特開2016-220668(P2016-220668A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-220668試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを判定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-220668(P2016-220668A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを判定する方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/06 20060101AFI20161205BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   C12Q1/06
   G01N21/64 F
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-168414(P2015-168414)
(22)【出願日】2015年8月28日
(31)【優先権主張番号】特願2015-111886(P2015-111886)
(32)【優先日】2015年6月2日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】瓜生 幸嗣
【テーマコード(参考)】
2G043
4B063
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043BA16
2G043DA02
2G043EA01
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ03
4B063QQ04
4B063QQ07
4B063QR66
4B063QR69
4B063QR84
4B063QX01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】植物病原性卵菌および植物非病原性卵菌の2種類の卵菌の中から、試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを選択的に判定する方法の提供。
【解決手段】試験試料202が植物病原性卵菌202aを含有するかどうかを判定する方法であって、以下の工程を具備する植物病原性卵菌の判定方法。(a)7.065μmを超えて19.625μm以下の断面積を有する貫通孔104Cを具備するフィルム104の表側104aの面に、試験試料202を配置する工程、(b)工程(a)の後、試験試料202を静置する工程、(c)工程(b)の後、フィルム104の裏面104bを観察する工程、および(d)工程(c)においてフィルム104の裏面に卵菌202aが見いだされた場合には、試験試料202は植物病原性卵菌202aを含有すると判定する工程
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを判定する方法であって、以下の工程を具備する:
(a) 7.065平方マイクロメートルを超えて19.625平方マイクロメートル以下の断面積を有する貫通孔を具備するフィルムの表側の面に、前記試験試料を配置する工程、
(b) 工程(a)の後、前記試験試料を静置する工程、
(c) 工程(b)の後、前記フィルムの裏面を観察する工程、および
(d) 工程(c)において前記フィルムの裏面に卵菌が見いだされた場合には、前記試験試料は前記植物病原性卵菌を含有すると判定する工程。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記植物病原性卵菌は、植物病原性フハイカビである。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記植物病原性卵菌は、Pythium helicoides、Pythium myliotaerum、Pythium aphanidermatumおよびPhytophthora nicotianaeからなる群から選択される少なくとも1つである。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(b)および前記工程(c)の間に、前記フィルムの裏面を菌体結合性蛍光剤に接触させる工程をさらに具備する。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記フィルムの裏面が菌体結合性蛍光剤に接触される前に、前記試験試料をゲル化させる工程をさらに具備する。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(b)の前に、前記試験試料に培地を供給する工程をさらに具備する。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記培地が液体培地である。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、
前記工程(b)において、前記フィルムの裏面を培地に接触させながら、前記試験試料が静置される。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であって、
前記培地が固体培地である。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記フィルムが、10マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の厚みを有する。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記フィルムが、複数の前記貫通孔を具備する。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記試験試料が固体である。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記固体が、土壌および破砕された植物からなる群から選択される少なくとも1つである。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
