が誰であるかを識別し、運転者ごとに運転者走行データを生成して、記憶する機器である。
【0014】
図1に示すように、車載器100は、運転者特定情報受信部101と、走行情報取得部102と、記憶部103とを備える。
【0015】
運転者特定情報受信部101は、運転者が所持している情報記録媒体110であって、運転者を特定する運転者特定情報を記憶した運転者特定情報記憶部111と、外部機器と通信する通信部112と、を備えた情報記録媒体110から運転者特定情報を受信する。
【0016】
走行情報取得部102は、車両に設けられた車両走行情報取得部140から車両の走行情報を取得する。記憶部103は、運転者特定情報と走行情報とを関連付けた運転者走行データを生成して、記憶する。
【0017】
本実施形態によれば、運転者ごとに運転者走行データを生成して、記憶できる。
【0018】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る車載システム200について、
図2〜
図6を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る車載システム200の動作の概略を説明するための図である。
【0019】
運転者211は、車221を運転するために運転席に乗り込む。そして、運転者211は、車221のエンジンやモータなどを始動するための操作を行って、エンジンなどを始動させる。車221のエンジンなどが始動すると、車221から車載器220に電力が供給され、車載器220の電源が自動的にONになる。なお、車載器220の電源のONおよびOFFは運転者211が手動で行ってもよい。その後、運転者211が、携行する運転免許証210などの情報記録媒体を車載器220に近づける。つまり、運転者211が運転免許証210を車載器220にかざすと、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信により、車載器220は、運転免許証210に記録されている運転者211の運転免許情報や運転者特定情報などを受信する。なお、情報記録媒体としては、運転免許証210に限定されず、通信機能を有する媒体であればいずれでもよい。
【0020】
車221が走行を開始すると、車載器220は、車221の各部に取り付けられた電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの車両走行情報取得部222から、例えば、ハンドルの舵角やエンジン回転数、ホイールスピン量などの情報を取得する。車載器220は、取得したこれらの情報から、車221の走行状態を判定する。そして、運転者211の運転者特定情報と車221の走行状態とを関連付けたデータを生成して、生成したデータをサーバ230へ送信する。車載器220が、3G(3rd Generation)対応の通信機能を有している場合は、車載器220からサーバ230へ直接データを送信する。また、車載器220が、3G対応の通信機能を有していない場合には、Wi-Fi(Wireless Fidelity)やBluetooth(登録商標)などの通信方式により、例えば、運転者211が所持するスマートフォン223などの携帯端末にデータを送信する。そして、スマートフォン223は、車載器220から送信されたデータをサーバ230に送信する。つまり、車載器220は、スマートフォン223などを介してサーバ230にデータを送信する。なお、電子制御ユニットは、車両の各部に取り付けられており、例えば、エンジンや燃料タンク、トランスミッション、空調、ABS(Antilock Brake System)、エアバッグなどの制御も行う。
【0021】
サーバ230は、車載器220から送信されたデータを受信して、運転者211の運転者特定情報と走行状態とを対応させてストレージなどの蓄積デバイスに蓄積する。サーバ230は、蓄積した走行状態に基づいて、運転者211の運転を評価して運転評価を生成し、生成した運転評価を記憶する。サーバ230は、例えば、車載器220や運転者211の所有するスマートフォン223などのスマートデバイスに運転者211の運転評価を必要に応じて通知する。
【0022】
図3は、本実施形態に係る車載システム200の構成を説明するためのブロック図である。車載システム200は、運転免許証210と、車載器220と、サーバ230とを含む。
【0023】
<運転免許証について>
