特開2016-220828(P2016-220828A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-220828(P2016-220828A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】遊技球収容構造体
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   A63F7/02 355B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-108852(P2015-108852)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横山 徳彦
(72)【発明者】
【氏名】玉木 慎
(72)【発明者】
【氏名】東 憲一
(72)【発明者】
【氏名】都築 一郎
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088FA05
(57)【要約】
【課題】遊技機本体から排出されて落下する遊技球の跳ね返り自体を抑制する遊技球収容構造体を提供する。
【解決手段】遊技機本体110から排出される遊技球Bを収容する遊技球収容構造体1は、遊技球Bを受ける側の第1の面101をもつ第1の底面部10と、第1の底面部10を囲う壁面部11と、第1の底面部10の壁面部11と交わる位置に設けられ、周回方向に延在し、かつ、遊技球Bが通過不能な幅をもつ複数のスリット12と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体から排出される遊技球を収容する遊技球収容構造体であって、
前記遊技球を受ける側の第1の面をもつ第1の底面部と、
前記第1の底面部を囲う壁面部と、
前記第1の底面部の前記壁面部と交わる位置に設けられ、周回方向に延在し、かつ、前記遊技球が通過不能な幅をもつ複数のスリットと、を備える
ことを特徴とする遊技球収容構造体。
【請求項2】
前記複数のスリットが周回方向に長くなるように延在することを特徴とする請求項1に記載の遊技球収容構造体。
【請求項3】
前記第1の底面部が、前記第1の面において、前記遊技球を受ける位置を含む範囲が凸状となるように形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技球収容構造体。
【請求項4】
さらに、前記第1の底面部の前記第1の面とは反対側の第2の面側に第2の底面部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遊技球収容構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機本体から排出されて落下する遊技球を収容する遊技球収容構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機本体から排出されて落下して玉受け部で跳ね返る遊技球が玉受け部からこぼれないように、玉受け部の周りを壁部から延出した延出壁部材で囲っている遊技機の出玉計数装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、遊技機の機種によっては、遊技機本体に対する玉受け部の位置が異なり、必ずしも遊技球のこぼれを防止できないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−89786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊技機本体から排出されて落下する遊技球の跳ね返り自体を抑制する遊技球収容構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明に係る第1の観点は、遊技機本体から排出される遊技球を収容する遊技球収容構造体であって、遊技球を受ける側の第1の面をもつ第1の底面部と、第1の底面部を囲う壁面部と、第1の底面部の壁面部と交わる位置に設けられ、周回方向に延在し、かつ、遊技球が通過不能な幅をもつ複数のスリットと、を備えることを特徴とする。
【0006】
(2)上記(1)に記載の遊技球収容構造体において、複数のスリットが周回方向に長くなるように延在してもよい。
【0007】
(3)上記(1)又は(2)に記載の遊技球収容構造体において、第1の底面部が、第1の面において、遊技球を受ける位置を含む範囲が凸状となるように形成されてもよい。
【0008】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の遊技球収容構造体において、第1の底面部の第1の面とは反対側の第2の面側に第2の底面部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技機本体から排出されて落下する遊技球の跳ね返り自体を抑制する遊技球収容構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る遊技球収容構造体を備えた遊技機を示す概略斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る遊技球収容構造体を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る遊技球収容構造体を示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る遊技球収容構造体の図3におけるA−A断面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る遊技球収容構造体の図3におけるA−A断面図に相当する断面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る遊技球収容構造体の図3におけるA−A断面図に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0012】