前記試験試料が液体である。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記液体が、農業用水、水耕栽培のために用いられた液体、植物を洗浄するために使用した後の液体、植物から抽出された液体、農業資材を洗浄するために使用した後の液体、および衣類または靴を洗浄するために使用した後の液体からなる群から選択される少なくとも1つである。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記植物病原性卵菌は、疫病菌である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを判定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、糸状菌計量方法を開示している。図15は、特許文献1に開示された糸状菌計量方法のために用いられる微多孔膜支持体の断面図を示す。特許文献1に開示された糸状菌計量方法は、被験材料中の糸状菌数を計量するのに短時間の培養で糸状菌を計量し、また、正確な糸状菌を計量することができる糸状菌計量方法を提供することを目的としている。この糸状菌計量方法は、液体培養で培養した糸状菌13、または微多孔膜支持体4の微多孔膜1上で培養した糸状菌13の複数に伸びた偽菌糸を撮像5した後、形状と面積および発光輝度を画像解析手段10で認識し解析させることにより、糸状菌13を短時間の培養で計量できるという作用を有する。微多孔膜1は、押さえリング2およびベース3の間に挟まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−287337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、植物病原性卵菌および植物非病原性卵菌の2種類の卵菌の中から、試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを選択的に判定する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを判定する方法であって、以下の工程を具備する:
(a) 7.065平方マイクロメートルを超えて19.625平方マイクロメートル以下の断面積を有する貫通孔を具備するフィルムの表側の面に、前記試験試料を配置する工程、
(b) 工程(a)の後、前記試験試料を静置する工程、
(c) 工程(b)の後、前記フィルムの裏面を観察する工程、および
(d) 工程(c)において前記フィルムの裏面に卵菌が見いだされた場合には、前記試験試料は前記植物病原性卵菌を含有すると判定する工程。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、植物病原性卵菌および植物非病原性卵菌の2種類の卵菌の中から、試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを選択的に判定する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、容器の断面図を示す。
図2図2は、フィルムの断面図を示す。
図3図3は、試験試料が供給された容器の断面図を示す。
図4図4は、植物病原性卵菌が表面に配置されたフィルムの断面図を示す。
図5図5は、植物病原性卵菌がフィルムを貫通した様子を示す断面図である。
図6図6は、卵菌の培養を加速させる方法の一例の断面図を示す。
図7図7は、図6に続き、卵菌の培養を加速させる方法の一例の断面図を示す。
図8図8は、フィルムの裏面から卵菌を観察する様子を示す断面図である。
図9図9は、フィルムの裏面から卵菌を観察する様子を示す断面図である。
図10図10は、実施例1Aにおけるフィルムの裏面の顕微鏡写真である。
図11図11は、実施例1Bにおけるフィルムの裏面の顕微鏡写真である。
図12図12は、比較例1Aにおけるフィルムの裏面の顕微鏡写真である。
図13図13は、比較例1Bにおけるフィルムの裏面の顕微鏡写真である。
図14図14は、参考例1Aにおけるフィルムの裏面の顕微鏡写真である。
図15図15は、特許文献1に開示された糸状菌計量方法のために用いられる微多孔膜支持体の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず、卵菌が説明される。卵菌は、植物病原性卵菌および植物非病原性卵菌の2種類の卵菌に大別される。植物病原性卵菌の例は、Pythium helicoidesまたはPythium aphanidermatumである。これらの植物病原性卵菌は、赤焼病および根腐れ病を引き起こす。これらの植物病原性卵菌は、まず、植物の根に感染する。次いで、これらの植物病原性卵菌は根を腐らせる。最終的には、これらの植物病原性卵菌は、植物を枯らす。植物非病原性卵菌の例は、Pythium dissotocum、Pythium catenulatum、Pythium torulosum、またはPythium inflatumである。Pythium dissotocumは、植物弱病原性卵菌として分類され得る。本明細書においては、植物弱病原性卵菌は、植物非病原性卵菌に分類される。言い換えれば、用語「植物非病原性卵菌」は、植物弱病原性卵菌を含む。用語「植物病原性卵菌」は、植物弱病原性卵菌を含まない。
【0009】
用語「植物病原性」とは、植物に対して病原性を有していることを意味する。用語「植物非病原性」とは、植物に対して病原性を有していないことを意味する。卵菌が病原性を有しているとしても、植物に対して病原性を有していないのであれば、その卵菌は「植物非病原性」である。言い換えれば、卵菌が植物に対して悪影響を与えないのであれば、その卵菌は「植物非病原性」である。用語「植物非病原性」に含まれる接頭語「非」は、「植物」を修飾しない。接頭語「非」は「病原性」を修飾する。
