特開2016-220972(P2016-220972A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-220972(P2016-220972A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】塗布具付き容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   A45D34/04 515C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-110637(P2015-110637)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一男
(57)【要約】
【課題】塗布具を容器本体から抜き出す際に、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれすることを抑制した上で、組み立てを容易に行うことができる塗布具付き容器を提供する。
【解決手段】塗布具付き容器1は、容器本体2と、容器本体2の口部3に装着されたキャップ体4と、口部3内に嵌合されたしごき筒部材5と、しごき筒部材5内に挿通された棒状の塗布具6と、を備えている。しごき筒部材5の内周面には、径方向の内側に向けて突出する筒状のしごき片28が形成されている。しごき筒部材5の外周面には、径方向の外側に向けて突出するとともに、容器本体2の内周面に形成された被係止部8に対して下方から係合する係合部29が形成されている。しごき筒部材5の内周面、および塗布具6の外周面のうちの少なくとも一方には、他方に近接もしくは当接し、しごき筒部材5の縮径変形を規制する第2膨出部22および規制リブ30が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に着脱自在に装着されたキャップ体と、
前記容器本体の口部内に嵌合されたしごき筒部材と、
前記キャップ体に装着されるとともに、前記しごき筒部材内に挿通された棒状の塗布具と、を備え、
前記しごき筒部材の内周面には、径方向の内側に向けて突出する筒状のしごき片が形成され、
前記しごき筒部材の外周面には、径方向の外側に向けて突出するとともに、前記容器本体の内周面に形成された被係止部に対して下方から係合する係合部が形成され、
前記しごき筒部材の内周面、および前記塗布具の外周面のうちの少なくとも一方には、他方に近接もしくは当接し、前記しごき筒部材の縮径変形を規制する規制部が形成されている、
ことを特徴とする塗布具付き容器。
【請求項2】
前記規制部の少なくとも一部は、前記係合部と径方向で重なり合っている、
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布具付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、塗布具付き容器として、内容液が収容される容器本体と、容器本体の口部に着脱自在に装着されたキャップ体と、容器本体の口部内に嵌合されたしごき筒部材と、キャップ体に装着されるとともに、しごき筒部材内に挿通された棒状の塗布具と、を備え、しごき筒部材の内周面においてその軸方向の中間部に、径方向内方に向けて筒状のしごき片が突設され、しごき筒部材の下端部に、口部内における下端開口縁に対して下方から対向もしくは当接するフランジ状の段部と、段部の外周縁から下方に向けて延びる筒状の大径部と、を有する構成が知られている。この塗布具付き容器では、塗布具を容器本体から抜き出すときに、塗布具の外周に付着した過剰な液体をしごき片によりしごき落とすことができる。
【0003】
ところが、この塗布具付き容器では、塗布具としごき筒部材とがそれらの表面に付着した内容液の固化により互いに固着する場合等があった。この場合には、塗布具を容器本体から抜き出す際に塗布具に加えた力がしごき筒部材に伝わることにより、フランジ状の段部が口部の下端開口縁に密接しながら大径部が縮径変形させられてしまい、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれするおそれがあった。
【0004】
