【解決手段】使い捨ておむつ1では、中間弾性部材45の複数の帯状弾性要素51はそれぞれ、左右方向に延びる帯状であり、第1外装シートである外側シート41と第2外装シート49との間において上下方向に離間しつつ互いに平行に配列される。複数の帯状弾性要素51のそれぞれは、外側不織布52と、弾性フィルム59とを備える。外側不織布52および弾性フィルム59はそれぞれ左右方向に延びる帯状である。弾性フィルム59の外側には、外側不織布52および第1外装シートである外側シート41が配置される。このため、使い捨ておむつ1の外側からの弾性フィルム59の視認性を低減することができる。また、中間ギャザーが形成される胴周り部407において、高い通気性を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および
図2はそれぞれ、本発明の一の実施の形態に係る使い捨て着用品1の正面図および背面図(すなわち、着用者の腹側および背側に位置する部位の図)である。
図1および
図2に示すように、使い捨て着用品1は、上端(すなわち、
図1および
図2中の上側の端部)に胴部開口11を有し、下部に一対の脚部開口12を有するパンツタイプの着用品である。使い捨て着用品1は、着用者からの排泄物を受ける使い捨て吸収性物品であり、以下の説明では「使い捨ておむつ1」という。
図1および
図2では、左右方向に伸張した状態の使い捨ておむつ1を示す。
【0020】
図3は、使い捨ておむつ1を展開した状態で着用者側から見た平面図である。
図1ないし
図3に示すように、使い捨ておむつ1は、外装シート4と、吸収体20とを備える。外装シート4は、上端に胴部開口11を有し、下部に一対の脚部開口12を有する。吸収体20は、外装シート4の内面(すなわち、着用者側の面)上に取り付けられ、着用者からの排泄物を吸収する略シート状の部材である。外装シート4は、外装シート本体40と、脚部弾性部材43と、胴部弾性部材44と、中間弾性部材45とを備える。外装シート本体40は、上述の胴部開口11を上端に有し、上述の一対の脚部開口12を下部に有する。脚部弾性部材43、胴部弾性部材44および中間弾性部材45は、外装シート本体40に伸張状態にて接合される。
【0021】
使い捨ておむつ1では、
図3中の上側の部位が着用者の前側(腹側の肌)を覆い、
図3中の下側の部位が着用者の後側(背側の肌)を覆う。以下の説明では、外装シート4の着用者の腹側および背側に位置する部位をそれぞれ、「前方部401」および「後方部403」と呼び、前方部401と後方部403との間で前方部401および後方部403から連続するとともに着用者の股間部を覆う部位を「股下部402」と呼ぶ。使い捨ておむつ1では、外装シート4が前方部401、股下部402および後方部403を備え、吸収体20は、外装シート4の前方部401から股下部402を経由して後方部403へと至る。
【0022】
使い捨ておむつ1が製造される際には、外装シート4が吸収体20と共に股下部402にて折り曲げられ、股下部402を下側に向けた際の前方部401の左右両側に位置する帯状の部位404の内面と、後方部403の左右両側に位置する帯状の部位405の内面とが、加熱および押圧による熱融着によりそれぞれ接合される。帯状の部位404の内面とは、前方部401の着用者に接する面である内面の両側端から側方に連続する面であり、
図3中の手前側の面である。また、帯状の部位405の内面とは、後方部403の着用者に接する面である内面の両側端から側方に連続する面であり、
図3中の手前側の面である。
【0023】
このように、一対の帯状の部位404と一対の帯状の部位405とが接合されることにより、
図1および
図2に示すように、前方部401の両側端と後方部403の両側端とが接続され、前方部401および後方部403の上端に胴部開口11が形成される。また、前方部401および後方部403の下側において股下部402の左右に一対の脚部開口12が形成されるとともに、胴部開口11と一対の脚部開口12とのそれぞれの間において上下方向に伸びる一対の帯状突出部13が形成される。各帯状突出部13は、前方部401と後方部403との間の接続線400から側方へと突出する帯状の部位である。
【0024】
図4は、使い捨ておむつ1を
図3中に示すA−Aの位置(すなわち、股下部402)で切断した断面図である。
図4では、図示の都合上、使い捨ておむつ1の各構成を離して描いている(
図5および
図7においても同様)。
図3および
