【課題】直線状ではなく途中屈曲するような遊技機島の様々な形状に対応して補給樋を施工することができ、大幅なコスト低減を実現することができる遊技機島の樋接続構造を提供する。
【解決手段】上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bは、それぞれ対応する補給樋20の端部に連なり遊技球が流下する遊技球流下部31と、該遊技球流下部31よりその中心線と交差する方向に折曲可能に延出した角度調整部34と、を有し、上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bは、それぞれ角度調整部34が遊技球流下部31に対して所定角度で折曲した状態で補給樋20の端部同士を互いに連結する。
複数の遊技機を直線状ではなく途中屈曲した方向に並べて構築される遊技機島において、該遊技機島内に設置され各遊技機に沿って長手方向に遊技球を流下させる搬送樋の端部同士をつなぐ樋接続構造であって、
各遊技機が所定角度で屈曲して並ぶ屈曲部位に合わせて、前後に並ぶ直線状の搬送樋の端部がそれぞれ配置され、該搬送樋の端部同士を互いに前記所定角度に合わせて屈曲させた状態で連結する接続部材を有し、
前記接続部材は、上流側の搬送樋に対応した上流側接続部材と、下流側の搬送樋に対応した下流側接続部材と、から成り、
前記上流側接続部材と前記下流側接続部材は、それぞれ対応する搬送樋の端部に連なり遊技球が流下する遊技球流下部と、該遊技球流下部よりその中心線と交差する方向に折曲可能に延出した角度調整部と、を有し、
前記上流側接続部材と前記下流側接続部材は、それぞれ前記角度調整部が前記遊技球流下部に対して前記所定角度で折曲した状態で前記搬送樋の端部同士を互いに連結し、
前記上流側接続部材と前記下流側接続部材のうち、何れか一方は、前記角度調整部が前記遊技球流下部に対して前記所定角度で折曲し、前記遊技球流下部が対応する一方の搬送樋に対して互いの中心線が前記所定角度で交わる状態で各搬送樋の端部間に接続され、
何れか他方は、前記遊技球流下部が前記一方の遊技球流下部および対応する他方の搬送樋と中心線が一致し、前記角度調整部が前記一方の搬送樋に対して前記所定角度で折曲した状態で各搬送樋の端部間に接続され、
前記搬送樋は、長手方向に延びる底面壁の両側縁に沿って対向する側壁を立設して成り、
前記遊技球流下部は、前記搬送樋の底面壁に重なり合う矩形板状の底面壁の一側縁に沿って側壁を立設して成り、
前記角度調整部は、前記遊技球流下部の側壁の先端より、そのまま長手方向に延出して折曲可能な側壁の延長部分として形成され、
前記上流側の搬送樋、前記上流側接続部材並びに前記下流側接続部材、前記下流側の搬送樋の順で、それぞれの側壁が外側へ重なり合う状態に接続され、下流に向かって幅方向に広がる段差が設けられたことを特徴とする樋接続構造。
前記上流側の搬送樋の一側壁の外面側に対して前記上流側接続部材の角度調整部は、所定角度で内側に折曲した状態で接続されると共に、前記上流側の搬送樋の他側壁の外面側に対して前記下流側接続部材の角度調整部は、所定角度で外側に折曲した状態で接続され、
前記下流側の搬送樋の一側壁の内面側に対して前記上流側接続部材の遊技球流下部の側壁は、直線状に重なる状態で接続されると共に、前記下流側の搬送樋の他側壁の内面側に対して前記下流側接続部材の遊技球流下部の側壁は、直線状に重なる状態で接続されることを特徴とする請求項1に記載の樋接続構造。
前記上流側の搬送樋、前記上流側接続部材の遊技球流下部、前記下流側接続部材の遊技球流下部、前記下流側の搬送樋の順で、それぞれの底面壁が上から重なり合う状態に接続され、下流に向かって低くなる段差が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の樋接続構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1に開示された従来の技術では、非直線状の遊技機島の形状に合わせて予め屈曲された補給樋が用意されていたが、遊技場内における設置スペースの広さや具体的なレイアウトの違いに応じて、補給樋の屈曲した部位の具体的な形状も当然異なる。そのため、遊技場毎あるいは遊技機島毎に個別に異なる角度(曲率)に予め屈曲させた専用の補給樋をその都度製作しなくてはならなくなり、コストが高くなるという問題があった。
【0007】
また、非直線状の遊技機島の施工時において、予め一体に設けられている補給樋の角度(曲率)は設計ないし施工時の誤差に応じてもはや調整することはできず、さらに、補給樋を延ばす方向や補給樋の底面の水平角度を微調整することもできないという問題があった。しかも、このような水平角度の調整ができないことから、前述した屈曲した部分の樋の底面における緩傾斜の精度出しにも厳密さが求められる結果となり、なおさらコストが高くなる要因となっていた。
【0008】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、直線状の搬送樋の端部同士を任意の角度に屈曲させた状態に連結することを可能とし、直線状ではなく途中屈曲するような遊技機島の様々な形状に対応して補給樋を簡易に施工することができ、大幅なコスト低減を実現することができる遊技機島の樋接続構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]複数の遊技機(10)を直線状ではなく途中屈曲した方向に並べて構築される遊技機島(1)において、該遊技機島(1)内に設置され各遊技機(10)に沿って長手方向に遊技球を流下させる搬送樋(20)の端部同士をつなぐ樋接続構造であって、
