特開2016-218950(P2016-218950A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-218950(P2016-218950A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】インタレスト情報生成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20161125BHJP
【FI】
   G06Q50/10 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-106302(P2015-106302)
(22)【出願日】2015年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】501408204
【氏名又は名称】株式会社神戸デジタル・ラボ
(71)【出願人】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(71)【出願人】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】荘司 洋三
(72)【発明者】
【氏名】新熊 亮一
(72)【発明者】
【氏名】山口 和泰
(72)【発明者】
【氏名】福井 公三
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】本発明は、統計データに基づいて所定の人数のエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成し、ひいては人間行動を精度良くシミュレーションすることが可能なインタレスト情報生成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】統計データを入力するデータ入力部10と、データ入力部11に入力された統計データに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合を解析する統計データ解析部11と、統計データ解析部11によるエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成するエージェント生成部12と、エージェント生成部13により生成された仮想のエージェントに関するインタレストグラフに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するインタレスト生成部13とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
統計データを入力するデータ入力部と、
前記データ入力部に入力された統計データに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合を解析する統計データ解析部と、
前記統計データ解析部によるエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成するエージェント生成部と、
前記エージェント生成部により生成された仮想のエージェントに関するインタレストグラフに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するインタレスト生成部とを備え、
前記エージェント生成部は、
オブジェクトの属性情報をノードとして生成し、
オブジェクトをノードとして生成し、各オブジェクトのノードを対応する属性情報のノードにリンクさせ、
前記統計データ解析部により解析されたエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合に応じて、オブジェクトごとに一ないし複数の仮想のエージェントをノードとして生成し、仮想のエージェントを対応するオブジェクトのノードにリンクさせ、
リンクの距離が近い異なるオブジェクトにリンクされている仮想のエージェント同士を結合し、
仮想のエージェントの個数が所定の個数になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返すことにより、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成することを特徴とするインタレスト情報生成システム。
【請求項2】
前記エージェント生成部は、オブジェクトの属性情報をノードとして生成するときに、上位となる属性情報のノードを生成し、該上位となる属性情報のノードに対応する属性情報のノードをリンクさせる請求項1に記載のインタレスト情報生成システム。
【請求項3】
前記インタレスト生成部は、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報として、インタレストグラフの各仮想のエージェントと、各仮想のエージェントにリンクしているオブジェクトとからなるポテンシャルインタレストリストを生成する請求項1または請求項2に記載のインタレスト情報生成システム。
【請求項4】
前記インタレスト生成部は、各オブジェクトのノードを対応する属性情報のノードにリンクさせたポテンシャルインタレストグラフを生成する請求項1から請求項3のいずれかに記載のインタレスト情報生成システム。
【請求項5】
前記データ入力部は実測データを入力し、
前記データ入力部により入力された実測データに基づいて、現実のエージェントのオブジェクトに対するインタレストを解析する実測データ解析部を備え、
前記エージェント生成部は、
前記統計データ解析部により解析されたエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合に応じて、オブジェクトごとに仮想のエージェントをノードとして生成するときに、現実のエージェントが存在するオブジェクトについては、仮想のエージェントの個数から実測データ解析部により解析された現実のエージェントのオブジェクトの個数を差し引いた状態で仮想のエージェントのノードを生成し、
仮想のエージェント同士の結合を繰り返すときに、所定の個数から実測データ解析部により解析された現実のエージェントの個数を差し引いた個数になるまで仮想の仮想のエージェント同士の結合を繰り返す請求項1から請求項4のいずれかに記載のインタレスト情報生成システム。
【請求項6】
