特開2016-221958(P2016-221958A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2016-221958表面に画像を印刷するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-221958(P2016-221958A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】表面に画像を印刷するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20161205BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20161205BHJP
   B64F 5/00 20060101ALI20161205BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20161205BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B41J2/01 109
   B05C5/00 101
   B64F5/00 Z
   B41J2/01 401
   B41J2/01 451
   B41J2/01 303
   B41J2/01 307
   B05D1/26 Z
   B05D3/00 D
   B05D3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-98500(P2016-98500)
(22)【出願日】2016年5月17日
(31)【優先権主張番号】14/726,387
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】デニス アール.マティス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ エル.フリーマン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航空機に正確、安価に塗装することができるシステム及び方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのアーム210を有するロボット202を含む。プリントヘッド(300)は、アーム210に取り付けられており、表面102に画像スライス404を印刷しつつ、アーム210によって表面102上で走査経路350に沿って移動可能である。前記画像スライス404は、対向する側縁を有する。プリントヘッド300は、対向する側縁のうちの少なくとも一方に沿う画像勾配帯状部418を有する画像スライス404を印刷するように構成されており、画像勾配帯状部418内の画像濃度は、画像スライス404の内側部分414から側縁に向かって低下する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(102)に画像(400)を印刷するためのシステム(200)であって、
少なくとも1つのアーム(210)を有するロボット(202)と、
前記アーム(210)に取り付けられており、表面(102)に画像スライス(404)を印刷しつつ、前記アーム(210)によって前記表面(102)上で走査経路(350)に沿って移動可能であるプリントヘッド(300)と、を含み、
前記プリントヘッド(300)は、画像スライス(404)の対向する側縁(416)のうちの少なくとも一方に沿う画像勾配帯状部(418)を有する画像スライス(404)を印刷するように構成されており、前記画像勾配帯状部(418)内の画像濃度は、前記画像スライス(404)の内側部分(414)から前記側縁(416)に向かって低下する、システム。
【請求項2】
前記アーム(210)は、新たな画像スライス(406)の画像勾配帯状部(418)が既存の画像スライス(408)の画像勾配帯状部(418)に重なるよう、プリントヘッド(300)を前記既存の画像スライス(408)に平行に移動させるように構成されている、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項3】
前記プリントヘッド(300)は、画像勾配帯状部(418)の重なり部分の画像濃度が、前記新たな画像スライス(406)及び前記既存の画像スライス(408)のうちの少なくとも一方の前記内側部分(414)の画像濃度と同等となるように、前記新たな画像スライス(406)及び前記既存の画像スライス(408)の前記画像勾配帯状部(418)を印刷するように構成されている、請求項2に記載のシステム(200)。
【請求項4】
前記プリントヘッド(300)は、印刷幅(302)に沿って分散配置されたアレイ状のノズル(308)を含み、
前記プリントヘッド(300)は、以下の態様、すなわち、
前記側縁(416)に向かう方向に沿って液滴間隔(332)が徐々に大きくなる態様、及び、
前記側縁(416)に向かう方向に沿って液滴サイズ(334)が徐々に小さくなる態様、のうちの少なくとも1つの態様で液滴(330)を吐出することによって、前記画像勾配帯状部(418)を形成するように構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム(200)。
【請求項5】
前記新たな画像スライス(406)を印刷する際に、前記表面(102)に参照線(322)を印刷するように構成された参照線印刷機構(320)、及び、
既存の画像スライス(408)の前記参照線(322)を感知し、前記ロボット(202)に信号を送信することによって、前記新たな画像スライス(406)の側縁(416)が、前記既存の画像スライス(408)の前記側縁(416)にアラインメントするように、前記アーム(210)に前記プリントヘッド(300)を調節させるよう構成された参照線センサ(326)をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム(200)。
【請求項6】
前記参照線印刷機構(320)は、前記プリントヘッド(300)の少なくとも1つのノズルによって構成されている、請求項5に記載のシステム(200)。
【請求項7】
前記ロボット(202)は、前記新たな画像スライス(406)の側縁(416)が前記既存の画像スライス(408)の前記側縁(416)にアラインメントするよう、前記プリントヘッド(300)の横方向位置を調節するように構成されている、請求項5又は6に記載のシステム(200)。
【請求項8】
前記ロボット(202)は、前記新たな画像スライス(406)の側縁(416)が前記既存の画像スライス(408)の前記側縁(416)にアラインメントするよう、能動的に液滴(330)を吐出するノズル(308)のグループを電子的にずらすように構成されている、請求項5〜7のいずれかに記載のシステム(200)。
【請求項9】
前記プリントヘッド(300)を前記アーム(210)の端部に連結する少なくとも1つの広域幅アクチュエータ(250)をさらに含み、
前記広域幅アクチュエータ(250)は、前記走行経路(350)に沿う前記プリントヘッド(300)の移動中、前記表面(102)に対する前記プリントヘッド(300)の配向及び/又は位置を調節するように構成されている、請求項5〜8のいずれかに記載のシステム(200)。
【請求項10】
前記広域幅アクチュエータは(250)は、以下の方向、すなわち、
前記表面(102)に対して平行であり且つ前記走査経路(350)に対して垂直な、並進の横断方向(354)、
前記表面(102)に対して垂直である、並進の法線方向(356)、及び、
前記走査経路(350)に平行な軸を中心とする回転の回動方向(358)、のうちの少なくとも1つに沿って、前記プリントヘッド(300)を調節するように構成されている、請求項9に記載のシステム(200)。
【請求項11】
前記広域幅アクチュエータ(250)は、同一面内三脚配置に配列されるとともにそれぞれが上端(268)及び下端(270)を有する第1アクチュエータ(250a)、第2アクチュエータ(250b)及び第3アクチュエータ(250c)を含み、前記上端(268)は、前記ロボット(202)の前記アーム(210)の端部(214)に枢動可能に連結される一方、前記下端(270)は、前記プリントヘッド(300)に枢動可能に連結されており、
前記第1及び第3アクチュエータ(250a、250c)の前記上端(268)同士は、互いに離間しており、
前記第1及び第3アクチュエータ(250a、250c)の前記下端(270)同士は、互いに離間しており、
前記第2アクチュエータ(250b)の前記上端(268)は、前記第1アクチュエータ(250a)の前記上端(268)に隣接して配置されており、
前記第2アクチュエータ(250b)の前記下端(270)は、前記第3アクチュエータ(250c)の前記下端(270)に隣接して配置されていることによって、前記第2アクチュエータ(250b)は、前記第1アクチュエータ(250a)の前記上端(268)と、前記第3アクチュエータ(250c)の前記下端(270)との間に斜めに延びており、
前記第1、第2、及び第3アクチュエータ(250a、250b、250c)は、前記横断方向(354)、前記法線方向(356)及び前記回動方向(358)に沿った前記プリントヘッド(300)の調節を可能にする、請求項10に記載のシステム(200)。
【請求項12】
表面(102)に画像(400)を印刷する方法であって、
ロボット(202)のアーム(210)であって、アーム(210)に取り付けられたプリントヘッド(300)を有するアーム(210)を、表面(102)に隣接させて配置することと、
前記表面(102)に画像スライス(404)を印刷しつつ、前記アーム(210)を用いて前記プリントヘッド(300)を前記表面(102)上で前記走査経路(350)に沿って移動させることと、