各遊技機(10)が所定角度で屈曲して並ぶ屈曲部位に合わせて、前後に並ぶ直線状の搬送樋(20)の端部がそれぞれ配置され、該搬送樋(20)の端部同士を互いに前記所定角度に合わせて屈曲させた状態で連結する接続部材(30)を有し、
前記接続部材(30)は、上流側の搬送樋(20)に対応した上流側接続部材(30A)と、下流側の搬送樋(20)に対応した下流側接続部材(30B)と、から成り、
前記上流側接続部材(30A)と前記下流側接続部材(30B)は、それぞれ対応する搬送樋(20)の端部に連なり遊技球が流下する遊技球流下部(31)と、該遊技球流下部(31)よりその中心線と交差する方向に折曲可能に延出した角度調整部(34)と、を有し、
前記上流側接続部材(30A)と前記下流側接続部材(30B)は、それぞれ前記角度調整部(34)が前記遊技球流下部(31)に対して前記所定角度で折曲した状態で前記搬送樋(20)の端部同士を互いに連結し、
前記上流側接続部材(30A)と前記下流側接続部材(30B)のうち、何れか一方は、前記角度調整部(34)が前記遊技球流下部(31)に対して前記所定角度で折曲し、前記遊技球流下部(31)が対応する一方の搬送樋(20)に対して互いの中心線が前記所定角度で交わる状態で各搬送樋(20)の端部間に接続され、
何れか他方は、前記遊技球流下部(31)が前記一方の遊技球流下部(31)および対応する他方の搬送樋(20)と中心線が一致し、前記角度調整部(34)が前記一方の搬送樋(20)に対して前記所定角度で折曲した状態で各搬送樋(20)の端部間に接続され、
前記搬送樋(20)は、長手方向に延びる底面壁(21)の両側縁に沿って対向する側壁(22)を立設して成り、
前記遊技球流下部(31)は、前記搬送樋(20)の底面壁(21)に重なり合う矩形板状の底面壁(32)の一側縁に沿って側壁(33)を立設して成り、
前記角度調整部(34)は、前記遊技球流下部(31)の側壁(33)の先端より、そのまま長手方向に延出して折曲可能な側壁(33)の延長部分として形成され、
前記上流側の搬送樋(20)、前記上流側接続部材(30A)並びに前記下流側接続部材(30B)、前記下流側の搬送樋(20)の順で、それぞれの側壁(22,33,22)が外側へ重なり合う状態に接続され、下流に向かって幅方向に広がる段差が設けられたことを特徴とする樋接続構造。
【0010】
[2]前記上流側の搬送樋(20)の一側壁(22)の外面側に対して前記上流側接続部材(30A)の角度調整部(34)は、所定角度で内側に折曲した状態で接続されると共に、前記上流側の搬送樋(20)の他側壁(22)の外面側に対して前記下流側接続部材(30B)の角度調整部(34)は、所定角度で外側に折曲した状態で接続され、
前記下流側の搬送樋(20)の一側壁(22)の内面側に対して前記上流側接続部材(30A)の遊技球流下部(31)の側壁(33)は、直線状に重なる状態で接続されると共に、前記下流側の搬送樋(20)の他側壁(22)の内面側に対して前記下流側接続部材(30B)の遊技球流下部(31)の側壁(33)は、直線状に重なる状態で接続されることを特徴とする[1]に記載の樋接続構造。
【0011】
[3]前記上流側の搬送樋(20)、前記上流側接続部材(30A)の遊技球流下部(31)、前記下流側接続部材(30B)の遊技球流下部(31)、前記下流側の搬送樋(20)の順で、それぞれの底面壁(21,32)が上から重なり合う状態に接続され、下流に向かって低くなる段差が設けられたことを特徴とする[1]または[2]に記載の樋接続構造。
【0012】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]に記載の樋接続構造によれば、前後に並ぶ直線状の搬送樋(20)の端部同士を所定角度に屈曲させた状態で連結することができる。かかる屈曲した連結箇所は、遊技機島(1)における屈曲部位に合わせて配置する。接続部材(30)は、上流側の搬送樋(20)に対応した上流側接続部材(30A)と、下流側の搬送樋(20)に対応した下流側接続部材(30B)と、から成る。
【0013】
前後に並ぶ搬送樋(20)の端部同士の接続に際しては、それぞれの遊技球流下部(31)より折曲可能に延出した角度調整部(34)を所定角度で任意の方向に折曲する。このように角度調整部(34)が折曲する上流側接続部材(30A)と下流側接続部材(30B)を介して、搬送樋(20)の端部同士を互いに所定角度で屈曲して連なる状態に連結することができる。なお、角度調整部(34)の折曲やその角度調整は、遊技機島(1)の様々な形状に対応させて、施工現場でその都度容易に行うことができる。
【0014】
このような樋接続構造では、上流側接続部材(30A)と下流側接続部材(30B)のうち、何れか一方は、角度調整部(34)が遊技球流下部(31)に対して所定角度で折曲し、遊技球流下部(31)が対応する一方の搬送樋(20)に対して互いの中心線が所定角度で交わる状態で各搬送樋(20)の端部間に接続される。ここで、一方の接続部材(30A,30B)において、対応する一方の搬送樋(20)に対して遊技球の流下方向が変化することになる。
