特開2016-221538(P2016-221538A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-221538撮像装置、金属加工装置、及び撮像方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221538(P2016-221538A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】撮像装置、金属加工装置、及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20161205BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20161205BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20161205BHJP
   B23K 26/342 20140101ALI20161205BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20161205BHJP
   G03B 15/05 20060101ALI20161205BHJP
   G03B 15/02 20060101ALI20161205BHJP
   G03B 11/00 20060101ALI20161205BHJP
   G03B 7/093 20060101ALI20161205BHJP
   G03B 7/16 20140101ALI20161205BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20161205BHJP
   B23K 31/00 20060101ALN20161205BHJP
【FI】
   B23K26/00 P
   B23K26/34
   B23K26/21 Z
   B23K26/342
   G03B15/00 S
   G03B15/00 R
   G03B15/05
   G03B15/02 F
   G03B11/00
   G03B7/093
   G03B7/16
   B33Y30/00
   B23K31/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-109639(P2015-109639)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 穣二
(72)【発明者】
【氏名】藤山 毅
(72)【発明者】
【氏名】小林 悠馬
【テーマコード(参考)】
2H002
2H053
2H083
4E168
【Fターム(参考)】
2H002CC01
2H002CD00
2H053AD03
2H053BA25
2H083AA05
2H083AA26
4E168AD00
4E168BA35
4E168BA81
4E168CA06
4E168CA07
4E168CA11
4E168CA14
4E168CB22
4E168DA02
4E168DA24
4E168FA05
4E168FB03
(57)【要約】
【課題】レーザー光及びレーザー光に励起されたプラズマ光の影響を低減して、レーザー加工される加工物の撮像画質を向上できる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、レーザー加工される加工物を撮像するイメージセンサと、開閉により、イメージセンサを露出又は遮蔽するシャッタと、シャッタの開閉及び加工物に対して発光する光源の発光を制御するコントローラと、を備え、コントローラの制御により、レーザー加工するための第1のレーザー光の非照射時間に、シャッタが開く、又は、光源が発光する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー加工される加工物を撮像するイメージセンサと、
開閉により、前記イメージセンサを露出又は遮蔽するシャッタと、
前記シャッタの開閉及び前記加工物に対して発光する光源の発光を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラの制御により、前記レーザー加工するための第1のレーザー光の非照射時間に、前記シャッタが開く又は前記光源が発光する、撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、更に、
前記光源を備える、撮像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の撮像装置であって、更に、
前記イメージセンサの前面に設けられたフィルタを備え、
前記フィルタは、前記第1のレーザー光の波長帯と、前記第1のレーザー光により前記加工物で励起されたプラズマ光の波長帯と、の間の波長帯である第1の波長帯の光を透過し、前記第1の波長帯以外の第2の波長帯の光を遮断する、撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
前記光源は、前記第1のレーザー光の波長帯と、前記第1のレーザー光により前記加工物で励起されたプラズマ光の波長帯と、の間の波長帯の光を発光する、撮像装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の撮像装置であって、更に、
前記イメージセンサの前面に設けられた減光フィルタを備え、
前記光源は、前記加工物に対して、前記第1のレーザー光よりも光強度が強い第2のレーザー光を発光する、撮像装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置であって、更に、
前記シャッタは、前記コントローラの制御により、第1の時間にわたって開く第1の開動作と、前記第1の時間よりも短い第2の時間にわたって開く第2の開動作と、を交互に反復する、撮像装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置であって、更に、
前記シャッタは、前記コントローラの制御により、1フレームにおいて複数回開閉する、撮像装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置であって、更に、
前記イメージセンサにより撮像された前記加工物の画像と、前記シャッタの開閉速度と、に基づいて、前記レーザー加工において噴射された金属粉の速度を推定するプロセッサを備える、撮像装置。
【請求項9】
請求項8に記載の撮像装置であって、