図4に示すように、吸収体20は、略シート状の本体部2と、一対のサイドシート3とを備える。一対のサイドシート3は、本体部2の両側部上(すなわち、上下方向に垂直な左右方向の両側)に配置され、本体部2の長手方向のおよそ全長に亘って設けられる。本体部2は、
図4に示すように、トップシート21と、吸収コア22と、バックシート23とを備える。吸収コア22は、トップシート21とバックシート23との間に配置される。
図3では、図の理解を容易にするために、吸収体20の吸収コア22の輪郭を太破線にて描いている(
図1および
図2においても同様)。
【0025】
図3に示すように、吸収コア22の長手方向の両端部における幅は、吸収コア22の長手方向の中央部における幅よりも大きい。換言すれば、吸収コア22は、いわゆる砂時計型である。
図4のバックシート23はホットメルト接着剤等により外装シート4上に接合され、これにより、吸収体20が外装シート4に固定される。
【0026】
図4に示すように、一対のサイドシート3はそれぞれ、長手方向の全長に亘って設けられた折り曲げ線39の一方側の部位である帯状の接合部33、および、折り曲げ線39の他方側の部位である側壁部34を備える。一対の接合部33は、本体部2の側方エッジ近傍において長手方向のおよそ全長に亘って本体部2の上側(すなわち、着用者側)にホットメルト接着剤を用いて接合される。一対の側壁部34は、折り曲げ線39である接合部33の左右方向の外側のエッジにて一対の接合部33から連続する部位であり、本体部2の両側部上において本体部2の長手方向のおよそ全長に亘って伸びる。
【0027】
一対の側壁部34はそれぞれ、長手方向における両端部において接合部33上に重ねられ、熱融着接合または超音波接合、あるいは、ホットメルト接着剤等による接着により接合部33上に固定される。側壁部34の自由端には側壁部弾性部材35が接合されており、側壁部弾性部材35が収縮することにより、いわゆる立体ギャザーが形成される。
【0028】
図5は、使い捨ておむつ1を
図3中に示すB−Bの位置で切断した部分断面図である。
図5では、使い捨ておむつ1の前側を示す。使い捨ておむつ1の後側の構造は、
図5に示す前側の構造と同様である。
図4および
図5に示すように、外装シート4の外装シート本体40は、外側シート41と、内側シート42と、エンドシート48とを備える。外側シート41は、外装シート本体40の最外層のシートである。
図5に示すように、内側シート42およびエンドシート48は、外側シート41の内面上(すなわち、着用者側)に積層され、ホットメルト接着剤等により外側シート41に接合される。外装シート本体40では、外側シート41は、着用者の前側、股間部および後側を覆う第1外装シートであり、エンドシート48および内側シート42は、第1外装シートの内面を覆う第2外装シート49である。
【0029】
エンドシート48は、外装シート本体40の前側および後側である前方部401および後方部403において、胴部開口11に沿って外装シート本体40の上部(すなわち、着用者に着用された状態の使い捨ておむつ1の上部)に配置される。内側シート42は、エンドシート48の下側において、前方部401から股下部402を経由して後方部403に亘って配置される。エンドシート48の下端部は、前方部401および後方部403において、内側シート42の上端部および吸収体20の上端部と重なり、吸収体20の上端部の内面上に接合される。換言すれば、エンドシート48は、外側シート41および内側シート42との間に、吸収体20の上端部を挟んで固定する。
図3に示すように、エンドシート48は、使い捨ておむつ1の左右方向(すなわち、
図3中における横方向)に関して外装シート4の幅のおよそ全体に亘って設けられる。
【0030】
図4に示す吸収体20のトップシート21は、透液性のシート材料であり、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉して吸収コア22へと移動させる。トップシート21としては、例えば、表面を界面活性剤により親水処理した疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)にて形成された透液性の不織布(ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンボンド不織布等)が利用される。なお、トップシート21として、セルロースやレーヨン、コットン等の親水性繊維により形成された不織布(例えば、スパンレース不織布)が利用されてもよい。
【0031】