運転免許証210は、運転者特定情報記憶部311と、通信部312とを備える。運転者特定情報記憶部311は、運転免許証210の所有者である運転者211の運転者特定情報や運転免許情報などを記憶する。例えば、運転免許証210が、ICチップを内蔵した運転免許証であれば、運転者特定情報記憶部311には、運転者211の運転免許証番号、生年月日および運転免許証210の有効期限の少なくとも1つが記憶される。これらの情報であれば、運転免許証210から容易に取得できる。なお、運転者特定情報としては、これらの他に、氏名、住所、交付年月日、運転免許証の色区分(優良、新規、その他)、免許の条件、写真、本籍地などの情報があるが、これらには限定されない。通信部312は、車載器220と通信を確立し、運転者特定情報記憶部311に記憶されている情報を車載器220へ送信する。通信部312が、車載器220と通信を確立する方法は、例えば、NFCやBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信が代表的であるが、これらには限定されない。
【0024】
<車載器について>
車載器220は、運転者特定情報受信部321と、判定部322と、送信部323と、報知部324と、記憶部325と、走行情報取得部326とを備える。運転者特定情報受信部321は、運転免許証210などの情報記録媒体からNFCなどを介して送信された運転者特定情報を受信する。
【0025】
判定部322は、電子制御ユニットなどの車両走行情報取得部222から取得した車両の走行情報に基づいて、車両の走行状態を判定する。ここで、車両走行情報取得部222は、エンジンなどの車両の各部に設置され、さらに、CAN(Controller Area Network)に接続されている。車両走行情報取得部222は、例えば、エンジン回転数やエンジン温度、車速、搭載燃料、排気ガス量などの車両の走行情報を取得する。車両走行情報取得部222は、取得した車両の走行情報を車載器220へ送信する。
【0026】
送信部323は、運転免許証210から受信した運転者特定情報と、走行情報取得部326で取得した走行情報とを関連付けた運転者走行データをサーバ230へ送信する。また、送信部323は、運転者特定情報と、取得した走行情報に基づいて、判定部322で判定した走行状態とを関連付けたデータをサーバ230へ送信してもよい。
【0027】
報知部324は、車載器220が車221から電力の供給を受けて、車221のエンジンやモータなどが始動したことを検知したが、運転者211が、車載器220に運転免許証210をかざさなかった場合に次のような動作をする。例えば、報知部324は、運転者211に対して、車載器220に運転免許証210をかざすように促すメッセージを出力する。メッセージを出力するタイミングは、車221のエンジンなどが始動してから所定の時間経過後、例えば、数秒〜数10秒経過後であってもよい。これにより、運転者211が運転免許証210を車載器220へかざし忘れることを防止できる。
【0028】
報知部324が出力するメッセージとしては、例えば、運転者211に対して警報音を鳴らしたり、車載器220に設けられたランプを点滅させたりすることなどがある。また、例えば、車載器220に設けられた表示画面に「免許証をかざしてください」などのメッセージを表示してもよい。これにより、車載器220は、運転者211に対して、運転免許証210を車載器220にかざすように促す。なお、運転者211が運転免許証210を車載器220にかざさない場合には、車載システム200は、例えば、車221のエンジンなどを停止させて、運転者211が運転免許証210を車載器220にかざすまで待機してもよい。
【0029】
また、報知部324は、運転免許証210から読み取った運転者211の運転者特定情報のうち、運転者211の年齢に応じて様々なアラートを出力してもよい。例えば、運転者211が高齢であれば、判断が遅くなる傾向があるので、速度が80km/h以上になると、報知部324が、運転者211に対して、速度を落とすことを促すアラートを出力する。そして、運転者211の年齢に適した速度で走行できている場合には、報知部324は、運転者211がそのことを認識できるアラートを出力する。
【0030】
さらに、運転者211の年齢の他に、例えば、免許取得後の年数などを加味してアラートを出してもよい。運転者211の年齢が若くても、免許を取得してから1年未満であれば、運転技術が未熟であることが多いので、アラートする回数を多くしたり、免許取得後の年数が増えるごとに運転技術も向上するので、アラートの回数を減らしたりしてもよい。
【0031】
記憶部325は、運転免許証210から取得した運転者特定情報と、走行情報取得部326から取得した車両の走行情報とを関連付けた運転者走行データを生成して、記憶する。
【0032】
なお、記憶部325に記憶されたデータは、記憶部325に常時格納しておいてもよいが、例えば、車221の運転が終わり、車載器220の電源が切れた後に自動的に全てのデータを記憶部325から消去してもよい。また、データ消去のタイミングは、これには限定されず、例えば、車載器220が車221から取り外された場合には、車載器220が取り外されてから一定時間経過後に、全てのデータを記憶部325から消去してもよい。
【0033】