前記プロセッサは、推定された前記金属粉の速度に基づいて、前記金属粉の温度を推定する、撮像装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の撮像装置であって、
前記プロセッサは、推定された前記金属粉の速度に基づいて、前記レーザー加工において噴射されたガスの速度を推定する、撮像装置。
【請求項11】
請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
前記プロセッサは、推定された前記金属粉又は前記ガスの状態に基づいて、前記レーザー加工を制御する、撮像装置。
【請求項12】
撮像装置と、光源と、モニタと、を備える金属加工装置であって、
前記光源は、加工物に対して発光し、
前記撮像装置は、
レーザー加工される前記加工物を撮像するイメージセンサと、
開閉により、前記イメージセンサを露出又は遮蔽するシャッタと、
前記シャッタの開閉及び前記光源の発光を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラの制御により、前記レーザー加工するためのレーザー光の非照射時間に、前記シャッタが開き又は前記光源が発光し、
前記モニタは、前記撮像装置により撮像された前記加工物の画像を表示する、金属加工装置。
【請求項13】
請求項12に記載の金属加工装置であって、更に、
前記イメージセンサにより撮像された前記加工物の画像と、前記シャッタの開閉速度と、に基づいて、前記レーザー加工において噴射された金属粉の速度を推定する制御装置を備える、金属加工装置。
【請求項14】
請求項13に記載の金属加工装置であって、
前記制御装置は、推定された前記金属粉の速度に基づいて、前記金属粉の温度を推定する、金属加工装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載の金属加工装置であって、
前記制御装置は、推定された前記金属粉の速度に基づいて、前記レーザー加工において噴射されたガスの速度を推定する、金属加工装置。
【請求項16】
請求項15に記載の金属加工装置であって、
前記制御装置は、推定された前記金属粉又は前記ガスの状態に基づいて、前記レーザー加工を制御する、金属加工装置。
【請求項17】
撮像装置における撮像方法であって、
コントローラの制御により、レーザー加工するための第1のレーザー光の非照射時間に、開閉によりイメージセンサを露出又は遮蔽するシャッタを開き、又は、前記レーザー加工される加工物に対して発光する光源を発光し、
前記イメージセンサにより前記加工物を撮像する、撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置、金属加工装置、及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー加工等により金属を加工することが一般的に行われている。従来、溶接部全体の直接観察し、一台のカメラで凹凸形状の情報取得を行うための溶接部可視化装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この溶接部可視化装置は、高輝度照明用光学系と、光切断計測用光学系と、カメラと、タイミング装置と、を備える。高輝度照明用光学系は、溶接部より発せられる光よりも高輝度な短パルスレーザー光を溶接部へ照明用として照射する。光切断計測用光学系は、高輝度照明光学系とは異なる波長の短パルスレーザー光を、溶接部より発せられる光よりも高輝度なファンビーム状にして、高輝度照明用光学系の短パルスレーザー光と同期したタイミングで、溶接部へ照射する。カメラは、溶接部を撮像するための光速度シャッタを備える。タイミング装置は、各光学系からの短パルスレーザー光の照射タイミングを、カメラの光速度シャッタの開閉に同期させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−334957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の溶接部可視化装置では、レーザー加工するためのレーザー光とレーザー光により励起されるプラズマ光との光強度の低減が不十分である。そのため、レーザー光及びプラズマ光を除いた加工物周辺の撮像画像の画質が低下する可能性がある。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザー光及びレーザー光に励起されたプラズマ光の影響を低減して、レーザー加工される加工物の撮像画質を向上できる撮像装置、金属加工装置、及び撮像方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の撮像装置は、レーザー加工される加工物を撮像するイメージセンサと、開閉により、イメージセンサを露出又は遮蔽するシャッタと、シャッタの開閉及び加工物に対して発光する光源の発光を制御するコントローラと、を備える。コントローラの制御により、レーザー加工するための第1のレーザー光の非照射時間に、シャッタが開く又は光源が発光する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、レーザー光及びレーザー光に励起されたプラズマ光の影響を低減して、レーザー加工される加工物の撮像画質を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における金属加工装置の構成例を示す模式図
図2】金属加工装置の構成例を示すブロック図
図3】積層造形を説明するための模式図
図4】カメラの構成例を示すブロック図
図5】各種光の特性例と各種フィルタの特性例とを示す模式図
図6】(A)光源のオンオフにカメラのシャッタの開閉を同期させることを説明するための模式図、(B)カメラのシャッタの開閉に光源のオンオフを同期させることを説明するための模式図、(C)レーザー照射とカメラのシャッタの開閉とのタイミングを説明するための模式図
図7】(A)露光時間の異なる2つの撮像画像を得て合成する第1合成例を示す模式図、(B)露光時間の異なる2つの撮像画像を得て合成する第2合成例を説明するための模式図
図8】(A)1フレームにおいて複数回露光する場合のカメラのシャッタの開閉例を示す模式図、(B)複数の撮像画像から得られた合成画像における金属粉の所定時間での移動例を示す模式図
図9】金属粉の速度分布の一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
(本開示の一形態を得るに至った経緯)
