特開2016-221007(P2016-221007A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2016221007-洗濯機 図000003
  • 特開2016221007-洗濯機 図000004
  • 特開2016221007-洗濯機 図000005
  • 特開2016221007-洗濯機 図000006
  • 特開2016221007-洗濯機 図000007
  • 特開2016221007-洗濯機 図000008
  • 特開2016221007-洗濯機 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221007(P2016-221007A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/02 20060101AFI20161205BHJP
   D06F 23/02 20060101ALI20161205BHJP
   D06F 23/06 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   D06F33/02 F
   D06F23/02
   D06F23/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-111051(P2015-111051)
(22)【出願日】2015年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】中間 啓人
(72)【発明者】
【氏名】尾関 祐仁
(72)【発明者】
【氏名】縄田 英樹
【テーマコード(参考)】
3B165
3B167
【Fターム(参考)】
3B165AA02
3B165AA04
3B165AA05
3B165AB11
3B165AE05
3B165AE12
3B165AE13
3B165AE20
3B165BA62
3B165CA01
3B165CB24
3B165CB55
3B165CB64
3B165DW01
3B165DW03
3B165DW04
3B165DW05
3B165FA02
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA30
3B165GH04
3B165JM01
3B165JM02
3B165JM03
3B167AA02
3B167AA04
3B167AA05
3B167AB11
3B167AE05
3B167AE12
3B167AE13
3B167AE20
3B167BA62
3B167FB01
3B167FB08
3B167HA53
3B167HA55
3B167JA01
3B167JA12
3B167JA16
3B167JA32
3B167JA38
3B167JA52
3B167JA53
3B167JA56
3B167JA57
3B167JA58
3B167JA62
3B167JA67
3B167JB02
3B167JB03
3B167JB11
3B167JC22
3B167KA02
3B167KA18
3B167KA52
3B167KA63
3B167KA71
3B167KA78
3B167KB01
3B167KB16
3B167LA08
3B167LA23
3B167LA32
3B167LA37
3B167LA38
3B167LB03
3B167LB11
3B167LC02
3B167LC05
3B167LC09
3B167LC12
3B167LC25
3B167LD03
3B167LD04
3B167LD12
3B167LD13
3B167LE02
3B167LE07
3B167LF06
3B167LF30
3B167LG01
3B167LG20
(57)【要約】
【課題】最終脱水工程を最適にし、タオルの毛倒れを少なくして風合いをよくする。
【解決手段】水受け槽2内に回転可能に設けたドラム3を回転駆動するモータ5と、脱水工程時の振動を検知する振動検知手段23と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御手段17とを備え、制御手段17は、最終脱水工程のドラム3の最高回転数を複数有し、最終脱水工程後、ほぐし工程を実行するときは、ドラム3の回転数を第1の最高回転数より低い第2の最高回転数で最終脱水工程を実行するようにしたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水受け槽内に回転可能に設けたドラムと、