前記画像スライス(404)を印刷する際に、画像スライス(404)の少なくとも1つの側縁(416)に沿って画像勾配帯状部(418)を印刷することとを含み、前記画像勾配帯状部(418)は、前記側縁(404)に向かう方向に沿って低下する画像濃度を有する、方法。
【請求項13】
前記プリントヘッド(300)を移動させる工程及び前記画像勾配帯状部(418)を印刷する工程は、前記新たな画像スライス(406)の前記画像勾配帯状部(418)が前記既存の画像スライス(408)の前記画像勾配帯状部(418)に重なるように、前記既存の画像スライス(408)に平行に前記新たな画像スライス(406)を印刷するよう、前記走査経路(350)に沿って前記プリントヘッド(300)を移動させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記画像勾配帯状部(418)を印刷する工程は、前記画像勾配帯状部(418)の重なり部分の画像濃度が、前記新たな画像スライス(406)及び前記既存の画像スライス(408)のうちの少なくとも一方の内側部分(414)の画像濃度と同等となるように、前記新たな画像スライス(406)及び前記既存の画像スライス(408)の前記画像勾配帯状部(418)を印刷することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プリントヘッド(300)は、液滴(330)を吐出するためのアレイ状のノズル(308)を含み、前記画像勾配帯状部(418)を印刷する工程は、
前記側縁(416)に向かう方向に沿って徐々に大きな液滴間隔(332)で液滴を吐出すること、及び/又は、
前記側縁(416)に向かう方向に沿って徐々に小さな液滴サイズ(334)の液滴を吐出すること、を含む、請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、コーティング塗布システムに関し、より具体的には、ロボット機構を用いて表面に画像を印刷するための自動のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は、広範囲に及ぶ寸法、独特の幾何学形状、及び大きな表面積を有していることから、航空機の塗装は、比較的困難で時間のかかるプロセスとなっている。例えば、胴体から突出している翼が、塗装プロセスの邪魔になることがある。また、水平尾翼上に設けられた垂直尾翼は、高さがあるため、当該垂直尾翼の外面にアクセスするのが難しいことがある。航空機の外装に関連して塗装方式が複雑になっているため、航空機の塗装に要する時間がさらに増している。この点に関し、航空会社の標準的な外装は、複雑な幾何学形状及び色の組み合わせを有する画像又はデザインを含むとともに、航空会社の名前やロゴを含む場合があり、これらを、胴体、垂直尾翼、エンジンナセルなどの航空機の様々な部分に施す場合がある。
【0003】
従来の航空機の塗装方法は、マスキング、塗料の塗布、及び、デマスキングという複数の工程を必要とする。複数の色を有する航空機の外装を施すには、外装のうちのそれぞれの色について、マスキング、塗料の塗布、及び、デマスキングの工程を行う必要があり、これによって、航空機の塗装にかかるトータルの時間が増える。また、間隙が残ると、通常白色である下塗りが露出し、航空機全体の外観が損なわれるため、航空機の外装は、間隙ができないように正確に塗布しなければならない。さらに、航空機の表面に塗料を塗布するプロセスは、性能要件(例えば重量要件)を満たす許容レベルのコーティング厚みが確実に確保されるよう、高レベルの制御で行わなければならない。
【0004】
これらのことからわかるように、当技術分野では、複雑な画像や複数色の画像を、正確に、コスト効率良く、且つ適切なタイミングで施すことを含め、航空機に塗装を行うシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
航空機の塗装に関する上述の問題点は、少なくとも1つのアームを有するロボットを用いて表面に画像を印刷するシステムを提供する本開示によって、具体的に対処及び緩和される。プリントヘッドは、アームに取り付けることができ、表面に画像スライスを印刷しつつ、アームによって表面上で走査経路に沿って移動可能である。プリントヘッドは、対向する側縁のうちの少なくとも一方に沿う画像勾配帯状部を有する画像スライスを印刷するように構成することができ、画像勾配帯状部内の画像濃度は、画像スライスの内側部分から側縁に向かって低下する。
【0006】
少なくとも1つのアームと、アームに取り付けられたプリントヘッドとを有するロボットを含む、画像を印刷するためのシステムも開示される。プリントヘッドは、表面に新たな画像スライスを印刷しつつ、アームによって表面上で走査経路に沿って移動可能である。当該システムは、新たな画像スライスを印刷する際に、表面に参照線を印刷するように構成された参照線印刷機構を含みうる。当該システムは、既存の画像スライスの参照線を感知し、ロボットに信号を送信することによって、新たな画像スライスの側縁が、既存の画像スライスの側縁にアラインメントするように、アームにプリントヘッドを調節させるよう構成された参照線センサを含みうる。
【0007】
さらに、表面に画像を印刷する方法が開示される。当該方法は、表面に隣接させてアームを配置することを含みうる。アームは、当該アームに取り付けられたプリントヘッドを有しうる。当該方法は、さらに、表面に画像スライスを印刷しつつ、アームを用いてプリントヘッドを表面上で走査経路に沿って移動させることをさらに含みうる。さらに、当該方法は、画像スライスを印刷する際に、画像スライスの少なくとも1つの側縁に沿って画像勾配帯状部を印刷することを含みうる。画像勾配帯状部は、側縁に向かう方向に沿って低下する画像濃度を有しうる。
【0008】
表面に画像を印刷するさらなる方法は、ロボットのアームに取り付けられたプリントヘッドを用いて、プリントヘッドを表面上で走査経路に沿って移動させながら、表面に新たな画像スライスを印刷することを含みうる。当該方法は、新たな画像スライスを印刷する際に、表面に参照線を印刷することをさらに含みうる。当該方法は、新たな画像スライスを印刷しつつ、既存の画像スライスの参照線を参照線センサを用いて感知することをさらに含みうる。さらに、当該方法は、新たな画像スライスの側縁が既存の画像スライスの側縁にアラインメントするように、参照線の感知位置に基づいて、新たな画像スライスの横方向位置を調節することを含みうる。
【0009】
上述した特徴、機能、及び、利点は、本開示の様々な実施形態によって個別に達成することができ、あるいは、さらに他の実施形態と組み合わせてもよく、そのさらなる詳細は、以下の記載及び図面を参照することによって明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示のこれら及び他の特徴は、図面を参照することによってより明らかになるであろう。これらの図面を通して、同様の部品については同様の数字を付している。
【0011】
図1】画像形成システムの一例のブロック図である。
図2】航空機に1つ又は複数の画像を印刷するための1つ又は複数の画像形成システムを支持している複数のガントリーによって囲まれた航空機の斜視図である。
図3】航空機の斜視図であり、垂直尾翼に隣接して配置され、垂直尾翼に画像を印刷するための画像形成システムを支持している、ガントリーの1つを示す図である。
図4】航空機の両側に配置された画像形成システムを示す、航空機の端面図である。
図5図4の線5の方向に見たロボットの斜視図であり、ガントリーの横げたに取り付けられるとともに、ロボットのアームにプリントヘッドが取り付けられているロボットを示す図である。
図6図4の線6に沿う画像形成システムの側面図であり、垂直尾翼に画像を印刷しているプリントヘッドを示す図である。
図7】隣接する画像スライスの画像勾配帯状部に重なる画像勾配帯状部を有する画像スライスを形成するために、走査経路に沿って移動しているプリントヘッドの一例の平面図である。
図8図7の線8に沿うプリントヘッドの断面図であり、プリントヘッドによって印刷された画像スライスの重なり合う画像勾配帯状部を示す図である。
図9図8の線9で示したプリントヘッドの一部の拡大図であり、画像勾配帯状部を形成するために、稼働状態のノズルによって吐出される液滴の間隔を徐々に大きくした状態を示す図である。
図10】プリントヘッドの一部の拡大図であり、画像勾配帯状部を形成するために、ノズルによって吐出される液滴のサイズを徐々に小さくした状態を示す図である。
図11】重なり合う画像勾配帯状部を有する隣接する画像スライスの概略断面図である。
図12図11に示した隣接する画像スライスの平面図であり、重なり合う画像勾配帯状部を示す図である。
図13】新たな画像スライス406を印刷しつつ参照線を印刷するプリントヘッドの一例を示す図である。
図14図13の線14に沿う断面図であり、参照線印刷機構及び既存の画像スライスの参照線を感知するための1つ又は複数の参照線センサを含むプリントヘッドを示す図である。
図15図14の線15で示した部分の拡大図であり、プリントヘッドのノズルのうちの1つが参照線を印刷する一方、プリントヘッドの残りのノズルが画像スライスを印刷する状態を示す図である。
図16】既存の画像スライスの参照線を感知するための参照線センサを有するプリントヘッドの一例の拡大図である。
図17】プリントヘッドをロボットのアームに連結する1つ又は複数の広域幅アクチュエータを有するロボットの一例の側面図である。
図18】プリントヘッドをロボットのアームに連結する複数の広域幅アクチュエータの一例の側面図である。
図19】広域幅アクチュエータによって、参照線とアラインメントするように再配置されるとともに、プリントヘッド面が表面に対して平行となるように再配向された後のプリントヘッドの側面図である。
図20】プリントヘッドをロボットのアームに連結する複数の広域幅アクチュエータを有するデルタロボットの一例の斜視図である。