【0010】
以下、本発明の実施形態が図面を参照しながら詳細に説明される。
【0011】
(工程(a))
工程(a)では、7.065平方マイクロメートルを超えて19.625平方マイクロメートル以下の断面積を有する貫通孔を具備するフィルムの表側の面に、試験試料が配置される。
【0012】
具体的には、図1に示されるように、容器100が用意される。容器100は、上端にフランジ102を具備していることが望ましい。容器100の底面は、フィルム104から形成されている。フィルム104の材料の例は、ポリエチレンテレフタラートのような有機樹脂である。
【0013】
図2は、フィルム104の断面図を示す。フィルム104は、表面104a、裏面104b、および貫通孔104cを有する。本発明の特徴の1つは、貫通孔104cの断面積である。
【0014】
貫通孔104cは、7.065平方マイクロメートルを超えて19.625平方マイクロメートル以下の断面積を有する。具体的には、貫通孔104cは、3マイクロメートルを超えて5マイクロメートル以下の直径を有する円筒の形状を有することが望ましい。これらの断面積または直径の重要性は後述される。
【0015】
図3に示されるように、この容器100の内部に、試験試料200が供給される。このようにして、フィルム104の表面104a上に試験試料200が配置される。試験試料200が植物病原性卵菌202を含有している場合、図4に示されるように、フィルム104の表面104a上に植物病原性卵菌202が配置される。
【0016】
試験試料200は、固体、液体、または気体である。試験試料200は、固体または液体であることが望ましい。固体の試験試料200の例は、土壌または破砕された植物である。他の例は、バーミキュライト、ロックウール、またはウレタンのような農業資材である。液体の試験試料200の例は、農業用水、水耕栽培のために用いられた溶液、植物を洗浄するために使用した後の液体、植物から抽出された液体、農業資材を洗浄するために使用した後の液体、または作業者の衣類あるいは靴を洗浄するために使用した後の液体である。
【0017】
(工程(b))
工程(b)では、工程(a)の後、試験試料200が所定時間の間、静置される。貫通孔104cの断面積または直径の重要性が以下、説明される。
【0018】
工程(b)においては、試験試料200に含有される様々な卵菌が成長する。後述される実施例および比較例においても実証されているように、貫通孔104cが7.065平方マイクロメートルを超えて19.625平方マイクロメートル以下の断面積を有する場合、植物病原性卵菌202は、図5に示されるように、貫通孔104cを貫通するように成長する。その結果、フィルム104の裏面104bに植物病原性卵菌202が現れる。一方、この断面積の範囲内では、植物非病原性卵菌は、貫通孔104cを貫通しない。そのため、植物非病原性卵菌は、フィルム104の裏面104bに現れない。このようにして、植物病原性卵菌202が選択的に裏面104bに現れる。言い換えれば、植物病原性卵菌202が選択的に容器100の外側に現れる。
【0019】
後述される参考例において実証されているように、貫通孔104cが1マイクロメートルの直径を有する場合、すなわち、貫通孔104cが0.785平方マイクロメートルの断面積を有する場合、植物病原性卵菌のみが選択的に貫通孔104cを貫通する。表7を参照せよ。
【0020】
後述される実施例において実証されているように、貫通孔104cが3マイクロメートルの直径を有する場合、すなわち、貫通孔104cが7.065平方マイクロメートルの断面積を有する場合、植物病原性卵菌のみが選択的に貫通孔104cを貫通する。表3を参照せよ。
【0021】
後述される実施例において実証されているように、貫通孔104cが5マイクロメートルの直径を有する場合、すなわち、貫通孔104cが19.625平方マイクロメートルの断面積を有する場合、植物病原性卵菌だけでなく植物非病原性卵菌も貫通孔104cを貫通し得る。しかし、貫通孔104cを貫通する植物病原性卵菌の数は、貫通孔104cを貫通する植物非病原性卵菌の数よりもずっと大きい。従って、植物病原性卵菌が選択的に貫通孔104cを貫通する。表4を参照せよ。
【0022】
後述される比較例において実証されているように、貫通孔104cが0.4マイクロメートルの直径を有する場合、すなわち、貫通孔104cが0.1256平方マイクロメートルの断面積を有する場合、植物非病原性卵菌だけでなく植物病原性卵菌も貫通孔104cを貫通しない。表5を参照せよ。
【0023】
後述される比較例において実証されているように、貫通孔104cが8マイクロメートルの直径を有する場合、すなわち、貫通孔104cが50.24平方マイクロメートルの断面積を有する場合、植物病原性卵菌だけでなく植物非病原性卵菌も貫通孔104cを貫通する。表6を参照せよ。
【0024】
このように、貫通孔104cが0.785平方マイクロメートル以上かつ7.065平方マイクロメートル以下の断面積を有する場合、完全な選択性が実現される。貫通孔104cが7.065平方マイクロメートルを超えてかつ19.625平方マイクロメートル以下の断面積を有する場合、高い選択性が実現される。本願では、完全な選択性が実現される範囲ではなく、高い選択性が実現される範囲がクレームされる。
【0025】
植物病原性卵菌202が選択的に容器100の外側に現れる限り、フィルム104の厚みは限定されない。フィルム104は、10マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の厚みを有し得る。図3図5に示されるように、フィルム104は複数の貫通孔104cを有することが望ましい。
【0026】
卵菌の培養を加速させるために、試験試料200に培地が供給され得る。具体的には、試験試料200を含有する容器100の内部に培地が供給され得る。培地は液体であることが望ましい。培地は、工程(b)において供給され得る。これに代えて、培地は工程(b)よりも前に供給され得る。言い換えれば、培地は工程(a)において供給され得る。培地は工程(a)の前に容器100の内部に供給されても良い。
