特開2016-219096(P2016-219096A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-219096(P2016-219096A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】電線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/72 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   H01R4/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-98766(P2015-98766)
(22)【出願日】2015年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】橋本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】木本 裕一
(57)【要約】
【課題】単芯線に柔軟な導電部材を接続する場合において、柔軟な導電部材との接続部分を設けるため単芯線を潰す加工を行うことなく、より簡単に単芯線と柔軟な導電部材とを接続する技術を提供すること。
【解決手段】電線モジュール100は、単芯線である第一導電部1と、第一導電部1よりも柔軟な筒状に形成され、一方側端部21で第一導電部1の端部の外周面を覆う状態で接続された第二導電部2と、第二導電部2の他方側端部22に接続され、相手側部材に接続可能な端子形状の部分を含む導電性の接続部3と、少なくとも第一導電部1及び第二導電部2の周囲を覆う絶縁被覆部4と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単芯線である第一導電部と、
前記第一導電部よりも柔軟な筒状に形成され、一方側端部で前記第一導電部の端部の外周面を覆う状態で接続された第二導電部と、
前記第二導電部の他方側端部に接続され、相手側部材に接続可能な端子形状の部分を含む導電性の接続部と、
少なくとも前記第一導電部及び前記第二導電部の周囲を覆う絶縁被覆部と、を備える、電線モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の電線モジュールであって、
前記接続部は、前記第二導電部の前記他方側端部によって外周面が覆われた状態で前記他方側端部に接続される部分を含む棒状の第一接続部と、前記第一接続部の前記第二導電部側に対し反対側に形成され前記端子形状に形成された第二接続部と、を含む、電線モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の電線モジュールであって、
前記接続部は、前記第一導電部とは別の単芯線が加工されて形成され、
前記接続部は、前記別の単芯線の一方側端部である前記第一接続部と、前記別の単芯線の他方側端部が前記端子形状に形成された部分である前記第二接続部と、前記別の単芯線の両端部を除く部分であり前記第一接続部と前記第二接続部とを連結する中間部と、を備える、電線モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の電線モジュールであって、
前記絶縁被覆部は、前記第一導電部と前記第二導電部と前記接続部の前記第一接続部及び前記中間部との周囲を覆う熱収縮チューブが収縮した部材である、電線モジュール。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電線モジュールであって、
前記第二導電部は、複数の素線が筒状に編まれた編組線である、電線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器同士を繋ぐ電線モジュールについて説明する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載されるワイヤーハーネスにおいて、2つの機器を繋ぐ電線モジュールとして、比較的硬い単芯線と比較的柔軟な撚り線とを含むものが採用されることがある。この場合、単芯線の部分では、比較的その形状が維持され、撚り線の部分では、比較的柔軟に曲がる。
【0003】
例えば、特許文献1に示される例では、単芯線の端部が平板状に形成され、この部分に撚り線の端部が溶接された電線モジュールが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−143862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示される例においては、単芯線の端部を撚り線と接続可能な平板状に潰す加工を行ったうえで、単芯線と撚り線とが溶接される。このため、接続作業が煩雑である。
【0006】
