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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221192(P2016-221192A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】耳用マスク
(51)【国際特許分類】
   A61F 11/14 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   A61F11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】書面
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-119757(P2015-119757)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】515162017
【氏名又は名称】小林 弘和
(71)【出願人】
【識別番号】515162028
【氏名又は名称】小林 百合子
(72)【発明者】
【氏名】小林 百合子
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘和
(57)【要約】
【課題】通気性を損なうことなく花粉等の微粒子を防ぐ、耳に装着するマスクを提供する。
【解決手段】耳のサイズに合わせた袋または袋状物1に耳を入れる口2を設け、フィルター部3を有し、口2に隙間を防止する弾性体6を有する、不織布4シートで形成した耳に被せるマスク。または耳孔のサイズに合わせて形成したフィルター部3と取り出し用のつまみ15と切れ込み18からなる、不織布4シートで形成した耳孔に装着するマスクであることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター部を有して、耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物であることを特徴とする、耳に被せるマスク。
【請求項2】
耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物で、不織布で形成することを特徴とする、請求項1に記載の耳に被せるマスク。
【請求項3】
耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物で、フィルター機能を持つ材料で形成することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の耳に被せるマスク。
【請求項4】
耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物で、口または袋部に弾性体または弾性部を設けることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の耳に被せるマスク。
【請求項5】
耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物で、積層であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の耳に被せるマスク。
【請求項6】
耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物で、着用面側の一部または全部に粘着部を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の耳に被せるマスク。
【請求項7】
耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物で、口または袋部に隙間を防ぐワイヤー部または耳掛け用のフレームを設けることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の耳に被せるマスク。
【請求項8】
耳を入れる口を有する、耳のサイズに合わせた袋または袋状物で、袋または袋状物に襞またはたわみを有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の耳に被せるマスク。
【請求項9】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とする、耳孔に装着するマスク。
