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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221457(P2016-221457A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20060101AFI20161205BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B05B11/00 102B
   B05B11/00 102G
   B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2015-110463(P2015-110463)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】角田 義幸
(72)【発明者】
【氏名】當麻 徹
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PB02
3E014PB04
3E014PC03
3E014PD12
3E014PE25
3E014PF10
(57)【要約】
【課題】液体の連続噴射を可能にする。
【解決手段】噴出器本体2と、噴出孔4が形成されたノズル部材3と、を備え、噴出器本体2は、液体を吸上げる縦供給筒部10と、縦供給筒部10の内部に連通した射出筒部11と、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部51を有し、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部10内から射出筒部11内に導入させるとともに、射出筒部11内から射出させるトリガー機構50と、を備え、ノズル部材3には、供給孔95aを通じて内部が射出筒部11内に連通する補助シリンダ90と、補助シリンダ90内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたプランジャ91と、が備えられるとともに、補助シリンダ90内と噴出孔4とを連通する連通孔104が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、
前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させるとともに、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備え、
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストンと、
前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部に連通した主シリンダと、
前記縦供給筒部内に配設され、前記射出筒部内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吐出弁と、
前記縦供給筒部内に配設され、前記容器体内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吸込弁と、を備え、
前記ノズル部材には、
前後方向に延びるとともに、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通する補助シリンダと、
前記補助シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたプランジャと、が備えられるとともに、
前記補助シリンダ内と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成されていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記連通孔は、前記補助シリンダの前壁部に形成され、
前記プランジャは、前記連通孔を開放自在に閉塞していることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項3】
前記連通孔は、前記射出筒部の前端開口に向けて開口していることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項4】
前記ノズル部材には、前記補助シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材が備えられ、
前記作動部材は、
前記プランジャに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記プランジャが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、
前記補助シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接或いは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項5】
前記補助シリンダにおいて、前記補助シリンダの前壁部から後方に離間した部分には、前記容器体内に連通する回収通路が開口していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項6】
前記噴出器本体は、前記射出筒部の前端部に配置された第1装着部を備え、
前記ノズル部材は、前記第1装着部に装着される第2装着部と、前記噴出孔が形成されたノズル体と、前記ノズル体に備えられた第3装着部が装着されることで前記ノズル体と前記補助シリンダとが連結される第4装着部と、を備え、
前記ノズル体の第3装着部は、前記噴出器本体の第1装着部に装着可能に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式液体噴出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノズルの下方に延びるトリガー部の操作により、容器体から液体を吸い上げてノズルから吐出するトリガー式液体噴出器が知られている(例えば下記特許文献1)。
従来のトリガー式液体噴出器では、容器体と連通する縦供給筒部の上部に、前方に向けて延びる射出筒部が設けられている。射出筒部の先端側にはノズルが付設されている。射出筒部の下方には、トリガー部の操作により作動するシリンダが配置されている。そして、トリガー部の操作を行うことで、縦供給筒部からシリンダ内に液体を吸い上げることができるとともに、その液体を射出筒部からノズルを経て前方に噴射(噴出)させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3781904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のトリガー式液体噴出器では、トリガー部を引くときにのみ液体が噴射される。したがって、例えば広い面積に対して液体を吹き付けるようなときには、何度もトリガー部を引く操作を繰り返す必要があり面倒である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体の連続噴射を可能にしたトリガー式液体噴出器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配置され、液体を前方に向けて噴射する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部から前方に向けて延設され、内側が前記縦供給筒部の内部に連通した射出筒部と、前記射出筒部から下方に向けて延設され、前方付勢状態で後方に揺動自在に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への揺動によって、前記液体を前記縦供給筒部内から前記射出筒部内に導入させるとともに、前記射出筒部内から前記噴出孔側に向けて射出させるトリガー機構と、を備え、前記トリガー機構は、前記トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストンと、前記主ピストンの移動に伴って内部が加圧および減圧し、かつ内部が前記縦供給筒部に連通した主シリンダと、前記縦供給筒部内に配設され、前記射出筒部内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吐出弁と、前記縦供給筒部内に配設され、前記容器体内と前記主シリンダ内との連通およびその遮断を切替える吸込弁と、を備え、前記ノズル部材には、前後方向に延びるとともに、供給孔を通じて内部が前記射出筒部内に連通する補助シリンダと、前記補助シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたプランジャと、が備えられるとともに、前記補助シリンダ内と前記噴出孔とを連通する連通孔が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、液体が収容された容器体に装着した状態で、トリガー部を後方に引くと、縦供給筒部内を通して吸上げた容器体内の液体が射出筒部内に導入されるため、射出筒部内の液体を射出筒部内から射出させて供給孔を通じて補助シリンダ内に導入することができる。これにより、補助シリンダ内のプランジャを前方付勢に抗して後方に移動させることができる。またこのとき、射出筒部内からの液体を、連通孔を通じて噴出孔に導いて、噴出孔から外部に噴射させることができる。
このように、トリガー部を引く操作を行う毎に、液体を噴出孔から噴射させつつ、プランジャを後方に移動させて補助シリンダ内に液体を溜める(充填する)ことができる。
【0008】
そして、トリガー部を引く操作を止めると、射出筒部内への液体の供給が停止するが、前方付勢によってプランジャが前方移動しはじめる。これにより、補助シリンダ内に充填した液体を、連通孔を通じて噴出孔から引き続き噴射させることができる。したがって、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
なおプランジャの前進時、再びトリガー部を引かなければ、プランジャは最前進位置まで前進するが、その前にトリガー部を引く操作を繰り返すこともできる。この場合、プランジャが略一定の幅で後退と前進とを繰り返し、全体としては徐々に後方へ移動する。これにより、補助シリンダ内に徐々に液体が溜まっていく。
【0009】
ここで、前記連通孔は、前記補助シリンダの前壁部に形成され、前記プランジャは、前記連通孔を開放自在に閉塞してもよい。
【0010】
この場合、補助シリンダに、噴出孔に連通する連通孔と射出筒部内に連通する供給孔とがそれぞれ形成され、さらにプランジャが連通孔を直接的に塞いでいるので、射出筒部から補助シリンダに至る経路の空間容積(経路が占める内部容積)を制約少なく容易に小さくすることが可能となる。よって、トリガー部を操作した際、液体を射出筒部内から補助シリンダ内に直ちに導入することができる。したがって、補助シリンダ内の圧力を速やかに上昇させて、プランジャを直ちに後方移動させ易い。そのため、プライミング回数を抑えながら、速やかに液体を噴射することができるので、使い勝手が良く、操作性に優れている。
さらに、プランジャが連通孔を直接的に塞いでいるので、補助シリンダの内圧が所定値を超えない限り、液体が噴射されることがない。したがって、高圧弁等を別途設けなくても適正な圧力(噴射圧)で液体を噴射させることができるとともに、構成の簡略化を図り易い。しかも、前方付勢されているプランジャを後方移動させることで蓄圧できるので、液体を噴射する際に、液体に圧力をさらに加えた状態で噴射することができる。
さらには、未使用時に、噴出孔から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
【0011】
また、前記連通孔は、前記射出筒部の前端開口に向けて開口してもよい。
【0012】
この場合、連通孔が、射出筒部の前端開口に向けて開口しているので、トリガー部を後方に引いたときに、射出筒部内からの液体の一部を、供給孔および補助シリンダ内を通さず、連通孔を通して直接噴出孔に到達させることが可能になり、補助シリンダ内に液体が溜められる前であっても、安定して液体を噴射することができる。
【0013】
また、前記ノズル部材には、前記補助シリンダに対して後方移動可能に配設された作動部材が備えられ、前記作動部材は、前記プランジャに形成された被係止部よりも後方に離れて配置され、前記プランジャが後方移動したときに、前記被係止部が前方から係止する係止部と、前記補助シリンダに対して前記作動部材が後方移動したときに、前記トリガー部に対して近接或いは当接して前記トリガー部の揺動を規制する規制部と、を備えてもよい。
【0014】
この場合、トリガー部を引く操作を連続的に繰り返し行うことにより、プランジャが後方に大きく移動すると、プランジャの被係止部が作動部材の係止部に係止する。そのため、トリガー部のさらなる操作によってプランジャがさらに後方に移動すると、これに伴って作動部材が補助シリンダに対して後方に移動する。これにより、作動部材の規制部をトリガー部に対して近接或いは当接させることができ、トリガー部の揺動を規制することができる。
したがって、プランジャが後方に向けて過度に移動することを機械的に防止でき、補助シリンダ内に許容量以上の液体が充填されてしまうことを防止できる。これにより、補助シリンダ内の圧力が過度に上昇することを防いで、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
【0015】
また、前記補助シリンダにおいて、前記補助シリンダの前壁部から後方に離間した部分には、前記容器体内に連通する回収通路が開口してもよい。
【0016】
この場合、補助シリンダ内に回収通路が開口しているので、プランジャが、補助シリンダにおいて回収通路が開口する部分よりも後側にまで後退すると、補助シリンダ内において液体が溜められた空間が、回収通路を通して容器体内に連通する。この際、射出筒部内の液体がさらに補助シリンダ内に導入されたとしても、この液体を、回収通路を通して容器体内に戻すことができる。これにより、補助シリンダ内の圧力が過度に上昇することを防いで、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
