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特開2016-220138通信装置、中継方法、および有効性確認応答方法、並びにコンピュータ・プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-220138(P2016-220138A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】通信装置、中継方法、および有効性確認応答方法、並びにコンピュータ・プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   H04L12/28 200Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-105632(P2015-105632)
(22)【出願日】2015年5月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】古野 外裕
(72)【発明者】
【氏名】岡野 哲也
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA03
5K033AA06
5K033CB01
5K033CB13
5K033EA01
5K033EA04
(57)【要約】
【課題】 ユニキャスト転送の対象としていたアドレスから、所定の有効時間を超えて通信フレームを受信しなかった場合に、他のポートに接続されるネットワークにおける帯域の圧迫を軽減する通信装置などを提供する。
【解決手段】 本発明の第1の通信装置は、第1の通信フレームを受信した後、第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを受信したとき、第2の通信フレームを、第1の通信フレームの受信ポートに対してユニキャスト転送する中継制御部と、その送信元から通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、送信元アドレスに対する通信可否を問い合わせる有効性確認要求を送信する有効性問合せ部を含み、中継制御部は、有効性確認要求に対して、送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する第2の通信フレームをフラッディング転送する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポートと、
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを受信したとき、前記第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行う中継制御手段と、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、前記有効性確認要求に対する応答である有効性確認応答を受信可能な有効性問合せ手段を含み、
前記中継制御手段は、前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の前記各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う
第1の通信装置。
【請求項2】
前記中継制御手段は、
前記有効性確認要求の送信以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して前記フラッディング転送を行い、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られた場合に、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して再び前記ユニキャスト転送を行う
請求項1記載の第1の通信装置。
【請求項3】
前記中継制御手段は、
前記第1の通信フレームを受信した際、少なくとも前記第1の通信フレームの送信元アドレスを表すアドレス情報、前記受信ポートを表すポート情報、および、前記送信元アドレスの有効性に関する状態を表す状態情報を含むアドレスエントリを含む中継情報を生成し、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合に、前記送信元アドレスに対する前記アドレスエントリを前記中継情報から削除し、
前記アドレスエントリに基づいて前記ユニキャスト転送または前記フラッディング転送を行う
請求項1または2記載の第1の通信装置。
【請求項4】
前記有効性問合せ手段は、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いた後、所定期間において、前記送信元アドレス宛ての通信フレームを受信した回数の値を表すヒット数情報に基づいて、前記有効性確認要求の送信を行う
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の第1の通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4記載の第1の通信装置から、前記有効性確認要求を受信し、少なくとも、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であると認識した場合に、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、前記第1の通信装置に対して送信する有効性応答手段を含む
第2の通信装置。
【請求項6】
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての通信フレームを受信したとき、前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行い、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、
前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う
中継方法。
【請求項7】
前記有効性確認要求の送信以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して前記フラッディング転送を行い、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られた場合に、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して再び前記ユニキャスト転送を行う
請求項6記載の中継方法。
【請求項8】
請求項6または7記載の中継方法において送信された前記有効性確認要求を受信し、
少なくとも、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であると認識した場合に、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、前記有効性確認要求の送信元に対して送信する
有効性確認応答方法。
【請求項9】
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを受信したとき、前記第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行う中継制御処理と、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、前記有効性確認要求に対する応答である有効性確認応答を受信可能な有効性問合せ処理をコンピュータに実行させる第1のコンピュータ・プログラムであって、
前記中継制御処理において、
前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う
第1のコンピュータ・プログラム。
【請求項10】
請求項10記載の前記有効性確認要求を受信し、
少なくとも、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であると認識した場合に、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、前記第1の通信装置に対して送信する有効性応答処理を
コンピュータに実行させる第2のコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおける通信フレームの中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の中継装置を介して通信フレームが中継される通信ネットワークにおいて、中継装置が、受信した通信フレームを中継する経路を学習によって管理することが一般的である。例えば、スパニングツリープロトコルと呼ばれるIEEE802.1Dに準拠したフィルタリングデータベース機能を有する中継装置は、受信したレイヤ2(L2)フレームの送信元MAC(Media Access Control)アドレスを学習することが知られている。このような中継装置は、受信したL2フレームの送信元MACアドレスを、フレームを受信した受信ポートに対応づけて、フィルタリングデータベース(学習した情報)に登録する。そして、この中継装置は、その後受信するL2フレームの宛先MACアドレスがフィルタリングデータベースに登録されている(学習済みの)場合、対応付けられた受信ポートに対して、受信したL2フレームを送信する(ユニキャスト転送)。一方、中継装置は、受信したL2フレームの宛先MACアドレスが学習されていない場合、そのL2フレームを受信したポートを除く、すべてのポートに対してそのL2フレームを送信する(フラッディング転送)。このフィルタリングデータベースは、無効となった古いMACアドレスを定期的に削除するというエージング監視によって管理されることが知られている。