本発明は、単芯線に柔軟な導電部材を接続する場合において、より簡単に単芯線と柔軟な導電部材とを接続する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る電線モジュールは、単芯線である第一導電部と、前記第一導電部よりも柔軟な筒状に形成され、一方側端部で前記第一導電部の端部の外周面を覆う状態で接続された第二導電部と、前記第二導電部の他方側端部に接続され、相手側部材に接続可能な端子形状の部分を含む導電性の接続部と、少なくとも前記第一導電部及び前記第二導電部の周囲を覆う絶縁被覆部と、を備える。
【0008】
第2態様に係る電線モジュールは、第1態様に係る電線モジュールの一態様である。第2態様に係る電線モジュールにおいては、前記接続部は、前記第二導電部の前記他方側端部によって外周面が覆われた状態で前記他方側端部に接続される部分を含む棒状の第一接続部と、前記第一接続部の前記第二導電部側に対し反対側に形成され前記端子形状に形成された第二接続部と、を含む。
【0009】
第3態様に係る電線モジュールは、第2態様に係る電線モジュールの一態様である。第3態様に係る電線モジュールにおいては、前記接続部は、前記第一導電部とは別の単芯線が加工されて形成され、前記接続部は、前記別の単芯線の一方側端部である前記第一接続部と、前記別の単芯線の他方側端部が前記端子形状に形成された部分である前記第二接続部と、前記別の単芯線の両端部を除く部分であり前記第一接続部と前記第二接続部とを連結する中間部と、を備える。
【0010】
第4態様に係る電線モジュールは、第3態様に係る電線モジュールの一態様である。第4態様に係る電線モジュールにおいては、前記絶縁被覆部は、前記第一導電部と前記第二導電部と前記接続部の前記第一接続部及び前記中間部との周囲を覆う熱収縮チューブが収縮した部材である。
【0011】
第5態様に係る電線モジュールは、第1態様から第4態様のいずれか1つに係る電線モジュールの一態様である。第5態様に係る電線モジュールにおいては、前記第二導電部は、複数の素線が筒状に編まれた編組線である。
【発明の効果】
【0012】
上記の各態様において、単芯線である第一導電部よりも柔軟な筒状に形成された第二導電部が、第一導電部の端部の周囲を覆う状態で接続されている。この場合、単芯線に柔軟な部材を接続するための接続部分を設けるために、単芯線を潰す加工を行うことが不要となる。従って、より簡単に単芯線(第一導電部)と柔軟な導電部材(第二導電部)とを接続することが可能となる。
【0013】
また、第2態様において、接続部は、第二導電部の他方側端部によって外周面が覆われた状態で他方側端部に接続される部分を含む棒状の第一接続部と、第一接続部の第二導電部側に対し反対側に形成され端子形状に形成された第二接続部と、を含む。この場合、第一導電部と第二導電部との接続と同様の作業で、第二導電部と接続部とを接続することができる。
【0014】
また、第3態様において、接続部は、別の単芯線の一方側端部である第一接続部と、別の単芯線の他方側端部が端子形状に形成された部分である第二接続部と、別の単芯線の両端部を除く部分であり配策経路に沿う形状を維持可能な剛性を有する形状のまま維持された中間部と、を備える。この場合、単芯線を用いて接続部を作ることが可能となる。
【0015】
また、第4態様において、絶縁被覆部は、第一導電部と第二導電部と接続部の第一接続部及び中間部との周囲を覆う熱収縮チューブが収縮した部材である。この場合、絶縁被覆部を設ける作業を簡単に行うことができる。
【0016】
また、第5態様において、第二導電部は、複数の素線が筒状に編まれた編組線である。この場合、筒状の編組線はより柔軟なため、より振動を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る電線モジュールの断面図である。
図2】実施形態に係る電線モジュールを含むワイヤーハーネスの一部切り欠き平面図である。
図3】実施形態に係る電線モジュールの一部省略斜視図である。
図4】実施形態に係る電線モジュールの絶縁被覆部を設ける様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
【0019】
図1〜4を参照しつつ、本実施形態に係る電線モジュール100について説明する。電線モジュール100は、第一導電部1と第二導電部2と接続部3と絶縁被覆部4とを備える。電線モジュール100は、自動車等の車両に搭載される。電線モジュール100は、例えば、車両に搭載された2つの機器を繋ぐ部材である。
【0020】
