特開2016-221081(P2016-221081A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221081(P2016-221081A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】医療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20161205BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   A61B17/22
   A61B17/00 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2015-112096(P2015-112096)
(22)【出願日】2015年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】中野 泰佳
(72)【発明者】
【氏名】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】八田 知紀
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE12
4C160FF21
4C160MM36
4C160NN03
4C160NN09
4C160NN10
4C160NN23
(57)【要約】
【課題】生体管腔内に挿入して生体管腔内の物体を切削できるとともに、相対的に軸方向へ移動する2つのシャフトの間の液密性を維持しつつ低トルクで駆動可能な医療デバイスを提供する。
【解決手段】生体管腔内の物体を切削するための医療デバイス10であって、回転可能な管状の駆動シャフト60と、駆動シャフト60の遠位側に連結されて回転可能であり、回転軸に沿って延在するとともに中央部が撓むことで径方向外側へ拡張可能であるストラット41と、駆動シャフト60の内部に配置されてストラット41を拡張させるために駆動シャフト60に対して相対的に軸方向へ移動可能であり、かつ駆動シャフト60とともに回転可能な管状の直動シャフト70と、駆動シャフト60の近位部および直動シャフト70の近位部を液密性を維持しつつ連結し、かつ軸方向へ伸縮可能な管状の連結部140と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体管腔内の物体を切削するための医療デバイスであって、
回転可能な管状の駆動シャフトと、
前記駆動シャフトの遠位側に連結されて回転可能であり、回転軸に沿って延在するとともに中央部が撓むことで径方向外側へ拡張可能である少なくとも1つのストラットと、
前記駆動シャフトの内部に配置されて前記ストラットを拡張させるために前記駆動シャフトに対して相対的に軸方向へ移動可能であり、かつ前記駆動シャフトとともに回転可能な管状の直動シャフトと、
前記駆動シャフトの近位部および前記直動シャフトの近位部を液密性を維持しつつ連結し、かつ軸方向へ伸縮可能な管状の連結部と、を有する医療デバイス。
【請求項2】
前記連結部は、前記駆動シャフトの回転駆動力を受ける部位よりも近位側に設けられる請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記連結部は、複数の部材で構成される請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記連結部は、前記駆動シャフトの近位部および直動シャフトの近位部の間の回転方向の捩れを許容する請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記連結部は、近位方向へ向かってテーパ状に縮径する管体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療デバイス。
【請求項6】
管状に形成される前記直動シャフトの内部に配置される管体であり、前記駆動シャフトおよび直動シャフトに対して回転が拘束されない内管をさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体管腔内の物体を切削するための医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈のプラークや血栓などによる狭窄部の治療方法として、バルーンにより血管を拡張する経皮的冠動脈形成術(PTCA)や、網目状またはコイル状のステントを血管の支えとして血管内に留置する方法などが挙げられる。しかしながら、これらの方法は、狭窄部のプラークが石灰化して硬くなっている場合や、冠動脈の分岐部で生じている場合には、適用が困難である。このような場合においても治療が可能な方法として、プラークや血栓などの狭窄物を切削するアテレクトミーがある。
【0003】
アテレクトミーのためのデバイスとして、例えば特許文献1には、カテーテルの先端部にある回転体の外表面にダイヤモンド粒子(研磨材)を付着させ、この回転体を冠動脈内で回転させることで、狭窄物を切削するデバイスが記載されている。このデバイスの回転体は、周方向に並ぶ4つのバーを備えており、このバーを径方向外側へ撓ませて突出させることで、血管径に合わせて拡張可能となっている。このデバイスは、切削を行うバーに駆動力を伝達する管状の駆動シャフトの内側に、バーを拡張させるために駆動シャフトに対して相対的に軸方向へ移動可能な直動シャフトが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−504090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のデバイスは、管状の駆動シャフトの内側に、駆動シャフトに対して相対的に移動可能な直動シャフトが配置されているため、駆動シャフトと直動シャフトの間に血圧によって血液が流入しやすい。このため、駆動シャフトおよび直動シャフトの近位部は、例えばシール部材を設けて、液密性を維持する必要がある。しかしながら、シール部材を設けると、摩擦によって駆動力に損失が生じ、低トルクでの効率よい駆動が困難となる可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、生体管腔内に挿入して生体管腔内の物体を切削できるとともに、相対的に軸方向へ移動する2つのシャフトの間の液密性を維持しつつ低トルクで駆動可能な医療デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る医療デバイスは、生体管腔内の物体を切削するための医療デバイスであって、回転可能な管状の駆動シャフトと、前記駆動シャフトの遠位側に連結されて回転可能であり、回転軸に沿って延在するとともに中央部が撓むことで径方向外側へ拡張可能である少なくとも1つのストラットと、前記駆動シャフトの内部に配置されて前記ストラットを拡張させるために前記駆動シャフトに対して相対的に軸方向へ移動可能であり、かつ前記駆動シャフトとともに回転可能な管状の直動シャフトと、前記駆動シャフトの近位部および前記直動シャフトの近位部を液密性を維持しつつ連結し、かつ軸方向へ伸縮可能な管状の連結部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した医療デバイスは、駆動シャフトの近位部および直動シャフトの近位部を液密性を維持しつつ連結する伸縮可能な連結部が設けられるため、直動シャフトの駆動シャフトに対する軸方向への移動によりストラットを拡張させて物体を切削可能である。さらに、医療デバイスは、管状の連結部によって、駆動シャフトおよび直動シャフトの間の液密性を、シール部材を用いずに維持できるとともに、摩擦が生じ難いために低トルクで駆動可能である。
【0009】
また、直動シャフトは、ストラットと連結される遠位側からのみならず、連結部により近位側からも回転力を受けるため、駆動シャフトに対して遅れずに追従して回転しやすくなり、捩れが抑制される。直動シャフトの捩れを抑制できることで、直動シャフトを捩るための仕事が必要なくなり、駆動力を効果的に伝達可能となり、低トルクでの駆動が可能となる。
【0010】
前記連結部は、前記駆動シャフトの回転駆動力を受ける部位よりも近位側に設けられるように構成してもよい。これにより、連結部は、手技の際に体外に位置することになり、万が一破損しても、安全性を確保できる。
【0011】
前記連結部は、複数の部材で構成されてもよい。これにより、連結部は、設計の自由度が高くなるため、液密性および伸縮性を確保しつつ、高いトルク伝達性を得ることができる。
【0012】
前記連結部は、前記駆動シャフトの近位部および前記直動シャフトの近位部の間の回転方向の捩れを許容するように構成してもよい。これにより、連結部は、捩れることで直動シャフトおよび駆動シャフトの間に生じる回転方向のずれを吸収でき、円滑で自然な回転を促すことができる。
【0013】
前記連結部は、近位方向へ向かってテーパ状に縮径する管体であるように構成してもよい。これにより、連結部は、駆動シャフトおよび直動シャフトの間の液密性を維持しつつ、外径の異なる駆動シャフトおよび直動シャフトの間を円滑かつ自然に連結できる。
【0014】
前記医療デバイスは、管状に形成される前記直動シャフトの内部に配置される管体であって、前記駆動シャフトおよび直動シャフトに対して回転が拘束されない内管をさらに有するように構成してもよい。これにより、駆動シャフトおよび直動シャフトが回転しても、内管は回転せず、内管に挿入されるワイヤ等に回転力が作用しない。このため、医療デバイスは、内管に挿入されるワイヤ等の摩耗を抑制し、かつワイヤ等が回転して抜き難くなることを抑制できる。また、内管が回転しないため、内管のルーメン内に血液が引き込まれ難くなり、ルーメン内での血液の凝結の発生を抑えて、操作性の低下を抑制できる。また、医療デバイスは、ワイヤ等が挿入される内管が回転しないため、ワイヤ等が内管から摩擦力を受けて軸方向へ移動することを抑制して、血管の損傷を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る医療デバイスの切削部が収縮した状態を示す平面図である。
