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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-219880(P2016-219880A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】イメージセンサモジュール
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/028 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   H04N1/028 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-99207(P2015-99207)
(22)【出願日】2015年5月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】中村 邦昭
【テーマコード(参考)】
5C051
【Fターム(参考)】
5C051AA01
5C051BA04
5C051DA03
5C051DB01
5C051DB04
5C051DB22
5C051DB29
5C051DB35
5C051DC04
5C051DC07
(57)【要約】
【課題】ケースの歪み等に起因する不都合を解消ないし抑制するのに適するイメージセンサモジュールを提供すること。
【解決手段】主走査方向に延びる線状光を読み取り対象物に向けて出射する発光ユニットと、主走査方向に沿って延びる受光センサと、読み取り対象物からの光を受光センサに集光するレンズユニットと、レンズユニットと主走査方向に対して直角である厚さ方向zにおいて離間し、受光センサが搭載された基板と、発光ユニットを収容する発光ユニット収容部230、レンズユニットを収容するレンズユニット収容部240、基板を収容する基板収容部250、を有し、樹脂材料により形成さえるケース200と、を備え、レンズユニット収容部240は、厚さ方向z一方を向き、主走査方向に延びるレンズユニット収容部底面241を有し、レンズユニット収容部底面241には、厚さ方向zに突き出る突起210が形成されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる線状光を読み取り対象物に向けて出射する発光ユニットと、
上記第1方向に沿って延びる受光センサと、
上記読み取り対象物からの光を上記受光センサに集光するレンズユニットと、
上記第1方向に対して直角である第2方向において上記レンズユニットと離間し、上記受光センサが搭載された基板と、
上記発光ユニットを収容する発光ユニット収容部、上記レンズユニットを収容するレンズユニット収容部、および上記基板を収容する基板収容部、を有し、樹脂材料により形成されるケースと、を備えており、
上記レンズユニット収容部は、上記第2方向一方を向き、上記第1方向に延びるレンズユニット収容部底面を有し、
上記基板収容部は、上記第2方向他方を向き、上記第1方向に延びる基板収容部底面を有し、
上記レンズユニット収容部底面もしくは上記基板収容部底面の少なくともいずれか一方には、上記第2方向に突き出る突起が形成されている、イメージセンサモジュール。
【請求項2】
上記突起は、上記第1方向において間隔を隔てて複数設けられている、請求項1に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項3】
複数の上記突起は、上記第1方向における位置に応じて高さが異なるものを含む、請求項2に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項4】
上記ケースは、上記樹脂材料によって一体形成される、請求項2または3に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項5】
複数の上記突起は、上記樹脂材料によって上記ケースの一部として一体形成される、請求項4に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項6】
上記ケースは、上記第1方向の一端側が成型時における上記樹脂材料の注入側であり、上記第1方向の他端側が成型時における上記樹脂材料の流路の終端側である、請求項4または5に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項7】
複数の上記突起それぞれの高さは、上記ケースにおける当該突起の上記第1方向での位置が一端側から他端側に向かうにつれて漸次的に変化する、請求項6に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項8】
複数の上記突起それぞれの高さは、上記ケースにおける当該突起の上記第1方向における位置が端部から中央に向かうにつれて漸次的に変化する、請求項6に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項9】
上記ケースは、ガラス繊維を含む、請求項4ないし8のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項10】
複数の上記突起は、少なくとも上記レンズユニット収容部底面に設けられる、請求項2ないし9のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項11】