【請求項10】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、取り出し用の、つまみまたは紐等の突出部または形状を有することを特徴とする、請求項9に記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項11】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、不織布またはフィルター機能を持つ材料で形成することを特徴とする、請求項9または10のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項12】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、積層であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項13】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、積層部のサイズを変えることを特徴とする、請求項9〜請求項12のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項14】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、襞または波状形またはたわみを有することを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項15】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、粘着部を有することを特徴とする、請求項9〜14のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項16】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、耳掛け用のフレームを設けることを特徴とする、請求項9〜15のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項17】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、切れ目または切れ込みを有することを特徴とする、請求項9〜16のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項18】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、フィルター部と取り出し用の突出部またはつまみが単一のシート材から一体的に成形されていることを特徴とする、請求項9〜17のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【請求項19】
耳孔のサイズに合わせたフィルター部により形成される、耳に入れて使用することを特徴とするマスクで、平面状に形成されていることを特徴とする、請求項9〜18のいずれかに記載の耳孔に装着するマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耳に装着するマスクに係り、特に耳に装着するマスク及びに耳孔に装着するマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、花粉やウイルス、アレルゲン物質等の微粒子が耳内に直接侵入することを防止するための1回使用ないし数回使用を目的とした使い捨てタイプまたは繰り返し使用可能なタイプの耳用のマスクは無かった。
また、その目的を果たすために従来は、耳栓、ディスポーザーキャップ等の衛生帽子、保温用のイヤーパッド、耳あて等で代用されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、耳内に微粒子等が直接侵入することを防止するために使用されていた代用品にはそれぞれ次のような欠点があった。
耳栓は、花粉、ホコリ等の耳内への侵入を防ぐことはできたが、周囲の音が聞こえなくなり、外出時や車の運転時に安全面で問題があった。
ディスポーザーキャップ等の衛生帽子は、耳まで覆うことができるが日常生活においては帽子は不要であり外出時には外見上やファッション面で問題があった。
保温用の耳に着用するイヤーパッドは、保温が目的であり、素材が厚く通気性が悪く、周囲の音が聞き取りにくくなることによる外出時や車運転時の安全面での問題は耳栓と同様だった。
そして花粉が一番多く飛来する春夏等の気温が高い季節には着用が困難であった。また着用しても耳に熱と湿度がこもり耳内の細菌を増殖させる原因になっていた。
いずれも、花粉やウイルスが耳内に侵入することを防ぐ目的で作られた製品ではなかった。
耳から侵入した花粉、ウイルス等の微粒子が目や鼻に入り込むことを防止するための代用品ではない製品の創案が望ましかった。
本発明はこのような点に鑑みて創案されたものであり、耳内に直接花粉、アレルゲン物質、ウイルス等の微粒子が侵入することを防止または軽減するのに有効な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を達成するため、各請求項に記載の発明が構成される。
【0005】