【0017】
また、前記噴出器本体は、前記射出筒部の前端部に配置された第1装着部を備え、前記ノズル部材は、前記第1装着部に装着される第2装着部と、前記噴出孔が形成されたノズル体と、前記ノズル体に備えられた第3装着部が装着されることで前記ノズル体と前記補助シリンダとが連結される第4装着部と、を備え、前記ノズル体の第3装着部は、前記噴出器本体の第1装着部に装着可能に形成されてもよい。
【0018】
この場合、ノズル体の第3装着部が、噴出器本体の第1装着部に装着可能に形成されているので、ノズル部材が、補助シリンダ、プランジャ、第2装着部、および第4装着部を有さず、ノズル体のみを有し、かつノズル体の第3装着部が噴出器本体の第1装着部に装着されてなる既存の構成のトリガー式液体噴出器を、設計変更せずに、そのまま流用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、トリガー部を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態を示す縦断面図である。
図2図1に示すトリガー式液体噴出器を前方から見た正面図である。
図3図1に示すトリガー式液体噴出器を後方から見た背面図である。
図4図1に示すトリガー式液体噴出器において、トリガー部を後方側に引いた状態を示す側面図(一部縦断面図)である。
図5図4に示す状態からトリガー部をさらに後方側に引き、作動部材を後方移動させた状態を示す側面図(一部縦断面図)である。
図6】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第2実施形態を示す縦断面図である。
図7】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第3実施形態を示す縦断面図である。
図8図7に示すトリガー式液体噴出器の要部拡大図である。
図9図7に示すトリガー式液体噴出器を後方から見た背面図である。
図10図7に示すトリガー式液体噴出器の噴出器本体の要部を上方から見た平面図である。
図11】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第4実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
【0022】
ここで、本実施形態では、縦供給筒部10の中心軸線を軸線O1とし、この軸線O1に沿って容器体A側を下側、その反対側を上側という。また、軸線O1に直交する一方向を前後方向といい、軸線O1方向および前後方向の双方向に直交する方向を左右方向という。
【0023】
噴出器本体2は、上下方向に延在する上記縦供給筒部10と、縦供給筒部10から前後方向に沿って延設され、内側が縦供給筒部10の内部に連通した射出筒部11と、を備え、左右方向から見た側面視でL字状に形成されている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
【0024】
縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌合される内筒13と、を備えている。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
【0025】
内筒13は、大径部13aと、大径部13aの上方に配置され、かつ大径部13aよりも縮径した小径部13bと、大径部13aの上端部と小径部13bの下端部とを連結するフランジ部13cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。
【0026】
内筒13の小径部13b内には、容器体A内に配置され、かつ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌合されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。内筒13の大径部13aにおいて、外筒12の大径部12aから下方に突出した部分には、その径方向の外側に向けて突出する環状の鍔部13dが形成されている。鍔部13dは、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ14の上端部内に配設され、装着キャップ14の上端部をその軸線回りに回転自在に係止する。鍔部13dは、装着キャップ14と容器体Aの口部A1における上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
【0027】
射出筒部11は、後端部が縦供給筒部10における上端部の前側に接続されている。射出筒部11の内部は、外筒12に形成された外側吐出孔16、および内筒13に形成された内側吐出孔17を通じて縦供給筒部10の内部に連通している。
【0028】
内筒13の上端部側の内側には、上下方向に弾性変形可能に形成された吐出弁30が配置されている。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31および弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
【0029】
弁体33は、中空ばね部34によって上方から押圧されており、弁座32に対して密接している。これにより弁体33は、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、の連通を遮断している。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
【0030】
内筒13の内周面のうち弁座32よりも下方に位置し、かつパイプ15の上端よりも上方に位置する部分には、内側に向けて突出する環状のテーパ筒部35が形成されている。
このテーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
【0031】
外筒12において、射出筒部11よりも下方に位置する部分には、前方に向けて突出するシリンダ用筒部40が一体形成されている。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
【0032】
噴出器本体2は、射出筒部11から下方に向けて延び、前方付勢状態で後方に揺動自在に配置されたトリガー部51と、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストン52と、主ピストン52の移動に伴って内部が加圧および減圧する主シリンダ53と、トリガー部51を前方に付勢する弾性板部54と、縦供給筒部10、射出筒部11および後述する補助シリンダ90の全体を上方、後方および左右方向から覆うカバー体55と、をさらに備えている。
【0033】
また、上述した吐出弁30、吸込弁36、トリガー部51、主ピストン52、主シリンダ53および弾性板部54は、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部10内から射出筒部11内に導入させるとともに射出筒部11内から噴出孔4側に射出させるトリガー機構50を構成する。
【0034】
主シリンダ53は、前方に向けて開口する外筒部60と、外筒部60の後方開口部を塞ぐ後壁部61と、後壁部61の中央部分から前方に向けて突設されるとともに前端が閉塞されたピストンガイド62と、を備えている。
【0035】
ピストンガイド62は、内側が後方に開口しており、この開口内にシリンダ用筒部40における後壁(外筒12の小径部12b)から前方に向けて突設された嵌合突部41が嵌合されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
【0036】
外筒部60には、外筒部60の内側と上記隙間S2とを連通させる第1通気孔63が形成されている。外筒12のフランジ部12cには、上記隙間S2と、外筒12のフランジ部12cと内筒13のフランジ部13cとの間に画成された隙間S1と、を連通させる第2通気孔64が形成されている。さらに、内筒13のフランジ部13cには、上記隙間S1と、内筒13の大径部13aおよび装着キャップ14の内側と、を連通させる第3通気孔65が形成されている。
【0037】
主シリンダ53の後壁部61には、ピストンガイド62の上方に位置する部分に、前後方向に貫く第1貫通孔66が形成されている。図示の例では、後壁部61における第1貫通孔66の開口周縁部には、後方に向けて突出する筒部が形成されており、この筒部が、外筒12の小径部12bに形成された貫通孔内に嵌合されている。第1貫通孔66は、縦供給筒部10の内筒13に形成された第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。したがって、吐出弁30は、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、吸込弁36は、容器体A内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
【0038】
主ピストン52は、トリガー部51に連結される円柱状の連結部70と、連結部70よりも後方に位置し、連結部70よりも大径とされたピストン筒71と、を備え、全体として後方に開口した筒状に形成されている。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
【0039】
ピストン筒71は、後方に向けて開口し、かつ内部にピストンガイド62が挿入されるピストン本体部72と、ピストン本体部72の後端部からその径方向の外側に向けて突出し、かつ外筒部60の内周面に密に摺接する摺動筒部73と、を備えている。
【0040】
ピストン本体部72は、内径がピストンガイド62の外径よりも大きく形成されている。図示の例では、ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間には若干の隙間があいている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
【0041】
主ピストン52の連結部70は、後述する連結軸86を介してトリガー部51に連結されている。これにより、主ピストン52は、トリガー部51とともに弾性板部54の付勢力によって前方に付勢されているとともに、トリガー部51の後方への移動に伴って後方に移動して主シリンダ53内に押し込まれる。
【0042】
また、トリガー部51が最前方揺動位置にあるときに、主ピストン52の摺動筒部73は第1通気孔63を閉塞している。そして、トリガー部51の後方への揺動によって主ピストン52が所定量だけ後方移動したときに、摺動筒部73が第1通気孔63を開放する。これにより、容器体Aの内部は、第3通気孔65、第2通気孔64および第1通気孔63を通じて外部に連通する。
【0043】
トリガー部51は、左右方向から見た側面視で後方に向けて凹状に湾曲する前面を有する主板部材80と、主板部材80の左右の側縁部から後方に向けて起立する一対の側板部材81と、を備えている。
【0044】
一対の側板部材81の上端部には、射出筒部11の側方に至るまで上方に延出し、射出筒部11を左右方向から挟み込む一対の連結板82が形成されている。一対の連結板82には、左右方向の外側に向けて回転軸部83が突設されている。これら回転軸部83は、射出筒部11の上方を覆う上板部材84に設けられた軸受け部に回動可能に支持されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
【0045】
トリガー部51には、主板部材80を前後方向に貫通する開口部51aが形成されているとともに、開口部51aの周縁部から後方に向けて延びるように連結筒85が形成されている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
【0046】
なお、主ピストン52の連結部70は、連結軸86に対してその軸線回りに回動可能とされ、かつ上下方向で所定量だけ移動可能に連結されている。これにより、トリガー部51の前後方向への揺動に伴って、主ピストン52は前後移動可能とされている。
【0047】
射出筒部11の上面には、縦供給筒部10における外筒12の頂壁部12dに連結される水平板状の上記上板部材84が取り付けられている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
【0048】
一対の板ばねのうち、前側に位置する板ばねが主板ばね54aとされ、後側に位置する板ばねが副板ばね54bとされている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
【0049】
トリガー部51の主板部材80の上端部は、弾性板部54による付勢によって後述する接続壁123の下端部に対して後方から当接している。これにより、トリガー部51は最前方揺動位置に位置決めされている。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
【0050】
なお、係止片54dは、トリガー部51が後方に引かれた場合であっても、ポケット部81aから上方に抜け出しつつもトリガー部51が最後方揺動位置に至るまでポケット部81aへの係合状態を維持する。
【0051】
ノズル部材3は、主に噴出器本体2よりも前方かつ上方側に配置されており、前後方向に延在する補助シリンダ90と、補助シリンダ90内に収容されたプランジャ91と、射出筒部11に対して装着される装着筒92と、補助シリンダ90に対して後方移動可能に配設された作動部材130と、を備えている。
【0052】
補助シリンダ90は、射出筒部11の上方に配置され、前後方向に延びている。これにより、補助シリンダ90は射出筒部11に対して平行に配置されている。