図2】処置デバイスの切削部が拡張した状態を示す平面図である。
図3】処置デバイスの遠位部を示す平面図であり、(A)は切削部が外シースに収容された状態、(B)は収縮した切削部が外シースから突出した状態、(C)は外シースから突出した切削部が拡張した状態を示す。
図4】処置デバイスの遠位部を示す縦断面図である。
図5】処置デバイスの近位部を示す縦断面図である。
図6図3(B)のA−A線に沿う断面図である。
図7】拡張状態における処置デバイスを示す図であり、(A)は図3(C)のB−B線に沿う断面図、(B)は図3(C)のC−C線に沿う断面図である。
図8】駆動シャフトを示す平面図である。
図9】駆動シャフトの他の例を示す平面図である。
図10図5のE−E線に沿う断面図である。
図11】処置デバイスを示す縦断面図であり、(A)は先端チューブが切削部に接触する前、(B)は先端チューブが切削部に接触した後を示す。
図12】フィルターデバイスを示す平面図である。
図13】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)はガイドワイヤを血管内に挿入した際の状態、(B)はガイディングカテーテルを血管内に挿入した際の状態を示す。
図14】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)はサポートカテーテルを狭窄部に挿入した際の状態、(B)はフィルターデバイスを血管内に挿入した際の状態を示す。
図15】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)はフィルター部を拡張させた際の状態、(B)は処置デバイスを血管内に挿入する直前の状態を示す。
図16】送液部から生理食塩水を供給する際の処置デバイスの近位部を示す縦断面図である。
図17】プライミングした際の処置デバイスの遠位部を示す縦断面図である。
図18】プライミングした際の処置デバイスの近位部を示す縦断面図である。
図19】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)は処置デバイスを血管内に挿入した際の状態、(B)は処置デバイスの切削部および支持部を露出させた際の状態を示す。
図20】処置デバイスのダイヤルを回転させた際の近位部を示す縦断面図である。
図21】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)は切削部および支持部を拡張させた際の状態、(B)は処置デバイスにより狭窄物を切削している際の状態を示す。
図22】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)は切削部および支持部を狭窄部から引き戻した際の状態、(B)は処置デバイスにより狭窄物を切削した際の状態を示す。
図23】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)は切削部および支持部を狭窄部から引き戻した際の状態、(B)は切削部および支持部をさらに拡張させた際の状態を示す。
図24】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)は処置デバイスにより狭窄物を切削している際の状態、(B)は処置デバイスにより狭窄物を切削した際の状態を示す。
図25】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)は切削部を外シースに収容した状態、(B)はフィルター部を管体の内部に収容する際の状態を示す。
図26】手技を行う際の血管内の状態を示す概略断面図であり、(A)はフィルター部を管体の内部に収容する際の状態、(B)は医療デバイスを抜去する際の状態を示す。
図27】実施形態に係る医療デバイスの変形例を示す縦断面図である。
図28】実施形態に係る医療デバイスの他の変形例を示す平面図である。
図29】実施形態に係る医療デバイスのさらに他の変形例を示す断面図である。
図30】実施形態に係る医療デバイスのさらに他の変形例を示す平面図である。
図31】実施形態に係る医療デバイスのさらに他の変形例を示す断面図である。
図32】実施形態に係る医療デバイスのさらに他の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
【0017】
本発明の実施形態に係る医療デバイス10は、血管内のプラークや血栓などによる狭窄部または閉塞部を切削する治療(処置)に用いられる。なお、本明細書では、デバイスの血管に挿入する側を「遠位側」、操作する手元側を「近位側」と称することとする。
【0018】
医療デバイス10は、図1に示すように、狭窄部または閉塞部を切削する処置デバイス20と、狭窄部または閉塞部から削り取られて脱落したデブリ(物体)を捕集するフィルターデバイス30と、を備えている。
【0019】
処置デバイス20は、図2〜5に示すように、径方向外側へ拡張および収縮が可能な切削部40と、切削部40を支持する支持部50と、切削部40を回転させる駆動シャフト60と、切削部40の変形量を調節する直動シャフト70とを備えている。さらに、処置デバイス20は、直動シャフト70の遠位側に連結される先端チューブ90と、切削部40を収容可能な外シース80と、直動シャフト70の内部に配置される内管100と、手元側に設けられて操作するための操作部110とを備えている。さらに、処置デバイス20は、駆動シャフト60の駆動を制御する制御部120と、駆動シャフト60に取り付けられる押し引き抵抗計測部130と、駆動シャフト60および直動シャフト70の近位部を連結する連結部140と、切削抵抗が閾値を超えたことを通知する通知部150とを備えている。
【0020】
切削部40は、図3、4、6及び7に示すように、駆動シャフト60の回転軸Xに沿って延びる少なくとも1つ(本実施形態では4つ)のストラット41と、全てのストラット41の遠位側でストラット41と一体的に形成される管状の遠位端部42と、全てのストラット41の近位側でストラット41と一体的に形成される管状の近位固定端43とを備えている。遠位端部42は、支持部50および直動シャフト70に固定されることなく、支持部50および直動シャフト70に対して、軸方向へ相対的に移動可能となっている。遠位端部42は、直動シャフト70が切削部40に対して近位方向へ移動することで、直動シャフト70に連結された先端チューブ90の近位部と接触する(図11を参照)。
【0021】
ストラット41は、近位側に、収縮した状態において回転軸Xに対して傾斜するように湾曲する傾斜部44が形成され、遠位側に、外周面から内周面へ貫通する複数の開口部45が形成される。ストラット41は、隣接する部位よりも周方向(回転方向Y)への幅が相対的に広い幅広部46を有し、この幅広部46の各々に開口部45が形成されている。開口部45は、ストラット41の延在方向に沿って複数(本実施形態では4つまたは5つ)形成され、開口部45の内縁部が、狭窄部または閉塞部を切削する刃47として機能する。ストラット41の刃47が形成される位置は、拡張状態においてストラット41の外径が最大となる部位(回転軸Xに沿う方向の略中央部)よりも遠位側に位置している。ストラット41の、開口部45の刃47を構成する内縁部以外の縁部は、面取りされていることが好ましい。
【0022】
ストラット41は、開口部45が4つ形成されるものと5つ形成されるものが、周方向に交互に配置されている。このため、1つの管体からレーザー加工や機械加工等により切削部40を切り出す際に、4つの開口部45と5つの開口部45を交互にずらして配置することができ、開口部45の適切な幅を確保することが可能である。また、周方向に隣接するストラット41の刃47がずれて配置されることで、所定の部位が偏って削り取られることを抑制し、狭窄部または閉塞部を効果的に切削することが可能である。
【0023】
ストラット41は、拡張状態となると、刃47が形成される部位の外周面が、回転方向Y側ほど径方向内側に傾くように変形する(図7(B)を参照)。このため、ストラット41は、拡張状態で回転する際に、ストラット41の径方向内側に傾いている側から接触対象に滑らかに接触することになり、生体組織への過度な損傷を低減できる。また、ストラット41は、拡張状態における径よりも小径の管体から切り出されて形成されているため、ストラット41の外周面の曲率半径は、拡張状態における回転軸Xからストラット41の外周面までの距離よりも小さい。このため、ストラット41の縁部が、接触対象にさらに接触し難くなり、生体組織への過度な損傷をさらに低減できる。
【0024】
切削部40の構成材料は、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、などが好適に使用できる。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系またはこれらの組み合わせなどが好ましく使用される。
【0025】
支持部50は、切削部40の径方向内側に切削部40を支持するように配置されており、複数の線材51を編組することによって、線材51同士の間に間隙52を有するように管状に形成される。支持部50の遠位側端部54は、複数の線材51が管状に集合して、切削部40の遠位端部42の内側面に固定されることなく、直動シャフト70の外周面に固定されている。支持部50の近位側端部55は、複数の線材51が管状に集合して、ストラット41の近位固定端43の内周面に固定されている。
【0026】