【0027】
図6は、卵菌の培養を加速させる他の方法を示す。図6に示されるように、フィルム104の裏面104bを液体の培地302に接触させることが望ましい。まず、液体の培地302を内部に有する第2容器300が用意される。以下、第2容器300から区別するため、容器100は「第1容器100」と呼ばれる。フランジ102の下面が第2容器300の上端に接触するように、第1容器100が第2容器300に重ね合わされる。言い換えれば、第1容器100が第2容器300の上端によって支持される。このようにして、液体の培地302がフィルム104の裏面104bおよび第2容器300の底面の間に挟まれる。
【0028】
あるいは、第1容器100が第2容器300に重ね合わされた後に、フィルム104の裏面104bおよび第2容器300の底面の間に液体の培地302が供給されても良い。
【0029】
液体の培地302は、フィルム104の裏面104bに接しているので、液体の培地302は貫通孔104cを通って毛細管現象により吸い上げられる。液体の培地302に代えて、粘性を有する固体の培地も用いられ得る。この場合、第1容器100が第2容器300に重ね合わされる時に、粘性を有する固体の培地が変形して貫通孔104cに浸透する。このようにして、培地302が容器100の内部に到達する。容器100の内部に到達した培地302により、卵菌の培養が加速される。図6に示されるように、固体の培地304および液体の培地302の両者が用いられ得る。この場合、液体の培地302が固体の培地304およびフィルム104の間に挟まれる。
【0030】
(工程(c))
工程(c)では、工程(b)の後、フィルム104の裏面104bが観察される。光学顕微鏡を用いて裏面104bが観察されることが望ましい。
【0031】
工程(b)において説明されたように、植物病原性卵菌202は、フィルム104の裏面104bに現れる。一方、植物非病原性卵菌は、フィルム104の裏面104bに現れない。このように、本発明では、植物病原性卵菌202は、フィルム104の裏面104bに選択的に現れる。
【0032】
言い換えれば、植物病原性卵菌202は、貫通孔104cを貫通する。一方、植物非病原性卵菌は、貫通孔104cを貫通しない。そのため、植物非病原性卵菌は、フィルム104の裏面104bに現れない。このようにして、植物病原性卵菌202が選択的に裏面104bに現れる。言い換えれば、植物病原性卵菌202が選択的に容器100の外側に現れる。
【0033】
工程(c)では、フィルム104の裏面104bに植物病原性卵菌202が現れているかどうかが観察される。
【0034】
具体的には、以下のようにして、フィルム104の裏面104bに植物病原性卵菌202が現れているかどうかが観察される。
【0035】
まず、試験試料がゲル化される。より詳細には、アガロース水溶液が第1容器100に供給される。次いで、試験試料を含有するアガロース水溶液は撹拌される。最後に、室温で試験試料が静置される。このようにして、試験試料がゲル化される。
【0036】
次に、第1容器100が第2容器300から引き上げられる。ゲル化の前に、第1容器100は第2容器300から引き上げられても良い。
【0037】
第2容器300から液体の培地302および固体の培地304が除去される。次いで、第2容器300の内部に、菌体結合性蛍光剤402が添加される。次いで、図7に示されるように、第1容器100は、菌体結合性蛍光剤402を内部に有する第2容器300に重ね合わされる。あるいは、第1容器100が第2容器300に重ね合わされた後に、フィルム104の裏面104bおよび第2容器300の底面の間に菌体結合性蛍光剤402が供給されても良い。
【0038】
フィルム104の裏面104bに現れた植物病原性卵菌202の一部分は、菌体結合性蛍光剤402により染色される。試験試料200はゲル化されているので、菌体結合性蛍光剤402は第1容器100の内部には広がらない。従って、第1容器100に含有されている植物非病原性卵菌は、菌体結合性蛍光剤402により染色されない。
【0039】
図8に示されるように、フィルム104の表面104a上に配置された光源500を用いてフィルム104に光を照射しながら、フィルム104の裏面104bの下に配置された顕微鏡600を用いて、染色されている植物病原性卵菌202が観察される。
【0040】
菌体結合性蛍光剤402に代えて、卵菌蛍光剤も用いられ得る。この場合、フィルム104の裏面104bに現れた植物病原性卵菌202の一部分202aは、卵菌蛍光剤により染色される。図9に示されるように、フィルム104の裏面104bの下に配置された顕微鏡600を用いて、卵菌蛍光剤により染色されている植物病原性卵菌202が観察される。
【0041】
(工程(d))
工程(d)では、工程(c)においてフィルム104の裏面104bに卵菌が見いだされた場合には、試験試料は植物病原性卵菌を含有すると判定される。言うまでもないが、工程(c)においてフィルム104の裏面104bに卵菌が見いだされなかった場合には、試験試料は植物病原性卵菌を含有しないと判定される。
【0042】
(実施例)
以下の実施例を参照しながら、本発明がさらにより詳細に説明される。
【0043】
(Pythium helicoidesの培養)
植物病原菌の一種であるPythium helicoidesが、乾燥芝草とともにコーンミール寒天培地に接種された。次いで、培地は摂氏25度の温度下で24時間静置された。Pythium helicoidesは岐阜大学流域圏科学研究センターに所属する景山教授より与えられた。乾燥芝草は、高温高圧滅菌法で滅菌された高麗芝を摂氏60度でおよそ24時間かけて乾燥することにより得られた。
【0044】
次いで、偽菌糸が付着した乾燥芝草を培地からつまみ出した。つまみ出された乾燥芝草は、ペトリ皿に含まれる純水の上面上に浮かべた。純水の容積は20ミリリットルであった。
【0045】