さらに、車載器220が車221から単に抜け落ちてしまうこともあるので、車載器220が車221から取り外されたらデータを消去するのでは都合が悪い場合もある。したがって、車載器220が、車221から取り外されて、再び取り付けられた場合に、車載器220が以前に取り付けられていた車221とは異なる車に取り付けられたことを車載器220が認識した場合に、全てのデータを記憶部325から消去してもよい。また、車載器220が再び取り付けられた際に、車載器220の表示画面に、例えば、「前と違う車ですか?」というメッセージを表示して、運転者211が「はい」と答えた場合に、全てのデータを記憶部325から消去してもよい。
【0034】
さらに、車載器220の電源が切れる際に、運転者211に対してデータを消去しもよいか否かを問い合わせるメッセージを表示して、運転者211が、データの消去に同意した場合に全てのデータを記憶部325から消去してもよい。
【0035】
また、例えば、車載器220が車221から取り外された場合には、車載器220が盗難にあった可能性もあるので、記憶部325に記憶されている全てのデータをサーバ230にアップロードした後に、全てのデータを記憶部325から消去してもよい。なお、記憶部325からデータを消去するタイミングは上述したタイミングに限定されず、様々なタイミングでデータを消去してもよい。
【0036】
消去対象とするデータは、上述したように、記憶部325に記憶されている全てのデータであってもよいし、例えば、特定のデータを選択的に記憶部325から消去してもよい。例えば、運転免許証番号は消去しないが、生年月日や有効期限などのデータを記憶部325から消去してもよい。このように、記憶部325から運転免許証番号を消去せずに残しておけば、過去にその車載器220に運転免許証210をかざしたことがあるか否か、過去にその車221を運転したことのある人物であるか否かを、車載器220が容易に判断できる。
【0037】
以上説明したように、車載器220の電源が切れた後などに、記憶部325に記憶されたデータを消去するので、個人を特定可能な個人情報が記憶部325には格納されていない。したがって、仮に、車載器220が盗まれた場合であっても、記憶部325は、個人の特定に繋がる情報を過度に格納していないので、個人情報の流出を効果的に防止することができる。さらに、車載器220の製造業者は、車載器220として、安全性に優れ、セキュリティレベルの高い機器を提供できる。
【0038】
また、記憶部325は、運転者特定情報に含まれる運転者211の生年月日から導き出した運転者の年齢に基づいて、走行情報取得部326が取得した走行情報から、記憶すべき走行情報を選択する。これにより、運転者211の年齢に応じて保存すべき走行情報を適宜変更することができる。
【0039】
さらに、記憶部325は、運転者特定情報に含まれる運転免許証210の運転免許証番号から導き出した運転者211の運転免許証210の取得からの経過期間に基づいて、走行情報取得部326が取得した走行情報から、記憶すべき走行情報を選択する。これにより、運転者211の運転歴に応じて保存すべき走行情報を変更することができるので、例えば、運転者211の運転傾向の分析の精度を向上させることができる。
【0040】
走行情報取得部326は、車両の走行情報を車両に設けられた車両走行情報取得部222から取得する。走行情報取得部326が、取得する走行情報には、車両の走行位置と、走行日時とが含まれるが、これらには限定されず、例えば、速度やエンジン回転数、加速度、ブレーキ踏力、ホイールスピン量などを含んでもよい。
【0041】
判定部322は、運転者211が車載器220にかざした運転免許証210から取得した運転免許証の有効期限に基づいて、運転免許証210の有効期限が切れているか否か、または、運転免許証210の有効期限が所定期間内か否かを判定する。例えば、判定部322は、運転免許証210の有効期限が切れていれば、有効期限が切れていることを判定してもよい。また、例えば、運転免許証210の有効期限までの残りの期間がどれくらいあるか、つまり、例えば、6か月後や3か月後、1か月後に有効期限が到来することを判定してもよい。これにより、運転免許証210の有効期限が経過している場合に、運転者211にアラートできる。さらに、運転免許証210の有効期限が到来する前に、有効期限の到来を運転者211に予めアラートできる。
【0042】
<サーバについて>
サーバ230は、受信部331と、蓄積部332と、運転評価生成部333と、通知部334と、運転評価記憶部335とを備える。
【0043】