図21】平行な画像スライスのそれぞれが、画像スライスの側縁に沿う1つ又は複数の画像勾配帯状部を有するように、表面に画像を印刷する方法、に含まれうる1つ又は複数の操作のフローチャートである。
図22】既存の画像スライスに新たな画像スライスをアラインメントするための参照線を画像スライスが有するように、表面に画像を印刷する方法、に含まれうる1つ又は複数の操作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照するが、これらにおける図示は、本開示の様々な実施形態を例示することを目的としたものである。図1は、画像形成システム200の一例のブロック図であり、当該システムは、ロボットによって(例えば自動的又は半自動的に)表面102に画像400(図2)を印刷するために実施されうるものである。システム200は、ロボット202(ロボット機構)及び/又は少なくとも1つのアーム(例えば第1及び第2アーム210、212)を含む。アーム(例えば第2アーム212)には、プリントヘッド300が取り付けられている。いくつかの実施例において、システム200は、プリントヘッド300をアームの端部214(図5)に連結する1つ又は複数の広域幅アクチュエータ250を含む。以下に説明するように、このような広域幅アクチュエータ250は、画像スライス404の印刷中に、プリントヘッド300の位置及び配向を、正確且つ迅速に制御する。
【0013】
プリントヘッド300は、画像400を形成すべく、インク、塗料、又は他の流体あるいは着色剤の液滴330(図10)を表面102に吐出するための複数のノズル308又はオリフィスを有するインクジェットプリントヘッドとして構成することができる。インクジェットプリントヘッド300は、サーマルインクジェットプリンタ、圧電式プリンタ、又は連続プリンタとして構成することができる。ただし、プリントヘッド300は、ドットマトリックスプリンタなどの他の構成や、表面102に画像400を印刷可能なその他のプリンタ構成で用意してもよい。
【0014】
画像形成システム200は、順次の平行な走査経路350(図7)に沿って、表面102に画像スライス404を印刷する。平行な画像スライス404同士が合わさって、画像400が形成される。一実施例において、プリントヘッド300は、隣接する画像スライス404に重なるように画像スライス404を印刷する。この点に関し、プリントヘッド300は、画像スライス404の少なくとも一つの側縁416(図6)に沿う画像勾配帯状部418を有する画像スライス404を印刷するように構成されている。1つの画像スライス404の画像勾配帯状部418は、隣接する画像スライス404の画像勾配帯状部418に重なる。画像勾配帯状部418内の画像濃度は、走査経路350を横断する方向に沿って、低下する。隣接する画像スライス404の画像勾配帯状部418同士を重ね合わせることによって、画像400内に間隙ができるのを防止することができる。本開示において、重なり合う画像勾配帯状部418内の画像濃度によって、画像400の幅にわたって実質的に均一な画像濃度がもたらされ、重なりが視覚的には認識できなくなる。一実施例において、重なり合う画像勾配帯状部418内の画像濃度は、各画像スライス404の内側部分414の画像濃度と実質的に同等である。
【0015】
画像形成システム200の別の実施例において、プリントヘッド300は、画像スライス404の印刷中に参照線322(図13)を印刷する参照線印刷機構320を含む。例えば、参照線322は、画像スライス404の側縁416に沿って印刷される。プリントヘッド300は、参照線センサ326を含み、当該センサは、既存の画像スライス408の参照線322を検知及び/又は感知し、経路追従エラー信号をロボット202に送信することによって、新たな画像スライス406の印刷中に、新たな画像スライス406の側縁416が既存の画像スライス408の側縁416にアラインメント状態に維持されるよう、ロボットアーム(図5)又は広域幅アクチュエータ250(図17図20)にプリントヘッド300を(例えばリアルタイムで)修正又は調節させるように、構成されている。このように、参照線322があることによって、プリントヘッド300は、新たな画像スライス406と既存の画像スライス408(図13)の側縁416同士が、互いに間隙の無い状態及び/又は重ならない状態でアラインメントされるよう、先に印刷された画像スライス404の走査経路350を正確にたどることができ、これによって、画像400の品質を低下させることになる隣接する画像スライス404間の間隙を回避することができる。
【0016】
図2は、航空機100、及び、本明細書に開示の1つ又は複数の画像形成システム200を支持するために使用されうるガントリーシステムの斜視図である。航空機100は、胴体104を有し、胴体104は、その前方端にノーズ106を、後方端に尾翼108を備えている。胴体104の上部をクラウン(crown)、胴体104の底部をキール(keel)と呼ぶ場合がある。航空機100は、胴体104から外方に延びる一対の主翼114を含む。1つ又は複数の駆動ユニットが、航空機100、例えば主翼114に搭載されている。尾翼108は、水平尾翼110及び垂直尾翼112を含む。
【0017】
図2において、ガントリーシステムは、格納庫(hangar)120内に格納されており、航空機100の1つの側又は複数の側に配置された複数のガントリー124を含む。ガントリー124のそれぞれは、一対の垂直タワー126を含み、これらは、フロア122に連結又は一体に設けられたフロアトラックシステム130に沿って、原動機付ベース128を介して移動可能である。各ガントリー124は、タワー126間に延びる横げた132を含む。各ガントリー124の横げた132は、人員用プラットフォーム134を含む。さらに、横げた132は、横げた132に沿って移動可能な少なくとも1つのロボット202を支持する。好適なことに、ガントリーシステムによって、クラウン、キール、及び、胴体104、垂直尾翼112、駆動ユニットの側面を含む航空機100の他の外面、ならびにその他の面102に、プリントヘッド300がアクセスすることができるように、ロボット202を配置することができる。
【0018】
本開示のシステム200及び方法を、航空機100に画像を印刷することに関連付けて説明するが、システム200及び方法は、特に限定されることなく、あらゆるタイプの表面に画像を印刷するために実施することができる。この点に関し、表面102は、トラクタートレーラーを含む自動車両、建物、バナー、又は、印刷対象の面を有する他の任意のタイプの可動又は非可動の構造体、物体、物品、又は材料の面であってもよい。表面は、平らな面でも、単純な曲面でも、複雑な曲面でもよい。
【0019】
図3は、垂直尾翼112に隣接して配置されたガントリー124を示す。横げたに取り付けられたロボット202は、垂直尾翼112に画像400を印刷するための画像形成システム200を支持する。図3においては、画像400は、インクジェットプリントヘッド300からのインクを用いるなどして垂直尾翼112に印刷される旗として示されている。ただし、プリントヘッド300は、他の流体−限定するものではないが、塗料、顔料、及び/又は他の着色剤、及び/又は流体を含む−を用いて画像を施すように構成してもよい。また、本明細書に開示の画像形成システム200は、グラフィック画像を形成することに限定されない。
【0020】
本開示において、「画像」という言葉は、表面102(図2)に塗布されうるあらゆるタイプのコーティングを含む。画像は、幾何学デザイン、及び、1つを含む任意の数の色を有していてもよく、いかなるタイプのコーティング組成で施してもよい。一実施例において、画像400は、グラフィックデザイン、ロゴ、文字、記号、及び/又は、任意の他のタイプの印を含みうる。この点に関し、画像400は、上述したように、航空機100の外面102に塗布される、幾何学デザイン又はパターンを含む航空機外装402を含みうる。画像400は、写真の複製を含みうる。さらには、画像400は、塗料、インク、又は他の着色剤もしくは流体の単色コーティングであってもよく、グラフィックデザイン、ロゴ、文字または他の印に限定されるものではない。
【0021】
図4は、航空機100の両側に配置された画像形成システム200を示す、航空機100の端面図である。各画像形成システム200は、1つ又は複数のアームを有するロボット202、及び、ロボット202のアームの末端214(図4)に連結されたプリントヘッド300を含む。画像形成システム200のうちの一方は、垂直尾翼112に画像400(例えば旗)を印刷している状態が示されている。他方の画像形成システム200は、胴体104の側面に、航空機外装402(例えば図2参照)の幾何学デザインとしての画像400を印刷している状態が示されている。
【0022】
画像形成システム200のロボット202は、ガントリー124に取り付けられ、一対のタワー126(図1図5)の間に懸架された横げた132に支持されたものとして説明するが、ロボット202は、限定されることなく、いかなる態様で支持してもよい。例えば、ロボット202は、オーバーヘッドガントリー(図示せず)から懸吊してもよい。これに代えて、ロボット202は、別のタイプの可動プラットフォームに取り付けてもよい。さらには、ロボット202は、作業現場(図示せず)又は他の常設機構に、非可動式すなわち固定式に支持させてもよい。
【0023】