前記ドラムを回転駆動するモータと、
洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
最終脱水工程の前記ドラムの最高回転数を複数有し、
前記最終脱水工程後、前記ドラムの内周面に張り付いた洗濯物をほぐすほぐし工程を実行するときは、前記ドラムの回転数を最も高い最高回転数より低い最高回転数で前記最終脱水工程を実行するようにした
洗濯機。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記ほぐし工程を実行するときの前記最終脱水工程における最高回転数での脱水時間を、前記ほぐし工程を実行しないときより短くした
請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記最終脱水工程後、前記ほぐし工程を実行しないときは、前記ドラムの回転数を最も低い最高回転数より高い最高回転数で前記最終脱水工程を実行するようにした
請求項1または2に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯物を洗う洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のドラム式洗濯機は、ドラム内に投入された衣類等の洗濯物がバッフルによってドラムの回転方向へ持ち上げられた後、ドラム内の上部から落下して叩きつけられる、所謂叩き洗いによって洗浄が行われるものであり、脱水後、洗濯物を天日干し等で自然乾燥するとゴワゴワした仕上がりになることが知られている。
【0003】
叩き洗いは、洗濯物の落下高さを低くすることで洗濯物に作用する機械力を低減し、ゴワゴワ感を少なくすることができるが、洗浄力が低下するという課題があった。そこで、洗濯水温を常温より高くした温水で洗浄力を高める一方、洗濯物の落下高さを低くし、機械力を弱めて洗濯することにより、常温の水と同等の洗浄力を維持しつつ、ゴワゴワ感を少なくすることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、最終脱水工程後に布の絡みをほぐす布ほぐし工程を実行し、洗濯物の毛倒れを少なくして、風合いを柔らかくして仕上がりをよくすることが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
図7は、前記特許文献2に記載された従来のドラム式洗濯機の断面図である。図7において、蓋51を開いて回転ドラム52内に洗濯物を投入し、電源スイッチ53を入れて運転がスタートすると、給水弁54が開いて所定の水位まで給水しながら回転ドラム52をモータ55により回転数N1(例えば53rpm)で駆動する。
【0006】
洗い行程では、洗濯物に水が含まれるため補給水しながら回転ドラム52が駆動され、回転ドラム52内の洗濯物はバッフル56で回転方向へ持ち上げられて、回転ドラム52内の上方から水面上に落下するタンブリング動作が所定時間実行される。
【0007】
洗い行程が終了すると、排水ポンプ57を駆動して水受け槽58内の洗濯水を機外へ排水する。洗い行程に続いて実行されるすすぎ行程においても、洗い行程と同様の動作を行い、2回実行される。すすぎ行程に続いて実行される脱水行程では、回転ドラム52は高速で回転駆動され、洗濯物は回転ドラム52の内周面に張り付いて遠心脱水される。
【0008】
最終脱水行程後、回転ドラム52の内周面に張り付いた洗濯物を取り出しやすくするために、布ほぐし工程が実行される。布ほぐし工程は、回転ドラム52を洗い行程の回転数N1より低い回転数N3(例えば48rpm)で、洗い行程の回転ドラム52の単位時間当たりに駆動する割合、すなわち、稼働率(例えば20秒正転駆動、3秒停止、20秒反転駆動、3秒停止の場合、稼働率は40秒/46秒=87%)と同等もしくは高い稼働率(例えば43秒回転駆動、3秒停止の場合、稼働率は43秒/46秒=93%)で回転させながら、所定時間(例えば2分)駆動する。
【0009】