このような問題を解決するための手段として、例えば特許文献1に示されるような、大径部内にしごき筒部材とは別部材の弾性リングを嵌合させたものが知られている。この弾性リングによって大径部の径方向内方に向けた変形に対する剛性が高められ、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれすることを抑えられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−339436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の塗布具付き容器では、弾性リングがしごき筒部材とは別部材として設けられるため、弾性リングがしごき筒部材から脱落するおそれがあった。また、弾性リングがしごき筒部材とは別部材として設けられることで、部品点数が増え、塗布具付き容器の組み立てに手間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、塗布具を容器本体から抜き出す際に、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれすることを抑制した上で、組み立てを容易に行うことができる塗布具付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の塗布具付き容器は、内容液が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に着脱自在に装着されたキャップ体と、前記容器本体の口部内に嵌合されたしごき筒部材と、前記キャップ体に装着されるとともに、前記しごき筒部材内に挿通された棒状の塗布具と、を備え、前記しごき筒部材の内周面には、径方向の内側に向けて突出する筒状のしごき片が形成され、前記しごき筒部材の外周面には、径方向の外側に向けて突出するとともに、前記容器本体の内周面に形成された被係止部に対して下方から係合する係合部が形成され、前記しごき筒部材の内周面、および前記塗布具の外周面のうちの少なくとも一方には、他方に近接もしくは当接し、前記しごき筒部材の縮径変形を規制する規制部が形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、しごき筒部材の内周面、および塗布具の外周面のうちの少なくとも一方に、しごき筒部材の縮径変形を規制する規制部が形成されているので、塗布具を容器本体から抜き出す際に、しごき筒部材も上方に移動して係合部が径方向の内側に向けて変位しようとしたときに、規制部が前記他方に当接することで係合部の変位を抑えることができる。その結果、被係止部に対する係合部の係合が維持され、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれすることを抑制できる。
しかも、規制部は、しごき筒部材および塗布具のうちの少なくとも一方に形成されているので、部品点数を増やすことなく、しごき筒部材の縮径変形を規制することができる。
したがって、塗布具を容器本体から抜き出す際に、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれすることを抑制した上で、組み立てを容易に行うことができる。
【0010】
また、上記の塗布具付き容器において、前記規制部の少なくとも一部は、前記係合部と径方向で重なり合っている、ことが望ましい。
【0011】
本発明によれば、規制部の少なくとも一部が係合部と径方向で重なり合っているので、塗布具を容器本体から抜き出す際に係合部が径方向の内側に向けて変位しようとしたときに、しごき筒部材の内周面、および塗布具の外周面のうちの少なくとも一方に形成された規制部を他方に即座に当接させることができる。さらに、規制部の少なくとも一部が係合部と径方向で重なり合っているので、規制部が係合部と径方向で重なり合っていない場合(上下方向で離れている場合)と比較して、規制部が前記他方に当接した状態で、しごき筒部材のうち係合部が位置する部分が縮径変形することを抑制できる。よって、係合部の径方向の内側に向かう変位を、確実に規制することができる。したがって、塗布具を容器本体から抜き出す際に、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれすることをより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、塗布具を容器本体から抜き出す際に、しごき筒部材が容器本体に対して上方に位置ずれすることを抑制した上で、組み立てを容易に行うことができる塗布具付き容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る塗布具付き容器の縦断面図である。
図2】第1実施形態に係る塗布具付き容器の縦断面図である。
