特開2016-221590(P2016-221590A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェイテクトの特許一覧
<>
  • 特開2016221590-球体研磨装置及び球体研磨方法 図000003
  • 特開2016221590-球体研磨装置及び球体研磨方法 図000004
  • 特開2016221590-球体研磨装置及び球体研磨方法 図000005
  • 特開2016221590-球体研磨装置及び球体研磨方法 図000006
  • 特開2016221590-球体研磨装置及び球体研磨方法 図000007
  • 特開2016221590-球体研磨装置及び球体研磨方法 図000008
  • 特開2016221590-球体研磨装置及び球体研磨方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221590(P2016-221590A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】球体研磨装置及び球体研磨方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 11/06 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   B24B11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-107244(P2015-107244)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亮
(72)【発明者】
【氏名】若園 賀生
(72)【発明者】
【氏名】三井 哲弥
(72)【発明者】
【氏名】小野▲崎▼ 徹
(72)【発明者】
【氏名】新美 匡俊
(72)【発明者】
【氏名】増田 祐生
【テーマコード(参考)】
3C049
【Fターム(参考)】
3C049AA04
3C049CA02
3C049CB05
(57)【要約】
【課題】第一、第二研磨盤を回転させる場合に、第一、第二研磨盤の中心軸線を同軸上に配置することにより、球体の真球度を向上できる球体研磨装置を提供する。
【解決手段】球体研磨装置(1)は、基台(11)に対して第一研磨盤(23)及び第二研磨盤(33)の少なくとも一方を支持し、基台(11)に対して第一研磨盤(23)及び第二研磨盤(33)の少なくとも一方の中心軸線(L1,L2)に直交する方向への位置を調整可能な調整機構17を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
中心軸線回りに回転可能に前記基台に設けられ、一方の面に前記中心軸線回りに環状に形成される第一研磨溝を有する第一研磨盤と、
前記第一研磨盤の中心軸線と同軸上の中心軸線回りに回転可能に前記基台に設けられ、前記第一研磨盤の前記一方の面に対向する面に、前記中心軸線回りに環状に形成される第二研磨溝を有する第二研磨盤と、
前記基台に対して前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤の少なくとも一方を支持し、前記基台に対して前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤の少なくとも一方の中心軸線に直交する方向への位置を調整可能な調整機構と、
を備える、球体研磨装置。
【請求項2】
前記調整機構は、前記基台に対して前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤の少なくとも一方の中心軸線の傾きを調整可能である、請求項1に記載の球体研磨装置。
【請求項3】
前記第一研磨盤は、前記第二研磨盤の下方に対向して配置され、
前記調整機構は、前記基台に対して前記第一研磨盤を調整可能であり、
前記第二研磨盤は、前記基台に対する中心軸線に直交する方向への位置及び中心軸線の傾きを調整不能である、請求項1又は2に記載の球体研磨装置。
【請求項4】
請求項1−3の何れか一項に記載の球体研磨装置を用いる球体研磨方法であって、