特許文献1に記載された溶接部可視化装置では、光切断用のレーザー照射のタイミングに合わせて、照明用のレーザー照射を行い、カメラのシャッタを開いて溶接部を撮像する。つまり、レーザー光及びレーザー光により励起されるプラズマ光の発光時間にカメラのシャッタを開いて撮像するので、撮像時におけるレーザー光とプラズマ光との光強度の低減が不十分となる。そのため、溶接部以外の加工物全体や加工面の様子を撮像することは困難である。
【0012】
以下、レーザー光及びレーザー光に励起されたプラズマ光の影響を低減して、レーザー加工される加工物の撮像画質を向上できる撮像装置、金属加工装置、及び撮像方法について説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
[構成等]
図1は、第1の実施形態における金属加工装置10の構成例を示す模式図である。図2は、金属加工装置10の構成例を示すブロック図である。図3は、金属加工機20による積層造形を説明するための模式図である。
【0014】
金属加工装置10は、金属加工機20、カメラ30、及び操作盤40を備える。
【0015】
金属加工機20は、母材26を用いて金属をレーザー加工し、加工物50を得る。レーザー加工は、例えば、積層造形、切削加工を含む。本実施形態では、主に積層造形を例示する。
【0016】
カメラ30は、レーザー加工される加工物50の周辺を撮像し、撮像された画像(撮像画像)を操作盤40へ出力する。
【0017】
操作盤40は、金属加工機20に対して所定の指示を与えるための操作を受け付ける。操作盤40は、レーザー加工の作業を行うユーザ70により操作される。操作盤40は、撮像画像を表示し、ユーザ70が金属加工機20へ指示するための指示操作を受け付ける。つまり、操作盤40は、ユーザインタフェースとしての機能を有する。
【0018】
金属加工機20は、例えば、ノズル21、レーザー照射器22、金属粉噴射器23、ガス噴射器24、及びプロセッサ25を備える。
【0019】
ノズル21は、気体、液体、又は固体の各種流体を噴出する。流体は、レーザー(例えばYAGレーザー)、シールドガス(例えば不活性ガス(例えばアルゴン))、及び金属粉を含む。
【0020】
レーザー照射器22は、ノズル21を介して、母材26に対してレーザー加工のためのレーザー光22aを照射する。レーザー照射器22は、プロセッサ25からの制御信号に基づいて、レーザーを照射する。例えば、レーザー照射器22は、レーザー光22aの光強度、照射量、照射方向、照射時間の少なくとも1つを調整して、レーザー光22aを照射する。レーザー照射器22は、装置本体又はノズル21周辺に設けられる。
【0021】
金属粉噴射器23は、ノズル21を介して、母材26に対してレーザー加工のための金属粉23aを噴射する。金属粉噴射器23は、プロセッサ25からの制御信号に基づいて、金属粉23aを噴射する。例えば、金属粉噴射器23は、金属粉23aの噴射速度、噴射量、噴射方向、噴射時間の少なくとも1つを調整して、金属粉23aを噴射する。金属粉噴射器23は、装置本体又はノズル21周辺に設けられる。
【0022】
ガス噴射器24は、ノズル21を介して、シールドガス24aを噴射する。シールドガス24aは、レーザー加工中に溶解金属と空気との接触を遮断する。また、シールドガスは、金属粉23aの母材26に対する噴射方向を調整する。ガス噴射器24は、プロセッサ25からの制御信号に基づいて、シールドガス24aを照射する。例えば、ガス噴射器24は、シールドガス24aの噴射速度、噴射量、噴射方向、噴射時間の少なくとも1つを調整して、シールドガス24aを噴射する。ガス噴射器24は、装置本体又はノズル21周辺に設けられる。
【0023】
プロセッサ25は、操作盤40からの制御信号を、各機器(レーザー照射器20、金属粉噴射器23及びガス噴射器24)を制御するための制御信号に変換する。プロセッサ25は、例えば金属加工機20の装置本体に配置される。
【0024】
図3に示すように、金属加工機20では、ノズル21から、母材26に対して、レーザー光22aが照射され、金属粉23a及びシールドガス24aが噴射される。母材26におけるレーザー光22aが照射される位置周辺には、溶解池27が形成される。溶解池27は、アーク熱等によって母材26が溶解して形成される。溶解池27に隣接して、希釈域28及び造形部29が形成される。希釈域28は、レーザー光22aの照射により母材26が希釈化された領域である。造形部29は、金属粉23aがレーザー光22aにより焼結されて、母材26上に形成される。加工物50は、例えば、母材26、溶解池27、希釈域28、及び造形部29を含む。
【0025】
図4は、カメラ30の詳細構成例を示す模式図である。カメラ30は、光源31、レンズ32、フィルタ33、モータ34、CPU(Central Processing Unit)35、イメージセンサ36、及び第1のイメージプロセッサ37を備える。
【0026】
光源31は、例えば補助光31aとしての近赤外光を、金属加工機20により加工される加工物50周辺に対して照射(発光)する。光源31は、例えばLED(Light Emitting Diode)光源である。光源31は、CPU35からの光源制御信号に基づいて動作する。近赤外光は光の波長が比較的長いので、近赤外光を用いることで、粒子を介して対象物を撮影でき、ユーザ70がこの対象物を観察できる。例えば、カメラ30が、金属粉23aが存在しても、金属粉23aを介在して存在する加工物50を容易に観察できる。
【0027】
尚、図4では、光源31がカメラ30内に設けられているが、カメラ30外に設けられてもよい。
【0028】
レンズ32は、例えばズームレンズを含み、加工物50を含む被写体51の像をイメージセンサ36の受光面に結像させる。ズームレンズを用いる場合、加工物50を拡大して撮像できるので、加工物50を観察し易くなる。
【0029】
尚、被写体51周辺には、レーザー光22aやプラズマ光22bのような光強度の大きい光が存在するが、後述するタイミング制御やフィルタ制御により、レーザー光22aやプラズマ光22bの影響を低減して、被写体51の像が得られる。図2及び図4では、説明を簡単にするため、レーザー光22a及びプラズマ光22bが被写体51に含まれているが、実際には、影響が低減されている。
【0030】
フィルタ33は、例えば、BPF(Band Pass Filter)フィルタ、IR(InfraRed)カットフィルタ、又はND(Neutral Density)フィルタを含む。BPFは、レーザー光22aの波長と、及びレーザー光22aにより母材26において励起されたプラズマ光22bの波長と、の間の波長帯の信号を透過し、その他の波長帯の信号を遮断する。IRカットフィルタは、可視光の波長帯の信号を透過し、非可視光(例えば赤外光)の波長帯の信号を遮断する。NDフィルタは、全波長帯にわたって信号を減衰させる。