布ほぐし工程において、回転ドラム52を洗い行程より低い回転数で回転、停止を繰り返すことで、停止中に回転ドラム52の内周面に張り付いている洗濯物が剥がれて落下するとともに、回転中に洗濯物が互いにもみほぐされ、回転ドラム52の内周面に張り付いている洗濯物が徐々に内周面から剥がれて落下し、ほぐすことができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−82258号公報
【特許文献2】特開平11−156081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一般的に、洗濯兼脱水槽として機能するドラムの回転軸が前上がりに傾斜、または、水平方向に設定されているドラム式洗濯機においては、洗濯後の風合いを重要視するタオル等は、ジーンズ等とは分けて洗濯される場合がある。
【0012】
洗濯機における最終脱水工程は、上記に鑑み、洗濯物に応じて最適に設定されたドラムの回転数で実行されることが好ましく、従来の構成では、洗濯物の種類や状態によって十分な脱水効果が得られないという問題があった。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、最終脱水工程を最適に実行し、脱水後、自然乾燥した場合のタオルの毛倒れを少なくし、風合いをよくすることができる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、水受け槽内に回転可能に設けたドラムと、前記ドラムを回転駆動するモータと、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、最終脱水工程の前記ドラムの最高回転数を複数有し、前記最終脱水工程後、前記ドラムの内周面に張り付いた洗濯物をほぐすほぐし工程を実行するときは、前記ドラムの回転数を最も高い最高回転数より低い最高回転数で前記最終脱水工程を実行するようにしたものである。
【0015】
これによって、最終脱水工程におけるドラムへのタオルの張り付き力を弱めて剥がしやすくすることができるとともに、タオルの含水量が増加することによってタオルの変形を元に戻す力を小さくすることができ、最終脱水工程後のほぐし工程におけるほぐし効果を高め、タオルのパイルの倒れや絡みを少なくして風合いをよくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の洗濯機は、最終脱水工程を最適に実行し、脱水後、自然乾燥した場合のタオルの風合いをよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の概略構成図
図2】同ドラム式洗濯機のブロック回路図
図3】同ドラム式洗濯機の洗い工程の動作を示すタイムチャート
図4】同ドラム式洗濯機の最終脱水工程の動作を示すタイムチャート
図5】同ほぐし工程の動作を示すタイムチャート
図6】本発明の実施の形態2におけるドラム式洗濯機の最終脱水工程の動作を示すタイムチャート
図7】従来のドラム式洗濯機の断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の発明は、水受け槽内に回転可能に設けたドラムと、前記ドラムを回転駆動するモータと、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、最終脱水工程の前記ドラムの最高回転数を複数有し、前記最終脱水工程後、前記ドラムの内周面に張り付いた洗濯物をほぐすほぐし工程を実行するときは、前記ドラムの回転数を最も高い最高回転数より低い最高回転数で前記最終脱水工程を実行するようにしたことにより、最終脱水工程におけるドラムへのタオルの張り付き力を弱めて剥がしやすくすることができるとともに、タオルの含水量が増加することによって、遠心力で押し付けられたタオルの変形を元に戻す力を小さくすることができ、最終脱水工程後のほぐし工程におけるほぐし効果を高め、タオルのパイルの倒れや絡みを少なくして風合いをよくすることができる。
【0019】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記制御手段は、前記ほぐし工程を実行するときの前記最終脱水工程における最高回転数での脱水時間を、前記ほぐし工程を実行しないときより短くしたことにより、前記第1の発明の作用効果に加えて、短縮された時間でほぐし工程を実質的に延長することができ、ほぐし効果を一層高めることができる。
