特開2016-219477(P2016-219477A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イビデン株式会社の特許一覧
特開2016-219477電子部品内蔵配線板及びその製造方法
<>
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000003
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000004
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000005
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000006
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000007
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000008
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000009
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000010
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000011
  • 特開2016219477-電子部品内蔵配線板及びその製造方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-219477(P2016-219477A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】電子部品内蔵配線板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20161125BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20161125BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   H05K3/46 Q
   H05K3/46 B
   H05K3/46 T
   H05K1/03 630D
   H01L23/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-99628(P2015-99628)
(22)【出願日】2015年5月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(72)【発明者】
【氏名】池田 公輔
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA25
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC02
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC32
5E316CC54
5E316DD02
5E316DD25
5E316DD33
5E316DD47
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG23
5E316GG26
5E316GG28
5E316HH11
5E316HH24
5E316HH26
5E316JJ12
5E316JJ13
5E316JJ26
5E316JJ28
5E316JJ29
(57)【要約】
【課題】従来よりも電子部品からのビア導体の剥離を抑え、ビア導体と電子部品との接続の信頼性を向上することが可能な電子部品内蔵配線板及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の電子部品内蔵配線板10は、第1絶縁樹脂層21が支持絶縁層29とその下方の被覆絶縁層28とからなる二層構造になっていて、支持絶縁層29上に第1導体層22が形成されると共に、被覆絶縁層28がコア基板11上の導体回路層12及びMLCC17を覆っている。また、被覆絶縁層28は支持絶縁層29よりも無機フィラー含有率が大きくなっていて熱膨張率が小さくなっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が収容されているキャビティを有するコア基板と、
上面に導体層が積層されていない被覆絶縁層と、前記被覆絶縁層の上に重ねられ、上面に導体層が積層される支持絶縁層と、からなり、少なくとも前記コア基板の表裏の一方の面に重ねられて前記キャビティ及び前記電子部品を覆う二層絶縁層と、
前記支持絶縁層上の前記導体層と前記電子部品との間を接続する素子接続ビア導体と、を備える電子部品内蔵配線板であって、
前記被覆絶縁層は、前記支持絶縁層より熱膨張率が小さく、かつ、前記支持絶縁層よりも厚い。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品内蔵配線板であって、
前記二層絶縁層が前記コア基板の表側及び裏側の両方に備えられている。
【請求項3】
請求項2に記載の電子部品内蔵配線板であって、
前記素子接続ビア導体が前記コア基板の表側及び裏側の両方に備えられている。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