図1は、電線モジュール100の断面図である。図1は、電線モジュール100の延在方向に沿う切断線によって切断された断面図である。図2は、3つの電線モジュール100及びこれらの周囲を一括して覆うシールド体5を備えるワイヤーハーネス101の一部切り欠き平面図である。図2では、シールド体5の内部が切り欠かれて示されている。図3は、電線モジュール100の一部省略斜視図である。図3では、絶縁被覆部4が省略された電線モジュール100が示されている。図4は、電線モジュール100における絶縁被覆部4が設けられる様子を示す断面図である。なお、図4は、電線モジュール100の延在方向に沿う切断線によって切断された断面図である。
【0021】
電線モジュール100は、例えば、インバータ装置とモーターとを接続する。この場合、電線モジュール100における第一導電部1、第二導電部2及び接続部3には、交流の電気が流れることが考えられる。
【0022】
また、電線モジュール100が、例えば、車両の居室よりも前方側に配置された機器と車両の居室よりも後方側に配置された機器とを接続することも考えられる。この場合、電線モジュール100は、例えば、車両に搭載された2つの機器に亘って床下を経由する状態で取り付けられることが考えられる。なお、車両の居室よりも前方側に配置された機器としては、例えば、インバータ装置が考えられる。また、車両の居室よりも後方側に配置された機器としては、例えば、バッテリーが考えられる。このような場合、電線モジュール100の第一導電部1、第二導電部2及び接続部3には、直流の電気が流れることが考えられる。
【0023】
また、ワイヤーハーネス101においては、電線モジュール100の周囲を覆う金属製のシールド体5を備える。この場合、電線モジュール100の周囲に設けられたシールド体によって電磁ノイズが遮蔽される。ここでは、シールド体5に3本の電線モジュール100が挿通された場合が示されている。しかしながら、シールド体5の内部に1本、2本又は4本以上の電線モジュール100が挿通される場合も考えられる。
【0024】
なお、シールド体5としては、アルミニウム又は銅等の金属が筒状に形成された金属パイプ若しくは複数の素線が筒状に編まれた編組線等が考えられる。
【0025】
次に電線モジュール100における第一導電部1、第二導電部2、接続部3及び絶縁被覆部4について説明する。はじめに、第一導電部1について説明する。
【0026】
図1,2に示されるように、電線モジュール100において、第一導電部1は、単芯線である。このため、電線モジュール100において、第一導電部1は、比較的剛性の高い部分である。即ち、第一導電部1は、後述する第二導電部2よりも硬い。
【0027】
また、第一導電部1は、曲がった経路に配設される場合又は直線状の経路に配設される場合又は曲がった経路及び直線状の経路の両方を含む経路に配設される場合が考えられる。例えば、第一導電部1が曲がった経路に配設される場合、第一導電部1には曲げ加工が施され、その曲がった形状が維持されていることが考えられる。従って、ここでは、第一導電部1は、この電線モジュール100の配策経路に沿う形状を維持可能な剛性を有していることが考えられる。
【0028】
より具体的には、第一導電部1は、例えば、車両に搭載された状態で、車両の振動によってその形状が変化しないような剛性を有することが考えられる。即ち、第一導電部1は、車両に搭載された状態で、車両の振動によって直線状若しくは曲げられた状態が解除されない程度の剛性を有していることが考えられる。
【0029】
また、本実施形態において、第一導電部1は、例えば、アルミニウム又は銅等を主成分とする棒状の金属の部材であることが考えられる。
【0030】
また、本実施形態では、第一導電部1の延在方向に直交する切断線によって切断される断面において、第一導電部1は、中身が埋まった丸形状に形成されている。即ち、第一導電部1は、円柱状に形成されている。しかしながら、第一導電部1の上記断面形状が、角丸四角形状等の丸形状以外の形状である場合も考えられる。なお、第一導電部1の外周面は、全体に亘って滑らかな湾曲面である場合又は複数の平面とこの平面を繋ぐ湾曲面とを含む場合が好ましい。即ち、第一導電部1の外周面において、角張った部分が無いことが好ましい。第一導電部1の外周面を覆う状態で接続される第二導電部2に、負荷がかかりにくくなるためである。しかしながら、第一導電部1の外周面において、角張った部分が形成されていてもよい。
【0031】
次に第二導電部2について説明する。電線モジュール100において、第二導電部2は、第一導電部1よりも柔軟な筒状に形成されている。例えば、第二導電部2は、車両の振動により伸縮及び曲がることが可能に柔軟に形成されていることが考えられる。なお、本実施形態では、第二導電部2は、複数の素線が筒状に編まれた編組線である。
【0032】
本実施形態において、第二導電部2は、例えば、アルミニウム又は銅等を主成分とする金属の素線が筒状に編まれた編組線であることが考えられる。しかしながら、第二導電部2が、薄い板状の金属部材が筒状に曲げられた部材である場合等も考えられる。
【0033】