【0003】
このような学習した情報の管理に関連する技術として、例えば、特許文献1には、通信環境の変化に対応して学習情報を更新する中継装置が開示されている。この特許文献1に記載された中継装置は、イーサネット(登録商標)フレームを受信すると、送信元MACアドレスと、そのイーサネットフレームの受信ポートとの対応を、学習情報として記憶する。そして、この中継装置は、カプセル化フレームによって通信環境の変化後に有効となる学習情報を他の中継装置から受信することにより、環境変化後に有効な学習情報がまったくなくなることを防ぐ。このようにして、この中継装置は、通信環境が変化した場合もフラッディングの発生を抑制することができる。また、この中継装置における学習情報管理部は、一定周期で学習テーブルを順にサーチし、学習されている各エントリのエージング値に1を加算する。学習情報管理部は、この加算の結果、エージング値が所定値を超えた場合に、そのエントリを削除する。
【0004】
また、特許文献2には、複数の拠点を複数の広域イーサネット網で接続したネットワークにおいて、複数の端末装置のMACアドレスとポートの対応関係を登録するMACアドレステーブルを管理する通信方法が開示されている。この特許文献2に記載された通信方法においては、各イーサネット網の間を接続する複数経路同報スイッチングハブが、定期的に直接接続されている端末装置の端末の情報(MACアドレスを送信元としたフレーム)を他の複数経路同報スイッチングハブへ送信する。他の複数経路同報スイッチングハブは、受信した端末の情報によってMACアドレステーブルを更新する。このようにして、複数経路同報スイッチングハブは、接続中の(有効な)端末装置の情報が、他のスイッチングハブのMACアドレステーブルから削除されることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−019391号公報
【特許文献2】特開2014−082803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された中継装置は、ユニキャスト転送の対象としていたMACアドレスを送信元とするL2フレームを有効時間内に受信しなかった場合、自身に接続されたすべてのネットワークにおける帯域を圧迫するという問題がある。すなわち、この中継装置は、もし、学習済み(ユニキャスト転送対象)のMACアドレスを持つ通信装置が通信可能であっても、当該通信装置がその中継装置を経由する送信を一定時間において行わなければ、フラッディング転送してしまうという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示された通信方法においては、複数経路同報スイッチングハブが、必要のない端末情報を送信することによって、常にネットワークの帯域を消費するという問題がある。この理由は、複数経路同報スイッチングハブが、端末自身から送信されるフレームがある場合であっても、他に端末情報を送信するからである。
【0008】
本発明の1つの目的は、ユニキャスト転送の対象としていたアドレスを送信元とする通信フレームを、所定の有効時間を超えて受信しなかった場合に、他のポートに接続されるネットワークの帯域が圧迫されることを軽減する通信装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成すべく、本発明の一態様に係る第1の通信装置は、以下の構成を備えることを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明の一態様に係る第1の通信装置は、
複数のポートと、
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを受信したとき、前記第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行う中継制御手段と、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、前記有効性確認要求に対する応答である有効性確認応答を受信可能な有効性問合せ手段を含み、
前記中継制御手段は、前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の前記各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う。
【0011】
また、上記の同目的を達成すべく、本発明の一態様に係る中継方法は、情報処理装置によって、
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての通信フレームを受信したとき、前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行い、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、
前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う。
【0012】
また、同目的は、上記の各構成を有する第1の通信装置、並びに対応する方法を、それぞれコンピュータによって実現するコンピュータ・プログラム、およびそのコンピュータ・プログラムが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明には、フラッディング転送が行われる時間を削減するという効果がある。これによって、本発明には、中継装置に接続されるネットワークの帯域が圧迫されることを軽減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】第2および第3の実施形態に係る通信システムにおける通信環境の一例を示す構成図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るフレーム中継装置100、110および120の構成を示すブロック図である。
図4】第2の実施形態におけるフレーム中継装置100の中継情報104の一例を示す図である。
図5】第2の実施形態における中継情報104の状態の変化を示す状態遷移図である。
図6】第2の実施形態においてフレーム中継装置100および110が行う動作を示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態の変形例におけるフレーム中継装置100の中継情報104の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態の変形例における中継情報104の状態の変化を示す状態遷移図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係るフレーム中継装置300、310および320の構成を示すブロック図である。
図10】本発明の各実施形態、および、その変形例に係る通信システムに適用可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、本実施形態に係る通信システムは、第1の通信装置1、および第2の通信装置10を含む。
【0017】
第1の通信装置1、および第2の通信装置10は、構内LAN(ローカルエリアネットワーク)またはインターネット等の通信ネットワーク(以下、単にネットワークと称する)を介して通信可能に接続される。第1の通信装置1は、第2の通信装置10、および接続されているその他の通信装置(図示せず)等との間で行われる通信に係る通信フレームを中継することができるフレーム中継装置等として動作することができる。第2の通信装置10は、第1の通信装置1を介して、図示しないその他の通信装置と通信を行う端末装置、またはフレーム中継装置として動作することができる。
【0018】
第1の通信装置1、および第2の通信装置10は、CPU(Central Processing Unit:図示せず)を用いて実行されるコンピュータ・プログラム(ソフトウェア・プログラム)の制御により動作する一般的な情報処理装置(コンピュータ)によって構成されても良い。または、第1の通信装置1、および第2の通信装置10の各部が、専用のハードウェアデバイス、または論理回路によって構成されても良い。なお、この第1の通信装置1、および第2の通信装置10をコンピュータによって実現したハードウェア構成例については、図10を参照して後述する。
【0019】