拡張状態において支持部50の最も外径が大きい最大拡張部53は、拡張状態おいてストラット41の間の隙間が大きくなるために、ストラット41の間で径方向外側へ突出する(図7(A)を参照)。このため、拡張状態においてストラット41の最も外側へ広がって生体組織と接触しやすい部位が、支持部50の最大拡張部53よりも径方向内側に位置し、ストラット41の縁部による正常な生体組織の損傷を抑制できる。
【0027】
そして、ストラット41の刃47の近傍の部位は、回転軸Xからの距離が短く(径が小さく)、かつ幅広部46が形成されるため、ストラット41の間の隙間が狭い。このため、刃47の近傍に位置する支持部50は、ストラット41の間から径方向外側への突出が抑制されるため、支持部50に阻害されずに刃47を接触対象に接触させることができる(図7(B)を参照)。
【0028】
線材51は、接触する生体組織を損傷させないように、ストラット41よりも剛性が低く、かつ断面において角部が曲率を有して形成されることが好ましく、より好ましくは、断面が円形である。
【0029】
線材51の外径は、線材51の材料や適用条件等により適宜選択可能であるが、例えば0.05〜0.15mmである。
【0030】
線材51の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、W、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、などが好適に使用できる。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系またはこれらの組み合わせなどが好ましく使用される。複数の材料を組み合わせた構造としては、例えば、造影性を付与するためにPtからなる芯線にNi−Ti合金を被覆した構造や、Ni−Ti合金からなる芯線に金メッキを施した構造が挙げられる。
【0031】
切削部40の収縮状態における内径は、適用される生体管腔の内径等に応じて適宜選択可能であるが、例えば、0.9〜1.6mmであり、一例として1.4mmとすることができる。切削部40の収縮状態における外径は、適用される生体管腔の内径等に応じて適宜選択可能であるが、例えば、1.1〜1.8mmであり、一例として1.7mmとすることができる。切削部40の回転軸Xに沿う方向の長さは、適用される適宜選択可能であるが、例えば、10〜30mmであり、一例として20mmとすることができる。
【0032】
切削部40の拡張状態における最大外径は、適用される生体管腔の内径等により適宜選択可能であるが、例えば、3.0〜8.0mmであり、一例として7.0mmとすることができる。
【0033】
拡張状態における支持部50の最大拡張部53の、ストラット41から径方向外側への突出長さは、適宜設定可能であるが、例えば、0.05〜0.5mmであり、一例として0.2mmとすることができる。
【0034】
複数の線材51の一部は、X線造影性材料により構成された線材であってもよい。これにより、支持部50および切削部40の位置および拡張径を、X線透視下で的確に把握することが可能となり、手技がより容易なものとなる。X線造影性材料としては、例えば、金、プラチナ、プラチナ−イリジウム合金、銀、ステンレス、モリブデン、タングステン、タンタル、パラジウムあるいはそれらの合金等が好適である。なお、支持部50ではなく、切削部40の一部が、X線造影性材料で構成されてもよい。例えば、切削部40の内周面に、X線造影性材料をメッキ加工により被覆してもよい。これにより、支持部50および切削部40の位置および拡張径を、X線透視下で的確に把握することが可能となり、手技がより容易なものとなる。
【0035】
支持部50は、略均一の外径の管状となっている収縮状態(図4を参照)から、遠位側端部54および近位側端部55を近づけることで、中央部が径方向外側へ撓むように変形して拡張状態(図11を参照)となることができる。支持部50の中央部が径方向外側へ撓むと、遠位側端部54が先端チューブ90へ徐々に接近しつつ、支持部50の外側に配置されているストラット41が、支持部50によって径方向外側へ押圧されて拡張する。先端チューブ90が遠位側端部54に接触するまでは、図11(A)に示すように、切削部40は、遠位端部42が支持部50および直動シャフト70に固定されていないため、遠位端部42および近位固定端43の間に軸方向への力はほとんど作用せず、支持部50から受ける径方向外側への力のみで拡張する。このため、ストラット41および線材51の間に隙間が生じ難くなり、ストラット41および線材51の間に狭窄物やデブリが挟まらず、ストラット41の損傷を抑制でき、かつストラット41の縁部による正常な生体組織の損傷を抑制できる。直動シャフト70とともに移動する先端チューブ90が遠位端部42に接触すると、図11(B)に示すように、遠位端部42は、先端チューブ90から近位方向に力を受け、軸方向に収縮する力が作用する。これにより、ストラット41は、支持部50から受ける径方向外側への力のみならず、収縮力によっても拡張することになる。このため、ストラット41および線材51の間に隙間が生じ難くなった望ましい状態を維持しつつ、必要以上に支持部50により切削部40を押圧することを抑制できる。
【0036】
駆動シャフト60は、図4、5に示すように、管状に形成されて、遠位側が切削部40の近位固定端43に固定されており、近位側に従動歯車64が固定されている。駆動シャフト60は、少なくとも一部に、流体が流通可能な複数の孔部61が内周面から外周面に貫通して形成されている。駆動シャフト60の近位部の外周面の一部には、操作部110内で第1シール部185と摺動可能に接触し、摩擦力を低減するための被覆部62が被覆されている。
【0037】
駆動シャフト60は、柔軟で、しかも近位側から作用する回転の動力を遠位側に伝達可能な特性を持ち、たとえば、右左右と巻き方向を交互にしている3層コイルなどの多層コイル状の管体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、またはこれらの組み合わせに線材などの補強部材が埋設されたもので構成されている。
【0038】
駆動シャフト60の内径は、適宜選択可能であるが、例えば0.7〜1.4mmであり、一例として1.2mmとすることができる。駆動シャフト60の外径は、適宜選択可能であるが、例えば0.8〜1.5mmであり、一例として1.35mmとすることができる。
【0039】
被覆部62の構成材料は、低摩擦材料であることが好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂材料である。駆動シャフト60の孔部61は、図8に示すように、管体に設けられる複数の貫通穴として構成されてもよく、または、図9に示すように、線材63を編組みした編組体に形成される隙間で構成されてもよい。また、駆動シャフト60をコイルで構成し、孔部61は、コイルの隙間であってもよい。孔部61は、駆動シャフト60の全体に形成されてもよく、または部分的に形成されてもよい。編組体やコイルを用いて、孔部61が所定の範囲にのみ設けられる駆動シャフト60を形成する場合、隙間を有する編組体やコイルに、樹脂等の材料を部分的に被覆することで、容易に形成できる。
【0040】
直動シャフト70は、図4、5に示すように、切削部40および支持部50を拡張および収縮させるために、駆動シャフト60に対して回転軸Xの方向へ相対的に移動可能な管体であり、駆動シャフト60、切削部40および支持部50を貫通している。直動シャフト70は、遠位側が線材51の遠位側端部54に固定されており、近位側が、直動シャフト70を回転軸Xに沿って直線的に移動させる移動機構部160に接続されている。直動シャフト70の近位側は、駆動シャフト60よりも近位側に突出している。直動シャフト70は、少なくとも一部に、流体が流通可能な複数の孔部が内周面から外周面に貫通して形成されている。直動シャフト70の孔部71は、駆動シャフト60の孔部61と同様に、管体に設けられる複数の貫通穴として構成されてもよく、または、編組体やコイルの隙間により構成されてもよい。
【0041】
直動シャフト70の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、W、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、などが好適に使用できる。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系またはこれらの組み合わせなどが好ましく使用される。また、複数の材料によって構成されてもよく、線材などの補強部材が埋設されてもよい。
【0042】
直動シャフト70の内径は、適宜選択可能であるが、例えば0.5〜1.2mmであり、一例として0.95mmとすることができる。直動シャフト70の外径は、適宜選択可能であるが、例えば0.6〜1.3mmであり、一例として1.05mmとすることができる。
【0043】
連結部140は、直動シャフト70の近位部および駆動シャフト60の近位部を連結する伸縮可能な管状の部材であり、近位方向へ向かってテーパ状に縮径している。連結部140は、直動シャフト70および駆動シャフト60に対して、液密に連結されている。連結部140は、操作部110における直動シャフト70および駆動シャフト60の間の液密性を維持しつつ、直動シャフト70の駆動シャフト60に対する軸方向への移動を許容する。伸縮可能な連結部140により、相対的に移動する直動シャフト70および駆動シャフト60を連結することで、Oリング等の摩擦を生じさせるシール構造を採用する必要がなくなり、駆動力の損失を生じさせずに、直動シャフト70および駆動シャフト60の間の液密性を維持できる。また、連結部140は、捩れることで直動シャフト70と駆動シャフト60の回転方向のずれを吸収できる。
