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特開2016-222025鉄道沿線監視システム、監視装置および鉄道沿線監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222025(P2016-222025A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】鉄道沿線監視システム、監視装置および鉄道沿線監視方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 27/00 20060101AFI20161205BHJP
   G01D 21/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B61L27/00 Z
   G01D21/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-108107(P2015-108107)
(22)【出願日】2015年5月28日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「ソーシャル・ビックデータ利活用・基盤技術の研究開発 課題B 新たなソーシャル・ビックデータ利活用・基盤技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】辻 和良
(72)【発明者】
【氏名】青山 哲也
(72)【発明者】
【氏名】木下 裕介
(72)【発明者】
【氏名】武 啓二郎
【テーマコード(参考)】
2F076
5H161
【Fターム(参考)】
2F076BA14
2F076BA16
2F076BB07
2F076BD12
2F076BE18
5H161AA01
5H161JJ02
5H161JJ40
(57)【要約】
【課題】誤検知の発生を抑制しながら鉄道沿線の環境を監視することができる鉄道沿線監視システムを得る。
【解決手段】列車の走行位置および通過時刻を管理する運行管理装置からの運行情報と、鉄道沿線に設置された複数のセンサデバイスから収集したセンシング情報とに基づいて、監視装置で鉄道沿線の環境を監視する鉄道沿線監視システムであって、監視装置は、センサデバイスからのセンシング情報および監視装置にあらかじめ設定された当該センサデバイスの設置位置情報と、列車の走行位置および通過時刻とを照合して、センシング情報が列車の通過に伴うものであるか否かを判定するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の走行位置および通過時刻を管理する運行管理装置からの運行情報と、鉄道沿線に設置された複数のセンサデバイスから収集したセンシング情報とに基づいて、監視装置で鉄道沿線の環境を監視する鉄道沿線監視システムであって、
前記監視装置は、センサデバイスからのセンシング情報および前記監視装置にあらかじめ設定された当該センサデバイスの設置位置情報と、前記列車の走行位置および通過時刻とを照合して、前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものであるか否かを判定する
鉄道沿線監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄道沿線監視システムに適用される監視装置であって、
センサデバイスから収集したセンシング情報を解析する際、
前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものであると判定された場合には、鉄道沿線の環境の異常を検知せず、
前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものでないと判定された場合には、鉄道沿線の環境の異常を検知する
監視装置。
【請求項3】
請求項1に記載の鉄道沿線監視システムに適用される監視装置であって、
任意のセンサデバイスから収集したセンシング情報を解析する際、
前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものであると判定された場合には、このセンシング情報に基づいて鉄道沿線の環境の異常を検知する閾値を設定し、前記複数のセンサデバイスに対して、前記閾値を超過するセンシング情報のみを通知するように指示するとともに、
その後、センサデバイスからセンシング情報を受信したときに、鉄道沿線の環境の異常を検知する
監視装置。
【請求項4】
請求項1に記載の鉄道沿線監視システムに適用される監視装置であって、
センサデバイスから収集したセンシング情報を解析する際、
前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものであると判定された場合において、前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものとは異なるものであるときに、センサデバイスの故障を検知する
監視装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4までの少なくとも何れか1項に記載された監視装置を備えた
鉄道沿線監視システム。
【請求項6】