第1の通信装置1は、通信制御部2、中継制御部3、有効性問合せ部4、および複数のポート5を含む。
【0020】
通信制御部2は、各ポート5を介して、接続される第2の通信装置10、および図示しない通信装置等に対する通信を行うことができる。
【0021】
中継制御部3は、通信制御部2を介して第1の通信フレームを受信した後、第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを受信したとき、その第2の通信フレームをユニキャスト転送する。ユニキャスト転送とは、第1の通信フレームを、その通信フレームを受信したポート5(以下、「受信ポート」という)に対して送信する中継方法である。また、中継制御部3は、後述する有効性問合せ部4が第1の通信フレームの送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られなかった場合、それ以降に受信する、その送信元アドレス宛ての第2の通信フレームをフラッディング転送する。フラッディング転送とは、第2の通信フレームを、その通信フレームを受信したポート5以外の各ポート5に対して送信する中継方法である。
【0022】
有効性問合せ部4は、第1の通信フレームを受信した後、その送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、その送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を送信する。有効性問合せ部4は、有効性確認要求を、第1の通信フレームを受信したポート5である受信ポートに対して送信する。また、有効性問合せ部4は、有効性確認要求に対する応答である有効性確認応答を受信することができる。有効性問合せ部4は、受信した有効性確認応答の内容、および有効性確認応答がなかったことを中継制御部3に対して通知してもよい。
【0023】
第2の通信装置10は、通信制御部11、および有効性応答部12を含む。図1においては、第2の通信装置10のポートは省略されている。第2の通信装置10は、ポートを複数含んでいてもよい。
【0024】
通信制御部11は、図示しない(各)ポートを介して、接続される第1の通信装置1、および図示しない通信装置等に対する通信を行うことができる。
【0025】
有効性応答部12は、通信制御部11を介して、第1の通信装置1から有効性確認要求を受信する。そして、有効性応答部12は、少なくとも、有効性確認要求の対象である(すなわち、第1の通信フレームの)送信元アドレス宛ての通信が可能であると認識した場合に、その送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、第1の通信装置1に対して送信する。
【0026】
次に、上述した構成を備える本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0027】
第1の通信装置1の中継制御部3は、あるポート5(受信ポート)を介して、第1の通信フレームを受信したとき、その第1の通信フレームの送信元アドレスを持つノード(以下、「送信元ノード」と言う)が受信ポートの先において通信可能な状態であると認識する。具体的には、図1において、第1の通信フレームとは、第2の通信装置10から受信した通信フレームである。第1の通信フレームは、第2の通信装置10に接続された第1の通信装置1以外の送信元ノードから受信した通信フレームを、第1の通信装置1に対して中継(送信)した通信フレームであってもよい。または、第2の通信装置10自身が、第1の通信フレームを発した送信元ノードであってもよい。そして、中継制御部3は、この認識に基づいて、その後受信する、その送信元アドレス宛ての通信フレームを受信ポート(すなわち第2の通信装置10)に対してユニキャスト転送する。
【0028】
その後、所定の有効時間を超えて、第1の通信フレームの送信元ノードから通信フレームを受信しない状態が続いた場合、送信元ノードが通信可能ではなくなった可能性がある。そこで、有効性問合せ部4が、その送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、受信ポート(第2の通信装置10)に対して送信する。
【0029】
第2の通信装置10では、有効性応答部12が、有効性確認要求を受信する。有効性応答部12は、送信元アドレスを持つ送信元ノード(第2の通信装置10自身、または第2の通信装置10に接続される通信装置)が通信可能と判断した場合に、その送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、第1の通信装置1に対して送信する。
【0030】
第2の通信装置10は、その送信元ノードが発した通信フレームが第1の通信装置1に対して送信されていなかったとしても、送信元ノードが通信可能であることを認識できる可能性がある。例えば、第2の通信装置10は、所定の有効時間においても、その送信元ノードが発した通信フレームを受信し続けていた可能性がある。また、第2の通信装置10自身が送信元ノードである場合、第2の通信装置10は、その送信元アドレスに対する通信が可能な状態であることを当然知りうる。送信元ノードが通信可能かどうかを判断する具体的な方法は、よく知られた一般的な技術を採用することができるので、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0031】
第1の通信装置1の中継制御部3は、有効性問合せ部4を介して、送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、少なくともその受信ポートの先では、その送信元アドレスに対する通信が可能ではなくなったと認識する。そして、中継制御部3は、それ以降に受信する、その送信元アドレス宛ての各通信フレーム(第2の通信フレーム)をフラッディング転送する。この結果、もし、その送信元アドレスを持つ送信元ノードが他のポート5の先で通信可能となっていれば、第2の通信フレームは、フラッディング転送によって、他のポート5を介する新たな経路を介して、送信元ノードに到達可能である。
【0032】
中継制御部3は、有効性問合せ部4を介して、送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られた場合、その送信元アドレスに対する中継方法を特に変更しなくてもよい。すなわち、中継制御部3は、有効性確認応答によって送信元アドレス宛ての通信が可能であることを確認できたので、その送信元アドレスに対して、受信ポートへのユニキャスト転送を継続することができる。
【0033】
このようにして、本実施形態は、送信元アドレスに対する通信が可能であるにもかかわらず、他のポート5に対してフラッディング転送が行われる可能性を低減することができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態は、ユニキャスト転送の対象としていたアドレスを送信元とする通信フレームを、所定の有効時間を超えて受信しなかった場合に、他のポート5に接続されるネットワークの帯域が圧迫されることを軽減することができる。
【0035】
その理由は、その送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、有効性問合せ部4が、送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を送信するからである。そして、中継制御部3は、有効性確認要求に対する有効性確認応答により、その送信元アドレスに対する通信が可能であることが確認できなかった場合に、フラッディング転送を行うからである。すなわち、中継制御部3は、そのアドレスを送信元とする通信フレームを所定の有効時間を超えて受信しなかったとき、すぐユニキャスト転送を止めてフラッディング転送に切り替えてしまう場合に比べて、無駄なフラッディング転送を行う可能性が低いと言える。
【0036】
なお、本実施形態の変形例としては、以下のようなものが考えられる。
【0037】
例えば、第2の通信装置10の有効性応答部12は、送信元ノードが通信可能ではないと判断した場合、その送信元アドレス宛ての通信が不可能であることを表す有効性確認応答を送信してもよい。または、有効性応答部12は、有効性確認応答を送信しないことによって、その送信元アドレス宛ての通信が不可能であることを示してもよい。この変形例において、第1の通信装置1の有効性問合せ部4および中継制御部3は、通信不可能であることを表す有効性確認応答を受信した場合、および所定の時間までに有効性確認応答を受信しない場合、通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られなかったと判断する。
【0038】
また、第1の通信装置1の有効性問合せ部4は、送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を受信した後、その送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたときは、再び有効性確認要求の送信以下の処理を行ってもよい。