吸収コア22は、トップシート21を透過した水分を吸収して迅速に固定する。吸収コア22は、例えば、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維に、粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))や高吸収性ファイバー等の高吸収性材料を混合したものを、ティッシュペーパーや透液性不織布等により包み込んで形成される。親水性繊維を包むティッシュペーパーや透液性不織布等は、親水性繊維および吸水性材料とホットメルト接着剤により接合されて、親水性繊維の型崩れ、および、吸水性材料の脱落(特に、吸水後における脱落)を防止する。
図1に示す使い捨ておむつ1では、吸収コア22はパルプ繊維およびSAPを含む。
【0032】
バックシート23は、トップシート21および吸収コア22を透過した排泄物の水分等を受け、当該水分等が本体部2の外側にしみ出すのを防止する。バックシート23としては、例えば、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布等)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用される。バックシート23にプラスチックフィルムが利用される場合、使い捨ておむつ1のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0033】
サイドシート3のシート本体としては、例えば、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS不織布等)が利用される。側壁部弾性部材35としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が利用される。
図1に示す使い捨ておむつ1では、ポリウレタン糸が側壁部弾性部材35として利用される。
【0034】
図5に示す外装シート本体40の外側シート41、内側シート42およびエンドシート48としては、例えば、バックシート23と同様に、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS不織布、エアスルー不織布等)、プラスチックフィルム、あるいは、当該不織布とプラスチックフィルムとが積層された積層シートが利用される。プラスチックフィルムとしては、透湿性(通気性)を有するものが利用されることが好ましい。また、外側シート41、内側シート42およびエンドシート48として、トップシート21と同様に、親水性繊維により形成された不織布、または、親水処理した疎水性繊維にて形成された透液性の不織布が利用されてもよい。外側シート41、内側シート42およびエンドシート48は、それぞれ異なる材料により形成されてもよく、同じ材料により形成されてもよい。
【0035】
外装シート4の外側シート41は、胴部開口11のエッジ111にて着用者側に折り返される折り返し部46を備える。折り返し部46の下端は、エンドシート48の上端よりも下側、かつ、吸収体20の上端よりも上側に位置する。エンドシート48の上端部は、外側シート41の折り返し部46に対向する部位である対向部47と、折り返し部46との間に挟まれる。折り返し部46は、対向部47およびエンドシート48の上端部に接合される。外装シート本体40の折り返し部46と対向部47との間には、胴部開口11のエッジ111に沿う胴部弾性部材44が接合される。
図1および
図2に示す使い捨ておむつ1では、胴部弾性部材44が収縮することにより外装シート本体40が収縮し、着用者に接する胴部開口ギャザーが形成される。
【0036】
脚部弾性部材43は、一対の脚部開口12のエッジ121に沿って配置され、外装シート本体40の外側シート41と内側シート42(
図5参照)との間に接合される。脚部弾性部材43の上端部は、前方部401および後方部403に接合され、脚部弾性部材43の上端部を除く部位は、外装シート本体40の股下部402に接合される。使い捨ておむつ1では、脚部弾性部材43が収縮することにより外装シート本体40が収縮し、着用者の脚周りに接する一対の脚部ギャザーが形成される。
【0037】
胴部弾性部材44および脚部弾性部材43としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が利用される。
図1および
図2に示す使い捨ておむつ1では、胴部弾性部材44および脚部弾性部材43はそれぞれ、略平行に配置された複数の弾性糸(例えば、ポリウレタン糸)を備える。