本発明の耳に装着するマスクは、1回の使用ないし数回使用を目的とした使い捨てのタイプのマスクであってもよいし、洗濯等を行うことによって繰り返し使用可能なタイプの耳に装着するマスクであってもよい。
【0006】
耳に被せるマスクについて説明をする。
【0007】
一つの発明は、耳のサイズに合わせて形成した袋または袋状物に、耳を入れる口や切れ目を設け、空気中の花粉やホコリ、ウイルス、細菌、PM2.5等の微粒子や物質が耳内に直接侵入することを防ぐための、ろ過、捕集、ブロック等を目的とするフィルター部またはフィルター素材を有している。耳に被せるマスクである。
【0008】
耳に被せるマスク本体部である袋または袋状物の全部または一部を、フィルター層を形成する通気性と遮断性(捕集性)がよい不織布またはフィルター素材または、両方のシートで形成することを典型的な構成とする。
【0009】
本発明の更なる形態においては、耳を入れる口周囲の一部または全部にゴム等の弾性体や弾性部または伸縮性のよい素材、伸縮部を設けることにより、耳にフィットさせて隙間を防止する構造になっている。
【0010】
本発明の更なる形態においては、不織布またはフィルター素材、または両方のシートを数枚重ね合わせて袋または袋状物を形成し、積層で構成されている。
【0011】
本発明の更なる形態においては、耳への着用時に耳の前側付け根に接する口の部分に、低アレルゲンの糊、粘着剤、粘着テープ等の粘着部を設けている。
これにより、耳の付け根付近にできる隙間の発生を防止して微粒子の侵入を防ぐ効果を高めている。
【0012】
本発明の更なる形態においては、口または袋部に耳掛け用のフレームまたは口を閉じて隙間を防止するためのフレームを設けている。
隙間防止用のフレームでは、口の一部または全部に耳の形状に合わせるための、変形と形状固定が可能な素材またはフレームを設けている。
【0013】
本発明の更なる形態においては、袋または袋状物に襞または、たわみを有している。これにより、一定の空間を確保している。
【0014】
耳孔に装着するマスクについて説明する。
【0015】
本発明に係る耳孔に装着するマスクは、耳孔のサイズまたは形状に合わせて形成されたフィルター部を有することを特徴とする耳に入れて使用する耳孔装着型マスクである。
【0016】
耳孔に装着するマスクにおいては、耳孔に挿入されるフィルター部と、取り出し用のつまみ、または紐、または形状等で形成される突出部から構成されている。
突出部に限らず、切れ込みや本体と一体的な棒状等の長い形状等を取り出し用のつまみとすることも可能である。
フィルター部の形状は下記記載のいずれの場合も、立体的または平面的に形成することができる。
【0017】
耳孔に装着するマスクにおいては、フィルター部を不織布またはフィルター機能を持つ材料で形成している。
フィルター部のシート材は、上記耳に被せるマスクと同様の素材が好適である。
【0018】
耳孔に装着するマスクの更なる形態においては、フィルター部が積層により形成されている。
複数枚の不織布またはフィルター素材、またはその両方を重ねたシートの中央部を接合している。
耳孔の奥に挿入する側から順に、小、中、大のサイズにしたシートを重ねることによる積層の構造で隙間の発生を防止し、微粒子の捕集効果を高めている。
【0019】
耳孔に装着するマスクの更なる形態においては、フィルター部に襞または波状形またはたわみを有している。
これにより、挿入時には、この形状自体がフィルターの役割をすると同時に隙間を防止している。
【0020】
耳孔に装着するマスクの更なる形態においては、本体部の耳に接する一部または全部に低アレルゲン等の粘着部を有している。
これにより、隙間の発生を防止している。
【0021】
耳孔に装着するマスクの更なる形態においては、本体部に耳に掛けるフレームを有している。
これにより、本体の脱落を防止している。
【0022】
耳孔に装着するマスクの更なる形態においては、フィルター部に切れ目または切れ込みを有する形状で形成している。
これにより、耳孔挿入時に発生するシート材のたわみによる隙間の発生を防止している。
【0023】
耳孔に装着するマスクの更なる形態においては、フィルター部とつまみ部を単一のシート材から一体的に成形していることにより製造が容易になっている。
【0024】
耳孔に装着するマスクの更なる形態においては、フィルター部とつまみ部が平面状に形成されている。
この形状の特徴から非着用時には平面的に収納され、着用時に耳孔に挿入することで形状が立体的に展開する。
【0025】
耳に被せるマスク、耳孔に装着するマスクともに、記載される構成と形成の、一部または全部を組み合わせることにより。その効果及びに機能を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る耳に装着するマスクにより、音の伝わりや通気性を損なわずに、花粉やウイルス等の微粒子が耳内に直接侵入することを防ぐことができる。
従来使用されていた代用物を使用する際に生じていた通気性、遮断性、捕集性等の機能と、音の聞き取りやすさの安全面、外見面等において両立が困難であった着用時の問題を解決することができる。