【0044】
連結部140の構成材料は、伸縮可能であれば特に限定されないが、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーなどが好適に使用できる。
【0045】
或いは、連結部140の構成材料を、複数の部材で構成してもよい。例えば、多層構造とすることができ、内層に金属線で形成されたコイル、ばね、又は金属線の編みこまれたブレードなどのトルク伝達性の高い部材を使用し、外層を前述のゴム材料や熱可塑性エラストマーなどのシール性のある伸縮可能な部材を使用できる。これにより、直動シャフト70に駆動シャフト60の回転力をより効率的に伝達することができる。なお、内層の材質はトルク伝達性と強度があれば、金属に限定されず、樹脂など他の材料を用いてもよい。また、内外層の構成を入れ替えてもよい。
【0046】
外シース80は、駆動シャフト60の外側に被さる管体であり、回転軸Xに沿う方向へ移動可能である。外シース80は、近位部を把持して操作可能となっており、遠位側へ移動させることで、収縮状態の切削部40および支持部50を内部に収容可能であり、近位側へ移動させることで、切削部40および支持部50を外部へ露出させることができる。
【0047】
外シース80の構成材料は、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、などが好適に使用できる。また、複数の材料によって構成されてもよく、線材などの補強部材が埋設されてもよい。
【0048】
外シース80の内径は、適宜選択可能であるが、例えば1.2〜1.9mmであり、一例として1.8mmとすることができる。外シース80の外径は、適宜選択可能であるが、例えば1.3〜2.0mmであり、一例として2.0mmとすることができる。
【0049】
内管100は、直動シャフト70の内部に配置されるとともに、内部にフィルターデバイス30やガイドワイヤ等が挿通可能なルーメン101が形成される管体であり、直動シャフト70に対して、回転軸Xに沿う方向へ移動可能である。内管100は、少なくとも一部に、流体が流通可能な複数の孔部102が内周面から外周面に貫通して形成されている。内管100の孔部102は、駆動シャフト60の孔部61と同様に、管体に設けられる複数の貫通穴として構成されてもよく、または、編組体やコイルの隙間により構成されてもよい。
【0050】
内管100の構成材料は、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、などが好適に使用できる。また、複数の材料によって構成されてもよく、線材などの補強部材が埋設されてもよい。
【0051】
先端チューブ90は、直動シャフト70の遠位側に固定されている。先端チューブ90の内部には、内管100が配置される。先端チューブ90の外周面には、複数の凸部91が形成されている。凸部91は、例えば、エンボス加工により形成したり、複数の穴を設けることで形成したり、または、微細な金属粉等を先端チューブ90の表面に付着させたり、先端チューブ90の材料に微細な金属粉等を混合することで形成できる。金属粉の材料は、例えば、ステンレス等を好適に使用できる。
【0052】
先端チューブ90の構成材料は、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドまたはこれらの組み合わせなどが好適に使用できる。
【0053】
押し引き抵抗計測部130(検知部)は、図1に示すように、切削部40および支持部50を狭窄部へ押し込む際および引き戻す際に駆動シャフト60に作用する押し引き抵抗(軸方向の抵抗)を検出するためのセンサ131と、センサ131からの信号を受けて押し引き抵抗を算出する計測装置132とを備えている。センサ131は、例えば、押し引き抵抗を受け止める第1軸受部171の近傍に取り付けられる歪ゲージである。計測装置132は、センサ131から受信する信号から押し引き抵抗を算出し、結果を制御部120へ送信する。なお、センサ131が取り付けられる部位は、駆動シャフト60の押し引き抵抗を検出できるのであれば、特に限定されない。
【0054】
操作部110は、図1、5に示すように、駆動シャフト60に回転力を付与する駆動機構部170と、直動シャフト70を回転軸Xに沿って移動させる移動機構部160と、外シース80内へ生理食塩水等を送液する送液部180とを備えている。
【0055】
送液部180は、外シース80が嵌合する第1ハウジング181と、生理食塩水を収容した収容バッグ182と、収容バッグ182を加圧するための加圧バッグ183と、収容バッグ182および第1ハウジング181を接続する接続チューブ184と、第1ハウジング181内に配置される第1シール部185と、第1シール部185を固定するための固定部188とを備えている。
【0056】
第1ハウジング181は、管状の部材であり、モータ178が収容される第2ハウジング173に形成される直線的な第2誘導溝175に摺動可能に嵌合する突出した第2誘導部186が外周面に形成されており、第2ハウジング173に対して軸方向に沿って移動可能である。第1ハウジング181には、遠位側から外シース80が嵌合して固定されている。第1シール部185は、例えばOリングやXリングであり、第1ハウジング181の近位部の内部に配置され、外シース80の内部を通って第1ハウジング181内に入り込む駆動シャフト60の外周面の被覆部62に摺動可能に接触する。第1シール部185は、第1ハウジング181に近位側から捩じ込まれる固定部188によって固定されている。第1シール部185は、駆動シャフト60の回転および軸方向への移動を許容しつつ、駆動シャフト60および第1ハウジング181の間の液密状態を維持する。
【0057】
また、第1ハウジング181は、収容バッグ182から延びる接続チューブ184が接続されるポート部187が形成されており、収容バッグ182から供給される生理食塩水が、ポート部187から第1ハウジング181内に流入可能である。第1ハウジング181内に流入した加圧された生理食塩水は、第1シール部185によって近位側への流れが規制され、遠位側の外シース80内に流入可能である。なお、本実施形態では、送液部180は、第2ハウジング173に対して摺動可能に連結されているが、送液部が、第2ハウジングに連結されずに独立して構成されてもよい。このようにすれば、送液部は、第2ハウジングの大きさに制限されることなしに、広い範囲を移動することが可能となる。
【0058】
駆動機構部170は、従動歯車64に噛み合う駆動歯車179と、駆動歯車179が固定される回転軸178Aを備える駆動源であるモータ178と、モータ178への電流の供給を制御する制御部120と、直動シャフト70を回転可能に支持する第1軸受部171および第2軸受部172を備えている。さらに、駆動機構部170は、モータ178を収容する第2ハウジング173と、第2ハウジング173と連結されるとともに、第1軸受部171および第2軸受部172を保持する枠体174とを備えている。
【0059】
第2ハウジング173は、前述の通り、モータ178を収容する箱状の部材であり、外面に、第1ハウジング181の第2誘導部186が摺動可能に嵌合する第2誘導溝175が形成されている。
【0060】
枠体174は、平行な第1隔壁176および第2隔壁177を備えており、遠位側の第1隔壁176に第2ハウジング173が固定され、近位側の第2隔壁177に、移動機構部160が固定されている。
【0061】
第1隔壁176は、第2ハウジング173内のモータ178から延びる回転軸178Aが貫通し、第1隔壁176および第2隔壁177の間に、駆動歯車179が配置されている。また、第1隔壁176は、第1軸受部171が配置され、第1ハウジング181から延びる駆動シャフト60が第1軸受部171に回転可能に保持されている。駆動シャフト60に固定された従動歯車64は、第1隔壁176および第2隔壁177の間に位置し、駆動歯車179と噛み合っている。第2隔壁177は、駆動シャフト60を回転可能に支持する第2軸受部172が配置されている。
【0062】
ケーブル121を介してモータ178へ電力を供給し、モータ178の回転軸178Aを回転させると、駆動歯車179と噛み合う従動歯車64が回転し、第1軸受部171および第2軸受部172に支持された駆動シャフト60が回転する。駆動シャフト60が回転すると、駆動シャフト60の遠位側に固定されている切削部40、支持部50および先端チューブ90が回転する。支持部50の遠位側端部54が直動シャフト70に接合されているため、支持部50が回転すると、直動シャフト70も支持部50に追従して回転する。
【0063】
移動機構部160は、図1、5及び10に示すように、操作者が指で回転させることが可能なダイヤル190と、ダイヤル190の回転により直動的に移動可能な移動台200と、移動台200に固定されて直動シャフト70を回転可能に保持する第3軸受部161と、第2シール部162と、第2シール部162を固定する近位固定部210とを備えている。さらに、移動機構部160は、移動台200を収容する第3ハウジング220を備えている。第3ハウジング220の内面には、移動台200に形成される突出した第1誘導部201が摺動可能に嵌合する直線的な第1誘導溝221が形成されている。
【0064】
ダイヤル190は、枠体174の近位側に配置される筒状の部材であり、外周面を指で操作することで回転可能である。ダイヤル190は、遠位部の一部が第3ハウジング220の内部に位置している。ダイヤル190は、外周面に周方向に延びる溝部192が形成されており、第3ハウジング220の近位部に形成されるフック部222が嵌合して軸方向への移動が制限されるとともに、第3ハウジング220に対して回転可能に保持されている。ダイヤル190の内周面には、移動台200に形成されるねじ溝202と螺合する送りねじ191が形成されている。ダイヤル190は、プライミング時に内部の空気を抜くための排出孔196が形成されている。排出孔196は、栓197により開閉可能である。