列車の走行位置および通過時刻を管理する運行管理装置からの運行情報と、鉄道沿線に設置された複数のセンサデバイスから収集したセンシング情報とに基づいて、監視装置で鉄道沿線の環境を監視する鉄道沿線監視システムにおける鉄道沿線監視方法であって、
センサデバイスから収集したセンシング情報を解析する際、前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものであると判定された場合には、鉄道沿線の環境の異常を検知せず、前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものでないと判定された場合には、鉄道沿線の環境の異常を検知するステップ
を有する鉄道沿線監視方法。
【請求項7】
列車の走行位置および通過時刻を管理する運行管理装置からの運行情報と、鉄道沿線に設置された複数のセンサデバイスから収集したセンシング情報とに基づいて、監視装置で鉄道沿線の環境を監視する鉄道沿線監視システムにおける鉄道沿線監視方法であって、
任意のセンサデバイスから収集したセンシング情報を解析する際、前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものであると判定された場合には、このセンシング情報に基づいて鉄道沿線の環境の異常を検知する閾値を設定し、前記複数のセンサデバイスに対して、前記閾値を超過するセンシング情報のみを通知するように指示するステップと、
センサデバイスからセンシング情報を受信したときに、鉄道沿線の環境の異常を検知するステップと、
を有する鉄道沿線監視方法。
【請求項8】
列車の走行位置および通過時刻を管理する運行管理装置からの運行情報と、鉄道沿線に設置された複数のセンサデバイスから収集したセンシング情報とに基づいて、監視装置で鉄道沿線の環境を監視する鉄道沿線監視システムにおける鉄道沿線監視方法であって、
センサデバイスから収集したセンシング情報を解析する際、前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものであると判定された場合において、前記センシング情報が前記列車の通過に伴うものとは異なるものであるときに、センサデバイスの故障を検知するステップ
を有する鉄道沿線監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のセンサデバイスから受信した情報に基づいて、監視装置で鉄道沿線の環境を監視する鉄道沿線監視システムおよび鉄道沿線監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、地球環境の変化に伴って、深刻な被害をもたらす自然災害の発生が増加してきている。特に、地球温暖化が与える影響は大きく、例えば、積乱雲の発達により、ゲリラ豪雨や台風が頻発することによって、大雨や集中豪雨等が発生する頻度も高くなってきている。
【0003】
また、大雨によって、川の氾濫や洪水といった水害だけでなく、山間部等では、斜面が崩落することで土砂が崩れ、家屋や鉄道設備の倒壊による交通の麻痺が引き起こされることが大きな問題となっている。そこで、近年、こうした土砂災害に対する予防策や被害軽減策が求められてきており、例えば、鉄道沿線の降雨量や斜面の状況等、環境を監視するために、通信機能を搭載した各種センサが鉄道沿線に配置されることがある。
【0004】
これらのセンサは、同一能力を有する場合であっても、架線柱や専用柱、沿線との境界の柵上、路面等、様々な場所に取り付けられることが予想される。また、例えば振動を検知するセンサを用いる場合には、センサと線路との距離が短くなる程、列車の通過に伴う振動の検知によって環境監視の目的外の測定データが収集される可能性が高くなるため、誤検知が発生する恐れがある。
【0005】
そこで、装置本体内部のセンサデバイスが計測した内部環境データとあらかじめ設定された判定データとを比較することによって、装置本体外部に設けられたセンサデバイスが計測した計測データに対する信頼性の度合いを特定するとともに、特定結果および計測データを管理装置に送信する計測装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−309144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
すなわち、特許文献1に記載された計測装置では、例えば、センサデバイスが振動センサである場合において、装置本体が振動しているときには、管理装置が、受信した信頼性の度合いの特定結果に基づいて計測データを管理することにより、誤検知の影響が低減される。
【0008】