図5は、ガントリー124の横げた132に取り付けられるとともに、ロボット202のアームにプリントヘッド300が取り付けられたロボット202の斜視図である。ロボット202は、横げた132の長手方向に沿って延びるガイドレール206に沿って移動可能である。図示の実施例において、ロボット202は、ロボットベース204、第1アーム210、及び、第2アーム212を含み、プリントヘッド300は、第2アーム212の端部214に取り付けられている。ロボットベース204は、横げた132に対してロボットベース204が第1の軸線216周りに回転できるようになっている。図示の都合上、参照番号216は回転方向を示す矢印を指しているが、ここでいう軸線は実際には回転が行われる仮想の中心線を意味しており、他の軸線についても同様である。第1アーム210は、第1アーム210をロボットベース204に連結しているジョイント部によって規定される第2の軸線218周りに回転可能である。第2アーム212は、第2アーム212を第1アーム210に連結しているジョイント部によって規定される第3の軸線220周りに回転可能である。さらに、第2アーム212は、第2アーム212の長さに沿って延びる第4の軸線222周りに旋回可能である。第2アーム212の長さは、伸縮自在であることにより、第5の運動軸224を規定している。
【0024】
図4及び図5において、プリントヘッド300は、プリントヘッド300を第2アーム212に連結しているジョイント部によって規定される第6の軸線226周りに回転可能であることが示されている。ロボットベース204は、横げた132の長さ方向にロボットベース204を駆動するとともに、ロボット202の第7の運動軸線228を規定するロボット駆動システム(図示せず)を含む。ロボット202は、ベース204、アーム、及び/又はプリントヘッド300を制御するための制御部208を含む。ロボット202は、第1アーム210及び第2アーム212を有するものとして示されているが、任意の数の軸線に沿う運動又は軸線周りの運動のための任意の数のアーム及びジョイント部を含むことができ、これによって、表面102の様々な箇所のうちの任意の箇所に、任意の配向で、プリントヘッド300を到達させることができる。いくつかの実施例において、ロボット202は、ベース204を有しない構成であってもよいし、プリントヘッド300が連結された単一のアームによってロボットが構成されていてもよい。
【0025】
図6は、垂直尾翼112に画像400を印刷している画像形成システム200の側面図である。第1アーム210及び第2アーム212は、ロボット202のベース204に対して移動可能であることによって、プリントヘッド300を配置することができる。プリントヘッド300は、アームによって、表面102上で、走査経路350のうちの1つ又は複数に沿って移動することができ、これによって、表面102に画像スライス404を印刷することができる。プリントヘッド300は、平行な走査経路350に沿って移動させられて平行な画像スライス404を形成し、これらが合わさって画像400が形成される。ロボット202は、プリントヘッドが表面102上で移動させられる際に、プリントヘッド面304の配向を表面102の局所的位置に対して平行に維持するように構成することができる。
【0026】
図7は、画像スライス404を形成すべく走査経路350に沿って移動しているプリントヘッド300の一例を示している。走査経路350のそれぞれは、表面102に対する法線方向に沿って上から見た場合に直線状であるものとして示されている。ただし、プリントヘッド300を、湾曲した走査経路、又は湾曲状と直線状の組み合わせの走査経路350に沿って移動させてもよい。プリントヘッド300は、複数の平行な画像スライス404を連続して並べて印刷することにより、全体として画像400を表面102に形成することができる。
【0027】
図8は、表面102に画像スライス404を印刷しているプリントヘッド300の断面図である。プリントヘッドの幅302は、走査経路350に対する横断方向354(図13)に平行に配向されている。プリントヘッド300は、プリントヘッド300の対向する幅方向端部306の間に分散配置された複数のノズル308又はオリフィスを含む。例えば、インクジェットプリントヘッドは、数千個のオリフィスを含む。プリントヘッド300は、インク、塗料、又は他の流体の液滴330(図10)をオリフィスから吐出することによって、コーティング厚み336を有するコーティングを表面102に形成する。
【0028】
各画像スライス404(図8)は、画像スライス404の帯幅410を規定する、対向する側縁416を有する。プリントヘッド300は、側縁416の少なくとも1つに沿って画像勾配帯状部418を有する画像スライス404を印刷するように構成されている。図示の実施例において、画像スライス404は、両側が画像勾配帯状部418と接している内側部分414を含む。画像勾配帯状部418は、走査経路350の延びる方向に対する横断方向354に沿って、画像勾配帯状部418の内側境界420から側縁416に向かって、画像スライス404の色の濃度が変化する(例えば低下する)帯域である。例えば、画像スライス404の内側部分414の色は黒であるかもしれない。この場合、画像勾配帯状部内においては、内側境界420における黒色(すなわち比較的高い濃度)から、画像スライス404の側縁416における白色(すなわち比較的低い濃度)まで、色が次第に変化する。画像スライス404の画像勾配帯状部418は、画像スライス404の内側部分414より幅が狭くてもよい。例えば、画像勾配帯状部418は、画像スライス404の帯幅410の30%未満であってもよい。
【0029】
プリントヘッド300は、画像スライス404の画像勾配帯状部418同士が重なり合うように、走査経路350に沿って移動させられる。画像勾配帯状部418が重なり合うことによって、隣接する画像スライス404間の計画上の間隔からのずれによって生じる間隙及び重なりが補償され、そのような計画上の画像スライス間隔からのずれが、視覚的に認識される可能性を減らすことができ、有利である。この点に関し、隣接する画像スライス404の側縁416における画像勾配帯状部418同士が重ね合わされると、ロボット202による走査経路350に沿うトラッキングが不完全な場合でも、画像のエッジが見えない状態になる。このように、画像勾配帯状部418を設けることによって、複雑且つ複数色の画像を、複数のシングルパスの画像スライス404によって、大きな画面102に、図1図5に示したロボット202のような大型の走査装置を用いて印刷することができる。
【0030】
図9は、画像勾配帯状部418を形成するプリントヘッド300の一例の拡大図である。上記で示唆したように、画像勾配帯状部418における濃度の低下は、横断方向354(図13)に沿って、画像勾配帯状部418の内側境界420から画像スライス404の側縁416に向かってコーティング厚み336を減らす又はテーパー状にすることによって実現できる。液滴間隔332は、画像スライス404の内側部分414内では、均一とすることができる。図9においては、ノズル308から吐出される液滴330間の液滴間隔332を徐々に大きくすることによって、画像勾配帯状部418内のコーティング厚み336がテーパー状とされている。この点に関し、画像勾配帯状部418が印刷されるエリア内のプリントヘッド300のノズル308(例えばオリフィス)のうちのいくつかを、電子的に非稼働状態にして非稼働ノズル312とし、画像勾配帯状部418内の稼働ノズル310のみが液滴330を吐出することによって、画像勾配帯状部418を形成してもよい。他の実施例において、プリントヘッド300は、画像勾配帯状部418が印刷されるエリアについては、ノズル308間の間隙が徐々に大きくされていてもよい。
【0031】
図10は、プリントヘッド300の別の例を示す拡大図であり、この例では、稼働ノズル310としてのノズル308が、液滴間隔が均一となる状態を維持する一方で、画像勾配帯状部418が形成されるエリア内では液滴サイズ334を徐々に小さくすることによって、画像勾配帯状部418が形成される。さらなる実施例において、液滴間隔332を制御することと、液滴サイズ334を制御することとの組み合わせによって、画像勾配帯状部418を形成してもよい。ただし、他の手法を用いて画像勾配帯状部418を形成することもでき、図示及び上述した実施例に限定されない。プリントヘッド300は、直線的に減少する画像勾配を有する画像勾配帯状部418を形成するように構成することができる。これに代えて、画像勾配帯状部418内の画像勾配は、非直線的であってもよい。
【0032】
図11は、重なり合う画像勾配帯状部418を有する隣接する画像スライス404の概略断面図である。各画像スライス404の画像勾配帯状部418及び内側部分414におけるコーティング厚み336(図10)が示されている。図12は、図11の画像スライス404の平面図であり、画像スライス404の重なり合う画像勾配帯状部418及び平行な走査経路350を示している。図示のようなシステム200において、アーム(図7)は、既存の画像スライス408(例えば先に印刷された画像スライス404)に対して平行に新たな画像スライス406を印刷するようプリントヘッド300を移動させるが、その際、新たな画像スライス406(図8)の画像勾配帯状部418が既存の画像スライス408の画像勾配帯状部418に重なるようにする。この点に関し、各画像スライス404の側縁416を、重なり合う画像勾配帯状部418の内側境界420にアラインメントさせてもよい。ただし、図示しない例において、プリントヘッド300は、新たな画像スライス406の画像勾配帯状部418の側縁416と既存の画像スライス408の内側境界420との間に間隙が形成されるように、画像スライス404を形成してもよい。上記で示唆したように、プリントヘッド300は、重なり部分の画像濃度が、新たな画像スライス406及び/又は既存の画像スライス408の内側部分414の画像濃度と同等になるように、新たな画像スライス406及び既存の画像スライス408の画像勾配帯状部418を印刷する。
【0033】