前記インタレスト生成部は、前記エージェント生成部により生成された仮想のエージェントに関するグラフに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するときに、実測データ解析部により解析された現実のエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を加える請求項5に記載のインタレスト情報生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、統計データや実測データに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するインタレスト情報生成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットや通信機器の発展および普及に伴って、ビッグデータに代表されるように様々な分野において人間の行動をシミュレーションすることが行われている。この中でも、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成し、そのインタレストに関する情報を利用して人間の行動をシミュレーションすることが注目されている。
【0003】
このエージェントとは、システム内で生成される人を指す。また、オブジェクトとは、何らかの商品やサービスを指す。また、インタレストとは、エージェントの行動に現れるオブジェクトに対する興味や関心を指す。例えば、ある人が「宅内でテレビを見ている」「店舗で商品Aを購入した」といったことが、エージェントのオブジェクトに対するインタレストということになる。
【0004】
このようにエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するに際して、元のデータとして実測データや統計データが用いられる。この実測データとは、宅内や市街地、店舗などで観測される人の行動を記録し、数値化したものを指す。一方、統計データは、実測データを統計化したものや、社会調査などによって得た人の行動パターンを数値化したものを指す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】大森他「仮想通信ネットワークシステムによるライフログに基づく行動予測」信学技報LOIS2014−36
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、人間の行動をシミュレーションするには実測データは最も有効ではあるが、プライバシー的な観点からも人間行動の実測データがかなり限られ、希望する所定の人数のエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成することは難しかった。また、事前に立てた仮説に基づいてエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するため、限定的であり拡張性に乏しいものであった。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、統計データに基づいて所定の人数のエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成し、ひいては人間行動を精度良くシミュレーションすることが可能なインタレスト情報生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、統計データを入力するデータ入力部と、前記データ入力部に入力された統計データに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合を解析する統計データ解析部と、前記統計データ解析部によるエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成するエージェント生成部と、エージェント生成部により生成された仮想のエージェントに関するインタレストグラフに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するインタレスト生成部とを備える。そして、前記エージェント生成部は、オブジェクトの属性情報をノードとして生成し、オブジェクトをノードとして生成し、各オブジェクトのノードを対応する属性情報のノードにリンクさせ、前記統計データ解析部により解析されたエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合に応じて、オブジェクトごとに一ないし複数の仮想のエージェントをノードとして生成し、仮想のエージェントを対応するオブジェクトのノードにリンクさせ、リンクの距離が近い異なるオブジェクトにリンクされている仮想のエージェント同士を結合し、仮想のエージェントの個数が所定の個数になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返すことにより、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。
【0009】
また、前記エージェント生成部は、オブジェクトの属性情報をノードとして生成するときに、上位となる属性情報のノードを生成し、該上位となる属性情報のノードに対応する属性情報のノードをリンクさせてもよい。
【0010】
また、前記インタレスト生成部は、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報として、インタレストグラフの各仮想のエージェントと、各仮想のエージェントにリンクしているオブジェクトとからなるポテンシャルインタレストリストを生成してもよい。
【0011】
また、前記インタレスト生成部は、各オブジェクトのノードを対応する属性情報のノードにリンクさせたポテンシャルインタレストグラフを生成してもよい。
【0012】
前記データ入力部は実測データを入力し、前記データ入力部により入力された実測データに基づいて、現実のエージェントのオブジェクトに対するインタレストを解析する実測データ解析部を備えてもよい。この場合、前記エージェント生成部は、前記統計データ解析部により解析されたエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合に応じて、オブジェクトごとに仮想のエージェントをノードとして生成するときに、現実のエージェントが存在するオブジェクトについては、仮想のエージェントの個数から実測データ解析部により解析された現実のエージェントのオブジェクトの個数を差し引いた状態で仮想のエージェントのノードを生成する。また、仮想のエージェント同士の結合を繰り返すときに、所定の個数から実測データ解析部により解析された現実のエージェントの個数を差し引いた個数になるまで仮想の仮想のエージェント同士の結合を繰り返す。
【0013】