受信部331は、車載器220から送信された運転者走行データ、すなわち、運転者特定情報とそれに関連付けられた走行情報とを受信する。蓄積部332は、受信した走行情報を運転者特定情報と対応付けて蓄積する。運転評価生成部333は、蓄積部332に蓄積された走行情報に基づいて、運転者211の運転評価を生成する。通知部334は、生成した運転評価を車載器220に通知する。また、通知部334は、運転評価を運転者211の所持するスマートフォン223などのスマートデバイスに直接通知してもよい。運転評価記憶部335は、生成した運転評価を運転者211の運転者特定情報と対応付けて記憶する。
【0044】
図4Aは、本実施形態に係る車載システム200の備える走行情報テーブル401の構成の一例を示す図である。走行情報テーブル401は、運転者ID(Identifier)411を、速度412やエンジン回転数413、加速度414、ブレーキ踏力415、ホイールスピン量416、走行位置417および走行日時418などと関連付けて記憶する。そして、車載システム200の運転評価生成部333は、例えば、この走行情報テーブル401を参照して、運転者211の運転の評価である運転評価を生成する。走行情報テーブル401に走行位置417および走行日時418を記憶したので、場所と時間とに紐付けた運転評価を生成することもできる。なお、運転評価の生成方法は、走行情報テーブル401を参照する方法には限定されない。車載システム200は、速度412やエンジン回転数413などに基づいて、その都度、所定のアルゴリズムに従って運転評価を生成してもよい。また、走行情報テーブル401に記憶する項目はここに示した項目には限定されない。
【0045】
図4Bは、本実施形態に係る車載システム200の備える運転免許証情報テーブル402の構成の一例を示す図である。運転免許証情報テーブル402は、運転者ID411に関連付けて、運転免許証番号422や生年月日423、有効期限424などを記憶する。本実施形態では、車載器220は、運転免許証210から直接、運転免許証210に記録されている情報を取得している。しかしながら、車載システム200は、運転者211の運転者ID411を取得し、運転免許証情報テーブル402を参照することにより、運転者211の運転免許証210に記録されている情報を取得してもよい。なお、車載システム200が、運転者211の運転免許証情報を取得する方法は、運転免許証210から直接取得する方法や運転免許証情報テーブル402を参照する方法には限定されない。なお、運転免許証情報テーブル402に記憶する項目はここに示した項目には限定されない。車載システム200は、運転免許証情報テーブル402を参照して、運転者211の年齢や、運転免許証の有効期限の残り期間などを算出してもよい。
【0046】
図5は、本実施形態に係る車載システム200を1つの情報処理装置500で実現した場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502およびRAM(Random Access Memory)503を備えている。さらに、情報処理装置500は、ストレージ504と通信制御部505とを備えている。
【0047】
CPU501は、演算処理用のプロセッサであり、プログラムを実行することにより情報処理装置500の各機能構成部を実現する。なお、CPU501は1つに限定されず、複数であってもよく、また、画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。ROM502は、リードオンリメモリであり、初期データやファームウェアなどのプログラムを記憶する。通信制御部505は、例えば、情報処理装置500とその他の機器などとの間の通信を制御する。また、通信制御部505は、CPU501とは独立したCPUを有して、RAM503の領域に送受信データを書き込みまたは読み出しをするのが望ましい。さらに、RAM503とストレージ504との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。よって、CPU501は、RAM503がデータを受信したこと、またはRAM503にデータが転送されたこと、を認識してデータを処理する。また、CPU501は、処理結果をRAM503に準備しておき、後に行われる送信または転送については、通信制御部505やDMACに行わせる。
【0048】
RAM503は、CPU501が一時記憶用のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM503には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域がある。このようなデータとして、RAM503は、運転者特定情報531、速度532、エンジン回転数533、運転免許証番号534、生年月日535および有効期限536などを一時的に記憶する。速度532やエンジン回転数533などは、運転評価を生成するために用いられるデータである。運転免許証番号534は、例えば、運転者211が運転免許証を取得してからの期間を算出するために用いられるデータである。生年月日535は、運転者211の年齢を判定するために用いられるデータであり、有効期限536は、運転免許証の有効期限が到来しているか否かなどを判定するために用いられるデータである。運転免許証番号534などは、運転者特定情報531と関連付けられてストレージ504などに保存される。送受信データ537は、通信制御部505を介して送受信されるデータである。