一方、鉄道沿線にセンサデバイスを配置した場合に、このセンサデバイスの計測データに影響を与えるのは、装置本体である監視装置内部の振動ではなく、列車の通過に伴う振動である。そのため、このセンサデバイスの計測データに対する信頼性の度合いが得られたとしても、信頼性の度合いには列車の通過に伴う振動の影響は含まれておらず、誤検知を抑制することができないという問題がある。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、誤検知の発生を抑制しながら鉄道沿線の環境を監視することができる鉄道沿線監視システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る鉄道沿線監視システムは、列車の走行位置および通過時刻を管理する運行管理装置からの運行情報と、鉄道沿線に設置された複数のセンサデバイスから収集したセンシング情報とに基づいて、監視装置で鉄道沿線の環境を監視する鉄道沿線監視システムであって、監視装置は、センサデバイスからのセンシング情報および監視装置にあらかじめ設定された当該センサデバイスの設置位置情報と、列車の走行位置および通過時刻とを照合して、センシング情報が列車の通過に伴うものであるか否かを判定するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る鉄道沿線監視システムによれば、監視装置は、センサデバイスから収集したセンシング情報および監視装置にあらかじめ設定された当該センサデバイスの設置位置情報と、運行管理装置からの運行情報である列車の走行位置および通過時刻とを照合して、センシング情報が列車の通過に伴うものであるか否かを判定する。
そのため、誤検知の発生を抑制しながら鉄道沿線の環境を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムを示す構成図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムのセンサデバイスの構成を示すブロック図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムのセンサデバイスにおける測定データ管理フォーマットを例示する説明図である。
図4】この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムの監視装置の構成を示すブロック図である。
図5】この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムのセンサデバイスで得られる測定データを例示する説明図である。
図6】この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムの監視装置で管理されるセンシング情報を例示する説明図である。
図7】この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムの別のセンサデバイスで得られる測定データを例示する説明図である。
図8】この発明の実施の形態2に係る鉄道沿線監視システムのセンサデバイスで得られる測定データを例示する説明図である。
図9】この発明の実施の形態2に係る鉄道沿線監視システムの監視装置で管理されるセンシング情報を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明に係る鉄道沿線監視システムの好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムを示す構成図である。この鉄道沿線監視システムは、斜面や防護柵等に設置された複数のセンサデバイスから収集した情報に基づいて、鉄道沿線の環境を監視するシステムである。
【0015】
図1において、この鉄道沿線監視システムは、監視装置100、列車の走行位置や通過時刻を管理する運行管理装置101、ルータ105、センサデバイス106〜111およびケーブル112、113を備えている。また、図1には、図の左側から右側に走行する列車102、架線柱103および防護柵104が併せて示されている。
【0016】
また、この発明の実施の形態1では、センサデバイス106〜108が斜面に、センサデバイス109〜111が防護柵104に設置されている。また、センサデバイス106〜108は、それぞれ線路から同じ距離に位置している。また、ケーブル112は、監視装置100とルータ105とを接続し、ケーブル113は、監視装置100と運行管理装置101とを接続している。なお、図1では、列車のパンタグラフや架線等は図示していない。
【0017】
ルータ105は、Wi−SUN(Wireless Smart Utility Network)規格に準拠する無線通信モジュールを備え、センサデバイス106〜111は、それぞれ加速度センサとWi−SUN無線通信モジュールとを備えている。また、ルータ105およびセンサデバイス106〜111は、Wi−SUN規格に準拠するセンサネットワークを構築し、ネットワーク内でマルチホップ通信を行うことで、メッシュ型トポロジを形成している。
【0018】
また、ルータ105は、架線柱103に設置され、各センサデバイスから送信されるセンシング情報を監視装置100へ送信する中継器であり、自らはセンシングを行わない。さらに、ルータ105は、監視装置100と、例えば光ファイバ等のケーブル112により有線接続されているため、ルータ105は、有線通信モジュールも内部に備えている。なお、図示していないが、一般的に、架線柱は線路に沿って設置されており、例えば、センサデバイスを上記設置位置に加えて、架線柱に設置することも可能である。
【0019】
図2は、この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムのセンサデバイスの構成を示すブロック図である。ここでは、この発明の実施の形態1の説明に必要な構成のみを示し、電池等は示していない。なお、この構成は、センサデバイス106〜111のそれぞれに共通の構成である。
【0020】