【0065】
移動台200は、第3ハウジング220の第1誘導溝221に嵌合する第1誘導部201が形成されるとともに、送りねじ191が螺合するねじ溝202が形成されている。このため、送りねじ191が回転することで、第3ハウジング220に対して非回転的かつ回転軸Xに沿って直動的に移動可能である。移動台200に固定される第3軸受部161は、移動台200の移動に伴って直動シャフト70に移動力を作用させるため、軸方向の力(スラスト力)を受け止めることが可能な軸受であることが好ましい。第3軸受部161の近位側に、他のシール部材が設けられてもよい。
【0066】
第2シール部162は、ダイヤル190の近位側に、ダイヤル190の直動シャフト70が貫通する貫通穴193を囲むように形成される凹部194に収容可能である。第2シール部162は、内部に直動シャフト70の近位部の外周面に接触する環状の部材である。
【0067】
近位固定部210は、ダイヤル190の凹部194に形成されるねじ溝195に螺合するように捩じ込み可能なボルト状の部材であり、内部に内管100が配置される貫通穴211が形成されている。近位固定部210は、ダイヤル190の凹部194に捩じ込まれることで、第2シール部162を変形させて内管100を押圧し、ダイヤル190および内管100の間を液密状態に維持しつつ、内管100を保持している。
【0068】
制御部120は、ケーブル121を介してモータ178へ電流を供給するとともに、供給する電流の変化を検知する検知部としても機能し、モータ178により回転駆動される切削部40における切削抵抗(回転方向の抵抗)を検出できる。また、制御部120は、計測装置132から、駆動シャフト60に作用する押し引き抵抗(軸方向の抵抗)の計測結果を受信する。制御部120は、切削抵抗が予め設定された閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させ、通知部150に、閾値を超えたことを表示させる。なお、制御部120は、切削抵抗が閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させるのではなく、回転数を低下させてもよい。さらに、制御部120は、押し引き抵抗が予め設定された閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させ、通知部150に、閾値を超えたことを表示させる。なお、制御部120は、押し引き抵抗が閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させるのではなく、回転数を低下させてもよい。
【0069】
通知部150は、制御部120に通信可能に接続されるモニター151およびスピーカ152を備えている。モニター151は、切削抵抗または押し引き抵抗が閾値を超えたことを表示して術者へ通知する。スピーカ152は、切削抵抗または押し引き抵抗が閾値を超えたことを、音により術者へ通知する。なお、制御部120は、切削抵抗または押し引き抵抗が閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させず、通知部150により通知させるのみであってもよい。この場合、術者が、通知部150からの通知を視覚や聴覚により受けて、モータ178を停止させたり、押し込みや引き戻しを停止させたり、ダイヤル190を回転させて切削部40の径を変更したりすることができる。
【0070】
フィルターデバイス30は、図1、12に示すように、フィルターとしての機能を備えるフィルター器具240と、フィルター器具240を収納可能なシース230とを備えている。
【0071】
フィルター器具240は、複数の素線242によって編組されたフィルター部241と、フィルター部241を貫通してフィルター部241に連結される長尺なシャフト部243とを備えている。
【0072】
フィルター部241は、シース230内に収容されることで収縮し、シース230から放出されることで、自己拡張力により拡張可能である。フィルター部241は、遠位側が閉じた籠状となってシャフト部243に連結されており、近位側が、複数の素線242が撚り集められてシャフト部243に連結されている。
【0073】
素線242の外径は、素線242の材料や用途等により適宜選択可能であるが、例えば20〜100μmであり、一例として、40μmとすることができる。
【0074】
素線242の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、W、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、などが好適に使用できる。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系またはこれらの組み合わせなどが好ましく使用される。複数の材料を組み合わせた構造としては、例えば、造影性を付与するためにPtからなる芯線にNi−Ti合金を被覆した構造や、Ni−Ti合金からなる芯線に金メッキを施した構造が挙げられる。
【0075】
シャフト部243の構成材料は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、形状記憶合金などが好適に使用できる。
【0076】
シース230は、管体231と、ハブ232と、耐キンクプロテクタ233とを備えている。管体231は、フィルター器具240を収容可能なルーメン234を備えており、遠位側端部に形成される管体開口部236において開口している。ハブ232は、管体231の近位側端部に固定されており、ルーメン234と連通するハブ開口部235を備えている。耐キンクプロテクタ233は、管体231およびハブ232の連結部位を覆う柔軟な部材であり、管体231のキンクを抑制する。
【0077】
管体231の構成材料は、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドまたはこれらの組み合わせなどが好適に使用できる。
【0078】
次に、本実施形態に係る医療デバイス10の使用方法を、血管内の狭窄物を切削する場合を例として説明する。
【0079】
まず、血管の狭窄部Sよりも上流側(近位側)において血管内へ経皮的にイントロデューサシース(図示せず)を挿入し、このイントロデューサシースを介して、ガイドワイヤ300を血管内へ挿入する。次に、ガイドワイヤ300を押し進め、図13(A)に示すように、狭窄部Sの近位側まで到達させる。この後、体外に位置するガイドワイヤ300の近位側端部をガイディングカテーテル310の遠位側のカテーテル開口部311に挿入し、図13(B)に示すように、ガイドワイヤ300に沿ってガイディングカテーテル310を血管内に挿入して、狭窄部Sの近位側まで到達させる。
【0080】
次に、体外に位置するガイドワイヤ300の近位側端部をサポートカテーテル320の遠位側のカテーテル開口部321に挿入し、サポートカテーテル320を狭窄部Sの近位側まで押し進めた後、図14(A)に示すように、サポートカテーテル320およびガイドワイヤ300を狭窄部Sよりも遠位側まで到達させる。この後、サポートカテーテル320を血管内に残した状態で、ガイドワイヤ300を抜去する。
【0081】
次に、フィルター器具240をシース230内に収容したフィルターデバイス30を準備する。フィルター部241は、シース230の管体231の遠位側端部に近い位置に配置され、収縮状態で形状が拘束されている。次に、図14(B)に示すように、サポートカテーテル320を介してフィルターデバイス30を血管内に挿入し、狭窄部Sよりも遠位側まで到達させる。この後、サポートカテーテル320を抜去する。
【0082】
次に、シース230をフィルター器具240に対して近位側へ相対的に移動させ、フィルター部241を管体231から遠位側に突出させる。これにより、図15(A)に示すように、フィルター部241が自己の復元力により拡張状態となり、籠状となったフィルター部241の外周部が、血管の内壁面に接触する。このとき、フィルター部241は、上流側(近位側)の狭窄部Sに向かって開いている。この後、図15(B)に示すように、フィルター器具240を残して、シース230を抜去する。
【0083】
次に、切削部40および支持部50を収縮させて外シース80内に収容した状態の処置デバイス20を準備し、収容バッグ182を加圧バッグ183により加圧し、収容バッグ182から接続チューブ184を介して第1ハウジング181内に生理食塩水を供給する。第1ハウジング181内に流入した生理食塩水は、図16に示すように、第1シール部185により近位方向への移動が制限され、外シース80内を通って遠位方向へ移動する。外シース80内に流入した生理食塩水は、駆動シャフト60の孔部61が形成される領域に到達すると、生理食塩水の一部が孔部61を通って駆動シャフト60内に流入する。駆動シャフト60内に流入した生理食塩水は、直動シャフト70の孔部71が形成される領域に到達すると、生理食塩水の一部が孔部71を通って直動シャフト70内に流入する。直動シャフト70内に流入した生理食塩水は、内管100の孔部102が形成される領域に到達すると、生理食塩水の一部が孔部102を通って内管100のルーメン101内に流入する。
【0084】