図3】第1実施形態に係る塗布具付き容器のしごき筒部材の底面図である。
図4】第2実施形態に係る塗布具付き容器の縦断面図である。
図5】第2実施形態に係る塗布具付き容器のしごき筒部材の底面図である。
図6】第2実施形態の変形例に係る塗布具付き容器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
最初に第1実施形態に係る塗布具付き容器1について説明する。
図1に示すように、本実施形態の塗布具付き容器1は、内容液が収容される容器本体2と、容器本体2の口部3に着脱自在に装着されたキャップ体4と、容器本体2の口部3内に嵌合されたしごき筒部材5と、キャップ体4に装着されるとともに、しごき筒部材5内に挿通された棒状の塗布具6と、を備えている。
なお、容器本体2に収容される内容液としては、例えば化粧液や薬液、接着液、洗浄液等が挙げられる。化粧液の具体例としては、例えばマスカラやアイライナー、リップグロス等が挙げられる。
【0015】
塗布具付き容器1では、容器本体2は有底筒状に形成されるとともに、しごき筒部材5は円筒状に形成され、それぞれの中心軸線が共通軸上に配置されている。以下の説明では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿う容器本体2の底部2c側を下側、容器軸O方向に沿う容器本体2の口部3側を上側という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0016】
容器本体2は、外周面に雄ネジが形成された円筒状の口部3と、口部3より大径の円筒状の胴部2aと、口部3と胴部2aとを連結する肩部2bと、胴部2aの下端開口を閉塞する底部2cと、を備え、これらが一体に形成されている。
【0017】
図2に示すように、口部3の下端部における内周面3aは、下方に向かうに従い漸次拡径した凸曲面状に形成されている。肩部2bの下面2dは、径方向の外側に向かうに従い下方に向けて傾斜する凹曲面状に形成されている。肩部の下面2dは、その径方向内側端縁において口部3の下端部における内周面3aの下端縁と滑らかに連なるとともに、径方向外側端縁において胴部2aの内周面2eの上端縁と滑らかに連なっている。口部3の下端部における内周面3a、および肩部2bの下面2dは、後述する塗布具6の係合部29が係止される被係止部8となっている。被係止部8は、下方から上方に向かうに従い漸次縮径している。
【0018】
図1に示すように、キャップ体4は、口部3の雄ネジに螺合可能な雌ネジが形成された円筒状の被着筒部14と、被着筒部14の上端に連設されて容器軸Oに沿って上方に向けて延びる有頂筒状の固定用筒部15と、を備えている。キャップ体4は、被着筒部14によって口部3に着脱可能とされている。
【0019】
塗布具6は、固定用筒部15の内側に嵌合される大径部16と、液体を含ませることができる塗布部17と、大径部16と塗布部17とを連結する連結部18と、を備えている。塗布具6は、キャップ体4が口部3に装着された状態で、容器軸Oと同軸に配置され、かつ連結部18および塗布部17が容器本体2の内部に収容される。なお、塗布部17の具体例としては、例えば筆状やブラシ状、スポンジ状等のものが挙げられる。
【0020】
図2に示すように、連結部18は、例えば樹脂材料等により、大径部16と一体的に形成されている。連結部18の外周面には、後述するしごき片28の上面28aに当接もしくは上方から近接して対向する第1膨出部21と、第1膨出部21よりも下方に配置された第2膨出部22(規制部)と、第1膨出部21と第2膨出部22との間に形成され、かつ内部にしごき片28の先端部が配置されるくぼみ部23と、がそれぞれ周方向における全周に亘って形成されている。
第1膨出部21の上部21aは、径方向の外側に向かうに従い漸次下方に向けて延びている。第1膨出部21の下部21bは、径方向の外側に向かうに従い漸次上方に向けて延びている。
【0021】
第2膨出部22の上部は、径方向の外側に向かうに従い漸次下方に向けて延びる凸曲面状に形成されている。第2膨出部22の下部22aは、容器軸O方向に沿って真直ぐに形成されている。第2膨出部22の最外周部における外径は、第1膨出部21の最外周部における外径よりも小さくなっている。第2膨出部22は、その下端縁において、連結部18における第2膨出部22よりも下方に位置する下部18aの外周面と滑らかに接続している。第2膨出部22は、容器軸O方向において、口部3の下端部と重なる位置に形成されている。第2膨出部22は、しごき筒部材5の内周面に近接して設けられている。