【0039】
また、第1の通信装置1の通信制御部2は、有効性確認要求の送信以降に受信する送信元アドレス宛ての通信フレームに対して、フラッディング転送を行ってもよい。そして、通信制御部2は、送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られた場合に、それ以降に受信する送信元アドレス宛ての通信フレームに対して、再びユニキャスト転送を行ってもよい。すなわち、この変形例において、通信制御部2は、送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたタイミングで、中継方法をフラッディング転送に変更してもよい。そして、通信制御部2は、有効性確認応答によって送信元アドレスに対する通信が可能であることが確認できたときに、ユニキャスト転送に戻してもよい。この変形例においても、フラッディング転送が行われる時間、およびそれによって他のポートに接続されるネットワークの帯域が圧迫される時間が短くなるという効果がある。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第2の実施形態について説明する。以下では、第2の実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明し、第1の実施形態と同様な構成を有する第2の実施形態の構成要素には、第1の実施形態で付した参照符号と同一の参照符号を付し、その構成要素について重複する詳細な説明は省略する。
【0041】
まず、図2を参照して、以下に本実施形態の構成を説明する。図2は、第2および第3の実施形態に係る通信システムにおける通信環境の一例を示す構成図である。図2を参照すると、本実施形態に係る通信システムは、フレーム中継装置100、110および120(以下では「フレーム中継装置100〜120」と言う)と、それぞれに接続される端末200、210、220および230(以下では「端末200〜230」のように言う)とを含む。
【0042】
フレーム中継装置100は、端末200、フレーム中継装置110、およびフレーム中継装置120と通信可能に接続される。フレーム中継装置110は、フレーム中継装置100以外に、端末210および230と通信可能に接続される。フレーム中継装置120は、フレーム中継装置100以外に、端末220と通信可能に接続される。フレーム中継装置100〜120、および、端末200〜230は、構内LANまたはインターネット等の通信ネットワークを介して、上述したように接続される。
【0043】
フレーム中継装置100〜120は、それぞれに接続されている2つの装置の間で行われる通信に係る通信フレームを中継することができる。例えば、端末200は、フレーム中継装置100、およびフレーム中継装置110を介して、端末210と通信することができる。また、端末200は、フレーム中継装置100、およびフレーム中継装置120を介して、端末220と通信することができる。端末210は、フレーム中継装置110、およびフレーム中継装置120を介して、端末220と通信することができる。
【0044】
フレーム中継装置100〜120、および端末200〜230は、CPUを用いて実行されるコンピュータ・プログラム(ソフトウェア・プログラム)の制御により動作する一般的な情報処理装置(コンピュータ)によって構成されても良い。または、フレーム中継装置100〜120、および端末200〜230の各部が、専用のハードウェアデバイス、または論理回路によって構成されても良い。なお、このフレーム中継装置100〜120、および端末200〜230をコンピュータによって実現したハードウェア構成例については、図10を参照して後述する。
【0045】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るフレーム中継装置100、110および120の構成を示すブロック図である。フレーム中継装置100〜120は、それぞれ、通信制御部2、中継制御部3、有効性問合せ部4、複数のポート5、および有効性応答部12を含む。本実施形態における中継制御部3は、一具体例として、中継情報管理部101、中継部102、および、中継情報104を保存可能な記憶装置103を含む。記憶装置103は、例えば、半導体メモリ装置またはディスク装置などにより実現される。
【0046】
本実施形態における通信制御部2、中継制御部3、有効性問合せ部4、複数のポート5、および有効性応答部12は、第1の実施形態において同じ参照符号を付した各構成を基本とする。本実施形態では、フレーム中継装置100〜120は、第1の実施形態における第1の通信装置1および第2の通信装置10を基本とする。フレーム中継装置100〜120は、第1の実施形態における第1の通信装置1または第2の通信装置10として、それぞれ動作することが可能である。また、本実施形態における中継制御部3は、背景技術欄において上述した学習によって、送信元MACアドレスとポート5との対応関係を中継情報104として記憶する点が上述した第1の実施形態と異なる。本実施形態におけるフレーム中継装置100〜120は、中継情報104に基づいて、第1の実施形態における第1の通信装置1および第2の通信装置10が実現する通信フレームの転送およびアドレスの有効性管理等の各機能を実現する。本実施形態における「MACアドレス」は、第1の実施形態におけるアドレスを基本とした一具体例である。
【0047】
本実施形態における通信制御部2、ポート5の構成および機能は、第1の実施形態と同様であるので、重複する詳細な説明は省略する。
【0048】
中継情報104は、中継情報管理部101によって生成および管理される。また中継情報104は、記憶装置103に記憶される情報である。中継情報104は、背景技術欄において、フィルタリングデータベースとして上述された学習情報の一例である。中継情報104は、複数のMACアドレスエントリ(単に「アドレスエントリ」とも言う)を含む。各MACアドレスエントリは、少なくとも「MACアドレス」、「ポート番号」、「状態」の各欄を含む。本実施形態における中継情報104は、さらに「VLANID(Virtual LAN Identifier)」欄を含む。
【0049】
「MACアドレス」欄は、MACアドレス情報を含む。「ポート番号」欄は、対応づけられた「MACアドレス」欄に格納されるMACアドレス情報(以下では、「対応するMACアドレス」と言う)を送信元アドレスとする通信フレームが受信されたポート5を表すポート番号情報を含む。「VLANID」欄は、対応するMACアドレスが関連づけられているVLANのIDを表すVLANID情報を含む。「状態」欄は、対応するMACアドレスの有効性に関する状態を表す状態情報を含む。本実施形態では、状態情報は、一例として、「有効」および「確認中」がある。「有効」は、対応するMACアドレスに対する通信が可能な状態であることを表す。「確認中」は、対応するMACアドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求に対する応答を待っていることを表す。
【0050】
なお、本実施形態の効果は、中継情報104にVLANID情報を含まない場合でも、実現可能である。フィルタリングデータベースにおいては、MACアドレス情報とVLANID情報とが、組み合わされた単位によって管理されることが一般的である。本実施形態は、その一般的なフィルタリングデータベースに対して、「状態」欄を加えた形態として実現された具体例である。
【0051】
本実施形態においては、MACアドレス情報は、常にVLANID情報と組み合わせた情報として扱われる。異なるVLANID情報と組み合わされた同じMACアドレス情報は、異なる情報として個別に扱われる。以下の説明においては、「VLANID」および「VLANID情報」の記述を省略する。すなわち、「MACアドレス」または「MACアドレス情報」という記述をもって、「MACアドレスとVLANIDとの組み合わせ」または「MACアドレス情報とVLANID情報とを組み合わせた情報」という記述として読み替えることができる。例えば、「通信フレームから送信元MACアドレス情報を取得した」という場合、「送信元MACアドレス情報に組み合わされたVLANID情報も、当該通信フレームから取得した」と読み替えることができる。
【0052】
本実施形態における中継制御部3の機能は、中継情報管理部101、および中継部102が、記憶装置103に記憶された中継情報104を介して連携動作することによって実現される。すなわち、第1の通信フレームを受信した際、中継情報管理部101が、第1の通信フレームの送信元アドレスと、第1の通信フレームを受信したポート5(受信ポート)とを関連付けたMACアドレスエントリを、中継情報104に登録する。そして、中継情報管理部101は、登録された送信元アドレス宛ての通信の可能である程度(有効性)に応じて、MACアドレスエントリを管理する。
【0053】
中継部102は、中継情報管理部101によって管理される中継情報104のMACアドレスエントリに基づいて、受信した通信フレームの中継(ユニキャスト転送またはフラッディング転送)を行う。
【0054】