また、前記インタレスト生成部は、エージェント生成部により生成された仮想のエージェントに関するグラフに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するときに、実測データ解析部により解析された現実のエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を加えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、統計データ、あるいはさらに少数の実測データに基づいて、所定の人数のエージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成することができる。このため大量の実測データを収集することなく、人間行動を精度良くシミュレーションすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係るインタレスト情報生成システムの構成を示す図である。
図2図1の本システムにおけるインタレストグラフを生成する過程を示す図である。
図3図1の本システムにおける仮想エージェントを結合する過程を示す図である。
図4図1の本システムにおける(a)ポテンシャルインタレストリストと(b)ポテンシャルインタレストグラフを示す図である。
図5】第2の実施形態に係るインタレスト情報生成システムの構成を示す図である。
図6図5の本システムにおけるインタレストグラフを生成する過程を示す図である。
図7図5の本システムにおける仮想エージェントを結合する過程を示す図である。
図8図5の本システムにおける(a)ポテンシャルインタレストリストと(b)ポテンシャルインタレストグラフを示す図である。
図9】実施例1に係るインタレストグラフを生成する過程を示す図である。
図10】実施例1に係る仮想エージェントを結合する過程を示す図である。
図11】実施例1に係る(a)ポテンシャルインタレストリストと(b)ポテンシャルインタレストグラフを示す図である。
図12】実施例2に係るインタレストグラフを生成する過程を示す図である。
図13】実施例2に係る仮想エージェントを結合する過程を示す図である。
図14】実施例2に係る(a)ポテンシャルインタレストリストと(b)ポテンシャルインタレストグラフを示す図である。
図15】実施例3に係るインタレストグラフを生成する過程を示す図である。
図16】実施例3に係る仮想エージェントを結合する過程を示す図である。
図17】実施例3に係る(a)ポテンシャルインタレストリストと(b)ポテンシャルインタレストグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
次に、本発明に係るインタレスト情報生成システム(以下、本システムという)の第1の実施形態について図1図4を参照しながら説明する。
【0017】
本システム1は、図1に示すように、データ入力部10と、該データ入力部10の出力側に設けられた統計データ解析部11と、該統計データ解析部11の出力側に設けられたエージェント生成部12と、該エージェント生成部12の出力側に設けられたインタレスト生成部13とを備える。
【0018】
なお、このエージェントとは、システム内で生成される人を指す。また、オブジェクトとは、何らかの商品やサービスを指す。また、インタレストとは、エージェントの行動に現れるオブジェクトに対する興味や関心を指す。例えば、ある人が「宅内でテレビを見ている」「店舗で商品Aを購入した」といったことが、エージェントのオブジェクトに対するインタレストということになる。
【0019】
前記データ入力部10は、統計データを入力する。この統計データは、実測データを統計化したものや、社会調査などによって得た人の行動パターンを数値化したものを指す。例えば、あるオブジェクトAが顧客(エージェント)の50%に購入され、オブジェクトBが顧客(エージェント)の40%に購入され、オブジェクトCが顧客(エージェント)の20%に購入され、オブジェクトDが顧客(エージェント)の30%に購入されたことを示す統計データが挙げられる。なお、この統計データは、本システム1に直接的に入力されてもよいし、あるいはネットワークを介して別の装置から入力されてもよい。
【0020】
前記統計データ解析部11は、データ入力部10に入力された統計データに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合を解析することによりインタレストリストを生成する。例えば、上述の統計データがデータ入力部10に入力された場合、統計データ解析部11は、エージェントの各オブジェクトA〜Dに対するインタレストの割合を解析することにより下記のインタレストリストを生成する。
【0021】
[インタレストリスト(統計データ)]
オブジェクトA:50%、オブジェクトB:40%、オブジェクトC:20%、オブジェクトD:30%
【0022】
また、前記統計データ解析部11は、データ入力部10により入力された統計データに基づいて、オブジェクトの属性情報も解析する。例えば、オブジェクトAが属性情報aかつ属性情報b、オブジェクトBが属性情報aかつ属性情報c、オブジェクトCが属性情報dかつ属性情報e、オブジェクトDが属性情報fかつ属性情報cをそれぞれ有する場合、前記統計データ解析部11は、オブジェクトA〜Dの属性情報を解析することにより下記の属性情報リストを生成する。なお、本実施形態では、各属性情報a〜fに基づいて上位の属性情報xも解析する。
【0023】
[属性情報リスト]
オブジェクトA:属性情報a、属性情報b、オブジェクトB:属性情報a、属性情報c、
オブジェクトC:属性情報d、属性情報e、オブジェクトD:属性情報f、属性情報c、
上位の属性情報:属性情報x
【0024】
前記エージェント生成部12は、前記統計データ解析部11によるエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合(インタレストリスト)に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。
【0025】
具体的に説明すると、まず、エージェント生成部12は、図2(a)に示すように、オブジェクトの属性情報をノードとして生成する。本実施形態では、属性情報a〜fは上位の属性情報xと関係性を有しているため、エージェント生成部12は、属性情報a〜fのノードを上位の属性情報xのノードにリンクさせる。
【0026】
次に、エージェント生成部12は、図2(b)に示すように、オブジェクトA〜Dをノードとして生成し、各オブジェクトA〜Dのノードを対応する属性情報a〜fのノードにリンクさせる。この各オブジェクトA〜Dのノードを対応する属性情報a〜fのノードにリンクさせた中間グラフは、ポテンシャルインタレストグラフとして後述のインタレスト生成部13に用いられる。