上記ケースは、上記基板収容部および上記レンズユニット収容部の双方に通じる連通孔を有する、請求項10に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項12】
上記レンズユニット収容部底面は、上記第1方向および上記第2方向のいずれに対しても直角である第3方向において上記連通孔を挟んで離間する、第1および第2の部分底面を有する、請求項11に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項13】
上記突起は、上記第1および第2の部分底面それぞれに複数ずつ設けられている、請求項12に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項14】
上記レンズユニットは、上記第1方向に配列される複数のレンズと、当該複数のレンズを保持するレンズホルダとを有する、請求項2ないし13のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項15】
上記レンズホルダは、樹脂製である、請求項14に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項16】
上記発光ユニットは、1以上のLEDチップを有するLEDモジュールと、上記第1方向に延びる導光体と、上記導光体を保持する導光体ケースとを有する、請求項1ないし15のいずれかに記載のイメージセンサモジュール。
【請求項17】
上記LEDモジュールは、上記導光体ケースの上記第1方向における端部に取り付けられている、請求項16に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項18】
上記発光ユニット収容部は、上記導光体ケースを収容する導光体ケース収容部と、この導光体ケース収容部の上記第1方向における端部に通じており、上記LEDモジュールを収容するLEDモジュール収容部とを有する、請求項17に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項19】
上記導光体ケース収容部は、上記第1方向および上記第2方向のいずれに対しても直角である第3方向において上記レンズユニット収容部と並んでおり、
上記ケースは、上記レンズユニット収容部と上記導光体ケース収容部とを仕切る帯状壁部を有する、請求項18に記載のイメージセンサモジュール。
【請求項20】
上記導光体は、上記LEDモジュールからの光が入射する、上記第1方向端面である入射面、上記入射面から長手方向に進行してきた光を反射する、上記第1方向に延びた反射面、および上記反射面から進行してきた光を上記第1方向に延びる線状光として出射する、上記第1方向に延びた出射面、を有しており、
上記出射面は、上記第2方向視において、上記反射面よりも上記レンズユニット寄りに位置する、請求項19に記載のイメージセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
読み取り対象物に記載された内容を画像データとして読み取るために、イメージセンサモジュールが広く用いられている。イメージセンサモジュールは、たとえばドキュメントスキャナに用いられ、副走査方向に相対移動する読み取り対象物の記載内容を画像データとして読み取るためのものである。このようなイメージセンサモジュールにおいて、主走査方向に延びる線状光を読み取り対象物に向けて出射し、その反射光をセンサICによって受光するように構成される(たとえば特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたイメージセンサは、発光ユニットと、受光センサと、レンズユニットと、基板と、ケースと、を備えている。発光ユニットは、線状光を発するものであり、主走査方向に長状である。受光センサは、主走査方向に延びており、基板上に搭載される。レンズユニットは、読み取り対象物によって反射された線状光を受光センサに集光させるものであり、主走査方向に延びる。ケースは、発光ユニット、レンズユニット、受光センサおよび基板を収容しており、主走査方向に延びるブロック状である。ケースは、たとえば樹脂材料により成形される。そして、ケースは、主走査方向に長尺であるため、主走査方向における位置によっては設計寸法との誤差(歪み)が生じる場合がある。このようにケースに歪みが生じる場合、ケースに収容されるレンズユニットと受光センサとの位置関係が設計値と異なり、レンズユニットによる焦点位置にずれが生じる虞れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−300536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ケースの歪み等に起因する不都合を解消ないし抑制するのに適するイメージセンサモジュールを提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるイメージセンサモジュールは、第1方向に延びる線状光を読み取り対象物に向けて出射する発光ユニットと、上記第1方向に沿って延びる受光センサと、上記読み取り対象物からの光を上記受光センサに集光するレンズユニットと、上記第1方向に対して直角である第2方向において上記レンズユニットと離間し、上記受光センサが搭載された基板と、上記発光ユニットを収容する発光ユニット収