前記コア基板のうち前記被覆絶縁層により覆われた面には、導体層が積層され、
前記コア基板上の前記導体層と前記支持絶縁層上の前記導体層との間を接続する導体層間ビア導体を有する。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
前記二層絶縁層は、前記被覆絶縁層と前記支持絶縁層とがフィルム状に一体形成された状態で積層されている。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
前記被覆絶縁層と前記支持絶縁層とは共に無機フィラーを含有し、
前記被覆絶縁層の前記無機フィラーの含有率は、前記支持絶縁層の前記無機フィラーの含有率よりも大きい。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
前記被覆絶縁層と前記支持絶縁層とには、ガラスクロスが含まれていない。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板であって、
前記電子部品は、積層セラミックコンデンサである。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記キャビティと前記電子部品との隙間には、前記被覆絶縁層と同成分の絶縁材が充填されている。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記素子接続ビア導体は、前記電子部品へ向かうにつれて徐々に縮径している。
【請求項11】
コア基板のキャビティに電子部品を収容することと、
前記コア基板の表裏の一方の面に前記被覆絶縁層と前記支持絶縁層とからなる二層絶縁層を積層し、前記被覆絶縁層により前記キャビティ及び前記電子部品を覆うことと、
前記支持絶縁層の上面に導体層を積層することと、
前記支持絶縁層上の前記導体層と前記電子部品との間を素子接続ビア導体により接続することと、を行う電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
前記被覆絶縁層を、前記支持絶縁層より熱膨張率を小さくし、かつ、前記支持絶縁層よりも厚くする。
【請求項12】
請求項11に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
前記二層絶縁層を前記コア基板の表側及び裏側の両方に備える。
【請求項13】
請求項12に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
前記素子接続ビア導体を前記コア基板の表側及び裏側の両方に備える。
【請求項14】
請求項11乃至13の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
前記コア基板のうち前記被覆絶縁層により覆われた面に、導体層を積層することと、
前記コア基板上の前記導体層と前記支持絶縁層上の前記導体層との間を、導体層間ビア導体により接続することと、を行う。
【請求項15】
請求項11乃至14の何れか1の請求項に記載の電子部品内蔵配線板の製造方法であって、
前記二層絶縁層の積層を、前記被覆絶縁層と前記支持絶縁層とがフィルム状に一体形成されている絶縁シートを積層することにより行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア基板のキャビティに電子部品を収容して備えると共に、そのコア基板が絶縁層に覆われている電子部品内蔵配線板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品内蔵配線板には、絶縁層を貫通して電子部品に接続するビア導体が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−345560(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電子部品内蔵配線板においては、熱変形によりビア導体が電子部品から剥離してしまうことが考えられる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来よりも電子部品からのビア導体の剥離を抑え、ビア導体と電子部品との接続の信頼性を向上することが可能な電子部品内蔵配線板及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためなされた請求項1に係る発明は、電子部品が収容されているキャビティを有するコア基板と、上面に導体層が積層されていない被覆絶縁層と、前記被覆絶縁層の上に重ねられ、上面に導体層が積層される支持絶縁層と、からなり、少なくとも前記コア基板の表裏の一方の面に重ねられて前記キャビティ及び前記電子部品を覆う二層絶縁層と、前記支持絶縁層上の前記導体層と前記電子部品との間を接続する素子接続ビア導体と、を備える電子部品内蔵配線板であって、前記被覆絶縁層は、前記支持絶縁層より熱膨張率が小さく、かつ、前記支持絶縁層よりも厚い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る電子部品内蔵配線板の側断面図
図2】電子部品内蔵配線板の平断面図
図3】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
図4】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
図5】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