図2において、このセンサデバイスは、加速度を測定するセンサ部200、測定したデータを管理する測定データ管理部201、信号の変復調等の送受信処理を行う通信部202およびアンテナ203を有している。なお、センサ部200および測定データ管理部201がセンサモジュールを構成し、通信部202およびアンテナ203がWi−SUN通信モジュールを構成している。
【0021】
センサ部200では、定期的に加速度値が測定され、センサ部200で測定された加速度値は、測定データ管理部201へ送信される。測定データ管理部201では、図3に示すフォーマットに従い、測定された加速度値にタイムスタンプを付与して測定データを管理する。なお、図3は一例を示しており、測定データの管理フォーマットはこれに限定されない。また、タイムスタンプは、年/月/日/時刻で表され、1秒毎に測定データが管理されている。
【0022】
ここで、この発明の実施の形態1における加速度センサは、x軸、y軸、z軸の3方向の加速度値を測定するものであり、測定データ管理部201では、各軸で測定された加速度値を同時に管理している。また、測定データ管理部201は、管理する測定データをセンシング情報として周期的に通信部202に送信する。
【0023】
ここでは、測定データ管理部201が、10秒周期でセンシング情報を送信するものとし、センシング情報を通信部202へ送信すると、管理していた情報は、新しい測定データに随時上書きされる。通信部202は、センシング情報をパケット化、フレーム化した後、変調等の送信処理を施し、アンテナ203から送信する。
【0024】
アンテナ203から送信されたセンシング情報は、センサデバイス毎にあらかじめ決められた経路でルータ105へ中継され、ルータ105からケーブル112を介して監視装置100へ送信される。なお、センシング情報には、送信元センサデバイスのノード番号がヘッダ情報として格納されており、これによって、監視装置100は、受信したセンシング情報の送信元を特定することができる。また、監視装置100は、各センサデバイスから送信されたセンシング情報を集約し斜面の状況を監視する。
【0025】
図4は、この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムの監視装置の構成を示すブロック図である。図4において、監視装置100は、通信部400、401、センシング情報解析部402、センシング情報管理部403および出力部404を有している。
【0026】
通信部400は、ケーブル112を介してルータ105と接続され、通信部401は、ケーブル113を介して運行管理装置101と接続されており、それぞれ信号の変復調等の送受信処理を行う。受信処理が完了したセンシング情報は、センシング情報解析部402での解析が完了すると、センシング情報管理部403で管理される。また、運行管理装置101から送信される運行情報も、センシング情報管理部403で管理される。
【0027】
センシング情報管理部403には、GPS(Global Positioning System)により各センサデバイスの設置位置情報があらかじめ設定されており、時間同期がとられている。そのため、センサデバイスのノード番号と設置位置情報とを紐付けて管理することができる。また、出力部404は、センシング情報管理部403からの各種通知に対応した結果を出力し、監視員に斜面の状況を知らせる。
【0028】
以下、図1、2、4を参照しながら、監視装置100における鉄道沿線環境の監視方法について詳細に説明する。図1において、センサデバイス109〜111は、防護柵104に等間隔に設置され、センサデバイス106〜108は、センサデバイス109〜111よりも短い間隔で斜面に設置されている。列車102は、センサデバイス110の傍を通過する直前であり、センサデバイス110で振動が検知されている。
【0029】
このとき、センサデバイス110で得られる測定データを図5に示す。センサデバイスの測定データ管理部201には、あらかじめ加速度参考値および振動閾値が設定されており、10秒間の測定データのうち、x軸、y軸、z軸の何れかの測定値において、次式(1)が満たされる場合に、センサデバイスで振動が検知される。
【0030】
|(加速度の測定値)−(加速度参考値)|>振動閾値 ・・・(1)
【0031】
なお、式(1)は一例であり、また、x軸、y軸、z軸すべての測定値が式(1)を満たした場合に振動を検知する等、振動検知の基準も、必ずしも上述のとおりである必要はない。ここで、センサデバイス110では、加速度参考値が100、振動閾値が300に設定されている。すなわち、図5に従えば、センサデバイス110では、12時20分33秒から12時20分40秒までの間で式(1)を満たし、振動が検知されていることが分かる。
【0032】
センサデバイス110は、通信部202で上記測定データにデータフレーム化等の送信処理を施し、センシング情報として監視装置100へ送信する。なお、センサデバイスは、振動を検知した段階でセンシング情報を送信することも可能で、このときは、10秒分の測定データが得られる前に送信してもよい。
【0033】
監視装置100では、受信したデータフレームに対して、通信部400で受信処理を施しセンシング情報を復調した後、センシング情報をセンシング情報解析部402へ送信する。センシング情報解析部402は、受信したセンシング情報を解析し、送信元のセンサデバイスで振動が検知されたか否かを判定する。
【0034】