【0038】
図1および
図2に示すように、中間弾性部材45は、上下方向における胴部弾性部材44と脚部弾性部材43の上端部との間の領域(以下、「胴周り部407」という。)に配置される。
図1および
図2では、中間弾性部材45に平行斜線を付す(
図3においても同様)。中間弾性部材45は、左右方向に延びて前方部401および後方部403において外装シート本体40に接合される。使い捨ておむつ1では、中間弾性部材45が収縮することにより外装シート本体40が収縮し、着用者の下腹部および臀部に接する中間ギャザー(いわゆる、ボディーフィットギャザー)が形成される。
【0039】
図5に示すように、中間弾性部材45は、複数(例えば、5本)の帯状弾性要素51を備える。複数の帯状弾性要素51はそれぞれ、左右方向に延びる帯状部材であり、上下方向に互いに離間しつつ略平行に配列される。前方部401では、複数の帯状弾性要素51は、上述の第1外装シートである外側シート41と第2外装シート49との間に配置される(後方部403においても同様)。
図5に示す例では、複数の帯状弾性要素51の全てが、外側シート41とエンドシート48との間に配置され、吸収体20の上端よりも上方に位置する。
【0040】
なお、外装シート4では、複数の帯状弾性要素51のうち一部の帯状弾性要素51が、外側シート41とエンドシート48との間に配置され、他の帯状弾性要素51が、外側シート41と内側シート42との間に配置されてもよい。また、内側シート42が胴部開口11のエッジ111近傍まで拡がっている場合等、複数の帯状弾性要素51の全てが、外側シート41と内側シート42との間に配置されてもよい。全ての帯状弾性要素51が外側シート41と内側シート42との間に配置される場合、エンドシート48は必ずしも設けられなくてもよい。
【0041】
使い捨ておむつ1では、3本以上7本以下の帯状弾性要素51が設けられることが好ましい。各帯状弾性要素51の上下方向の幅は、好ましくは、2mm以上12mm以下であり、より好ましくは、4mm以上8mm以下である。上下方向に隣接する2つの帯状弾性要素51の間の領域(以下、「弾性要素不在領域」という。)の上下方向の幅は、好ましくは、9mm以上19mm以下であり、より好ましくは、13mm以上17mm以下である。帯状弾性要素51の上下方向の幅は、好ましくは、弾性要素不在領域の上下方向の幅よりも大きい。
【0042】
複数の帯状弾性要素51のそれぞれは、外側不織布52と、弾性フィルム59とを備える。外側不織布52は、左右方向に延びる帯状の不織布シートである。弾性フィルム59は、左右方向に延びる帯状のプラスチックフィルムである。外側不織布52と弾性フィルム59とは、例えば、同じ大きさである。弾性フィルム59は、外側不織布52の内側(すなわち、着用者側)にて外側不織布52と対向する。弾性フィルム59は、外側不織布52に接合される。
【0043】
図6は、前方部401に設けられる一の帯状弾性要素51を拡大して示す背面図である。複数の帯状弾性要素51のそれぞれは、例えば、外側不織布52と、帯状弾性要素51の長手方向(すなわち、使い捨ておむつ1の左右方向)に伸張された状態の弾性フィルム59とを重ね、エンボス加工により外側不織布52と弾性フィルム59とを接合することにより形成される。
図6では、エンボス加工により外側不織布52と弾性フィルム59とが熱融着接合した複数の接合部55に平行斜線を付す。複数の接合部55は、好ましくは、弾性フィルム59の略全面に亘っておよそ均等に分布する。各接合部55の外形は、例えば、略円形である。各接合部55の大きさ、形状等は適宜変更されてよい。複数の接合部55の数、配置等も適宜変更されてよい。
【0044】
複数の接合部55のそれぞれには、開孔551が設けられる。各接合部55では、開孔551は接合部55のおよそ中央部に設けられる。換言すれば、略環状の接合部55は、開孔551の周囲に設けられる。開孔551は、外側不織布52および弾性フィルム59を貫通する貫通孔である。開孔551は、好ましくは、エンボス加工により外側不織布52と弾性フィルム59とを複数の接合部55にて接合する際に、各接合部55のおよそ中央部にて外側不織布52および弾性フィルム59が熱溶融することにより形成される。開孔551は他の方法により形成されてもよい。
【0045】