【0015】
また、上流側接続部材(30A)と下流側接続部材(30B)のうち、何れか他方は、遊技球流下部(31)が前記一方の遊技球流下部(31)および対応する他方の搬送樋(20)と中心線が一致し、角度調整部(34)が前記一方の搬送樋(20)に対して前記所定角度で折曲した状態で各搬送樋(20)の端部間に接続される。ここで、他方の接続部材(30A,30B)は、対応する他方の搬送樋(20)と遊技球の流下方向が同じ状態で、前記一方の搬送樋(20)に連通することになる。
【0016】
さらに、前記搬送樋(20)は、長手方向に延びる底面壁(21)の両側縁に沿って対向する側壁(22)を立設して成る。また、各接続部材(30A,30B)の遊技球流下部(31)は、搬送樋(20)の底面壁(21)に重なり合う矩形板状の底面壁(32)の一側縁に沿って側壁(33)を立設して成り、角度調整部(34)は、前記遊技球流下部(31)の側壁(33)の先端より、そのまま長手方向に延出して折曲可能な側壁(33)の延長部分として形成される。
【0017】
そして、前記上流側の搬送樋(20)、前記上流側接続部材(30A)並びに前記下流側接続部材(30B)、前記下流側の搬送樋(20)の順で、それぞれの側壁(22,33,22)が外側へ重なり合う状態に接続し、下流に向かって幅方向に広がる段差を設ける。
【0018】
具体的には、前記[2]に記載したように、前記接続部材(30)は、搬送樋(20)の端部に次のように接続される。すなわち、上流側の搬送樋(20)の一側壁(22)の外面側に対して上流側接続部材(30A)の角度調整部(34)は、所定角度で内側に折曲した状態で接続されると共に、上流側の搬送樋(20)の他側壁(22)の外面側に対して下流側接続部材(30B)の角度調整部(34)は、所定角度で外側に折曲した状態で接続される。
【0019】
一方、下流側の搬送樋(20)の一側壁(22)の内面側に対して上流側接続部材(30A)の遊技球流下部(31)の側壁(33)は、直線状に重なる状態で接続されると共に、下流側の搬送樋(20)の他側壁(22)の内面側に対して下流側接続部材(30B)の遊技球流下部(31)の側壁(33)は、直線状に重なる状態で接続される。これにより、簡易な構成で強固な接続が可能となる。
【0020】
前記[3]に記載の樋接続構造によれば、上流側の搬送樋(20)、上流側接続部材(30A)の遊技球流下部(31)、下流側接続部材(30B)の遊技球流下部(31)、下流側の搬送樋(20)の順で、それぞれの底面壁(21,32)が上から重なり合う状態に接続し、下流に向かって低くなる段差を設けた。これにより、搬送樋(20)の屈曲部位においても上流側から下流側に向けて遊技球を円滑に流下させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る遊技機島の樋接続構造によれば、直線状の搬送樋の端部同士を任意の角度に屈曲させた状態に連結することにより、直線状ではなく途中屈曲するような遊技機島の様々な形状に対応して補給樋を簡易に施工することができ、大幅なコスト低減を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜
図17は、本発明の第1実施の形態を示している。
本実施の形態に係る樋接続構造は、複数の遊技機10を直線状ではなく途中屈曲した方向に並べて構築される遊技機島1において、該遊技機島1内に設置される搬送樋の端部同士をつなぐためのものである。以下、搬送樋を、各遊技機10に遊技球を補給するための補給樋20とした場合について説明する。
【0024】
図1は、遊技機島1のフレーム構造をなす島枠1aの平面視における概略を示し、
図2は、同島枠1aの幅方向(奥行き方向)の断面の概略を示している。
図3は、遊技機島1の外観を示し、
図4は、遊技機島1の正面視における概略を示している。
図1に示すように、遊技機島1は、複数の遊技機10が背中合わせに2列に並ぶ状態に構築され、この2列が単なる直線状ではなく、途中2箇所で同じ方向に同じ角度で屈曲して延びている。
【0025】
図1、
図3に示すように、遊技機島1における各遊技機10間には、片側一方の遊技機10に対応してカードや紙幣の投入により遊技球を貸し出す球貸機11が並設されている。ここで遊技機10は、正面のガラス枠の内側にある遊技盤面上に遊技球であるパチンコ球を打ち出してゲームを行うパチンコ機である。なお、本実施の形態では、遊技機10を背中合わせに2列に並べて構築した遊技機島1を示したが、遊技機島は遊技機10を片側一列に並べた状態に構築しても良い。
【0026】
図3に示すように、遊技機島1において、複数の遊技機10や球貸機11の直ぐ下側には、島全長に亘って水平に延出した天板2が固設されている。天板2の下側に位置する島下段の表面には腰板3が装着され、また、各遊技機10等の上側に位置する島上段の表面には幕板4が装着されている。このような遊技機島1には、各遊技機10での遊技に用いられる遊技球を島内で循環させて繰り返し使用するための各種の設備機器が装備されている。
【0027】