【0031】
フィルタ33として、BPFフィルタ、NDフィルタ、及びIRカットフィルタのいずれかが選択され、イメージセンサ36の前面(受光面側)に配置される。例えば、金属加工機20がレーザー加工する際には、CPU35により、BPF又はNDフィルタが選択される。金属加工機20がレーザー加工しない際には、CPU35により、IRカットフィルタが選択される。フィルタ33としてのBPFフィルタ、NDフィルタ、及びIRカットフィルタは、モータ34の駆動により、イメージセンサ36の前面に移動する。
【0032】
モータ34は、CPU35からの駆動制御信号に基づいて、フィルタ33としてのBPFフィルタ、NDフィルタ、及びIRカットフィルタを、イメージセンサ36の前面に移動させる。
【0033】
CPU35は、図示しないメモリと協働し、カメラ30内の各部を統括する。メモリは、CPU35に内蔵されてもよい。CPU35は、レーザー光22aのパルスタイミングとの同期信号を金属加工機20のプロセッサ25から取得する。CPU35は、プロセッサ25からのレーザー光22aの同期信号に基づいて、動作する。例えば、CPU35は、この同期信号に基づいて、光源31を点灯又は消灯するタイミングを制御してもよい。CPU35は、この同期信号に基づいて、シャッタ38の開閉タイミングを制御してもよい。
【0034】
また、CPU35は、モータ34を駆動するための駆動制御信号を、モータ34へ出力する。CPU35は、シャッタ38を開閉するためのシャッタ制御信号を、シャッタ38へ出力する。CPU35は、光源31の点灯及び消灯を制御するための光源制御信号を、光源31へ出力する。CPU35は、イメージセンサ36により得られる画像信号のゲインを調整するためのゲイン調整信号を、第1のイメージプロセッサ37へ出力する。
【0035】
イメージセンサ36は、イメージセンサ36の受光面に結像された被写体51の像を、光の強度に応じた電気信号に変換し、画像信号を得る。イメージセンサ36は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、を含む。
【0036】
また、イメージセンサ36は、露光時間を調整するための電子的なシャッタ38を有する。シャッタ38は、CPU35からのシャッタ制御信号に基づいて開閉する。シャッタ38が開くと、イメージセンサ36の受光面が露出される。シャッタ38が閉じると、イメージセンサ36の受光面が遮蔽される。
【0037】
第1のイメージプロセッサ37は、イメージセンサ36により生成された撮像画像に対して、各種画像処理を行う。第1のイメージプロセッサ37は、例えば、この画像処理として、CPU35からのゲイン調整信号に基づいて、画像信号のゲインを調整する。また、第1のイメージプロセッサ37は、例えば、画像信号から画像符号化し、撮像画像を得る。第1のイメージプロセッサ37は、各種画像処理された撮像画像を、操作盤40へ出力する。
【0038】
図1図2に示すように、操作盤40は、例えば、第2のイメージプロセッサ41、モニタ42、及びインプットデバイス43を備える。
【0039】
第2のイメージプロセッサ41は、カメラ30からの撮像画像を取得し、撮像画像に対して各種画像処理を行う。第2のイメージプロセッサ41は、例えば、この画像処理として、撮像画像の特徴を抽出する。例えば、第2のイメージプロセッサ41は、撮像画像の特徴を抽出し、撮像画像に含まれる加工物の形状と、メモリ等に登録された所望の加工物の形状と、を比較する。第2のイメージプロセッサ41は、比較結果に基づいて、例えば、加工物に所望の形状から変異がある場合、金属加工機20の各機器(例えばレーザー照射器22、金属粉噴射器23、ガス噴射器24)を制御するための制御信号を生成する。第2のイメージプロセッサ41は、生成された制御信号を、金属加工機20のプロセッサ25へ出力する。
【0040】
これにより、金属加工装置10は、ユーザ70による操作を行わずに、レーザー加工に係るパラメータを自動制御できる。レーザー加工に係るパラメータは、例えば、レーザー光22aの光強度や照射量や照射方向や照射時間、金属粉23aの噴射速度や噴射量や噴射方向や噴射時間、シールドガス24aの噴射速度や噴射量や噴射方向や噴射時間の少なくとも1つを含む。
【0041】
また、第2のイメージプロセッサ41は、撮像画像に所定の加工(例えば撮像画像の合成)を行い、又は加工を行わないで、撮像装置をモニタ42へ出力する。
【0042】
モニタ42は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、第2のイメージプロセッサ41からの各種情報(例えば、画像P1、後述する温度お分布図や速度分布図)を表示する。モニタ42の表示により、ユーザ70は、画像P1に含まれるレーザー加工された加工物50の観察や検査を実施できる。尚、画像P1は、加工物50を含む撮像画像や撮像画像が加工された画像である。
【0043】
インプットデバイス43は、ユーザ70からの入力操作を受け付ける。インプットデバイス43は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、等を含む。インプットデバイス43は、入力操作に基づいて、金属加工機20を制御するための制御信号を生成する。インプットデバイス43は、生成された制御信号を、金属加工機20のプロセッサ25へ出力する。
【0044】
インプットデバイス43は、例えば、モニタ42に表示された画像P1を確認したユーザ70から、レーザー加工を調整するための入力操作を受け付ける。例えば、ユーザ70が、モニタ42に表示された画像P1を参照して加工物50の形状の変異を確認した場合、加工物50を所望の形状とするように、レーザー加工に係るパラメータ(例えば金属粉23aの噴射量や噴射方向)を調整するための制御信号を生成する。
【0045】
これにより、金属加工装置10は、ユーザ操作に基づいて、レーザー加工に係るパラメータを手動制御できる。
【0046】
尚、第2のイメージプロセッサ41及びモニタ42は、カメラ30が備えてもよい。また、モニタ42は、操作盤40やカメラ30が備えるのではなく、別体に設けられてもよい。
【0047】
[各種光及び各種フィルタの波長特性]