前記調整機構により調整された後に、前記第一研磨溝と前記第二研磨溝との間に研磨対象である球体を配置し、前記第一研磨盤と前記第二研磨盤とを相対的に回転させて前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝により前記球体を研磨する、球体研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球体研磨装置及び球体研磨方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の球体研磨装置は、対向する固定盤と回転盤とを備え、固定盤の環状溝と回転盤の環状溝との間に球体を配置し、回転盤を回転することにより球体を研磨する。さらに、この球体研磨装置は、回転盤に切削工具を取り付けた状態で回転盤を回転させて切削工具により固定盤の環状溝を成形する。そして、盤ならし加工によって、回転盤の環状溝を成形するとされている。特許文献2には、対向する2つの回転盤を同軸回転させて、球体を研磨する球体研磨装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−43881号公報
【特許文献2】特開昭61−192472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、対向する研磨盤に環状溝が形成される場合には、両方の環状溝の中心軸線と回転盤の回転軸線との同軸度が、球体の真球度にとって重要である。特許文献1のように、一方の研磨盤を固定盤とする場合には、盤ならし加工によって、両方の環状溝を同軸上に形成することにより解決できる。
【0005】
しかし、対向する両方の研磨盤を回転させながら球体を研磨する場合には、両方の環状溝の同軸度だけでは十分ではなく、両方の研磨盤の回転軸線の同軸度が、球体の真球度にとって重要である。
【0006】
本発明は、第一、第二研磨盤を回転させる場合に、第一、第二研磨盤の中心軸線を同軸上に配置することにより、球体の真球度を向上できる球体研磨装置及び球体研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1.球体研磨装置)
球体研磨装置は、基台と、中心軸線回りに回転可能に前記基台に設けられ、一方の面に前記中心軸線回りに環状に形成される第一研磨溝を有する第一研磨盤と、前記第一研磨盤の中心軸線と同軸上の中心軸線回りに回転可能に前記基台に設けられ、前記第一研磨盤の前記一方の面に対向する面に、前記中心軸線回りに環状に形成される第二研磨溝を有する第二研磨盤と、前記基台に対して前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤の少なくとも一方を支持し、前記基台に対して前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤の少なくとも一方の中心軸線に直交する方向への位置を調整可能な調整機構とを備える。
【0008】
(2.球体研磨方法)
また、球体研磨方法は、上述した球体研磨装置を用いる球体研磨方法であって、前記調整機構により調整された後に、前記第一研磨溝と前記第二研磨溝との間に研磨対象である球体を配置し、前記第一研磨盤と前記第二研磨盤とを相対的に回転させて前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝により前記球体を研磨する。
【0009】
(3.球体研磨装置及び方法による効果)
上述した球体研磨装置及び球体研磨方法によれば、調整機構により、第一研磨盤の中心軸線と第二研磨盤の中心軸線とを同軸上に配置することができる。従って、球体の真球度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の球体研磨装置の構成を示す図である。
図2】調整機構を軸線方向から見た図である。
図3図2のIII−III断面図である。
図4図2のIV−IV断面図である。
図5A】調整機構を構成するブラケットの正面図である。
図5B】ブラケットの側面図である。
図6】制御装置のブロック構成図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1.球体研磨装置1の構成)
本実施形態の球体研磨装置1について図1を参照して説明する。球体研磨装置1は、基台11、コラム12、第一移動体13、第二移動体14、上下駆動機構15及び調整機構17を備える。基台11は、床面に設置され、中央に上下方向への貫通孔11aを備える。コラム12は、基台11の上面に固定される。コラム12の側面には、上下方向に延びるガイドレール12a,12bが設けられる。
【0012】
第一移動体13は、基台11の上面に調整機構17を介して配置され、且つ、一部を貫通孔11aに配置される。第一移動体13は、第一本体部21、第一研磨盤支持体22、第一研磨盤23、第一静圧軸受24及び第一モータ25を備える。
【0013】
第一本体部21は、中央孔21aを有する円盤状に形成される。第一本体部21は、中央孔21aが基台11の貫通孔11aと同軸上に位置するように、基台11の上面に調整機構17を介して固定される。中央孔21aの中心軸線は、L1であり、鉛直軸方向に一致する。