遊技機島1の中央の前後列には、それぞれ遊技者が運んできた遊技球が投入されると、その数を計数して計数結果を出力する球計数機12が配設されている。
図1に示すように、前後列の球計数機12の間には、各遊技機10や球計数機12から排出された遊技球を研磨しながら揚送する研磨装置13が立設されている。ここで研磨装置13は、遊技球を揚送ベルトと研磨布との間に挟持させ揚送しながら研磨する布研磨式、あるいはペレット状の研磨材と遊技球を撹拌して揚送しながら研磨するペレット研磨式でも良い。
【0028】
図4に示すように、遊技機島1の島下段内には、各遊技機10から排出された遊技球を回収して一時貯留し前記研磨装置13に供給する下部タンク14が配設されている。下部タンク14は、島下段内にて前記研磨装置13を間にして両側に一対配設されている。各下部タンク14には、各遊技機10から排出された遊技球を回収して下部タンク14内に導くと共に、下部タンク14内の遊技球を前記研磨装置13に受け渡す回収樋15がそれぞれ接続されている。
【0029】
また、前記研磨装置13の上端側には、各遊技機10に補給する研磨済みの遊技球を一時貯留する上部タンク16が配設されている。この上部タンク16から両側の島端に向かってそれぞれ延びるように、各遊技機10に遊技球を補給する補給樋20が島上部内に架け渡されている。ここで補給樋20は、下り勾配を利用して遊技球を自然に流下させるものであり、その途中が遊技機島1の形状に合わせて屈曲されている。
【0030】
このような遊技機島1においては、各遊技機10から排出された遊技球は、回収樋15を経て下部タンク14によって回収された後、研磨装置13により研磨されながら揚送され、上部タンク16に貯留される。そして、上部タンク16内の遊技球は、補給樋20を経て再び各遊技機10に補給されるように構成されている。なお、回収樋15は、補給樋20とほぼ同様の構成であり、補給樋20と同じく途中が屈曲されているが、以下に補給樋20の構成を代表して説明する。
【0031】
図5は、直線状に並ぶ2本の補給樋20を互いに分離した状態を示し、
図6は、
図5に示した補給樋20の端部を拡大して示している。
図7は、2本の補給樋20の端部同士を、本発明の根幹をなす樋接続構造により連結した状態を示している。ここで補給樋20は、所定長に予め分割されたユニットが順次連結されて一本に延びるように構成される。
図5中では、前後に並ぶ2本のユニットを連結する例を示したが、連結するユニットの数は遊技機島1の長さに応じて適宜定めれば良い。
【0032】
補給樋20のユニットは直線状に延びるものであるが、前後に並ぶユニットの端部同士を連結する時に、樋接続構造によって任意の角度に平面視で屈曲した状態に連結することができる。また、補給樋20は、ユニットの端部同士を屈曲した状態に連結した箇所(以下「屈曲部」とする)を含めて、全長に亘り遊技球を自然に流下させるように、前記上部タンク16に連なる始端から島端まで延びる終端にかけて下方に傾斜するように支持される。
【0033】
補給樋20(のユニット)は、直線状に長手方向に延びる底面壁21の両側縁に沿って対向する側壁22を立設して成る。補給樋20の上面側はそのまま開口しているが、別途カバー等で塞いでも良い。補給樋20の両側の角隅には、長手方向に沿って各遊技機10(および球貸機11)に対応して、底面壁21上を流下する遊技球を落下させる落下口23が設けられている。この落下口23には、図示省略した配給シュートが取り付けられ、該配給シュートを介して遊技球は各遊技機10(および球貸機11)に供給される。
【0034】
図7において、前後に並ぶ補給樋20は直線状に延びる状態に連結しているが、実際には
図1に示したように、前後に並ぶ補給樋20は、各遊技機10が所定角度で屈曲して並ぶ屈曲部位に合わせて、補給樋20の端部同士が位置するように配置され、この端部同士が連結する屈曲部も同じ所定角度に屈曲されている。ここで補給樋20の屈曲部の曲がる方向としては、その平面視において2方向に大別される。
【0035】
すなわち、
図1において、前記研磨装置13を間にして左側に位置する補給樋20は、遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって、補給樋20の端部同士の中心線を境にして右側に曲がる。一方、前記研磨装置13を間にして右側に位置する補給樋20は、遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって、補給樋20の端部同士の中心線を境にして左側に曲がる。
図8は、図中左側のユニットを上流側の補給樋20とし、図中右側のユニットを下流側の補給樋20として、互いに屈曲部の曲がる方向が異なる補給樋20を上下に並べて示している。以下の説明において、前後に並ぶ2本のユニットのうち、図中左側のユニットを上流側の補給樋20とし、図中右側のユニットを下流側の補給樋20とする。
【0036】
図9、
図10は、それぞれ樋接続構造の主要部をなす接続部材30を示している。ここで接続部材30は、上流側の補給樋20に対応した上流側接続部材30Aと、下流側の補給樋20に対応した下流側接続部材30Bと、から成る。上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bは、詳しくは後述するが互いに対称形に形成されており、前記補給樋20の屈曲部の曲がる方向に応じて、それぞれ上流側と下流側とに互いに入れ代わる。なお、次述する