また、中継情報管理部101は、中継情報104に登録した送信元MACアドレス(MACアドレスエントリ)に対するエージング監視を行う。エージング監視とは、所定の有効時間以内に再び同じ送信元アドレスの通信フレームを受信するかどうかを監視することである。中継情報管理部101は、有効なMACアドレスエントリとして登録された送信元アドレスを送信元とする通信フレームを、所定の有効時間を超えて受信しない(エージング監視がタイムアウトした)場合、有効性問合せ部4に対して、有効性確認の実施を指示する。また、中継情報管理部101は、有効性問合せ部4から、有効性確認応答の内容を得る。
【0055】
本実施形態における中継制御部3の上述した以外の構成及び機能は、第1の実施形態における中継制御部3と同様であるので、重複する詳細な説明は省略する。
【0056】
有効性問合せ部4は、上述した通り、中継情報管理部101の指示に基づいて、有効性確認要求を送信する。そして、有効性確認応答を受信したとき、有効性問合せ部4は、中継情報管理部101に対して、有効性確認応答の内容を通知する。本実施形態における有効性問合せ部4の上述した以外の構成及び機能は、第1の実施形態における有効性問合せ部4と同様であるので、重複する詳細な説明は省略する。
【0057】
有効性応答部12は、通信制御部2を介して、他のフレーム中継装置100〜120から有効性確認を受信する。また、有効性応答部12は、有効性確認要求の対象である送信元アドレス宛ての通信が可能であるかどうかを、中継情報管理部101を介して、中継情報104を検索することにより判断することができる。本実施形態における有効性応答部12の上述した以外の構成及び機能は、第1の実施形態における有効性応答部12と同様であるので、重複する詳細な説明は省略する。
【0058】
次に、上述した構成を備える本実施形態の動作について詳細に説明する。上述した通り、フレーム中継装置100〜120は、それぞれが同じ構成および機能を有する。以下では、一例として、フレーム中継装置100が、フレーム中継装置110を介して、端末200と端末210との間の通信フレームを中継する際の動作を説明する。図6は、第2の実施形態においてフレーム中継装置100および110が行う動作を示すフローチャートである。
【0059】
また、以下で説明する具体例において、端末200および210の各MACアドレス情報は、それぞれ「a1」および「a2」であることを前提とする。フレーム中継装置100において、端末200、フレーム中継装置110、およびフレーム中継装置120と接続される各ポート5のポート番号は、「110」、「111」、および「112」であることを前提とする。端末200および210が属するVLANのVLANIDは、「4000」であることを前提とする。
【0060】
例えば、フレーム中継装置100が、フレーム中継装置110を介して、端末210が端末200に対して送信した通信フレーム(第1の通信フレーム)を初めて受信する。すると、フレーム中継装置100では、中継情報管理部101が、通信制御部2を介して、第1の通信フレームを受信する。そして、中継情報管理部101は、受信した通信フレームの送信元MACアドレスを有効状態のMACアドレスエントリとして中継情報104に登録する(ステップA100)。
【0061】
図5を参照して、中継情報管理部101が、各MACアドレスの状態を管理する際の動作の詳細を説明する。図5は、第2の実施形態における中継情報104の状態の変化を示す状態遷移図である。図5において、「エントリ無し」の状態S1、「有効」の状態S2、および「確認中」の状態S3は、あるMACアドレスに対するMACアドレスエントリの有効性に関する各管理状態を示す。以下では、例えば、「エントリ無し」の状態S1を「エントリ無し(S1)状態」のように記述する。
【0062】
エントリ無し(S1)状態は、そのMACアドレスの情報を含むMACアドレスエントリが中継情報104に登録されていない(以下、「MACアドレスが中継情報104に登録されていない」のように言う)ことを表す。有効(S2)状態は、そのMACアドレスの情報を含むMACアドレスエントリが中継情報104に登録されており、かつ有効な状態であることを表す。有効な状態とは、所定の有効時間以内に、そのMACアドレスを送信元アドレスとする通信フレームを受信した状態である。確認中(S3)状態は、そのMACアドレスを送信元アドレスとする通信フレームを最後に受信してから、所定の有効時間を超えたことを表す。この確認中(S3)状態は、そのMACアドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求の送信、およびその有効性確認要求への応答を待っている状態でもある。
【0063】
ステップA100において、中継情報管理部101は、端末210が送信した第1の通信フレームを受信したとき、その送信元MACアドレスに基づいて中継情報104を検索する。そして、中継情報管理部101は、その送信元MACアドレスが中継情報104に登録されていない(エントリ無し(S1)状態である)場合、送信元MACアドレスに対するMACアドレスエントリを有効(S2)状態として、中継情報104に登録する。図4は、第2の実施形態におけるフレーム中継装置100の中継情報104の一例を示す図である。具体的には、中継情報管理部101は、「MACアドレス」欄、「ポート番号」欄、「VLANID」欄および「状態」欄を、それぞれ「a2」、「111」、「4000」および「有効」という送信元である端末210に関する情報を含むMACアドレスエントリ(図4の2行目)を登録する。このようなMACアドレスエントリの登録により、端末210のMACアドレス「a2」の状態は、エントリ無し(S1)状態から有効(S2)状態へ遷移する(図5のC1)。
【0064】
中継部102は、この状態において、端末210(MACアドレス「a2」)宛ての通信フレームを受信したとき、有効(S2)状態のMACアドレスエントリに基づいて、その受信した通信フレームをユニキャスト転送することができる。例えば、端末200から端末210宛ての通信フレームを受信したとき、中継部102は、中継情報104のMACアドレス「a2」に対応する「ポート番号」欄に基づいて、その通信フレームをポート番号「111」のポート5に対して転送する。
【0065】
なお、中継部102は、ステップA100において受信した第1の通信フレームを、その受信時点における中継情報104に基づいて転送する。第1の通信フレームの宛先である端末200のMACアドレス「a1」がエントリ無し(S1)状態である(MACアドレスエントリがない)場合、中継部102は、受信したポート5(ポート番号「111」)以外のすべて(ポート番号「110」および「111」)のポート5に対して転送する(フラッディング転送)。図7の1行目に示すように、有効(S2)状態の場合、中継部102は、対応するMACアドレスエントリに基づいて、ポート番号が「110」のポート5に対して、受信した通信フレームを転送する(ユニキャスト転送)。
【0066】
次に中継情報管理部101は、有効(S2)状態として登録した送信元MACアドレスに対するエージング監視を行う(ステップA101)。上述した通り、エージング監視とは、所定の有効時間以内に再び同じ送信元アドレスの通信フレームを受信するかどうかを監視することである。
【0067】
中継情報管理部101は、所定の有効時間内にエージング監視対象の送信元MACアドレス「a2」の通信フレームを再び受信したとき(ステップA102のNO)、そのMACアドレスの有効性が継続していると認識する(図5のC2)。そして、中継情報管理部101は、通信フレームを再び受信したときを始期として、そのMACアドレスに対するエージング監視を改めて開始する(ステップA101)。
【0068】
一方、所定の有効時間を超えてエージング監視対象の送信元MACアドレス「a2」の通信フレームを再び受信しなかった(タイムアウトした)とき(ステップA102のYES)、中継情報管理部101は、そのMACアドレスのエージング監視による有効時間切れと認識する。そして、中継情報管理部101は、その送信元MACアドレス「a2」に対するMACアドレスエントリの「状態」欄を「確認中」にする(ステップA103)。このようにして、端末210のMACアドレス「a2」の状態は、有効(S2)状態から確認中(S3)状態へ遷移する(図5のC3)。
【0069】
次に、中継情報管理部101は、有効性問合せ部4に対して、ステップA103において確認中(S3)状態としたMACアドレス「a2」に対する有効性確認の実施を指示する。有効性問合せ部4は、MACアドレス「a2」に対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を送信する(ステップA104)。具体的には、中継情報管理部101は、MACアドレス情報である「a2」と、MACアドレス「a2」に対応するポート番号情報およびVLANID情報とを併せて、有効性問合せ部4に対して通知する。有効性問合せ部4は、MACアドレス情報として「a2」、およびVLANID情報として「4000」を含む有効性確認要求を、通知されたポート番号「111」のポート5から送信する。