すなわち、センシング情報解析部402は、各センサデバイスに設定されている加速度参考値をノード番号毎に管理しており、上記式(1)に従ってあらかじめ設定された振動閾値と比較することで、振動が検知されたか否かを判定する。
【0035】
なお、振動閾値は、センサデバイスと監視装置100とで同じ値に設定しても、それぞれ異なる値に設定してもよいが、この発明の実施の形態1においては、互いに同じ値とする。つまり、センシング情報解析部402は、解析の結果、センサデバイス110では、12時20分33秒から12時20分40秒までの間で振動が検知されたと判定する。
【0036】
センシング情報解析部402は、振動検知有無の判定が完了すると、センシング情報をセンシング情報管理部403へ通知する。このとき、センシング情報に送信元センサデバイスのノード番号と振動検知有無の判定結果とを紐付けて通知する。センシング情報管理部403は、通知された内容に基づいて、センシング情報を管理する。
【0037】
図6は、この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムの監視装置で管理されるセンシング情報を例示する説明図である。また、図6において、センサデバイスのノード番号は、図1に示す符号と対応している。
【0038】
図6において、振動判定の欄が0であれば振動が検知されていないことを表し、1であれば振動が検知されていることを表す。これにより、センシング情報管理部403は、ノード番号110のセンサデバイスにおいて、12時20分33秒から12時20分40秒までの間で振動が検知されたことを把握する。なお、センシング情報を管理する方法はこれに限定されるものではない。
【0039】
しかしながら、上記のセンシング情報のみでは、検知された振動が斜面崩落に起因するものであるか否かを判断することはできない。そこで、センシング情報管理部403は、運行情報の取得を試みる。すなわち、この発明の実施の形態1における特徴として、センシング情報管理部403は、「運行情報通知要求」を生成し、通信部401へ送信する。また、通信部401は、「運行情報通知要求」に送信処理を施した後、ケーブル113を介して運行管理装置101へ送信する。
【0040】
「運行情報通知要求」を受信した運行管理装置101は、過去10秒間の運行情報を、ケーブル113を介して監視装置100へ送信する。この運行情報には、列車102の走行位置の情報とその時々の通過時刻の情報とが含まれている。
【0041】
監視装置100では、受信した運行情報に対して、通信部401で受信処理を施した後、運行情報をセンシング情報管理部403へ送信する。センシング情報管理部403は、受信した運行情報を参照し、列車102が12時20分33秒から12時20分40秒までの間、センサデバイス110の傍を通過していたことを知ることができる。
【0042】
センシング情報管理部403は、収集したセンシング情報およびあらかじめ設定されたセンサデバイスの設置位置情報と、運行管理装置101から取得した運行情報とを照合し、センサデバイス110が振動を検知した時刻と列車102がセンサデバイス110の傍を通過した時刻とが一致することを検知して、センサデバイス110で検知された振動が、列車102の通過に起因するものと判定する。
【0043】
監視装置100は、このように運行情報とセンシング情報、センサデバイスの設置位置情報とを照らし合わせることで、センサデバイスが列車の通過に伴う振動を検知した場合の誤検知を防ぐことができる。
【0044】
ここで、斜面に設置されているセンサデバイス108でも振動が検知されており、図7に示す測定データが得られているとする。このとき、センサデバイス108の測定データ管理部201でも上記式(1)により振動検知の判定を行うが、斜面に設置されているセンサデバイスでは、加速度参考値を50とする。このように、センサデバイスの設置位置によって加速度参考値の設定を変えることで、センサデバイスによる誤検知の発生を抑えている。なお、振動閾値は、共通の値300が設定されている。
【0045】
したがって、センサデバイス108では、12時20分35秒から12時20分40秒までの間で振動が検知されたことになる。なお、振動閾値は、センサデバイス毎に値を設定するものであってもよい。センサデバイス108は、その後センシング情報を監視装置100へ送信する。
【0046】
監視装置100では、センサデバイス108からセンシング情報を受信すると、センシング情報解析部402で上述した手順に従って解析を行い、解析結果をセンシング情報管理部403で管理する。
【0047】
続いて、センシング情報管理部403は、運行管理装置101から運行情報を取得し、運行情報からセンサデバイス108で振動が検知された時間帯には、付近を列車が通っていないことを検知する。これにより、センシング情報管理部403は、センサデバイス108で検知された振動が、斜面崩落に起因するものと判定し、斜面崩落を検知する。
【0048】
ここで、センシング情報管理部403が斜面崩落を検知すると、「斜面崩落検知通知」を生成し、出力部404へ送信する。出力部404は、「斜面崩落検知通知」を受信すると、斜面崩落が発生したことを監視員に知らせる。なお、出力方法は図示していないが、例えば、「斜面が崩落しました」といった画面表示やアラーム等の出力によって実現することができる。
【0049】
