(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-2215(P2016-2215A)
(43)【公開日】2016年1月12日
(54)【発明の名称】ランドセルハンガー
(51)【国際特許分類】
A45C 3/02 20060101AFI20151208BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20151208BHJP
【FI】
A45C3/02 Z
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-123839(P2014-123839)
(22)【出願日】2014年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】505455978
【氏名又は名称】コイズミファニテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(72)【発明者】
【氏名】亀井 博樹
【テーマコード(参考)】
3B045
3B053
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B053NQ08
3B053NQ09
3B053NQ10
(57)【要約】
【課題】掛けたランドセルを傾かない状態で下げることのできるランドセルハンガーを提供すること。
【解決手段】取付面に当接される基板15および、基板15の相対向する上下辺から基板15に対して直交方向に前方へ延設された上支持板16および下支持板17を有する固定部11と、上支持板16の先端辺に中央部が固着支持され、左右方向へ水平に伸び出た上アーム12と、下支持板17の先端辺に中央部が固着支持され、左右方向へ水平に、上アーム12に平行に伸び出た下アーム13と、上アーム12の中央部に下端が固着され、上方へ伸び出すように突設されたランドセル1の掛け金具2を掛けるためのフック14を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドセルを掛けるためのハンガーであって、
取付面に当接される基板および、前記基板の相対向する上下辺から基板に対して直交方向に前方へ延設された上支持板および下支持板を有する固定部と、
前記上支持板の先端辺に中央部が固着支持され、左右方向へ水平に伸び出た上アームと、
前記下支持板の先端辺に中央部が固着支持され、左右方向へ水平に、前記上アームに平行に伸び出た下アームと、
前記上アームの中央部に下端が固着され、上方へ伸び出すように突設されたランドセルの掛け金具を掛けるためのフックと、
を含むことを特徴とする、ランドセルハンガー。
【請求項2】
前記上アームおよび下アームは、その左右両端部が後方にゆるく湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載のランドセルハンガー。
【請求項3】
前記固定部の基板には、取付ビスが挿入される取付孔が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のランドセルハンガー。
【請求項4】
前記上アームおよび下アームは、その左右両端部が、互いに繋がっていることを特徴とする、請求項1に記載のランドセルハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、学童用の机の側方等に取り付けられ、学童の使用するランドセルを掛けるためのハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
ランドセルを掛けるためのフック(ランドセル用フック)の一例は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1310084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のランドセル用フックを、たとえば学童用机の側方に取付け、当該フックにランドセルを掛けた場合、ランドセル全体がフックを中心に斜めに傾き、ランドセルの下方が机の下に入り込むという課題がある。
ランドセルの下方等が机の下に入り込むと、着席した学童が足を机の下に入れる際に邪魔になる。(
図10を参照)
より具体的に説明する。従来のランドセル用フックは、側面が脚板で塞がれているような机や、壁面などに取り付けた場合は、当該ランドセル用フックにランドセルを掛けたとき、掛けたランドセルの下方部は脚板や壁面に当たって支持されるから、ランドセルがフックを中心に傾いたりせず、ランドセルを整列状態で掛けることができる。
【0005】
しかし、従来のランドセル用フックを、側面に壁面を有さない机の上方側部に取り付けた場合は、
図10に示すように、掛けたランドセルが傾いた状態になり、学童が机の下へ足を出し入れする邪魔になるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、掛けたランドセルを傾かない状態で吊り下げることのできるランドセルハンガーを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ランドセルを掛けるためのハンガーであって、取付面に当接される基板および、前記基板の相対向する上下辺から基板に対して直交方向に前方へ延設された上支持板および下支持板を有する固定部と、前記上支持板の先端辺に中央部が固着支持され、左右方向へ水平に伸び出た上アームと、前記下支持板の先端辺に中央部が固着支持され、左右方向へ水平に、前記上アームに平行に伸び出た下アームと、前記上アームの中央部に下端が固着され、上方へ伸び出すように突設されたランドセルの掛け金具を掛けるためのフックと、を含むことを特徴とする、ランドセルハンガーである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記上アームおよび下アームは、その左右両端部が後方にゆるく湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載のランドセルハンガーである。
請求項3記載の発明は、前記固定部の基板には、取付ビスが挿入される取付孔が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のランドセルハンガーである。
請求項4記載の発明は、前記上アームおよび下アームは、その左右両端部が、互いに繋がっていることを特徴とする、請求項1に記載のランドセルハンガーである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ランドセルハンガーにランドセルを掛けたとき、ランドセルが大きく傾くことはなく、ランドセルが机の下へ入り込むことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係るランドセルハンガー10の正面図である。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に係るランドセルハンガー10の平面図である。