図5は、各種光及び各種フィルタの波長特性を示す模式図である。図5では、レーザー光22aの波長特性C1、プラズマ光22bの波長特性C2、及び光源31が用いる補助光31a(近赤外光)の波長特性C3を示している。また、図5では、BPFの波長特性C4(フィルタ特性)及びIRカットフィルタの波長特性C5(フィルタ特性)を示している。
【0048】
レーザー光22aの波長特性C1では、レーザー光22aがおよそ850(nm)以上の波長を有し、波長が1065(nm)付近の位置で光強度のピークが存在する。プラズマ光22bの波長特性C2では、プラズマ光22bがおよそ790(nm)以下の波長を有し、波長が680(nm)付近の位置で光強度のピークが存在する。補助光31aの波長特性C3では、レーザー光22a及びプラズマ光22bの光強度が小さい波長帯に光強度のピークが存在し、例えば波長が808(nm)の位置で光強度のピークが存在する。
【0049】
BPFの波長特性C4では、レーザー光22a及びプラズマ光22bの光強度が小さい波長帯(例えば波長が770(nm)〜850(nm))の透過率が大きく、レーザー光22a及びプラズマ光22bの光強度が大きい波長帯の透過率が小さい。IRカットフィルタの波長特性C4では、可視光の波長帯(例えば700(nm)以下の波長帯)の透過率が大きく、非可視光(赤外光)の波長帯の透過率が小さい。
【0050】
尚、プラズマ光22bの波長特性C2は、加工物50の金属の種類に依存して変化する。
【0051】
[カメラ30の構成のバリエーション]
カメラ30は、フィルタ33として、波長特性C4のBPFを設けてもよい。これにより、カメラ30は、加工物50が反射する光よりも光強度が十分に大きいレーザー光22a及びプラズマ光22bの波長帯の光(外乱光)を低減でき、加工物50自体(つまり観察対象の実映像)の撮像画質を向上できる。
【0052】
従って、ユーザ70は、加工物50の様子、加工物50の特定の面の様子を、光強度が強いレーザー光22a及びプラズマ光22bの影響を低減して、確認できる。
【0053】
また、カメラ30は、波長特性C3の補助光31aを加工物50に対して照明する光源31を備えてもよい。但し、ここでの補助光31aの光強度は、レーザー光22aやプラズマ光22bの光強度よりも小さい。これにより、カメラ30は、加工物50が反射する光量を増大でき、イメージセンサ36に取り込まれる光量を増大できるので、加工物50からの光の光強度をレーザー光22a及びプラズマ光22bの光強度に近づけることができる。従って、カメラ30は、レーザー光22a及びプラズマ光22bの波長帯の光による影響を低減でき、加工物50自体の撮像画質を向上できる。
【0054】
尚、カメラ30は、波長特性C4のBPF及び波長特性C3の補助光31aの双方を使用してもよい。これにより、カメラ30は、レーザー光22a及びプラズマ光22bの波長帯の光による影響を一層低減でき、加工物50自体の撮像画質を向上できる。
【0055】
また、カメラ30は、波長特性C3の補助光31aを加工物50に対して照明する光源31を備えてもよい。但し、ここでの補助光31aの光強度は、レーザー光22aやプラズマ光22bの光強度よりも大きい。例えば、光源31は、補助光31aをパルス化し、レーザー照明にすると、光強度を大きくできる。この場合、カメラ30は、フィルタ33として、NDフィルタを設ける。これにより、カメラ30は、レーザー光22aやプラズマ光22bの影響を相対的に低減できる。また、カメラ30は、NDフィルタを設けることで、加工物50周辺の全体の光強度を小さくでき、イメージセンサ36による受光量が過大となることを抑制でき、受光量を良好にできる。従って、カメラ30は、レーザー光22a及びプラズマ光22bの波長帯の光による影響を低減でき、加工物50自体の撮像画質を向上できる。
【0056】
[シャッタ、照明、レーザー光照射の同期]
図6(A),(B)は、カメラ30のシャッタ38の開閉タイミングと補助光31aの照射タイミングとの同期を示す模式図である。カメラ30は、カメラ30のシャッタ38の開閉タイミングと補助光31aの照射タイミング(光源31のオンオフのタイミング)とを同期させてもよい。
【0057】
この場合、図6(A)に示すように、CPU35が、補助光31aのオンオフのタイミングに、シャッタ38の開閉タイミングを合わせるように、同期させてもよい。例えば、CPU35が、光源31をオンするとシャッタ38を開き、光源31をオフするとシャッタ38を閉じてもよい。
【0058】
また、図6(B)に示すように、CPU35が、シャッタ38の開閉タイミングに、補助光31aの照射タイミングを合わせるように、同期させてもよい。例えば、CPU35が、シャッタ38を開くと光源31をオンし、シャッタ38を閉じると光源31をオフしてもよい。
【0059】
図6(C)は、カメラ30のシャッタ38の開閉タイミングとレーザー光22aの照射タイミングとの同期を示す模式図である。CPU35は、パルス状のレーザー光22aの照射が終了するタイミングに合わせて、シャッタ38を開くよう指示する。これにより、レーザー光22aやプラズマ光22bがイメージセンサ36に到達する可能性を低減できるので、撮像画質を向上できる。
【0060】
カメラ30のCPU35は、金属加工機20のプロセッサ25から取得したレーザー光22aの同期信号を用いて、レーザー光22aの非照射期間とシャッタ38の開閉タイミングおよび/または補助光の照射タイミングとを同期させる。
【0061】
[金属粉の速度及び温度の導出例]
金属加工機20がレーザー加工に用いる金属粉23aは、金属粉23aの温度が高い程、光強度が大きくなり、高輝度粒子となる。一方、金属粉23aは、金属粉23aの温度が低い程、光強度が小さくなり、低輝度粒子となる。高輝度粒子は、撮像画像に写り込み易く、低輝度粒子は、撮像画像に写り込み難い。
【0062】
CPU35は、シャッタ38が開いている時間を長くし、露光時間を長くしてもよい。露光時間が長い程、イメージセンサ36が露出された時間が長くなり、取り込まれる光の量が多くなり、撮像画像が明るくなる。従って、カメラ30は、高温の金属粉23aである高輝度粒子とともに、低温の金属粉23aである低輝度粒子も撮像できる可能性が高くなる。
【0063】
CPU35は、シャッタ38が閉じている時間を短くし、露光時間を短くしてもよい。露光時間が短い程、イメージセンサ36が遮蔽された時間が長くなり、取り込まれる光の量が少なくなり、撮像画像が暗くなる。従って、カメラ30は、高温の金属粉23aである高輝度粒子を撮像できる可能性が高いが、低温の金属粉23aである低輝度粒子を撮像することは困難である。
【0064】
図7(A),(B)は、露光時間の異なる2つの撮像画像を合成することを説明する模式図である。図7(A),(B)では、1フレームで1枚の撮像画像を得ることを例示する。