図示しないさらに別の例において、プリントヘッド300(図10)は、画像スライス404の対向する端部のうちの少なくとも一方に、画像勾配端部を形成してもよい。画像勾配端部は、画像スライス404の端縁(図示せず)に向かって画像濃度が低下する部分である。このような画像勾配端部によれば、新たに施された画像400の周囲の表面102エリアの既存の色及びデザインに、画像スライス404を調和させる(例えば境界をぼやかす)ことができる。例えば、複合材外板パネル(図示せず)や下層の構造体の一部の除去や交換などの再加工が行われた表面部分に、当該システムによって新たな画像400を施す場合がある。新たに施された画像スライス404の画像勾配端部によって、周囲の表面102と調和することができる。また、画像勾配端部があることによって、新たな画像スライス406は、当該新たな画像スライス406の走査経路350の端部に位置する別の画像400の画像勾配端部と調和することができる。
【0034】
図13を参照すると、プリントヘッド300の一例が示されており、当該プリントヘッドは、ロボットアームの端部214に取り付けられており、既存の画像スライス408に隣接して新たな画像スライス406を印刷しつつ、アームによって表面102上を走査経路350に沿って移動可能なものである。プリントヘッド300は、新たな画像スライス406を印刷する際に参照線322を印刷するように構成された参照線印刷機構320を含む。参照線322によって、プリントヘッド300は、既存の画像スライス408の走査経路350を正確にたどることができる。参照線322を感知して経路エラーフィードバックを制御部208(図14)に送る、画像検出システムなどの参照線センサ326を、プリントヘッド300が含むことによって、ロボット202は、プリントヘッド300に対する経路補整入力信号を生成することができ、これによって、新たな画像スライス406の側縁416を、既存の画像スライス408の側縁416にアラインメントした状態に維持することができる。
【0035】
図14は、既存の画像スライス408に隣接して画像スライス404を印刷しているプリントヘッド300の一例を示している。既存の画像スライス408は、側縁416のうちの一方に沿う参照線322を含んでいる。プリントヘッド300は、プリントヘッド300の幅方向端部306のそれぞれに取り付けられた1つ又は複数の参照線センサ326を有する。参照線センサ326のうちの1つは、既存の画像スライス408の参照線322を検知するように構成されている。さらに、プリントヘッド300は、表面102に対するプリントヘッド300の位置及び/又は配向を監視するための1つ又は複数の位置センサ314を含む。いくつかの実施例において、参照線センサ326は、参照線322を感知することに加えて、プリントヘッド300の位置及び/配向も感知する位置センサ314として構成してもよい。
【0036】
プリントヘッド300の幅方向端部306の一方又は両方における位置センサ314は、表面102に対して局所的に法線方向に沿った、表面102からのプリントヘッド300の正常状態の間隔338を測定する。位置センサ314から制御部208に与えられるフィードバックによって、制御部208は、プリントヘッド300の面が表面102から所望の正常間隔338の位置に維持されるようアーム位置を調節することができ、これによって液滴を表面102に正確に落とすことができる。さらなる実施例において、制御部208が、位置センサ314からの連続的又は半連続的なフィードバックを利用して、必要に応じてプリントヘッド300を回動方向358に回転させることにより、輪郭が変化したり湾曲したりしている表面102上をプリントヘッド300が移動する際に、プリントヘッド300の面を表面102に対して平行に維持することができる。
【0037】
図15は、プリントヘッド300の一例を示しており、この例において、参照線印刷機構320は、新たな画像スライス406の対向する側縁416のうちの少なくとも一方に参照線322を印刷するように構成された1つ又は複数の専用のノズル308を備える。プリントヘッド300の残りのノズル308は、画像スライス404を印刷するように構成されている。図示しない他の例において、参照線印刷機構320は、専用の線印刷装置を備えていてもよく、当該装置を、プリントヘッド300に搭載するとともに、プリントヘッド300のノズル308が画像スライス404を印刷する際に参照線322を印刷するように構成してもよい。
【0038】
プリントヘッド300は、可視スペクトル及び/又は赤外線スペクトルのような特定のスペクトル内で可視となるように、基準線322を印刷してもよい。いくつかの実施例において、参照線322は、表面102から所定距離以上(例えば10フィート以上)離れると、人間の目では検知できない太さにしてもよい。他の実施例において、画像の品質の低下を避けるため、所定距離を超えると視覚的に認識できなくなる一連の互いに離間したドット(例えば0.01インチ毎)として、参照線322を印刷してもよい。さらに他の実施例において、参照線322の色を、画像400の局所的な色に対して識別できないものにしてもよいし、あるいは、参照線322を、通常の周囲照明条件(例えば、作業現場の照明又は太陽光)では目に見えないが、例えば参照線センサ326が発する蛍光下では蛍光を放つものとしてもよい。さらには、参照線322は、可視スペクトル内では目に見えないものであってもよいし、あるいは、参照線322は、周囲照明下で当初は可視であるが、紫外線に暴露されるといった周囲環境下で時間の経過とともに薄れるものであってもよい。
【0039】
さらなる実施例において、参照線322は、参照線322の少なくとも一部に沿う少なくとも1つの符号化パターン324(例えば図13参照)を有するように印刷してもよい。符号化パターン324は、間隙によって区切られた線分又はダッシュのシステムを含むものであってもよい。符号化パターン324は、画像スライス404についての情報を表すものであってもよい。例えば、符号化パターン324は、プリントヘッド300の現在の位置(例えば、符号化パターン324がその時点で検出されている位置)から画像スライス404の端部412までの距離に関する情報を表すものであってもよい。このような情報を制御部208に送信する信号に含めることによって、制御部208がプリントヘッド300の動作を制御することができる。例えば、符号化パターン324は、制御部208に対して、印刷中の新たな画像スライス406を既存の画像スライス408に合わせる又はアラインメントするように合図するもの、あるいは、既存の画像スライス408の端部に合わせて、液滴330の吐出を停止するよう制御部に合図を送るものであってもよい。
【0040】
図16は、画像スライス404の参照線322を感知するための参照線センサ326を有するプリントヘッド300の一例を示す拡大図である。参照線センサ326は、参照線322とインデックス部との間の横方向間隔340を表す経路追従エラー信号を、制御部208(図14)に送信する。インデックス部は、参照線センサ326の中心線であってもよいし、プリントヘッド300の先端のノズル308などの、プリントヘッド300のハードポイントであってもよいし、他の何らかのインデックス部であってもよい。プリントヘッド300が走査経路350に沿って移動する際に、参照線センサ326は、横方向間隔を感知し、当該横方向間隔340を表す経路追従エラー信号を制御部208に(例えば連続的にリアルタイムで)送信する。この信号に基づいて、制御部208は、プリントヘッド300の横方向位置を(例えばアームに)調節させ、新たな画像スライス406の側縁416が既存の画像スライス408の側縁416にアラインメント状態に維持されるようにすることができる。
【0041】
参照線センサ326は、視覚システムの光センサとして構成してもよい。図16において、光センサは、参照線322を検知するための光ビーム328を出射する。光センサは、光ビーム328が参照線322に当たった箇所の横方向位置を表す信号を生成する。この信号が、要求に応じて、あるいはプログラムされた時間間隔で、あるいは連続的に、あるいはその他の態様で、ロボット202の制御部208に送信される。一実施例において、参照線センサ326は、ロボット202の制御部208にリアルタイムのアラインメントフィードバックを与え、これによって、ロボットは、新たな画像スライス406と既存の画像スライス408の側縁416同士がアラインメントされるようにプリントヘッド300を操作又は調節することができる。例えば、ロボット202は、新たな画像スライス406を印刷している際に、新たな画像スライス406と既存の画像スライス408の側縁416同士が、間隙が無い状態及び/又は重ならない状態でアラインメントされるよう、プリントヘッド300の横方向位置を調節することができる。
【0042】
他の実施例において、ロボットの制御部208は、プリントヘッド300の横方向位置を調節することに代えて、制御部208は、操作経路350に沿う移動の間プリントヘッド300の横方向位置は維持したままで、プリントヘッド300における、能動的に液滴330を吐出するノズル308を、電子的に制御又はシフトさせてもよい。この点に関し、プリントヘッド300は、プリントヘッド300の幅方向端部308の一方又は両方に設けられた追加の(例えば予備の)ノズル308を有していてもよい。新たな画像スライス406が既存の画像スライス408に対してアラインメントされていないと制御部208が判断すると、当該制御部208は、プリントヘッド300の幅方向端部306のうちの一方における予備のノズル308のうちの1つ又は複数を稼働させる一方、反対側の幅方向端部306にある同数のノズル308を非稼働状態にすることによって、新たな画像スライス406の画像スライス幅を同じ幅に維持しつつ、プリントヘッド300を横方向に移動させずに、新たな画像スライス406の横方向位置を効果的にシフトさせることができる。この点に関し、新たな画像スライス406の側縁416が、既存の画像スライス408の側縁416に対して、間隙が無い状態及び/又は重ならない状態に維持されるよう、画像スライス404を、リアルタイム又はリアルタイムに近い状態で電子的にずらすことができる。このように、参照線322があることによって、プリントヘッド300は、既存の画像スライス又は先に施された画像スライス404の走査経路350に対する新たな画像スライス406の計画上の正確な距離を維持することができ、これによって、画像スライス404の間に間隙ができるのを回避することができ、有利である。