図11、
図12では、補給樋20の屈曲部が遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって右側に曲がる例を示すが、かかる例では、
図9に示す方が上流側接続部材30A、
図10に示す方が下流側接続部材30Bに相当する。
【0037】
図9に示すように、上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bは、それぞれ対応する補給樋20の端部に連なり遊技球が流下する遊技球流下部31と、該遊技球流下部31よりその中心線と交差する方向に折曲可能に延出した角度調整部34と、を有する。遊技球流下部31は、補給樋20の底面壁21に重なり合う矩形板状の底面壁32の一側縁に沿って側壁33を立設して成る。何れの接続部材30も、ステンレス等の金属薄板を所定の形状に裁断してから折曲して作成することができる。
【0038】
底面壁32(の中心線と直交する両側方向)の幅は、補給樋20の底面壁21の幅より若干小さく設定されている。また、側壁33の高さは、補給樋20の側壁22と同程度に設定されている。角度調整部34は、前記遊技球流下部31の側壁33の先端より、そのまま長手方向に延出して折曲可能な側壁33の延長部分として形成されている。
【0039】
角度調整部34の基端には、側壁33の先端より折曲する際の曲げ剛性を低くする上下一対の切込み34aが設けられている。なお、上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bは、遊技球流下部31に対する角度調整部34の向き、すなわち遊技球流下部31の底面壁32の両側縁のうち左右どちらに側壁33ないし角度調整部34があるかの相違により互いに対称形となっている。
【0040】
上流側接続部材30Aは、その遊技球流下部31に対して角度調整部34が所定角度で内側(中心線に寄る側)に折曲し、遊技球流下部31が上流側の補給樋20に対して互いの中心線が前記所定角度で交わる状態となる。すなわち、上流側接続部材30Aの角度調整部34は、屈曲部の外角側に位置することになり、該角度調整部34が上流側接続部材30Aに固定されるように設定されている。
【0041】
一方、下流側接続部材30Bは、その遊技球流下部31が上流側接続部材30Aの遊技球流下部31および下流側の補給樋20と中心線が一致し、角度調整部34が上流側の補給樋20に対して前記所定角度で外側(中心線から離れる側)に折曲した状態となる。すなわち、下流側接続部材30Bの角度調整部34は、屈曲部の内角側に位置することになり、該角度調整部34が上流側接続部材30Aに固定されるように設定されている。
【0042】
このように上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bは、それぞれ角度調整部34が遊技球流下部31に対して所定角度で折曲した状態で、前記補給樋20の端部同士を互いに連結するものとなる。
図9、
図10に示すように、角度調整部34には、補給樋20の端部に固定するネジを通す接続用小孔35が設けられている。また、遊技球流下部31の側壁33にも、補給樋20の端部に固定するネジを通す接続用長孔36が設けられている。
【0043】
図6、
図7に示すように、上流側の補給樋20の端部における両側壁22には、前記接続用小孔35に合致してネジ止めする被接続用長孔24が設けられている。また、下流側の補給樋20の端部における両側壁22には、前記接続用長孔36に合致してネジ止めする被接続用小孔25が設けられている。ここで被接続用長孔24や接続用長孔36は、取り付け時の位置ずれを吸収できるように長手方向に延びる長孔となっている。また、接続用小孔35に関しては、取り付け時における特に角度調整時の高さ方向の位置ずれを吸収できるように、高さ方向に延びる長孔として形成しても良い。
【0044】
図11は、遊技機島1の屈曲部位に沿った補給樋20の屈曲部が、遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって右側に曲がる状態を示し、
図12は、
図11における補給樋20の屈曲部を拡大して示している。
図11、
図12においては、それぞれ左側の補給樋20が上流側となり、右側の補給樋20が下流側となる。
【0045】
図中において固定用のネジは図示省略したが、屈曲部の外角側となる上流側の補給樋20の一側壁22に対して上流側接続部材30Aの角度調整部34は、所定角度で内側に折曲した状態で接続されると共に、屈曲部の内角側となる上流側の補給樋20の他側壁22に対して下流側接続部材30Bの角度調整部34は、所定角度で外側に折曲した状態で接続される。詳しくは後述するが施工時において、先ずは、上流側の補給樋20の一側壁22に対して上流側接続部材30Aの角度調整部34はネジ止めされると共に、上流側の補給樋20の他側壁22に対して下流側接続部材30Bの角度調整部34は仮止めされる。
【0046】