外側不織布52としては、例えば、外側シート41等と同様に、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS不織布、ポイントボンド不織布等)が利用される。また、トップシート21と同様に、親水性繊維により形成された不織布、または、親水処理した疎水性繊維にて形成された透液性の不織布が、外側不織布52として利用されてもよい。
図6に示す例では、外側不織布52としてスパンボンド不織布が利用される。弾性フィルム59としては、例えば、ポリウレタンフィルムが利用される。
【0046】
外側不織布52の色は、外側シート41と同じ色または同系統の色であることが好ましい。より好ましくは、外側不織布52の色は、外側シート41とおよそ同じ色であり、かつ、外側シート41よりも薄い色である。
【0047】
図5に示すように、複数の帯状弾性要素51のそれぞれの内面512(すなわち、着用者側の面)は、接着剤層57を介して第2外装シート49に接合される。接着剤層57は、それぞれが左右方向に延びる複数の帯状接着部571を含む。
図5では、帯状接着部571を太実線にて示す。複数の帯状接着部571は、上下方向に離間しつつ互いに略平行に、第2外装シート49の外面(
図5に示す例では、エンドシート48の外面)に配列される。各帯状接着部571は、前方部401または後方部403における一対の接続線400の間の左右方向の略全長(すなわち、前方部401または後方部403の左右方向の略全長)に亘って延びる。
【0048】
接着剤層57は、例えば、ホットメルト接着剤を第2外装シート49の外面上において左右方向に延びるストライプ状に塗布することにより形成される。第2外装シート49上への接着剤層57の形成は、好ましくは、ホットメルト接着剤をコータ塗工にて塗布することにより行われる。これにより、複数の帯状接着部571を、形状および第2外装シート49上における位置に関して精度良く形成することができる。
【0049】
複数の帯状弾性要素51のそれぞれは、好ましくは、内面512の上縁部513および下縁部514にて第2外装シート49に接合される。帯状弾性要素51の上縁部513および下縁部514は、帯状弾性要素51の左右方向の略全長に亘って第2外装シート49に接合される。
図5に示す例では、各帯状弾性要素51の内面512の上縁部513および下縁部514はそれぞれ、接着剤層57の帯状接着部571を介してエンドシート48に接合される。なお、各帯状弾性要素51は、内面512の上縁部513および下縁部514にて、内側シート42およびエンドシート48のうち少なくとも一方に接合されていればよい。
【0050】
複数の帯状弾性要素51のそれぞれは、好ましくは、内面512の上縁部513と下縁部514との間にて、各帯状弾性要素51の左右方向の略全長に亘って第2外装シート49と非接合である。換言すれば、内面512の上縁部513と下縁部514との間の中間部515は、帯状弾性要素51の左右方向の略全長に亘って第2外装シート49と非接合である。
図5に示す例では、各帯状弾性要素51の内面512の中間部515は、エンドシート48の外面に対向するが、エンドシート48と非接合である。
【0051】
図5に示す例では、一の帯状弾性要素51の内面512の下縁部514と重なる帯状接着部571は、下縁部514の下縁よりも下側へと拡がり、当該帯状弾性要素51に下方にて隣接する他の帯状弾性要素51の上縁部513と重なる。また、一の帯状弾性要素51の内面512の上縁部513と重なる帯状接着部571は、上縁部513の上縁よりも上側へと広がり、当該帯状弾性要素51に上方にて隣接する他の帯状弾性要素51の下縁部514と重なる。
【0052】
換言すれば、上下方向に隣接する各2つの帯状弾性要素51において、上側の帯状弾性要素51の下縁部514と下側の帯状弾性要素51の上縁部513とは、1つの帯状接着部571により第2外装シート49に接合される。また、上下方向に隣接する各2つの帯状弾性要素51の間の領域では、略全面に亘って帯状接着部571が存在し、当該帯状接着部571を介して、第1外装シートである外側シート41と第2外装シート49(
図5に示す例では、エンドシート48)とが接合される。
【0053】
複数の帯状弾性要素51のそれぞれの外面511(すなわち、着用者と反対側の面)は、好ましくは、接着剤層58を介して第1外装シートである外側シート41に接合される。接着剤層58は、複数の帯状弾性要素51にそれぞれ対応する複数の線状接着部581を含む。
図5では、線状接着部581を太実線にて示す。複数の線状接着部581は、上下方向に離間しつつ互いに略平行に、外側シート41の内面に配列される。各線状接着部581は、前方部401または後方部403における一対の接続線400の間の左右方向の略全長(すなわち、前方部401または後方部403の左右方向の略全長)に亘って延びる。