【0014】
第一研磨盤支持体22は、第一本体部21に対して、中心軸線L1の回りに回転可能に設けられる。第一研磨盤支持体22は、第一本体部21の中央孔21aを貫通する軸部22a、第一本体部21の上面及び下面に対向する円盤状のフランジ部22b,22cを備える。
【0015】
第一研磨盤23は、第一研磨盤支持体22の上側のフランジ部22bの上面に一体的に固定される。つまり、第一研磨盤23は、第一本体部21に対して中心軸線L1の回りに回転可能に設けられる。第一研磨盤23は、環状に形成される。さらに、第一研磨盤23は、一方の面(上面)に中心軸線L1の回りに環状に形成される第一研磨溝23aを有する。第一研磨溝23aの断面形状は、円弧凹状に形成される。第一研磨溝23aは、研磨対象である球体2を研磨する。
【0016】
第一静圧軸受24は、第一本体部21に保持され、第一研磨盤23に一体的に固定される第一研磨盤支持体22を、第一本体部21に対してラジアル方向及びスラスト方向に支持する。詳細には、第一静圧軸受24は、第一本体部21の中央孔21aに保持され、軸部22aの外周面に対して流体圧により支持するラジアル軸受24aを備える。さらに、第一静圧軸受24は、第一本体部21の上面及び下面に保持され、フランジ部22b,22cに対して流体圧により支持するスラスト軸受24b,24cを備える。
【0017】
本実施形態においては、第一静圧軸受24に供給される流体は、共通の流体供給源から供給され、ラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cに分岐される。第一静圧軸受24は、さらにオリフィス絞り24d(図6に示す)を備える。オリフィス絞り24dは、ラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cのそれぞれに設けられる。ここで、第一静圧軸受24を構成するオリフィス絞り24dの位置は可変であるため、流体圧は可変とされる。第一モータ25は、第一本体部21又は基台11に支持され、第一研磨盤支持体22を回転駆動する。
【0018】
第二移動体14は、コラム12に対して上下方向に移動可能に配置される。第二移動体14は、第二本体部31、第二研磨盤支持体32、第二研磨盤33、第二静圧軸受34及び第二モータ35を備える。
【0019】
第二本体部31は、円筒状に形成され、下円盤部及び上円盤部には中央孔31a,31bを有する。第二本体部31の中央孔31a,31bの中心軸線は、L2であり、第一本体部21の中央孔21aの中心軸線L1に一致する。第二本体部31の円筒部は、コラム12の側面のガイドレール12a,12bに摺動可能に設けられる。つまり、第二本体部31は、コラム12に対して上下方向に移動可能である。
【0020】
第二研磨盤支持体32は、第二本体部31に対して、中心軸線L2の回りに回転可能に設けられる。第二研磨盤支持体32は、第二本体部31の下円盤部の中央孔31aを貫通する軸部32a、第二本体部31の下円盤部の下面及び上面に対向する円盤状のフランジ部32b,32cを備える。
【0021】
第二研磨盤33は、第二研磨盤支持体32の下側のフランジ部32bの下面に一体的に固定される。つまり、第二研磨盤33は、第二本体部31に対して中心軸線L2の回りに回転可能に設けられる。第二研磨盤33は、環状に形成される。さらに、第二研磨盤33は、一方の面(下面)に中心軸線L2の回りに環状に形成される第二研磨溝33aを有する。第二研磨溝33aの断面形状は、円弧凹状に形成される。第二研磨溝33aは、研磨対象である球体2を研磨する。
【0022】
第二研磨盤33の第二研磨溝33a側の面は、第一研磨盤23の第一研磨溝23a側の面に対向する。第二研磨溝33aの環状径は、第一研磨溝23aの環状径と同径に形成される。さらに、第二研磨溝33aの断面円弧径は、第一研磨溝23aの断面円弧径と同径に形成される。
【0023】
第二静圧軸受34は、第二本体部31の下円盤部に保持され、第二研磨盤33に一体的に固定される第二研磨盤支持体32を、第二本体部31に対してラジアル方向及びスラスト方向に支持する。詳細には、第二静圧軸受34は、第二本体部31の下円盤部の中央孔31aに保持され、軸部32aの外周面に対して流体圧により支持するラジアル軸受34aを備える。さらに、第二静圧軸受34は、第二本体部31の下円盤部の上面及び下面に保持され、フランジ部32b,32cに対して流体圧により支持するスラスト軸受34b,34cを備える。
【0024】