【0020】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記制御手段は、前記最終脱水工程後、前記ほぐし工程を実行しないときは、前記ドラムの回転数を最も低い最高回転数より高い最高回転数で前記最終脱水工程を実行するようにしたことにより、洗濯物の種類に応じた最適な最終脱水工程が実行できる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の概略構成図、図2は、同ドラム式洗濯機のブロック回路図、図3は、同ドラム式洗濯機の洗い工程の動作を示すタイムチャート、図4は、同ドラム式洗濯機の最終脱水工程の動作を示すタイムチャート、図5は、同ほぐし工程の動作を示すタイムチャートである。
【0023】
図1図5において、ドラム式洗濯機の筐体1内に水受け槽2が配設されている。水受け槽2内には、有底円筒状のドラム3が水平方向に延びる回転軸4によって回転可能な状態で配設されており、ドラム3は、背面に接続されたモータ5により正逆回転する。モータ5は、ブラシレス直流モータで構成され、インバータ制御によって回転速度が自在に変化させることができるようになっている。
【0024】
ドラム3の内周面には、回転軸4方向であるドラム3の回転中心に向かって内方へ突出させた複数のバッフル6と、水受け槽2内と連通する多数の小孔7が設けられている。ドラム3は、洗濯槽および脱水槽として機能し、乾燥機能を有するときは、乾燥槽としても機能するものである。
【0025】
水受け槽2の後部側の最低部に取水口8が設けられている。取水口8は、開閉自在な排水弁9によって開閉される排水管10につながっている。水受け槽2内の洗濯水は、排水弁9を開くことにより排水管10を通して機外へ排出することができる。
【0026】
取水口8と排水弁9の間に循環経路11の一端を連通接続し、ドラム3の前面側に設けた吐出口12に循環経路11の他端を連通接続している。循環経路11は、水受け槽2の下方に前後方向に配設され、循環ポンプ13が設けられている。循環ポンプ13の駆動により、水受け槽2内の洗濯水を取水口8から取り込み、循環経路11を通して吐出口12からドラム3内に循環シャワーとして吐出され、ドラム3内の洗濯物に洗濯水を循環させてかけることができる。
【0027】
筐体1内の上方には、水受け槽2内へ洗濯水を給水する給水弁14が設けられている。水位検知手段15は、水受け槽2内に給水された洗濯水の水位を検知するものである。
【0028】
制御装置16は、マイクロコンピュータで構成された制御手段17を有し、パワースイッチング手段18を介してモータ5、排水弁9、循環ポンプ13、給水弁14等の動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、脱水後のほぐし等の一連の工程を逐次制御する。
【0029】
入力設定手段19は運転コース等を設定するもので、制御手段17は、入力設定手段19からの情報を入力して、その情報を基に表示手段20に表示して使用者に知らせる。記憶手段21は、制御手段17により制御するのに必要なデータを記憶している。
【0030】
回転数検知手段22は、ドラム3の回転数を検知するもので、この回転数検知手段22の情報が制御手段17に送られ、制御手段17がパワースイッチング手段18を介してドラム3の回転数を制御する。
【0031】
振動検知手段23は、脱水工程時の振動を検知するもので振動センサにより構成され、水受け槽2の上部前方の外面に取り付けられている。振動を検知するタイミングは、洗濯後の1回目のすすぎのための中間脱水1、1回目のすすぎに続いて行われる2回目のすすぎのための中間脱水2、最終脱水等であり、ドラム3を高速で回転させる際の振動を抑えるための情報として用いられる。なお、24は商用電源、25は電源スイッチである。
【0032】
以上のように構成されたドラム式洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。使用者がドラム式洗濯機のドラム3内に洗濯物を投入し、電源スイッチ25を入れると、入力設定手段19により洗濯のコース等が入力できるようになる。