【0054】
接着剤層58は、例えば、ホットメルト接着剤を外側シート41の内面上において左右方向に延びるストライプ状に塗布することにより形成される。外側シート41上への接着剤層58の形成は、好ましくは、ホットメルト接着剤をコータ塗工にて塗布することにより行われる。これにより、複数の線状接着部581を、形状および外側シート41上における位置に関して精度良く形成することができる。
【0055】
各線状接着部581は、帯状弾性要素51の外面511の上下方向の略中央部と重なる。帯状弾性要素51の外面511の当該略中央部は、線状接着部581により外側シート41に接合される。換言すれば、帯状弾性要素51の外面511は、第1外装シートと接合される外面接合領域516を備える。外面接合領域516は、帯状弾性要素51の外面511の上下方向の略中央部において左右方向に延びる略線状の領域である。外面接合領域516では、ホットメルト接着剤が左右方向に連続して直線状に設けられてもよく、左右方向に断続的に(例えば、左右方向に延びる点列状に)設けられてもよい。また、接着剤層58は、複数の線状接着部581に代えて、それぞれが左右方向に延びる帯状である複数の帯状接着部を含んでいてもよい。この場合、帯状弾性要素51の外面511の外面接合領域516は、左右方向に延びる帯状の領域となる。
【0056】
各帯状弾性要素51の外面511は、外面接合領域516の上側および下側で第1外装シートと非接合である外面非接合領域517も備える。各帯状弾性要素51の外面511では、外面接合領域516および外面非接合領域517がそれぞれ、前方部401または後方部403における一対の接続線400の間の左右方向の略全長(すなわち、前方部401または後方部403の左右方向の略全長)に亘って延びる。
図5に示す例では、各帯状弾性要素51の外面511のうち、外面接合領域516を除く領域全体が外面非接合領域517であり、外面接合領域516の上側および下側に位置する2つの外面非接合領域517が設けられる。
【0057】
なお、外装シート4の左右両側に位置する帯状突出部13(
図1および
図2参照)では、帯状突出部13が形成される際の熱融着接合等により、複数の帯状弾性要素51の左右方向の両端部と上述の帯状の部位404,405(
図3参照)とが接合される。
【0058】
以上に説明したように、
図1および
図2に示す使い捨ておむつ1は、外装シート本体40と、脚部弾性部材43と、胴部弾性部材44と、中間弾性部材45とを備え、外装シート本体40は、第1外装シートである外側シート41と、第2外装シート49である内側シート42およびエンドシート48とを備える。また、中間弾性部材45は、外装シート本体40の前側および後側(すなわち、前方部401および後方部403)において複数の帯状弾性要素51を備える。複数の帯状弾性要素51はそれぞれ、左右方向に延びる帯状であり、第1外装シートと第2外装シート49との間において上下方向に離間しつつ互いに平行に配列される。複数の帯状弾性要素51のそれぞれは、外側不織布52と、弾性フィルム59とを備える。外側不織布52および弾性フィルム59はそれぞれ左右方向に延びる帯状であり、弾性フィルム59は、外側不織布52の内側にて外側不織布52と対向する。
【0059】
使い捨ておむつ1では、各帯状弾性要素51の弾性フィルム59が収縮することにより外装シート本体40が収縮し、着用者の下腹部および臀部に接する中間ギャザーが形成される。上述のように、弾性フィルム59の外側(すなわち、着用者とは反対側)には、外側不織布52および第1外装シートである外側シート41が配置されるため、使い捨ておむつ1の外側からの弾性フィルム59の視認性を低減することができる。これにより、着用者が胴周り部407における弾性フィルム59による締め付けを意識することを抑制することができる。また、パンツタイプの使い捨ておむつ1の外観を、通常の下着であるパンツに近づけ、使い捨ておむつ1の外観性を向上することができる。
【0060】
使い捨ておむつ1では、さらに、複数の帯状弾性要素51が上下方向に互いに離間しているため、外装シート4の帯状弾性要素51間の領域において高い通気性を確保することができる。その結果、中間ギャザーが形成される胴周り部407において、高い通気性を実現することができる。
【0061】
