(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221190(P2016-221190A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】歯のホワイトニング照射機器の遮光部材
(51)【国際特許分類】
A61C 19/06 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
A61C19/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】書面
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-118712(P2015-118712)
(22)【出願日】2015年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】515128965
【氏名又は名称】株式会社シロク
(72)【発明者】
【氏名】松田 芳久
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA20
4C052MM10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サングラスを装着せずに、照射光から目を保護した上で、照射光が歯に的確に照射できる歯のホワイニング照射機器を提供する。
【解決手段】照射口に筒なる形状の遮光部材1を装着させ、遮光部材に使用者は口を直接当てるようにした。この遮光材を装着することでLED光が漏れず、サングラスが不必要となる。且つ照射場所を一定の場所に固定化することで、照射光のずれ等の可能性が低減でき、照射効果・保温効果の安定化も計れる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の遮光部材であり、一端部を歯のホワイトニング照射器の照射口に着脱自在に装着し、他端部を使用者の口内に臨ませるか、もしくは口の外周部に密着させて、ホワイトニング照射器の照射光を外部より遮光するとともに、白化する歯の領域を特定することで照射効率の向上を計るとともに、照射光の熱の放散を防いで保温効率の向上を計ることを兼用させて、歯のホワイトニング効率の向上を計ったことを特徴とする歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項2】
上記、遮光部材は、内壁面を光反射効率の高い鏡面状として遮光するか、もしくは内壁面を白色とし外壁面を黒色として遮光したことを特徴とする前記請求項1に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項3】
上記、遮光部材は、使用者の口の外周部に密着させる端部を、顔に密着して外部に光が漏れないように凹形状としたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項2に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項4】
上記、遮光部材は、使用者の口内に臨む端部を歯茎の凸形状に沿う凹形状としたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項2に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項5】
上記、遮光部材は、使用者の口の外側に密着するかもしくは口内に臨む端部に、カールもしくは鍔を形成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項4に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項6】
上記、遮光部材は、使用者の口内に臨む端部の開口を、ホワイトニングをする歯の領域が特定できるような大きさとして開口器を兼用としたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材
【請求項7】
上記、遮光部材は、筒の内部を透明仕切り板で区画して使用者の唾等の飛散物がホワイトニング照射器の照射口に当たらないようにしたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項6に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項8】
上記、遮光部材は、相互の嵌合によって接合する内筒と外筒で構成するとともに、透明仕切り板は薄いフィルムとし、このフィルムを内筒の一方の端部に覆い被せ、この外周に外筒を嵌めて内筒と外筒を接合することで内部が区画されるようにしたことを特徴とする前記請求項7に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項9】
上記、遮光部材は、外部に光が漏れないように遮光した筒状部材と、透明のコップ状部材で構成し、筒状部材の一端部を閉塞するようにしてコップ状部材の底部を固着し、この底部で透明仕切り板を兼用するとともに、コップ状部材を使用者の口内に臨ませて遮光するようにしたことを特徴とする前記請求項8に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【請求項10】