(第1実施形態)
((遊技機100の構成))
まず、第1実施形態の遊技球収容構造体1が適用される遊技機100について、図1を参照しつつ、詳細に説明する。図1において、遊技機100は、遊技球Bを収容する遊技球収容構造体(以下、「箱」ともいう。)1と、遊技機本体110と、玉貸機120と、球計数装置130と、玉回収部140とを備えている。なお、箱1を含め、各要素の形状や大きさなどは、図示されたものに限定されない。
【0013】
玉貸機120は、遊技機本体110の側方の一方に配置され、遊技機本体110に遊技球Bを供給する。遊技機本体110から落下した遊技球Bを収容する箱1は、遊技機本体110の下方に配置されている。球計数装置130は、遊技機本体110の下方で、箱1の玉貸機120が配置された側に配置されている。球計数装置130には、箱1から遊技球Bが流れてくる。また、玉貸機120の下方には、球計数装置130を通過した遊技球Bを回収する玉回収部140が、玉貸機120と一体的に配置されている。
【0014】
次に、遊技機本体110について詳しく説明する。遊技機本体110は、本体枠20と本体扉30とを備えている。本体扉30は、本体枠20の前方に開閉自在に本体枠20に軸支されると共に、本体枠20の開口を閉鎖する。本体扉30は、上皿31及び下皿32を前面に有する。また、本体扉30には、遊技盤33が、本体扉30の前面側から視認可能に設けられている。
【0015】
本体扉30の下端は、下皿32の下端と本体枠20との間に位置し、本体枠20の下部は、本体扉30によって閉鎖されない。そして、本体枠20における本体扉30よりも下方の前面側に、箱1及び球計数装置130が配置されている。ここで、箱1は、下皿32の下方に配置されている。
【0016】
上皿31は、玉貸機120から遊技機本体110に供給された遊技球Bを一時的に収容する皿である。一方、下皿32は、遊技の結果に応じて得られた遊技球Bを一時的に収容する皿である。
【0017】
下皿32は、その底面に図示しないシャッターを備えており、シャッターを開放することにより、下皿32に収容されている遊技球Bを、下皿32の下方に配置された箱1に落下させることができる。
【0018】
玉貸機120の前面には、硬貨投入口121、ICカード挿入口122、遊技球Bを遊技機本体110の上皿31に供給する玉供給ノズル123、その他各種表示ランプ、各種表示器、各種操作ボタン等が設けられている。
【0019】
球計数装置130は、図示しないセンサー等から構成される球計数ユニットを備えており、箱1から流れてきた遊技球Bをカウントする。玉回収部140は、後ろ側に図示しない排出口を備えており、遊技球Bは、図示しない回収装置に送られる。
【0020】
((箱1の構成))
以下、第1実施形態における箱1を、図2図3及び図4を参照しつつ、詳細に説明する。箱1は、図2及び図3に示すように、平面視において、隅が丸い長方形状を有している。箱1の材質は、弾性変形するものが好ましく、特に樹脂が好ましい。例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene )樹脂が挙げられる。箱1の形成方法は特に限定されないが、例えば、樹脂による一体成型によって得ることができる。
【0021】
本発明の第1実施形態に係る箱1は、遊技機本体110から排出される遊技球Bを収容する箱状を、遊技球Bを受ける第1の底面部10と、第1の底面部10を囲う壁面部11と、第1の底面部10の壁面部11と交わる位置に設けられ、周回方向に延在し、かつ、遊技球Bが通過不能な幅Wをもつ複数のスリット12と、を備えている。遊技機本体110の一例として、パチンコ台本体が挙げられる。また、遊技球Bの一例として、パチンコ玉が挙げられる。
【0022】
第1の底面部10は、図1に示した下皿32から落下した遊技球Bを上面である第1の面101で受ける。壁面部11は、第1の底面部10を囲って形成されている。ここで、図4において、第1の底面部10は、壁面部11の上下方向の略中間位置に形成されている。なお、第1の底面部10の下面である第2の面102は、箱1の最下端から上方の位置に設けられている。
【0023】
第1実施形態では、スリット12は、第1の底面部10の壁面部11と交わる位置に周回方向に長くなるように延在して11か所設けられているが、数は特に限定されない。数を少なくして、強度を保持できる範囲で1つのスリット12を長くなるように延在させてもよい。また、スリット12の幅Wは、遊技球Bの直径より小さい幅で設けられ、遊技球Bがスリット12を通過不能となっている。また、スリット12の周回方向の長さLは特に限定されないが、第1の底面部10の周囲長に対するスリット12の周回方向の長さLの合計の割合が、65パーセント程度が好ましい。
【0024】
さらに、複数のスリット12は、周回方向に互いに近接して設けられている。隣り合うスリット12の間は、第1の底面部10に梁部13を形成している。隣り合うスリット12は、壁面部11と繋がっている梁部13が、遊技球Bの落下の衝撃により破壊されない程度に近接して設ける。
【0025】
さらに、壁面部11は、収容された遊技球Bを排出する排出部14を備えている。第1実施形態では、排出部14は、箱1の四隅のうち、遊技機本体110側で、球計数装置130側の隅の壁面部11に排出口として設けられている。ここで、第1の底面部10が、排出部14を、第1の底面部10に溝として備えていてもよい。
【0026】
以下に遊技球Bの流れについて説明する。図1において、玉貸機120に硬貨の投入又はICカードを挿入することにより、所定の数の遊技球Bが玉供給ノズル123から遊技機本体110の上皿31に供給される。遊技球Bは、遊技機本体110の内部に送られ、遊技の結果に応じて決められた個数の遊技球Bが、遊技機本体110の下皿32に送られる。遊技の結果に応じて下皿32に貯まった遊技球Bは図示しないシャッターを開放することにより、勢いよく箱1に向かって落下する。落下した遊技球Bは、箱1の第1の底面部10によって受け止められる。