本実施形態においては、第二静圧軸受34に供給される流体は、共通の流体供給源から供給され、ラジアル軸受34a、スラスト軸受34b,34cに分岐される。第二静圧軸受34は、さらにオリフィス絞り34d(図6に示す)を備える。オリフィス絞り34dは、ラジアル軸受34a、スラスト軸受34b,34cのそれぞれに設けられる。ここで、第二静圧軸受34を構成するオリフィス絞り34dの位置は可変であるため、流体圧は可変とされる。また、第二静圧軸受34に流体を供給する流体供給源は、第一静圧軸受24に流体を供給する流体供給源と共通して設けられる。第二モータ35は、第二本体部31に支持され、第二研磨盤支持体32を回転駆動する。
【0025】
上下駆動機構15は、コラム12に対して第二本体部31を上下移動させる。上下駆動機構15は、コラム12の上端に固定されるモータ41と、モータ41の出力軸に連結されるボールねじ42と、ボールねじ42に螺合する第二本体部31の上円盤部の中央孔31bに固定されるボールねじナット43とを備える。
【0026】
調整機構17は、基台11に固定され、第一移動体13を支持する。詳細には、調整機構17は、第一移動体13の第一本体部21に固定される。調整機構17は、第一研磨盤23の中心軸線L1に直交する方向(水平方向)への位置を調整可能である。さらに、調整機構17は、第一研磨盤23の中心軸線L1の傾きを調整可能である。つまり、調整機構17は、第一研磨盤23の中心軸線L1と第二研磨盤33の中心軸線L2を同軸上に配置することが可能となる。
【0027】
(2.調整機構17の詳細構成)
調整機構17の詳細構成について図2図5Bを参照して説明する。調整機構17は、支持部材61、傾動部材62、ブラケット63a,63b,63c,63d、位置調整ボルト64a,64b,64c,64d、位置固定ナット65a,65b,65c,65d、傾き調整ボルト66、傾き固定ボルト67及び固定ボルト68を備える。
【0028】
支持部材61は、円環状に形成される。支持部材61の上面の内周側には、球面凹状に形成された傾き調整面61aが形成される。支持部材61の上面の外周側は、平面状に形成される。支持部材61の平面状上面には、図4に示すように、直径D1(図2に示す)の位置に、傾き固定ボルト67に螺合する雌ねじ61bが等間隔に4カ所形成される。さらに、支持部材61の外周面には、図3に示すように、等間隔に、径方向内方に向かう4カ所の雌ねじ61cが形成される。つまり、対向する位置に、雌ねじ61cが形成される。
【0029】
傾動部材62は、支持部材61と同程度の円環状に形成され、支持部材61の上面に固定される。傾動部材62の下面の内周側には、支持部材61の傾き調整面61aの球面凹状に対応する球面凸状に形成された傾き調整面62aが形成される。つまり、傾動部材62は、支持部材61に対して傾きが変化した状態であっても、支持部材61に面接触した状態で固定される。
【0030】
傾動部材62の外周側には、支持部材61の雌ねじ61bに対応する位置に、直径D1の位置に、傾き固定ボルト67を挿通する貫通孔62bが等間隔に4カ所形成される。傾き固定ボルト67が、貫通孔62bを挿通し且つ雌ねじ61bに螺合されることで、傾動部材62が支持部材61に固定される。ここで、貫通孔62bの穴径は、支持部材61に対して傾動部材62の傾き調整可能な程度に形成される。
【0031】
さらに、傾動部材62における直径D1の位置には、それぞれの貫通孔62bに近接した位置に、貫通雌ねじ62cが等間隔に4カ所形成される。貫通雌ねじ62cには、傾き調整ボルト66が螺合される。複数の傾き調整ボルト66が、それぞれの貫通雌ねじ62cに螺合され、支持部材61の上面を押圧することで、支持部材61に対する傾動部材62の傾きが調整される。つまり、複数の傾き調整ボルト66による傾動部材62の下面からの突出量を調整することによって、傾動部材62が支持部材61に対して傾きが調整される。傾き調整時において、支持部材61の球面凹状の傾き調整面61aと傾動部材62の球面凸状の傾き調整面62aとが接触した状態を維持するように行う。
【0032】
ブラケット63a,63b,63c,63dは、支持部材61の外周面から径方向に離間した位置の基台11上に固定される。ブラケット63a,63b,63c,63dは、図5A及び図5Bに示すように、座板71と、座板71の上面に立設された壁部72とを備える。壁部72には、上縁側に切欠72aが形成される。
【0033】
ブラケット63a,63b,63c,63dは、支持部材61の複数の雌ねじ61cに対向する位置に配置される。ブラケット63a,63b,63c,63dの壁部72の切欠72aには、位置調整ボルト64a,64b,64c,64dが配置され、この位置調整ボルト64a,64b,64c,64dが支持部材61の雌ねじ61cに螺合される。さらに、位置固定ナット65a,65b,65c,65dが位置調整ボルト64a,64b,64c,64dに螺合され、位置調整ボルト64a,64b,64c,64dの頭部と位置固定ナット65a,65b,65c,65dとによって、ブラケット63a,63b,63c,63dの壁部72が挟まれることによって、位置調整ボルト64a,64b,64c,64dの位置決めがされる。