通気性をよくして着用による蒸れを防止すると同時に、耳から直接侵入する花粉等のアレルゲン物質、ウイルス、細菌、PM2.5、等の侵入を軽減または防止することができる。
それらの機能により耳内の痒みや花粉アレルギー、かぶれの発生を予防する。
また、花粉等を原因とする耳内のかぶれや痒みで耳の中を過剰に掃除することによる細菌の付着や外耳炎を予防することに一定の役割を果たすことができる。
耳から侵入した微粒子が目や鼻に入り込むことにより起きると考えられる目や鼻の症状を一定程度軽減する効果も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明にかかる耳に被せるマスクの着用面側から見た斜視図である。
図2】一実施の形態の耳に被せるマスクの着用面側から見た斜視図である。
図3図2の構造の一部変更例を示す、着用面側から見た斜視図である。
図4図2の構造の一部変更例を示す、着用面側から見た斜視図である。
図5図2の構造の一部変更例を示す、着用面側から見た斜視図である。
図6図2図4の構造の一部変更例を示す、着用面側から見た斜視図である。
図7図2の構造の変更例を示す、側面側から見た断面図である。
図8図7の着用面側から見た平面図である。
図9図2の構造の変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図10図2の構造の変更例を示す、側面側から見た一部断面図である。
図11図10の構造の一部変更例を示す、側面側から見た一部断面図である。
図12図7の構造の一部変更例を示す、側面側から見た断面図である。
図13図2の構造の一部変更例を示す、着用面側から見た斜視図である。
図14図2の構造の一部変更例を示す、着用面側から見た斜視図である。
図15図2の構造の一部変更例を示す、側面側から見た一部断面図である。
図16図2の構造の変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図17図1の構造の変更例を示す着用面側から見た斜視図である。
図18】本発明にかかる耳に被せるマスクが着用されたときの状態を表す模式図。
図19】本発明にかかる耳孔装着型マスクの非着用面側から見た斜視図である。
図20図19の構造の変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図21図20の構造の変更例を示す、非着用面側から見た分解斜視図である。
図22図21の構造の一部変更例を示す、側面側から見た断面図である。
図23図21の構造の一部変更例を示す、非着用面から見た分解斜視図である。
図24図19の構造の変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図25図19の構造の一部変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図26図19の構造の変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図27図19の構造の変更例を示す、非着用面側から見た平面図である。
図28図19の構造の変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図29図27の形状の変更例を示す、非着用面側から見た斜視図である。
図30】本発明にかかる耳孔装着型マスクが着用されたときの状態を表す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の耳用マスクの実施の形態について、図1から図30を参照して説明する。
【0029】
本発明の耳用マスクは、1回〜数回の使用を想定した使い捨て耳用マスクとして構成されている。また、本実施の形態の耳用マスクは耳に直接侵入する花粉対策、風邪等のウイルスや細菌対策、PM2.5等の微粒子対策、それらが耳に入ることによる耳の痒み、アレルギー反応やかぶれ、外耳炎予防等の耳孔内の環境改善等の種々の用途に使用可能である。
【0030】
本発明の実施の一形態である耳に被せるマスクについて、図1から図18を参照して説明する。
【0031】
図1は、耳に被せるマスクの非着用状態を着用面側から見た図である。
耳のサイズ、形状に合わせて形成された袋または袋状物1に、耳を入れる口2や切れ目を設け袋状物1にフィルター部3を有している。
フィルター部3は空気中の花粉等のアレルゲン物質、ウイルス、細菌、PM2.5等の微粒子が耳内に直接侵入することを防止する、通気性、捕集性、遮断性のよい素材やシート等で形成されている。
このフィルター部3は、袋状物1の一部であってもよいし、全部であってもよく種々のフィルター用のシート材やその他フィルター機能を有する材料を使用して形成することができる。
口2の位置や形状は耳の形やサイズに合わせて形成し、耳の外周部も入れやすい形状に適宜変更することができ、袋状物1の正面または側面的な位置等のどの位置に配置してもよい。