電線モジュール100においては、第二導電部2の一方側端部21が、第一導電部1の端部の外周面を覆う状態で第一導電部1と接続されている。なお、第二導電部2の他方側端部22には、後述する接続部3が接続されている。
【0034】
本実施形態では、第二導電部2の一方側端部21が第一導電部1の端部を覆う状態で超音波溶接等によって溶接されることで、第二導電部2と第一導電部1とが接続されている。なお、第二導電部2の一方側端部21が第一導電部1の端部を覆う状態で第二導電部2の周囲を覆うリング状のかしめ部材がかしめられることで、第一導電部1と第二導電部2とが接続される場合も考えられる。また、第二導電部2の一方側端部21が第一導電部1の端部を覆う状態ではんだ付けされることで接続される場合も考えられる。
【0035】
次に接続部3について説明する。接続部3は、導電性の部材である。接続部3は、第二導電部2の他方側端部22に接続され、相手側部材に接続可能な端子形状の部分を含む。なお、相手側部材とは、この電線モジュール100の接続相手の部材を意味する。
【0036】
また、本実施形態では、接続部3が、第一導電部1とは別の単芯線が加工されることで形成されている場合が示されている。なお、ここでは、接続部3は、第一接続部31、第二接続部32及び中間部33を備えている。
【0037】
本実施形態において、第一接続部31は、第二導電部2の他方側端部22によって外周面が覆われた状態で他方側端部22に接続される部分を含む。例えば、第一接続部31と第二導電部2とは、溶接によって接続されていることが考えられる。しかしながら、第一接続部31と第二導電部2とがかしめリング等のかしめ部材によって接続されている場合等も考えられる。
【0038】
なお、本実施形態において、第一接続部31は、別の単芯線の一方側端部である。より具体的には、第一接続部31は、丸棒状の別の単芯線がその形状のまま維持された部分のうちの端部である。このため、接続部3の延在方向に直交する切断線によって切断される断面において、第一接続部31は、丸形状に形成されていることが考えられる。なお、第一接続部31の上記断面形状が、角丸四角形状等の丸形状以外の形状である場合も考えられる。
【0039】
次に第二接続部32について説明する。第二接続部32は、第一接続部31の第二導電部2側に対し反対側に形成されている。即ち、第二接続部32は、第一接続部31の第二導電部2側に対し反対側に連なって形成されている。第二接続部32は、相手側部材に接続可能な部分である。ここでは、第二接続部32は、別の単芯線の他方側端部が端子形状に形成された部分である。なお、図1,2に示される例では、第二接続部32は、扁平な端子形状に形成されている。
【0040】
また、本実施形態では、第二接続部32には、相手側部材にボルト締結を可能にするボルト孔321が形成されている。ボルト孔321は、第二接続部32の一方側の主面から他方側の主面を貫通する貫通孔である。
【0041】
次に中間部33について説明する。中間部33は、別の単芯線の両端部を除く部分であり、第一接続部31と第二接続部32とを連結する部分である。ここでは、中間部33は、丸棒状の別の単芯線がその形状のまま維持された部分のうちの端部以外の部分である。従って、中間部33は、配策経路に沿う形状を維持可能な剛性を有する形状のまま維持可能な部分である。このため、接続部3の延在方向に直交する切断線によって切断される断面において、第一接続部31と同様、丸形状に形成されていることが考えられる。なお、中間部33の上記断面形状が、角丸四角形状等の丸形状以外の形状である場合も考えられる。
【0042】
次に絶縁被覆部4について説明する。電線モジュール100において、絶縁被覆部4は、少なくとも第一導電部1及び第二導電部2の周囲を覆う。なお、ここでは、絶縁被覆部4は、第一導電部1と第二導電部2と接続部3の第一接続部31及び中間部33との周囲を覆っている。
【0043】
絶縁被覆部4は、絶縁性の樹脂の部材であることが考えられる。本実施形態では、絶縁被覆部4は、第一導電部1と第二導電部2と接続部3の第一接続部31及び中間部33との周囲を覆う熱収縮チューブ40が収縮した部材である。熱収縮チューブ40は、例えば、ポリオレフィン系、ナイロン系、シリコーン系、フッ素樹脂系又はポリエステルエラストマー系などの合成樹脂からなる筒状の部材である。熱収縮チューブ40は、押し出し成形によりごく細い筒状に成形された樹脂部材が、加熱された状態で太い筒状へ引き伸ばされた後に冷却されることによって得られる。このようにして得られた熱収縮チューブ40は、加熱された場合、引き伸ばされる前の細い筒状まで収縮する形状記憶特性を有する。
【0044】
従って、本実施形態では、例えば、以下の手順で絶縁被覆部4が設けられることが考えられる。まず、裸線状態の第一導電部1の端部に、第二導電部2の一方側端部21が接続される作業、及び、第二導電部2の他方側端部22に接続部3の第一接続部31が接続される作業が行われる。次に、図4に示されるように、第一導電部1、第二導電部2及び接続部3が接続された状態で、それらの周囲を熱収縮チューブ40によって覆う。そして、この熱収縮チューブ40を加熱し、収縮させることで、第一導電部1と第二導電部2と接続部3の第一接続部31及び中間部33との周囲を覆う絶縁被覆部4が得られる。