【0065】
図7(A)では、露光時間を長くして撮像された撮像画像P11に、金属粉23aの移動の軌跡Q11が写り込んでいる。また、露光時間を短くして撮像された撮像画像P12に、金属粉23aの移動の軌跡Q12が写り込んでいる。第2のイメージプロセッサ41は、撮像画像P11と撮像画像P12とを合成し、合成画像P13を得る。合成画像P13は、モニタ42に表示され得る。
【0066】
図7(A)では、露光時間の短い撮像画像P12に軌跡Q12が写り込んでいることから、モニタ42を確認したユーザ70は、撮像された金属粉23aが高温であると推定できる。また、このユーザ70は、撮像された金属粉23aの速度が高速であると推定できる。
【0067】
また、図7(A)では、第2のイメージプロセッサ41が、軌跡Q12が写り込んでいることを画像認識し、撮像された金属粉23aが高温であると推定してもよい。また、第2のイメージプロセッサ41が、撮像された金属粉23aが高速であると推定してもよい。
【0068】
図7(B)では、露光時間を長くして撮像された撮像画像P21に、金属粉23aの移動の軌跡Q21が写り込み、露光時間を短くして撮像された撮像画像P22に、金属粉23aの移動の軌跡が写り込んでいない。第2のイメージプロセッサ41は、撮像画像P21と撮像画像P22とを合成し、合成画像P23を得る。合成画像P23は、モニタ42に表示され得る。
【0069】
図7(B)では、露光時間の短い撮像画像P22に金属粉23aの移動の軌跡が写り込んでいないことから、モニタ42を確認したユーザ70は、撮像された金属粉23aが低温であると推定できる。また、このユーザ70は、撮像された金属粉23aの速度が低速であると推定できる。
【0070】
また、図7(B)では、第2のイメージプロセッサ41が、金属粉23aの移動の軌跡が写り込んでいないことを画像認識し、撮像された金属粉23aが低温であると推定してもよい。また、第2のイメージプロセッサ41が、撮像された金属粉23aが低速であると推定してもよい。
【0071】
カメラ30は、図7(A),(B)に示した露光時間が比較的長くした撮像と、露光時間が比較的短くした撮像とを、相互に実施してもよい。CPU35は、シャッタ38を開いた時間を長くして撮像し、シャッタ38を閉じた時間を長くして撮像し、この撮像を反復してもよい。これにより、露光時間が比較的長い撮像では、高輝度粒子とともに、低輝度粒子を含む画像が得られる。また、露光時間が比較的短い撮像では、高輝度粒子を含み、低輝度粒子を含まない画像が得られる。従って、カメラ30は、シャッタ38の開閉時間を制御することで、金属粉23aの速度や温度を容易に推定できる。
【0072】
また、図8(A)に示すように、カメラ30は、1フレームで複数枚の撮像画像を得てもよい。図8(A)では、1フレームにおいて4枚の撮像画像を得ることを例示している。具体的には、CPU35は、所定時間t1毎にシャッタ38を開閉し、イメージセンサ36が、取り込まれた光信号を電気信号に変換して、撮像画像を得る。尚、所定時間t1は、例えば4.2(ミリ秒)である。
【0073】
図8(B)は、1フレームで得られた複数枚の撮像画像を重ねた合成画像P33を示す模式図である。合成画像P33では、移動物体(例えば金属粉23a)については移動の前後の位置に示され、非移動物体(例えばノズル21)については1つ示されている。図8(B)に示すように、カメラ30は、1フレームで複数回露光する高速露光を実施することで、粒子毎に移動を追跡可能である。
【0074】
例えば、所定時間t1の始端t11で撮像された画像と所定時間t1の終端t12で撮像された画像とに写り込んだ金属粉23aが、合成画像P33の位置d1から位置d2へ移動しているとする。第2のイメージプロセッサ41は、合成画像P33における位置d1と位置d2の距離を、実空間上の距離rに変換する。この場合、第2のイメージプロセッサ41は、移動物体の速度を、距離r(mm)/t1(ミリ秒)で算出できる。例えば、図8(A),(B)に示す金属粉23aの速度は、1(mm)/4.2(ミリ秒)=238(m/秒)である。
【0075】
また、第2のイメージプロセッサ41は、撮像画像における各位置での金属粉23aの速度に基づいて、金属粉23aの速度分布を生成してもよい。第2のイメージプロセッサ41は、撮像画像における各位置での金属粉23aの温度に基づいて、金属粉23aの温度分布を生成してもよい。
【0076】
図9は、金属粉23aの速度分布を示す模式図である。図9に示すように、ノズル21に近い程、噴射時の噴射速度が維持されるので、金属粉23aが高速である。また、ノズル21から遠く、母材26に近い程、金属粉23aが空気抵抗等を受けて、金属粉23aが低速になる。例えば、図9では、領域D1において金属粉23aが最も高速であり、領域D2,D3,D4,D5に向かって、金属粉23aが低速になる。
【0077】
尚、金属粉23aの温度分布は、金属粉23aの温度が金属粉23aの速度に依存することから、金属粉23aの速度分布と同様になる。
【0078】
速度分布図や温度分布図は、例えば、コンター図により示されてもよい。例えば、第2のイメージプロセッサ41が、コンター図を生成し、モニタ42に出力させてもよい。また、第2のイメージプロセッサ41は、速度分布図や温度分布図(例えばコンター図)と撮像画像を合成して、モニタ42に表示させてもよい。これにより、ユーザ70は、加工物50周辺の各位置における金属粉23aの速度や温度を容易に認識できる。
【0079】
このように、第2のイメージプロセッサ41は、金属粉23aの速度を推定してもよい。モニタ42は、金属粉23aの速度の情報を表示してもよい。モニタ42は、金属粉23aの速度の情報を表示する。これにより、ユーザ70は、金属加工機20に対してインプットデバイス43を介して金属粉23aの速度を調整すべく、シールドガスの噴射速度を調整できる。
【0080】
また、第2のイメージプロセッサ41は、金属粉23aの速度から、シールドガス24aの噴射速度を推定してもよい。モニタ42は、シールドガス24aの噴射速度の情報を表示してもよい。
【0081】
また、第2のイメージプロセッサ41は、金属粉23aの速度から、金属粉23aの温度を推定してもよい。モニタ42は、金属粉23aの温度の情報を表示してもよい。
【0082】
[効果等]
このように、金属加工装置10によれば、加工物50の周辺に光強度が十分に大きいレーザー光22aやプラズマ光22bが発生していても、レーザー光22aの非照射時間に、シャッタ38を開放する。また、カメラ30は、シャッタ38の開閉と光源31の光照射タイミング(つまり光源31のオンオフ)とを同期させる。そのため、レーザー光22aやプラズマ光22bの存在が少ない時間(非照射時間)に、加工物50の周辺を好適に撮像できる。