容部、上記レンズユニットを収容するレンズユニット収容部、および上記基板を収容する基板収容部、を有し、樹脂材料により形成されるケースと、を備えており、上記レンズユニット収容部は、上記第2方向一方を向き、上記第1方向に延びるレンズユニット収容部底面を有し、上記基板収容部は、上記第2方向他方を向き、上記第1方向に延びる基板収容部底面を有し、上記レンズユニット収容部底面もしくは上記基板収容部底面の少なくともいずれか一方には、上記第2方向に突き出る突起が形成されている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記突起は、上記第1方向において間隔を隔てて複数設けられている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の上記突起は、上記第1方向における位置に応じて高さが異なるものを含む。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースは、上記樹脂材料によって一体形成される。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースは、上記第1方向の一端側が成型時における上記樹脂材料の注入側であり、上記第1方向の他端側が成型時における上記樹脂材料の流路の終端側である。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の上記突起それぞれの高さは、上記ケースにおける当該突起の上記第1方向での位置が一端側から他端側に向かうにつれて漸次的に変化する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の上記突起それぞれの高さは、上記ケースにおける当該突起の上記第1方向における位置が端部から中央に向かうにつれて漸次的に変化する。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースは、ガラス繊維を含む。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の上記突起は、少なくとも上記レンズユニット収容部底面に設けられる。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースは、上記基板収容部および上記レンズユニット収容部の双方に通じる連通孔を有する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記レンズユニット収容部底面は、上記第1方向および上記第2方向のいずれに対しても直角である第3方向において上記連通孔を挟んで離間する、第1および第2の部分底面を有する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記突起は、上記第1および第2の部分底面それぞれに複数ずつ設けられている。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記レンズユニットは、上記第1方向に配列される複数のレンズと、当該複数のレンズを保持するレンズホルダとを有する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記レンズホルダは、樹脂製である。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記発光ユニットは、1以上のLEDチップを有するLEDモジュールと、上記第1方向に延びる導光体と、上記導光体を保持する導光体ケースとを有する。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記LEDモジュールは、上記導光体ケースの上記第1方向における端部に取り付けられている。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記発光ユニット収容部は、上記導光体ケースを収容する導光体ケース収容部と、この導光体ケース収容部の上記第1方向における端部に通じており、上記LEDモジュールを収容するLEDモジュール収容部とを有する。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導光体ケース収容部は、上記第1方向および上記第2方向のいずれに対しても直角である第3方向において上記レンズユニット収容部と並んでおり、上記ケースは、上記レンズユニット収容部と上記導光体ケース収容部とを仕切る帯状壁部を有する。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導光体は、上記LEDモジュールからの光が入射する、上記第1方向端面である入射面、上記入射面から長手方向に進行してきた光を反射する、上記第1方向に延びた反射面、および上記反射面から進行してきた光を上記第1方向に延びる線状光として出射する、上記第1方向に延びた出射面、を有しており、上記出射面は、上記第2方向視において、上記反射面よりも上記レンズユニット寄りに位置する。
【0025】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るイメージセンサモジュールの一例を示す平面図である。
図2図1に示すイメージセンサモジュールの底面図である。
図3図1のIII−III線に沿う拡大断面図である。