【0033】
入力設定手段19からの情報により、制御手段17は、表示手段20に設定内容を表示して使用者に知らせる。使用者が洗濯のコース、例えば「おまかせコース」を設定し、洗濯のスタートボタン(図示せず)を押して運転を開始すると、洗い工程の洗濯物の量を検知する布量検知工程を開始する。
【0034】
布量検知工程は、モータ5を駆動して洗濯物とともにドラム3を回転させたときのモータ5の電流信号の大きさを検出することによって行う。また、制御手段17は、布量検知工程で検知した洗濯物の量により、洗い時間、洗剤量、柔軟剤量等を決定し、表示手段20に表示して使用者に知らせ、使用者が洗剤、柔軟剤を投入する時間を考慮して、所定時間(例えば1分)経過した後に、制御手段17は給水の準備に入る。
【0035】
洗い工程において、制御手段17は、給水弁14を開き、給水弁14を通過した水は洗剤収納部(図示せず)を通って水受け槽2に水が溜められていく。この時、給水された水は洗剤収納部を通るため、洗剤収納部に投入された洗剤は給水された水とともに水受け槽2に流し込まれる。
【0036】
制御手段17は、水位検知手段15の出力に基づいて給水弁14を開閉し、給水量をコントロールしながらドラム3を駆動させるとともに循環ポンプ13も駆動させ、水受け槽2の洗濯水は循環経路11を通り、吐出口12からドラム3内に循環シャワーとして吐出される。
【0037】
洗い工程の動作は、図3に示すように、ドラム3は、例えば35rpmで正逆回転し、タンブリング動作を行う。ドラム3の左回転と右回転の時間(Ta)は各々12秒であり、反転時の停止時間(Tb)は、例えば1秒である。したがって、単位時間当たりの反転のための停止時間を除いた駆動時間の割合は、「24秒/26秒=92.3%」である。
【0038】
制御手段17は、洗い時間のカウントも行い、所定の洗い時間を計時すると、制御手段17は排水弁9を開き、排水管10を通して水受け槽2内の洗濯水を排水し、洗い工程が終了する。
【0039】
洗い工程に続いてすすぎ工程が実行される。すすぎ工程を2回実行するように設定されている場合は、前記洗濯水の排水が完了すると、1回目のすすぎのための中間脱水1が開始される。制御手段17は、ドラム3を回転させ、バランスコントロールを経て所定回転数である、例えば900rpmまでドラム3の回転数をアップさせる。
【0040】
この中間脱水1により、洗濯物に残存している洗濯水は機外に排出され、洗濯物に含まれる洗濯水は少なくなる。ドラム3が900rpmで所定時間回転すると、制御手段17はモータ5に信号を送り、ドラム3の回転を停止させる。
【0041】
ドラム3の停止後、制御手段17は、給水弁14を開き、給水弁14を通過した水は洗剤収納部を通り水受け槽2に水が溜められていく。ドラム3は、例えば35rpmで回転を開始するとともに、循環ポンプ13も駆動し、水受け槽2の洗濯水は循環経路11を通り、ドラム3内に循環シャワーとして吐出される。
【0042】
制御手段17は、水位検知手段15により所定水位に到達したと判断すると、給水弁14を閉じることにより、水受け槽2への給水を停止するが、ドラム3は正逆回転を繰り返しながら回転を継続する。制御手段17は所定時間が経過したと判断すると、1回目のすすぎが終了したと判断し、制御手段17は排水弁9を開いて水受け槽2に溜まっているすすぎ水を排水する。
【0043】
すすぎ水の排水が完了すると、2回目のすすぎのための中間脱水2が開始される。制御手段17はドラム3を回転させ、バランスコントロールを経て所定回転数である900rpmまでドラム3の回転数をアップさせる。
【0044】
この中間脱水2により、洗濯物に残存している洗濯水は機外に排出され、洗濯物に含まれる洗濯水は少なくなる。ドラム3が900rpmで所定時間回転すると、制御手段17はモータ5に信号を送り、ドラム3の回転を停止させる。
【0045】
ドラム3の停止後、制御手段17は、給水弁14を開いて給水を開始する。給水された水は洗剤収納部を通って水受け槽2に溜められていく。この時、洗剤収納部に投入された柔軟剤は、給水された水とともに水受け槽2に流し込まれる。ドラム3は、例えば35rpmで回転を開始するとともに、循環ポンプ13を駆動し、水受け槽2の洗濯水は循環経路11を通り、ドラム3内に循環シャワーとして吐出される。