補助シリンダ90は、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びたシリンダ筒96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。前壁部95は、シリンダ筒96から下方に向けて突出しており、ノズル部材3を前方側から見た正面視で、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。
【0053】
図1に示すように、シリンダ筒96は、噴出器本体2における上板部材84上に配置されており、縦供給筒部10よりも後方に突出している。シリンダ筒96の後端部には、キャップ97が装着されている。
キャップ97は、シリンダ筒96の内側に嵌合されるキャップ内筒97aと、シリンダ筒96に外嵌されるキャップ外筒97bと、キャップ内筒97aからその径方向の内側に向けて突出した環状のガイドリング97cと、を備えている。
【0054】
補助シリンダ90の前壁部95には、前方に向けて円柱状のノズル軸部100が突設されているとともに、このノズル軸部100を外側から囲む囲繞筒101が前方に向けて突設されている。これらノズル軸部100および囲繞筒101は、シリンダ筒96の中心軸線O2と同軸上に配置されている。なお、囲繞筒101は、ノズル軸部100よりも前方に向けて僅かに突出している。
【0055】
ノズル軸部100と囲繞筒101との間には、環状の流通路102が形成されている。また、ノズル軸部100には、前方に向けて開口する噴出孔4が形成されたノズルキャップ103が装着され、流通路102と噴出孔4とが連通している。そして、前壁部95には、流通路102に連通する連通孔104が形成されている。
これにより、補助シリンダ90の内部は、連通孔104および流通路102を通じて噴出孔4に連通している。つまり、連通孔104は、流通路102を通じて補助シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通している。
【0056】
さらに、シリンダ筒96の前端部には、補助シリンダ90の内部と、後述する微小流路126に連通する供給孔95aが形成されている。供給孔95aは、シリンダ筒96の前端部における下側部分に形成され、この部分を上下方向に貫いている。
【0057】
プランジャ91は、ロッド110と、ロッド110の前端部に嵌着される補助ピストン111と、を備え、補助シリンダ90内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されている。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面にはシリンダ筒96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。ロッド110の後端開口縁は、後述する作動部材130における挿入部131の環状壁(係止部)137に前方から係止する被係止部110bとして機能する。
補助ピストン111は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、その前後方向の両端部が、シリンダ筒96の内周面に対して密に摺接するリップ部111aとなっている。
【0058】
プランジャ91とキャップ97との間には、例えば金属製のコイルばね112が、前後方向に延在し、かつ前後方向に圧縮された状態で配置されている。
コイルばね112は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部がキャップ97のキャップ内筒97aに前方から当接し、前端部が拡径ガイド部110aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ91を前方に向けて付勢している。
【0059】
補助ピストン111には、前方に向けて突出し、補助シリンダ90の前壁部95に形成された連通孔104内に入り込んで、該連通孔104を直接的に塞ぐ凸部113が形成されている。
これにより、プランジャ91は、連通孔104を開放自在に閉塞している。特に、凸部113はコイルばね112からの付勢によって連通孔104をシールした状態で塞いでいる。
【0060】
なお、凸部113が連通孔104を塞いでいるときのプランジャ91の位置を最前進位置とする。したがって、プランジャ91が最前進位置に配置されている場合には、補助シリンダ90内に液体がほとんど収容されていないうえ、補助シリンダ90内と連通孔104との連通が遮断されている。
これに対して、プランジャ91の後方移動によって、ロッド110の被係止部110bが後述する作動部材130の環状壁137に対して前方から当接しているときのプランジャ91の位置を、最後退直前位置とする。さらに、プランジャ91が最後退直前位置を超えてさらに後方移動し、補助シリンダ90に対して作動部材130が後方に移動したときのプランジャ91の位置を、最後退位置とする。
したがって、プランジャ91が最後退位置に達している場合には、補助シリンダ90内に液体が最大量収容されている。
【0061】
補助シリンダ90の前壁部95には、囲繞筒101をその径方向の外側から囲う外郭筒321が前方に向けて突設されている。
さらに、前壁部95には、前壁部95から後方に向けて延びる中間筒122を介して装着筒92が一体に形成されている。装着筒92は、射出筒部11に対して前方から嵌合している。これにより、ノズル部材3は、装着筒92を介して噴出器本体2に対して組み合わされている。
【0062】
中間筒122は、補助シリンダ90の下方に配置されているとともに、シリンダ筒96の下面に一体形成されている。中間筒122の内部は、射出筒部11の内部に連通している。中間筒122の内径は、射出筒部11の内径よりも縮径している。これにより、中間筒122内の空間容積が大きくなることを抑えている。
中間筒122には、上下方向に貫き、補助シリンダ90の内部と中間筒122の内部とを連通する縦孔が形成されており、この縦孔の上端開口が、上記した供給孔95aとなっている。縦孔内における上下方向のほぼ全長にわたって栓体125が挿入されている。栓体125は、縦孔のうち、供給孔95aを開放し、かつ下端開口を密に閉塞した状態で、縦孔の内周面との間に、中間筒122の内部と補助シリンダ90内とを連通する微小流路126を形成している。この栓体125により、縦孔の空間容積がさらに小さくなっている。
以上より、射出筒部11の内部と補助シリンダ90の内部とは、中間筒122の内部、微小流路126、および供給孔95aを通じて連通する。また、射出筒部11から供給孔95aに至る経路が、中間筒122の内部および微小流路126であるので、これらの経路の空間容積が大きくなるのを抑えることができる。
【0063】
本実施形態では、中間筒122と装着筒92との接続部分に、後方に向けて延在し、射出筒部11内における前後方向のほぼ全長にわたって挿入された挿入部201が形成されている。挿入部201は、射出筒部11の内部空間のうち上側部分に僅かな隙間S3を確保するように、射出筒部11内に挿入されている。これにより、射出筒部11内の空間容積もさらに小さくすることができる。
また、中間筒122と装着筒92との接続部分には、下方に向けて接続壁123が突設されている。そして、接続壁123の下端部が、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
【0064】
なお、本実施形態では、射出筒部11の内部と噴出孔4とが、中間筒122の内部、微小流路126、供給孔95a、補助シリンダ90の内部、連通孔104および流通路102を通じて連通する。したがって、連通孔104は、先に述べたように補助シリンダ90の内部と噴出孔4とを連通しているが、それに加え、射出筒部11の内部と噴出孔4とについても連通させている。
【0065】
図1図3に示すように、作動部材130は、補助シリンダ90内に後方から挿入された挿入部131と、挿入部131に一体に形成されるとともに、補助シリンダ90の外部にて前方に向けて延びた接続部132と、接続部132に一体に形成されるとともにトリガー部51よりも前方に配置され、トリガー部51の揺動を規制する規制部133と、を備えている。
【0066】
挿入部131は、キャップ97におけるガイドリング97cの内側を通じてシリンダ筒96の内部に後方から挿入されており、前後方向に延びている。
この挿入部131は、ガイドリング97cの内側に配置され、ガイドリング97cによって後方移動可能にガイドされた円筒状の第1挿入部135と、第1挿入部135からさらに前方に向けて延び、第1挿入部135より縮径した円筒状の第2挿入部136と、を備えた二段筒状に形成されている。
【0067】
第1挿入部135と第2挿入部136との接続部分には、前方に向いた環状壁137を有する段差部が形成されている。環状壁137は、プランジャ91のロッド110の被係止部110bよりも後方に離れて配置されている。第2挿入部136は、プランジャ91のロッド110内に後方から挿入されている。これにより、プランジャ91は、第2挿入部136でガイドされながら補助シリンダ90内において後方移動可能とされている。
なお、プランジャ91が最前進位置から後方移動して最後退直前位置に達した際、ロッド110の被係止部110bが環状壁137に対して前方から係止する。
【0068】
接続部132は、キャップ内筒97aの後方に配置され、第1挿入部135の後端部に一体に形成された接続プラグ140と、接続プラグ140から下方に向けて延びた後、さらに屈曲して前方に向けて延び、左右方向から見た側面視でL字状に形成された第1接続片141と、第1接続片141から左右方向に延びた第2接続片142と、第2接続片142から縦供給筒部10の外側を前方に向けて延びた第3接続片143と、を備えている。
【0069】
接続プラグ140は、キャップ内筒97aの後端開口縁に対して後方から当接しており、シリンダ筒96内への挿入部131の前方に向けた挿入量を規定している。
規制部133は、第3接続片143と一体に形成されているとともに、トリガー部51よりも前方に配置されている。具体的には、規制部133は、中間筒122の下方に配置され、前壁部95における左右方向に沿う横幅と同等の横幅に形成された前壁133aと、前壁133aの下端部から後方に向けて延び、接続壁123の下方に位置する下壁133bと、前壁133aの左右両側から後方に延び、下壁133bに対しても一体に接続された側壁133cと、を有している。
【0070】
したがって、規制部133の内部は、前壁133a、下壁133b、および側壁133cによって囲まれた中空とされ、接続壁123を収納可能としている。下壁133bの後端部には、下方に向けて延びた突起片133dが形成されている。この突起片133dは、トリガー部51の上端部に対して前方から近接或いは当接した状態で配置されている。
なお、図2に示されるように、前壁133aの上端縁は、下方に窪む曲線状に形成されるとともに、補助シリンダ90の前壁部95の下端縁は、下方に突出する曲線状に形成されており、前壁133aの上端縁と補助シリンダ90の前壁部95の下端縁とは互いに近接している。
【0071】
(トリガー式液体噴出器の作用)
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
【0072】
トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方移動に伴って主ピストン52が後退するので、主シリンダ53内の液体を、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて縦供給筒部10の内筒13に導入することができる。すると、内筒13に導入された液体は、吸込弁36を押し下げて閉弁させるとともに、吐出弁30を押し上げて開弁させるので、内側吐出孔17および外側吐出孔16を通じて射出筒部11内に液体を導入することができる。
【0073】
これにより、射出筒部11の内圧が上昇するので、射出筒部11内の液体を中間筒122の内部に導入させ、さらに微小流路126および供給孔95aを通じて補助シリンダ90内に導入することができる。そして、図4に示すように、プランジャ91を最前進位置からコイルばね112の付勢力に抗して後方に移動させることができ、凸部113を連通孔104から離間させて、連通孔104を開放することができる。
【0074】
したがって、連通孔104および流通路102を通じて液体を噴出孔4に導き、噴出孔4から前方に向けて液体を噴射させることができ、これと同時にプランジャ91を後方に向けて移動させることができる。
【0075】
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができるとともに、プランジャ91を後方に移動させて、補助シリンダ90内に液体を溜める(充填する)ことができる。
【0076】
そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰するので、これに伴って主ピストン52が前方移動する。そのため、主シリンダ53内に負圧が生じ、この負圧によってパイプ15を通じて容器体A内の液体を縦供給筒部10に吸い上げることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吐出弁30は閉弁している。
【0077】
このとき、射出筒部11から補助シリンダ90内への液体の供給は停止するものの、コイルばね112の弾性復元力によってプランジャ91が最前進位置に向けて前方移動しはじめる。これにより、補助シリンダ90内に溜まった液体を、連通孔104および流通路102を通じて噴出孔4に導き、噴出孔4を通じて前方に液体を噴射させることができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
【0078】
特に、補助シリンダ90に、噴出孔4に連通する連通孔104と、射出筒部11内に連通する供給孔95aと、がそれぞれ形成され、さらにプランジャ91が連通孔104を直接的に塞いでいるので、射出筒部11から補助シリンダ90に至る経路の空間容積(経路が占める内部容積)を制約少なく容易に小さくすることができる。したがって、トリガー部51を操作した際、液体を射出筒部11内から補助シリンダ90内に直ちに導入することができ、補助シリンダ90内の圧力を速やかに上昇させて、プランジャ91を直ちに後方移動させ易い。そのため、プライミング回数を抑えながら速やかに液体を噴射させることができる。したがって、使い勝手が良く、操作性に優れている。