【0034】
ここで、ブラケット63a,63cが対向し、ブラケット63b,63dが対向する。つまり、ブラケット63aに取り付けられる位置調整ボルト64aの位置を調整する際には、同時に、ブラケット63cに取り付けられる位置調整ボルト64cの位置を調整する必要がある。また、ブラケット63bに取り付けられる位置調整ボルト64bの位置を調整する際には、同時に、ブラケット63dに取り付けられる位置調整ボルト64dの位置を調整する必要がある。
【0035】
なお、本実施形態においては、4個のブラケット63a,63b,63c,63dを用いたが、隣り合う2個のブラケット63a,63bのみを用いるようにしてもよい。この場合、位置調整ボルト64a,64b及び位置固定ナット65a,65bが用いられる。
【0036】
傾動部材62の上面には、第一本体部21が配置され、複数の固定ボルト68によって両者が固定される。固定ボルト68は、傾動部材62の雌ねじ62cに螺合される。つまり、位置調整ボルト64a,64b,64c,64dの調整によって、基台11に対する支持部材61の位置が調整される。さらに、傾き調整ボルト66の調整によって、支持部材61に対する傾動部材62の傾きが調整される。傾動部材62には、第一本体部21が固定され、第一本体部21には第一研磨盤23が回転可能に支持される。つまり、第一研磨盤23の中心軸線L1は、調整機構17による位置調整及び傾き調整によって、第二研磨盤33の中心軸線L2と同軸上に配置することができる。
【0037】
(3.制御装置16の構成)
球体研磨装置1は、さらに制御装置16を備える。制御装置16は、図6に示すように、モータ制御部51と、流体圧調整部52とを備える。モータ制御部51は、各モータ25,35,41を制御する。つまり、モータ制御部51が第一モータ25を回転駆動することにより、第一研磨盤23が回転する。また、モータ制御部51が第二モータ35を回転駆動することにより、第二研磨盤33が回転する。また、モータ制御部51がモータ41を回転駆動することにより、第二移動体14が上下動する。
【0038】
流体圧調整部52は、各オリフィス絞り24d,34dの絞り量を調整する。流体圧調整部52が第一オリフィス絞り24dの位置を移動させることにより、第一静圧軸受24の剛性が変化する。また、流体圧調整部52が第二オリフィス絞り34dの位置を移動させることにより、第二静圧軸受34の剛性が変化する。
【0039】
本実施形態においては、第一オリフィス絞り24dは、ラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cの流体圧全てを同時に調整する。つまり、第一オリフィス絞り24dが調整されることで、ラジアル軸受24aによる剛性、及び、スラスト軸受24b,24cによる剛性が調整される。同時に、第一静圧軸受24によるモーメント剛性が調整される。
【0040】
また、第二オリフィス絞り34dは、ラジアル軸受34a、スラスト軸受34b,34cの流体圧全てを同時に調整する。つまり、第二オリフィス絞り34dが調整されることで、ラジアル軸受34aによる剛性、及び、スラスト軸受34b,34cによる剛性が調整される。同時に、第二静圧軸受34によるモーメント剛性が調整される。
【0041】
なお、第一オリフィス絞り24dをラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cのそれぞれに設けることで、ラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cのそれぞれの流体圧を独立して調整することも可能である。また、第二オリフィス絞り34dについても同様である。
【0042】
また、上記実施形態においては、第一,第二オリフィス絞り24d,34dの位置を可変とすることにより、第一,第二静圧軸受24,34の流体圧を可変とした。この他に、流体圧調整部52は、第一,第二静圧軸受24,34への流体供給源による供給される流体圧を調整することもできる。
【0043】
(4.球体研磨装置1を用いる球体2の研磨方法)
球体研磨装置1により球体2を研磨する前に、調整機構17によって、第一研磨盤23の中心軸線L1と第二研磨盤33の中心軸線L2とを同軸上に位置するように調整しておく。そして、制御装置16の流体圧調整部52は、第一,第二静圧軸受24,34の流体圧が球体2の研磨を行うときに使用する流体圧となるように、オリフィス絞り24d,34dを設定しておく。
【0044】