【0043】
図17は、ロボット202のアームにプリントヘッド300を連結する広域幅アクチュエータ250を有するロボット202の一例を示す側面図であり、プリントヘッド300が胴体104の表面102に画像(例えば航空機外装402)を印刷している状態を示している。上記で示唆したように、大きな表面102に印刷するためには比較的大きなロボット202が必要である。このように大型のロボット202は、比較的質量が大きく且つ比較的剛性が低いため、プリントヘッド300が取り付けられるアーム(例えばロボットの最終の軸)の端部214における運動は、本来、誤差範囲が大きくなっている。このように、本来大きい誤差を補償するために、大型のロボット202は、大規模なコンピュータープログラミング(例えばCNC又はコンピュータ数値制御プログラミング)を必要とする場合があり、これによって製造にかかるコストや日数が増える場合がある。上述した画像勾配帯状部418(図7図12)及び/又は参照線322(図13図16)を有する画像スライス404を印刷することによって、本開示のロボット取り付けプリントヘッド300は、隣接する画像スライス404の間に画像全体の品質を低下させることになる間隙が形成されることなく、表面102に高品質な画像400を印刷することができ、有利である。
【0044】
図17において、1つ又は複数の広域幅アクチュエータ250が、ロボット202の1つ又は複数のアームに直列に取り付けられている。このような広域幅アクチュエータ250は、ロボット202の最終軸又はアームにプリントヘッド300を連結しており、走査経路350に沿うプリントヘッド300の移動中に行われる、表面102に対するプリントヘッド300の配向及び/又は位置の調節における誤差範囲を比較的小さくし、これによって、新たな画像スライス406を既存の画像スライス408に正確にアラインメントすることができる。広域幅アクチュエータ250については、大型のロボット202の大きな質量、低い剛性、及び、これらに応じた遅い応答時間に比べて、広域幅アクチュエータ250は小さい質量及び本来高い剛性を有しており、結果としてプリントヘッド300を配置及び配向する際に精度が高く応答が迅速であるという意味において、広域幅と呼んでいる。また、この点に関し、広域幅アクチュエータ250は、参照線センサ326からリアルタイムで提供された経路追従エラー信号に基づくロボットの制御部208からの命令に、迅速に応答することができる。
【0045】
図17を参照すると、システム200は、プリントヘッド300の位置を、以下の方向のうちの少なくとも1つに沿って調節するように構成された1つ又は複数の広域幅アクチュエータ250を含む。すなわち、(1)表面102に対して平行であり且つ走査経路350に対して垂直な、プリントヘッド300の並進の横断方向354、(2)表面102に対して局所的に垂直である、プリントヘッド300の並進の法線方向356、(3)走査経路350に平行な軸を中心とするプリントヘッド300の回転の回動方向358である。さらに、1つ又は複数の広域幅アクチュエータ250を、他の方向に沿ってプリントヘッド300の位置を調節するように構成してもよく、ここでの他の方向とは、限定するものでないが、並進の平行方向352を含み、当該平行方向は、画像スライス404の印刷中における、走査経路350に沿うプリントヘッド300の移動の主方向に平行な方向である。
【0046】
図18は、プリントヘッド300をロボット202(図17)のアームに連結する3つの広域幅アクチュエータ250の例を示している。一実施例において、広域幅アクチュエータ250は、第1アクチュエータ250a、第2アクチュエータ250b、及び第3アクチュエータ250cを含み、これらが概ね同一面内三脚配置に配列されていることにより、プリントヘッド300を上述した横断方向354、法線方向356、及び回動方向358に調節できるようになっている。第1、第2、及び第3アクチュエータ250a、250b、250cは、それぞれ、上端268及び下端270を有している。第1、第2及び第3アクチュエータ250a、250b、250cの上端268は、ロボットのアームの端部に枢動可能に連結されており、互いに平行な枢動軸を有する。第1、第2及び第3アクチュエータ250a、250b、250cの下端270は、プリントヘッド300に枢動可能に連結されており、互いに平行な枢動軸を有する。図18に示すように、第1アクチュエータ250aと第3アクチュエータ250cの上端268同士は、アームの端部214に対する枢動可能取り付け位置において、互いに離間しており、第1アクチュエータ250aと第3アクチュエータ250cの下端270同士は、プリントヘッド300に対する枢動可能取り付け位置において、互いに離間している。この点に関し、第1アクチュエータ250aと第3アクチュエータ250cは、互いに略平行な配向とすることができる。ただし、第1アクチュエータ250aと第3アクチュエータ250cは、横断方向354、法線方向356及び回動方向358に沿うプリントヘッド300の移動機能を損なうことなく、互いに非平行な配向とすることもできる。
【0047】
図18において、第2アクチュエータ250bの上端268は、第1アクチュエータ250aの上端268に隣接して配置されている。第2アクチュエータ250bの下端270は、第3アクチュエータ250cの下端270に隣接して配置されており、これによって、第2アクチュエータ250bは、第1アクチュエータ250aの上端268と第3アクチュエータ250cの下端270との間で、斜めに延びている。動作中は、第1、第2及び第3アクチュエータ250a、250b、250cが、互いに異なる量伸縮することによって、プリントヘッド300を横断方向354、法線方向356及び回動方向358に沿って調節する。本明細書に開示の実施例のいずれかにおいて、広域幅アクチュエータ250のうちの1つ又は複数は、空圧シリンダであってもよいし、限定するものではないが、油圧シリンダ、電気機械式アクチュエータ、又は他のアクチュエータ構成を含む他の広域幅アクチュエータ構成であってもよい。図18において、プリントヘッド面304は、面102に対して非平行に配向されており、参照線322から横方向に位置ずれしている。
【0048】
図19は、広域幅アクチュエータ250(例えば、第1、第2及び第3アクチュエータ250a、250b、250c)によって、参照線322とアラインメントするように再配置されるとともに、プリントヘッド面304が表面102に対して平行となるように再配向された後のプリントヘッド300の側面図である。この点に関し、制御部208(図14)は、新たな画像スライス406の印刷中に参照線322をたどる位置センサ314及び/又は参照線センサ326からリアルタイムで受信した連続的な入力信号に基づいて、プリントヘッド300の並進及び再配向を命令することができる。例えば、広域幅アクチュエータ250は、プリントヘッド300を横断方向354及び法線方向356に並進移動させ、プリントヘッド300を回動方向356に回転させることによってプリントヘッド300を局所的表面102に対して平行に配向するとともに、新たな画像スライス406の側縁416を既存の画像スライス408の側縁416にアラインメントする。
【0049】
図20は、デルタロボット252として構成されるとともに、ロボットアームに直列に取り付けられてプリントヘッド300をロボットアーム(図17)の端部214(図19)に連結している広域幅アクチュエータ250のさらなる例を示している。図20において、デルタロボット252は、ロボットアーム(例えば第2アーム212)の端部214に取り付けられたアクチュエータベース254を含む。3つのアクチュエータ上側アーム256が、枢動可能にアクチュエータベース254に連結されており、これらは、互いに対して60°の角度で配向された同一平面内の枢動軸を有する。各アクチュエータ上側アーム256は、ヒンジジョイント260によって、一対のアクチュエータ下側アーム258に連結されている。アクチュエータ下側アーム258の各対は、平行四辺形の4バー機構(four-bar-mechanism)として構成されている。アクチュエータ下側アーム258の3対のそれぞれは、6個のヒンジジョイントを介して枢動可能にアクチュエータプラットフォーム262に連結されており、各ヒンジジョイントは1つの軸を中心として回転可能である。3つのアクチュエータ下側アーム258の3つの平行四辺形4バー機構によって、アクチュエータプラットフォーム262の移動が、並進(例えばx−y方向における移動)及び伸張(例えばz方向における移動)に制限され、アクチュエータプラットフォーム262の回転が防止される。この点に関し、アクチュエータプラットフォーム262の並進及び/又は伸張の方向にかかわらず、アクチュエータプラットフォーム262は、アクチュエータベース254に平行に維持される。図示しない例において、デルタロボット252は、アクチュエータプラットフォーム262の並進及び/又は伸張の間、アクチュエータプラットフォーム262をアクチュエータベース254に平行に維持するように配置された、球面ジョイント(図示せず)ならびに上側及び下側アーム(図示せず)を備えていてもよい。
【0050】