【0070】
送信された有効性確認要求は、ポート番号「111」のポート5を介して接続されるフレーム中継装置110に対して送られる。フレーム中継装置110においては、有効性応答部12が、通信制御部2を介して、MACアドレス「a2」に対する有効性確認要求を受信する(ステップB110)。
【0071】
フレーム中継装置110の有効性応答部12は、有効性確認要求の対象として指定されたMACアドレス「a2」の有効性を確認する(ステップB111)。本実施形態では、フレーム中継装置110においても、中継情報管理部101が、中継情報104の生成および管理を行っている。有効性応答部12は、一具体例として、フレーム中継装置110における中継情報104に基づいて、MACアドレスの有効性を確認する。例えば、有効性応答部12は、中継情報104にMACアドレス「a2」が存在する状態(図5)である場合に、MACアドレス「a2」が有効(通信可能)であると判断してもよい。または、有効性応答部12は、中継情報104にMACアドレス「a2」に対して、状態欄が「有効」であるMACアドレスエントリが存在する場合に、MACアドレス「a2」が有効であると判断してもよい。
【0072】
有効性応答部12は、有効性確認要求の対象であるMACアドレス「a2」の有効性を表す有効性確認応答を、有効性確認要求の送信元に対して送信する(ステップB112)。すなわち、MACアドレス「a2」が有効であった場合、有効性応答部12は、MACアドレス「a2」が有効(通信が可能)であることを表す有効性確認応答を、フレーム中継装置100に対して送信する。MACアドレス「a2」が有効でなかった場合、有効性応答部12は、MACアドレス「a2」が有効でない(通信が不可能である)ことを表す有効性確認応答を、フレーム中継装置100に対して送信してもよい。または、有効性応答部12は、有効性確認応答を送らないことによってMACアドレス「a2」が有効でないことを表してもよい。
【0073】
フレーム中継装置100においては、有効性問合せ部4が、通信制御部2を介して、有効性確認応答を受信する(ステップA105)。有効性問合せ部4は、受信した有効性確認応答の内容を中継情報管理部101に対して通知する。また、有効性問合せ部4は、有効性確認要求を送信した後、所定の時間内に有効性確認応答を受信しなかった場合、MACアドレスが有効でないことを、有効性確認応答の内容として中継情報管理部101に対して通知してもよい。
【0074】
有効性問合せ部4から通知された有効性確認応答の内容が「確認対象のアドレス宛ての通信が可能」である場合(ステップA106のYES)、中継情報管理部101は、このMACアドレス「a2」を有効であると認識する。そして、中継情報管理部101は、MACアドレス「a2」に対するMACアドレスエントリの「状態」欄を「有効」にする(ステップA107)。このようにして、端末210のMACアドレス「a2」の状態は、確認中(S3)状態から有効(S2)状態へ遷移する(図5のC4)。すなわち、中継部102は、エージング監視がタイムアウトした(ステップA102のYES)後にもフラッディング転送することなく、MACアドレス「a2」(端末210)宛ての通信フレームを継続的にユニキャスト転送することができる。
【0075】
一方、有効性問合せ部4から通知された有効性確認応答の内容が「確認対象のアドレス宛ての通信が可能」でない場合(ステップA106のNO)、中継情報管理部101は、このMACアドレス「a2」を不要であると認識する。そして、中継情報管理部101は、MACアドレス「a2」に対するMACアドレスエントリを、中継情報104から削除する(ステップA120)。このようにして、端末210のMACアドレス「a2」の状態は、確認中(S3)状態からエントリ無し(S1)状態へ遷移する(図5のC5)。
【0076】
これ以降、中継部102は、MACアドレス「a2」(端末210)宛ての通信フレームを受信したとき、中継情報104を検索することにより、エントリ無し(S1)状態であることを認識する。そして、中継部102は、その通信フレームを受信した(ポート番号「111」)以外のすべてのポート5に対してフラッディング転送する。
【0077】
このようにして、フレーム中継装置100は、MACアドレスに対する通信が可能であるにもかかわらず、そのMACアドレス宛ての通信フレームがフラッディング転送される可能性を低減することができる。
【0078】
その理由は、フレーム中継装置100の有効性問合せ部4が、MACアドレスに対するエージング監視がタイムアウトした場合に、そのMACアドレスを持つ端末210により近いフレーム中継装置110に対してMACアドレス「a2」の有効性を問い合わせるからである。そして、中継情報管理部101が、フレーム中継装置110から、MACアドレス「a2」が有効(通信可能)であるという応答を受けた場合は、中継情報104からそのMACアドレス「a2」を削除しないからである。
【0079】
フレーム中継装置100においてMACアドレス「a2」に対するエージング監視がタイムアウトした場合であっても、フレーム中継装置110では、MACアドレス「a2」がまだ有効(S2)状態である可能性がある。フレーム中継装置110は、フレーム中継装置100のエージング監視中にも、例えば、端末210が端末230などに対して送信した通信フレームを転送している場合があるからである。すなわち、フレーム中継装置110の方が、そのMACアドレスを持つ端末210に対して遠いフレーム中継装置100に比べて、端末210のMACアドレスの有効性を正確に把握している可能性が高い。したがって、フレーム中継装置100が、より確度の高い情報を有するフレーム中継装置110に対してMACアドレスの有効性を問い合わせることによって、通信可能なMACアドレスに対する通信フレームがフラッディング転送されることを低減する効果があると期待できる。
【0080】
以上、説明したように、本実施形態には、上述した第1の実施形態と同様に、ユニキャスト転送の対象としていたアドレスを送信元とする通信フレームを、所定の有効時間を超えて受信しなかった場合に、他のポート5に接続されるネットワークの帯域が圧迫されることを軽減することができるという効果がある。
(第2の実施形態の変形例)
なお、本実施形態の変形例としては以下のようなものが考えられる。
【0081】
例えば、中継制御部3は、エージング監視のタイムアウト以外の条件に基づいて、MACアドレスの有効性確認を行ってもよい。そのような条件の一例として、中継制御部3は、確認中(S3)状態のMACアドレス宛ての通信フレームを受信した回数に基づいて、有効性確認を行うことができる。この場合、例えば、中継情報104の各MACアドレスエントリにヒット数情報を加えて管理してもよい。ヒット数情報とは、所定期間において、確認中(S3)状態のMACアドレス宛ての通信フレームを受信した回数(ヒット数)の値を表す情報である。図7は、第2の実施形態の変形例におけるフレーム中継装置100の中継情報104の一例を示す図である。
【0082】
図7を参照すると、本変形例では「ヒット数」欄が、各MACアドレスエントリに追加される点が第2の実施形態と異なる。中継情報管理部101は、ステップA103において、あるMACアドレスの状態を有効(S2)状態から確認中(S3)状態へ遷移させたとき、そのMACアドレスに対するMACアドレスエントリに含まれるヒット数情報を「0」に初期設定する。そして、中継情報管理部101は、有効性問合せ部4に対する有効性確認の実施の指示を見合わせる。すなわち、本変形例では、有効性確認要求の送信という動作(ステップA104)は、確認中(S3)に遷移した直後には行われない。
【0083】
中継情報管理部101は、確認中(S3)状態への遷移以降、所定期間において、当該MACアドレスを送信元とする通信フレームを受信する度に、そのヒット数情報の値を1ずつ加算する。すなわち、そのMACアドレスの状態は、確認中(S3)状態のままに留められる(図8のC6)。図8は、第2の実施形態の変形例における中継情報104の状態の変化を示す状態遷移図である。そして、中継情報管理部101は、ヒット数情報の値が所定のしきい値に達した際に、有効性問合せ部4に対して、そのMACアドレスに対する有効性確認の実施を指示する。有効性問合せ部4は、その指示を受けて、そのMACアドレスを送信元アドレスとする通信フレームを受信したポート5に対して、有効性確認要求を送信する(ステップA104)。本変形例における各部の動作は、上述した以外は第2の実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0084】
このようにして、本変形例における中継情報管理部101は、エージング監視がタイムアウトしたMACアドレスのうち、そのMACアドレスを宛先とする通信フレームが多い(ヒット数が多い)MACアドレスを抽出して、有効性の問合せを行うことができる。すなわち、本変形例は、第2の実施形態の効果をある程度維持しつつ、MACアドレスに対する有効性の問い合わせ回数を低減するという効果がある。したがって、有効性確認要求を受けるフレーム中継装置110等の負荷が低減できる。
【0085】
<第3の実施形態>