【0027】
次に、エージェント生成部12は、図2(c)に示すように、前記統計データ解析部11により解析されたエージェントのオブジェクトA〜Dに対するインタレストの割合(インタレストリスト)に応じて、各オブジェクトA〜Dごとに一ないし複数の仮想のエージェントをノードとして生成し、それら仮想のエージェントを対応する各オブジェクトA〜Dのノードにリンクさせる。このとき、所定の仮想のエージェント数に対して、エージェントの各オブジェクトA〜Dに対するインタレストの割合を乗算することにより、各オブジェクトA〜Dにリンクさせる仮想のエージェント数を算出する。例えば、所定の仮想のエージェント数が10の場合、エージェントのオブジェクトAに対するインタレストの割合は50%なので、オブジェクトAにリンクする仮想のエージェント数は10×50%=5ということになる。オブジェクトB〜Dについても下式に示すように同様に計算される。
【0028】
オブジェクトA:所定のエージェント数10×50%=5
オブジェクトB:所定のエージェント数10×40%=4
オブジェクトC:所定のエージェント数10×20%=2
オブジェクトD:所定のエージェント数10×30%=3
【0029】
次に、エージェント生成部12は、図3に示すように、リンクの距離が近いオブジェクトにリンクされている仮想のエージェント同士を結合する。この仮想のエージェント同士の結合に際しては、異なる2個の仮想のエージェントがそれぞれリンクしている異なるオブジェクトが同じ属性情報にリンクしている場合に、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近いオブジェクトにリンクされていると判断して、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。この結合した後の1個の仮想のエージェントは、元の2個の仮想エージェントがそれぞれリンクしていた各オブジェクトにリンクした状態となっている。
【0030】
例えば、図2(c)に示すように、オブジェクトAにリンクしている一の仮想エージェントと、オブジェクトBにリンクしている一の仮想エージェントについて見ると、オブジェクトAとオブジェクトBは同じ属性情報aにリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近いオブジェクトにリンクされていると判断して、図3(a)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0031】
また、図2(c)に示すように、オブジェクトBにリンクしている別の一の仮想エージェントと、オブジェクトDにリンクしている一の仮想エージェントについて見ると、オブジェクトBとオブジェクトDは同じ属性情報cにリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近いオブジェクトにリンクされていると判断して、図3(b)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0032】
次に、図3(a)に示すように、同じくオブジェクトAにリンクしている別の一の仮想エージェントと、オブジェクトBにリンクしている別の一の仮想エージェントについて見ると、オブジェクトAとオブジェクトBは同じ属性情報aにリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近いオブジェクトにリンクされていると判断して、図3(b)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0033】
また、図3(a)に示すように、オブジェクトBにリンクしている別の一の仮想エージェントと、オブジェクトDにリンクしている別の一の仮想エージェントについて見ると、オブジェクトBとオブジェクトDは同じ属性情報cにリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近いオブジェクトにリンクされていると判断して、図3(b)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0034】
このように、エージェント生成部12は、図3に示すように、仮想のエージェントの個数が所定の個数になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返すことにより、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。なお、この仮想のエージェント同士の結合を繰り返すに際しては、リンクの距離が近い順に仮想のオブジェクト同士を結合していくとよい。
【0035】
このインタレストグラフは、図3(b)に示すように、上位の属性情報xのノードを中心として属性情報a〜fのノードがリンクした状態となり、その属性情報a〜fのノードに周りにオブジェクトA〜Dのノードがリンクした状態となり、さらにオブジェクトA〜Dのノードの周りに所定の個数になるまで結合を繰り返した仮想のエージェントのノードがリンクした状態となっている。
【0036】
前記インタレスト生成部13は、エージェント生成部12により生成された仮想のエージェントに関するインタレストグラフに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成する。
【0037】
このとき、インタレスト生成部13は、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報として、図4(a)に示すように、インタレストグラフの各仮想のエージェントと、各仮想のエージェントにリンクしているオブジェクトA〜Dとからなるポテンシャルインタレストリストを生成することが挙げられる。このポテンシャルリスト中のオブジェクトA〜Dは、各仮想エージェントが当該オブジェクトA〜Dに対するインタレストであることを示すものである。なお、ポテンシャルインタレストリストの統計を取ると、元の統計データの統計と一致する。
【0038】
また、インタレスト生成部13は、図4(b)に示すように、前記エージェント生成部12によりインタレストグラフを生成する過程で生成した、各オブジェクトA〜Dのノードを対応する属性情報a〜fのノードにリンクさせたポテンシャルインタレストグラフを生成(抽出)してもよい。これによれば、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関して、属性情報から算出されるオブジェクト間の関連度を後のシミュレーションで反映させることができる。