そして、外シース80内、駆動シャフト60内、直動シャフト70内、および内管100内に流入した生理食塩水は、図17に示すように、外シース80、駆動シャフト60、直動シャフト70、および内管100の遠位側の開口部から放出される。さらに、駆動シャフト60内に流入した生理食塩水は、図18に示すように、駆動シャフト60および直動シャフト70の近位部に連結される連結部140により、移動が制限される。直動シャフト70内に流入した生理食塩水は、近位方向へ流れて移動台200内を通り、ダイヤル190内に流入する。ダイヤル190内に流入した生理食塩水は、排出孔196を通って外部に排出される。移動台200内およびダイヤル190内の空気が抜けた後、栓197により排出孔196を塞ぐことができる。内管100内に流入した生理食塩水は、近位方向へ流れて近位側の開口部から外部に排出される。これにより、プライミングが完了する。なお、収容バッグ182からの送液は、この後も、処置デバイス20による手技が完了するまで継続される。また、処置デバイス20のプライミングは、加圧バッグ183を用いずに行ってもよい。
【0085】
また、直動シャフト70の近位部を縮径して、内管100とのクリアランスを十分に小さくすることで、近位側に流入する生理食塩水の量を制限してもよい。これにより、送りねじ191とねじ溝202の隙間や第3軸受部161からの生理食塩水の漏出を抑制できる。なお、第3軸受部161からの生理食塩水の漏出を抑制するため、シール付軸受を用いることも可能である。
【0086】
次に、内管100の遠位側開口部にシャフト部243の近位側端部を挿入して、図19(A)に示すように、処置デバイス20の遠位部を、ガイディングカテーテル310を介して血管内に到達させる。そして、処置デバイス20の遠位部を、X線透視下で、狭窄部Sの近位側に位置させる。処置デバイス20は、収容バッグ182により生理食塩水が常に供給されているため、外シース80、駆動シャフト60、直動シャフト70、および内管100内への血液の流入が抑制される。
【0087】
次に、図20に示すように、第1ハウジング181を第2ハウジング173に対して近位側へ移動させると、図19(B)に示すように、外シース80が近位側へ移動し、切削部40および支持部50が血管内に露出される。なお、この状態では、切削部40および支持部50は、狭窄部Sよりも近位側で収縮した状態である。
【0088】
次に、X線透視下で、狭窄部Sの隙間の大きさを検出する。狭窄部Sの隙間の大きさの検出は、X線撮像された映像から目視により検出したり、X線撮像された映像における狭窄部Sの隙間を、例えば処置デバイス20の寸法がわかっている部位(例えば、ストラット41または支持部50)と比較して検出することができる。また、血管内超音波診断装置(IVUS:Intra Vascular Ultra Sound)、光干渉断層診断装置(OCT :Optical Coherence Tomography)、または光学振動数領域画像化法(optical frequency domain imaging:OFDI)を利用して、狭窄部Sの隙間の大きさをより詳細に検出することもできる。
【0089】
この後、図20に示すように、ダイヤル190を回転させると、送りねじ191が回転して移動台200が近位側へ移動し、移動台200に連結された直動シャフト70が、駆動シャフト60に対して近位側へ移動する。直動シャフト70が近位側へ移動すると、遠位側端部54および近位側端部55が近づき、図11図21(A)に示すように、支持部50の中央部が径方向外側へ撓むように変形して拡張状態となる。支持部50の中央部が径方向外側へ撓むと、支持部50の外側に配置されているストラット41が、支持部50によって径方向外側へ押圧されて拡張する。このとき、切削部40は、少なくとも拡張の初めにおいて、遠位端部42が支持部50および直動シャフト70に固定されていないため、遠位端部42および近位固定端43の間に軸方向への力は作用せず、図11(A)に示すように、支持部50から受ける径方向外側への力のみで拡張する。このため、ストラット41および線材51の間に隙間が生じ難い。直動シャフト70が駆動シャフト60に対して近位側へ移動すると、図20に示すように、直動シャフト70の近位部および駆動シャフト60の近位部を連結する連結部140が伸張し、液密状態が維持され、直動シャフト70および駆動シャフト60の間に流入した生理食塩水が漏出しない。
【0090】
そして、切削部40および支持部50の大きさは、ダイヤル190の回転量によって任意に調節可能である。したがって、切削部40は、拡張時の大きさを望ましい大きさに任意に調節可能であり、効果的な切削が可能である。
【0091】
ダイヤル190を回転させて支持部50および切削部40を拡張させる際には、X線透視下で、切削部40の拡張径を狭窄部Sの隙間と比較しつつ、狭窄部Sの隙間よりも大きく拡張させる。このときの切削部40および支持部50の最も大きく広がる部位の外径は、最も収縮させた最小収縮状態および最も拡張させた最大拡張状態の間の大きさである。
【0092】
次に、制御部120によりモータ178へ電流を供給してモータ178を回転させると、モータ178の駆動力が駆動歯車179から従動歯車64へ伝わり、従動歯車64に連結されている駆動シャフト60が回転して、駆動シャフト60に連結されている切削部40および支持部50が回転する。切削部40および支持部50が回転すると、遠位側で支持部50に連結されている直動シャフト70も回転する。また、直動シャフト70は、近位側において、連結部140により駆動シャフト60に連結されているため、近位側からも回転力を受ける。このため、直動シャフト70は、駆動シャフト60に対して遅れずに追従して回転しやすくなり、直動シャフト70の捩れを抑制できる。そして、直動シャフト70の捩れを抑制できることで、直動シャフト70を捩るための仕事が必要なくなり、駆動力を効果的に伝達可能となり、低トルクでの駆動が可能となる。また、連結部140は、手技の際に体外に位置するため、万が一破損しても、安全性を確保できる。
【0093】
駆動シャフト60は、第1軸受部171および第2軸受部172により回転可能に支持されているため、円滑に回転することができる。なお、第1ハウジング181内では、第1シール部185が駆動シャフト60の外周面に設けられる被覆部62に接触しており、駆動シャフト60が回転することで、被覆部62が第1シール部185に対して摺動するが、被覆部62が低摩擦材料により形成されているため、駆動シャフト60の回転は、ほとんど妨げられない。また、直動シャフト70は、近位部が第3軸受部161により回転可能に支持されているため、円滑に回転することができる。
【0094】
次に、切削部40および支持部50を回転させた状態で、図21(B)に示すように、処置デバイス20を押し進める。これにより、切削部40に形成されている刃47および先端チューブ90に形成される凸部91(図17を参照)が、狭窄部Sに接触し、狭窄物が削られてデブリDとなって遠位側(下流側)へ流れる。遠位側へ流れたデブリDは、遠位側に位置するフィルター部241の内部に入り込み、フィルター部241によって濾し取られるように捕集される。これにより、デブリDが末梢へ流れることを抑制でき、末梢血管における新たな狭窄部の発生を抑制できる。
【0095】
そして、狭窄部Sを切削する際に、支持部50が、ストラット41の間で径方向外側へ突出しているため、ストラット41よりも生体組織への影響が小さい支持部50が生体組織に接触して、ストラット41の縁部による正常な生体組織の損傷を抑制でき、安全性を高めることができる。
【0096】
また、切削部40は、遠位端部42が支持部50および直動シャフト70に固定されておらず、拡張の始めにおいて、支持部50から受ける径方向外側により拡張しているため、ストラット41および線材51の間に隙間が生じ難くなっている。これにより、ストラット41および線材51の間に脱落した硬いデブリDや狭窄物が挟まり難い。このため、ストラット41が外側へ捲れ上がらず、ストラット41の損傷や破断を抑制でき、かつストラット41の縁部による正常な生体組織の損傷を抑制できる。
【0097】
処置デバイス20を押し進める際には、切削部40を押し進めて狭窄部Sを切削した後、切削部40が狭窄部Sを完全に通過する前に、処置デバイス20を引き戻すことができる。そして、処置デバイス20の押し込みおよび引き戻しを繰り返すことで、狭窄部Sに対して切削部40を徐々に押し進め、狭窄部Sを少しずつ切削することができる。これにより、切削部40に過剰な力が作用することを抑制し、切削部40の損傷や破断を抑制できる。
【0098】
切削部40に過剰な切削抵抗(回転方向抵抗)が作用すると、モータ178を駆動する電流に変化が生じ、この電流の変化を、制御部120が検知する。制御部120は、検知した電流から切削抵抗を特定し、この切削抵抗が予め設定された閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させる。そして、制御部120は、切削抵抗が閾値を超えたことを、モニター151に表示させ、かつスピーカ152によって音で通知する。
【0099】
また、切削部40に過剰な押し引き抵抗(軸方向の抵抗)が作用すると、押し引き抵抗計測部130により検出され、制御部120に通知される。制御部120は、押し引き抵抗が予め設定された閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させる。そして、制御部120は、押し引き抵抗が閾値を超えたことを、モニター151に表示させ、かつスピーカ152によって音で通知する。
【0100】
切削部40に生じる過剰な切削抵抗または押し引き抵抗を検出した際にモータ178を停止させると、切削部40に損傷や破断が生じる前に、切削部40による切削を中断できる。モータ178の回転が停止した後には、図22(A)に示すように、処置デバイス20を引き戻し、制御部120を操作してモータ178を再び回転させ、処置デバイス20による切削を再開することができる。なお、制御部120は、切削抵抗や押し引き抵抗が閾値を超える場合に、モータ178の回転を停止させるのではなく、回転数を低下させてもよい。また、制御部120は、モータ178の回転を停止させず、通知部150により使用者にモータ178の停止を促すのみであってもよい。