上記、遮光部材は、筒の外周に保温性のある樹脂などを巻いたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項6に記載の歯のホワイトニング照射器の遮光部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は歯の表面の汚れを除去して白化するホワイトニング及びクリーニングを行なう照射器に付属する部材に関する。
【背景技術】
【0002】
歯のホワイトニング及びクリーニンクを行なうには、歯の表面に洗浄用の基剤を塗り、特定領域の波長のLED光を照射して光や熱による反応を促進させた後に、再度歯ブラシ等で口内を洗浄して白化するものである。
【0003】
従って、従来、LED光を照射する際にLED光から目を保護することを目的に、サングラス等を装着することが必要とされている。
【0004】
サングラスを装着しない仕様では、特許文献1・2があり、これは照射器本体を口でくわえているため、非衛生的であり、また、使用者によって取り外しできるようにしても、消毒等の作業がともない、さらに器具自体がコスト高なものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−254958号
【特許文献2】実用新案登録第3160921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
然しながら特許文献1・2では、使用者が口で直接照射器をくわえる為、不特定多数の使用者が存在する店舗などでは、衛生面・使用者心理等含めこの活用においては、不適合であった。また、従来のサングラス使用方法だとライトと照射箇所を固定できず、歯に照射光が当たっているか常に確認する必要がある。尚、その作業を怠ると光が正確に当たらず照射効果が低下する可能性も生じてしまう。またサングラスを装着することでメガネ等使用の弱視の使用者は、その付け外しの手間や文字等が読みづらくなる等、使用者の利便性が低いものとなっている。また照射光の熱は放散する為、使用環境の室温等の影響を受け易く、保温効率も低いものとなっている。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、サングラスを装着せずに、照射光から目を保護した上で、照射光が歯に的確に照射でき得ること且つ保温率を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するためこの遮光部材は、筒状の遮光部材であり、一端部を歯のホワイトニング照射器の照射口に着脱自在に装着し、他端部を使用者の口内に臨ませるか、もしくは口の外周部に密着させて、ホワイトニング照射器の照射光を外部より遮光するとともに、白化する歯の領域を特定することで照射効率の向上を計るとともに、照射光の熱の放散を防いで保温効率の向上を計ることを兼用させて、歯のホワイトニング効率の向上を計ったことを特徴とする。
【0009】
また、上記、遮光部材は、内壁面を光反射効率の高い鏡面状として遮光するか、もしくは内壁面を白色とし外壁面を黒色として遮光したことを特徴とする。
【0010】
また、上記、遮光部材は、使用者の口の外周部に密着させる端部を、顔に密着して外部に光が漏れないように凹形状としたことを特徴とする。
【0011】
また、上記、遮光部材は、使用者の口内に臨む端部を歯茎の凸形状に沿う凹形状としたことを特徴とする。
【0012】
また、上記、遮光部材は、使用者の口の外側に密着するかもしくは口内に臨む端部に、カールもしくは鍔を形成したことを特徴とする。
【0013】
また、上記、遮光部材は、使用者の口内に臨む端部の開口を、ホワイトニングをする歯の領域が特定できるような大きさとして開口器を兼用としたことを特徴とする。
【0014】
また、上記、遮光部材は、筒の内部を透明仕切り板で区画して使用者の唾等の飛散物がホワイトニング照射器の照射口に当たらないようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、上記、遮光部材は、相互の嵌合によって接合する内筒と外筒で構成するとともに、透明仕切り板は薄いフィルムとし、このフィルムを内筒の一方の端部に覆い被せ、この外周に外筒を嵌めて内筒と外筒を接合することで内部が区画されるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、上記、遮光部材は、外部に光が漏れないように遮光した筒状部材と、透明のコップ状部材で構成し、筒状部材の一端部を閉塞するようにしてコップ状部材の底部を固着し、この底部で透明仕切り板を兼用するとともに、コップ状部材を使用者の口内に臨ませて遮光するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、上記、遮光部材は、筒の外周に保温性のある樹脂などを巻いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記のように構成したので、第1にサングラスが不必要となった。