続いて、制御装置16は、モータ41を駆動して、第二移動体14を上方へ移動させておく。この状態で、研磨素材である複数の球体2を、第一研磨盤23の第一研磨溝23aに配置する。続いて、制御装置16は、モータ41を駆動して、第二移動体14を下方へ移動させて、第二研磨盤33の第二研磨溝33aが球体2に接触する状態とする。
【0045】
続いて、制御装置16は、第一研磨盤23の回転速度を一定値とするように又は周期的に変動させるように第一モータ25を駆動し、且つ、第二研磨盤33の回転速度を一定値とするように第二モータ35を駆動する。このとき、第一研磨盤23と第二研磨盤33とは逆方向に回転される。このようにして、球体2は、第一,第二研磨盤23,33によって研磨される。この状態を設定した時間を経過したところで、制御装置16は、第一モータ25及び第二モータ35を停止して、モータ41を駆動して第二移動体14を上方へ移動させる。
【0046】
(5.球体研磨装置1の基本構成による効果)
上述したように、球体研磨装置1は、中心軸線L1の回りに回転可能に設けられ、一方の面に中心軸線L1の回りに環状に形成される第一研磨溝23aを有する第一研磨盤23と、第一研磨盤23の中心軸線L1と同軸上の中心軸線L2の回りに回転可能に設けられ、第一研磨盤23の一方の面に対向する面に、中心軸線L2の回りに環状に形成される第二研磨溝33aを有する第二研磨盤33とを備える。このように、対向する第一,第二研磨盤23,33を回転可能にすることで、第一,第二研磨溝23a,33aに複数の球体2を配置して、複数の球体2の研磨を同時に加工となる。
【0047】
さらに、第一、第二研磨盤23,33を回転可能にすることで、研削の自由度が高くなる。例えば、第一,第二研磨盤23,33は、後述するように流体圧を高くすることで第一,第二研磨盤23,33の中心軸線L1,L2を高精度に位置決め可能となる。特に、第一,第二研磨盤23,33が静圧軸受により支持されることで、転がり軸受を用いる場合に比べて、初期摩耗及び経年摩耗を生じないことにより高精度に位置決めし続けることができる。また、第一,第二研磨盤23,33は、後述するように流体圧を低くすることで第一,第二研磨盤23,33の中心軸線L1,L2のずれを許容できる。その結果、高精度に球体2を研磨できる。
【0048】
(6.調整機構17による効果)
調整機構17が、基台11に対して第一研磨盤23を支持し、基台11に対して第一研磨盤23の中心軸線L1に直交する方向への位置を調整可能とされる。従って、調整機構17により、第一研磨盤23の中心軸線L1と第二研磨盤33の中心軸線L2とを同軸上に配置することができるため、球体2の真球度が向上する。
【0049】
さらに、調整機構17は、基台11に対して第一研磨盤23の中心軸線L1の傾きを調整可能でされる。従って、第一研磨盤23の中心軸線L1と第二研磨盤33の中心軸線L2とを確実に同軸上に配置することができるため、球体2の真球度が向上する。
【0050】
ここで、本実施形態においては、調整機構17は、基台11と第一研磨盤23との間に設け、基台11に対する第一研磨盤23の位置及び傾きを調整可能としたが、基台11に対する第二研磨盤33の位置及び傾きを調整可能な構成としてもよい。さらに、第一研磨盤23及び第二研磨盤33の両者のそれぞれが、基台11に対して位置及び傾きを調整可能な構成としてもよい。
【0051】
ただし、本実施形態においては、第一研磨盤は、第二研磨盤の下方に対向して配置され、調整機構17は、基台11に対して第一研磨盤を調整可能であり、第二研磨盤33は、基台11に対する中心軸線L1に直交する方向への位置及び中心軸線L1の傾きを調整不能である。つまり、調整機構17は、第一研磨盤23側のみに配置する。下方に配置される第一研磨盤23を調整するのは比較的容易であるのに対して、上方に配置される第二研磨盤33を調整するのは容易ではない。そこで、下方に配置される第一研磨盤23のみを調整することで、装置全体の構成が小型となり、作業者による調整作業が容易になる。
【符号の説明】
【0052】
1:球体研磨装置、 2:球体、 11:基台、 12:コラム、 16:制御装置、 17:調整機構、 21:第一本体部、 23:第一研磨盤、 23a:第一研磨溝、 24:第一静圧軸受、 33:第二研磨盤、 33a:第二研磨溝、 34:第二静圧軸受、 61:支持部材、 62:傾動部材、 63a,63b,63c,63d:ブラケット、 64a,64b,64c,64d:位置調整ボルト、 65a,65b,65c,65d:位置固定ナット、 66:傾き調整ボルト、 67:傾き固定ボルト、 L1:第一研磨盤の中心軸線、 L2:第二研磨盤の中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6