図6】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
図7】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
図8】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
図9】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
図10】電子部品内蔵配線板の製造工程を示す側断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1図10に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の電子部品内蔵配線板10は、コア基板11の表裏の両面にビルドアップ層20,20を積層してなる。コア基板11は、絶縁性部材で構成され、その表側面であるF面11Fと裏側面であるS面11Sとには、導体回路層12(本発明の「導体層」に相当する)がそれぞれ形成されている。また、コア基板11には、キャビティ16と導電用貫通孔14とが形成されている。
【0009】
コア基板11のキャビティ16には、本発明の「電子部品」としての積層セラミックコンデンサ17(以下、「MLCC17」という)が収容されている。MLCC17は、セラミックス製の角柱体の両端部を1対の電極31,31で覆った構造になっていて、MLCC17の平面形状はキャビティ16の平面形状より一回り小さくなっている。また、MLCC17の厚さ(即ち、MLCC17の電極31の表裏の一方の面である第1主面31Fと、表裏の他方の面である第2主面31Bとの間の距離)は、コア基板11の板厚より大きくなっていて、MLCC17の各電極31,31の第1主面31F,31Fがコア基板11のF面11F側の導体回路層12における最外面と面一になる一方、MLCC17の各電極31,31の第2主面31B,31Bがコア基板11のB面11Bにおける導体回路層12における最外面と面一になる。なお、MLCC17とキャビティ16の内側面との間には素子保持樹脂16Jが充填され、MLCC17はキャビティ16の内側面の全体から離間する位置に配置されている。
【0010】
導電用貫通孔14は、コア基板11のF面11F及びS面11Sの両面からそれぞれ穿孔しかつF面11F及びS面11Sの各々から遠ざかるにつれて徐々に縮径したテーパー孔14A,14Aの小径側端部を互いに連通させた中間括れ形状をなしている。導電用貫通孔14内にはめっきが充填されてスルーホール導電導体15が形成され、そのスルーホール導電導体15によってF面11Fの導体回路層12とS面11Sの導体回路層12との間が接続されている。
【0011】
コア基板11のF面11F側のビルドアップ層20も、S面11S側のビルドアップ層20も共に、コア基板11側から順番に、第1絶縁樹脂層21、第1導体層22、第2絶縁樹脂層23、第2導体層24を積層してなり、第2導体層24上には、ソルダーレジスト層25が積層されている。なお、第1絶縁樹脂層21及び第2絶縁樹脂層23が本発明の「二層絶縁層」に相当する。
【0012】
ソルダーレジスト層25には、複数のパッド用孔が形成され、第2導体層24の一部がパッド用孔内に位置してパッドになっている。電子部品内蔵配線板10全体の表側面であるF面10Fにおいては、複数のパッドが、中パッド26A群と小パッド26C群とからなり、小パッド26C群が行列状に並べられ、その回りを中パッド26A群が枠状に並べられて囲んでいる。一方、電子部品内蔵配線板10全体の裏側面であるS面10Sのパッドは、中パッド26Aより大きな大パッド26Bになっている。
【0013】
第1絶縁樹脂層21及び第2絶縁樹脂層23には、それぞれ複数のビアホール21H,23Hが形成されている。ビアホール21H,23Hは、本実施形態では、コア基板11側に向かって徐々に縮径したテーパー状になっているが、テーパー状になっていなくてもよい。これらビアホール21H,23H内にめっきが充填されて複数のビア導体21D,23Dが形成されている。そして、第1絶縁樹脂層21のビア導体21Dによって、導体回路層12と第1導体層22との間及び、MLCC17と第1導体層22との間が接続され、第2絶縁樹脂層23のビア導体23Dによって、第1導体層22と第2導体層24との間が接続されている。これら複数のビア導体21D,23DのうちMLCC17と第1導体層22との間を接続するものが本発明の「素子接続ビア導体」に相当し、導体回路層12と第1導体層22との間を接続するものが本発明の「導体層間ビア導体」に相当する。なお、第1及び第2の導体層22,24においては、配線パターンの最小幅W及び配線パターン間の最小距離Hがそれぞれ15μm以下となっている(図2参照)。また、ビア導体21Dのうち下方の導体回路層12又は MLCC17との接続部分(いわゆる、ビア底)及びビア導体23Dのうち下方の第1導体層22との接続部分の径が共に50μm以下となっている。
【0014】