同様に、屈曲部の外角側となる下流側の補給樋20の一側壁22に対して上流側接続部材30Aの遊技球流下部31の側壁33は、直線状に重なる状態で接続されると共に、屈曲部の内角側となる下流側の補給樋20の他側壁22に対して下流側接続部材30Bの遊技球流下部31の側壁33は、直線状に重なる状態で接続される。詳しくは後述するが施工時において、先ずは、下流側の補給樋20の一側壁22に対して上流側接続部材30Aの遊技球流下部31の側壁33は仮止めされると共に、下流側の補給樋20の他側壁22に対して下流側接続部材30Bの遊技球流下部31の側壁33はネジ止めされる。
【0047】
このような屈曲部において、上流側の補給樋20の底面壁21、上流側接続部材30Aの遊技球流下部31の底面壁32、下流側接続部材30Bの遊技球流下部31の底面壁32、下流側の補給樋20の底面壁21は、この順でそれぞれ上から重なり合う状態に接続され、下流に向かって低くなる段差が設けられている。
【0048】
図13は、遊技機島1の屈曲部位に沿った補給樋20の屈曲部が、遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって左側に曲がる状態を示し、
図14は、
図13における補給樋20の屈曲部を拡大して示している。
図12、
図13においては、それぞれ左側の補給樋20が上流側となり、右側の補給樋20が下流側となる。かかる例は、前述した
図11、
図12の例と屈曲部の曲がる方向が異なり、
図9に示す方が下流側接続部材30Bに相当し、
図10に示す方が上流側接続部材30Aに相当する。
【0049】
ところで、
図1、
図2に示すように、補給樋20の屈曲部は、その前後が一対の固定部材40によって島上段内に支持されている。固定部材40は、補給樋20および接続部材30を遊技機島側に固定するためのものであり、補給樋20および接続部材30を幅方向において水平に調整する水平調整部を備えている。
図15は、固定部材40の正面を示し、
図16は、固定部材40の平面を示し、
図17は、固定部材40の側面を示している。
【0050】
図15〜
図17に示すように、固定部材40は、島上段の前後の島枠1a(
図2参照)間に架設するベース板41と、該ベース板41上にて一端側を揺動中心として他端側が角度調整可能に支持された樋載置板42とから成る。ここで樋載置板42が前記水平調整部を構成している。
図2に示すように、ベース板41の両端は、それぞれ前後の島枠1aにネジ止めされるが、島枠1aに対して固定部材40の固定位置を適宜調整できるように、島枠1aには上下並ぶ複数のネジ孔が連設されている。
【0051】
図15、
図17に示すように、樋載置板42は、そのフランジ状の上端に沿って補給樋20の途中を載置できるように両側方向に延びる板材であり、その一端側には回動中心となるネジ孔43が設けられている。このネジ孔43を通してベース板41側に固定したネジを回動中心として、樋載置板42の他端側は揺動可能に支持されている。なお、ネジ孔43は、ベース板41に対する樋載置板42の取り付け高さを調整できるように上下に2つ設けられており、何れか一方よりネジ止めする。
【0052】
樋載置板42の他端側の角度調整により、補給樋20の幅方向における水平状態を適宜調整できるが、所望の角度での樋載置板42の他端側の固定は、2本のネジによって行われる。すなわち、前記ベース板41の他端側の上端には、上下方向に延びる高さ固定ネジ44が螺合している。この高さ固定ネジ44に対して樋載置板42の他端側の上端は、高さ固定ネジ44のネジ頭に当接する範囲内で上下方向に移動可能に挿通している。
【0053】
また、樋載置板42の他端側の上端には、同じく上下方向の延びる高さ調整ネジ45が螺合している。この高さ調整ネジ45を正逆両方向に適宜回してネジ脚先端をベース板41の他端側の上端に当接させる位置により、樋載置板42の他端側がそれ以上は下方に動かない角度位置にて固定することができる。
【0054】
樋載置板42の上端の両側には、さらに一対の樋固定用ネジ46,46が上下方向に延びる状態に螺合している。これらの樋固定用ネジ46,46の間に、その間に収めた補給樋20を上から囲む樋固定板47が上下方向に移動可能に架け渡されている。この樋固定板47は、各樋固定用ネジ46に外嵌されたコイルバネ48により上方に付勢されている。
【0055】
各樋固定用ネジ46のネジ脚先端は、樋載置板42を経てベース板41側まで延びているが、各樋固定用ネジ46は樋載置板42に螺合するものであり、ベース板41に対しては自由に挿通した状態となる。なお、樋載置板42において、補給樋20を載置する上端の直ぐ下側には、補給樋20の結露防止用のヒータを挿入するためのヒータ用通路口49が開設されている。
【0056】
次に、接続部材30や固定部材40を用いた補給樋20の施工について説明する。
図1に示すように、遊技機島1は、複数の遊技機10を背中合わせに2列に並べるが、単なる直線状ではなく途中2箇所で同じ方向に同じ角度で屈曲して並ぶように構築する。そして、島上段内には各遊技機10に遊技球を補給する補給樋20を架け渡すが、この補給樋20の途中も遊技機島1の屈曲部位に合わせて屈曲するように施工する。
【0057】
補給樋20は直線状に延びるものであるが、前後に並ぶ補給樋20の端部同士を遊技機島1の屈曲部位に合わせて配置する。この補給樋20の端部同士を、接続部材30により互いに前記屈曲部位の所定角度に合わせて屈曲させた状態で連結することができる。なお、補給樋20は、遊技機島1の屈曲部位より、上流側の島中央あるいは下流側の島端までの距離に合わせて、所定長さのユニットとして予め用意されている。