【0039】
<第2の実施形態>
次に、本システム1の第2の実施形態について図5図8を参照しながら説明する。
【0040】
本システム1では、統計データのみならず、実測データを考慮しながら、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成するものである。すなわち、本システム1は、図5に示すように、データ入力部10と、該データ入力部10の出力側に設けられた統計データ解析部11および実測データ解析部14と、統計データ解析部11および実測データ解析部14の出力側に設けられたエージェント生成部12と、該エージェント生成部12の出力側に設けられたインタレスト生成部13とを備える。
【0041】
前記データ入力部10は、統計データと実測データを入力する。実測データは、宅内や市街地、店舗などで観測される現実の人(エージェント)の行動を記録し、数値化したものを指す。例えば、ある顧客(エージェント)1によりオブジェクトA、Bが購入され、顧客(エージェント)2によりオブジェクトDが購入されたことを示す実測データが挙げられる。なお、この実測データは、本システム1に直接的に入力されてもよいし、あるいはネットワークを介して別の装置から入力されてもよい。
【0042】
前記統計データ解析部11は、データ入力部10に入力された上述の統計データに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合を解析することによりインタレストリストを生成する。
【0043】
[インタレストリスト(統計データ)]
オブジェクトA:50%、オブジェクトB:40%、オブジェクトC:20%、オブジェクトD:30%
【0044】
また、前記統計データ解析部11は、データ入力部10により入力された上述の統計データに基づいて、オブジェクトの属性情報も解析する。
【0045】
[属性情報リスト]
オブジェクトA:属性情報a、属性情報b、オブジェクトB:属性情報a、属性情報c、
オブジェクトC:属性情報d、属性情報e、オブジェクトD:属性情報f、属性情報c、
上位の属性情報:属性情報x
【0046】
前記実測データ解析部14は、データ入力部10により入力された実測データに基づいて、現実のエージェントのオブジェクトに対するインタレストを解析する。例えば、上述の実測データがデータ入力部10により入力された場合、実測データ解析部14は、現実のエージェントのオブジェクトに対するインタレストを解析することにより下記のインタレストリストを作成する。
【0047】
[インタレスト(実測データ)]
顧客(エージェント)1:オブジェクトA、B、顧客(エージェント)2:オブジェクトD
【0048】
前記エージェント生成部12は、前記統計データ解析部11によるエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合(インタレストリスト)に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。
【0049】
具体的に説明すると、まず、エージェント生成部12は、図6(a)に示すように、オブジェクトの属性情報をノードとして生成する。本実施形態では、属性情報a〜fは上位の属性情報xに関係性を有しているため、エージェント生成部12は、属性情報a〜fのノードを上位の属性情報xのノードにリンクさせる。
【0050】
次に、エージェント生成部12は、図6(b)に示すように、オブジェクトA〜Dをノードとして生成し、各オブジェクトA〜Dのノードを対応する属性情報a〜fのノードにリンクさせる。
【0051】
次に、エージェント生成部12は、図6(c)に示すように、前記統計データ解析部11により解析されたエージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合(インタレストリスト)に応じて、各オブジェクトA〜Dごとに一ないし複数の仮想のエージェントをノードとして生成し、それら仮想のエージェントを対応する各オブジェクトのノードにリンクさせる。このとき、所定の仮想のエージェント数に対して、エージェントの各オブジェクトA〜Dに対するインタレストの割合を乗算することにより、各オブジェクトA〜Dにリンクさせる仮想のエージェント数を算出する。ただし、現実のエージェントが存在するオブジェクトA、B、Dについては、仮想のエージェントの個数から実測データ解析部14により解析された現実のエージェントのオブジェクトの個数を差し引いた状態で仮想のエージェントのノードを生成する。例えば、所定の仮想のエージェント数が10の場合、オブジェクトAには現実のエージェントが1個存在するため、オブジェクトAにリンクする仮想のエージェント数は10×50%−1=4ということになる。オブジェクトB〜Dについても下式に示すように同様に計算される。
【0052】
オブジェクトA:所定のエージェント数10×50%−現実のエージェント数1=4
オブジェクトB:所定のエージェント数10×40%−現実のエージェント数1=3
オブジェクトC:所定のエージェント数10×20%=2
オブジェクトD:所定のエージェント数10×30%−現実のエージェント数1=2
【0053】
次に、エージェント生成部12は、図7に示すように、リンクの距離が近いオブジェクトにリンクされている仮想のエージェント同士を結合することを繰り返すことによりインタレストグラフを生成する。このとき、エージェント生成部12は、実施形態1では、仮想のエージェントの個数が所定の個数になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返したが、本実施形態では、所定の個数から実測データ解析部14により解析された現実のエージェント数を差し引き、仮想のエージェントの個数が「所定の個数−現実のエージェントの個数」になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返す。なお、仮想のエージェント同士の結合方法は実施形態1の結合方法と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0054】
このインタレストグラフは、上位の属性情報xのノードを中心として属性情報a〜fのノードがリンクした状態となり、その属性情報a〜fのノードに周りにオブジェクトA〜Dのノードがリンクした状態となり、さらにオブジェクトA〜Dのノードの周りに「所定の個数−現実のエージェントの個数」になるまで結合を繰り返した仮想のエージェントのノードがリンクした状態となっている。
【0055】