さて、図1に示すように、本実施形態の電子部品内蔵配線板10では、第1絶縁樹脂層21と第2絶縁樹脂層23とのそれぞれが、支持絶縁層29と支持絶縁層29より厚い被覆絶縁層28とからなる二層構造になっている。具体的には、支持絶縁層29の厚みは被覆絶縁層28の厚みの15〜50%となっていて、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23それぞれにおけるコア基板11側に被覆絶縁層28が配され、外側に支持絶縁層29が配されている。各支持絶縁層29には上面に第1導体層22又は第2導体層24がそれぞれ形成されている。これら支持絶縁層29の上面は粗化面となっている。また、第2絶縁樹脂層23の被覆絶縁層28は、第1絶縁樹脂層21の支持絶縁層29上の第1導体層22を覆っていて、第1絶縁樹脂層21の被覆絶縁層28は、コア基板11上の導体回路層12及びMLCC17を覆うと共にキャビティ16とMLCC17との間に入り込み素子保持樹脂16Jを形成している。
【0015】
被覆絶縁層28及び支持絶縁層29は共に、シリカ、アルミナ又はムライト等の無機フィラーを含有している絶縁樹脂により構成されている。ここで、一般的に絶縁樹脂においては、無機フィラーの含有率が大きくなる程、熱膨張率が小さくなる。本実施形態では、支持絶縁層29の無機フィラー含有率が42wt%、熱膨張率が39ppm/℃になっているのに対し、被覆絶縁層28の無機フィラー含有率が77wt%、熱膨張率が12ppm/℃となっていて、被覆絶縁層28が支持絶縁層29よりも無機フィラー含有率が大きく熱膨張率が小さい構成となっている。なお、導体の熱膨張率は16.8ppm/℃であり、MLCC17の厚さ方向の熱膨張率は9〜13ppm/℃程度である。
【0016】
また、支持絶縁層29内の無機フィラーの平均粒径は0.5μmであり、支持絶縁層29の誘電正接tanδ(絶縁体内部での電気エネルギー損失を示す)は0.017である一方、被覆絶縁層28内の無機フィラーの平均粒径は1.0μmであり、被覆絶縁層28の誘電正接tanδは0.0093となっている。なお、被覆絶縁層28及び支持絶縁層29には共にガラスクロスは含有されていない。
【0017】
本実施形態の電子部品内蔵配線板10は、以下のようにして製造される。
(1)図3(A)に示すように、コア基板11としてエポキシ樹脂又はBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂とガラスクロスなどの補強材からなる絶縁性基材11Kの表裏の両面に、銅箔11Cがラミネートされているものが用意される。
【0018】
(2)図3(B)に示すように、コア基板11にF面11F側から例えばCO2レーザが照射されて導電用貫通孔14(図1参照)を形成するためのテーパー孔14Aが穿孔される。
【0019】
(3)図3(C)に示すように、コア基板11のS面11Sのうち前述したF面11F側のテーパー孔14Aの真裏となる位置にCO2レーザが照射されてテーパー孔14Aが穿孔され、それらテーパー孔14A,14Aから導電用貫通孔14が形成される。
【0020】
(4)無電解めっき処理が行われ、銅箔11C上と導電用貫通孔14の内面に無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
【0021】
(5)図3(D)に示すように、銅箔11C上の無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト33が形成される。
【0022】
(6)電解めっき処理が行われ、図4(A)に示すように、電解めっきが導電用貫通孔14内に充填されてスルーホール導電導体15が形成されると共に、銅箔11C上の無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト33から露出している部分に電解めっき膜34が形成される。
【0023】
(7)めっきレジスト33が剥離されると共に、めっきレジスト33の下方の無電解めっき膜(図示せず)及び銅箔11Cが除去され、図4(B)に示すように、残された電解めっき膜34、無電解めっき膜及び銅箔11Cにより、コア基板11のF面11F上に導体回路層12が形成されると共に、コア基板11のS面11S上に導体回路層12が形成される。そして、F面11Fの導体回路層12とS面11Sの導体回路層12とがスルーホール導電導体15によって接続された状態になる。
【0024】
(8)図4(C)に示すように、コア基板11に、ルーター又はCO2レーザによってキャビティ16が形成される。
【0025】
(9)図4(D)に示すように、キャビティ16が塞がれるように、PETフィルムからなるテープ90がコア基板11のF面11F上に張り付けられる。
【0026】
(10)MLCC17が用意される。
【0027】
(11)図5(A)に示すように、MLCC17がマウンター(図示せず)によってキャビティ16に収められる。
【0028】
(12)図5(B)に示すように、コア基板11のS面11S上の導体回路層12上に、第1絶縁樹脂層21として、被覆絶縁層28と支持絶縁層29とが一体になった絶縁シート30が、被覆絶縁層28側がコア基板11側になるように積層されてから加熱プレスされる。その際、コア基板11のS面11Sの導体回路層12,12同士の間が被覆絶縁層28にて埋められ、被覆絶縁層28から染み出た樹脂がキャビティ16の内面とMLCC17との隙間に充填される。
【0029】
(13)図5(C)に示すように、テープ90が除去される。
【0030】
(14)図6(A)に示すように、コア基板11のF面11F上の導体回路層12上に第1絶縁樹脂層21としての絶縁シート30が被覆絶縁層28側を下にして積層されてから、加熱プレスされる。その際、コア基板11のF面11Fの導体回路層12,12同士の間が被覆絶縁層28にて埋められ、被覆絶縁層28から染み出た熱硬化性樹脂がキャビティ16の内面とMLCC17との隙間に充填される。また、コア基板11のF面11F側及びS面11S側の被覆絶縁層28から染み出てキャビティ16の内面とMLCC17との隙間に充填された熱硬化性樹脂によって素子保持樹脂16Jが形成される。