【0058】
図1中において、遊技機島1のうち研磨装置13を間にして左側に位置する補給樋20は、遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって屈曲部が右側に曲がっている。ここで屈曲部をなす接続部材30は、互いに対称形の上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bとからなるが、屈曲部が右曲がりの場合、
図9に示す方が上流側接続部材30Aに相当し、
図10に示す方が下流側接続部材30Bに相当する。
【0059】
かかる場合の施工の手順は、先ず
図6において、屈曲部の外角側となる上流側の補給樋20の一側壁22に対して、上流側接続部材30Aの角度調整部34をネジ止めする。ここで角度調整部34は一側壁22の外面側に当接され、角度調整部34の基端にある切込み34aが一側壁22の端縁に被らないように位置決めする。また、上流側接続部材30Aの遊技球流下部31における底面壁32は、補給樋20の底面壁21よりも下方に配される。この状態で、角度調整部34にある接続用小孔35(
図9参照)に挿通させたネジを、補給樋20の一側壁22にある被接続用長孔24にナットを介して締め付ける。この時は未だ角度調整部34を所定角度で内側に折曲させる必要はない。
【0060】
このような上流側の補給樋20に対する上流側接続部材30Aのネジ止めと共に、屈曲部の内角側となる下流側の補給樋20の他側壁22に対して、下流側接続部材30Bの遊技球流下部31の側壁33を直線状に重ねた状態でネジ止めする。ここで側壁33は他側壁22の内面側に当接され、角度調整部34の基端にある切込み34aが他側壁22の端縁に被らないように位置決めする。また、遊技球流下部31の底面壁32は補給樋20の底面壁21上に重なり合っている。この状態で、補給樋20の他側壁22にある被接続用小孔25に挿通させたネジを、遊技球流下部31の側壁33にある接続用長孔36(
図9参照)にナットを介して締め付ける。
【0061】
そして、
図7において、上流側の補給樋20に接続された上流側接続部材30Aを下流側の補給樋20に接続された下流側接続部材30B上に重ね合わせる。そして、屈曲部の内角側となる上流側の補給樋20の他側壁22に対して、下流側接続部材30Bの角度調整部34をネジで仮止めする。ここで角度調整部34は他側壁22の外面側に当接され、角度調整部34にある接続用小孔35(
図9参照)に挿通させたネジを、補給樋20の他側壁22にある被接続用長孔24にナットを介して仮止めする。この時は未だ角度調整部34を所定角度で内側に折曲させる必要はない。
【0062】
このような上流側の補給樋20に対する下流側接続部材30Bの仮止めと共に、屈曲部の外角側となる下流側の補給樋20の一側壁22に対して、上流側接続部材30Aの遊技球流下部31の側壁33を直線状に重ねた状態でネジで仮止めする。ここで側壁33は一側壁22の内面側に当接され、補給樋20の一側壁22にある被接続用小孔25に挿通させたネジを、遊技球流下部31の側壁33にある接続用長孔36(
図9参照)にナットを介して仮止めする。
【0063】
続いて、
図12に示すように、各接続部材30A,30Bの角度調整部34を所定角度で右曲がりの方向に折曲すれば、補給樋20の端部同士は互いに所定角度で屈曲して連なる状態に連結される。このように、補給樋20をある程度曲げてから、
図1に示すように島枠1aに配設しつつ角度を合わせれば良い。もちろん、補給樋20を屈曲部も含めて直線状の延びた状態で島枠1aに取り付けた後に曲げても良い。この場合は、上流側の補給樋20を固定してから、下流側の補給樋20を遊技機島1の屈曲部位に合わせて曲げることになる。
【0064】
その後、前記補給樋20の屈曲部において仮止めしていた箇所を本締めする。これにより、簡易な構成で強固な接続が可能となる。なお、施工時における仮止めを含むネジ止めに関して、補給樋20の被接続用長孔24や接続部材30の接続用長孔36は長手方向に延びる長孔となっており、取り付け時の位置ずれを吸収することができる。また、前述したように、接続部材30の接続用小孔35を高さ方向に延びる長孔として形成すれば、取り付け時における特に角度調整時の高さ方向の位置ずれも吸収することができる。
【0065】
また、補給樋20の屈曲部においては、上流側の補給樋20の底面壁21、上流側接続部材30Aの遊技球流下部31の底面壁32、下流側接続部材30Bの遊技球流下部31の底面壁32、下流側の補給樋20の底面壁21が、この順でそれぞれ上から重なり合う状態となり、下流に向かって低くなる段差が生じる。このような段差を遊技球が通過する度に瞬間的な重力加速が作用し、その都度転動性が増すことになる。よって、補給樋20の屈曲部位でも上流側から下流側に向けて遊技球を円滑に流下させることができる。
【0066】
以上に、補給樋20の屈曲部が遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって右曲がりの場合について説明したが、
図13、