【
図3】
図3は、この発明の一実施形態に係るランドセルハンガー10の右側面図である。
【
図4】
図4は、後方から前方に見た状態のこの実施形態に係るランドセルハンガー10に、ランドセル1を掛けた状態を示す図解図である。
【
図5】
図5は、この発明の一実施形態に係るランドセルハンガー10にランドセル1が掛けられた状態の一例を示している。
【
図6】
図6は、本願発明の作用効果を検証した際の図解的測定図である。
【
図7】
図7は、ランドセルに3.5kgの重りを入れて掛けた状態を示す。
【
図8】
図8は、ランドセルに6.5kgの重りを入れて掛けた状態を示す。
【
図9】
図9は、この発明の他の実施形態に係るランドセルハンガーの正面図である。
【
図10】
図10は、従来のランドセル用フックにランドセルを掛けた状態を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下には、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明をする。
図1は、この発明の一実施形態に係るランドセルハンガー10の正面図であり、
図2は、ランドセルハンガー10の平面図であり、
図3は、ランドセルハンガー10の右側面図である。
図1〜3を参照して、ランドセルハンガー10は、固定部11、上アーム12、下アーム13およびフック14を有し、これらは、たとえば金属により成型されて一体化されている。
【0011】
固定部11は、取付面(図示せず)に当接される基板15と、基板15の相対向する上下辺から基板15に対して直交方向に前方へ延設された上支持板16および下支持板17とを有する。基板15および上下の支持板16,17は、縦長短形の一枚の金属板の上下部分が曲成されて形成されている。基板15には、基板15の上下方向略中央部で、かつ、左右方向には中央部を中心に両側へ所定間隔離れた位置に、一対の取付孔18,18が穿設されている。取付孔18,18は基板15を前後方向に貫通する孔で、固定部11を机の側面等に取り付ける際に、取付ビス等が挿入される。取付時の便宜を考慮して、取付孔18,18は、丸孔ではなく、横方向にやや長い長孔とされている。
【0012】
この実施形態では、基板15の上下方向寸法は、例えば37mmとされ、一般的な学童机の側方上部に支障なく取付けられる寸法とされている。
上アーム12は、固定部11の上支持板16の先端辺16fに、例えばCO
2溶接により固着されている。上アーム12は、円筒状または円柱状の棒体で形成され、長さ方向中央部12mが上支持板16の先端辺16fに固着され、上左アーム部12lおよび上右アーム部12rは、左右両側へ水平に伸び出ている。この実施形態では、上アーム12の左右方向寸法は、約250mmとされている。この程度の長さが、後述するように、ランドセルの肩掛けベルトを掛けるのに必要十分な長さだからである。さらに、上アーム12の左右両端部12eは、
図2に示すように、後方へゆるく湾曲されており、かつ、その端部12eは半球形に仕上げられている。
【0013】
下アーム13は、上アーム12と同じ構成であり、下支持板17の先端辺17fに固着され、左右方向へ水平に上アーム12と平行に伸びている。
なお、上アーム12と下アーム13との間は、上下方向に、例えば26.5mmの間隔があいており、この間に、後述するように、ランドセルの肩掛けベルトを通すことができるようにされている。
【0014】
フック14は、上アーム12の左右方向の中央部に立設され、垂直に上方へ突出する円筒状または円筒状のピン体で形成されている。すなわち、フック14は、上アーム12の中央部に下端が固定された(上アーム12の中央部から上方へ伸び上がる下端部を備えた)外観円柱状の棒体であり、その上端14uは半球状に仕上げられている。フック14の高さ(上下方向長さ)は、20mm程度であり、ランドセルの掛け金具を掛けるのに必要十分な高さとされている。
【0015】
図4は、後方から前方に見た状態のこの実施形態に係るランドセルハンガー10に、ランドセル1を掛けた状態を示す図解図である。
ランドセル1には、一般に、その背当面上部中央に、掛け金具2が備えられている。掛け金具2は、通常、D環と呼ばれる金属製である。ランドセル1には、また、一対の肩掛けベルト3が備えられている。
【0016】
図5は、この発明の一実施形態に係るランドセルハンガー10にランドセル1が掛けられた状態の一例を示している。ランドセル1の掛け金具2は、フック14に上方から嵌められ、その重量が保持される。また、一対の肩掛けベルト3は、上アーム12に対しては、その背面側に回り込むように掛けられる。
さらに、一対の肩掛けベルト3は、下アーム13に対しては、その背面側に回り込むように掛けられてもよいし(態様1)、下アーム13の前面側に回り込むように掛けられてもよい(態様2)。
【0017】
肩掛けベルト3を掛ける態様1および態様2を側面視で図解すれば、
図5の通りである。
図6は、本願発明の作用効果を検証した際の図解的測定図である。
図6(C)は、従来のランドセル用フックを用い、そのフックに空のランドセルを掛けた状態の側面図である。
図6(C)に示すように、従来のランドセル用フックを用いたときは、ランドセルの下方部が、P=85mm机の下に入り込んだ。
【0018】
図6(A)(B)は、本願発明の一実施態様に係るランドセルハンガー10を用い、空のランドセルを掛けた状態の側面図であり、(A)は態様1で掛け、(B)は態様2で掛けた。
図6(A)に示すように、態様1で掛けると、ランドセルの下方部が、P=20mmと多少は机の下に入り込むが、ランドセルが邪魔になる程度ではない。
図6(B)に示すように、態様2で掛けると、P=−10mmであり、ランドセルの下方部は机の下に全く入り込まない。
【0019】
図7および
図8は、それぞれ、ランドセルに3.5kgの重りを入れて掛けた状態(A)、および、ランドセルに6.5kgの重りを入れて掛けた状態(B)を示す。このように、ランドセルが空でなく、中にノート等が入った状態で掛けても、本発明のランドセルハンガーは有用であることが確認された。
なお、ランドセルハンガー10にランドセルを掛けたとき、ランドセルが傾き難いのは、ランドセルハンガー10の上アーム12および下アーム13が、ランドセルの背当面(背負った時に、背中に当たる面)を支え、ランドセルが傾くのを防止するためと考えられる。
【0020】
従って、この発明に係るランドセルハンガーは、上述した実施態様に限定されるものではなく、たとえば、
図9に示すように、上アーム12と下アーム13との上下方向の間隔を広げ、下アーム13がランドセルの背当面の下方寄りを支えるようなランドセルハンガーとしてもよい。
また、上アーム12と下アーム13との両端部を互いに連結した構成としてもよい。
その他、この発明は、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 ランドセル
2 掛け金具
10 ランドセルハンガー
11 固定部
12 上アーム
13 下アーム
14 フック
15 基板
16 上支持板
17 下支持板
18 取付孔