【0022】
くぼみ部23は、容器軸O方向に沿って真直ぐに形成されている。くぼみ部23の外径は、連結部18の下部18a、および連結部18における第1膨出部21よりも上方に位置する上部18bの外径よりも小さくなっている。
また、連結部18の外周面には、容器軸O方向に沿って延びる溝部19が周方向に間隔をあけて複数形成されている。溝部19は、第1膨出部21の下部21bにおける容器軸O方向の中間部から前記下部18aにわたって形成されている。
【0023】
しごき筒部材5は、例えばニトリルゴム(NBR)や低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の弾性変形可能な軟材質で形成されている。しごき筒部材5は、容器軸O方向に沿って延在し、かつ口部3内に嵌合される嵌合筒部26と、嵌合筒部26の上端部から径方向の外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の鍔部27と、嵌合筒部26の容器軸O方向の中間部26aにおける内周面に形成され、径方向の内側に向けて突出する筒状のしごき片28と、嵌合筒部26の下端部における外周面に形成され、径方向の外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の係合部29と、嵌合筒部26のうちしごき片28よりも下方に位置する部分の内周面に形成され、径方向の内側に向けて突出する複数の規制リブ30(規制部)と、を有する。
【0024】
嵌合筒部26の中間部26aにおける外周面には、凹み部31が形成されている。嵌合筒部26の中間部26aは、凹み部31により局所的に肉薄となっている。嵌合筒部26の中間部26aの内径は、塗布具6の第1膨出部21の最外周部における外径と同等になっている。嵌合筒部26の上端部における内周面は、上方に向かうに従い漸次拡径している。嵌合筒部26の下端部は、容器本体2の肩部2bの下面2dにおける径方向外側端縁よりも下方に位置している。
【0025】
鍔部27は、口部3の上端開口縁に、その上方から当接している。鍔部27の上面には、塗布具6の大径部16の下端縁が当接している。
しごき片28は、径方向の内側に向かうに従って下方に延在している。しごき片28の上面28aは、塗布具6の第1膨出部21の下部21bに沿うように形成されている。しごき片28の内径は、塗布具6の連結部18における下部18aの外径より小さく、かつくぼみ部23の外径と同等、またはそれ以上となっている。
【0026】
係合部29の上部は、容器軸O方向に沿って真直ぐに延びている。係合部29の下部は、下方に向かうに従い漸次縮径している。係合部29の上端縁は、容器軸O方向に直交する面方向に沿う平面状に形成されている。係合部29の上部の外径は、口部3の内径よりも大きくなっている。係合部29の上端における外周縁は、口部3の下端部における内周面3aに近接している。係合部29は、容器本体2の内周面に形成された被係止部8に対して下方から係合する。
【0027】
複数の規制リブ30は、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では8個)形成されている(図3参照)。規制リブ30の径方向における最も内側に位置する先端部30aは、容器軸O方向において、係合部29の上端縁と略一致する位置であって、かつ塗布具6の第2膨出部22の下部22aと径方向で対向する位置に形成されている。規制リブ30の下部は、先端部30aから下方に向かうに従い漸次径方向外側に向けて延びる凸曲面状に形成されている。規制リブ30の下部は、係合部29と径方向で重なり合っている。規制リブ30の上部は、先端部30aから上方に向かうに従い漸次径方向の外側に向けて延びている。
【0028】
以下、本実施形態の塗布具付き容器1の作用について説明する。
最初に、塗布具6を容器本体2から抜き出す場合について説明する。
塗布具6を容器本体2から抜き出す際には、最初にキャップ体4を容器本体2に対して回転させ、キャップ体4と容器本体2との螺合を開放し、キャップ体4を容器本体2に対して上方に引き上げる。このようにして、キャップ体4に装着された塗布具6を容器本体2に対して上方に移動させる。
【0029】