図14に示すように左曲がりの場合は、上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bとを逆にして、
図10に示す方を上流側接続部材30Aとし、
図9に示す方を下流側接続部材30Bとした上で、後は前述した説明の左右逆の態様にするだけで同様に施工することができる。
【0067】
このように、最低2つ1組の接続部材30によって、左右両方に屈曲する遊技機島1に併用することが可能となり、多種類の接続部材30を用意するような無駄なコストを省くことができる。何れの場合にせよ、各接続部材30A,30Bの角度調整部34の折曲やその角度調整は、遊技機島1の様々な形状に対応させて、施工現場でその都度容易に行うことができる。なお、本実施の形態では、曲げ角度は15度位であるが、前述した各接続部材30A,30Bによれば、最大で25度位の曲げ角度まで対応することができる。
【0068】
次に、固定部材40による補給樋20の固定について説明する。
図1、
図2に示すように、補給樋20の屈曲部は、その前後が一対の固定部材40によって挟まれる状態で島上段内に支持される。
図2に示すように、ベース板41の両端は、それぞれ前後の島枠1aにネジ止めされる。ここでベース板41を取り付ける高さ位置は、島枠1aに上下に並ぶ複数のネジ孔に応じて適宜調整することができる。
【0069】
ベース板41を島枠1aに固定した後、
図15に示す樋載置板42と樋固定板47との間に補給樋20を挿通させる。樋載置板42上に補給樋20を載置してから、この補給樋20を上から囲むように各樋固定用ネジ46を取り付けると良い。各樋固定用ネジ46を締めると、樋固定板47と樋載置板42上との間に補給樋20が挟まれた状態で固定される。かかる状態で高さ調整ネジ45を正逆両方向に適宜回すことにより、樋載置板42は、一端側のネジ孔43を回動中心として他端側が上下に揺動し、樋載置板42上の補給樋20の水平状態を適宜調整することができる。
【0070】
補給樋20の水平調整が終わったら、その水平状態が変化しないように、高さ固定ネジ44を締めることによって樋載置板42を揺動不能に固定する。これにより、非直線状の遊技機島1においても、固定部材40によって補給樋20と接続部材30を確実に固定することができ、かつ水平調整により幅方向における水平も容易に調整することができる。従って、従来技術のように屈曲した部分の補給樋20の底面に緩傾斜を形成しなくても遊技球を円滑に流下させることができる。
【0071】
図18〜
図20は、本発明の第2実施の形態を示している。
本実施の形態に係る樋接続構造は、基本的には第1実施の形態と共通するが、接続部材30である上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bの構成が若干異なる。
図18、
図19は、それぞれ樋接続構造の主要部をなす接続部材30を示し、
図20は、補給樋20の屈曲部が遊技球流下の進行方向(下流側)に向かって右側に曲がる例を示している。かかる例では、
図18に示す方が上流側接続部材30Aに相当し、
図19に示す方が下流側接続部材30Bに相当する。
【0072】
図18、
図19に示すように、本実施の形態に係る上流側接続部材30Aと下流側接続部材30Bでは、遊技球流下部31の側壁33の先端より基端に向かい下端縁に沿って延びるスリット37が設けられている。このスリット37の基端から側壁33の一部が、該側壁33の先端より延出した前記角度調整部34と共に折曲可能となっている。スリット37の基端に位置する側壁33の上下には、当該位置より折曲する際の曲げ剛性を低くするための一対の切込み34aが設けられている。
【0073】
本実施の形態によれば、
図20に示すように、上流側接続部材30Aの遊技球流下部31における底面壁32の内側寄りに角度調整部34を折曲した時、角度調整部34の基端側が前記底面壁32の側端縁より内側寄りに重なるよう位置する。これにより、遊技球流下部31(特に底面壁32と補給樋20の底面壁21との間)に隙間が生じることがなく、遊技球が詰まることを防止することができる。なお、第1実施の形態と同種の部位については同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0074】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態では、遊技機10をパチンコ機、遊技球をパチンコ球としたが、遊技球を使用する遊技機であれば、他の種類の遊技機であってもかまわない。
【0075】
また、前記実施の形態では、遊技機10を背中合わせに2列に並べた例を示したが、遊技機10を片側一列に並べて構築しても良い。また、遊技機島1が途中で屈曲する具体的な形状は、
図1等に示したものに限定されない。遊技機島1の屈曲部位に合わせて屈曲させる補給樋20についても同様である。
【0076】
さらに、前記実施の形態では、搬送樋を各遊技機10に遊技球を補給するための補給樋20として説明したが、各遊技機10から排出された遊技球を回収する回収樋15についても同様に樋接続構造を適用することができる。これにより、補給用と回収用の非直線状の樋を別々に製造する必要はなく部品も共用化することができ、無駄なコストを削減することができる。