図20において、アクチュエータプラットフォーム262が並進可能であることによって、プリントヘッド300は、印刷中の表面102に対して、上述の横断方向354(例えばy方向)及び法線方向356(例えばz方向)に並進することができる。図20の広域幅アクチュエータ250構成によれば、プリントヘッド300を1つ又は複数の取り付けリンク266周りに枢動させる1つ又は複数の回動アクチュエータ264によって、プリントヘッド300は、回動方向358に回転可能となっている。取り付けリンク266の上端は、アクチュエータプラットフォーム262に固定連結されている。取り付けリンク266の下端は、枢動可能にプリントヘッド300に連結されている。図20の広域幅アクチュエータ250構成は、質量が小さく且つ剛性が高いアクチュエータシステムを表しており、既存の画像スライス408の参照線322をたどる参照線センサ326によって判定される経路追従エラーに従ったプリントヘッド300の位置調節において、より高い精度及びより速い応答時間をもたらすものである。上記で示唆したように、広域幅アクチュエータ250は、単独で動作するロボット202では実現不可能な精度で、プリントヘッド300の位置及び/又は配向を調節することができる。
【0051】
図21は、表面102に画像400を印刷する方法500に含まれうる1つ又は複数の操作のフローチャートである。当該方法は、上述のシステム200を用いて実施することができる。方法500の工程502は、表面102に隣接させてロボット202のアームを配置することを含む。上記で示唆したように、アームの端部214には、プリントヘッド300が取り付けられている。いくつかの実施例において、プリントヘッド300は、インク、塗料、又は他の流体あるいは着色剤の液滴330を吐出するためのアレイ状のノズル308又はオリフィスを有するインクジェットプリントヘッド300である。
【0052】
方法500の工程504は、図7に示すように、プリントヘッド300によって表面102に画像スライス404を印刷しつつ、アームを用いてプリントヘッド300を表面102上で走査経路に350沿って移動させることを含む。プリントヘッド300は、アームによって走査経路350に沿って移動させられることによって、既存の画像スライス408に平行に、新たな画像スライス406を印刷する。
【0053】
方法500の工程506は、図8に示すように、表面102に画像スライス404を印刷する際に、画像スライス404の少なくとも1つの側縁416に沿って画像勾配帯状部418を印刷することを含む。上述したように、画像勾配帯状部418は、(例えば、走査経路350に対する)横断方向354に沿って、画像スライス404の側縁416に向かって低下する画像濃度を有する。いくつかの実施例において、画像勾配帯状部418の画像勾配は、横断方向354に沿って直線的である(例えば、画像濃度が直線的に低下する)。他の実施例において、画像勾配帯状部418の画像勾配は、非直線的である。
【0054】
図8に示すように、プリントヘッド300は、新たな画像スライス406の画像勾配帯状部418が既存の画像スライス408の画像勾配帯状部418に重なるように、新たな画像スライス406を印刷する。例えば、上述したように、新たな画像スライス406の側縁416を、重なり合う画像勾配帯状部の内側境界420にアラインメントさせる。当該方法は、重なり合う画像勾配帯状部418の合わさった画像濃度が、新たな画像スライス406及び/又は既存の画像スライス408の内側部分414の画像濃度と同等となるように、プリントヘッド300を用いて新たな画像スライス406及び既存の画像スライス408の画像勾配帯状部418を印刷することを含みうる。
【0055】
図9に示し且つ上述したように、画像スライス404の内側部分414を印刷するノズル308については液滴間隔332を均一にするのに対して、画像勾配帯状部418は、画像スライス404の側縁416に向かう方向に沿って液滴間隔332が徐々に大きくなる状態でプリントヘッド300のノズル308から液滴330を吐出することによって、形成することができる。図10に示すように、画像勾配帯状部418は、側縁416に向かう方向に沿って、徐々に小さな液滴334を吐出することによっても形成することができる。当該方法は、任意の構成として、新たな画像スライス406に隣接するエリアに、画像スライス404を調和させる又は境界をぼやかすための一手段として、画像スライス406の対向する端部のうちの少なくとも一方に画像勾配端部(図示せず)を有する新たな画像スライス406を形成することを含みうる。
【0056】
図22は、表面102に画像400を印刷するさらなる方法600に含まれうる1つ又は複数の操作のフローチャートである。当該方法600の工程602は、ロボット202のアームに取り付けられたプリントヘッド300を表面102上で走査経路350に沿って移動させつつ、プリントヘッド300を用いて表面102に新たな画像スライス406を印刷することを含む。方法600の工程604は、図13に示し且つ上述したように、新たな画像スライス406を印刷する際に表面102に参照線322を印刷することを含む。プリントヘッド300は、新たな画像スライス406を印刷する際に表面102に参照線322を印刷するように構成された参照線印刷機構320を含みうる。いくつかの実施例において、参照線印刷機構320は、プリントヘッド300における、隣接するノズル308が吐出するインク又は塗料とは異なる色のインク又は塗料を吐出する少なくとも1つのノズルによって構成することができる。他の実施例において、参照線印刷機構320を、専用の参照線プリンタ(図示せず)によって構成してもよい。
【0057】
プリントヘッド300は、新たな画像スライス406を印刷する際に、当該新たな画像スライス406の対向する側縁416のうちの少なくとも一方に参照線322を印刷する。参照線322を印刷する工程は、参照線322の少なくとも一部に沿う少なくとも1つの符号化パターン324を有する参照線322を印刷することを含む。符号化パターンは、間隙によって区切られた一連の線分によって構成してもよい。符号化パターン324は、これに代えて、又はこれに加えて、参照線322の色の局所的な変化によって構成してもよいし、あるいは、線分、間隙、色変化、及び情報を符号化するための参照線におけるその他のバリエーションの組み合わせによって構成してもよい。符号化パターン324は、画像スライス404の端部412までの距離といった画像スライス404についての情報や、画像400についての他の情報を表すものであってもよい。情報は、制御部208に送信され、制御部は、符号化パターン324に含まれる情報に基づいて1つ又は複数の印刷動作を調節する。
【0058】
方法600の工程606は、新たな画像スライス406を印刷しつつ、プリントヘッド300に設けられた参照線センサ326を用いて、既存の画像スライス408の参照線322を感知することを含む。上記で示唆したように、参照線センサ326は、既存の画像スライス408の参照線322を感知し、ロボット202及び/又は制御部208に信号を送信することによって、新たな画像スライス406の側縁416が、既存の画像スライス408の側縁416に対して、アラインメントする、及び/又は、間隙が無く且つ重ならない状態に維持されるように、アームにプリントヘッド300を調節させる。
【0059】
方法600の工程608は、参照線322の感知位置に基づいて新たな画像スライス406の横方向位置を調節することによって、新たな画像スライス406の側縁416を既存の画像スライス408の側縁416にアラインメントさせることを含む。一実施例において、当該方法は、新たな画像スライス406の側縁416と、既存の画像スライス408の側縁416との非アラインメント状態を検知し、ロボット202及び/又は制御部208にリアルタイムのアラインメントフィードバックを与えることによって、プリントヘッド300の横方向位置を操作又は調節させ、新たな画像スライス406の側縁416が既存の画像スライス408の側縁416にアラインメントするようにする。この点に関し、新たな画像スライス406の横方向位置を調節する工程は、参照線センサ326(例えば光センサ)からロボット202及び/又は制御部208に信号を送信することを含みうる。ロボット202及び/又は制御部208は、プリントヘッド300の非アラインメントに基づいて、ロボットに対する補整入力を決定することができる。
【0060】
当該方法は、新たな画像スライス406の側縁416が、既存の画像スライス408の側縁416に対して間隙が無く且つ重ならない状態に維持されるようにプリントヘッド300の位置を調節することを含みうる。この点に関し、プリントヘッド300の横方向位置を物理的に調節することによって、新たな画像スライス406の側縁416を既存の画像スライス408の側縁416にアラインメントさせてもよい。これに代えて、当該方法は、上述したように、能動的に液滴330を吐出するノズル308を電子的にシフトさせることによって、新たな画像スライス406の側縁416を既存の画像スライス408の側縁416にアラインメントさせてもよい。
【0061】
上述し且つ図17図20に示したように、プリントヘッド300の位置及び/又は配向の調節は、ロボット202のアームの端部214にプリントヘッド300を連結する1つ又は複数の広域幅アクチュエータ250を用いて行うことができる。広域幅アクチュエータ250は、プリントヘッド300が走査経路350に沿って移動する間、表面102に対するプリントヘッド300の配向及び/又は位置を調節することができる。参照線センサ326は、参照線322を感知し、プリントヘッド300の横方向位置の調節量を決定するための信号を、ロボット202に送信する。ロボット202及び/又は制御部208が、プリントヘッド300の位置を調節するよう広域幅アクチュエータ250に命令することによって、新たな画像スライス406の側縁416が、既存の画像スライス408の側縁416に対して、間隙の無い状態に維持される。
【0062】
当該方法は、表面102に対して平行であり且つ走査経路350に対して垂直である横断方向354に沿ってプリントヘッド300を並進させること、表面102に対して垂直である法線方向356に沿ってプリントヘッド300を並進させること、及び/又は、走査経路350に平行な軸を中心とする回動方向358にプリントヘッド300を回転させること、によってプリントヘッド300を調節することを含みうる。プリントヘッド300の位置及び/又は配向を調節する際には、広域幅アクチュエータ250によって、より高い精度及び速い応答時間が実現され、有利である。