【0083】
従って、ユーザ70又は第2のイメージプロセッサ41は、撮像画像や画像P1を参照することで、レーザー加工された加工物50の形状、模様、色彩等を容易に認識できる。また、金属加工装置10は、1つ以上の撮像画像や画像P1を参照することで、金属粉23aの速度分布図や温度分布図を生成できる。
【0084】
よって、ユーザ70は、画像P1の参照結果に応じて、インプットデバイス43を介して、レーザー加工に係るパラメータ(例えば、レーザー光22a、金属粉23a、シールドガス24aに係るパラメータ)を手動で調整できる。また、第2のイメージプロセッサ41は、加工物50の周辺の撮像画像を基に画像処理し、レーザー加工に係るパラメータを自動で調整できる。パラメータが調整されることで、金属加工装置10は、加工物50の形状や積層厚みを所望の状態に近づけることができる。
【0085】
また、カメラ30は、シャッタ38の開閉を制御することで、撮像画像に写り込む金属粉23aの輝度や露光時間を自由に調整できる。撮像画像において輝度の高い(明るい)金属粉23aは高温であり、撮像画像において輝度の低い(暗い)金属粉23aは低温である。
【0086】
従って、金属加工装置10は、シャッタ制御(シャッタ38の開閉制御)により、金属粉23aの相対温度を算出でき、速度分布図を生成できる。また、金属加工装置10は、露光時間と撮像画像における金属粉23aの移動距離とに基づいて、金属粉23aの速度を算出でき、速度分布図を生成できる。このように、粒子明暗と粒子温度とは相関がある。
【0087】
また、1フレームにおいて複数枚、加工物50周辺を撮像することで、各撮像画像を比較して金属粉23aの移動を追跡できる。また、各撮像画像の撮像時間の差が1フレームで1枚撮像する場合と比較すると小さくなるので、ユーザ70又は第2のイメージプロセッサ41は、金属粉23aの移動の詳細を認識できる。そのため、金属加工装置10は、金属粉23aの速度及び温度を高精度に検出できる。
【0088】
(他の実施形態)
以上のように、本開示における技術の例示として、第1の実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。
【0089】
第1の実施形態では、カメラ30が金属加工装置10に含まれることを例示したが、カメラ30が金属加工装置10に含まれなくてもよい。
【0090】
第1の実施形態では、カメラ30が、電子的なシャッタ38を有することを例示したが、電子的なシャッタ38の代わりに、物理的なシャッタ機構を有してもよい。
【0091】
第1の実施形態では、プロセッサ(例えばプロセッサ25、第1のイメージプロセッサ37、第2のイメージプロセッサ41)は、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、第1の実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。
【0092】
第1の実施形態では、図1,2,4の構成を示したが、各構成は、ハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアにより実現されてもよい。
【0093】
(本開示の実施形態の概要)
本開示の実施形態のカメラ30は、レーザー加工される加工物50を撮像するイメージセンサ36と、開閉により、イメージセンサ36を露出又は遮蔽するシャッタ38と、シャッタ38の開閉及び加工物50に対して発光する光源31の発光を制御するCPU35と、を備える。また、CPU35の制御により、レーザー加工するためのレーザー光22aの非照射時間に、シャッタ38が開く、又は、光源31が発光する。
【0094】
カメラ30は撮像装置の一例である。CPU35はコントローラの一例である。レーザー光22aは第1のレーザー光の一例である。
【0095】
これにより、カメラ30は、撮像時におけるレーザー光22aとプラズマ光22bとの影響を抑制できる。そのため、カメラ30は、溶接部(溶接池等)及び溶接部以外の加工物50全体や加工面の様子を撮像でき、撮像画像の画質を向上できる。
【0096】
また、カメラ30は、光源を備えてもよい。
【0097】
また、カメラ30は、イメージセンサ36の前面に設けられたフィルタ33を備えてもよい。フィルタ33は、レーザー光22aの波長帯と、レーザー光22aにより加工物50で励起されたプラズマ光22bの波長帯と、の間の波長帯である第1の波長帯の光を透過し、第1の波長帯以外の第2の波長帯の光を遮断してもよい。
【0098】
これにより、カメラ30は、レーザー光22a及びプラズマ光22bの光強度を低減し、加工物50の光強度を相対的に増大して、被写体51を撮像できる。
【0099】
また、カメラ30は、光源31が、レーザー光22aの波長帯と、レーザー光22aにより加工物50で励起されたプラズマ光22bの波長帯と、の間の波長帯の光を発光してもよい。
【0100】
これにより、カメラ30は、レーザー光22a及びプラズマ光22bの間の波長帯の光を用いて加工物50を照明することで、加工物50の光強度を相対的に増大して、被写体51を撮像できる。
【0101】
また、カメラ30は、イメージセンサ36の前面に設けられた減光フィルタを備えてもよい。光源31は、加工物50に対して、レーザー光22aよりも光強度が強い第2のレーザー光を発光してもよい。第2のレーザー光は、例えば、光強度が大きい補助光31aである。
【0102】
これにより、カメラ30は、相対的にレーザー光22aよりも加工物50の光強度を大きくできるので、加工物50の光強度を相対的に増大して、被写体51を撮像できる。また、カメラ30は、減光フィルタを用いることで、第2のレーザー光の光強度を抑制でき、撮像画像におけるハレーションの発生を低減できる。
【0103】
また、カメラ30は、シャッタ38が、CPU35の制御により、第1の時間にわたって開く第1の開動作と、第1の時間よりも短い第2の時間にわたって開く第2の開動作と、を交互に反復してもよい。
【0104】
これにより、カメラ30は、露光時間の長い撮像画像と露光時間の短い撮像画像とを取得できる。カメラ30は、露光時間の長い撮像画像により、低輝度粒子を容易に撮像できる。カメラ30は、露光時間の短い撮像画像により、露光時間の短い撮像画像に金属粉23aが写り込むか否かに応じて、レーザー加工で用いられる金属粉23aの速度や温度を推定できる。
【0105】