【0079】
さらに、プランジャ91が連通孔104を直接的に塞いでいるので、補助シリンダ90の内圧が所定値を超えない限り、液体が噴射されることがない。したがって、高圧弁等を別途設けなくても適正な圧力(噴射圧)で液体を噴射させることができるとともに、構成の簡略化を図り易い。しかも、コイルばね112によって前方付勢されているプランジャ91を後方移動させることで蓄圧できるので、液体を噴射する際に、液体に圧力をさらに加えた状態で噴射することができる。
また、未使用時に、噴出孔4から液漏れすることを効果的に抑制することができる。
【0080】
なお、プランジャ91の前進時、再びトリガー部51を引く操作を行わない限り、プランジャ91は最前進位置まで移動するが、その前にトリガー部51を引く操作を繰り返し行っても良い。
この場合、プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、プランジャ91を例えば最後退直前位置まで移動させることで、プランジャ91が最後退直前位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
【0081】
ところで、例えばトリガー部51を引く操作を連続的に繰り返し行うことにより、プランジャ91が最後退直前位置まで移動すると、図5に示すように、ロッド110の被係止部110bが、作動部材130における挿入部131の環状壁137に前方から係止する。そのため、トリガー部51のさらなる操作によってプランジャ91がさらに後方移動すると、これに伴って作動部材130の全体が補助シリンダ90に対して後方に移動する。これにより、トリガー部51よりも前方に配置された規制部133の突起片133dを、後方に揺動させたトリガー部51に対して前方から当接或いは近接させることができ、トリガー部51を前方に戻らなくすることができる。
【0082】
したがって、プランジャ91を最後退位置に留まらせて、それ以上後方に移動することを機械的に防止することができ、補助シリンダ90内に許容量以上の液体が充填されてしまうことを防止できる。これにより、補助シリンダ90内の圧力が過度に上昇することを防止でき、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
特に、トリガー部51が前方に戻らなくなるので、そのことを触覚的および視覚的に容易かつ確実に把握し易い。よって、トリガー部51のさらなる操作を強引に行うといった誤操作を未然に防止し易い。
【0083】
また、補助シリンダ90が、射出筒部11の上方に配置され、かつ射出筒部11と平行に配置されているので、補助シリンダ90が射出筒部11と前後に連なるように配置される場合に比べて、トリガー式液体噴出器1の全長を短くして小型化を図りつつ、プランジャ91のストロークを確保して長時間の連続噴射を行い易い。
また、挿入部201および栓体125によって、射出筒部11内および前記縦孔内における各空間容積がさらに小さくなっているので、補助シリンダ90内の圧力をさらに速やかに上昇させることができる。
したがって、液体を高い噴射圧で噴射させることができるうえ、プランジャ91をさらにスムーズに後方移動させることができる。
【0084】
(第2実施形態)
次に、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0085】
図6に示されるように、本実施形態のトリガー式液体噴出器150では、作動部材130、および挿入部201を備えていない。
また、シリンダ筒96の後端部に装着されたキャップ197は、シリンダ筒96の内側に嵌合されたキャップ内筒197aと、キャップ内筒197aの後端部からその径方向の外側に向けて突出し、シリンダ筒96の後端縁に後方から係止される係止リング197bと、キャップ内筒197aの前方開口部を塞ぐ前壁部197cと、を備えている。前壁部197cの中央部には、補助シリンダ90の内部と外部とを連通し、補助シリンダ90内に対して空気を出入りさせる空気孔197dが形成されている。
【0086】
例えば、上記第1実施形態では、ノズル部材3を射出筒部11に直接装着することで、噴出器本体2に組み合わせる構成としたが、この場合に限定されるものではなく、例えば中間部材を介してノズル部材3を噴出器本体2に組み合わせても良い。
【0087】
具体的には、図6に示すように、トリガー式液体噴出器150は、ノズル部材3と噴出器本体2とを連結する中間部材151を備えている。
中間部材151は、射出筒部11の前方開口部よりも前方側に位置し、前方開口部に対して対向配置された対向板160と、対向板160から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部161と、対向板160から前方に向けて延びる第2筒部162と、第2筒部162の内側に位置し、かつ対向板160から前方に向けて延びる中央突部163と、を備えている。
なお、中央突部163は、第2筒部162よりも前方に突出することなく、第2筒部162の内側に収まるように形成されている。
【0088】
第2筒部162および中央突部163は、射出筒部11の中心軸線に対して下方に偏心した位置に配置されている。対向板160のうち、中央突部163の上方に位置し、かつ第2筒部162の内側に位置する部分には、射出筒部11の前方開口部に連通する射出孔164が形成されている。これにより、第2筒部162の内側は、射出孔164を通じて射出筒部11の内部に連通している。
【0089】
補助シリンダ90の前壁部95は、中間部材151における第2筒部162の前方側に位置するように、シリンダ筒96から下方に突出している。
前壁部95において、囲繞筒101よりも下方に位置する部分には、後方に向けて突出し、中間部材151の第2筒部162に外嵌される第3筒部292が形成されている。第3筒部292が第2筒部162に外嵌されることで、ノズル部材3は噴出器本体2に対して一体に組み合わされている。なお、前壁部95には、第2筒部162の内側に密に嵌合するシール筒部23aが形成されている。
トリガー部51の主板部材80の上端部は、弾性板部54による付勢によって中間部材151の下端部に対して後方から当接している。これにより、トリガー部51は最前方揺動位置に位置決めされている。
【0090】
補助シリンダ90の前壁部95のうち、囲繞筒101よりも下方に位置する部分には、前方に向けて円柱状の軸部120が突設されているとともに、軸部120をその径方向の外側から囲む保持筒121が前方に向けて突設されている。軸部120は、前壁部95における上下方向の中央部に形成されている。軸部120および保持筒121は同軸に配置されている。
【0091】
前壁部95の後面(補助シリンダ90の内部側)において、連通孔104の下方に位置する部分には、前方に向けて窪む供給孔129が形成されている。
前壁部95には、軸部120と保持筒121との間に位置し、かつ前壁部95を貫通する環状の旋回路177が形成されている。
旋回路177は、中間部材151における第2筒部162の内側に連通しているとともに、前壁部95に形成された供給孔129を通じて、補助シリンダ90内において補助ピストン111よりも前方側に位置する空間に連通している。これにより、補助シリンダ90の内部は、供給孔129、旋回路177、第2筒部162の内側、および射出孔164を通じて射出筒部11の内部に連通している。
【0092】
なお、軸部120の後端部は、シリンダ筒96に一体に接続されているので、旋回路177を環状に形成することが可能とされている。但し、環状の旋回路177ではなく、例えば前壁部95に、第2筒部162の内側、および補助シリンダ90内にそれぞれ連通する孔部を形成し、これら孔部を軸部120と保持筒121との間の隙間を通じて連通させても構わない。
【0093】
保持筒121には、前方側から有頂筒状のブラインドキャップ127が外嵌されることで保持されている。
ブラインドキャップ127は、軸部120と保持筒121との間に密に挿入される挿入筒128をさらに備えている。これにより、軸部120と保持筒121との間に形成される空間が占める容積を極力少なくすることができるうえ、第2筒部162の内側から補助シリンダ90内に向けて液体を速やかに移動させることが可能とされている。
【0094】
このように構成されたトリガー式液体噴出器150の場合には、トリガー部51の操作により射出筒部11の内圧を上昇させることで、射出筒部11内の液体を、射出孔164、第2筒部162の内側、旋回路177、および供給孔129を通じて補助シリンダ90内に導入することができる。これにより、上記第1実施形態と同様に、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができるとともに、プランジャ91を後方に移動させて、補助シリンダ90内に液体を溜めることができる。そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、射出筒部11から補助シリンダ90内への液体の供給は停止するものの、コイルばね112の弾性復元力によってプランジャ91が最前進位置に向けて前方移動しはじめる。これにより、補助シリンダ90内に溜まった液体を、連通孔104、および流通路102を通じて噴出孔4から前方に噴射させることができる。
また、中間部材151を利用して噴出器本体2にノズル部材3を組み合わせることができるので、既存の噴出器本体を利用してトリガー式液体噴出器を構成することもできる。したがって、低コストかつ簡略な構成でトリガー式液体噴出器を構成することができる。
【0095】
ここで、第1実施形態および第2実施形態に係る各トリガー式液体噴出器1、150において、前壁部95に形成された連通孔104の前端に、流通路102を通さずに直接噴出孔4が接続された構成を採用してもよい。
また、第1実施形態のトリガー式液体噴出器1に代えて、例えば、作動部材がシリンダに対して後方に移動したときに、規制部をトリガー部に対して後方若しくは側方等から当接或いは近接させ、トリガー部を後方に揺動できなくするようにしてもよい。
第1実施形態および第2実施形態に係る各トリガー式液体噴出器1、150において、例えばトリガー部51の操作をロックする機構や、噴出孔4の前方に液体の噴射形態(例えば霧状、泡状等)を切り換えるための切換部材をさらに設けても構わない。
【0096】
(第3実施形態)
次に、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第3実施形態について説明する。
【0097】
図7図10に示されるように、本実施形態のトリガー式液体噴出器250は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器250の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
【0098】
なお、本実施形態では、縦供給筒部10の中心軸線を軸線O1とし、この軸線O1に沿って容器体A側を下側、その反対側を上側という。また、軸線O1に直交する一方向を前後方向といい、軸線O1方向および前後方向の双方向に直交する方向を左右方向という。
【0099】
噴出器本体2は、上下方向に延在する上記縦供給筒部10と、縦供給筒部10から前後方向に沿って延設され、内側が縦供給筒部10の内部に連通した射出筒部11と、を備え、左右方向から見た側面視でL字状に形成されている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
【0100】
縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌合される内筒13と、を備えている。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
【0101】
内筒13は、大径部13aと、大径部13aの上方に配置され、かつ大径部13aよりも縮径した小径部13bと、大径部13aの上端部と小径部13bの下端部とを連結するフランジ部13cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。
【0102】
内筒13の小径部13b内には、容器体A内に配置され、かつ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌合されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。内筒13の大径部13aにおいて、外筒12の大径部12aから下方に突出した部分には、その径方向の外側に向けて突出する環状の鍔部13dが形成されている。鍔部13dは、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ14の上端部内に配設され、装着キャップ14の上端部をその軸線回りに回転自在に係止する。鍔部13dは、装着キャップ14と容器体Aの口部A1における上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
【0103】
射出筒部11は、後端部が縦供給筒部10における上端部の前側に接続されている。射出筒部11の内部は、外筒12に形成された外側吐出孔16、および内筒13に形成された内側吐出孔17を通じて縦供給筒部10の内部に連通している。
【0104】
また、噴出器本体2は、射出筒部11に対して前方側から装着される閉塞部材20を備えている。閉塞部材20は、射出筒部11の前方開口部よりも前方側に位置し、前方開口部に対して対向配置された対向板部21と、対向板部21から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部22と、対向板部21から前方に向けて延びる第2筒部(第1装着部)23と、第2筒部23の内側に位置し、かつ対向板部21から前方に向けて延びる中央突部24と、を備えている。