前記インタレスト生成部13は、エージェント生成部12により生成された仮想のエージェントに関するインタレストグラフに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報を生成する。
【0056】
このとき、インタレスト生成部13は、エージェントのオブジェクトに対するインタレストに関する情報として、図8(a)に示すように、インタレストグラフの各仮想のエージェントと、各仮想のエージェントにリンクしているオブジェクトとからなるポテンシャルインタレストリストを生成するに際して、現実のエージェント1,2のオブジェクトに対するインタレストに関する情報を加えた状態でポテンシャルインタレストリストを生成する。これによれば、統計データに実測データを反映させた状態でポテンシャルインタレストリストを生成することができ、人間行動をより一層精度良くシミュレーションすることが可能となる。
【0057】
また、インタレスト生成部13は、図8(b)に示すように、前記エージェント生成部12によりインタレストグラフを生成する過程で生成した、各オブジェクトA〜Dのノードを対応する属性情報a〜fのノードにリンクさせたポテンシャルインタレストグラフを生成(抽出)してもよい。
【実施例】
【0058】
[実施例1]
次に、本発明の実施例1について、図9図11を参照しながら説明する。
【0059】
本実施例では、オブジェクトを書籍として、書籍の購買数に関する統計データのみに基づいて、エージェントのオブジェクト(書籍)に対するインタレストに関する情報を生成する場合について説明する。
【0060】
前記データ入力部10は、統計データを入力する。この統計データは、書籍Aが顧客(エージェント)の50%に購入され、書籍Bが顧客(エージェント)の40%に購入され、書籍Cが顧客(エージェント)の20%に購入され、書籍Dが顧客(エージェント)の30%に購入されたことを示す。
【0061】
前記統計データ解析部11は、データ入力部10に入力された統計データに基づいて、エージェントの書籍に対するインタレストの割合を解析することによりインタレストリストを生成する。つまり、上述の統計データがデータ入力部10に入力された場合、統計データ解析部11は、エージェントの各書籍A〜Dに対するインタレストの割合を解析することにより下記のインタレストリストを生成する。
【0062】
[インタレストリスト(統計データ)]
書籍A:50%、書籍B:40%、書籍C:20%、書籍D:30%
【0063】
また、前記統計データ解析部11は、データ入力部10により入力された統計データに基づいて、下記に示すように書籍の属性情報と上位の属性情報も解析する。
【0064】
[属性情報リスト]
書籍A:球技、参考書、書籍B:球技、雑誌、書籍C:IT、技術書、書籍D:英語、雑誌、上位の属性情報:書籍
【0065】
前記エージェント生成部12は、前記統計データ解析部11によるエージェントの書籍に対するインタレストの割合(インタレストリスト)に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。
【0066】
具体的に説明すると、まず、エージェント生成部12は、図9(a)に示すように、書籍の属性情報をノードとして生成する。本実施形態では、各属性情報は上位の属性情報(書籍)と関係性を有しているため、エージェント生成部12は、各属性情報のノードを上位の属性情報(書籍)のノードにリンクさせる。
【0067】
次に、エージェント生成部12は、図9(b)に示すように、書籍A〜Dをノードとして生成し、各書籍A〜Dのノードを対応する属性情報のノードにリンクさせる。
【0068】
次に、エージェント生成部12は、図9(c)に示すように、前記統計データ解析部11により解析されたエージェントの書籍に対するインタレストの割合(インタレストリスト)に応じて、各書籍A〜Dごとに一ないし複数の仮想のエージェントをノードとして生成し、それら仮想のエージェントを対応する各属性情報のノードにリンクさせる。このとき、所定の仮想のエージェント数10に対して、エージェントの各書籍A〜Dに対するインタレストの割合を乗算することにより、各書籍A〜Dにリンクさせる仮想のエージェント数を算出する。
【0069】
書籍A:所定のエージェント数10×50%=5
書籍B:所定のエージェント数10×40%=4
書籍C:所定のエージェント数10×20%=2
書籍D:所定のエージェント数10×30%=3
【0070】
次に、エージェント生成部12は、図10に示すように、リンクの距離が近い書籍にリンクされている仮想のエージェント同士を結合する。つまり、図9(c)に示すように、書籍Aにリンクしている一の仮想エージェントと、書籍Bにリンクしている一の仮想エージェントについて見ると、書籍Aと書籍Bは同じ属性情報(球技)にリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近い書籍にリンクされていると判断して、図10(a)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0071】
また、図9(c)に示すように、書籍Bにリンクしている別の一の仮想エージェントと、書籍Dにリンクしている一の仮想エージェントについて見ると、書籍Bと書籍Dは同じ属性情報(雑誌)にリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近い書籍にリンクされていると判断して、図10(a)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0072】
次に、図10(a)に示すように、同じく書籍Aにリンクしている別の一の仮想エージェントと、書籍Bにリンクしている別の一の仮想エージェントについて見ると、書籍Aと書籍Bは同じ属性情報(球技)にリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近い書籍にリンクされていると判断して、図10(b)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0073】
また、図10(a)に示すように、同じく書籍Bにリンクしている別の一の仮想エージェントと、書籍Dにリンクしている別の一の仮想エージェントについて見ると、書籍Bと書籍Dは同じ属性情報(雑誌)にリンクしているので、それら2個の仮想のエージェントはリンクの距離が近い書籍にリンクされていると判断して、図10(b)に示すように、それら2個の仮想のエージェントを1個の仮想エージェントとして結合する。
【0074】