【0046】
制御手段17は、水位検知手段15により所定水位に到達したと判断すると、給水弁14を閉じることにより、水受け槽2への給水を停止するが、ドラム3は正逆回転を繰り返しながら回転を継続する。
【0047】
制御手段17は、所定時間が経過すると2回目のすすぎが終了したと判断し、制御手段17は、排水弁9を開いて水受け槽2に溜まっているすすぎ水を排水する。排水が完了すると、右回転の最終脱水工程が開始される。
【0048】
最終脱水工程は、図4に示すように、制御手段17はドラム3を回転させ、バランスコントロールを経てドラム3の回転数をアップさせていく。このとき、制御手段17は、共振回転数に注意しながらドラム3の回転数を例えば400rpmまで徐々にアップさせ、その後は例えば780rpmまで一気に回転数をアップさせる。
【0049】
その後、回転数を780rpmで所定時間保持した後、例えば900rpmまで回転数をアップさせる。このとき、振動検知手段23で検知した900rpmでの振動が小さく所定値以下の場合、最終脱水工程後、ドラム3の内周面に張り付いた洗濯物をほぐすほぐし工程を実行しないときは、第1の最高回転数である例えば1000rpmまでアップさせる。
【0050】
そして、最終脱水工程後、ほぐし工程を実行するときは、振動検知手段23で検知した900rpmでの振動が小さく所定値以下の場合であっても、ドラム3の回転数を第1の最高回転数である1000rpmにアップせず、第1の最高回転数より低い第2の最高回転数である900rpmで最終脱水工程を実行するようにしている。ドラム3が900rpmで所定時間T1が経過すると、制御手段17はモータ5に信号を送り、ドラム3の回転を停止して最終脱水工程を終了する。
【0051】
この最終脱水工程により、洗濯物に残存している洗濯水は機外に排出され、洗濯物に含まれる洗濯水は少なくなるが、ドラム3は、第1の最高回転数である1000rpmより低い第2の最高回転数である900rpmで実行されるため、第1の最高回転数より洗濯物の中のタオルの含水量が増加する。
【0052】
その結果、最終脱水工程におけるドラム3へのタオルの張り付き力を弱めて剥がしやすくすることができるとともに、タオルの含水量が増加することによってタオルの変形が小さくて柔らかくでき、元に戻す力を小さくすることができる。
【0053】
したがって、最終脱水工程後に実行されるほぐし工程におけるほぐし効果を高め、タオルのパイルの倒れや絡みを少なくして、風合いをよくすることができる。
【0054】
次に、第2の最高回転数である900rpmでの最終脱水工程に続いて実行される、ほぐし工程について説明する。ほぐし工程は、まず、最終脱水工程でのドラム3の回転方向である右方向と反対の左方向にドラム3の回転を開始させる。
【0055】
家庭での洗濯は、タオルだけを洗うことはなく、他の洗濯物と一緒に洗うのが一般的であり、洗濯物に混ざっているタオルの風合い向上(タオルのパイルの倒れや絡みを少なくして、柔らかく仕上げる)には、2つの重要なポイントがある。
【0056】
その1つは、洗濯物の塊の中に埋もれているタオルを早く洗濯物の塊の表面に出すことであり、もう1つは、タオルを他の洗濯物より受ける重さの影響が小さい状態でドラム3内で回転させることである。
【0057】
ほぐし工程時のドラム3の回転数は、洗い工程時の回転数より大で、ドラム3内の洗濯物にかかる遠心力が洗濯物にかかる重力よりも小さい回転数でほぼ最大の回転数で回転させるようにする。ドラム3内に投入された濡れていない状態の洗濯物の量が、例えば4.5kgの場合、ドラム3の回転数は例えば60rpmである。
【0058】
ほぐし工程の動作は、図5に示すように、ドラム3は例えば60rpmで正逆回転し、ドラム3の左回転と右回転の時間(Ta)は各々例えば10秒であり、反転時の停止時間(Tb)は、例えば0.5秒である。
【0059】
これにより、単位時間当たりの正逆反転駆動のための停止時間を除いた駆動時間の割合は、「20秒/21秒=95.2%」であり、洗い工程の同割合よりも大きい値となる。
【0060】