【0063】
さらに、本開示は、以下の付記による実施形態を含む。
【0064】
付記1.表面に画像を印刷するためのシステムであって、
少なくとも1つのアームを有するロボットと、
前記アームに取り付けられており、表面に画像スライスを印刷しつつ、前記アームによって前記表面上で走査経路に沿って移動可能であるプリントヘッドと、を含み、
前記プリントヘッドは、画像スライスの対向する側縁のうちの少なくとも一方に沿う画像勾配帯状部を有する画像スライスを印刷するように構成されており、前記画像勾配帯状部内の画像濃度は、前記画像スライスの内側部分から前記側縁に向かって低下する、システム。
【0065】
付記2.前記アームは、新たな画像スライスの画像勾配帯状部が既存の画像スライスの画像勾配帯状部に重なるよう、プリントヘッドを前記既存の画像スライスに平行に移動させるように構成されている、付記1に記載のシステム。
【0066】
付記3.前記プリントヘッドは、画像勾配帯状部の重なり部分の画像濃度が、前記新たな画像スライス及び前記既存の画像スライスのうちの少なくとも一方の前記内側部分の画像濃度と同等となるように、前記新たな画像スライス及び前記既存の画像スライスの前記画像勾配帯状部を印刷するように構成されている、付記2に記載のシステム。
【0067】
付記4.前記プリントヘッドは、印刷幅に沿って分散配置されたアレイ状のノズルを含み、
前記プリントヘッドは、以下の態様、すなわち、
前記側縁に向かう方向に沿って液滴間隔が徐々に大きくなる態様、及び、
前記側縁に向かう方向に沿って液滴サイズが徐々に小さくなる態様、のうちの少なくとも1つの態様で液滴を吐出することによって、前記画像勾配帯状部を形成するように構成されている、付記1に記載のシステム。
【0068】
付記5.前記プリントヘッドは、インクジェットプリントヘッドである、付記1に記載のシステム。
【0069】
付記6.表面に画像を印刷するためのシステムであって、
少なくとも1つのアームを有するロボットと、
前記アームに取り付けられており、表面に新たな画像スライスを印刷しつつ、前記アームによって前記表面上で走査経路に沿って移動可能であるプリントヘッドと、
前記新たな画像スライスを印刷する際に、前記表面に参照線を印刷するように構成された参照線印刷機構と、
既存の画像スライスの前記参照線を感知し、前記ロボットに信号を送信することによって、前記新たな画像スライスの側縁が、前記既存の画像スライスの前記側縁にアラインメントするように、前記アームに前記プリントヘッドを調節させるよう構成された参照線センサと、を含むシステム。
【0070】
付記7.前記参照線印刷機構は、前記プリントヘッドの少なくとも1つのノズルによって構成されている、付記6に記載のシステム。
【0071】
付記8.前記ロボットは、前記新たな画像スライスの側縁が前記既存の画像スライスの前記側縁にアラインメントするよう、前記プリントヘッドの横方向位置を調節するように構成されている、付記6に記載のシステム。
【0072】
付記9.前記ロボットは、前記新たな画像スライスの側縁が前記既存の画像スライスの前記側縁にアラインメントするよう、能動的に液滴を吐出するノズルのグループを電子的にずらすように構成されている、付記6に記載のシステム。
【0073】
付記10.前記プリントヘッドを前記アームの端部に連結する少なくとも1つの広域幅アクチュエータをさらに含み、
前記広域幅アクチュエータは、前記走行経路に沿う前記プリントヘッドの移動中、前記表面に対する前記プリントヘッドの配向及び/又は位置を調節するように構成されている、付記6に記載のシステム。
【0074】
付記11.前記広域幅アクチュエータは、以下の方向、すなわち、
前記表面に対して平行であり且つ前記走査経路に対して垂直な、並進の横断方向、
前記表面に対して垂直である、並進の法線方向、及び、
前記走査経路に平行な軸を中心とする回転の回動方向、のうちの少なくとも1つに沿って、前記プリントヘッドを調節するように構成されている、付記10に記載のシステム。
【0075】
付記12.前記広域幅アクチュエータは、同一面内三脚配置に配列されるとともにそれぞれが上端及び下端を有する第1アクチュエータ、第2アクチュエータ及び第3アクチュエータを含み、前記上端は、前記ロボットの前記アームの端部に枢動可能に連結される一方、前記下端は、前記プリントヘッドに枢動可能に連結されており、
前記第1及び第3アクチュエータの前記上端同士は、互いに離間しており、
前記第1及び第3アクチュエータの前記下端同士は、互いに離間しており、
前記第2アクチュエータの前記上端は、前記第1アクチュエータの前記上端に隣接して配置されており、
前記第2アクチュエータの前記下端は、前記第3アクチュエータの前記下端に隣接して配置されていることによって、前記第2アクチュエータは、前記第1アクチュエータの前記上端と、前記第3アクチュエータの前記下端との間に斜めに延びており、
前記第1、第2、及び第3アクチュエータは、前記横断方向、前記法線方向及び前記回動方向に沿った前記プリントヘッドの調節を可能にする、付記11に記載のシステム。
【0076】
付記13.表面に画像を印刷する方法であって、
ロボットのアームを前記表面に隣接させて配置させ、当該アームはそれに取り付けられたプリントヘッドを有しており、
前記表面に画像スライスを印刷しつつ、前記アームを用いて前記プリントヘッドを前記表面上で前記走査経路に沿って移動させ、
前記画像スライスを印刷する際に、画像スライスの少なくとも1つの側縁に沿って画像勾配帯状部を印刷する、ことを含み、前記画像勾配帯状部は、前記側縁に向かう方向に沿って低下する画像濃度を有する、方法。
【0077】
付記14.前記プリントヘッドを移動させる工程及び前記画像勾配帯状部を印刷する工程は、前記新たな画像スライスの前記画像勾配帯状部が前記既存の画像スライスの前記画像勾配帯状部に重なるように、前記既存の画像スライスに平行に前記新たな画像スライスを印刷するよう、前記走査経路に沿って前記プリントヘッドを移動させることを含む、付記13に記載の方法。
【0078】
付記15.前記画像勾配帯状部を印刷する工程は、前記画像勾配帯状部の重なり部分の画像濃度が、前記新たな画像スライス及び前記既存の画像スライスのうちの少なくとも一方の内側部分の画像濃度と同等となるように、前記新たな画像スライス及び前記既存の画像スライスの前記画像勾配帯状部を印刷することを含む、付記14に記載の方法。
【0079】
付記16.前記プリントヘッドは、液滴を吐出するためのアレイ状のノズルを含み、前記画像勾配帯状部を印刷する工程は、
前記側縁に向かう方向に沿って徐々に大きな液滴間隔で液滴を吐出すること、及び/又は、
前記側縁に向かう方向に沿って徐々に小さな液滴サイズの液滴を吐出すること、を含む、付記13に記載の方法。
【0080】
付記17.表面に画像を印刷する方法であって、
ロボットのアームに取り付けられたプリントヘッドを用いて、前記プリントヘッドを前記表面上で走査経路に沿って移動させながら、前記表面に新たな画像スライスを印刷し、
前記新たな画像スライスを印刷する際に、前記表面に参照線を印刷し、
前記新たな画像スライスを印刷しつつ、既存の画像スライスの前記参照線を参照線センサを用いて感知し、
前記新たな画像スライスの側縁が前記既存の画像スライスの前記側縁にアラインメントするように、前記参照線の感知位置に基づいて、前記新たな画像スライスの横方向位置を調節する、ことを含む方法。
【0081】
付記18.前記参照線を印刷する工程は、前記プリントヘッドの少なくとも1つのノズルを用いて前記参照線を印刷することを含む、付記17に記載の方法。
【0082】
付記19.前記新たな画像スライスの前記横方向位置を調節する工程は、
前記参照線に対する前記プリントヘッドの前記感知位置を表す信号を、前記参照線センサから前記ロボットに送信することと、
前記プリントヘッドの前記感知位置に基づいて補整入力信号を求めることと、
前記補整入力信号に基づいて、前記プリントヘッドの前記横方向位置を調節することと、を含む、付記17に記載の方法。
【0083】
付記20.前記新たな画像スライスの前記横方向位置を調節する工程は、能動的に液滴を吐出するノズルを、電子的にシフトさせることを含む、付記17に記載の方法。
【0084】
付記21.前記新たな画像スライスの前記横方向位置を調節する工程は、前記新たな画像スライスの前記側縁が、前記既存の画像スライスの前記側縁に対して、間隙が無く且つ重ならない状態に維持されるように、前記プリントヘッドの前記横方向位置を調節することを含む、付記17に記載の方法。
【0085】
付記22.前記新たな画像スライスの前記横方向位置を調節する工程は、前記プリントヘッドを前記アームの端部に連結する少なくとも1つの広域幅アクチュエータを用いて、前記プリントヘッドの横方向位置を調節することを含む、付記17に記載の方法。
【0086】
付記23.少なくとも1つの広域幅アクチュエータを用いて、前記プリントヘッドの前記横方向位置を調節する工程は、
前記表面に対して平行であり且つ前記走査経路に対して垂直な横断方向に沿って前記プリントヘッドを並進させること、
前記表面に対して垂直である法線方向に沿って前記プリントヘッドを並進させること、及び、
前記走査経路に平行な軸を中心とする回動方向に前記プリントヘッドを回転させること、のうちの少なくとも1つを含む、付記22に記載の方法。
【0087】
当業者には、本開示に対する追加的な改変及び改良が明らかであろう。従って、本明細書において説明及び図示した部品の特定の組み合わせは、本開示の、ある実施形態のみを表すことを意図しており、本開示の精神及び範囲内の代替の実施形態又は装置を限定することを意図したものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【外国語明細書】
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