このように、この発明の実施の形態1に係る鉄道沿線監視システムにおいて、監視装置100では、センシング情報を解析した際にセンサデバイスで振動が検知されたと判定した場合、収集したセンシング情報およびあらかじめ設定されたセンサデバイスが設置された位置情報と運行管理装置101から取得した運行情報とを照らし合わせ、検知された振動が列車の通過に伴うものであるか否かを判定することで、列車通過に伴う振動を検知したことを、斜面崩落と誤検知することを排除することができる。
【0050】
また、運行管理装置101から運行情報を定期的に監視装置100へ送信することで、監視装置100がセンサデバイスの設置位置に列車が近づいていることを事前に知ることができるため、監視装置100が該当するセンサデバイスから送信されたセンシング情報を解析した際に振動が検知されれば、それが列車通過に伴う振動であると判定することも可能である。
【0051】
なお、この発明の実施の形態1の適用は、加速度センサに限定されるものではなく、例えば、振動センサのように振動を検知できる他のセンサデバイスにも適用できることは明らかである。そのため、監視対象が必ずしも斜面崩落である必要はなく、例えば、地震等の揺れを伴う他の自然災害を監視するシステムに適用することも可能である。また、無線通信のプロトコルもWi−SUNに限定されるものではなく、例えば、ZigBee等の他のプロトコルを用いてセンサネットワークを構築する場合においても同様に実施することが可能である。
【0052】
以上のように、実施の形態1によれば、監視装置は、センサデバイスから収集したセンシング情報および監視装置にあらかじめ設定された当該センサデバイスの設置位置情報と、運行管理装置からの運行情報である列車の走行位置および通過時刻とを照合して、センシング情報が列車の通過に伴うものであるか否かを判定する。
そのため、誤検知の発生を抑制しながら鉄道沿線の環境を監視することができる。
【0053】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2に係る鉄道沿線監視システムについて説明する。なお、この発明の実施の形態2に係る鉄道沿線監視システムの構成は、上記実施の形態1と同様とし、実施の形態1と重複する部分については詳しい説明を省略する。
【0054】
上記実施の形態1における鉄道沿線監視システムは、監視装置100でセンシング情報を解析した際にセンサデバイスで振動が検知されたと判定した場合、列車の運行情報と照らし合わせ、検知された振動が列車の通過に起因するか否かを検知することで、斜面崩落の誤検知を抑制するものであった。
【0055】
具体的には、あらかじめ設定されたセンサデバイスが設置された位置情報とセンシング情報およびセンシング情報に付与されたタイムスタンプとを運行情報と照合し、当該時刻に当該位置を列車が通過していたと判断できる場合には、検知された振動が列車の通過に伴うものと判定することで、列車の通過に起因する振動を検知したことを、斜面崩落と誤検知することを防いでいた。
【0056】
これに対して、この発明の実施の形態2における鉄道沿線監視システムは、監視装置100が任意のセンサデバイスから収集した情報を解析する際に、監視装置100にあらかじめ設定された、センサデバイスが設置された位置情報と、運行管理装置101から取得する列車の走行位置、通過時刻等の情報とを照合する。
【0057】
その結果、列車の通過に伴うセンシング情報が得られたと判断された場合、このときのセンシング情報に基づいて崩落の有無を判定する崩落検知閾値を設定し、センサデバイスは、この崩落検知閾値に基づいて崩落検知を行う。以下、図1、2を参照しながら、監視装置100における鉄道沿線環境の監視方法について説明する。
【0058】
監視装置100は、周期的に任意のセンサデバイスからセンシング情報を収集し、あらかじめ設定されたセンサデバイスの設置位置情報や運行管理装置101から取得した運行情報と照合し、列車通過に伴う振動が検知されたか否かを判断する。ここでは、例えば毎日始発列車が出発する時刻から1時間の測定データを収集するものとするが、この発明の実施の形態2に示す周期や収集に要する時間は一例であり、これに限定されるものではない。
【0059】
また、センシング情報の収集対象を1台とするが、任意の複数台のセンサデバイスからセンシング情報を収集してもよく、センシング情報の収集対象は、1台のみに限定されるものではない。また、例えば、センサデバイス106と109、センサデバイス107と110のようにグループ化して、グループ内の任意の台数から収集するものでもよい。
【0060】
ここで、監視装置100は、列車通過に伴う振動が検知されたと判断した場合、そのときの加速度値に基づいて崩落検知閾値を設定する。崩落検知閾値は、斜面崩落を検知する際の判定基準とするものであり、斜面崩落に伴う振動は、列車通過に起因する振動以上の加速度値の変動が得られることが期待される。
【0061】
そのため、例えば、列車通過に伴う振動を検知するときの加速度値の測定値と、加速度参考値との差分の絶対値の平均が、300程度かつ最大の差分が360であったとすると、崩落検知閾値を450とすることで、斜面崩落に伴う振動と列車通過に伴う振動とを区別することができる。
【0062】
また、崩落検知閾値の設定基準は、振動の種類を区別できればよいため、上記に限られたものではなく、システムに応じた設定を行うことが望ましい。また、センサデバイスをグループ化してセンシング情報を収集する場合には、グループ毎に崩落検知閾値を設定することも可能である。