【0101】
図22(B)に示すように、切削部40が狭窄部Sを通過した後には、処置デバイス20を引き戻して、図23(A)に示すように、切削部40を狭窄部Sの近位側に移動させ、駆動シャフト60の回転を停止させる。次に、ダイヤル190を再び回転させ、図23(B)に示すように、切削部40をさらに拡張させる。そして、上述の操作と同様に、切削部40を回転させ、処置デバイス20の押し込みおよび引き戻しを繰り返しつつ、切削抵抗や押し引き抵抗が閾値を超える際には制御部120により回転を停止させつつ、図24(A)、図24(B)に示すように、狭窄部Sを少しずつ切削する。切削部40が狭窄部Sを通過した後には、処置デバイス20を引き戻して、切削部40を狭窄部Sの近位側に移動させ、駆動シャフト60の回転を停止させる。そして、切削部40を徐々に拡張させつつ、切削部40の狭窄部Sに対する押し込みおよび引き戻しを繰り返し、狭窄部Sを切削する。このように、切削部40を徐々に拡張させつつ狭窄部Sを切削することで、切削部40に過剰な力が作用することを抑制し、切削部40の損傷や破断を抑制できる。
【0102】
切削部40による狭窄部Sの切削が完了した後には、ダイヤル190を、切削部40および支持部50を拡張させた際とは逆回転に回転させる。これにより、図5に示すように、送りねじ191が回転して移動台200が遠位側へ移動し、移動台200に連結された直動シャフト70が遠位側へ移動する。直動シャフト70が遠位側へ移動すると、図4に示すように、支持部50の遠位側端部54が近位側端部55から離れるように移動し、切削部40および支持部50が径方向内側に収縮した状態となる。次に、第1ハウジング181を第2ハウジング173に対して遠位側へ移動させると、外シース80が遠位側へ移動し、図25(A)に示すように、外シース80内に切削部40および支持部50が収容される。この後、ガイディングカテーテル310を介して処置デバイス20を体外へ抜去する。
【0103】
この後、図25(B)に示すように、ガイディングカテーテル310を介してシース230を血管内に挿入し、フィルター部241内のデブリDをシース230内に吸引した後、図26(A)に示すように、シース230内にフィルター部241を収容する。この後、図26(B)に示すように、フィルター器具240をシース230とともに抜去し、ガイディングカテーテル310およびイントロデューサシースを抜去して、手技が完了する。
【0104】
そして、手技の間、処置デバイス20は、収容バッグ182により生理食塩水が常に供給されているため、外シース80、駆動シャフト60、直動シャフト70、および内管100内への血液の流入が抑制され、処置デバイス20内での血液の凝結が抑制される。このため、血液の凝結による処置デバイス20の操作性の低下を抑制でき、かつ、凝結した物体が血管内に流れることをも抑制でき、安全性が向上する。また、医療デバイス10を介した血液の外部への流出を抑制できるため、安全性を向上できる。
【0105】
以上のように、本実施形態に係る医療デバイス10は、駆動シャフト60の近位部および直動シャフト70の近位部を、液密性を維持しつつ連結する伸縮可能な連結部140が設けられるため、直動シャフト70の駆動シャフト60に対する軸方向への移動によりストラット41を拡張させて狭窄部Sを切削可能であるとともに、管状の連結部140により、駆動シャフト60および直動シャフト70の間の液密性を維持できる。さらに、伸縮可能な連結部140を用いて、相対的に移動する直動シャフト70および駆動シャフト60を連結することで、Oリング等の摩擦を生じさせるシール構造を採用する必要がなくなり、駆動力の損失を低減できる。また、医療デバイス10は、送液部180から駆動シャフト60内に供給した液体の漏出を連結部140により抑制できるため、駆動シャフト60内および駆動シャフト60内へ流体を効果的に送液可能となり、血液の医療デバイス10内への流入を効果的に抑制できる。
【0106】
また、直動シャフト70は、ストラット41と連結される遠位側からのみならず、連結部140により近位側からも回転力を受けるため、駆動シャフト60に対して遅れずに追従して回転しやすくなり、捩れが抑制される。直動シャフト70の捩れを抑制できることで、直動シャフト70を捩るための仕事が必要なくなり、駆動力を効果的に伝達可能となり、低トルクでの駆動が可能となる。
【0107】
また、連結部140は、駆動シャフト60の従動歯車64(回転駆動力を受ける部位)よりも近位側に設けられるため、連結部140が手技の際に体外に位置することになり、万が一破損しても、安全性を確保できる。
【0108】
また、連結部140は、複数の層(部材)で構成されてもよい。これにより、連結部140は、設計の自由度が高くなるため、液密性および伸縮性を確保しつつ、高いトルク伝達性を得ることができる。
【0109】
また、連結部140は、駆動シャフト60の近位部および直動シャフト70の近位部の回転方向の捩れを許容するため、捩れることで直動シャフト70および駆動シャフト60の間に生じる回転方向のずれを吸収でき、円滑で自然な回転を促すことができる。
【0110】
また、連結部140は、近位方向へ向かってテーパ状に縮径する管体であるため、駆動シャフト60および直動シャフト70の間の液密性を維持しつつ、外径の異なる駆動シャフト60および直動シャフト70の間を円滑かつ自然に連結できる。
【0111】
また、医療デバイス10は、管状に形成される直動シャフト70の内部に配置される管体であって、駆動シャフト60および直動シャフト70に対して回転が拘束されない内管100を有するため、駆動シャフト60および直動シャフト70が回転しても、内管100は回転せず、内管100に挿入されるワイヤ等に回転力が作用しない。このため、医療デバイス10は、内管100に挿入されるワイヤ等の摩耗を抑制し、かつワイヤ等が回転して抜き難くなることを抑制できる。また、内管100が回転しないため、内管100のルーメン101内に血液が引き込まれ難くなり、ルーメン101内での血液の凝結の発生を抑止して、操作性の低下を抑制できる。また、医療デバイス10は、ワイヤ等が挿入される内管100が回転しないため、ワイヤ等が内管100から摩擦力を受けて軸方向へ移動することを抑制して、血管の損傷を抑制できる。
【0112】
また、本実施形態に係る医療デバイス10は、駆動シャフト60および直動シャフト70の少なくとも駆動シャフト60に、内面から外面へ貫通する孔部61、71が形成される。このため、送液部180から生理食塩水等の液体を供給することで、孔部61、71を介して、駆動シャフト60内および直動シャフト70内の少なくとも駆動シャフト60内に液体を供給可能となり、血液が駆動シャフト60内および直動シャフト70内の少なくとも駆動シャフト60内に流入し難くなる。このため、医療デバイス10内での血液の凝結を抑制し、各管体の間の相対的な移動を適切に維持して、操作性の低下を抑制できる。また、駆動シャフト60内および直動シャフト70内の少なくとも駆動シャフト60内に液体を供給することで、医療デバイス10を介した血液の体外への流出を抑制できるため、安全性を向上できる。
【0113】
また、送液部180は、外シース80の近位部および駆動シャフト60の近位部の液密性を維持するための第1シール部185(シール部)を有するため、送液部180から外シース80内に供給した液体の漏出を第1シール部185により抑制できる。このため、駆動シャフト60内および駆動シャフト60内へ流体を効果的に送液可能となり、血液の医療デバイス10内への流入を効果的に抑制できる。
【0114】
また、医療デバイス10は、駆動シャフト60の内部に配置される管体であって、駆動シャフト60および直動シャフト70に対して回転が拘束されず、内面から外面へ貫通する孔部102が形成される内管100を有している。これにより、駆動シャフト60および直動シャフト70とともに回転しない内管100を設けつつ、この内管100内へも送液部180から流体を供給でき、内管100内への血液の医療デバイス内への流入を効果的に抑制できる。
【0115】
また、本発明は、生体管腔内の物体を切削するための処置方法(治療方法)をも提供する。当該処置方法は、生体管腔内の物体を切削するための処置方法であって、回転可能であって管状の駆動シャフトと、前記駆動シャフトを収容可能な管状の外シースと、前記駆動シャフトの遠位側に連結されて回転可能であり、回転軸に沿って延在するとともに中央部が撓むことで径方向外側へ拡張可能である少なくとも1つのストラットと、前記駆動シャフトの内部に配置されて前記ストラットを拡張させるために前記駆動シャフトに対して相対的に軸方向へ移動可能であり、かつ前記駆動シャフトとともに回転可能な管状の直動シャフトと、前記外シースおよび駆動シャフトの間に液体を供給する送液部と、を有し、前記駆動シャフトおよび直動シャフトの少なくとも前記駆動シャフトに、内面から外面へ貫通する孔部が形成される医療デバイスを使用して行われる。そして、当該処置方法は、(i)前記送液部により液体を供給し、前記駆動シャフトおよび直動シャフトの少なくとも前記駆動シャフトに形成される孔部を介して、前記駆動シャフト内および直動シャフト内の少なくとも前記駆動シャフト内に液体を供給するステップと、(ii)前記ストラットを収縮させた状態で生体管腔内へ挿入するステップと、(iii)前記ストラットを拡張させるステップと、(iv)前記ストラットを前記駆動シャフトにより回転させて前記生体管腔内の物体を切削するステップと、(v)前記ストラットを収縮させて生体管腔内から抜去するステップと、を有する。上記のように構成した処置方法は、駆動シャフト内および直動シャフト内の少なくとも駆動シャフト内に液体を供給するため、血液が駆動シャフト内および直動シャフト内の少なくとも駆動シャフト内に流入し難くなる。このため、処置デバイス内での血液の凝結を抑制し、各管体の間の相対的な移動を適切に維持し、操作性の低下を抑制できる。また、医療デバイスを介した血液の流出を抑制できるため、安全性を向上できる。