すなわち、ほぐし工程の時間を2分、最終脱水工程のドラム3の回転方向を右回転、濡れていない洗濯物の量が4.5kgの場合のほぐし工程の動作は、「左回転(60rpm、10秒)→停止(0.5秒)→右回転(60rpm、10秒)→停止(0.5秒未満)→左回転(60rpm、10秒)→・・・→2分経過で停止」となり、所定時間が経過するとドラム3を停止し、洗濯は終了し、制御手段17はドラム式洗濯機の電源を切る。
【0061】
なお、洗濯物の量が少なく、例えば1.5kgの場合は、洗濯物がドラム3の内周面に張り付かないように少なくし、例えば55rpmにする。これにより、洗濯物の量に応じたドラム3の回転数で最適なほぐし動作を行うことができ、洗濯物のドラム3への張り付きを防止して、ほぐし効果を高めることができる。
【0062】
なお、ほぐし工程におけるドラム3の右回転と左回転の間は、常に前記55rpmまたは60rpmである必要はなく、また、ドラム3の正逆回転駆動のための停止時間はできるだけ少ない方がよく、正逆回転駆動のための停止時間(Tb)は目視確認で1秒未満である。
【0063】
また、洗濯物の量が多いと、ドラム3内の空間が少なくなり、ドラム3内で洗濯物が移動できる空間が制限されるため、洗い工程での叩き洗いで洗濯物に作用する機械力は小さく、洗濯物の中に含まれるタオルの風合いの低下は小さくなる。また、ほぐし工程でも洗濯物が移動できる空間が制限されるため、ほぐしの効果が小さくなる。
【0064】
つまり、洗濯物の量の多少によって、ほぐしの効果も異なるため、洗濯物の量に応じてほぐし工程の時間を設定することで、ほぐし工程の時間を最適にすることができ、洗濯時間を適正にすることができる。
【0065】
また、最終脱水工程後のほぐし工程においては、最初に最終脱水工程での回転方向と反対の方向にドラム3を回転させることにより、ドラム3に張り付いている洗濯物は、最終脱水工程と反対方向に回転されるため、洗濯物が剥がれやすくなる。
【0066】
剥がれた洗濯物は、ドラム3の回転によるほぐしを受ける時間が長くなることにより、タオルの風合いは向上する。そして、ドラム3から剥がれた洗濯物に対しても、ドラム3は最終脱水工程と反対方向に回転するため、タオルのパイルの多くは反対方向に動くため、ほぐし効果も向上する。
【0067】
以上のように、ほぐし工程は、ドラム3の回転数を洗い工程より高く、かつ、洗い工程より短い時間で正逆回転駆動を行うとともに、ドラム3の単位時間当たりの正逆回転駆動のための停止時間を除いた駆動時間の割合を、洗い工程の同割合より大きい値に設定したものであり、洗濯物の塊の中に埋もれているタオルを洗濯物の塊の表面に出てきやすくすることができ、他の洗濯物の重さの影響を受ける時間が少なくなり、パイルの倒れや絡みの改善が促進され、風合いをよくすることができる。
【0068】
また、制御手段17は、ほぐし工程において、ドラム3内の洗濯物にかかる遠心力が、洗濯物にかかる重力よりも小さい回転数のほぼ最大値でドラム3を回転駆動するようにしたものであり、洗濯物の塊の表面に出てきたタオルは、回転するドラム3の内周面に張り付くことがなく、ドラム3の中で浮遊するような状態にすることができ、この状態が一般的に洗濯物を干す前によく行われる、広げて振るさばきの効果を奏して、タオルのパイルの倒れや絡みを改善することができ、タオルの風合いをよくすることができる。
【0069】
以上のように、本実施の形態においては、水受け槽2内に回転可能に設けたドラム3と、ドラム3を回転駆動するモータ5と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御手段17とを備え、制御手段17は、最終脱水工程のドラム3の最高回転数を複数有し、最終脱水工程後、ドラム3の内周面に張り付いた洗濯物をほぐすほぐし工程を実行しないときは、ドラム3の回転数を最も低い最高回転数より高い最高回転数で最終脱水工程を実行するとともに、最終脱水工程後、ほぐし工程を実行するときは、ドラム3の回転数を最も高い最高回転数より低い最高回転数で最終脱水工程を実行する(すなわち、第1の最高回転数より低い第2の最高回転数で最終脱水工程を実行する)ようにしたものであり、最終脱水工程におけるドラム3へのタオルの張り付き力を弱めて剥がしやすくすることができるとともに、タオルの含水量が増加することによってタオルの変形を元に戻す力を小さくすることができ、最終脱水工程後のほぐし工程におけるほぐし効果を高め、タオルのパイルの倒れや絡みを少なくして、風合いをよくすることができる。