なお、中央突部24は、第2筒部23よりも前方に突出することなく、第2筒部23の内側に収まるように形成されている。
【0105】
第2筒部23および中央突部24は、射出筒部11の中心軸線に対して下方に偏心した位置に配置されている。対向板部21のうち、中央突部24の上方に位置し、かつ第2筒部23の内側に位置する部分には、射出筒部11の前方開口部に連通する射出孔25が形成されている。これにより、第2筒部23の内部は、射出孔25を通じて射出筒部11の内部に連通している。
【0106】
内筒13の上端部の内側には、環状の上テーパ筒部38が配置されている。上テーパ筒部38は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。上テーパ筒部38の内側には、上テーパ筒部38の内周面に離反可能に着座する球状の吐出弁37が配置されている。吐出弁37は、内筒13内における上テーパ筒部38よりも上方に位置する空間と、上テーパ筒部38よりも下方に位置する空間と、の連通を遮断している。
【0107】
内筒13の内周面のうち上テーパ筒部38よりも下方に位置し、かつパイプ15の上端よりも上方に位置する部分には、内側に向けて突出する環状の下テーパ筒部35が形成されている。
この下テーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。下テーパ筒部35の内側には、下テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、下テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、下テーパ筒部35よりも下方に位置する空間とを連通および遮断する。
【0108】
外筒12において、射出筒部11よりも下方に位置する部分には、前方に向けて突出するシリンダ用筒部40が一体形成されている。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
【0109】
噴出器本体2は、射出筒部11から下方に向けて延び、前方付勢状態で後方に揺動自在に配置されたトリガー部51と、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストン52と、主ピストン52の移動に伴って内部が加圧および減圧する主シリンダ53と、トリガー部51を前方に付勢する弾性板部54と、縦供給筒部10、射出筒部11および後述する補助シリンダ90の全体を上方、後方および左右方向から覆うカバー体55と、をさらに備えている。
【0110】
また、上述した吐出弁37、吸込弁36、トリガー部51、主ピストン52、主シリンダ53および弾性板部54は、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部10内から射出筒部11内に導入させるとともに射出筒部11内から噴出孔4側に向けて射出させるトリガー機構50を構成する。
【0111】
主シリンダ53は、前方に向けて開口する外筒部60と、外筒部60の後方開口部を塞ぐ後壁部61と、後壁部61の中央部分から前方に向けて突設されるとともに前端が閉塞されたピストンガイド62と、を備えている。
【0112】
ピストンガイド62は、内部が後方に開口しており、この開口内にシリンダ用筒部40における後壁(外筒12の小径部12b)から前方に向けて突設された嵌合筒部241が嵌合されている。嵌合筒部241内は、ピストンガイド62の前端壁を貫通するガイド孔62aに、ピストンガイド62内を通じて連通している。さらに嵌合筒部241内は、外筒12の小径部12bの内周面に形成された連通溝41aを通じて、外筒12のフランジ部12cと内筒13のフランジ部13cとの間に画成された上記隙間S1に連通している。
【0113】
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
【0114】
外筒部60には、外筒部60の内側と上記隙間S2とを連通させる第1通気孔63が形成されている。外筒12のフランジ部12cには、上記隙間S2と、内筒13の大径部13aおよび装着キャップ14の内側と、を連通させる通気筒264が形成されている。通気筒264は、シリンダ用筒部40から下方に向けて延びている。内筒13のフランジ部13cには、通気筒264が挿通される第3通気孔65が形成されている。第3通気孔65は、上記隙間S1と、内筒13の大径部13aおよび装着キャップ14の内側と、を連通させる。
【0115】
主シリンダ53の後壁部61には、ピストンガイド62の上方に位置する部分に、前後方向に貫く第1貫通孔66が形成されている。図示の例では、後壁部61における第1貫通孔66の開口周縁部には、後方に向けて突出する筒部が形成されており、この筒部が、外筒12の小径部12bに形成された貫通孔内に嵌合されている。第1貫通孔66は、縦供給筒部10の内筒13に形成された第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁37と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁37と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。したがって、吐出弁37は、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、吸込弁36は、容器体A内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
【0116】
主ピストン52は、トリガー部51に連結される円柱状の連結部70と、連結部70よりも後方に位置し、連結部70よりも大径とされたピストン筒71と、を備え、全体として後方に開口した筒状に形成されている。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
【0117】
ピストン筒71は、後方に向けて開口し、かつ内部にピストンガイド62が挿入されるピストン本体部72と、ピストン本体部72の後端部からその径方向の外側に向けて突出し、かつ外筒部60の内周面に密に摺接する摺動筒部73と、を備えている。
【0118】
ピストン本体部72は、ピストンガイド62に密に嵌合されていて、図示の例では、ピストン本体部72の後端部は、ピストンガイド62に前後方向に摺動自在に嵌合されている。これにより、主シリンダ53内において、摺動筒部73よりも後側に位置する貯留室53a内に、縦供給筒部10内からの液体が導入される。なおピストン本体部72内は、ガイド孔62aを通じてピストンガイド62内に連通している。
【0119】
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
【0120】
主ピストン52の連結部70は、後述する連結軸86を介してトリガー部51に連結されている。これにより、主ピストン52は、トリガー部51とともに弾性板部54の付勢力によって前方に付勢されているとともに、トリガー部51の後方への移動に伴って後方に移動して主シリンダ53内に押し込まれる。
【0121】
また、トリガー部51が最前方揺動位置にあるときに、主ピストン52の摺動筒部73は第1通気孔63を閉塞している。そして、トリガー部51の後方への揺動によって主ピストン52が所定量だけ後方移動したときに、摺動筒部73が第1通気孔63を開放する。これにより、容器体Aの内部は、通気筒264内、上記隙間S2および第1通気孔63を通じて外部に連通する。
【0122】
トリガー部51は、左右方向から見た側面視で後方に向けて凹状に湾曲する前面を有する主板部材80と、主板部材80の左右の側縁部から後方に向けて起立する一対の側板部材81と、を備えている。
【0123】
一対の側板部材81の上端部には、射出筒部11の側方に至るまで上方に延出し、射出筒部11を左右方向から挟み込む一対の連結板82が形成されている。一対の連結板82には、左右方向の外側に向けて回転軸部83が突設されている。これら回転軸部83は、射出筒部11の上方を覆う上板部材84に設けられた軸受け部に回動可能に支持されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
【0124】
トリガー部51には、主板部材80を前後方向に貫通する開口部51aが形成されているとともに、開口部51aの周縁部から後方に向けて延びるように連結筒85が形成されている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
【0125】
なお、主ピストン52の連結部70は、連結軸86に対してその軸線回りに回動可能とされ、かつ上下方向で所定量だけ移動可能に連結されている。これにより、トリガー部51の前後方向への揺動に伴って、主ピストン52は前後移動可能とされている。
【0126】
射出筒部11の上面には、縦供給筒部10における外筒12の頂壁部12dに連結される水平板状の上記上板部材84が取り付けられている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。
弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
【0127】
一対の板ばねのうち、前側に位置する板ばねが主板ばね54aとされ、後側に位置する板ばねが副板ばね54bとされている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
【0128】
トリガー部51の主板部材80の上端部は、弾性板部54による付勢によって閉塞部材20の下端部に対して後方から当接している。これにより、トリガー部51は最前方揺動位置に位置決めされている。
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
【0129】
なお、係止片54dは、トリガー部51が後方に引かれた場合であっても、ポケット部81aから上方に抜け出しつつもトリガー部51が最後方揺動位置に至るまでポケット部81aへの係合状態を維持する。
【0130】
ノズル部材3は、主に噴出器本体2よりも前方かつ上方側に配置されている。図7に示すように、ノズル部材3は、噴出孔4が形成されたノズル体220と、前後方向に延在する補助シリンダ90と、ノズル体220と補助シリンダ90とを連結し、かつ噴出器本体2に装着される連結体230と、補助シリンダ90内に収容されたプランジャ91と、前後方向に延び補助シリンダ90に外装された外装筒192と、外装筒192から下方に延びる通路筒93と、を備えている。
【0131】
連結体230は、噴出器本体2の第2筒部23に装着された第3筒部(第2装着部)231と、第3筒部231から前方に突出する連絡筒部232と、連絡筒部232から上方に突出する分岐筒部233と、連絡筒部232の前端開口部を閉塞する被覆壁部134と、被覆壁部134から前方に突出する装着筒部(第4装着部)235と、を備えている。
【0132】
第3筒部231は、第2筒部23に外嵌されていて、連絡筒部232内は、第2筒部23内を通じて射出筒部11内に連通する通過空間236とされている。
被覆壁部134は、前後方向から見た正面視において上下方向に長い楕円形状に形成され、第3筒部231、連絡筒部232および分岐筒部233を前方から被覆している。被覆壁部134には、通過空間236と噴出孔4とを連通する連通孔237が形成されている。
連通孔237は、通過空間236の前端に直結されており、この通過空間236、第2筒部23内、および射出孔25を通して、射出筒部11の前端開口に向けて開口している。また、連通孔237と、射出筒部11の前端開口と、は前後方向に対向している。
【0133】
ノズル体220には、前後方向に延在し、かつ装着筒部235に外嵌する外嵌筒部(第3装着部)221と、外嵌筒部221の前端を閉塞するとともに中央に噴出孔4が形成されたノズル壁部222と、ノズル壁部222の後側に画成された蓄圧室223と、蓄圧室223に収容された蓄圧弁124および金属製のコイルスプリング225と、噴出孔4を前方から開閉自在に閉塞する蓋部226と、が備えられている。ノズル体220は、装着筒部235と外嵌筒部221との嵌合により、連結体230を介して補助シリンダ90に連結される。
ノズル体220の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されている。図示の例では、ノズル体220の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に外嵌可能に形成されている。
【0134】
蓄圧弁124は、コイルスプリング225により前方に付勢されて、噴出孔4を閉塞する。蓄圧弁124の後半部は小径ピストン部124aを形成し、蓄圧弁124の前半部は大径ピストン部124bを形成する。蓄圧弁124は、連通孔237から導入される液体の圧力を両ピストン部124a、124bに作用させる。この圧力が一定以上となると、両ピストン部124a、124bの径差により蓄圧弁124が後退し、噴出孔4を開放する。
蓋部226の上端部は、ノズル壁部222に、左右方向に延びる開閉軸回りに回転自在に装着されている。蓋部226は、前記開閉軸回りの前方に向けて回転することで、噴出孔4を開放する。
【0135】
補助シリンダ90は、射出筒部11の上方に配置され、前後方向に延びている。これにより、補助シリンダ90は射出筒部11に対して平行に配置されている。補助シリンダ90は、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びたシリンダ筒96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。
【0136】
前壁部95には、分岐筒部233に装着される供給筒部297が設けられている。供給筒部297は、前壁部95から前方に突出した後、下方に向けて屈曲した形状をなしていて、分岐筒部233内に嵌合されている。供給筒部297内は、射出筒部11内と補助シリンダ90内とを連通させる供給孔198とされている。供給孔198の流路断面積は、連通孔237の流路断面積よりも大きい。