袋状物1の形状もまた耳の形やサイズに合わせて適宜変更することができる。
これが、耳に被せるマスクの基本的な構成である。
【0032】
図2は、袋状物1の材料を不織布4で形成した耳に被せるマスクを着用面側から見た図である。
通気性と捕集性(遮断性)がよい不織布4のシートで、袋状物1を形成している。
材料は不織布4以外にもフィルター素材5等の、フィルター機能を有するシート材で形成することができる。
図は一枚で袋状物1が形成されており、360度にフィルター部3が形成されている。
複数枚を使用して袋状物1を形成することもできる。
本体の材料には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ナイロン、レーヨン、綿ガーゼ、等の不織布4または織布を用いて形成する。
フィルター部3には、帯電機能、静電気系フィルター、活性炭等の多孔質を有する素材、酸化チタン等の光触媒機能を有する素材、銀系の抗菌材、抗ウイルス加工、N95規格のフィルター、PM2.5をろ過するフィルム、活性炭素繊維、等を有するフィルター材やシート材を用いることができる。
【0033】
図3は、耳を入れる口2を直線の切れ込み形にした耳に被せるマスクを着用面側から見た図である。
切れ込みの形状は直線、曲線、小さい穴、等の単体またはそれらを組み合わせた形状等で形成する。
【0034】
図4図5は、口2の部分に弾性体6または弾性部7を設けた耳に被せるマスクを着用面から見た図である。
耳を入れる口2の周囲にゴム等の弾性体6や弾性部7または伸縮性の高い素材、伸縮部を設けることにより耳にフィットさせて隙間を防止する構造になっている。
口2部に使用する弾性体6や弾性部7の素材はポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、ポリイソプレン、ポリオレフィン等が好適である。
作りとしては、不織布やフィルター素材で形成した袋の口を筒状にし、そこにゴム紐を通してギャザーにする方法、口に糸のループを作りそこにゴム紐を通す方法、口の周辺部に弾性体を編み込んだ弾性部7を設ける方法、伸縮性を有する素材を使用する方法、ディスポーザーキャップやオムツ等で使用されている方法等、種々の方法や組み合わせを用いて形成することができる。
形態としては、未使用時には棒状に折りたたんだ形状で、使用時に広げて使用する方法等が可能である。
【0035】
図6は、袋状物1に弾性体6を設けて折り返し部26をつけた耳に被せるマスクを着用面から見た図である。
袋状物1の本体部を耳に被せた後、弾性体6を折り返し部26に巻いて使用することができる。
【0036】
図7図8は袋状物1を別の構造にした耳に被せるマスクの断面図と着用面側から見た平面図である。
袋状物1を一枚のシートで形成する以外にもこのような方法がある。
楕円形等の耳の形状とサイズに合わせた2枚のシートを重ねて、外周等の辺を接合して形成した封筒状の袋または袋状物1の着用側に口2を設けている。
一例として、シート材は非着用面にポリエステルの不織布、着用面にポリオレフィンの組み合わせ等がある。
その他、一枚のシートで封筒形にするための展開図形を作成し、それを封筒状の袋状物にする等の方法を用いることができる。
【0037】
図9は袋状物1が、耳の付け根から外周部に向かって広がる形状を持つ耳に被せるマスクを非着用面側から見た図である。
これにより、耳の空間が保たれている。
口2の位置を耳の付け根の位置や形状に合わせる等の組み合わせと調整により隙間の防止効果と空間確保を果たす形成が可能である。
【0038】
図10図11図12は、袋状物1の不織布4やフィルター素材5を積層にした耳に被せるマスクの断面図である。
不織布4、フィルター素材5またはその両方のシートを数枚重ね合わせて袋または袋状物1を形成した積層の構造を有している。
これにより通気性を保ちながらもフィルター部3の捕集性や遮断性の効果を更に高めている。
好適には、不織布4シートが、非着用面の外側層、フィルターの中間層、着用面の内側層、の3層に積層された積層シートにより形成される。
図12図7の袋状物1の形成を積層にした場合の断面図である。
袋または袋状物1の一部または全部が積層であるタイプ、分離したシートを後から袋または袋状物1本体の中に入れて使用するタイプ等が可能である。
【0039】
図13は袋状物1に粘着部8を有している耳に被せるマスクを着用面側から見た図である。
着用時に耳の付け根前部に接する口2の部分に、低アレルゲン等の糊、粘着剤、粘着テープ、通気性のよい粘着シート等の粘着部8を有している。
これにより、耳の付け根前部に発生する隙間を防止し微粒子の侵入を防ぐ効果を高めている。
【0040】
図14は、口2の周囲に耳の形状に合わせるための可変形状固定ワイヤー9を設けた耳に被せるマスクを着用面側から見た図である。
本実施の形態では、口2または袋部に耳の形状に合わせて口を閉じて隙間を防止するための可変形状固定ワイヤー9または耳掛け用フレームを有する。