18時間後、ペトリ皿に含まれる水が光学顕微鏡で観察された。その結果、ペトリ皿に含まれる水にPythium helicoidesの胞子が放出されていることが確認された。このようにして、Pythium helicoidesを含有する水溶液が得られた。以下、この水溶液は、「植物病原菌水溶液」と呼ばれる。
【0046】
(培地の用意)
高温で融解されたポテトデキストロース寒天培地が第2容器300に添加された。ポテトデキストロース寒天培地は、250マイクロリットルの容積を有していた。次いで、ポテトデキストロース寒天培地は室温でゲル化された。このようにして、ポテトデキストロース寒天培地ゲルが、固体の培地304として得られた。
【0047】
ポテトデキストロース寒天培地ゲルを含有する第2容器300に、350マイクロリットルの水耕栽培溶液(大塚SA混合溶液)が液体の培地302として添加された。このようにして、液体の培地302および固体の培地304を含む第2容器300が用意された。
【0048】
(実施例1A)
図1に示される第1容器100が用意された。この第1容器100は、プラスチック製であった。図2に示されるように、第1容器100の底面はポリエチレンテレフタラートフィルム104(ミリポア社より入手、商品名:Millicell PISP 12R 48)から形成されていた。このポリエチレンテレフタラートフィルム104は、3マイクロメートルの直径を有する複数の貫通孔104cを具備していた。複数の貫通孔104cは、フィルム104にランダムに設けられていた。
【0049】
次に、図6に示されるように、第1容器100が第2容器300に重ねられた。フィルム104の裏面104bは、液体の培地302に接していた。続いて、第1容器100の内部に、200マイクロリットルの体積を有する水耕栽培溶液が添加された。さらに、200個のPythium helicoidesの胞子を含む植物病原菌水溶液が第1容器100の内部に添加された。
【0050】
第1容器100は、摂氏25度の温度で6時間静置された。
【0051】
その後、第1容器100が第2容器300から分離された。第1容器100の内部に含まれる植物病原菌水溶液が除去された。次いで、第1容器100の内部に、2%の濃度を有するアガロース水溶液が添加された。アガロース水溶液は室温でゲル化された。
【0052】
600ミリリットルの体積を有する菌体結合性蛍光剤(商品名:Calcofluor White (BD261195)会社名:ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー)が、第2容器300の内部に添加された。菌体結合性蛍光剤の終濃度は0.005%であった。
【0053】
次に、再度、第1容器100が第2容器300に重ねられた。フィルム104の裏面104bは、菌体結合性蛍光剤に接していた。第1容器100は、摂氏25度で10分間静置された。ゲルが第1容器100の内部に位置しているので、菌体結合性蛍光剤は第1容器100の内部には広がらなかった。
【0054】
その後、第1容器100が第2容器300から分離された。第2容器300の内部に含まれる菌体結合性蛍光剤が除去された。次いで、第2容器300の内部に、緩衝液が添加された。以下の表1は、この緩衝液に含有される成分および濃度を示す。
【0055】
【表1】
【0056】
図9に示されるように、蛍光顕微鏡600(モレキュラーデバイスジャパン株式会社より入手、商品名:ImageXpress MICRO)を用いて、フィルム104の裏面104bが観察された。表2は、蛍光顕微鏡600に用いられたフィルタおよびレンズを示す。
【0057】
【表2】
【0058】
図10は、実施例1Aにおけるフィルム104の裏面104bの顕微鏡写真である。図10に見られるように、Pythium helicoidesの偽菌糸が裏面104bに現れている。これは、Pythium helicoidesの偽菌糸が貫通孔104cを貫通したことを意味する。
【0059】
裏面104bに現れたPythium helicoidesの偽菌糸の数が目視により数えられた。実施例1Aは2回〜3回繰り返された。その結果、裏面104bに現れたPythium helicoidesの偽菌糸の数の平均値は18.0個であった。
【0060】
(実施例1B)
貫通孔104cの直径が5マイクロメートルであったこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。具体的には、ポリエチレンテレフタラートフィルム104(Millicell PIMP 12R 48)が用いられた。
【0061】
図11は、実施例1Bにおけるフィルム104の裏面104bの顕微鏡写真である。図11に見られるように、Pythium helicoidesの偽菌糸が裏面104bに現れている。これは、Pythium helicoidesの偽菌糸が貫通孔104cを貫通したことを意味する。
【0062】
(比較例1A)
貫通孔104cの直径が0.4マイクロメートルであったこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。具体的には、ポリエチレンテレフタラートフィルム104(Millicell PIHT 12R 48)が用いられた。
【0063】
図12は、比較例1Aにおけるフィルム104の裏面104bの顕微鏡写真である。図12に見られるように、Pythium helicoidesの偽菌糸は裏面104bに現れなかった。これは、Pythium helicoidesの偽菌糸が貫通孔104cを貫通しなかったことを意味する。
【0064】
(比較例1B)
貫通孔104cの直径が8マイクロメートルであったこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。具体的には、ポリエチレンテレフタラートフィルム104(Millicell PIEP 12R 48)が用いられた。
【0065】