図4図1のイメージセンサモジュールに用いられる発光ユニットを示す平面図である。
図5図4の発光ユニットに用いられるLEDモジュールを示す要部正面図である。
図6図4の発光ユニットの図5のVI−VI線に沿う要部断面図である。
図7図1のイメージセンサモジュールに用いられるケースを示す斜視図である。
図8】(a)は、図7に示すケースの平面図であり、(b)は、(a)のVIIIb−VIIIb線に沿う要部断面図である。
図9図8(a)のIX−IXに沿う拡大断面図である。
図10図8(a)のX−Xに沿う拡大断面図である。
図11図8(a)のケースのXIで示した領域の部分拡大図である。
図12図11のXII−XII線矢視図である。
図13図11のXIII−XIII線に沿う要部断面図である。
図14図8のケースの変形例を示し、(a)は平面図であり、(b)は、(a)のXIVb−XIVb線に沿う要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0028】
図1図3は、本発明係るイメージセンサモジュールの一例を示している。本実施形態のイメージセンサモジュール101は、ケース200、発光ユニット300、レンズユニット400、基板500および受光センサ600を備えている。イメージセンサモジュール101は、たとえばスキャナに組み込まれることにより、読み取り対象物の画像を画像データとして読み取るために用いられる。
【0029】
ケース200は、イメージセンサモジュール101の外形を構成し、その他の構成要素を収容している。ケース200は、主走査方向x(第1方向)に長く延びており、副走査方向y(第3方向)および厚さ方向z(主走査方向xおよび副走査方向yのいずれに対しても直角である方向)によって規定される断面形状が、概略矩形状とされている。ケース200の寸法の一例を挙げると、主走査方向xにおける寸法が230〜280mm程度であり、副走査方向yにおける寸法が20〜30mm程度であり、厚さ方向zにおける寸法が12〜20mm程度である。ケース200の詳細については後述する。
【0030】
発光ユニット300は、図4図6に示すように、LEDモジュール310、導光体360および導光体ケース365を有しており、白色の線状光を出射可能に構成されている。
【0031】
導光体360は、主走査方向xに延びる棒状であり、たとえば透明なPMMA樹脂に代表されるアクリル樹脂などからなる。図3図6に示すように、導光体360は、入射面361、反射面362、および出射面363を有する。入射面361は、導光体360の主走査方向xにおける一端面であり、後述するLEDモジュール310のLEDチップ341,342,343と正対している。本実施形態においては、入射面361と透光樹脂350との間には隙間が設けられている。反射面362は、主走査方向xに長く延びており、入射面361から入射した後に導光体360内を進行してきた光を、図3における左斜め上方向に向けて反射する。反射面362は、たとえば複数の溝が主走査方向xに密に並べられた構成とされている。出射面363は、主走査方向xに長く延びており、厚さ方向z視において、反射面362よりもレンズユニット400寄りに位置する。出射面363は、反射面362によって反射された光を、主走査方向xに延びる線状光として出射する。
【0032】
導光体ケース365は、導光体360を保持するとともに、導光体360から光が不当に漏れてしまうことを防止するためのものである。導光体ケース365は、たとえば白色樹脂からなり、図3に示すように、導光体360のうち反射面362が形成された側の部分をほぼ全長にわたって囲む形状とされている。図4に示すように、導光体ケース365の主走査方向xにおける端部には、LEDモジュール310が取り付けられている。導光体ケース365のうちLEDモジュール310が取り付けられる部分は、略矩形板状とされている。
【0033】
LEDモジュール310は、図5図6に示すように、リード320、LEDケース330、3つのLEDチップ341,342,343、2つのツェナーダイオード345および透光樹脂350を有している。なお、図5においては、理解の便宜上、透光樹脂350を省略している。
【0034】
リード320は、3つのLEDチップ341,342,343および2つのツェナーダイオード345を支持し、これらに電流を流すためのものであり、たとえばCu合金などの金属からなる。リード320は、ダイボンディング部321および複数の端子部322を有する。ダイボンディング部321は、リード320のほぼ中央に位置し、3つのLEDチップ341,342,343および2つのツェナーダイオード345がダイボンディングされる。複数の端子部322は、LEDケース330から厚さ方向z下方に向けて延びており、基板500に対してLEDモジュール310(発光ユニット300)を取り付けるために用いられる。LEDケース330は、略矩形状であり、たとえば白色樹脂からなる。LEDケース330は、リード320を部分的に覆っている。LEDケース330には、凹部331が形成されている。凹部331は、ダイボンディング部321を露出させる円形状とされている。
【0035】
3つのLEDチップ341,342,343は、ダイボンディング部321に対してダイボンディングされている。LEDチップ341,342,343は、リード320に対してワイヤを介して接続されている。3つのLEDチップ341,342,343は、たとえば赤色光、緑色光、および青色光を発光するものである。LEDチップ341は、たとえばAgペーストを用いてダイボンディングされている。LEDチップ342,343は、長矩形状であり、いわゆる2ワイヤタイプとして構成されている。LEDチップ342,343は、たとえば絶縁樹脂ペーストを用いてダイボンディングされている。3つのLEDチップ341,342,343は、凹部331の略中央に配置されている。