【0031】
(15)薬液により支持絶縁層29の上面が粗化される。
【0032】
(16)図6(B)に示すように、コア基板11の表裏の両側の第1絶縁樹脂層21,21にCO2レーザが照射されて、複数のビアホール21Hが形成される。それら複数のビアホール21Hの一部のビアホール21Hは、導体回路層12上に配置され、他の一部のビアホール21HはMLCC17の各電極31,31上に配置される。
【0033】
(17)無電解めっき処理が行われ、第1絶縁樹脂層21,21上と、ビアホール21H,21H内とに無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
【0034】
(18)図6(C)に示すように、無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト40が形成される。
【0035】
(19)電解めっき処理が行われ、図7(A)に示すように、めっきがビアホール21H,21H内に充填されてビア導体21D,21Dが形成され、さらには、第1絶縁樹脂層21,21上の無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト40から露出している部分に電解めっき膜39,39が形成される。
【0036】
(20)めっきレジスト40が剥離されると共に、めっきレジスト40の下方の無電解めっき膜(図示せず)が除去され、図7(B)に示すように、残された電解めっき膜39及び無電解めっき膜により、コア基板11の表裏の各第1絶縁樹脂層21上に第1導体層22が形成される。そして、コア基板11の表裏の各第1導体層22の一部と導体回路層12とがビア導体21Dによって接続されると共に、各第1導体層22の他の一部とMLCC17とがビア導体21Dによって接続された状態になる。
【0037】
(21)上記した(12)〜(20)と同様の処理により、図8に示すように、コア基板11の表裏の各第1導体層22上に第2絶縁樹脂層23と第2導体層24とが形成されて、各第2導体層24の一部と第1導体層22とがビア導体23Dによって接続された状態になる。
【0038】
(22)図9に示すように、コア基板11の表裏の各第2導体層24上にソルダーレジスト層25,25が積層される。
【0039】
(23)図10に示すように、コア基板11の表裏のソルダーレジスト層25,25の所定箇所にテーパー状のパッド用孔が形成され、コア基板11の表裏の各第2導体層24のうちパッド用孔から露出した部分がパッド26になる。
【0040】
(24)パッド26上に、例えば、ニッケル層、パラジウム層、金層の順に積層されて図1に示した金属膜41が形成される。なお、金属膜41は、Sn、Ni/Au層等でもよい。また、金属膜41の代わりに、OSP被膜としてもよい。以上で電子部品内蔵配線板10が完成する。
【0041】
本実施形態の電子部品内蔵配線板10の構造及び製造方法に関する説明は以上である。次に電子部品内蔵配線板10の使用例と作用効果とを説明する。本実施形態の電子部品内蔵配線板10は、パッド26上に、半田バンプ(図示せず)が形成されて、その上にCPU等が搭載されて半田付けされることで使用される。このとき、CPUのパッドがビア導体21D,23Dを介してMLCC17の各電極31,31に接続される。
【0042】
ここで、第1絶縁樹脂層21の熱膨張率が大きい(第1絶縁樹脂層21の熱膨張率と導体の熱膨張率との差が大きい)と、ビア導体21D(特に最小径となるビア底部分)にかかる熱応力が大きくなり、ビア導体21DがMLCC17から剥離しやすくなるという問題が生じると考えられる。これに対し、本実施形態の電子部品内蔵配線板10では、第1絶縁樹脂層21のうちの被覆絶縁層28、即ち、MLCC17の上面やビア導体21Dのビア底の周辺を覆う部分の熱膨張率が小さく(被覆絶縁層28の熱膨張率と導体の熱膨張率との差が小さく)なっているので、ビア導体21Dが第1絶縁樹脂層21の熱膨張の影響を受けてMLCC17から剥離することを防ぐことができ、ビア導体21DとMLCC17との接続の信頼性を向上することができる。ビア導体21DとMLCC17との接続の信頼性と同様に、コア基板11上の導体回路層12とビア導体21Dとの接続の信頼性や第1導体層22とビア導体23Dとの接続の信頼性も向上する。
【0043】
また、第1絶縁樹脂層21のうちの被覆絶縁層28の熱膨張率とMLCC17の熱膨張率との差が小さいので、ビア導体21D内の応力集中が防がれ、ビア導体21DがMLCC17から剥離することがより防がれる。さらに、被覆絶縁層28がキャビティ16とMLCC17との間に染み出て形成される素子保持樹脂16Jの無機フィラー含有率が大きいので、MLCC17がキャビティ16内で動くことが規制され、ビア導体21DとMLCC17との接続の信頼性がより一層向上する。
【0044】
ところで、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23を、熱膨張率の小さい被覆絶縁層28のみにより形成すると、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23全体に亘って無機フィラーの含有率が大きくなる。この場合、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23の表面にも無機フィラーが多く存在することとなるが、無機フィラー上にはめっきレジスト40が接着しにくいため、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23上のめっきレジスト40を緻密にすることが困難となり、配線パターンを密(ファイン)にすることができなくなる。