【0045】
なお、別の態様として、第一導電部1及び接続部3として、単芯線と単芯線の周囲に押出成形によって形成された絶縁被覆とを備える絶縁電線が採用される場合も考えられる。この場合、絶縁被覆部4は、第一導電部1及び接続部3の周囲に押出成形によって形成された絶縁被覆を含むことが考えられる。なお、この場合、第一導電部1の端部及び接続部3の第一接続部31の周囲の絶縁被覆が除去されて、第二導電部2と接続されることが考えられる。
【0046】
また、さらに別の態様として、絶縁被覆部4として、第一導電部1と第二導電部2と接続部3の第一接続部31及び中間部33との周囲を覆うように巻き付けられたテープ状の部材又はシート状の部材が採用される場合等も考えられる。
【0047】
本実施形態においては、例えば、車両に搭載された2つの機器を電線モジュール100が繋ぐ。このとき、電線モジュール100においては、第二導電部2が2つの機器間の少なくとも1箇所に設けられる。これにより、柔軟な第二導電部2によって振動が吸収され、振動による破断が抑制される。例えば、第二導電部2は、2つの機器間の中央部分に1箇所設けられている場合が考えられる。この場合、第一導電部1における第二導電部2側に対し反対側の端部が、接続部3と同様、端子形状に形成されていることも考えられる。なお、第二導電部2が2箇所以上設けられている場合ももちろん考えられる。
【0048】
また、本実施形態において、単芯線である第一導電部1よりも柔軟な筒状に形成された第二導電部2が、第一導電部1の端部の周囲を覆う状態で接続されている。この場合、単芯線に柔軟な部材を接続するための接続部分を設けるために、単芯線を潰す加工を行うことが不要となる。従って、より簡単に単芯線(第一導電部1)と柔軟な導電部材(第二導電部2)とを接続することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態において、接続部3は、第二導電部2の他方側端部22によって外周面が覆われた状態で他方側端部22に接続される部分を含む棒状の第一接続部31と、第一接続部31の第二導電部2側に対し反対側に形成され相手側部材に電気的に接続可能な端子形状に形成された第二接続部32と、を含む。この場合、第一導電部1と第二導電部2との接続と同様の作業で、第二導電部2と接続部3とを接続することができる。
【0050】
また、本実施形態において、第一接続部31は、第一導電部1と別の単芯線の端部以外の部分が配策経路に沿う形状を維持可能な剛性を有する形状のまま維持された部分であり、第二接続部32は、別の単芯線の端部が、端子形状に形成された部分である。この場合、単芯線を用いて接続部3を作ることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態において、第二導電部2は、複数の素線が筒状に編まれた編組線である。この場合、筒状の編組線はより柔軟なため、より振動を吸収できる。
【0052】
また、本実施形態において、絶縁被覆部4は、第一導電部1と第二導電部2と接続部3の第一接続部31及び中間部33との周囲を覆う熱収縮チューブ40が、収縮した部材である。この場合、絶縁被覆部4を設ける作業を簡単に行うことができる。
【0053】
以下、電線モジュールの応用例について説明する。例えば、電線モジュール100において、接続部3が、端子であってもよい。
【0054】
また、第二導電部2が、接続部3の周囲を覆わずに接続部3に接続されている場合も考えられる。例えば、接続部3の一部が平板状に形成され、この平板状の部分の一方面に溶接によって第二導電部2が接続される場合も考えられる。
【0055】
また、接続部3の第二接続部32が、棒状に形成されている場合又は接続部3の延在方向に延びるキャビティである場合等も考えられる。即ち、第二接続部32が、所謂、オス型端子形状又はメス型端子形状に形成されていてもよい。
【0056】
なお、本発明に係る電線モジュールは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態および応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態および応用例を適宜、変形するまたは一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 第一導電部
100 電線モジュール
2 第二導電部
21 一方側端部
22 他方側端部
3 接続部
31 第一接続部
32 第二接続部
33 中間部
4 絶縁被覆部
40 熱収縮チューブ
図1
図2
図3
図4