また、カメラ30は、シャッタ38が、CPU35の制御により、1フレームにおいて複数回開閉してもよい。
【0106】
これにより、カメラ30は、画像を撮像する時間間隔を短縮できる。そのため、カメラ30は、複数の撮像画像における移動物体の位置の差に基づいて、移動物体の速度を高精度に推定できる。
【0107】
また、カメラ30は、イメージセンサ36により撮像された加工物50の画像と、シャッタ38の開閉速度と、に基づいて、レーザー加工において噴射された金属粉23aの速度を推定するプロセッサを備えてもよい。プロセッサは、例えば、第2のイメージプロセッサ41である。
【0108】
これにより、ユーザ70は、金属粉23aの速度を参照して、手動操作によりレーザー加工(例えばシールドガス24aの噴射速度)を調整できる。また、カメラ30は、金属粉23aの速度に基づいて制御信号を生成し、自動でレーザー加工を調整できる。
【0109】
また、カメラ30は、プロセッサが、推定された金属粉23aの速度に基づいて、金属粉23aの温度を推定してもよい。
【0110】
これにより、ユーザ70は、金属粉23aの温度を参照して、手動操作によりレーザー加工(例えばシールドガス24aの噴射速度)を調整できる。また、カメラ30は、金属粉23aの温度に基づいて制御信号を生成し、自動でレーザー加工を調整できる。
【0111】
また、カメラ30は、プロセッサが、推定された金属粉23aの速度に基づいて、レーザー加工において噴射されたガスの速度を推定してもよい。
【0112】
これにより、ユーザ70は、ガスの速度を参照して、手動操作によりレーザー加工(例えばシールドガス24aの噴射速度)を調整できる。また、カメラ30は、ガスの速度に基づいて制御信号を生成し、自動でレーザー加工を調整できる。
【0113】
また、カメラ30は、プロセッサが、推定された金属粉又はガスの状態に基づいて、レーザー加工を制御してもよい。
【0114】
これにより、ユーザ70が、レーザー光22aやプラズマ光22bの影響を低減して撮像された撮像画像を参照して、レーザー加工を手動調整する手間を省ける。
【0115】
また、本開示の実施形態の金属加工装置10は、カメラ30と、光源31と、モニタ42と、を備える。光源31は、加工物50に対して発光する。カメラ30は、レーザー加工される加工物50を撮像するイメージセンサ36と、開閉により、イメージセンサ36を露出又は遮蔽するシャッタ38と、シャッタ38の開閉及び光源31の発光を制御するCPU35と、を備える。CPU35の制御により、レーザー加工するためのレーザー光22aの非照射時間に、シャッタ38が開く、又は、光源31が発光する。モニタ42は、カメラ30により撮像された加工物50の画像P1を表示する。
【0116】
これにより、金属加工装置10は、撮像時におけるレーザー光22aとプラズマ光22bとの影響を抑制できる。そのため、金属加工装置10は、溶接部(溶接池等)及び溶接部以外の加工物50全体や加工面の様子を撮像でき、撮像画像の画質を向上できる。また、ユーザ70は、撮像画像をモニタ42で確認することで、加工物50の様子を容易に観察でき、レーザー加工の調整を容易に実施できる。
【0117】
また、金属加工装置10は、イメージセンサ36により撮像された加工物50の画像と、シャッタ38の開閉速度と、に基づいて、レーザー加工において噴射された金属粉23aの速度を推定する制御装置を備えてもよい。制御装置は、例えば操作盤40である。
【0118】
これにより、ユーザ70は、金属粉23aの速度を参照して、手動操作によりレーザー加工(例えばシールドガス24aの噴射速度)を調整できる。また、金属加工装置10は、金属粉23aの速度に基づいて制御信号を生成し、自動でレーザー加工を調整できる。
【0119】
また、金属加工装置10は、制御装置が、推定された金属粉23aの速度に基づいて、金属粉23aの温度を推定してもよい。
【0120】
これにより、ユーザ70は、金属粉23aの温度を参照して、手動操作によりレーザー加工(例えばシールドガス24aの噴射速度)を調整できる。また、金属加工装置10は、金属粉23aの温度に基づいて制御信号を生成し、自動でレーザー加工を調整できる。
【0121】
また、金属加工装置10は、制御装置が、推定された金属粉23aの速度に基づいて、レーザー加工において噴射されたガスの速度を推定してもよい。
【0122】
これにより、ユーザ70は、ガスの速度を参照して、手動操作によりレーザー加工(例えばシールドガス24aの噴射速度)を調整できる。また、金属加工装置10は、ガスの速度に基づいて制御信号を生成し、自動でレーザー加工を調整できる。
【0123】
また、金属加工装置10は、制御装置が、推定された金属粉23a又はガスの状態に基づいて、レーザー加工を制御してもよい。
【0124】
これにより、ユーザ70が、レーザー光22aやプラズマ光22bの影響を低減して撮像された撮像画像を参照して、レーザー加工を手動調整する手間を省ける。
【0125】
本開示の一態様の撮像方法は、撮像装置における撮像方法である。この方法では、CPU35の制御により、レーザー加工するためのレーザー光22aの非照射時間に、開閉によりイメージセンサ36を露出又は遮蔽するシャッタ38を開き、又は、レーザー加工される加工物50に対して発光する光源31を発光し、イメージセンサ36により加工物を撮像する。
【0126】
これにより、カメラ30は、撮像時におけるレーザー光22aとプラズマ光22bとの影響を抑制できる。そのため、カメラ30は、溶接部(溶接池等)及び溶接部以外の加工物50全体や加工面の様子を撮像でき、撮像画像の画質を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示は、レーザー光及びレーザー光に励起されたプラズマ光の影響を低減して、レーザー加工される加工物の撮像画質を向上できる撮像装置、金属加工装置、及び撮像方法等に有用である。
【符号の説明】
【0128】
10 金属加工装置
20 金属加工機
21 ノズル
22 レーザー照射器
22a レーザー光
23 金属粉噴射器
23a 金属粉
24 ガス噴射器
24a シールドガス
25 プロセッサ
26 母材
27 溶解池
28 希釈域
29 造形部
30 カメラ
31 光源
32 レンズ
33 フィルタ
34 モータ
35 CPU
36 イメージセンサ
37 第1のイメージプロセッサ
38 シャッタ
40 操作盤
41 第2のイメージプロセッサ
42 モニタ
43 インプットデバイス
50 加工物
51 被写体
70 ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9