ここで、塗布具6の大径部16の下端縁としごき筒部材5の鍔部27の上面とは、塗布具付き容器1の前回使用時に付着した内容液が固化することにより、互いに固着している場合がある。この場合には、キャップ体4を容器本体2に対して上方に引き上げると、塗布具6に加えた力が塗布具6の大径部16としごき筒部材5の鍔部27との固着箇所を介してしごき筒部材5に伝わる。すると、しごき筒部材5も上方に移動して、係合部29が被係止部8に当接した状態となる。被係止部8は、上方に向かうに従い漸次縮径しているため、しごき筒部材5が上方に移動すると、係合部29が被係止部8に密接して径方向の内側に向けて変位しようとする。その結果、嵌合筒部26のうち係合部29が位置する下端部は縮径変形しようとする。
【0030】
このとき、嵌合筒部26の内周面に設けられた規制リブ30は、塗布具6の外周面(第2膨出部22)に当接することで、係合部29の径方向の内側へ向けた変位を抑え、しごき筒部材5の縮径変形を規制する。また、塗布具6の外周面に設けられた第2膨出部22は、嵌合筒部26の内周面(規制リブ30)に当接することで、係合部29の径方向の内側へ向けた変位を抑え、しごき筒部材5の縮径変形を規制する。これにより、被係止部8に対する係合部29の係合が維持され、しごき筒部材5が容器本体2に対して上方に位置ずれすることを抑制できる。
【0031】
塗布具6が容器本体2から抜き出されるように更に上方に移動すると、塗布具6の第2膨出部22の上部がしごき片28の先端部に当接する。その後、更に塗布具6を上方に移動させると、しごき片28の先端部が上方にめくれるように弾性変形する。つまり、塗布具6は、その外周面においてくぼみ部23より下方に位置する部分にしごき片28の先端部が当接した状態で上方に移動される。これにより、塗布具6の外周面に付着した過剰な液体をしごき落とすことができる。
【0032】
次に、塗布具6を容器本体2に挿入する場合について説明する。
塗布具6を容器本体2に挿入する際には、塗布具6の下端に設けられた塗布部17を口部3内に挿入した後、キャップ体4を下方に向けて移動させて塗布具6を容器本体2内に押し込む。そして、塗布具6の第1膨出部21をしごき筒部材5の上端開口から挿入する。
【0033】
次いで、キャップ体4を容器本体2に対して回転させ、キャップ体4を容器本体2に螺着させながら、キャップ体4を更に下方に向けて移動させる。ここで、第1膨出部21の最外周部における外径は、しごき筒部材5の嵌合筒部26の中間部26aにおける内径と同等になっている。このため、第1膨出部21は、嵌合筒部26の内周面に対して摺動し、嵌合筒部26の内周面に付着した内容液を掻き集めながら、下方に向かって移動する。
【0034】
キャップ体4の容器本体2への装着が完了したとき、第1膨出部21の下部21bは、しごき片28の上面28aに当接もしくは上方から近接して対向している。このため、第1膨出部21の下方への移動に伴って掻き集められた内容液は、第1膨出部21としごき片28との間から、溝部19を通って、容器本体2内へ戻される。このように、第1膨出部21は、嵌合筒部26の内周面に付着した内容液を容器本体2内へ戻すことができる。
【0035】
以上に詳述したように、本実施形態の塗布具付き容器1は、塗布具6を容器本体2から抜き出す際に、しごき筒部材5が容器本体2に対して上方に位置ずれすることを抑制できる。
また、規制リブ30は、しごき筒部材5に形成され、第2膨出部22は、塗布具6に形成されているので、部品点数を増やすことなく、しごき筒部材5の縮径変形を規制することができる。よって、組み立てを容易に行うことができる塗布具付き容器1を提供できる。
【0036】
しかも、規制リブ30および第2膨出部22は、係合部29と径方向で重なり合っている。このため、塗布具6を容器本体2から抜き出す際に、係合部29が径方向の内側に向けて変位しようとしたときに、規制リブ30と第2膨出部22とを即座に当接させることができる。
さらに、規制リブ30および第2膨出部22が係合部29と径方向で重なり合っているので、規制部が係合部と径方向で重なり合っていない場合と比較して、規制リブ30と第2膨出部22とが当接した状態で、しごき筒部材5のうち係合部29が位置する嵌合筒部26の下端部が縮径変形することを抑制できる。
よって、係合部29の径方向の内側に向かう変位を確実に規制することができ、塗布具6を容器本体2から抜き出す際に、しごき筒部材5が容器本体2に対して上方に位置ずれすることを抑制できる。
【0037】
[第2実施形態]
次に第2実施形態に係る塗布具付き容器101について説明する。