上述のように、複数の帯状弾性要素51のそれぞれの外面511は、上下方向の略中央部において左右方向に延びる線状または帯状であり、外側シート41と接合される外面接合領域516と、外面接合領域516の上側および下側で外側シート41と非接合である外面非接合領域517とを備える。これにより、帯状弾性要素51の外面511が略全面に亘って外側シート41に接合される場合に比べて、外側シート41と各帯状弾性要素51との密着を抑制することができる。その結果、使い捨ておむつ1の外側からの弾性フィルム59の視認性をさらに低減することができる。また、帯状弾性要素51の外面511が略全面に亘って外側シート41と非接合である場合に比べて、帯状弾性要素51と外装シート本体40とを強固に接合することができる。
【0062】
使い捨ておむつ1では、複数の帯状弾性要素51のそれぞれが、内面512の上縁部513および下縁部514にて第2外装シート49に接合され、複数の帯状弾性要素51の間にて、外側シート41と第2外装シート49とが接合される。これにより、各帯状弾性要素51が上下方向にずれることを防止することができる。また、外側シート41と第2外装シート49との強固な接合を実現することもできる。さらに、上記説明のように、帯状弾性要素51と第2外装シート49との接合、および、外側シート41と第2外装シート49との接合がホットメルト接着剤等の接着剤により行われる場合、接着剤の塗布を容易に行うことができる。
【0063】
図5に示す例では、胴周り部407において、外側シート41と第2外装シート49とが複数の帯状弾性要素51の間にて略全面に亘って接合されるが、外側シート41と第2外装シート49とは複数の帯状弾性要素51の間にて部分的に接合されてもよい。例えば、一の帯状弾性要素51の下縁部514と重なる帯状接着部571と、当該帯状弾性要素51に下方にて隣接する他の帯状弾性要素51の上縁部513と重なる帯状接着部571とは、上下方向に離間してもよい。換言すれば、上下方向に隣接する2つの帯状接着部571の間には、接着剤が設けられない接着剤不在部が配置されてもよい。当該接着剤不在部が設けられることにより、胴周り部407における外装シート4の通気性をさらに向上することができる。
【0064】
使い捨ておむつ1では、複数の帯状弾性要素51のそれぞれが、内面512の上縁部513と下縁部514との間の中間部515にて第2外装シート49と非接合である。これにより、弾性フィルム59が収縮する際に、着用者の肌に接する第2外装シート49の収縮が抑制される。その結果、使い捨ておむつ1の着用感を向上することができる。また、帯状弾性要素51がホットメルト接着剤等の接着剤により外装シート本体40に接合される場合、胴周り部407における接着剤の使用量を低減することができる。その結果、胴周り部407において、さらに高い通気性を実現することができる。
【0065】
上述のように、各帯状弾性要素51は、外側不織布52と伸張状態の弾性フィルム59とを重ね、弾性フィルム59の全面に亘って分布した複数の接合部55にて接合することにより形成される。これにより、弾性フィルム59の略全面を外側不織布52に接合する場合に比べて、弾性フィルム59の伸縮が外側不織布52により阻害されることを抑制することができる。また、複数の接合部55のそれぞれに開孔551が設けられることにより、胴周り部407における外装シート4の通気性をさらに向上することができる。
【0066】
図7は、他の好ましい使い捨ておむつ1aの部分断面図であり、
図5に対応する。
図7では、使い捨ておむつ1aの前側を示す。使い捨ておむつ1aの後側の構造は、
図7に示す前側の構造と同様である。使い捨ておむつ1aでは、中間弾性部材45が、
図5に示す帯状弾性要素51と構造が異なる複数の帯状弾性要素51aを備える。使い捨ておむつ1aの他の構造は、
図1ないし
図6に示す使い捨ておむつ1の構造とおよそ同様であり、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0067】
図7に示すように、使い捨ておむつ1aでは、
図5に示す使い捨ておむつ1と同様に、各帯状弾性要素51aにおいて、外側不織布52の内側(すなわち、着用者側)に弾性フィルム59が配置され、外側不織布52と弾性フィルム59とが接合される。使い捨ておむつ1aでは、各帯状弾性要素51aの弾性フィルム59の上下方向の幅が、外側不織布52の上下方向の幅よりも小さい。各帯状弾性要素51aでは、弾性フィルム59の上縁が、外側不織布52の上縁よりも下側に位置する。また、弾性フィルム59の下縁が、外側不織布52の下縁よりも上側に位置する。換言すれば、外側不織布52の上縁部および下縁部はそれぞれ、弾性フィルム59の上側および下側に拡がる。各帯状弾性要素51aの内面512(すなわち、着用者側の面)の上縁部513および下縁部514はそれぞれ、外側不織布52の内面の上縁部および下縁部である。帯状弾性要素51aにおける外側不織布52と弾性フィルム59との接合態様は、帯状弾性要素51における外側不織布52と弾性フィルム59との接合態様と同様(すなわち、開孔551を有する複数の接合部55による接合)である。