図13は、比較例1Bにおけるフィルム104の裏面104bの顕微鏡写真である。図13に見られるように、Pythium helicoidesの偽菌糸が裏面104bに現れている。これは、Pythium helicoidesの偽菌糸が貫通孔104cを貫通したことを意味する。
【0066】
(参考例1A)
貫通孔104cの直径が1マイクロメートルであったこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。具体的には、ポリエチレンテレフタラートフィルム104(Millicell PIRP 12R 48)が用いられた。
【0067】
(実施例2A)
実施例2A〜実施例2Bおよび比較例2A〜比較例2Bでは、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液に代えて、Pythium myliotaerumの胞子を含有する植物病原菌水溶液が用いられた。Pythium helicoidesと同様、Pythium myliotaerumもまた、植物病原菌の1種である。Pythium myliotaerumの胞子を含有する植物病原菌水溶液は、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液と同様に調製された。
【0068】
実施例2Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium myliotaerumを含有していたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、3マイクロメートルの直径を有していた。
【0069】
(実施例2B)
実施例2Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium myliotaerumを含有していたこと以外は、実施例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、5マイクロメートルの直径を有していた。
【0070】
(比較例2A)
比較例2Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium myliotaerumを含有していたこと以外は、比較例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、0.4マイクロメートルの直径を有していた。
【0071】
(比較例2B)
比較例2Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium myliotaerumを含有していたこと以外は、比較例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、8マイクロメートルの直径を有していた。
【0072】
(参考例2A)
参考例2Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium myliotaerumを含有していたこと以外は、参考例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、1マイクロメートルの直径を有していた。
【0073】
(実施例3A)
実施例3A〜実施例3Bおよび比較例3A〜比較例3Bでは、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液に代えて、Pythium aphanidermatumの胞子を含有する植物病原菌水溶液が用いられた。Pythium helicoidesと同様、Pythium aphanidermatumもまた、植物病原菌の1種である。Pythium aphanidermatumの胞子を含有する植物病原菌水溶液は、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液と同様に調製された。
【0074】
実施例3Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium aphanidermatumを含有していたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、3マイクロメートルの直径を有していた。
【0075】
(実施例3B)
実施例3Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium aphanidermatumを含有していたこと以外は、実施例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、5マイクロメートルの直径を有していた。
【0076】
(比較例3A)
比較例3Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium aphanidermatumを含有していたこと以外は、比較例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、0.4マイクロメートルの直径を有していた。
【0077】
(比較例3B)
比較例3Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium aphanidermatumを含有していたこと以外は、比較例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、8マイクロメートルの直径を有していた。
【0078】
(参考例3A)
参考例3Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium aphanidermatumを含有していたこと以外は、参考例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、1マイクロメートルの直径を有していた。
【0079】
(実施例4A)