この口を閉めて隙間を防止する可変形状固定ワイヤー9は、普通のマスク等で使用されているノーズフィッター部等と同様のポリエチレンや針金、ワイヤー、形状固定が可能な素材や樹脂等で形成されている。
耳掛け用のフレームを設ける場合は、普通の口鼻用マスクで使用されるノーズフィッター部と同様の材料、上記口を閉めるワイヤーと同様の材料、変形と形状固定が可能な素材や樹脂等により、耳に掛けることができる形状で形成される。
これにより耳と本体部の隙間を防止することができる。
【0041】
図15は、フィルター部3に襞またはプリーツ10を有している耳に被せるマスクの断面図である。
本実施の形態では、本体部である袋状物1に襞やプリーツ10またはたわみを有していることにより耳のサイズと袋のサイズの調整が可能であり、一定の空間を確保することができる。
【0042】
図16は、袋状物1に枠である枠フレーム11を有する耳に被せるマスクを非着用面側から見た図である。
袋状物1に枠フレーム11を設けて骨組をしっかり固定させて形状を安定させている。
枠フレーム11は、普通の口鼻用マスクに使用されているノーズフィッター部等と同様のポリエチレンやワイヤー、変形と形状固定が可能な素材や硬質の樹脂等の材料を用いて形成する。ここではポリエチレン樹脂12で枠フレームを形成している。
また、紙で形成したワイヤー、フェルト、スポンジ、またはやや硬めか硬質の材料等であってもよく、種々の材料での形成が可能である。
フィルタ−部3の形状が安定することにより、積層にした際に発生するたわみ等で通気性が損なわれることがなく、不織布4や織布等以外にも形状固定型の種々のフィルター素材やシート等が使用できるようになる。
フィルター部3は枠フレーム11により固定された面の全面や一部に設けることができる。
【0043】
図17は袋状物1本体部のフィルター部3にPM2.5ろ過フィルター部13を設けた耳に被せるマスクの非着用面側から見た図である。
材料としては活性炭素繊維、N95規格のフィルター素材等を用いることができる。
このように通気性は低下するが捕集性、遮断性の高い素材や形状で形成してもよい。
ここでは一例として、着用面側に伸縮素材14を使用している。
【0044】
図18は、耳に被せるマスクを着用時の模式図である。
【0045】
本発明の実施の別形態の耳孔に装着するマスクについて、図19から図30を参照して説明する。
【0046】
図19は、立体的に成形されるフィルター部3に、取り出し用つまみ15を有する耳孔に装着するマスクを非着用面側から見た図である。
通気性と捕集性のよい不織布4で立体的に成形したフィルター部3と、そこから突出したつまみ15と切れ込み18で構成されている。
これにより耳に被せるマスクとは異なり、気温の高い春夏でも更に蒸れにくく快適に着用使用することができる。フィルター部3を耳孔にのみ絞って形成された耳孔に装着するマスクである。
切れ込み18の形状や有無はフィルター部3の形状と材料の質によって適宜変更できる
つまみ15は本発明を耳内から取り出すことができれば突出部が紐や帯でもよく、種々の形状、接合法を用いることができる。
内側への切れ込みにより形成される形状や、長い楕円形やひょうたん形、棒状、等にした本体部の形と突出部が一体化している形状をつまみとしてもよい。
本体部であるフィルター部3の材料には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ナイロン、レーヨン、綿ガーゼ等の不織布または織布を用いて形成する。
フィルター素材5には、前記の耳に被せるマスクと同様の種々の素材やシート等を用いることができる。
好適には、通気性、捕集性、遮断性のよい不織布またはフィルター素材または両方を重ねたシートで形成することを典型的な構成とする。
本体部であるフィルター部3は立体的または平面状に成形される。
これが耳孔に装着するマスクの基本的な構成である。
【0047】
図20は、フィルタ−部3を平面状に成形しつまみ15を接合した耳孔に装着するマスクを非着用面側から見た図である。
平面上に成形したフィルター部3を不織布4で形成し切れ込み18を有し、つまみ15を接合部24で接合している。
平面的に成形することで、耳孔への挿入時に立体的に展開される形状となっている。
これにより、収納時のスペースに厚み幅をとらずに持ち運びができる。
切れ込み18が耳孔挿入時に広がり、たわみによる隙間の発生を防止している。
【0048】
図21は、平面状に成形されたフィルター部3を積層にした耳孔に装着するマスクを非着用面から見た分解斜視図である。
切れ込み18を有し、平面状に成形された、不織布4の外側層23、フィルター素材5の中間層22、耳孔に挿入する不織布4の内側層21の三層に積層された積層シートにより形成される。
外側層23、中間層22、内側層21、の順に大、中、小、の大きさで形成されている。
これは中央部のみを接合した場合において、耳内挿入時に耳孔内で発生するたわみや隙間を外側部が覆う役割を持っている。