【0045】
これに対し、本実施形態の電子部品内蔵配線板10では、第1絶縁樹脂層21及び第2絶縁樹脂層23が、熱膨張率が比較的小さい(無機フィラーの含有率が大きい)被覆絶縁層28と、熱膨張率が比較的大きい(無機フィラーの含有率が小さい)支持絶縁層29との二層構造になっている。そして、それらのうち無機フィラーの含有率が小さい支持絶縁層29に導体層22,24が形成されるため、めっきレジスト40の形成時にアンカー効果が得られ、めっきレジスト40を緻密にすることができ、配線パターンを密(ファイン)にすることができる。これにより、第1及び第2の導体層22,24における配線パターンの最小幅W及び配線パターン間の最小距離Hをそれぞれ15μm以下にすることができる。
【0046】
また、支持絶縁層29内の無機フィラーの平均粒径が被覆絶縁層28内の無機フィラーの平均粒径よりも小さくなっているため、めっきレジスト40の第1及び第2の絶縁樹脂層21,23への接着性をより高めることができる。さらに、支持絶縁層29の上面が粗化面となっているため、めっきレジスト40の形成時にアンカー効果がより強まり、めっきレジスト40を緻密にすることが容易となる。また、導体層22,24の支持絶縁層29への固定強度も高まる。
【0047】
また、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23の熱膨張率が大きいと加熱による膨張と冷却による収縮とにより電子部品内蔵配線板10全体が反ってしまうことが考えられるが、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23が熱膨張率の比較的小さい被覆絶縁層28を有していることにより、第1及び第2の絶縁樹脂層21,23全体の熱膨張率が小さくなり、電子部品内蔵配線板10全体の反りを抑えることもできる。
【0048】
また、本実施形態の電子部品内蔵配線板10では、配線パターンが上面及び側面から支持絶縁層29よりも誘電正接tanδが小さい被覆絶縁層28に覆われているため、配線パターンが支持絶縁層29のみにより覆われている構成よりも電気エネルギー損失を少なくすることができる。
【0049】
また、本実施形態では、被覆絶縁層28が比較的厚く、支持絶縁層29が比較的薄くなっているので、配線パターンの密(ファイン)具合を確保しながらビア導体21DとMLCC17との接続等の信頼性を向上させたり電子部品内蔵配線板10全体の反りを抑えるという効果を得つつも、支持絶縁層29と被覆絶縁層28とが同じ厚さになっているものと比べて、電子部品内蔵配線板10を薄くすることができる。
【0050】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0051】
(1)上記実施形態では、熱伝導率の大小が無機フィラー含有率の大小により異なっていたが、例えば、無機フィラーの含有率を同じにして、樹脂の種類により熱伝導率の大小を異ならせる構成であってもよい。
【0052】
(2)上記実施形態では、被覆絶縁層28と支持絶縁層29とが一体となった絶縁シート30を積層する構成であったが、被覆絶縁層28と支持絶縁層29とを一層ずつ別個に積層する構成であってもよい。
【0053】
(3)上記実施形態では、被覆絶縁層28の無機フィラー含有率が77wt%で、支持絶縁層29の無機フィラー含有率が42wt%であったが、これに限られるものではない。なお、被覆絶縁層28の無機フィラー含有率を65〜85wt%とし、支持絶縁層29の無機フィラー含有率を30〜50wt%とすることが好ましい。
【0054】
(4)上記実施形態では、コア基板11の表裏にそれぞれ積層されている絶縁樹脂層が2層ずつであったが、1層ずつであってもよいし、3層以上ずつであってもよい。
【0055】
(5)上記実施形態では、第2絶縁樹脂層23が、第1絶縁樹脂層21と同様に被覆絶縁層28と支持絶縁層29とからなる二層構造になっていたが、支持絶縁層29のみからなる構成であってもよい。
【0056】
(6)上記実施形態では、コア基板11の表裏の両方の第1絶縁樹脂層21が二層構造になっていたが、一方の第1絶縁樹脂層21のみが二層構造になっている構成であってもよい。
【0057】
(7)上記実施形態では、電子部品内蔵配線板10にMLCC17のみが内蔵されていたが、MLCC17とともに例えば金属ブロックが内蔵されていてもよい。
【0058】
(8)上記実施形態では、本発明の「電子部品」がMLCC17であったが、例えば、コンデンサ、抵抗、サーミスタ、コイル等の受動部品や、IC回路等の能動部品などであってもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 電子部品内蔵配線板
11 コア基板
12 導体回路層(導体層)
16 キャビティ
17 MLCC(積層セラミックコンデンサ,電子部品)
21 第1絶縁樹脂層(二層絶縁層)
21D ビア導体(素子接続ビア導体,導体層間ビア導体)
22 第1導体層(導体層)
23 第2絶縁樹脂層(二層絶縁層)
28 被覆絶縁層
29 支持絶縁層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10