このように、エージェント生成部12は、図10に示すように、仮想のエージェントの個数が所定の個数(10個)になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返すことにより、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。
【0075】
このインタレストグラフは、図10(b)に示すように、上位の属性情報(書籍)のノードを中心として各属性情報のノードがリンクした状態となり、その各属性情報のノードに周りに書籍A〜Dのノードがリンクした状態となり、さらに書籍A〜Dのノードの周りに所定の個数(10個)になるまで結合を繰り返した仮想のエージェントのノードがリンクした状態となっている。
【0076】
前記インタレスト生成部13は、エージェントの書籍に対するインタレストに関する情報として、図11(a)に示すように、インタレストグラフの各仮想のエージェントと、各仮想のエージェントにリンクしている書籍とからなるポテンシャルインタレストリストを生成する。
【0077】
また、インタレスト生成部13は、図11(b)に示すように、前記エージェント生成部12によりインタレストグラフを生成する際に生成した、各書籍A〜Dを対応する属性情報にリンクさせたポテンシャルインタレストグラフを生成(抽出)する。
【0078】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について、図12図14を参照しながら説明する。
【0079】
本実施例では、オブジェクトを書籍として、書籍の購買数に関する統計データと実測データに基づいて、エージェントのオブジェクト(書籍)に対するインタレストに関する情報を生成する場合について説明する。
【0080】
前記データ入力部10は、統計データと実測データを入力する。この統計データは、書籍Aが顧客(エージェント)の50%に購入され、書籍Bが顧客(エージェント)の40%に購入され、書籍Cが顧客(エージェント)の20%に購入され、書籍Dが顧客(エージェント)の30%に購入されたことを示す。また、この実測データは、ある顧客(エージェント)1により書籍A、Bが購入され、顧客(エージェント)2により書籍Dが購入されたことを示す。
【0081】
前記統計データ解析部11は、データ入力部10に入力された統計データに基づいて、エージェントのオブジェクトに対するインタレストの割合を解析することによりインタレストリストを生成する。
【0082】
[インタレストリスト(統計データ)]
書籍A:50%、書籍B:40%、書籍C:20%、書籍D:30%
【0083】
また、前記統計データ解析部11は、データ入力部10により入力された統計データに基づいて、書籍の属性情報も解析する。
【0084】
[属性情報リスト]
書籍A:球技、参考書、書籍B:球技、雑誌、書籍C:IT、技術書、書籍D:英語、雑誌、上位の属性情報:書籍
【0085】
前記実測データ解析部14は、データ入力部10により入力された実測データに基づいて、現実のエージェントの書籍に対するインタレストを解析することにより下記のインタレストリストを作成する。
【0086】
[インタレストリスト(実測データ)]
顧客(エージェント)1:書籍A、B、顧客(エージェント)2:書籍D
【0087】
前記エージェント生成部12は、前記統計データ解析部11によるエージェントの書籍に対するインタレストの割合(インタレストリスト)に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。
【0088】
具体的に説明すると、まず、エージェント生成部12は、図12(a)に示すように、書籍の属性情報をノードとして生成する。本実施形態では、各属性情報は上位の属性情報(書籍)に関係性を有しているため、エージェント生成部12は、各属性情報のノードを上位の属性情報x(書籍)のノードにリンクさせる。
【0089】
次に、エージェント生成部12は、図12(b)に示すように、書籍A〜Dをノードとして生成し、各書籍A〜Dのノードを対応する各属性情報のノードにリンクさせる。
【0090】
次に、エージェント生成部12は、図12(c)に示すように、前記統計データ解析部11により解析されたエージェントの書籍に対するインタレストの割合(インタレストリスト)に応じて、各書籍A〜Dごとに一ないし複数の仮想のエージェントをノードとして生成し、それら仮想のエージェントを対応する各書籍A〜Dのノードにリンクさせる。このとき、所定の仮想のエージェント数10に対して、エージェントの各書籍A〜Dに対するインタレストの割合を乗算することにより、各書籍A〜Dにリンクさせる仮想のエージェント数を算出する。ただし、現実のエージェントが存在する書籍A、B、Dについては、仮想のエージェントの個数から実測データ解析部14により解析された現実のエージェントの書籍の個数を差し引いた状態で仮想のエージェントのノードを生成する。
【0091】
書籍A:所定のエージェント数10×50%−現実のエージェント数1=4
書籍B:所定のエージェント数10×40%−現実のエージェント数1=3
書籍C:所定のエージェント数10×20%=2
書籍D:所定のエージェント数10×30%−現実のエージェント数1=2
【0092】
次に、エージェント生成部12は、図13に示すように、リンクの距離が近い書籍にリンクされている仮想のエージェント同士を結合することを繰り返すことによりインタレストグラフを生成する。このとき、エージェント生成部12は、所定の個数から実測データ解析部14により解析された現実のエージェント数を差し引き、仮想のエージェントの個数が「所定の個数−現実のエージェントの個数(8個)」になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返す。なお、仮想のエージェント同士の結合方法は実施例1の結合方法と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0093】
このインタレストグラフは、図13(b)に示すように、上位の属性情報(書籍)のノードを中心として各属性情報のノードがリンクした状態となり、それら各属性情報のノードに周りに書籍A〜Dのノードがリンクした状態となり、さらに書籍A〜Dのノードの周りに「所定の個数−現実のエージェントの個数」(8個)になるまで結合を繰り返した仮想のエージェントのノードがリンクした状態となっている。
【0094】
前記インタレスト生成部13は、エージェントの書籍A〜Dに対するインタレストに関する情報として、図14(a)に示すように、インタレストグラフの各仮想のエージェントと、各仮想のエージェントにリンクしている書籍A〜Dとからなるポテンシャルインタレストリストを生成するに際して、現実のエージェント1,2の書籍に対するインタレストに関する情報を加えた状態でポテンシャルインタレストリストを生成する。