外側層、中間層、内側層、のサイズだけではなく、形状、サイズの順番、材料、網目、シート材の柔軟度、内側層の中央部分に切れ込みを入れる、切れ込みの深さ、切れ込みの配置を互い違いにする等を組み合わせることで、隙間の発生を防ぐ効果を高めることができる。
接合部は中央部でなくともよく、辺部や全面をどのように接合または成形してもよい。
中央部で接合する場合には、シート間を密着させて接合する場合と、3層を約2〜3ミリ程度ずつ間隔をあけて接合すること等が可能である。
立体的構造でも平面状構造でも積層にすることができる。
つまみ15の位置は外側、中間、内側のいずれでもよい。
【0049】
図22は、図21の積層タイプで各層のサイズを変更しない場合の耳孔に装着するマスクの断面図である。
外側層に不織布4、中間層にフィルター素材5、内側層に不織布4を有して取り出し部であるつまみ15は外側層の端部に突出部を設け一体的に成形されている。
【0050】
図23は、図21の切れ込み18の形状を花弁形にした耳孔に装着するマスクの分解斜視図である。
花弁形にし、切れ込み18も深いことで直線の切れ込みよりも耳孔挿入時に発生する内側層のたわみに押し出されにくくなっている。
花弁形は、一体的な成形でも後から接合された物でもよい。
【0051】
図24は立体的に構成されフィルター部3が花弁形になっており、波状形部16と折り返し部26を有する耳孔に装着するマスクの非着用面側から見た図である。
ツツジや椿の花弁を裏返しにしたようなタイプの形状であり、波状形部16や最初からたわみや襞を有していることにより隙間の発生を防ぐ形状の1形態である。切れ込みをいれてもよい。
これは比較的柔軟性の高い不織布4やフィルター素材5で形成する。
【0052】
図25は、回転放物面を有する立体的な構造のフィルター部3の本体に取り出し用の紐部17と切れ込み18を設け、耳と接する面側に粘着部8を有する、耳孔に装着するマスクの非着用面側から見た図である。
低アレルゲン等の粘着部を有することで、アレルギー症状に配慮しながら耳と本体部の隙間を防止している。
【0053】
図26は、フィルター部3本体に耳掛けフレーム部27を有した耳孔に装着するマスクを非着用面側から見た図である。
立体的または平面的な構造のフィルター部3に、耳の形状に合わせた耳掛けフレーム部27を有し、耳と本体を固定する。
耳との立体的な調整はアーム部25を曲げて行う。
この耳掛けフレーム27は固定式でも脱着式でもよく、脱着式の場合は端部に本体部の立体的形状部分を挟み込んで装着するための切れ目を入れた輪やリング状またはその他の形状や構造を有する。
固着式の場合には、普通の口鼻用マスクのノーズフィッター部等で使用される材料や紙、樹脂等で耳掛けフレーム形状を形成し本体部と接合する。
ポリエチレンン等の不織布で一体的に成形してもよい。
材料はいかなる材料を使用してもよい。
別の例としては、弾性体6等のリング状のゴム紐をフィルター部本体に設けて、本体部であるフィルター部3の落下を防止する等の方法が可能である。
【0054】
図27は、本体部であるフィルター部3とつまみ15を、単一のシート材から一体的に成形した、耳孔に装着するマスクを正面から見た図である。
平面状に成形され切れ込み18を有している。
フィルター部3とつまみ15を、単一のシート材から一体的に平面状に成形していることで製造が容易であると同時に、持ち運び時に厚みが無く、財布のカードケースや、手帳、手帳型スマートフォンケースのカード入れ、胸ポケット等に入れて持ち運ぶことが可能である。
未使用時には平面状に収納され、使用時に耳孔内で立体的に展開される。
一例として、本体部に山折り線、谷折り線等をつけて立体的展開を容易にする形状で成形すること等が可能である。
材料は不織布4やフィルター素材5等のシートで成形され、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ナイロン、レーヨン、等の不織布または織布や材料等で形成される。
前記の別例のようにシート材を積層にした構成でも形成できる。
切れ込み18や取り出しつまみ15の配置や形状等も種々の方法を用いることができる。
【0055】
図28は、本体部であるフィルター部3に襞やたわみ、波状形部16を有する立体的な構造で形成され、取り出し紐部17を有する耳孔に装着するマスクを非着用面側から見た図である。
泡立てネットで使用される形状と同様の形状である。
製造方法としては、数枚のシートまたは波状形を有する袋やネット状にした不織布4を蛇腹折りにする、不定形に折り曲げる等にして束ねた物を紐部17で結び、それを広げて襞や波状形部16を形成する等、泡立てネットを作成する際に使用される種々の製造方法がある。
またティッシュペーパーのシートを使用して薔薇等の造花を作成する際に用いられる製造方法や形状でもよい。
泡立てネット、ティッシュペーパーまたは普通の造花作成の際に用いられる種々の製造方法、形状、構成が可能である。
【0056】