次に、上述した第2の実施形態を基本とする第3の実施形態について説明する。以下では、第3の実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明し、第2の実施形態と同様な構成を有する第3の実施形態の構成要素には、第2の実施形態で付した参照符号と同一の参照符号を付し、その構成要素について重複する詳細な説明は省略する。
【0086】
まず、図2および図9を参照して、以下に本実施形態の構成を説明する。図9は、本発明の第3の実施形態に係るフレーム中継装置300、310および320の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る通信システムは、フレーム中継装置300、310、および320(以下では「フレーム中継装置300〜320」と言う)と、それぞれに接続される端末200〜230とを含む。本実施形態に係る通信システムに含まれる各装置の接続関係、およびハードウェア構成は、「フレーム中継装置100〜120」のそれぞれを「フレーム中継装置300〜320」と読み替えれば、第2の実施形態と同様であるので、重複する詳細な説明は省略する。
【0087】
図9を参照すると、本実施形態に係るフレーム中継装置300〜320は、それぞれ通信制御部2、中継制御部3、有効性問合せ部4、複数のポート5、および有効性応答部12に加えて、有効性設定情報302を保存可能な記憶装置301を含む。記憶装置301は、例えば、半導体メモリ装置またはディスク装置などにより実現される。記憶装置301と記憶装置103とは、同じ装置であってもよい。
【0088】
本実施形態では、有効性設定情報302および記憶装置301を含む点が第2の実施形態と異なる。有効性設定情報302は、MACアドレスの有効性(通信可能であること)に関する設定を表す情報を含む。例えば、有効性設定情報302は、MACアドレス情報、VLANID情報、および有効または無効の情報を保持してもよい。有効性設定情報302は、例えば、あらかじめ保守者によって、フレーム中継装置300〜320に対して登録されてもよい。
【0089】
記憶装置301および有効性設定情報302以外の構成要素(通信制御部2、中継制御部3、有効性問合せ部4、複数のポート5、および有効性応答部12)は、第2の実施形態を基本とする。また、上述した第2の実施形態を基本とする構成要素の動作は、図6に示す第2の実施形態の各構成要素の動作を基本とする。以下では、本実施形態に係る特徴的な部分を説明し、第2の実施形態と同様な構成および動作に係る重複する説明は省略する。
【0090】
本実施形態では、MACアドレス(およびVLANID)の有効性を、有効性設定情報302に基づいて判断することができる。例えば、有効性応答部12は、図6のステップB111において、有効性確認要求で指定されたMACアドレス(およびVLANID)の有効性を確認する際に、有効性設定情報302に登録された内容にしたがって有効、または無効である(有効でない)ことを判断してもよい。
【0091】
または、中継情報管理部101は、有効性設定情報302に登録されているMACアドレス(およびVLANID)に対するエージング監視(ステップA101)以降の動作を行わなくてもよい。例えば、中継情報管理部101は、有効性設定情報302に登録されているMACアドレス(およびVLANID)に対して、常に有効性設定情報302に登録された内容にしたがって、有効(S2)状態またはエントリ無し(S1)状態として取り扱ってもよい。
【0092】
このようにして、本実施形態は、第2の実施形態と同様の効果をさらに向上することができる。例えば、有効性設定情報302において、あるMACアドレスが常に有効という情報を登録すれば、通信可能である当該MACアドレスに対するフラッディング転送が行われないようにする効果がある。反対に、有効性設定情報302において、あるMACアドレスが無効という情報を登録すれば、有効性確認応答部12の負荷が低減される。また、有効性確認応答が返るまでの時間が短くなるという効果がある。これらに加えて、有効性設定情報302に登録されたMACアドレスに対する有効性の問合せ処理の負荷が削減されるという効果もある。
【0093】
なお、上述した有効性応答部12および中継情報管理部101の各動作は、どちらか一方だけ実施されてもよい。
【0094】
なお、上述した各実施形態において図1乃至図3および図9に示した各部は、それぞれ独立したハードウェア回路で構成されていてもよいし、ソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捕らえることができる。ただし、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。このような場合のハードウェア環境の一例を、図10を参照して説明する。
【0095】
図10は、本発明の各実施形態、および、その変形例に係る通信システムに適用可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成を例示する図である。すなわち、図10は、上述した各実施形態における第1の通信装置1、第2の通信装置10、フレーム中継装置100、110、120、300、310および320、または、端末200、210、220および230の少なくとも何れかを実現可能なコンピュータの構成であって、上述した各実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を示す。
【0096】
図10に示したコンピュータ900は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903、通信インタフェース(IF)904、ディスプレイ905、およびハードディスク装置(HDD)906を備え、これらがバス907を介して接続された構成を有する。なお、図10に示したコンピュータが第1の通信装置1、第2の通信装置10、フレーム中継装置100、110、120、300、310および320、または、端末200、210、220および230として機能する場合、ディスプレイ905は常時設けられる必要はない。
【0097】
また、通信インタフェース904は、上述した各実施形態において、当該各コンピュータ間における通信を実現する一般的な通信手段である。ハードディスク装置906には、プログラム群906Aと、各種の記憶情報906Bとが格納されている。プログラム群906Aは、例えば、上述した図1乃至図3および図9に示した各ブロック(各部)に対応する機能を実現するためのコンピュータ・プログラムである。各種の記憶情報906Bは、例えば、図3および図9に示した中継情報104、および有効性設定情報302などである。このようなハードウェア構成において、CPU901は、コンピュータ900の全体の動作を司る。
【0098】
そして、上述した各実施形態を例に説明した本発明は、各実施形態の説明において参照したブロック構成図(図1乃至図3および図9)あるいはフローチャート(図6)の機能を実現可能なコンピュータ・プログラムを供給した後、そのコンピュータ・プログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して実行することによって達成される。また、このコンピュータ内に供給されたコンピュータ・プログラムは、読み書き可能な一時記憶メモリであるRAM903またはハードディスク装置906などの不揮発性の記憶デバイス(記憶媒体)に格納すれば良い。
【0099】
また、前記の場合において、当該各装置内へのコンピュータ・プログラムの供給方法は、フロッピーディスク(登録商標)やCD−ROM等の各種記録媒体を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信ネットワーク1000を介して外部よりダウンロードする方法等のように、現在では一般的な手順を採用することができる。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムを構成するコード、或いは係るコードが記録されたところの、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって構成されると捉えることができる。
【0100】
なお、上述した実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下の付記に限定されるものではない。
【0101】
(付記1)
複数のポートと、
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを受信したとき、前記第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行う中継制御手段と、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、前記有効性確認要求に対する応答である有効性確認応答を受信可能な有効性問合せ手段を含み、
前記中継制御手段は、前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の前記各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う