【0019】
第2に、遮光することで照射箇所以外に光がもれないため、また内壁面を光反射効率の高い白色もしくは鏡面状としたので照射効率且つ保温効率の向上が図れる。
【0020】
第3に、遮光材を紙もしくはプラスチックなどの素材でホワイトニング照射器の照射口に着脱自在に装着可能にし、使い捨てとすることで衛生面と業務効率の向上が図れる。
【0021】
第4に、照射口と使用者の口を密着する為、照射箇所が固定化できるので、歯に照射光が当たっているか常に確認する必要が不要となり利便性が向上するとともに、確実に照射効果を高めることができる。
【0022】
第5に、口の外側に密着する端部をカールもしくは鍔に形成したので、遮光部材を使用者の口に密着させても密着の跡や密着による痛みを軽減することができる。
【0023】
第5に、口の外側に密着する端部を円形もしくは扁平形状としてので、顔や口のサイズに関係なく端部を密着することができる。
【0024】
第6に、使用者の口内に臨ませる場合、扁平形状の開口器を兼用したので開口機能を向上させることが可能となり、照射によりホワイトニングする歯の領域を拡張・特定化ができる。
【0025】
第7に、歯のホワイトニングに於いて、洗浄用の基材を塗布し照射する際に、基材が37℃〜45℃程度の温度だとホワイトニング効率が良くなる。従ってこの遮光部材を使用することで照射熱の放射を低減し、ホワイトニング効果を向上できる。
【0026】
第8に、照射器の照射口と使用者が開口した状態の間に仕切り板を造ることで、衛生面を考慮した部材とすることができる。
【0027】
第9に、使用者はサングラスを使用しないいので、メガネの付け外しや光が照射箇所にあたっているかの確認を行う必要がなく、使用者の利便性向上が図れる。
【0028】
第10に、遮光部材は、筒の外周に保温性のある樹脂などを巻くことで筒内部の保温効率を更に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、
図1〜
図14を参照し、この実施態様を通じて本発明を詳説する。
【0031】
遮光部材1は
図1で示したように筒状とし、使用にあたっては、この一端部2をホワイトニング照射器3の照射口4に着脱自在に装着し、他端部5を使用者Aの口Bの外周部に密着してホワイトニング照射器3の照射光が外部に漏れないようにして使用する。
【0032】
遮光部材1は材質を紙とした場合の遮光の手段としては、反射効率は考慮せずに黒色の紙で筒を作る。また、内側を白色、外側を黒色した2枚の紙の貼り合せとする。また、白色の紙で筒を造り外側を遮光塗装する。もしくは、片面に金属箔などを貼って鏡面を形成した紙で内部に鏡面がくるようにして筒を作る等としても良い。
【0033】
上記、遮光部材をプラスチックとする場合は、反射効率は考慮せずに黒色で成形する。また、白色で成形して外側を遮光塗装する。もしくは、筒の内部に金属箔を蒸着して鏡面にする等としても良い。
【0034】
図2は、ホワイトニング照射器3を示し、LED等を光源とする照射口4を備えた本体6と、本体6の高さや角度を可変固定できるアーム7とで構成している。
【0035】
上記の遮光部材1は、
図3と
図4で示したように遮光部材1の一方の端部5を使用者Aの口Bの外周に密着させて使用する。また、
図5と
図6で示したように、遮光部材の一方の端部5を使用者Aの口内に臨ませて使用する。
【0036】
遮光部材1の上記の端部5は、
図8で示したように顔や口内の歯茎等と密着して光が漏れないように凹形状8としている。この端部5は
図7及び
図8で示したようにカール9もしくは
図12で示したように鍔10を形成して、顔や口内への装着にあたっても痛くないようにしている。
【0037】
この遮光部材1は
図9で示したように、一端部5を口内に入れてこの開口部11で従来の開口器が兼用できるようにしている。即ち、開口部11をホワイトニングする歯の上下の本数分をカバーできる大きさとした扁平な楕円形状としている。
【0038】
図10と
図11は遮光部材1の内部を透明な仕切り板12で仕切って、使用者の唾等の飛散物が照射口4に付着しないようにしたものを例示している。即ち、遮光部材1を内筒13と外筒14の嵌合で構成し、この嵌合箇所に透明なフィルム15を被せて接着等の手段で一体化している。
【0039】
図12と
図13は透明仕切り板12の形成例を示し、
図12は遮光部材1の内部に段部16を設けて、段部16に透明仕切り板12を掛止して接着等の手段で固定している。
【0040】
図13は遮光部材1を透明なコップ状部材17と遮光加工した筒状部材18の接合で形成したものを示している。透明コップ状部材17の全体が口内に配置されることで遮光される。
【0041】
図14は遮光部材1の外周に樹脂19を巻いたものを示している。
【符号の説明】
【0042】
1・・・遮光部材
2・・・端部
3・・・ホワイトニング照射器
4・・・照射口
5・・・端部
6・・・本体
7・・・アーム
8・・・凹形状
9・・・カール
10・・・鍔
11・・・開口部
12・・・透明仕切り板
13・・・内筒
14・・・外筒
15・・・透明フィルム
16・・・段部
17・・・透明のコップ状部材
18・・・筒状部材
19・・・樹脂
A・・・使用者
B・・・口
C・・・歯茎
D・・・歯