図3に示す第1実施形態では、係合部29が周方向に沿って環状に形成されていた。これに対して、図5に示す第2実施形態では、係合部129が周方向に沿って間欠的に複数形成されている点で、第1の実施形態と異なっている。また、図2に示す第1実施形態では、塗布具6がしごき片28よりも上方において径方向の外側に向けて突出するとともにしごき筒部材5の内周面に摺動可能とされた第1膨出部21を備えていた。これに対して、図4に示す第2実施形態では、塗布具106が、しごき片28よりも下方において径方向の外側に向けて突出するとともにしごき筒部材105の内周面に摺動可能とされた摺動筒部材112を備えている点で、第1の実施形態と異なっている。なお、図2および図3に示す第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
図4に示すように、塗布具106は、大径部16、塗布部(不図示)および連結部118を有する本体部111と、連結部118に外挿された摺動筒部材112と、を備えている。
連結部118の外周面には、しごき筒部材105の規制リブ30(規制部)に対向する膨出部122(規制部)と、膨出部122の上端に連なる縮径部124と、がそれぞれ周方向における全周に亘って形成されている。
【0039】
膨出部122は、容器軸O方向に沿って真直ぐに形成されている。膨出部122は、容器軸O方向において、口部3の下端部と重なる位置に形成されている。膨出部122は、しごき筒部材105の内周面に近接して設けられている。膨出部122は、しごき筒部材105の縮径変形を規制する。
縮径部124は、膨出部122の上端縁から上方に向けて真直ぐに延びている。
【0040】
摺動筒部材112は、縮径部124に外挿されている。摺動筒部材112は、上端縁から下方に向けて真直ぐに延びた後、下端部112aにおいて、下方に向かうに従い漸次拡径している。摺動筒部材112の下端縁の外径は、本体部111の膨出部122の外径よりも大きくなっている。摺動筒部材112の容器軸O方向における寸法は、縮径部124の容器軸O方向における寸法と同等か僅かに小さい程度とされ、摺動筒部材112が縮径部124に対して容器軸O方向に変位することを規制している。
【0041】
しごき筒部材105は、嵌合筒部126と、鍔部27と、しごき片28と、複数の係合部129と、複数の規制リブ30と、を有する。
嵌合筒部126のうちしごき片28よりも上方に位置する上部126aの内周面は、しごき片28の外周縁部から上方に向けて、摺動筒部材112の下端縁の外径と同等の内径で延びている。また、嵌合筒部126のうちしごき片28よりも下方に位置する下部126bの内周面は、しごき片28の外周縁部から下方に向けて、摺動筒部材112の下端縁の外径よりも大きい内径で延びている。
【0042】
しごき片28の先端部は、摺動筒部材112の容器軸O方向の中間部における外周面に近接して配置されている。しごき片28の内径は、塗布具106の連結部118における膨出部122よりも下方に位置する下部118aの外径より小さくなっている。
【0043】
図5に示すように、係合部129は、周方向に間隔を空けて複数(本実施形態では4個)形成されている。係合部129は、嵌合筒部126の下端部における外周面に形成され、径方向の外側に向けて突出している。容器軸O方向から見て、係合部129の周方向両側を向く両側面は、互いに平行となるように形成されている。また、容器軸O方向から見て、係合部129の径方向外側を向く面は、容器軸Oを中心とする円弧状に形成されている。各係合部129は、周方向において規制リブ30の少なくとも一部と重なるように配置されている。図4に示すように、係合部129は、規制リブ30と径方向で重なり合っている。係合部129の上端における外縁部は、口部3の下端部における内周面3aに近接している。係合部129は、容器本体2の内周面に形成された被係止部8に対して下方から係合する。
【0044】
以下、本実施形態の塗布具付き容器101の作用について説明する。
最初に、塗布具106を容器本体2から抜き出す場合について説明する。
塗布具106を容器本体2から抜き出す際には、第1実施形態における塗布具付き容器1と同様に、最初にキャップ体4を容器本体2に対して回転させ、キャップ体4に装着された塗布具106を上方に移動させる。
【0045】
塗布具106の大径部16としごき筒部材105の鍔部27との固着により、塗布具106とともにしごき筒部材105が上方に移動すると、複数の係合部129が被係止部8に当接した状態となる。被係止部8は、上方に向かうに従い漸次縮径しているため、しごき筒部材105が上方に移動すると、複数の係合部129が被係止部8に密接して径方向の内側に向けて変位しようとする。その結果、嵌合筒部126のうち係合部129が位置する下端部は縮径変形しようとする。