【0095】
また、インタレスト生成部13は、図12(b)に示すように、前記エージェント生成部12によりインタレストグラフを生成する際に生成した、各書籍A〜Dを対応する属性情報にリンクさせたポテンシャルインタレストグラフを生成(抽出)する。
【0096】
[実施例3]
次に、本発明の実施例1について、図15図17を参照しながら説明する。
【0097】
本実施例では、オブジェクトをインテリアとして、宅内の人の行動に関する統計データと実測データに基づいて、エージェントのインテリアに対するインタレストに関する情報を生成する場合について説明する。
【0098】
前記データ入力部10は、統計データと実測データを入力する。前記データ入力部10は、統計データと実測データを入力する。この統計データは、宅内の人(エージェント)において、ある時間においてテレビが人(エージェント)の50%に使用され、ソファが人(エージェント)の40%に使用され、本棚が人(エージェント)の20%に使用され、PCが人(エージェント)の30%に使用され、人が顧客(エージェント)の30%に使用されたことを示す。また、この実測データは、ある時間において、宅内の人(エージェント)1によりテレビとソファが使用され、人(エージェント)2によりPCが使用されたことを示す。
【0099】
前記統計データ解析部11は、データ入力部10に入力された統計データに基づいて、エージェントのインテリアに対するインタレストの割合を解析することによりインタレストリストを生成する。
【0100】
[インタレストリスト(統計データ)]
テレビ:50%、ソファ:40%、本棚:20%、PC:30%、冷蔵庫:40%
【0101】
また、前記統計データ解析部11は、データ入力部10により入力された統計データに基づいて、インテリアの属性情報も解析する。
【0102】
[属性情報リスト]
テレビ:リビング、ソファ:リビング、本棚:寝室、PC:寝室、
上位の属性情報:インテリア
【0103】
前記実測データ解析部14は、データ入力部10により入力された実測データに基づいて、現実のエージェントのインテリアに対するインタレストを解析することにより下記のインタレストリストを作成する。
【0104】
[インタレストリスト(実測データ)]
人(エージェント)1:テレビ、ソファ、人(エージェント)2:PC
【0105】
前記エージェント生成部12は、前記統計データ解析部11によるエージェントのインテリアに対するインタレストの割合(インタレストリスト)に基づいて、仮想のエージェントに関するインタレストグラフを生成する。
【0106】
具体的に説明すると、まず、エージェント生成部12は、図15(a)に示すように、インテリアの属性情報をノードとして生成する。本実施形態では、各属性情報は上位の属性情報(インテリア)に関係性を有しているため、エージェント生成部12は、各属性情報のノードを上位の属性情報(インテリア)のノードにリンクさせる。
【0107】
次に、エージェント生成部12は、図15(b)に示すように、各インテリアをノードとして生成し、各インテリアのノードを対応する属性情報のノードにリンクさせる。
【0108】
次に、エージェント生成部12は、図15(c)に示すように、前記統計データ解析部11により解析されたエージェントのインテリアに対するインタレストの割合(インタレストリスト)に応じて、各インテリアごとに一ないし複数の仮想のエージェントをノードとして生成し、それら仮想のエージェントを対応する各インテリアのノードにリンクさせる。このとき、所定の仮想のエージェント数10に対して、エージェントの各インテリアに対するインタレストの割合を乗算することにより、各インテリアにリンクさせる仮想のエージェント数を算出する。ただし、現実のエージェントが存在するテレビ、ソファ、PCについては、仮想のエージェントの個数から実測データ解析部14により解析された現実のエージェントのインテリアの個数を差し引いた状態で仮想のエージェントのノードを生成する。
【0109】
テレビ:所定のエージェント数10×50%−現実のエージェント数1=4
ソファ:所定のエージェント数10×40%−現実のエージェント数1=3
本棚:所定のエージェント数10×20%=2
PC:所定のエージェント数10×30%−現実のエージェント数1=2
冷蔵庫:所定のエージェント数10×30%=2
【0110】
次に、エージェント生成部12は、図16に示すように、リンクの距離が近いインテリアにリンクされている仮想のエージェント同士を結合することを繰り返すことによりインタレストグラフを生成する。このとき、エージェント生成部12は、所定の個数から実測データ解析部14により解析された現実のエージェント数を差し引き、仮想のエージェントの個数が「所定の個数−現実のエージェントの個数」(8個)になるまで仮想のエージェント同士の結合を繰り返す。なお、仮想のエージェント同士の結合方法は実施例1の結合方法と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0111】
このインタレストグラフは、図16(b)に示すように、上位の属性情報(インテリア)のノードを中心として各属性情報のノードがリンクした状態となり、それら各属性情報のノードに周りに各インテリアのノードがリンクした状態となり、さらに各インテリアのノードの周りに「所定の個数−現実のエージェントの個数」(8個)になるまで結合を繰り返した仮想のエージェントのノードがリンクした状態となっている。
【0112】
前記インタレスト生成部13は、エージェントのインテリアに対するインタレストに関する情報として、図17(a)に示すように、インタレストグラフの各仮想のエージェントと、各仮想のエージェントにリンクしているインテリアとからなるポテンシャルインタレストリストを生成するに際して、現実のエージェント1,2のインテリアに対するインタレストに関する情報を加えた状態でポテンシャルインタレストリストを生成する。
【0113】
また、インタレスト生成部13は、図17(b)に示すように、前記エージェント生成部12によりインタレストグラフを生成する際に生成した、各インテリアを対応する属性情報にリンクさせたポテンシャルインタレストグラフを生成(抽出)する。
【0114】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0115】
1・・・本システム
10・・・データ入力部
11・・・統計データ解析部
12・・・エージェント生成部
13・・・インタレスト生成部
14・・・実測データ解析部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17