【0063】
続いて、監視装置100は、崩落検知閾値の設定が完了すると、すべてのセンサデバイスに対して崩落検知閾値を通知する。これ以降、センサデバイスにおいては、測定された加速度の測定値と加速度参考値との差分の絶対値が崩落検知閾値を超過する場合のみ、センシング情報を監視装置100へ通知する。なお、センサデバイスをグループ化している場合には、グループ毎に崩落検知閾値が異なっていれば、それぞれのグループに設定した崩落検知閾値を通知する。
【0064】
また、監視装置100は、受信したセンシング情報の解析が完了すると崩落の発生を検知し、出力部404にて斜面崩落が発生したことを監視員に知らせる。なお、監視装置100では、事前に運行情報に基づいて崩落検知閾値を設定することで、列車通過に起因する振動検知の可能性を排除している。そのため、センシング情報と運行情報との照合を必要とせず、センシング情報の解析が完了した段階で、斜面崩落が発生したと判断することが可能となる。
【0065】
このように、この発明の実施の形態2に係る鉄道沿線監視システムにおいて、監視装置100が、任意のセンサデバイスから収集したセンシング情報に基づいて設定した崩落検知閾値をすべてのセンサデバイスに通知し、センサデバイスでは、加速度の測定値と加速度参考値との差分の絶対値が通知された崩落検知閾を超過する場合のみ、センシング情報を監視装置100へ通知する。
【0066】
これにより、列車通過に伴う振動を検知することを防ぐことができるため、センサデバイスで発生する通信の頻度が低くなり、センサネットワークが逼迫するのを抑制することが可能となる。さらに、通信頻度が低くなることで、センサデバイスのバッテリを長寿命化することも可能となる。
【0067】
また、この発明の実施の形態2における鉄道沿線監視システムが、上記実施の形態1で示した機能を同時に備えてもよい。さらに、この発明の実施の形態2の適用についても、上記実施の形態1と同様に、加速度センサやWi−SUNのみに限定されないことは明らかであり、監視対象も必ずしも斜面崩落である必要はなく、例えば、地震等の揺れを伴う他の自然災害を監視するシステムに適用することも可能である。
【0068】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3に係る鉄道沿線監視システムについて説明する。なお、この発明の実施の形態3に係る鉄道沿線監視システムの構成は、上記実施の形態1、2と同様とし、実施の形態1、2と重複する部分については詳しい説明を省略する。
【0069】
上記実施の形態1、2における鉄道沿線監視システムは、運行管理装置101から取得した運行情報を利用して、列車通過に伴う振動を検知したことを、斜面崩落と誤検知することを防ぐことで、監視システムの信頼性を向上させている。
【0070】
これに対して、この発明の実施の形態3における鉄道沿線監視システムは、監視装置100がセンサデバイスから収集した情報を解析する際に、監視装置100にあらかじめ設定されたセンサデバイスが設置された位置情報と、運行管理装置101から取得する列車の走行位置、通過時刻等の情報とを照合することで、期待されるセンシング情報が収集されていないと判定した場合に、センサデバイスの故障を検知する。以下、図1を参照しながら、監視装置100におけるセンサデバイスの故障検知方法について説明する。
【0071】
上記実施の形態1と同様に、列車102は、防護柵104に設置されているセンサデバイス110の傍を通過しようとしている。このとき、運行管理装置101は、列車102の走行位置の情報とその時々の通過時刻の情報とを、運行情報として周期的に監視装置100へ送信する。
【0072】
監視装置100が受信した運行情報は、センシング情報管理部403で管理される。そのため、センシング情報管理部403は、あらかじめ設定されたセンサデバイスの設置位置情報と随時送信される運行情報とを照合することで、列車102がセンサデバイス110の設置位置を通過する時刻を予測することができる。なお、列車102がセンサデバイス110の傍を通過する時刻は、上記実施の形態1と同じく12時20分33秒から12時20分40秒までとする。
【0073】
このとき、センサデバイス110では、図8に示す測定データが得られているとする。なお、加速度参考値および振動閾値は、ともに上記実施の形態1と同じ、すなわち加速度参考値=100、振動閾値=300とする。ここで、センサデバイス110では、12時20分32秒から12時20分41秒までの間で振動が検知されておらず、この測定データをセンシング情報として監視装置100へ送信する。
【0074】
監視装置100は、センサデバイス110から受信したセンシング情報を、センシング情報解析部402で、上記実施の形態1で示した手順に従って解析し、解析結果をセンシング情報管理部403で管理する。このときのセンシング情報の解析結果は、図9に例示する通りであり、これがセンシング情報管理部403で把握している情報である。
【0075】
ここで、上述したように、センシング情報管理部403は、あらかじめ設定されたセンサデバイスの設置位置情報と運行管理装置101から随時送信される運行情報とを照合することで、12時20分33秒あたりから列車102がセンサデバイス110の設置位置付近を通過することを予測している。すなわち、12時20分33秒あたりからセンサデバイス110で振動が検知されることが期待される。