【0046】
このとき、嵌合筒部126の内周面に設けられた規制リブ30は、塗布具106の外周面(膨出部122)に当接することで、係合部129の径方向の内側へ向けた変位を抑え、しごき筒部材105の縮径変形を規制する。この際、各係合部129が周方向において規制リブ30の少なくとも一部と重なるように配置されているため、規制リブ30は、各係合部129の変位を径方向の内側から確実に規制できる。また、塗布具106の外周面に設けられた膨出部122は、嵌合筒部126の内周面(規制リブ30)に当接することで、係合部129の径方向の内側へ向けた変位を抑え、しごき筒部材5の縮径変形を規制する。これにより、被係止部8に対する係合部129の係合が維持され、しごき筒部材105が容器本体2に対して上方に位置ずれすることを抑制できる。
【0047】
このように係合部129が周方向に沿って間欠的に複数形成されている場合であっても、塗布具付き容器101は、第1実施形態における塗布具付き容器1と同様の作用効果を奏功させることができる。
【0048】
次に、塗布具106を容器本体2に挿入する場合について説明する。
塗布具106を容器本体2に挿入する際には、第1実施形態における塗布具付き容器1と同様に、塗布部17を口部3内に挿入した後、キャップ体4を下方に向けて移動させて塗布具106を容器本体2内に押し込む。そして、塗布具106の摺動筒部材112の下端部112aをしごき筒部材105の上端開口から挿入する。
【0049】
次に、キャップ体4を容器本体2に対して回転させ、キャップ体4を容器本体2に螺着させながら、キャップ体4を更に下方に向けて移動させる。ここで、摺動筒部材112の下端縁の外径は、嵌合筒部126の上部126aの内径と同等になっている。このため、摺動筒部材112の下端部112aは、嵌合筒部126の上部126aにおける内周面に対して摺動し、嵌合筒部126の上部126aにおける内周面に付着した内容液を掻き集めながら、下方に向かって移動する。
【0050】
キャップ体4が下方へ更に移動すると、摺動筒部材112の下端部112aは、しごき片28の上面28aに当接する。すると、摺動筒部材112の下端部112aは、しごき片28を下方に向かって弾性変形させながら、しごき片28の上面28aに対して摺動し、掻き集めた内容液をしごき片28よりも下方に移動させる。これにより、摺動筒部材112の下端部112aは、嵌合筒部126の内周面に付着した内容液を容器本体2内へ戻すことができる。
【0051】
なお、上記第2実施形態では、しごき筒部材105は一体に形成されていたが、これに限定されるものではない。図6に示すように、しごき筒部材105は、上下に分割可能であって、かつ螺合することにより一体化することが可能となるように形成されていてもよい。
また、摺動筒部材112は、その上端部において、塗布具106の大径部16の下端縁としごき筒部材105の鍔部27の上面とに挟まれるフランジ部112bを有する構成であってもよい。
【0052】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態においては、しごき筒部材5,105の縮径変形を規制する規制部がしごき筒部材5,105の内周面、および塗布具6,106の外周面の両方に形成されているが、これに限定されず、しごき筒部材の内周面、および塗布具の外周面のうちの少なくとも一方に形成されていればよい。
【0053】
また、上記各実施形態では、第2膨出部22および規制リブ30、並びに膨出部122および規制リブ30が、互いに近接するように形成されているが、これに限定されるものではなく、互いに当接するように形成されてもよい。
【0054】
また、上記各実施形態では、係合部29,129は、口部3の下端部における内周面3a(被係止部8)に近接するように形成されているが、これに限定されるものではない。係合部29,129は、被係止部8に対して下方から係合すればよく、被係止部8に当接するように形成されてもよい。
【0055】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0056】
1,101…塗布具付き容器 2…容器本体 3…口部 4…キャップ体 5,105…しごき筒部材 6,106…塗布具 8…被係止部 22…第2膨出部(規制部) 28…しごき片 29,129…係合部 30…規制リブ(規制部) 122…膨出部(規制部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6