通過空間236の流路断面積は、第2筒部23側の後方から連通孔237側の前方に向かうに従い漸次小さくなっている。通過空間236の前端における流路断面積は、連通孔237の流路断面積と同等になっている。
シリンダ筒96は、外装筒192を介して、噴出器本体2の上板部材84上に配置されており、縦供給筒部10よりも後方に突出している。
【0137】
外装筒192は、シリンダ筒96に外嵌された本体筒199と、本体筒199の後端開口部を閉塞する後壁部200と、後壁部200から前方に向けて突出しシリンダ筒96の後端部内に嵌合されたシール筒部203と、を備えている。後壁部200には、補助シリンダ90の内部と外部とを連通し、補助シリンダ90内に対して空気を出入りさせる空気孔202が形成されている。
【0138】
プランジャ191は、ロッド210と、ロッド210の前端部に嵌着される補助ピストン211と、を備え、補助シリンダ90内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されている。
ロッド210は、前後方向に延在し、かつ後方に開口した筒状に形成され、外周面にはその径方向の外側に向けて突出するフランジ部210aが形成されている。補助ピストン211は、前後方向に延在し、かつ後方に開口した筒状に形成され、その前後方向の両端部には、前後方向の外側に向かうに従い漸次、その径方向の外側に向けて延びるテーパ状をなし、シリンダ筒96の内周面に対して密に摺接するリップ部211aが形成されている。
【0139】
プランジャ191と外装筒192との間には、例えば金属製のコイルばね112が、前後方向に延在し、かつ前後方向に圧縮された状態で配置されている。
コイルばね112は、ロッド210を囲繞するように配置され、後端部が外装筒192の後壁部200に前方から当接し、前端部がロッド210のフランジ部210aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ191を前方に向けて付勢している。
【0140】
通路筒93は、縦供給筒部10と左右方向に並べられて配置されている。通路筒93は、上下方向に真直に延びるとともに、中心軸線O1に対して左右方向にずらされて配置されている。通路筒93の下端部は、図9に示されるように、外筒12のフランジ部12cに設けられた装着孔93a内に密に装着されていて、通路筒93内は、上記隙間S1および第3通気孔65を通じて、内筒13の大径部13a内および装着キャップ14内に連通している。なお図示の例では、装着孔93aは、フランジ部12cに立設された筒体93bの内部により構成されている。通路筒93の上端部は、外装筒192の本体筒199に連結され、通路筒93内の連通路116と外装筒192内とが連通している。
【0141】
そして本実施形態では、補助シリンダ90において、前壁部95から後方に離間した部分に、容器体A内に連通する回収通路213が開口している。回収通路213は、シリンダ筒96において、前壁部95から後方に離間した部分をその径方向に貫通する回収孔114と、回収孔114に連通し、シリンダ筒96の外周面と外装筒192の本体筒199の内周面との間に設けられた連通隙間115と、通路筒93内に設けられ連通隙間115と容器体A内とを連通する連通路116と、を備えている。回収孔114は、最前進位置のプランジャ191により、補助シリンダ90の内部から閉塞されている。なお最前進位置のプランジャ191は、前壁部95に対して後方から当接することで、補助シリンダ90内での更なる前進移動が規制されている。
【0142】
なお、ノズル部材3を噴出器本体2に装着する際には、連結体230を装着させた噴出器本体2に対して、補助シリンダ90が装着された外装筒192を上方から組み付ける。このとき、分岐筒部233内に供給筒部297を嵌合させながら、装着孔93a内に通路筒93を嵌合させる。その結果、噴出器本体2にノズル体220を、連結体230を介して前方から組み付けるのに加え、このようにして互いに組み付けられた噴出器本体2およびノズル体220に対して、補助シリンダ90および外装筒192を上方から組み付けることで、ノズル部材3を噴出器本体2に装着することが可能になり、組み付け作業の簡便化を図ることができる。
【0143】
(トリガー式液体噴出器の作用)
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器250を使用する場合について説明する。
なお、蓋部226が開かれて噴出孔4が開放され、かつトリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器250の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
【0144】
トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方移動に伴って主ピストン52が後退するので、主シリンダ53内(貯留室53a内)の液体を、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて縦供給筒部10の内筒13に導入することができる。すると、内筒13に導入された液体は、吸込弁36を押し下げて閉弁させるとともに、吐出弁37を押し上げて開弁させるので、内側吐出孔17および外側吐出孔16を通じて射出筒部11内に導入することができる。
【0145】
これにより、射出筒部11の内圧が上昇するので、射出筒部11内の液体を、射出孔25を通じて第2筒部23の内部に導入させ、さらに通過空間236および供給孔198を通じて補助シリンダ90内に導入することができる。そして、プランジャ191を最前進位置からコイルばね112の付勢力に抗して後方に移動させることができる。またこのとき、射出筒部11内の液体を、通過空間236、連通孔237および蓄圧室223を通じて噴出孔4に導き、噴出孔4から前方に向けて液体を噴射させることができ、これと同時にプランジャ191を後方に向けて移動させることができる。
【0146】
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができるとともに、プランジャ191を後方に移動させて、補助シリンダ90内に液体を溜めることができる。
【0147】
そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰するので、これに伴って主ピストン52が前方移動する。そのため、主シリンダ53内(貯留室53a内)に負圧が生じ、この負圧によってパイプ15を通じて容器体A内の液体を縦供給筒部10に吸い上げることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。
【0148】
このとき、主シリンダ53内(貯留室53a内)の液体の、縦供給筒部10を通じた射出筒部11への供給が停止され、その結果、射出筒部11から通過空間236への液体の供給は停止するため、従来のトリガー式液体噴出器のような構成では、液体の噴出が停止する。しかしながら、このトリガー式液体噴出器250では、コイルばね112の弾性復元力によってプランジャ191が最前進位置に向けて前方移動しはじめる。これにより、補助シリンダ90内に溜まった液体を、供給孔198、通過空間236、連通孔237および蓄圧室223を通じて噴出孔4に導き、噴出孔4を通じて前方に液体を噴射させることができる。なおこのとき、仮に補助シリンダ90内の液体が、通過空間236から縦供給筒部10側に逆流しようとしても、液体が吐出弁37を押し下げて閉弁させることで、この逆流を規制することができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
【0149】
なお、プランジャ191の前進時、再びトリガー部51を引く操作を行わない限り、プランジャ191は最前進位置まで移動するが、その前にトリガー部51を引く操作を繰り返し行っても良い。
この場合、プランジャ191は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。そして、プランジャ191を最後退位置まで移動させることで、プランジャ191が最後退位置から最前進位置に移動するまでの長時間に亘って、液体を連続噴射することができる。
【0150】
ここでプランジャ191が、補助シリンダ90において回収通路213が開口する部分よりも後側にまで後退すると、補助シリンダ90内のうち液体の溜められた空間が、回収通路213を通して容器体A内に連通する。この際、射出筒部11内の液体がさらに補助シリンダ90内に導入されたとしても、この液体を、回収通路213を通して容器体A内に戻すことができる。これにより、補助シリンダ90内の圧力が過度に上昇することを防いで、破損等の不具合が生じることを防止することができる。そのため、使い勝手が良く、液体の連続噴射を安心して行うことができる。
【0151】
なおこのように、プランジャ191が、補助シリンダ90において回収通路213が開口する部分よりも後側にまで後退した状態では、補助シリンダ90内に液体が導入されても、この液体が回収通路213を通して容器体A内に戻されることにより、プランジャ191は、補助シリンダ90に対して前後方向の同等の位置に位置し続ける。これにより、プランジャ191の更なる後退が実質的に規制され、プランジャ191を、外装筒192の後壁部200から前方に離間したままの状態に維持できる。
【0152】
また、ノズル体220の外嵌筒部221が、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されているので、ノズル部材3が、補助シリンダ90、プランジャ191、第3筒部231、および装着筒部235等を有さず、ノズル体220のみを有し、かつノズル体220の外嵌筒部221が噴出器本体2の第2筒部23に装着されてなる既存の構成のトリガー式液体噴出器を、設計変更せずに、そのまま流用することができる。
【0153】
また、連通孔237が、射出筒部11の前端開口に向けて開口しているので、トリガー部51を後方に引いたときに、射出筒部11内からの液体の一部を、供給孔198および補助シリンダ90内を通さず、連通孔237を通して直接噴出孔4に到達させることが可能になり、補助シリンダ90内に液体が溜められる前であっても、安定して液体を噴射することができる。
【0154】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0155】
前記第3実施形態では、連通路116が、隙間S1および第3通気孔65を通じて、内筒13の大径部13a内および装着キャップ14内に連通し、その結果、容器体A内に連通しているが、本発明はこれに限られない。例えば、連通路116が、縦供給筒部10のうち、吸込弁36よりも下側に位置する部分内に開口していて、縦供給筒部10およびパイプ15を通して容器体A内に連通していてもよい。
【0156】
前記第3実施形態において、例えばトリガー部51の操作をロックする機構や、噴出孔4の前方に液体の噴射形態(例えば霧状、泡状等)を切り換えるための切換部材をさらに設けても構わない。例えば、トリガー部51の操作をロックする機構として、噴出孔4が蓋部226により閉塞されている状態では、操作をロックし、噴出孔4が蓋部226から開放されている状態では、操作を許容するような構成を採用することができる。
【0157】
前記第3実施形態では、ノズル部材3が、連結体230を備え、補助シリンダ90内が、供給孔198および通過空間236を通して連通孔237に連通しているが、本発明はこれに限られない。
例えば、補助シリンダ90内を、供給孔198を通じて射出筒部11内に連通させつつも、連通孔237を補助シリンダ90の前壁部95に設けることで、補助シリンダ90内を連通孔237に供給孔198を通さずに直接連通させてもよい。このように、ノズル部材3に、射出筒部11内および補助シリンダ90内と、噴出孔4と、を連通する連通孔237が形成された他の形態に適宜変更することが可能である。例えば、ノズル部材が、前後方向に延びるとともに、供給孔を通じて内部が射出筒部内に連通し、かつ前壁部に噴出孔に連通する連通孔が形成されたシリンダと、シリンダ内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されたピストンと、噴出器本体に装着される装着体と、を備え、ピストンが、連通孔を開放自在に閉塞している構成を採用することができる。
【0158】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0159】
(第4実施形態)
次に、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第4実施形態について説明する。
【0160】
図11に示されるように、本実施形態のトリガー式液体噴出器350は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体2と、噴出孔4が形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材3と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器350の各構成は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
【0161】
ここで、本実施形態では、縦供給筒部10の中心軸線を軸線O1とし、この軸線O1に沿って容器体A側を下側、その反対側を上側という。また、軸線O1に直交する一方向を前後方向といい、軸線O1方向および前後方向の双方向に直交する方向を左右方向という。
【0162】
噴出器本体2は、上下方向に延在する上記縦供給筒部10と、縦供給筒部10から前後方向に沿って延設され、内側が縦供給筒部10の内部に連通した射出筒部11と、を備え、左右方向から見た側面視でL字状に形成されている。
なお、前後方向のうち、縦供給筒部10から射出筒部11が延びる方向を前側或いは前方とし、その反対方向を後側或いは後方という。
【0163】
縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌合される内筒13と、を備えている。