第1の通信装置。
【0102】
(付記2)
前記中継制御手段は、
前記有効性確認要求の送信以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して前記フラッディング転送を行い、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られた場合に、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して再び前記ユニキャスト転送を行う
付記1記載の第1の通信装置。
【0103】
(付記3)
前記中継制御手段は、
前記第1の通信フレームを受信した際、少なくとも前記第1の通信フレームの送信元アドレスを表すアドレス情報、前記受信ポートを表すポート情報、および、前記送信元アドレスの有効性に関する状態を表す状態情報を含むアドレスエントリを含む中継情報を生成し、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合に、前記送信元アドレスに対する前記アドレスエントリを前記中継情報から削除し、
前記アドレスエントリに基づいて前記ユニキャスト転送または前記フラッディング転送を行う
付記1または2記載の第1の通信装置。
【0104】
(付記4)
前記有効性問合せ手段は、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いた後、所定期間において、前記送信元アドレス宛ての通信フレームを受信した回数の値を表すヒット数情報に基づいて、前記有効性確認要求の送信を行う
付記1乃至3のいずれか1つに記載の第1の通信装置。
【0105】
(付記5)
付記1乃至4記載の第1の通信装置から、前記有効性確認要求を受信し、少なくとも、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であると認識した場合に、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、前記第1の通信装置に対して送信する有効性応答手段を含む
第2の通信装置。
【0106】
(付記6)
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての通信フレームを受信したとき、前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行い、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、
前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う
中継方法。
【0107】
(付記7)
前記有効性確認要求の送信以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して前記フラッディング転送を行い、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られた場合に、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して再び前記ユニキャスト転送を行う
付記6記載の中継方法。
【0108】
(付記8)
前記第1の通信フレームを受信した際、少なくとも前記第1の通信フレームの送信元アドレスを表すアドレス情報、前記受信ポートを表すポート情報、および、前記送信元アドレスの有効性に関する状態を表す状態情報を含むアドレスエントリを含む中継情報を生成し、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合に、前記送信元アドレスに対する前記アドレスエントリを前記中継情報から削除し、
前記アドレスエントリに基づいて前記ユニキャスト転送または前記フラッディング転送を行う
付記6または7記載の中継方法。
【0109】
(付記9)
前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、所定期間において、前記送信元アドレス宛ての通信フレームを受信した回数の値を表すヒット数情報に基づいて、前記有効性確認要求の送信を行う
付記6乃至8のいずれか1つに記載の中継方法。
【0110】
(付記10)
付記6乃至8の何れかの中継方法において送信された前記有効性確認要求を受信し、
少なくとも、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であると認識した場合に、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、前記有効性確認要求の送信元に対して送信する
有効性確認応答方法。
【0111】
(付記11)
第1の通信フレームを受信した後、前記第1の通信フレームの送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを受信したとき、前記第2の通信フレームを、前記第1の通信フレームを受信したポートである受信ポートに対して送信するというユニキャスト転送を行う中継制御処理と、
前記第1の通信フレームを受信した後、前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いたとき、前記送信元アドレスに対する通信が可能かどうかを問い合わせる有効性確認要求を、前記受信ポートに対して送信し、前記有効性確認要求に対する応答である有効性確認応答を受信可能な有効性問合せ処理をコンピュータに実行させる第1のコンピュータ・プログラムであって、
前記中継制御処理において、
前記有効性確認要求に対して、前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての第2の通信フレームを、前記第2の通信フレームを受信したポート以外の各ポートに対して送信するというフラッディング転送を行う
第1のコンピュータ・プログラム。
【0112】
(付記12)
前記中継制御処理において、
前記有効性確認要求の送信以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して前記フラッディング転送を行い、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答を得られた場合に、それ以降に受信する前記送信元アドレス宛ての通信フレームに対して再び前記ユニキャスト転送を行う
付記11記載の第1のコンピュータ・プログラム。
【0113】
(付記13)
前記中継制御処理において、
前記第1の通信フレームを受信した際、少なくとも前記第1の通信フレームの送信元アドレスを表すアドレス情報、前記受信ポートを表すポート情報、および、前記送信元アドレスの有効性に関する状態を表す状態情報を含むアドレスエントリを含む中継情報を生成し、
前記送信元アドレスに対する通信が可能であることを表す有効性確認応答が得られなかった場合に、前記送信元アドレスに対する前記アドレスエントリを前記中継情報から削除し、
前記アドレスエントリに基づいて前記ユニキャスト転送または前記フラッディング転送を行う
付記11または12記載の第1のコンピュータ・プログラム。
【0114】
(付記14)
前記有効性問合せ処理において、
前記送信元アドレスが送信元である通信フレームを受信しない状態が所定の有効時間を超えて続いた後、所定期間において、前記送信元アドレス宛ての通信フレームを受信した回数の値を表すヒット数情報に基づいて、前記有効性確認要求の送信を行う
付記11乃至13のいずれか1つに記載の第1のコンピュータ・プログラム。
【0115】
(付記15)
付記11乃至14記載の前記有効性確認要求を受信し、
少なくとも、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であると認識した場合に、前記送信元アドレス宛ての通信が可能であることを表す有効性確認応答を、前記第1の通信装置に対して送信する有効性応答処理を
コンピュータに実行させる第2のコンピュータ・プログラム。
【符号の説明】
【0116】
1 第1の通信装置
2、11 通信制御部
3 中継制御部
4 有効性問合せ部
5 ポート
10 第2の通信装置
12 有効性応答部
100、110、120、300、310、320 フレーム中継装置
101 中継情報管理部
102 中継部
103、301 記憶装置
104 中継情報
200、210、220、230 端末
302 有効性設定情報
C1〜C6 状態遷移
S1〜S3 状態
900 情報処理装置(コンピュータ)
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 通信インタフェース(IF)
905 ディスプレイ
906 ハードディスク装置(HDD)
906A プログラム群
906B 各種の記憶情報
907 バス
1000 ネットワーク(通信ネットワーク)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10