【0068】
図7に示すように、複数の帯状弾性要素51aのそれぞれの内面512は、接着剤層57を介して第2外装シート49のエンドシート48に接合される。接着剤層57は、それぞれが左右方向に延びる複数の帯状接着部571を含む。複数の帯状接着部571は、上下方向に離間しつつ互いに略平行に、第2外装シート49の外面(
図7に示す例では、エンドシート48の外面)に配列される。複数の帯状弾性要素51aのそれぞれは、好ましくは、内面512の上縁部513および下縁部514(すなわち、外側不織布52の内面の上縁部および下縁部)にて第2外装シート49に接合される。
図7に示す例では、複数の帯状弾性要素51aの弾性フィルム59は、複数の帯状接着部571の間に位置し、第2外装シート49と非接合である。また、使い捨ておむつ1aでは、複数の帯状弾性要素51aのそれぞれの外面511は、外側シート41と非接合である。
【0069】
図7に示す使い捨ておむつ1aでも、上述の使い捨ておむつ1と同様に、弾性フィルム59の外側(すなわち、着用者とは反対側)に、外側不織布52および第1外装シートである外側シート41が配置されるため、使い捨ておむつ1aの外側からの弾性フィルム59の視認性を低減することができる。これにより、着用者が胴周り部407における弾性フィルム59による締め付けを意識することを抑制することができる。また、パンツタイプの使い捨ておむつ1aの外観を、通常の下着であるパンツに近づけ、使い捨ておむつ1aの外観性を向上することができる。
【0070】
上述の使い捨ておむつ1,1aに関して、様々な変更が可能である。
【0071】
例えば、帯状弾性要素51,51aでは、必ずしも各接合部55に開孔551は設けられなくてもよい。外側不織布52と弾性フィルム59との接合は、エンボス加工以外の様々な接合方法にて行われてよい。例えば、ホットメルト接着剤により外側不織布52と弾性フィルム59とが接着されてもよい。また、帯状弾性要素51,51aでは、弾性フィルム59は、弾性フィルム59の略全面に亘って分布する複数の接合部55にて外側不織布52に接合される必要はない。例えば、弾性フィルム59の外面の略全面に亘ってホットメルト接着剤が塗布され、弾性フィルム59の外面が略全面に亘って外側不織布52に接合されてもよい。
【0072】
複数の帯状弾性要素51,51aは、外装シート本体40の前側および後側(すなわち、前方部401および後方部403)の少なくとも一方に設けられていればよい。これにより、上述の例と同様に、使い捨ておむつ1,1aの外側からの弾性フィルム59の視認性を低減することができる。その結果、着用者が胴周り部407における弾性フィルム59による締め付けを意識することを抑制することができる。また、パンツタイプの使い捨ておむつ1,1aの外観性を向上することができる。
【0073】
第1外装シートと第2外装シート49との接合、および、帯状弾性要素51,51aと外装シート本体40との接合は、必ずしもホットメルト接着剤による接着には限定されず、他の様々な接合方法により行われてもよい。また、帯状弾性要素51,51aの内面512は、必ずしも上縁部513および下縁部514にて第2外装シート49に接合される必要はなく、例えば、中間部515にて第2外装シート49に接合されてもよく、内面512の略全面に亘って第2外装シート49に接合されてもよい。
【0074】
使い捨ておむつ1,1aの構造は、使い捨ておむつ以外の使い捨て着用品に適用されてもよい。例えば、使い捨ておむつ1,1aの構造は、吸収パッド等の吸収具が着脱可能に取り付けられる取付部が、吸収体20に代えて外装シート4の内面上に取り付けられた使い捨て着用品に適用される。当該取付部は、例えば、撥水性または不透液性のシートにより形成されたシート部材であり、吸収具を止着可能な面ファスナ、あるいは、吸収具の端部を被覆して吸収具のずれを制限する被覆ギャザーを備える。
【0075】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。