実施例4A〜実施例4Bおよび比較例4A〜比較例4Bでは、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液に代えて、Phytophthora nicotianaeの胞子を含有する植物病原菌水溶液が用いられた。Pythium helicoidesと同様、Phytophthora nicotianaeもまた、植物病原菌の1種である。Phytophthora nicotianaeの胞子を含有する植物病原菌水溶液は、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液と同様に調製された。
【0080】
実施例4Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPhytophthora nicotianaeを含有していたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、3マイクロメートルの直径を有していた。
【0081】
(実施例4B)
実施例4Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPhytophthora nicotianaeを含有していたこと以外は、実施例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、5マイクロメートルの直径を有していた。
【0082】
(比較例4A)
比較例4Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPhytophthora nicotianaeを含有していたこと以外は、比較例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、0.4マイクロメートルの直径を有していた。
【0083】
(比較例4B)
比較例4Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPhytophthora nicotianaeを含有していたこと以外は、比較例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、8マイクロメートルの直径を有していた。
【0084】
(参考例4A)
参考例4Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium nicotianaeを含有していたこと以外は、参考例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、1マイクロメートルの直径を有していた。
【0085】
(比較例5A)
比較例5A〜比較例5Dでは、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液に代えて、Pythium torulosumの胞子を含有する植物非病原菌水溶液が用いられた。Pythium helicoidesとは異なり、Pythium torulosumは、植物非病原菌の1種である。Pythium torulosumの胞子を含有する植物非病原菌水溶液は、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液と同様に調製された。
【0086】
比較例5Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium torulosumを含有していたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、3マイクロメートルの直径を有していた。
【0087】
(比較例5B)
比較例5Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium torulosumを含有していたこと以外は、実施例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、5マイクロメートルの直径を有していた。
【0088】
(比較例5C)
比較例5Cでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium torulosumを含有していたこと以外は、比較例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、0.4マイクロメートルの直径を有していた。
【0089】
(比較例5D)
比較例5Dでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium torulosumを含有していたこと以外は、比較例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、8マイクロメートルの直径を有していた。
【0090】
(参考比較例5A)
参考比較例5Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium torulosumを含有していたこと以外は、参考例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、1マイクロメートルの直径を有していた。
【0091】
(比較例6A)
比較例6A〜比較例6Dでは、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液に代えて、Pythium catenulatumの胞子を含有する植物非病原菌水溶液が用いられた。Pythium helicoidesとは異なり、Pythium catenulatumは、植物非病原菌の1種である。Pythium catenulatumの胞子を含有する植物非病原菌水溶液は、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液と同様に調製された。
【0092】