【0070】
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態におけるドラム式洗濯機の最終脱水工程の動作を示すタイムチャートである。本実施の形態の特徴は、ほぐし工程を実行するときの最終脱水工程における最高回転数での脱水時間を、ほぐし工程を実行しないときより短くしたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0071】
すすぎ2の排水が完了すると最終脱水工程が開始される。最終脱水工程は、図6に示すように、制御手段17はドラム3を回転させ、バランスコントロールを経てドラム3の回転数をアップさせていく。このとき、制御手段17は、共振回転数に注意しながらドラム3の回転数を例えば400rpmまで徐々にアップさせ、その後は例えば780rpmまで一気に回転数をアップさせる。
【0072】
その後、回転数を780rpmで所定時間保持した後、例えば900rpmまで回転数をアップさせる。最終脱水工程後、ドラム3の内周面に張り付いた洗濯物をほぐすほぐし工程を実行しないときは、所定時間T1が経過すると制御手段17はモータ5に信号を送りドラム3の回転を停止し、最終脱水工程を終了する。
【0073】
このとき、振動検知手段23で検知した900rpmでの振動が小さく所定値以下の場合、第1の最高回転数である例えば1000rpmまでアップさせ、振動が大きく所定値以上の場合、ドラム3の回転数を第1の最高回転数である1000rpmにアップせず、第1の最高回転数より低い第2の最高回転数である900rpmで最終脱水工程を実行する。
【0074】
そして、最終脱水工程後、ほぐし工程を実行するときは、振動検知手段23で検知した900rpmでの振動が小さく所定値以下の場合であっても、ドラム3の回転数を第1の最高回転数である1000rpmにアップせず、第1の最高回転数より低い第2の最高回転数である900rpmで最終脱水工程を実行するとともに、ドラム3が900rpmで所定時間T1より短い所定時間T2が経過すると、制御手段17は、モータ5に信号を送りドラム3の回転を停止して最終脱水工程を終了し、次のほぐし工程に移行する。
【0075】
この最終脱水工程により、洗濯物に残存している洗濯水は機外に排出され、洗濯物に含まれる洗濯水は少なくなるが、第2の最高回転数である900rpmでの回転時間がほぐしを行わない場合よりも短くなるため、洗濯物に含まれるタオルの含水量は大きくなる。
【0076】
これにより、ドラム3の内周面へのタオルの張り付き力を弱めて剥がしやすくすることができるとともに、タオルの含水量が増加することによってタオルの変形を元に戻す力を小さくすることができ、最終脱水工程後のほぐし工程におけるほぐし効果を高め、タオルのパイルの倒れや絡みを少なくして、風合いをよくすることができる。
【0077】
加えて、最終脱水工程における第2の最高回転数での脱水時間が短縮されることから、実質的に洗濯時間を短くでき、この短縮された時間をほぐし工程の時間に加えれば、ほぐし時間が長くでき、タオルの風合いを更に良好なものにすることができる。
【0078】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段17は、ほぐし工程を実行するときの最終脱水工程における最高回転数での脱水時間を、ほぐし工程を実行しないときより短くしたものであり、第1の実施の形態の作用効果に加えて、短縮された時間でほぐし工程を実質的に延長することができ、ほぐし効果を一層高めることができる。
【0079】
なお、本実施の形態においては、最終脱水工程における複数の最高回転数を第1と第2の2水準に設定したが、振動検知手段23の出力に応じて3水準以上の最高回転数を設定してもよく、回転数は上記以外でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、最終脱水工程を最適に実行し、脱水後、自然乾燥した場合のタオルの風合いをよくすることができるので、ドラム式洗濯機だけでなくドラムの回転軸が垂直である縦型洗濯機としても有用である。
【符号の説明】
【0081】
2 水受け槽
3 ドラム
5 モータ
17 制御手段
23 振動検知手段
図1
図2
図7
図3
図4
図5
図6