【0036】
2つのツェナーダイオード345は、LEDチップ341,342,343が静電破壊することを回避するためのものであり、たとえばAgペーストを用いてダイボンディング部321にダイボンディングされている。各ツェナーダイオード345は、リード320のうちダイボンディング部321以外の部位に対してワイヤを介して接続されている。
【0037】
図6に示すように、透光樹脂350は、LEDケース330の凹部331内において、3つのLEDチップ341,342,343および2つのツェナーダイオード345とこれらに接続された複数のワイヤとを覆うように形成されている。本実施形態においては、透光樹脂350の表面は、LEDケース330の表面に対して若干凹んでいる。図3に示すように、発光ユニット300は、接着剤270によってケース200に固定される。
【0038】
基板500は、主走査方向xを長手方向、副走査方向yを幅方向とする長矩形状であり、たとえば、ガラスエポキシ樹脂、またはセラミックスからなる。基板500には、受光センサ600が搭載されており、発光ユニット300が接続されている。また、基板500には、イメージセンサモジュール101を上記スキャナなどに接続するためのコネクタ510が取り付けられている。基板500は、たとえば熱圧着によってケース200に固定される。
【0039】
レンズユニット400は、読み取り対象物から厚さ方向zに進行してきた光を、正立等倍で受光センサ600に集光する。レンズユニット400は、複数のレンズ410とレンズホルダ420とからなる。複数のレンズ410は、それぞれの光軸が厚さ方向zに沿っており、主走査方向xに配列されている。レンズホルダ420は、不透明な樹脂からなり、複数のレンズ410を保持している。レンズ410は、たとえばアクリル系樹脂からなる。レンズホルダ420は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる。図3に示すように、レンズユニット400は、接着剤280によってケース200に固定される。
【0040】
受光センサ600は、基板500に搭載されている。受光センサ600は、複数の受光部(図示略)を備えている。複数の受光部は、主走査方向xに配列されている。受光センサ600は、上記複数の受光部が受けた光を電気信号へと変換する光電変換機能を有している。上記複数の受光部には、レンズユニット400によって読み取り対象物から進行してきた光が結像される。
【0041】
図7図10に示すように、ケース200は、発光ユニット収容部230、レンズユニット収容部240、接着剤設置領域245、基板収容部250、複数の突起210、および帯状壁部220を有する。
【0042】
本実施形態において、ケース200は、樹脂成形金型を用いて、樹脂材料によって一体形成されたものである。ケース200の長手方向(主走査方向x)における一端側(図8における左端側)は、たとえば成形時におけるゲート側(樹脂材料の注入側)に相当し、ケース200の長手方向(主走査方向x)における他端側(図8における右端側)は、成形時における樹脂材料の流路の終端側に相当する。図示は省略するが、ケース200の主走査方向xにおける一端面には、樹脂成形金型のゲートの形状に対応する痕跡(微細なバリ、僅かな窪みや僅かな隆起等)が残る。
【0043】
ケース200を構成する樹脂材料としては、たとえばポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂とABS樹脂の複合材料が挙げられる。本実施形態において、ケース200はガラス繊維を含む。ガラス繊維の混合割合(重量比)は、たとえばケース200の重量全体に対して20〜40%である。
【0044】
発光ユニット収容部230は、ケース200において発光ユニット300を収容する部分であり、厚さ方向zの一方(図9図10では上方)に開口している。発光ユニット収容部230は、導光体ケース収容部231およびLEDモジュール収容部232を有する。導光体ケース収容部231は、導光体ケース365を収容する部分である。LEDモジュール収容部232は、LEDモジュール310を収容する部分であり、導光体ケース収容部231の主走査方向xにおける端部に通じている。
【0045】
レンズユニット収容部240は、ケース200においてレンズユニット400を収容する部分であり、厚さ方向zの一方(図9図10では上方)に開口している。レンズユニット収容部240は、副走査方向yにおいて、帯状壁部220を間に挟んで発光ユニット収容部230と隣接して並ぶ。帯状壁部220は、レンズユニット収容部240と発光ユニット収容部230とを仕切っている。
【0046】
レンズユニット収容部240は、レンズユニット収容部底面241を有する。レンズユニット収容部底面241は、厚さ方向zの一方を向いており、主走査方向xに延びている。レンズユニット収容部底面241は、第1および第2の部分底面241a,241bを有する。図9図10に示すように、ケース200は、レンズユニット収容部240および基板収容部250の双方に通じる連通孔260を有し、2つの部分底面241a,241bは、副走査方向yにおいて連通孔260を挟んで離間する。