【0049】
ストレージ504は、データベースや各種パラメータ、本実施形態の実現に必要な以下のプログラムやデータなどを記憶する記憶デバイスである。ストレージ504は、走行情報テーブル401と、運転免許証情報テーブル402とを格納する。
【0050】
ストレージ504は、さらに、走行情報取得モジュール541と、判定モジュール542と、運転評価生成モジュール543とを格納する。走行情報取得モジュール541は、車両に設けられた、例えばOBD2(On-Board Diagnosis Second Generation)などのデバイスから、当該車両の走行情報を取得するモジュールである。判定モジュール542は、取得した走行情報に基づいて、車両の走行状態などを判定するモジュールである。運転評価生成モジュール543は、取得した走行情報や判定した走行状態などに基づいて、運転者211の運転評価を生成するモジュールである。これらのモジュール541〜543は、CPU501によりRAM503のアプリケーション実行領域538に読み出され、実行される。制御プログラム544は、情報処理装置500の全体を制御するためのプログラムである。なお、
図5に示したRAM503やストレージ504には、情報処理装置500が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0051】
図6は、本実施形態に係る車載システム200の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、
図5のCPU501がRAM503を使用して実行し、
図3の車載システム200の機能構成部を実現する。
【0052】
ステップS601において、車載システム200は、運転免許証210が車載器220に接近したか否かを判定する。運転免許証210が接近した場合、車載システム200は、次のステップへ進み、運転免許証210が接近していない場合、車載システム200は、運転免許証210が接近するまで待機する。
【0053】
ステップS603において、車載システム200は、接近した運転免許証210から、運転免許証210に記録されている運転者211の運転者特定情報を受信する。ステップS605において、車載システム200は、車両走行情報取得部222から車両の走行情報を取得する。ステップS607において、車載システム200は、取得した運転者特定情報と車両の走行情報とを組み合わせることにより、運転者特定情報と走行情報とを関連付けして、運転者走行データを生成する。ステップS609において、車載システム200は、生成した運転者走行データを所定のサーバに送信する。また、車載システム200は、生成した運転者走行データを運転者211の所有するスマートデバイスなどに送信してもよい。
【0054】
本実施形態によれば、運転者ごとに運転者走行データを生成して、記憶できる。また、車載器が運転免許証をかざすことを促すメッセージを出すので、運転者が運転免許証をかざし忘れることを防止できる。さらに、運転者の年齢に応じて保存すべき走行情報を変更でき、運転者の運転歴に応じて保存すべき走行情報を変更できるので、運転者の運転傾向の分析精度を向上させることができる。さらにまた、運転免許証の有効期限が切れている場合に、運転者に対してアラートするので、無免許運転を防止できる。また、運転免許証の有効期限が切れる前に、運転者に対してアラートするので、運転免許証の更新忘れによる運転免許証の失効を防止できる。また、運転者ごとに走行情報や走行状態を蓄積して、運転評価をするので、ニーズに応じた高度な運転評価ができる。また、走行情報として走行位置と走行日時と取得して、走行位置および走行日時に紐付けた運転評価をするので、ニーズに応じたより高度な運転評価もできる。
【0055】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る車載システム700について、
図7〜
図10を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る車載システム700の機能構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る車載システム700は、上記第2実施形態と比べると、サーバが保険情報記憶部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0056】