比較例6Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium catenulatumを含有していたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、3マイクロメートルの直径を有していた。
【0093】
(比較例6B)
比較例6Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium catenulatumを含有していたこと以外は、実施例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、5マイクロメートルの直径を有していた。
【0094】
(比較例6C)
比較例6Cでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium catenulatumを含有していたこと以外は、比較例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、0.4マイクロメートルの直径を有していた。
【0095】
(比較例6D)
比較例6Dでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium catenulatumを含有していたこと以外は、比較例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、8マイクロメートルの直径を有していた。
【0096】
(参考比較例6A)
参考比較例6Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium catenulatumを含有していたこと以外は、参考例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、1マイクロメートルの直径を有していた。
【0097】
(比較例7A)
比較例7A〜比較例7Dでは、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液に代えて、Pythium inflatumの胞子を含有する植物非病原菌水溶液が用いられた。Pythium helicoidesとは異なり、Pythium inflatumは、植物非病原菌の1種である。Pythium inflatumの胞子を含有する植物非病原菌水溶液は、Pythium helicoidesの胞子を含有する植物病原菌水溶液と同様に調製された。
【0098】
比較例7Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium inflatumを含有していたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、3マイクロメートルの直径を有していた。
【0099】
(比較例7B)
比較例7Bでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium inflatumを含有していたこと以外は、実施例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、5マイクロメートルの直径を有していた。
【0100】
(比較例7C)
比較例7Cでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium inflatumを含有していたこと以外は、比較例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、0.4マイクロメートルの直径を有していた。
【0101】
(比較例7D)
比較例7Dでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium inflatumを含有していたこと以外は、比較例1Bと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、8マイクロメートルの直径を有していた。
【0102】
(参考比較例7A)
参考比較例7Aでは、水溶液が、Pythium helicoidesではなくPythium inflatumを含有していたこと以外は、参考例1Aと同様の実験が行われた。貫通孔104cは、1マイクロメートルの直径を有していた。
【0103】
以下の表3〜表7は、上記の実施例、比較例、参考例、および参考比較例において貫通孔104cを貫通した偽菌糸の数を示す。
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】
【表7】
【0109】
表3〜表4から明らかなように、貫通孔104cが3マイクロメートル以上5マイクロメートル以下の直径を有する場合、植物病原性卵菌の侵入点数は、植物非病原性の侵入点数よりもずっと大きい。
【0110】
表5から明らかなように、貫通孔104cが0.4マイクロメートルの直径を有する場合、植物非病原性卵菌だけでなく、植物病原性卵菌もまた、フィルム104の裏面104bに現れない。
【0111】
表6から明らかなように、貫通孔104cが8マイクロメートルの直径を有する場合、植物非病原性卵菌の侵入点数の方が、植物病原性卵菌の侵入点数よりも高くなり得る。比較例3B、比較例4B、および比較例7Bを参照せよ。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、農業用水または土壌のような試験試料が植物病原性卵菌を含有するかどうかを簡単に判定するために用いられ得る。
【符号の説明】
【0113】
100 第1容器
102 フランジ
104 フィルム
104a 表面
104b 裏面
104c 貫通孔
200 試験試料
202 植物病原性卵菌
202a 植物病原性卵菌の一部分
300 第2容器
302 液体の培地
304 固体の培地
402 菌体結合性蛍光剤
500 光源
600 顕微鏡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15