【0047】
図8図13に示すように、複数の突起210は、レンズユニット収容部底面241に形成されている。本実施形態においては、これら突起210は、部分底面241a,241bそれぞれに複数ずつ設けられている。図8に示すように、複数の突起210は、部分底面241a,241bそれぞれにおいて、主走査方向xに間隔を隔てて設けられる。各突起210は、厚さ方向zに突き出ている。なお、図8図11図13において、理解の便宜上、突起210には斜線を付している。
【0048】
図8(a)は、複数の突起210の配置を示している。本実施形態において、部分底面241a,241bそれぞれにおいて、主走査方向xに4つずつの突起210が形成される。図11図13に示すように、各突起210の寸法の一例を挙げると、主走査方向xにおける寸法L1が10〜15mm程度であり、副走査方向yにおける寸法L2が0.01〜0.5mm程度であり、厚さ方向zにおける寸法(高さH1)が0.01〜0.2mm程度である。
【0049】
複数の突起210は、主走査方向xにおける位置に応じて高さが異なるものを含む。図8(b)に示すように、本実施形態においては、ケース200における当該突起210の主走査方向xでの位置が、ケース200の一端側から他端側に向かうにつれて、突起210の高さが高くされている。突起210それぞれの具体的な高さを例示すると、図8における左側(低い方)から順に、0.013mm、0.025mm、0.038mm、0.05mm程度である。なお、図8(b)においては、突起210の高さを実際より強調して表している。
【0050】
レンズユニット400をケース200(レンズユニット収容部240)に収容する際、レンズホルダ420の底部がレンズユニット収容部底面241あるいは突起210に当接する。レンズホルダ420とレンズユニット収容部底面241あるいは突起210との当接により、レンズユニット400の主走査方向xにおける各所において、ケース200に対するレンズユニット400の厚さ方向zの位置が規定される。
【0051】
基板収容部250は、ケース200において基板500を収容する部分であり、厚さ方向の他方(図9図10では下方)に開口している。基板収容部250は、基板収容部底面251を有する。基板500をケース200(基板収容部250)に収容する際、基板500の底部が基板収容部底面251に当接する。基板500と基板収容部底面251との当接により、基板500の主走査方向xにおける各所において、ケース200に対する基板500の厚さ方向zの位置が規定される。
【0052】
接着剤設置領域245は、レンズユニット400固定用の接着剤280を塗布するための凹部である。本実施形態において、図8(a)に示すように、接着剤設置領域245は、主走査方向xに離間して3箇所に形成されている。接着剤設置領域245は、レンズユニット収容部240の副走査方向y両側の壁面を部分的に退避させた形状である。
【0053】
本実施形態においては、ケースの上部にはガラスカバー290が取り付けられている。ガラスカバー290は、ケース200の上端開口を塞いでいる。
【0054】
次に、イメージセンサモジュール101の作用について説明する。
【0055】
本実施形態においては、ケース200のレンズユニット収容部底面241には、突起210が設けられている。レンズユニット400がレンズユニット収容部240(ケース200)に収容された状態において、レンズユニット400(レンズホルダ420)とレンズユニット収容部底面241あるいは突起210との当接により、レンズユニット400の主走査方向xにおける各所において、ケース200に対する(レンズユニット400の)厚さ方向zの位置が規定される。樹脂成形品であるケース200は、歪みが生じ得る。本実施形態によれば、ケース200の歪みに対応させるように突起210を設けることにより、ケース200に収容されるレンズユニット400と受光センサ600との位置関係を適切な範囲に維持することができる。したがって、ケース200の歪みに起因する不都合を解消ないし抑制することができる。
【0056】
なお、本実施形態と異なり、突起210を基板収容部底面251に設けてもよい。基板収容部底面251に突起210を設ける場合、この基板500に搭載れた受光センサ600のケース200に対する厚さ方向zの位置が規定されるので、レンズユニット400と受光センサ600との位置関係を適切に維持することができる。突起210は、必要に応じて、レンズユニット収容部底面241および基板収容部底面251のいずれか一方、あるいは両方に設けることができる。
【0057】
突起210は、主走査方向xにおいて間隔を隔てて複数設けられている。ケース200は主走査方向xに長尺であるところ、突起210を主走査方向xにおける適所に複数設ければ、ケース200の主走査方向xにおける位置に応じた歪みに対応させることができる。
【0058】