図29は、フィルター部3本体部と切れ込み18を花形及びに花弁形に成形した耳孔に装着するマスクを非着用面から見た図である。
桜やコスモス、ガーベラ等の種々の花の形にすることで、アクセサリー性を高めることができる。
切れ込み18の付け根部分を曲線にする花形でもよい。
着色して実際の花に近い形状と色にすることができる。デザインの一例である。
【0057】
脱脂綿や不織布またはフィルター素材等を円柱形等の棒状にして弾性を持たせた耳栓形の耳孔に装着するマスクとしてもよい。
この場合もサイズは耳孔に合わせたサイズで成形される。
【0058】
図30は、耳孔に装着するマスクを着用時の模式図である。
【0059】
普通の口鼻用マスクに本発明の耳に被せるマスク、耳孔に装着するマスクを有する構成も可能である。
【0060】
ヘッドフォン型の頭部装着アームや保温用耳あてのフレームに本発明の、耳に被せるマスク、耳孔に装着するマスクを設けた構成も可能である。
ヘッドフォン型においては、不織布等で形成するフィルター部を耳あて部またはイヤーパッド部に有しており、頭に装着するアーム部の両端に取り付けられている。
ヘッドフォンアームと耳あて部またはイヤーパッド部は、固定式または着脱式等で構成される。
【0061】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
【0062】
耳に被せるマスクに係る形成には以下の構成を用いることができる。
本体部、フィルター部、口部、袋部、材料、弾性部、積層部、粘着部、フレーム部、襞部としては種々の構成の本体部、フィルター部、口部、袋部、材料、弾性部、積層部、粘着部、フレーム部、襞部を用いることができる。
本体部、フィルター部、口部、袋部、材料、弾性部、積層部、粘着部、フレーム部、襞部は種々の材料を用いて、また種々の方法や組み合わせを用いて形成することができる。
さらに、本体部、フィルター部、口部、袋部、材料、弾性部、積層部、粘着部、フレーム部、襞部を接合する方法としては、種々の接合方法を用いることができる。
本体部のフィルター部、口部、袋部、材料、弾性部、積層部、粘着部、フレーム部、襞部の形状等は、適宜変更可能である。
フィルター部、口部、袋部、材料、弾性部、積層部、粘着部、フレーム部、襞部、の配置位置等、組み合わせは、適宜変更可能である。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
【0063】
耳孔に装着するマスクに係る形成等には以下の構成を用いることができる。
本体部、フィルター部、材料、つまみ部、紐部、切れ込み部、積層部、粘着部、フレーム部、一体的な成形部、立体的成形部、平面状成形部としては種々の構成の本体部、フィルター部、材料、つまみ部、紐部、切れ込み部、積層部、粘着部、フレーム部、一体的な成形部、立体的成形部、平面状成形部を用いることができる。
本体部、フィルター部、材料、つまみ部、紐部、切れ込み部、積層部、粘着部、フレーム部、一体的な成形部、立体的成形部、平面状成形部は種々の材料を用いて、また種々の方法や組み合わせを用いて形成することができる。
さらに、本体部、フィルター部、材料、つまみ部、紐部、切れ込み部、積層部、粘着部、フレーム部、一体的な成形部、立体的成形部、平面状成形部の成形部を接合する方法としては、種々の接合方法を用いることができる。
本体部、フィルター部、材料、つまみ部、紐部、切れ込み部、積層部、粘着部、フレーム部、一体的な成形部、立体的成形部、平面状成形部の形状等は、適宜変更可能である。
フィルター部、材料、つまみ部、紐部、切れ込み部、積層部、粘着部、フレーム部、一体的な成形部、立体的成形部、平面状成形部の配置位置等、組み合わせは、適宜変更可能である。
耳孔に装着するマスク本体部のフィルター部は、平面的な構造であってもよいし、立体的な構造であってもよい。
図は一例としての、立体構造フィルター部19と平面構造フィルター部20である。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・・・袋状物
2・・・・・口
3・・・・・フィルター部
4・・・・・不織布
5・・・・・フィルター素材
6・・・・・弾性体
7・・・・・弾性部
8・・・・・粘着部
9・・・・・可変形状固定ワイヤー
10・・・・・プリーツ
11・・・・・枠フレーム
12・・・・・ポリエチレン樹脂
13・・・・・PM2.5濾過フィルター部
14・・・・・伸縮素材
15・・・・・つまみ
16・・・・・波状形部
17・・・・・紐部
18・・・・・切れ込み
19・・・・・立体構造フィルター部
20・・・・・平面構造フィルター部
21・・・・・内側層
22・・・・・中間層
23・・・・・外側層
24・・・・・接合部
25・・・・・アーム部
26・・・・・折り返し部
27・・・・・耳掛けフレーム部
100・・・・・耳に被せるマスク本体
101・・・・・耳孔に装着するマスク本体
図1
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