サーバ730は、保険情報記憶部731をさらに備える。保険情報記憶部731は、例えば、運転者211の年齢や運転歴、免許の種類、運転評価生成部で生成した運転評価などに応じた様々な種類の保険に関する情報を記憶する。そして、サーバ730は、運転者211に対して、車載器220を介してまたは直接、運転評価に応じた保険を保険情報記憶部731から選択して、提案する。これにより、車載システム700は、運転者に対して、運転行動連動型自動車保険(PHYD(Pay How You Drive)型自動車保険)を提案することができる。
【0057】
保険情報記憶部731は、さらに損害保険に関する損害保険情報を記憶してもよい。そして、判定部322は、記憶した損害保険情報と運転者特定情報とに基づいて、運転者211が、記憶した損害保険情報に対応する損害保険の契約者か否かを判定する。そして、報知部324は、判定部322による判定の結果、運転者211が契約者であると判定した場合に、運転者211に対して損害保険の更新時期を報知する。これにより、損害保険の更新時期を運転者211に対して予めアラートすることができる。
【0058】
また、判定部322は、損害保険情報と運転者特定情報とに基づいて、運転者211の年齢が、損害保険の年齢条件に抵触するか否かを判定する。そして、報知部324は、判定部322による判定の結果、運転者211が損害保険の年齢条件に抵触すると判定した場合に、運転者211に対して抵触している旨を報知する。これにより、損害保険の年齢条件に抵触していることを運転者211にアラートすることができる。
【0059】
図8は、本実施形態に係る車載システム700の備える運転評価履歴テーブル801の構成の一例を示す図である。運転評価履歴テーブル801は、運転者ID411に関連付けて、運転評価812および過去の運転評価813を記憶する。運転評価履歴テーブル801は、運転者ID411に関連付けて、さらに、違反内容814や運転パターン815、提案保険816などを記憶する。違反内容814は、運転者211が、過去に交通違反などをしていた場合には、その交通違反の内容を示すものである。また、提案保険816は、例えば、現在の運転評価である運転評価812や過去の運転評価813に基づいて、その運転者211に提案すべき保険の内容を示すものである。したがって、車載システム200は、運転評価履歴テーブル801を参照して、運転者211に提案すべき保険を決定できる。なお、運転評価履歴テーブル801に記憶する項目はここに示した項目には限定されない。
【0060】
図9は、本実施形態に係る車載システム700を1つの情報処理装置900で実現した場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ストレージ904は、データベースや各種パラメータ、本実施形態の実現に必要な以下のプログラムやデータなどを記憶する記憶デバイスである。ストレージ904は、運転評価履歴テーブル801を格納する。
【0061】
図10は、本実施形態に係る車載システム700の処理手順説明するフローチャートである。このフローチャートは、
図9のCPU501がRAM503を使用して実行し、
図7の車載システム700の機能構成部を実現する。なお、
図6と同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。ステップS1001において、サーバ730は、運転評価に応じた保険を検索する。ステップS1003において、車載器220は、検索した保険を運転者211に対して提示する。
【0062】
本実施形態によれば、運転評価に応じた保険を運転者に提案することができる。また、運転者に対して、運転者が加入している損害保険の更新時期をアラートするので、損害保険の契約期間満了による無保険を防止できる。さらに、運転者に対して、損害保険の年齢条件に抵触していることをアラートするので、年齢条件不適合による無保険を防止できる。
【0063】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る車載システム1100について、
図11〜
図14を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係る車載システム1100の機能構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る車載システム1100は、上記第3実施形態と比べると、サーバが保険記憶部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0064】
サーバ1130は、保険記憶部1131をさらに備える。保険記憶部1131は、運転者211や車221が加入している保険を記憶する。サーバ1130は、例えば、運転者211が加入している保険と運転評価とを車載器220に通知し、車載器220は、運転者が加入している保険と運転評価とに基づいて、運転者211に対して報知するアラートの内容を変更する。