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aよりも縮径した小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結するフランジ部12cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。なお、小径部12bの上端開口部は頂壁部12dによって塞がれている。
【0164】
内筒13は、大径部13aと、大径部13aの上方に配置され、かつ大径部13aよりも縮径した小径部13bと、大径部13aの上端部と小径部13bの下端部とを連結するフランジ部13cと、を備え、下方から上方に向けて縮径した二段筒状に形成されている。
【0165】
内筒13の小径部13b内には、容器体A内に配置され、かつ容器体Aの図示しない底部に下端開口が位置するパイプ15の上部が嵌合されている。内筒13のフランジ部13cは、外筒12のフランジ部12cとの間に隙間S1を確保した状態で、外筒12のフランジ部12cよりも下方に位置している。内筒13の大径部13aにおいて、外筒12の大径部12aから下方に突出した部分には、その径方向の外側に向けて突出する環状の鍔部13dが形成されている。鍔部13dは、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ14の上端部内に配設され、装着キャップ14の上端部をその軸線回りに回転自在に係止する。鍔部13dは、装着キャップ14と容器体Aの口部A1における上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。
なお、外筒12および内筒13で構成される縦供給筒部10の軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方側に偏心している。
【0166】
射出筒部11は、後端部が縦供給筒部10における上端部の前側に接続されている。射出筒部11の内部は、外筒12に形成された外側吐出孔16、および内筒13に形成された内側吐出孔17を通じて縦供給筒部10の内部に連通している。
【0167】
内筒13の上端部側の内側には、上下方向に弾性変形可能に形成された吐出弁30が配置されている。
吐出弁30は、内筒13内に嵌合され、外筒12における頂壁部12dの下面に当接するベース部31と、ベース部31の下方に配置され、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から当接する弁体33と、ベース部31および弁体33を上下に連結する中空ばね部34と、を備えている。
【0168】
弁体33は、中空ばね部34によって上方から押圧されており、弁座32に対して密接している。これにより弁体33は、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、の連通を遮断している。
なお、弁体33は中空ばね部34の付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内における弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間とを連通させる。
【0169】
内筒13の内周面のうち弁座32よりも下方に位置し、かつパイプ15の上端よりも上方に位置する部分には、内側に向けて突出する環状のテーパ筒部35が形成されている。
このテーパ筒部35は、下方に向かうにしたがって漸次縮径している。テーパ筒部35の内側には、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座する球状の吸込弁36が配置されている。吸込弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通および遮断する。
【0170】
外筒12において、射出筒部11よりも下方に位置する部分には、前方に向けて突出するシリンダ用筒部40が一体形成されている。
シリンダ用筒部40は、前方に向けて開口しているとともに、部分的に外筒12におけるフランジ部12cと一体形成されている。
【0171】
噴出器本体2は、射出筒部11から下方に向けて延び、前方付勢状態で後方に揺動自在に配置されたトリガー部51と、トリガー部51の揺動に連動して前後方向に移動する主ピストン52と、主ピストン52の移動に伴って内部が加圧および減圧する主シリンダ53と、トリガー部51を前方に付勢する弾性板部54と、縦供給筒部10、射出筒部11および後述する補助シリンダ90の全体を上方、後方および左右方向から覆うカバー体55と、をさらに備えている。
【0172】
また、上述した吐出弁30、吸込弁36、トリガー部51、主ピストン52、主シリンダ53および弾性板部54は、トリガー部51の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部10内から射出筒部11内に導入させるとともに射出筒部11内から噴出孔4側に射出させるトリガー機構50を構成する。
【0173】
主シリンダ53は、前方に向けて開口する外筒部60と、外筒部60の後方開口部を塞ぐ後壁部61と、後壁部61の中央部分から前方に向けて突設されるとともに前端が閉塞されたピストンガイド62と、を備えている。
【0174】
ピストンガイド62は、内側が後方に開口しており、この開口内にシリンダ用筒部40における後壁(外筒12の小径部12b)から前方に向けて突設された嵌合突部41が嵌合されている。
外筒部60は、シリンダ用筒部40の内側に嵌合されている。シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面とは、前後方向の両端部において密接している。その一方、シリンダ用筒部40の内周面と外筒部60の外周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が確保されている。
【0175】
外筒部60には、外筒部60の内側と上記隙間S2とを連通させる第1通気孔63が形成されている。外筒12のフランジ部12cには、上記隙間S2と、外筒12のフランジ部12cと内筒13のフランジ部13cとの間に画成された隙間S1と、を連通させる第2通気孔64が形成されている。さらに、内筒13のフランジ部13cには、上記隙間S1と、内筒13の大径部13aおよび装着キャップ14の内側と、を連通させる第3通気孔65が形成されている。
【0176】
主シリンダ53の後壁部61には、ピストンガイド62の上方に位置する部分に、前後方向に貫く第1貫通孔66が形成されている。図示の例では、後壁部61における第1貫通孔66の開口周縁部には、後方に向けて突出する筒部が形成されており、この筒部が、外筒12の小径部12bに形成された貫通孔内に嵌合されている。第1貫通孔66は、縦供給筒部10の内筒13に形成された第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。
これにより、主シリンダ53の内側は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて、内筒13内のうち、吐出弁30と吸込弁36との間に位置する空間に連通している。したがって、吐出弁30は、射出筒部11内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替え、吸込弁36は、容器体A内と主シリンダ53内との連通およびその遮断を切替える。
【0177】
主ピストン52は、トリガー部51に連結される円柱状の連結部70と、連結部70よりも後方に位置し、連結部70よりも大径とされたピストン筒71と、を備え、全体として後方に開口した筒状に形成されている。
なお、主シリンダ53および主ピストン52は、前後方向に沿って延びる図示しない共通の軸線上に配置されている。
【0178】
ピストン筒71は、後方に向けて開口し、かつ内部にピストンガイド62が挿入されるピストン本体部72と、ピストン本体部72の後端部からその径方向の外側に向けて突出し、かつ外筒部60の内周面に密に摺接する摺動筒部73と、を備えている。
【0179】
ピストン本体部72は、内径がピストンガイド62の外径よりも大きく形成されている。図示の例では、ピストン本体部72の内周面とピストンガイド62の外周面との間には若干の隙間があいている。
摺動筒部73は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、前後方向の両端部に位置するリップ部73aが外筒部60の内周面に対して摺接する。
【0180】
主ピストン52の連結部70は、後述する連結軸86を介してトリガー部51に連結されている。これにより、主ピストン52は、トリガー部51とともに弾性板部54の付勢力によって前方に付勢されているとともに、トリガー部51の後方への移動に伴って後方に移動して主シリンダ53内に押し込まれる。
【0181】
また、トリガー部51が最前方揺動位置にあるときに、主ピストン52の摺動筒部73は第1通気孔63を閉塞している。そして、トリガー部51の後方への揺動によって主ピストン52が所定量だけ後方移動したときに、摺動筒部73が第1通気孔63を開放する。これにより、容器体Aの内部は、第3通気孔65、第2通気孔64および第1通気孔63を通じて外部に連通する。
【0182】
トリガー部51は、左右方向から見た側面視で後方に向けて凹状に湾曲する前面を有する主板部材80と、主板部材80の左右の側縁部から後方に向けて起立する一対の側板部材81と、を備えている。
【0183】
一対の側板部材81の上端部には、射出筒部11の側方に至るまで上方に延出し、射出筒部11を左右方向から挟み込む一対の連結板82が形成されている。一対の連結板82には、左右方向の外側に向けて回転軸部83が突設されている。これら回転軸部83は、射出筒部11の上方を覆う上板部材84に設けられた軸受け部に回動可能に支持されている。
これにより、トリガー部51は、回転軸部83を中心に前後方向に揺動可能とされている。
【0184】
トリガー部51には、主板部材80を前後方向に貫通する開口部51aが形成されているとともに、開口部51aの周縁部から後方に向けて延びるように連結筒85が形成されている。
連結筒85の内周面のうち後方側に位置する部分には、連結筒85の内側に向けて左右方向に沿って突出した一対の連結軸86が形成されている。これら連結軸86は、主ピストン52の連結部70に形成された連結孔内に挿入されている。これにより、トリガー部51と主ピストン52とは、互いに連結されている。
【0185】
なお、主ピストン52の連結部70は、連結軸86に対してその軸線回りに回動可能とされ、かつ上下方向で所定量だけ移動可能に連結されている。これにより、トリガー部51の前後方向への揺動に伴って、主ピストン52は前後移動可能とされている。
【0186】
射出筒部11の上面には、縦供給筒部10における外筒12の頂壁部12dに連結される水平板状の上記上板部材84が取り付けられている。
上板部材84の左右両側には、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状に形成され、かつ射出筒部11の下方まで延びる上記弾性板部54がそれぞれ一体的に形成されている。弾性板部54は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状に形成され、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
【0187】
一対の板ばねのうち、前側に位置する板ばねが主板ばね54aとされ、後側に位置する板ばねが副板ばね54bとされている。
これら主板ばね54aおよび副板ばね54bの下端部は、円弧状の折返し部54cを介して一体的に接続されている。折返し部54cには、下方に向けて係止片54dが突設されており、この係止片54dがトリガー部51における側板部材81に形成されたポケット部81aに上方から差し込まれて係合している。
これにより、弾性板部54は、係止片54dおよびポケット部81aを介してトリガー部51を前方に向けて付勢している。
【0188】
なお、最前方揺動位置からトリガー部51が後方に引かれると、弾性板部54が係止片54dを介して折返し部54cを後方に移動させるように弾性変形する。このとき、弾性板部54は、主板ばね54aよりも副板ばね54bが大きく弾性変形する。
【0189】
なお、係止片54dは、トリガー部51が後方に引かれた場合であっても、ポケット部81aから上方に抜け出しつつもトリガー部51が最後方揺動位置に至るまでポケット部81aへの係合状態を維持する。
【0190】
さらに噴出器本体2は、射出筒部11に対して前方側から装着される閉塞部材20を備えている。閉塞部材20は、射出筒部11の前方開口部よりも前方側に位置し、前方開口部に対して対向配置された対向板部21と、対向板部21から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された第1筒部22と、対向板部21から前方に向けて延びる第2筒部(第1装着部)23と、第2筒部23の内側に位置し、かつ対向板部21から前方に向けて延びる中央突部24と、を備えている。
なお、中央突部24は、第2筒部23よりも前方に突出することなく、第2筒部23の内側に収まるように形成されている。
また、閉塞部材20の下端部が、トリガー部51の主板部材80の上端部に対して前方から当接することで、トリガー部51を最前方揺動位置に位置決めしている。
【0191】
第2筒部23および中央突部24は、射出筒部11の中心軸線に対して下方に偏心した位置に配置されている。対向板部21のうち、中央突部24の上方に位置し、かつ第2筒部23の内側に位置する部分には、射出筒部11の前方開口部に連通する射出孔25が形成されている。これにより、第2筒部23の内部は、射出孔25を通じて射出筒部11の内部に連通している。
【0192】
ノズル部材3は、主に噴出器本体2よりも前方かつ上方側に配置されている。