複数の突起210は、主走査方向xにおける位置に応じて高さが異なるものを含む。本実施形態において、複数の突起210は、ケース200における当該突起210の主走査方向xでの位置が、ケース200の一端側から他端側に向かうにつれて、突起210の高さが高くされている。ケース200に生ずる歪みの具体的な態様については、ケース200の形状や材質によって種々異なる。ケース200の歪み方に影響を与える要因としては、たとえば、主走査方向xに直角である断面形状や、ケース200の各部の重量バランス等がある。また、樹脂成形時において、ゲートに近い部位と当該ゲートから離れた部位とでは、歪みの出方に違いがある。そして、ケース200の形状、材質、樹脂成形金型の仕様が決まれば、樹脂成形後に生ずる歪みは同じ傾向が見られる。したがって、複数の突起210それぞれの高さは、突起210を設ける部位の歪みの大きさに応じて異ならせればよい。本実施形態では、ケース200の主走査方向xにおける一端側から他端側に向かうにつれて、突起210の高さが高くされている。これにより、ゲートから離れるほど歪みによる変形量が大きくなる場合に適切に対応させることができる。
【0059】
なお、本実施形態と異なり、ケース200における主走査方向xの一端側(樹脂材料の注入側)から他端側(樹脂材料の流路の終端側)に向かうにつれて、突起210の高さが低くなるようにしてもよい。したがって、複数の突起210それぞれの高さは、歪みの具体的な態様に合わせて、ケース200における主走査方向xでの位置が一端側から他端側に向かうにつれて漸次的に変化させてもよい。
【0060】
突起210は、レンズユニット収容部底面241の2つの部分底面241a,241bそれぞれに複数ずつ設けられている。このような構成によれば、ケース200に対するレンズユニット400の厚さ方向zの位置をより正確に規定することができる。
【0061】
複数の突起210は、樹脂材料によってケース200の一部として一体形成される。このような構成によれば、ケース200に突起を設けるに際し、樹脂成形金型の適所に突起210に対応する窪みを形成すればよい。したがって、ケース200の歪みに起因する不都合の改善を容易に行うことができる。
【0062】
レンズユニット400は、主走査方向xに配列される複数のレンズ410と、当該複数のレンズ410を保持するレンズホルダ420とを有する。レンズホルダ420は、樹脂製である。このような構成によれば、突起210をレンズホルダ420の所定部位に当接させて当該レンズホルダ420を部分的に僅かに変形させることができる。これにより、受光センサ600と、レンズホルダ420に保持されたレンズ410との距離を微調整することができる。このことは、イメージセンサモジュール101によって読み取られる画像データの画質を高めるのに適する。
【0063】
図14は、上記したイメージセンサモジュール101の変形例を示している。なお、図14において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0064】
図14は、ケース200の変形例を示している。同図に示したケース200において、複数の突起210の構成が上記実施形態と異なっている。本変形例においては、複数の突起210の配置および高さが上記実施形態と異なる。なお、図14において、理解の便宜上、突起210には斜線を付している。
【0065】
本変形例では、レンズユニット収容部底面241の部分底面241a,241bそれぞれにおいて、主走査方向xに7つずつの突起210が形成される。図14(b)に示すように、本実施形態においては、ケース200における当該突起210の主走査方向xでの位置が、ケース200の端部から中央に向かうにつれて、突起210の高さが高くされている。なお、図14(b)においては、突起210の高さを実際より強調して表している。
【0066】
このような構成によっても、ケース200に収容されるレンズユニット400と受光センサ600との位置関係を適切な範囲に維持することができる。なお、図14に示した態様と異なり、ケース200における主走査方向xの端部から中央に向かうにつれて、突起210の高さが低くなるようにしてもよい。したがって、複数の突起210それぞれの高さは、ケース200における主走査方向xでの位置が端部から中央に向かうにつれて漸次的に変化させてもよい。本変形例は、ケース200の主走査方向xにおける端部と中央とで歪みの程度が異なる場合に適する。なお、図14に示した構成に代えて、ケース200の主走査方向xにおける中央に1つの突起210を設けてもよい。
【0067】
本発明に係るイメージセンサモジュールは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るイメージセンサモジュールの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0068】
101 イメージセンサモジュール
200 ケース
210 突起
220 帯状壁部
230 発光ユニット収容部
231 導光体ケース収容部
232 LEDモジュール収容部
240 レンズユニット収容部
241 レンズユニット収容部底面
241a,241b 部分底面
245 接着剤設置領域
250 基板収容部
251 基板収容部底面
260 連通孔
270,280 接着剤
290 ガラスカバー
300 発光ユニット
310 LEDモジュール
320 リード
321 ダイボンディング部
322 端子部
330 LEDケース
331 凹部
341,342,343 LEDチップ
345 ツェナーダイオード
350 透光樹脂
360 導光体
361 入射面
362 反射面
363 出射面
365 導光体ケース
400 レンズユニット
410 レンズ
420 レンズホルダ
500 基板
510 コネクタ
600 受光センサ
x 主走査方向(第1方向)
y 副走査方向(第3方向)
z 厚さ方向(第2方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14