【0065】
図12は、本実施形態に係る車載システム1100の備える保険情報テーブル1201の構成の一例を示す図である。保険情報テーブル1201は、運転者ID411に関連付けて、契約者1212や被保険者1213、契約自動車1214、運転者の範囲1215、補償内容1216、割引率1217、前年事故件数1218、保険料支払内容1219などを記憶する。車載システム1100は、保険情報テーブル1201を参照して、運転者211の保険情報を取得する。なお、運転者211の保険情報の取得方法はテーブルを参照する方法には限定されない。また、保険情報テーブル1201に記憶する項目はここに示した項目には限定されない。
【0066】
図13は、本実施形態に係る車載システム1100を1つの情報処理装置1300で実現した場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ストレージ1304は、データベースや各種パラメータ、本実施形態の実現に必要な以下のプログラムやデータなどを記憶する記憶デバイスである。ストレージ1304は、保険情報テーブル1201を格納する。
【0067】
図14は、本実施形態に係る車載システム1100の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、
図13のCPU501がRAM503を使用して実行し、
図11の車載システム1100の機能構成部を実現する。なお、
図6と同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。ステップS1401において、サーバ1130は、運転者211の加入している保険を検索する。ステップS1403において、車載器220は、運転者211の加入している保険と運転評価とに基づいて、運転者211に対して報知するアラートの内容を変更する。
【0068】
本実施形態によれば、運転者が加入または契約している保険の情報をサーバに記憶するので、運転者が契約している保険の内容に応じたアラートを運転者に対して通知することができる。
【0069】
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態に係る車載システム1500について、
図15および
図16を用いて説明する。
図15は、本実施形態に係る車載システム1500の機能構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る車載システム1500は、上記第2実施形態と比べると、車載器がアルコール検知部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0070】
車載器1520は、アルコール検知部1521をさらに備える。運転者211は、運転免許証210などの情報記録媒体を車載器1520にかざすと共に、アルコール検知部1521により飲酒の有無のチェックを受ければ、運転者211による飲酒運転を未然に防止できる。アルコール検知部1521は、運転者211の飲酒の有無を検知できるデバイスであれば、いずれのデバイスであってもよいが、例えば、運転者211の呼気により飲酒の有無を検知できるアルコール検知デバイスが代表的である。そして、車載システム1500は、運転者211が飲酒していることを検知した場合には、例えば、車221のエンジンを停止させてもよい。これにより、アルコールが検知された運転者211は、車221を運転できない。
【0071】
図16は、本実施形態に係る車載システム1500の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、
図5のCPU501がRAM503を使用して実行し、
図15の車載システム1500の機能構成部を実現する。なお、
図6と同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。ステップS1601において、車載器1520は、アルコールを検知したか否かを判断する。アルコールを検知した場合には、ステップS1603において、車載システム1500は、例えば、車221のエンジンを停止させて、処理を終了する。アルコールを検知しない場合には、ステップS1603において、車載システム1500は、例えば、車221のエンジンを始動して、その後の処理を実行する。
【0072】
本実施形態によれば、アルコール検知部により飲酒の有無を検知するので、飲酒運転を未然に防止することができる。
【0073】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0074】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。