特開2016-220395(P2016-220395A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-220395(P2016-220395A)
(43)【公開日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/06 20060101AFI20161125BHJP
【FI】
   H02K9/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-102899(P2015-102899)
(22)【出願日】2015年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 明
(72)【発明者】
【氏名】槌本 英伸
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB01
5H609BB19
5H609BB21
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP07
5H609PP09
5H609QQ02
5H609QQ09
5H609QQ10
5H609QQ16
5H609RR03
5H609RR33
5H609RR38
5H609RR42
5H609RR43
5H609RR52
(57)【要約】
【課題】
鉄心に対する均等な通風冷却を可能とした回転電機を提供する。
【解決手段】
回転子14及び固定子17の軸方向の複数箇所に、半径方向に沿って通風ダクト15,18が形成されている。外被部材12内において、回転軸11の外周部分から通風ダクト15,18を通り、冷却器により冷却された空気を回転軸11の両端側から、ファン23により回転軸11の外周部分に送風する。複数のリブ13aにより複数に区分された回転軸11の外周空間13bにそれぞれ仕切り板25を設け、ファン23により送風される空気を通風ダクト15,18へガイドする。複数の外周空間13bにそれぞれ設けられた仕切り板25は、軸方向に沿う互いに異なる位置に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の外周に、放射状に延びる複数のリブを介して支持された円筒状の回転子と、
この回転子の外周に、その外周面と間隔を保って配置された内周を有する固定子と、
前記回転子及び固定子の軸方向の複数箇所に、それぞれ半径方向に沿って形成された通風ダクトと、
前記回転子、固定子及びこれらを冷却するための冷却器を収容する外被部材と、
この外被部材内において、前記回転軸の外周部分から前記回転子及び固定子の通風ダクトを通り、前記冷却器により冷却された空気を前記回転軸の両端側から、前記外周部分に送風するファンと、
前記複数のリブにより複数に区分された前記回転軸の外周空間にそれぞれ設けられ前記ファンにより送風される空気を前記回転子及び固定子の通風ダクトへ向けてガイドする仕切り板とを備え、
前記複数に区分された前記回転軸の外周空間にそれぞれ設けられた仕切り板は、前記回転軸の軸方向に沿う互いに異なるように配置されている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記複数に区分された前記回転軸の外周空間にそれぞれ設けられた仕切り板の、前記回転軸の軸方向に沿う互いに異なる位置とは、前記外周空間の一端近くの位置及び他端近くの位置を含むことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通風冷却構造を改良した回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、運転時に回転子鉄心や固定子鉄心に取り付けられたコイルから発熱する。この発熱による温度上昇を抑えるために、鉄心に、その半径方向に形成された複数の通風ダクトを設け、ファンの回転によって生じた冷却風をこの通風ダクト流すように構成している。ファンは回転軸と共に回転して、本体枠内の空気を循環させる機能を有している。
【0003】
すなわち、回転軸と回転子との間に軸方向に沿って通風路を形成し、冷却用の熱交換器出口から出た冷却空気を、ファンの回転によって、鉄心の軸方向両側から軸方向中央に向かうように、上述した通風路を通して流す。この空気は、通風路から、回転子及び固定子の鉄心の半径方向に形成された通風ダクトを通ってこれらの鉄心を冷却し、最後に熱交換器入口へと戻ることとなる。
【0004】