【0076】
しかしながら、図9に示した解析結果では、列車102がセンサデバイス110の傍を通過したと判断できる時刻においても振動が検知されていない。そこで、センシング情報管理部403は、期待されるセンシング情報が収集されていないと判断し、センサデバイス110の故障を検知する。
【0077】
また、センシング情報管理部403は、期待されるセンシング情報が収集されていないと判断した場合に、運行管理装置101に「運行情報通知要求」を送信して取得した運行情報により、センサデバイス110の傍を列車102が通過したことを確認してから、センサデバイス110の故障を検知してもよい。
【0078】
センシング情報管理部403がセンサデバイス110の故障を検知すると。「センサデバイス故障検知通知」を生成し、出力部404へ送信する。「センサデバイス故障検知通知」には、対象となるセンサデバイスのノード番号110が紐付けられている。
【0079】
出力部404は、「センサデバイス故障検知通知」を受信すると、紐づけられたノード番号の情報からセンサデバイス110が故障したと判断し、センサデバイス110の故障が検知されたことを監視員に知らせる。なお、出力方法は図示していないが、例えば、「センサデバイス110が故障しています」といった画面表示やアラーム等の出力によって実現することができる。
【0080】
このように、この発明の実施の形態3に係る鉄道沿線監視システムにおいて、監視装置100では、センサデバイスから収集したセンシング情報を解析する際に、センシング情報およびあらかじめ設定されたセンサデバイスの設置位置情報と、運行管理装置101から随時取得する運行情報とを照合することで、期待されるセンシング情報が収集されていないと判定した場合に、センサデバイスの故障を検知する。
【0081】
また、この発明の実施の形態3における鉄道沿線監視システムのもうひとつの特徴として、監視装置100がセンサデバイスに対してセンシング情報を通知させることによっても、センサデバイスの故障を検知できる。監視装置100がセンサデバイスにセンシング情報を通知するよう指示し、通知したにも関わらず何のセンシング情報も収集できなかったセンサデバイスがある場合に、監視装置100は、当該センサデバイスが故障していると判断することができる。
【0082】
一方、監視装置100がセンシング情報を収集できた場合には、受信したセンシング情報およびあらかじめ設定されたセンサデバイスの設置位置情報と、運行管理装置101から取得した運行情報とを照らし合わせ、当該センサデバイスの傍を列車が通過した時刻において、当該センサデバイスで振動が検知されたか否かを判定する。
【0083】
このとき、当該時刻において振動が検知されていれば、センサデバイスが正常であると判断することができ、当該時刻において振動が検知されていなければ、センサデバイスが故障していると判断することができる。
【0084】
そのため、監視装置100が上記手順をすべてのセンサデバイスに対して周期的に実施することで、すべてのセンサデバイスの故障を検知することができる。これは、特に、鉄道沿線において異常が検知されない場合に、長時間センサデバイスからセンシング情報が通知されないといった状況が起こり得る上記実施の形態2における鉄道沿線監視システムと組み合わせた場合に有効な方法である。また、故障検知であるため、必ずしも短周期で行う必要はなく、周期を長くすることでネットワークの輻輳を抑えることもできる。
【0085】
このように、この発明の実施の形態3に係る鉄道沿線監視システムでは、監視装置100がセンシング情報およびセンサデバイス設置位置情報と、運行情報とを照合し、列車が通過すると予測できる、または、列車が通過した時刻においてセンサデバイスで振動が検知されたか否かを判定することにより、センサデバイスの故障を検知する。これにより、センサデバイスの故障が発見されないといった状況が排除されるため、監視システムの信頼性を保つことができる。
【0086】
なお、この発明の実施の形態3では、対象とするセンサデバイスが1台の場合を例に挙げて説明したが、複数台のセンサデバイスが対象となる場合でも同様に実施することが可能である。このとき、期待されるセンシング情報が収集されなかったセンサデバイスに対しては故障検知を行い、他のセンサデバイスで期待されるセンシング情報が収集されれば、列車の通過に伴い振動が検知されたと判定することができる。
【0087】
このように、この発明の実施の形態3における鉄道沿線監視システムが、上記実施の形態1で示した機能を同時に備えることも可能である。さらに、この発明の実施の形態3の適用についても、上記実施の形態1、2と同様に、加速度センサやWi−SUNのみの適用に限られないことは明らかである。
【符号の説明】
【0088】
100 監視装置、101 運行管理装置、102 列車、103 架線柱、104 防護柵、105 ルータ、106〜111 センサデバイス、112、113 ケーブル、200 センサ部、201 測定データ管理部、202 通信部、203 アンテナ、400、401 通信部、402 センシング情報解析部、403 センシング情報管理部、404 出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9