【0116】
また、前記医療デバイスは、駆動シャフトの内部に配置される管体であり、前記駆動シャフトおよび直動シャフトに対して回転が拘束されず、内面から外面へ貫通する孔部が形成される内管をさらに有し、上述の処置方法は、前記送液部により液体を供給することで、前記駆動シャフト、前記直動シャフトおよび前記内管に形成される前記孔部を介して、前記駆動シャフト内、直動シャフト内および前記内管内に流体を供給してもよい。これにより、外シース内、駆動シャフト内、直動シャフト内および内管内への血液の流入を制限して、これらの管体内での血液の凝結を抑制でき、各管体の間の相対的な移動を適切に維持して、操作性の低下を抑制できる。
【0117】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、実施形態では、ストラット41の遠位側にのみ刃47が形成されているが、ストラットの近位側に形成されてもよく、遠位側および近位側の両方に形成されてもよい。
【0118】
また、ストラットの刃の形態は、切削可能であれば特に限定されず、例えば、ストラットの外側の縁部が刃であってもよい。
【0119】
また、医療デバイス10が挿入される生体管腔は、血管に限定されず、例えば、脈管、尿管、胆管、卵管、肝管等であってもよい。
【0120】
また、切削部40および支持部50の少なくとも一方が、親水性材料からなる被覆層により被覆されてもよい。このようにすれば、切削部40および支持部50の少なくとも一方と生体組織の間が滑りやすくなり、正常な生体組織の損傷を抑制して安全性を高めることができる。
【0121】
また、上述した実施形態では、ストラット41の径方向内側に、支持部50が配置されているが、支持部を構成する線材の一部が、ストラットの外側に配置されてもよい。このような構成とすることで、ストラットの生体組織に接触させたくない部位を線材で覆い、正常な生体組織の損傷を低減させることができる。
【0122】
また、上述した実施形態では、切削部40および支持部50は、操作部110における操作によって任意の大きさに拡張させることができるが、任意の大きさに拡張可能でなくてもよい。また、切削部および支持部は、自己復元力により拡張する構造であってもよい。
【0123】
また、上述した実施形態では、支持部50は、複数の線材51を編組して形成されているが、1つの部材に複数の開口部を形成して網状となるように形成されてもよい。
【0124】
また、上述した実施形態では、直動シャフト70を移動させるために、送りねじ機構を用いているが、直動シャフト70を移動させることが可能であれば、構造は限定されない。
【0125】
また、上述した実施形態では、駆動シャフト60を回転させるために、モータ178を用いているが、駆動源は限定されず、例えば窒素ガス等の高圧ガスによって回転するガスタービンであってもよい。
【0126】
また、図27に示す実施形態の変形例は、切削部250の遠位端部251が、支持部50の遠位側端部54に固定され、切削部250の近位端部252が、支持部50の近位側端部55および駆動シャフト60に固定されていない。したがって、切削部250の近位端部252は、支持部50の近位側端部55および駆動シャフト60に対して、軸方向へ相対的に移動可能となっている。なお、支持部50の近位側端部55は、駆動シャフト60に固定されており、支持部50の遠位側端部54は、直動シャフト70に固定されている。このような構成であっても、支持部50の遠位側端部54および近位側端部55を近づけることで、切削部250の遠位端部251および近位端部252の間に軸方向への力を作用させず、支持部50から受ける径方向外側への力のみで、切削部250のストラット253を拡張させることができる。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0127】
また、図28に示す実施形態の他の変形例のように、直動シャフト70の近位部および駆動シャフト60の近位部を連結する伸縮可能な連結部260は、蛇腹状に形成されてもよい。連結部260は、蛇腹状であることで軸方向への伸縮がより容易となる。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0128】
また、図29に示す実施形態のさらに他の変形例のように、送液部270の第1ハウジング271に外シース80が連結されておらず、第1ハウジング271に設けられるポート部187よりも先端側に、第3シール部272が設けられてもよい。そして、駆動シャフト280は、第1シール部185と第3シール部272との間に、孔部281が形成されている。駆動シャフト280の外表面には、第3シール部272と摺動可能に接触し、摩擦力を低減するための第2被覆部282が被覆されている。このような構成とすることで、外シース80と駆動シャフト280の間には、収容バッグ182から生理食塩水を供給せず、孔部281を介して、駆動シャフト280と直動シャフト70の間に生理食塩水を流入させることができる。駆動シャフト280内に流入した生理食塩水は、直動シャフト70の孔部71を通って直動シャフト70内に流入可能である。直動シャフト70内に流入した生理食塩水は、内管100の孔部102を通って内管100のルーメン101内に流入可能である。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0129】
また、図30に示す実施形態のさらに他の変形例のように、駆動シャフト290に形成される孔部291は、駆動シャフト290の外面(および内面)において周方向に対して傾斜して形成されてもよい。孔部291の傾斜は、駆動シャフト290の回転により、生理食塩水が遠位方向へ流れるように物理的な力が作用するように、回転方向へ向かうほど近位側へ傾くように傾斜することが好ましい。このような構成とすることで、複数の傾斜した孔部291により螺旋状の凹凸構造が形成され、凹凸構造がポンプにおけるプロペラのような役割を果たし、駆動シャフト290の回転により、生理食塩水に遠位方向へ移動する力を作用させる。このように、本変形例は、送液を孔部291の形状により物理的に誘導できるため、近位側における生理食塩水の漏出を抑制できるとともに、血圧に対抗して、生理食塩水を流すことができる。なお、駆動シャフトの孔部が周方向に対して傾斜して形成されるように、駆動シャフトを、隙間が孔部を構成するようなコイル、バネ、またはパイプに螺旋状のスリットを形成した部材等により形成してもよい。コイル、バネまたはスリットの巻方向は、生理食塩水が遠位方向へ流れるように物理的な力が作用する方向に決定される。なお、駆動シャフト290のみならず、直動シャフトや内管に形成される孔部が、外面(および内面)において周方向に対して傾斜して形成されてもよい。
【0130】
また、図31に示す実施形態のさらに他の変形例のように、駆動シャフト300は、孔部301が形成される範囲に、剛性を付与する補強部302を有してもよい。補強部302は、金属や樹脂により形成される管に、外面から内面へ貫通する孔を形成することで、構成される。補強部302の端部には、駆動シャフト300の剛性の極端な変化を低減させて破断し難くするために、テーパ状に形成して物性を徐々に変化させたテーパ部303が設けられる。このように、駆動シャフト300は、補強部302を備えることで、孔部301を形成することによる強度の低下が抑制されて強度を維持でき、破損等を抑制できる。また、駆動シャフト300は、補強部302を備えることで、強度低下の要因となる孔部301をより多く設けることが可能となり、送液性を高めることが可能となる。なお、補強部は、端部における駆動シャフトの剛性の極端な変化を低減させるために、補強部の密度を端部ほど小さくなるように変化させてもよい。また、補強部は、駆動シャフトを補強できるのであれば、構成は特に限定されず、例えば、線材を編組して管形状に形成したメッシュ状の部材であってもよい。また、補強部は、直動シャフトや内管の孔部が形成される部位に設けられてもよい。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0131】
また、図32に示す実施形態のさらに他の変形例のように、駆動シャフト310に形成される孔部311、直動シャフト320に形成される321、および内管330に形成される孔部331が、外面から内面へ向かって断面積が広がるように、例えば漏斗形状で形成されてもよい。これにより、外シース80から駆動シャフト310内、駆動シャフト310内から直動シャフト320内、および直動シャフト320内から内管330内へ、生理食塩水を流入させやすくすることができ、送液性を高めることができる。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【符号の説明】
【0132】
10 医療デバイス、
20 処置デバイス、
30 フィルターデバイス、
40、250 切削部、
41、253 ストラット、
50 支持部、
51 線材、
52 間隙、
60、280、290、300、310 駆動シャフト、
61、281、291、301、311 孔部、
62 被覆部、
63 線材、
64 従動歯車(回転駆動力を受ける部位)、
70、320 直動シャフト、
71、321 孔部、
80 外シース、
100、330 内管、
102、331 孔部、
110 操作部、
140、260 連結部、
162 シール部、
180、270 送液部、
185 第1シール部(シール部)、
302 補強部、
D デブリ、
S 狭窄部(物体)。
図1
図2
図3
図4
図5
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