冷却風により鉄心を冷却するときに、回転子及び固定子の鉄心の部位によって冷却度合いが異なり、鉄心温度のアンバランスが生じることがある。前述した通風ダクトは、冷却空気を鉄心の半径方向に流す流路であって、軸方向の複数個所にあけられた間隔内にダクトピースを設置することで鉄心の半径方向に形成される。この場合、軸方向の複数個所に形成されたダクトは、その位置により通る冷却空気の量は均一ではないことが多い。このため、鉄心の温度に軸方向の不均一が生じてしまう。
【0005】
このような、鉄心の温度のアンバランスを低下させて、冷却効果を高める方法として、回転軸の軸方向中央部に風仕切板を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。この構造は、回転軸と回転子鉄心の内周との間に介在するリブの両サイドから吸気された冷却風を、軸方向の中央に設けた風仕切板により左右ほぼ均等な量を回転子及び固定子の鉄心に形成された複数の通風ダクトに流し、回転電機全体を冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−130753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、前述した冷却用の熱交換器(以下、単に冷却器と呼ぶ)は、複数の冷却パイプを有し、回転電機本体のフレーム(外被部材)内に設けられる。複数の冷却パイプ内には、外部から冷却気を送り、これら冷却パイプの外面にフレーム内を循環する空気を接触させて冷却する。この場合、冷却パイプ内を流れる冷却気は、フレーム内を循環する空気を冷却する際、フレーム内循環空気との熱交換により徐々に加温される。このため、冷却パイプの上流側と下流側とでは冷却気に温度差が生じ、冷却能力に差が生じる。
【0008】
このため、軸方向中央部に設けた風仕切板により、回転子及び固定子の鉄心に形成された複数の通風ダクトに、左右ほぼ均等な量の空気を流しても、均等な冷却効果が得られないことが生じる。すなわち、冷却器を構成する冷却パイプの上流側で冷却された空気が通風路の一端側から送気され、冷却パイプの下流側で冷却された空気が通風路の他端側から送気されるとする。この場合、軸方向中央部に設けられた風仕切板により左右ほぼ均等な量の空気が回転子及び固定子の鉄心に形成された複数の通風ダクトを通って流れても、流れる空気自体に温度差があるため、均等には冷却されず、鉄心の軸方向の片側が高温になっていた。
【0009】
本発明は、鉄心に対する均等な通風冷却を可能とした回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施の形態に係る回転電機は、回転軸の外周に、放射状に延びる複数のリブを介して支持された円筒状の回転子と、この回転子の外周に、その外周面と間隔を保って配置された内周を有する固定子と、前記回転子及び固定子の軸方向の複数箇所に、それぞれ半径方向に沿って形成された通風ダクトと、前記回転子、固定子及びこれらを冷却するための冷却器を収容する外被部材と、この外被部材内において、前記回転軸の外周部分から前記回転子及び固定子の通風ダクトを通り、前記冷却器により冷却された空気を前記回転軸の両端側から、前記外周部分に送風するファンと、前記複数のリブにより複数に区分された前記回転軸の外周空間にそれぞれ設けられ前記ファンにより送風される空気を前記回転子及び固定子の通風ダクトへ向けてガイドする仕切り板とを備え、前記複数に区分された前記回転軸の外周空間にそれぞれ設けられた仕切り板は、前記回転軸の軸方向に沿って互いに異なるように配置されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、通風路となる回転軸の外周空間に設けられた仕切り板の位置を互いに異なる位置としたことにより、固定子の通風ダクトに流れる空気が混合され、均一に通風冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る回転電機の全体構成を示す内部構成図である。
図2】本発明の一実施形態に回転子部分を拡大して示す正面図である」。
図3】本発明の一実施形態に用いられる回転軸、リブ、及び仕切り板の関係を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る回転電機の要部構成を示す内部構成図である。