【0027】
箱1に落下した遊技球Bは、排出部14から球計数装置130に向けて流れる。遊技球Bは、球計数装置130を通過してカウントされ、玉回収部140に送られて回収され循環利用される。
【0028】
第1実施形態に係る箱1によれば、第1の底面部10に、壁面部11との交差する箇所にスリット12を設けているので、第1の底面部10の断面二次モーメントが小さくなり、第1の底面部10が曲がり易くなり、スリット12を設けない場合と比較して、落下してきた遊技球Bの衝撃を吸収してその跳ね返りを抑制できる。
【0029】
また、スリット12が、遊技球Bの直径より小さい幅Wを持つので遊技球Bがスリット12を通り抜けて箱1から落下するのを抑制できる。スリット12の幅Wは、遊技球Bの直径より小さい範囲内であれば、大きいほど梁部13が長くなる。梁部13が長くなることにより、第1の底面部10の断面二次モーメントがより小さくなり、第1の底面部10がより曲がり易くなるが、遊技球Bの落下の衝撃により梁部13が破壊されない程度の幅Wにするのが好ましい。
【0030】
さらに、複数のスリット12が周回方向に長くなるように延在しているので、スリット12の周回方向に占める割合が増え、第1の底面部10の断面二次モーメントがより小さくなり、第1の底面部10がより曲がり易くなり、落下してきた遊技球Bの衝撃を吸収してその跳ね返りをより抑制できる。
【0031】
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態における箱1Aについて、図5を参照しつつ、説明する。第2実施形態における箱1Aは、第1実施形態の箱1の第1の底面部10の形状が異なる。第2実施形態における箱1Aでは、第1の底面部10Aが、遊技球Bを受ける側の第1の面101Aにおいて、遊技球Bを受ける位置を含む範囲が凸状となるように形成されている。ここで、凸状は、落下した遊技球Bが箱1Aの周辺部に散らばる形状であれば特に限定されない。また、第1の底面部10Aの下面である第2の面102Aについては、図5では平坦な場合を図示しているが、第1の面101Aの凸状に合わせた形状としてもよい。
【0032】
第2実施形態に係る箱1Aによれば、落下した遊技球Bが箱1Aの周辺部に散らばって分散しやすくなる。また、遊技球Bが排出部14に流れ易くなり、遊技球Bが箱1Aに滞留する時間が抑えられ、球計数装置130でのカウントを早く行える。
【0033】
(第3実施形態)
以下に、第3実施形態における箱1Bについて、図6を参照しつつ、説明する。第3実施形態における箱1Bは、第1実施形態の箱1の第1の底面部10に加え、第1の底面部10の第1の面101とは反対側の第2の面102側に第2の底面部15を備えている。
【0034】
第3実施形態に係る箱1Bによれば、遊技球Bの落下により第1の底面部10が撓んでも、第2の底面部15に当たり、大きく撓むのを防ぐことができ、第1の底面部10の破損を抑えることができる。
【0035】
(変形例)
以上述べた各実施形態において、スリット12は各実施形態で示したものに限らない。スリット12の数、周回方向に互いに隣り合うスリット12の間隔、スリット12の幅W及びスリット12の周回方向の長さLは、箱1の大きさ及び材質、遊技球Bの落下の衝撃の大きさ等に応じて、梁部13が破壊されないで、遊技機本体110から排出されて落下する遊技球Bが跳ね返って箱1からこぼれない適切な値を設計により選択することができる。
【0036】
また、各実施形態では、第1の底面部10は、壁面部11の上下方向の略中央部に位置しているが、壁面部11の下皿32方向への高さが、第1の底面部10で跳ね返った遊技球Bが箱1、1Aの外に飛び出さない高さであれば、壁面部11の上下方向の略中央部に位置していなくてもよい。例えば、最下部にあってもよい。このとき遊技球Bの落下により第1の底面部10が撓むスペースを箱1、1Aの下方に設けるのが好ましい。
【0037】
また、第1の底面部10、10Aは、排出部14に遊技球Bが流れ易いように傾斜していてもよい。また、箱1、1A、1Bの形成方法は特に限定されないが、例えば、樹脂による一体成型の他に、壁面部11と第1の底面部10、10A又は第2の底面部15との接着、融着、嵌合による組み合わせ等による方法も用いることができる。
【0038】
通常、複数の遊技機100は、図示しないカウンター上に並んで配置、使用されるが、単体で使用されてもよい。
【0039】
以上、各実施形態及び各変形例を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲はこれらに記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。これらに、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0040】
例えば、上記した箱1、1A又は1Bの構成を、遊技球Bを球計数装置130に送るために遊技機本体110に組み込まれたものとしてではなく、遊技機本体110から独立して遊技球Bを収容する箱(いわゆる「ドル箱」)にも適用できる。
【符号の説明】
【0041】
1、1A、1B 箱(遊技球収容構造体)
10 第1の底面部
101、101A 第1の面(第1の底面部の)
102、102A 第2の面(第1の底面部の)
11 壁面部
12 スリット
13 梁部
14 排出部
15 第2の底面部
20 本体枠
30 本体扉
31 上皿
32 下皿
33 遊技盤
100 遊技機
110 遊技機本体
120 玉貸機
121 硬貨投入口
122 ICカード挿入口
123 玉供給ノズル
130 球計数装置
140 玉回収部
B 遊技球
図1
図2
図3
図4
図5
図6