ノズル部材3は、噴出孔4が形成されたノズル体152と、前後方向に延在する補助シリンダ90と、補助シリンダ90内に収容されたプランジャ91と、を備えている。
【0193】
補助シリンダ90は、射出筒部11の上方に配置され、前後方向に延びている。これにより、補助シリンダ90は射出筒部11に対して平行に配置されている。
補助シリンダ90は、前壁部95と、前壁部95から後方に向けて延びたシリンダ筒96と、を備え、後方に開口した筒状に形成されている。前壁部95は、シリンダ筒96から下方に向けて突出しており、ノズル部材3を前方側から見た正面視で、左右方向よりも上下方向に長く形成されている。
【0194】
シリンダ筒96は、噴出器本体2における上板部材84上に配置されており、縦供給筒部10よりも後方に突出している。シリンダ筒96の後端部には、キャップ197が装着されている。
キャップ197は、シリンダ筒96の内側に嵌合されたキャップ内筒197aと、キャップ内筒197aの後端部からその径方向の外側に向けて突出し、シリンダ筒96の後端縁に後方から係止される係止リング197bと、キャップ内筒197aの前方開口部を塞ぐ前壁部197cと、を備えている。前壁部197cの中央部には、補助シリンダ90の内部と外部とを連通し、補助シリンダ90内の空気を出入りさせる空気孔197dが形成されている。
【0195】
プランジャ191は、ロッド110と、ロッド110の前端部に嵌着される補助ピストン111と、を備え、補助シリンダ90内に前方付勢状態で後方移動可能に収容されている。
ロッド110は、後方に開口した筒状に形成され、外周面にはシリンダ筒96の内周面に向けて突出する拡径ガイド部110aが形成されている。
補助ピストン111は、前後方向の中央部から前方および後方に向かうにしたがって漸次拡径するテーパ状に形成され、その前後方向の両端部が、シリンダ筒96の内周面に対して密に摺接するリップ部111aとなっている。
【0196】
プランジャ91とキャップ197との間には、例えば金属製のコイルばね112が、前後方向に延在し、かつ前後方向に圧縮された状態で配置されている。
コイルばね112は、ロッド110を囲繞するように配置され、後端部がキャップ197のキャップ内筒197aに前方から当接し、前端部が拡径ガイド部110aに後方から当接する。これにより、コイルばね112は、補助シリンダ90内においてプランジャ91を前方に向けて付勢している。
なお、プランジャ91が補助シリンダ90に対して最前進位置に位置して、補助ピストン111の前端面が、前壁部95の後面に当接している状態で、補助シリンダ90内には液体がほとんど収容されていない。
【0197】
補助シリンダ90の前壁部95は、前後方向から見た正面視において上下方向に長い楕円形状に形成され、噴出器本体2の閉塞部材20を前方から被覆している。前壁部95には、後方に向けて突出し、噴出器本体2の第2筒部23に装着される第3筒部(第2装着部)231と、第3筒部231の軸線に対して上方にずれた位置から前方に向けて突出する支持軸部182と、支持軸部182をその径方向の外側から囲む装着筒部(第4装着部)235と、が形成されている。
【0198】
ノズル体152は、前壁部95の装着筒部235に装着される。ノズル体152は、前壁部95よりも前方に配置され、噴出孔4が形成されたノズル壁部170と、ノズル壁部170から後方に向けて延び、装着筒部235に対して前方から外嵌される外嵌筒部(第3装着部)221と、を備えている。外嵌筒部221が、装着筒部235に装着されることで、ノズル体152と補助シリンダ90とが連結される。
なお、外嵌筒部221は、装着筒部235に対して前方に抜け止めがされた状態で回転可能に装着されている。つまり、ノズル体152は装着筒部235の軸線回りに回転可能とされている。
ノズル体152の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されている。図示の例では、ノズル体152の外嵌筒部221は、噴出器本体2の第2筒部23に外嵌可能に形成されている。
【0199】
ノズル壁部170のうち外嵌筒部221の内側に位置する部分には、前壁部95の支持軸部182に対して回転可能に外嵌する被支持筒部172が後方に向けて突設されている。被支持筒部172の内周面には、前後方向に沿って延びる第1凹溝172aが形成されている。
ノズル体152の前側には、液体の噴出形態を霧状および泡状等に切り替えるためのノズル板175が、左右方向に延びる軸部176回りに開閉可能に取り付けられている。ノズル壁部170の後面のうち、被支持筒部172の内側に位置する部分には、旋回路12eが凹状に形成されている。
【0200】
支持軸部182の外周面における前端部には、第1凹溝172aと旋回路12eとを連通可能な第2凹溝182aが形成されている。第1凹溝172aと第2凹溝182aとは、ノズル体152の、支持軸部182回りに沿う所定の回転位置で連通し、それ以外の回転位置で非連通状態となる。
なお、被支持筒部172と外嵌筒部221との間には、装着筒部235の内側に密接するシール筒部178が設けられている。
【0201】
装着筒部235と、ノズル体152の被支持筒部172と、の間には、筒状の通過空間183が形成されている。通過空間183は、上述した第1凹溝172aおよび第2凹溝182aが互いに連通したときに、第1凹溝172a、第2凹溝182aおよび旋回路12eを通じて噴出孔4に連通する。
【0202】
前壁部95のうち支持軸部182の下方に位置する部分には、通過空間183と、噴出器本体2における第2筒部23の内側と、を連通する第1連通孔185が形成されている。これにより、射出筒部11の内部と噴出孔4とは、射出孔25、第2筒部162の内側、第1連通孔185、通過空間183、第1凹溝172a、第2凹溝182aおよび旋回路12eを通じて連通する。
なお、第1連通孔185および通過空間183の各流路断面積は、第1凹溝172aおよび第2凹溝182aからなる導入路186の流路断面積よりも大きい。
【0203】
さらに、前壁部95のうち支持軸部182の上方に位置する部分には、通過空間183と補助シリンダ90内とを連通する供給孔187が形成されている。これにより、補助シリンダ90の内部と噴出孔4とは、供給孔187、通過空間183、導入路186および旋回路12eを通じて連通する。
したがって、通過空間183、導入路186および旋回路12eは、射出筒部11内および補助シリンダ90内と、噴出孔4と、を連通する連通孔190として機能する。連通孔190は、第1連通孔185、第2筒部23内および射出孔25を通して、射出筒部11の前端開口に向けて開口している。連通孔190は、供給孔187の前側に位置し、供給孔187の前端開口に向けて開口している。そして、連通孔190のうち、後端部に位置する通過空間183の流路断面積が、これよりも噴出孔4側の前側に位置する導入路186の流路断面積よりも大きくなっている。
なお、供給孔187の流路断面積は、導入路186の流路断面積よりも大きい。また、連通孔190の通過空間183は、第1連通孔185および供給孔187の各前端に直結されている。また、連通孔190と、射出筒部11の前端開口と、は前後方向に対向している。
【0204】
(トリガー式液体噴出器の作用)
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器350を使用する場合について説明する。
なお、トリガー部51の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器350の各部内に液体が充填され、縦供給筒部10から液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
【0205】
トリガー部51を弾性板部54の付勢力に抗して後方に引くと、トリガー部51の後方移動に伴って主ピストン52が後退するので、主シリンダ53内の液体を、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて縦供給筒部10の内筒13に導入することができる。すると、内筒13に導入された液体は、吸込弁36を押し下げて閉弁させるとともに、吐出弁30を押し上げて開弁させるので、内側吐出孔17および外側吐出孔16を通じて射出筒部11内に液体を導入することができる。
【0206】
これにより、射出筒部11の内圧が上昇するので、射出筒部11内の液体を、射出孔25、第2筒部23の内側、第1連通孔185、通過空間183、導入路186および旋回路12eを通じて噴出孔4から前方に向けて噴射することができる。
この際、供給孔187の流路面積が、導入路186の流路面積よりも大きいので、通過空間183に導入された液体を、供給孔187を通じて補助シリンダ90内に導入することもできる。これにより、プランジャ91を最前進位置からコイルばね112の付勢力に抗して後方に移動させることができる。
【0207】
したがって、トリガー部51を後方に引く操作を行う毎に、液体を噴出孔4から噴射させることができるとともに、プランジャ91を後方に移動させて、補助シリンダ90内に液体を溜めることができる。
【0208】
そして、トリガー部51を引く操作を止めて該トリガー部51を解放すると、弾性板部54の弾性復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰するので、これに伴って主ピストン52が前方移動する。そのため、主シリンダ53内に負圧が生じ、この負圧によってパイプ15を通じて容器体A内の液体を縦供給筒部10に吸い上げることができる。
すると、新たに吸い上げられた液体は、吸込弁36を押し上げて開弁させ、主シリンダ53内に導入される。これにより、次の噴射に備えることができる。なお、吐出弁30は閉弁している。
【0209】
このとき、射出筒部11から補助シリンダ90内への液体の供給は停止するものの、コイルばね112の弾性復元力によってプランジャ91が最前進位置に向けて前方移動しはじめる。これにより、補助シリンダ90内に溜まった液体を、供給孔187、通過空間183、導入路186、および旋回路12eを通じて噴出孔4に導き、噴出孔4を通じて前方に液体を噴射させることができる。
このように、トリガー部51を後方に引く操作を行ったときだけでなく、トリガー部51を操作しない場合であっても液体を噴射させることができ、液体の連続噴射を行うことができる。
【0210】
なお、プランジャ91の前進時、再びトリガー部51を引く操作を行わない限り、プランジャ91は最前進位置まで移動するが、その前にトリガー部51を引く操作を繰り返し行っても良い。
この場合、プランジャ91は、後退と前進とを繰り返しながらも、全体としては徐々に後方に移動する。これにより、補助シリンダ90内に徐々に液体を溜めることができる。
【0211】
また、補助シリンダ90が、射出筒部11の上方に配置され、かつ射出筒部11と平行に配置されているので、補助シリンダ90が射出筒部11と前後に連なるように配置される場合に比べて、トリガー式液体噴出器1の全長を短くして小型化を図りつつ、プランジャ91のストロークを確保して長時間の連続噴射を行い易い。
【0212】
また、ノズル体152の外嵌筒部221が、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されているので、ノズル部材3が、補助シリンダ90、プランジャ91、第3筒部231、および装着筒部235等を有さず、ノズル体152のみを有し、かつノズル体152の外嵌筒部221が噴出器本体2の第2筒部23に装着されてなる既存の構成のトリガー式液体噴出器を、設計変更せずに、そのまま流用することができる。
【0213】
また、連通孔190が、射出筒部11の前端開口に向けて開口しているので、トリガー部51を後方に引いたときに、射出筒部11内からの液体の一部を、供給孔187および補助シリンダ90内を通さず、連通孔190を通して直接噴出孔4に到達させることが可能になり、補助シリンダ90内に液体が溜められる前であっても、安定して液体を噴射することができる。
【0214】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0215】
例えば、前記第1実施形態の作動部材130と前記第3実施形態の回収通路213とが併用されたトリガー式液体噴出器としてもよい。
また、前記第1実施形態および前記第2実施形態に対して、前記第3実施形態および前記第4実施形態と同様の、噴出器本体2が、射出筒部11の前端部に配置された第2筒部(第1装着部)23を備え、ノズル部材3が、第2筒部23に装着される第3筒部(第2装着部)231と、噴出孔4が形成されたノズル体220、152と、ノズル体220、152に備えられた外嵌筒部(第3装着部)221が装着されることでノズル体220、152と補助シリンダ90とが連結される装着筒部(第4装着部)235と、を備え、ノズル体220、152の外嵌筒部221が、噴出器本体2の第2筒部23に装着可能に形成されてなる構成を適用してもよい。
前記第3実施形態において、ノズル体220に代えて、前記第4実施形態に係るノズル体152を採用してもよい。
前記第1実施形態および前記第2実施形態において、前記第3実施形態および前記第4実施形態のノズル体220、152を適用してもよい。
【0216】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記各実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0217】
1、150、250、350…トリガー式液体噴出器
2…噴出器本体
3…ノズル部材
4…噴出孔
10…縦供給筒部
11…射出筒部
23…第2筒部(第1装着部)
50…トリガー機構
51…トリガー部
90…補助シリンダ
91、191…プランジャ
95a、129、187、198…供給孔
104、190、237…連通孔
110b…被係止部
130…作動部材
133…規制部
137…環状壁(係止部)
152、220…ノズル体
213…回収通路
221…外嵌筒部(第3装着部)
231…第3筒部(第2装着部)
235…装着筒部(第4装着部)
図1
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