図5】本発明の一実施形態に係る回転電機の要部構成を別の回転角について示す内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1はこの実施の形態に係る回転電機の全体構成を示す内部構成図である。図1において、回転軸11は、その両端部が、外被部材(以下、フレームと呼ぶ)12に設けられた軸受(図示省略)により回転自在な状態で貫通保持されており、その一端には図示しない回転機械が連結される。この回転軸11の外周には、図2で示すように、リブ13aが一体的に取り付けられ、このリブ13aを介して円筒状の回転子14が一体的に取り付けられる。
【0015】
回転子14は、周知のように環状の鋼板を軸方向に沿って積層し円筒状に形成した鉄心と、軸方向に沿って配設された複数の導体(図示省略)とで構成される。回転子14の鉄心部分には、その軸方向に沿う複数個所に間隔が設けられ、この間隔内にダクトピース(図示省略)を設けて、回転子14の半径方向に沿う通風ダクト15を形成している。
【0016】
この回転子14の外周には、同じく円筒状を成す固定子17が同心状に設けられる。すなわち、固定子17は、回転子14の外周面と間隔を保って配置された内周を有する円筒状の鉄心と、この鉄心に施された巻線(図示省略)とで構成される。この固定子17の鉄心部分にも、その軸方向に沿う複数個所に間隔が設けられ、この間隔内にダクトピース(図示省略)を設けて、固定子17の半径方向に沿う通風ダクト18を形成している。
【0017】
前述したフレーム12内における固定子17の上方空間には、熱交換式の冷却器21が設けられている。この冷却器21は、図示水平方向に配設された複数の冷却パイプ(図示省略)からなる管群を有する。これら冷却パイプには外部から冷却器が供給され、その外面に接する空気と熱交換してこれを冷却する。
【0018】
また、前述した回転軸11の両端付近にはファン23がそれぞれ設けられている。これらファン23は、回転軸11と共に回転し、矢印で示すように、回転軸11の外周部分から回転子14の通風ダクト15及び固定子17の通風ダクト18を通り、冷却器21により冷却された空気を、回転軸11の両端側から、回転軸11の軸方向中央に向かって送風する。
【0019】
ここで、回転軸11の外周と回転子14の内周との間には、図2及び図3で示すように、回転軸11の外周から放射状に延びる複数(図2の例では4個)のリブ13aが一体的に取り付けられている。そして、これらリブ13aの先端部に、円筒状の回転子14の内周が固定される。このため、回転子14の内周と回転軸11の外周との間には、リブ13aにより4分割された空間13bが軸方向に沿って形成され、これら空間13bは、後述するように通風路として機能する。
【0020】
図2で示したリブ13aにより分割された空間13bは、上述した両側のファン23から送風される空気の通風路となる。以下、通風路13bとして説明する。すなわち、複数のリブ13aにより複数に区分された回転軸11の外周空間はそれぞれ通風路13bとなる。これら通風路13bには、その軸方向を仕切る仕切り板25をそれぞれ設けている。これら仕切り板25は、ファン23により軸方向中央部に向かって送風される空気を、回転子14の通風ダクト15及び固定子17の通風ダクト18へ向けてガイドする。
【0021】
ここで、複数に区分された回転軸11の外周空間、すなわち、複数の通風路13bにそれぞれ設けられた仕切り板25は、図3で示すように、回転軸11の軸方向に沿う位置が互いに異なるように配置されている。
【0022】
上記構成において、回転電機の運転時には、回転子14や固定子17の鉄心に取り付けられたコイルから発熱し、これらの鉄心部分は高温となる。回転電機のフレーム12内では、回転子14と一体の回転軸11が回転することにより、この回転軸11の両端近くにに取り付けられたファン23も回転し、フレーム12内の空気を、回転軸11の外周に形成された複数の通風路13bの軸方向中央部に向かって送風する。
【0023】
通風路13b内に送風された空気は、仕切り板25により回転子14の通風ダクト15及び固定子17の通風ダクト18へ向けてガイドされ、それらの半径方向に流れて、回転子14及び固定子17の鉄心部分を冷却する。これら鉄心部分を冷却して固定子17の外方へ抜けた高温の空気は、上部空間に位置する冷却器21に導入され、その冷却パイプとの接触により冷却される。冷却器21により冷却された空気はフレーム12の上部内面に沿って左右にガイドされ、前述した両側のファン23により再び複数の通風路13b内に送風される。すなわち、フレーム12内で、図示左右2通りの循環流を生じさせ、回転子14及び固定子17の冷却に供される。
【0024】
ここで、仕切り板25が、従来のように、或いは図1で示したように、分割された複数の通風路13bの軸方向(図示左右方向)中央部にのみ設けられている場合、軸方向の複数個所に設けられた回転子14の通風ダクト15には、仕切り板25に対して、左右均等な量の空気が流れ、固定子17の通風ダクト18にも同様に流れる。
【0025】
この場合、冷却器21の冷却パイプの上流側が、例えば、図1の右側であれば、前述した冷却能力の差により、冷却器21の図示右側の上流側の方が、下流側となる図示左側より冷却される循環流の空気温度が低くなる。このため、軸方向(図示左右方向)の複数個所に設けられた通風ダクト15,18に空気が流れても、空気温度自体に差があるため、図示右側の冷却量が多くなり、回転子14及び固定子17の図示右側が図示左側より低温となる。
【0026】
そこで、本発明の実施の形態では、図2で示したように、リブ13aによって複数に分割された通風路13bに設けられる仕切り板25の設置位置を、各通風路13b毎に互いに異なる位置としたことにより均等な冷却を可能とした。
【0027】
例えば、ある通風路13bには、図4で示すように図示左側寄りに仕切り板25を配置し、別の通風路13bには、図5で示すように図示右側寄りに仕切り板25を配置した。
【0028】
図4の状態では、図示右側から供給される低温の空気が、軸方向(図示左右方向)の複数個所に設けられた通風ダクト15のうち、仕切り板25より図示右側に位置する多数の通風ダクト15に流れる。また、図示左側から供給される比較的高温の空気は、仕切り板25より図示左側に位置する少数の通風ダクト15に流れる。
【0029】
図5の状態では、図示左側から供給される比較的高温の空気は、仕切り板25より図示左側に位置する多数の通風ダクト15に流れ、図示右側から供給される低温の空気が、仕切り板25より図示右側に位置する少数の通風ダクト15に流れる。
【0030】
したがって、円筒状の回転子14については、周方向に分割された複数の通風路13bと対向する部分ごとに、軸方向に沿う温度分布が交互に異なることになり、円筒状の回転子14全体としてみた軸方向の温度分布は平準化される。
【0031】
これに対し、上述した回転子14の外側に位置する固定子17については、回転子14の通風ダクト15を通過した空気が、通風ダクト18を通ることになるので、回転子14の回転により、固定子17に対しては、図4の状態と図5の状態が順次交互に生じる。このため、図示右側及び左側から供給される空気温度に差があっても、軸方向(図示左右方向)の複数個所に設けられた通風ダクト18には、これら低温の空気と比較的高温の空気が順次混合されて送気される。すなわち、図示右側及び左側から供給される空気が万遍なく流れることとなる。したがって、固定子17は、それらの軸方向の全域にわたって、ほぼ均一に冷却され、温度の偏りが生じることはない。
【0032】
また、各通風路13bから通風ダクト15,18に流れる空気量は、図示のように仕切り板25の両側部分が、他の部分に比べて大きい。前述した固定子17については、回転子14の回転により、仕切り板25の位置が軸方向に順次移動することとなるで、これに伴って空気量の多い部分も順次移動することとなる。したがって風量の偏りが生じることはなく、このことからも均一な冷却が可能となる。
【0033】
上述の実施の形態では、図2図3で示すように、回転軸11の外周から放射状に延びる4個のリブ13aにより、回転子14の内周と回転軸11の外周との間を周方向に4分割して4個の通風路13bを軸方向に沿って形成したものを例示したが、本発明は、勿論このような形状構成に限定されない。例えば、回転軸11の外周から放射状に延びる6個のリブ13aを有するものを用い、これら6個のリブ13aにより、回転子14の内周と回転軸11の外周との間を周方向に6分割して6個の通風路13bを軸方向に沿って形成したものでもよい。
【0034】
また、仕切り板25の設置位置として図2では、通風路13bごとに、軸方向左右端近くの位置に設置した場合を例示したが、本発明はこのような配置に限定されるものではなく、図1で示した軸方向の中央位置を含む互いに異なる各位置に、通風路13b別に分散設置してもよい。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
11…回転軸
12…外被部材(フレーム)
13a…リブ
13b…外周空間(通風路)
14…回転子
17…固定子
15,18…通風ダクト
21…冷却器
23…ファン
25…仕切り板
図1
図2
図3
図4
図5