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特開2016-222029シート用パッドおよびシート用パッドの製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222029(P2016-222029A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】シート用パッドおよびシート用パッドの製造装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/44 20060101AFI20161205BHJP
   B29C 39/26 20060101ALI20161205BHJP
   A47C 7/18 20060101ALI20161205BHJP
   A47C 27/14 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B60N2/44
   B29C39/26
   A47C7/18
   A47C27/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-108153(P2015-108153)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 健司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 佳之
(72)【発明者】
【氏名】篠原 寿充
(72)【発明者】
【氏名】米澤 泰輔
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B096
4F202
【Fターム(参考)】
3B084CA04
3B084CB01
3B087DE10
3B096AB07
3B096AD07
4F202AA42
4F202AB02
4F202AG20
4F202AH26
4F202CA01
4F202CB01
4F202CK43
(57)【要約】
【課題】座り心地性を向上させる。
【解決手段】シート用パッド10は、載置面11を有するシート用パッド10であって、載置面11に沿う第1横方向B1に沿って、当該シート用パッド10の外側から内側に向けて延びる横スリット部15が形成され、横スリット部15において、載置面11に沿い第1横方向B1に直交する第2横方向B2の端部には、横スリット部15から、載置面11に直交する厚さ方向Hに沿う載置面11側に向けて延びる縦スリット部21が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面を有するシート用パッドであって、
前記載置面に沿う第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて延びる横スリット部が形成され、
前記横スリット部において、前記載置面に沿い前記第1横方向に直交する第2横方向の端部には、前記横スリット部から、前記載置面に直交する厚さ方向に沿う載置面側に向けて延びる縦スリット部が設けられていることを特徴とするシート用パッド。
【請求項2】
前記横スリット部の少なくとも一部は、前記第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、前記厚さ方向に小さくなっていることを特徴とする請求項1記載のシート用パッド。
【請求項3】
前記横スリット部の少なくとも一部は、前記第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、前記厚さ方向に大きくなっていることを特徴とする請求項1記載のシート用パッド。
【請求項4】
前記横スリット部は、前記厚さ方向に向けて凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシート用パッド。
【請求項5】
前記横スリット部を画成する内面のうち、前記厚さ方向に沿う載置面側に位置する第1内面、および前記厚さ方向に沿う反載置面側に位置する第2内面にはそれぞれ、前記載置面に沿う規制方向に連なる凹凸部が形成され、
前記第1内面に形成された前記凹凸部である第1凹凸部、および前記第2内面に形成された前記凹凸部である第2凹凸部では、互いの凹部と凸部とが前記厚さ方向に対向していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシート用パッド。
【請求項6】
前記横スリット部は、前記載置面に沿い前記第1横方向に直交する第2横方向に沿って外側から内側に向かうに従い漸次、前記第1横方向に長くなっていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシート用パッド。
【請求項7】
複数の成形型の間に、前記複数の成形型それぞれのキャビティ面によって画成されるキャビティを備え、載置面を有するシート用パッドを形成するシート用パッドの製造装置であって、
前記キャビティ内に配置された中子を備え、
前記中子は、
前記キャビティ面のうちの前記載置面を形成する載置面形成部に沿う第1横方向に沿って、前記キャビティの外側から内側に向けて延びる横スリット形成部と、
前記横スリット形成部において、前記載置面形成部に沿い前記第1横方向に直交する第2横方向の端部から、前記載置面形成部に直交する厚さ方向に沿う載置面形成部側に向けて延びる縦スリット形成部と、を備えていることを特徴とするシート用パッドの製造装置。
【請求項8】
前記横スリット形成部は、前記キャビティ面から前記キャビティ内に突出し、
前記縦スリット形成部は、前記横スリット形成部から前記載置面形成部に至るまで延びていることを特徴とする請求項7記載のシート用パッドの製造装置。
【請求項9】
前記中子は、前記キャビティ面に着脱可能に装着されることを特徴とする請求項7または8に記載のシート用パッドの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート用パッドおよびシート用パッドの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1記載のシート用パッドが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−149466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のシート用パッドでは、着座時に適度に撓ませて安定した姿勢を保持できるよう、座り心地性(ストローク感)を向上させることについて改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、座り心地性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るシート用パッドは、載置面を有するシート用パッドであって、前記載置面に沿う第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて延びる横スリット部が形成され、前記横スリット部において、前記載置面に沿い前記第1横方向に直交する第2横方向の端部には、前記横スリット部から、前記載置面に直交する厚さ方向に沿う載置面側に向けて延びる縦スリット部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この場合、シート用パッドに、第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて延びる横スリット部が形成されている。したがって、載置面上に乗員が着座したときに、横スリット部を厚さ方向に狭めるように、シート用パッドを変形させることで、シート用パッドから感じる硬さを抑えつつシート用パッドを適度に撓ませることが可能になり、例えば着座時やコーナリング時などの座り心地性を向上させることができる。
また、横スリット部における第2横方向の端部に縦スリット部が設けられている。したがって、載置面上に乗員が着座したときに、縦スリット部が第2横方向に狭まるように、シート用パッドにおいて載置面と横スリット部との間に位置する部分(以下、「受圧変形部」という。)を、第2横方向の外側に向けて伸長変形させることができる。これにより、乗員を載置面上で第2横方向の外側から包み込むように、シート用パッドを変形させることが可能になり、座り心地性を一層向上させることができる。
なお、横スリット部および縦スリット部がシート用パッドの表面に開口している場合には、シート用パッドの受圧変形部を、他の部分から独立して変形させ易くすることができる。したがって、このシート用パッドを形成する金型において横スリット部を形成する中子を、シート用パッドから脱型させるときに、受圧変形部を積極的に変形させて受圧変形部に過度な負荷がかかるのを抑えることが可能になり、シート用パッドを簡便に、かつ精度良く形成することができる。
【0008】
前記横スリット部の少なくとも一部は、前記第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、前記厚さ方向に小さくなっていてもよい。
【0009】
この場合、横スリット部の少なくとも一部が、第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、厚さ方向に小さくなっている。したがって、載置面のうち、乗員が着座したときに荷重がかかり難いシート用パッドの外側に位置する部分に、横スリット部のうち、厚さ方向に比較的大きい部分を位置させることができる。これにより、シート用パッドを載置面の広い範囲にわたって偏り少なく撓ませることが可能になり、座り心地性を一層向上させることができる。
なお横スリット部が、第1横方向の全長にわたって、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、厚さ方向に小さくなっている場合、シート用パッドの変形の程度を、第1横方向に沿って徐々に変化させることが可能になり、シート用パッドが撓むときに違和感が生じるのを効果的に抑えることができる。
【0010】
前記横スリット部の少なくとも一部は、前記第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、前記厚さ方向に大きくなっていてもよい。
【0011】
この場合、横スリット部の少なくとも一部が、第1横方向に沿って、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、厚さ方向に大きくなっている。したがって、載置面のうち、乗員が着座したときに荷重がかかり易いシート用パッドの内側に位置する部分を、外側に位置する部分に比べて積極的に変形させることができる。これにより、例えば、シート用パッドの厚さ方向の大きさを調整する等しなくても、乗員を載置面上で第1横方向の外側から包み込むように、シート用パッドを変形させることが可能になり、座り心地性を一層向上させることができる。
なお横スリット部が、第1横方向の全長にわたって、当該シート用パッドの外側から内側に向けて漸次、厚さ方向に大きくなっている場合、シート用パッドの変形の程度を、第1横方向に沿って徐々に変化させることが可能になり、シート用パッドが撓むときに違和感が生じるのを効果的に抑えることができる。
【0012】
前記横スリット部は、前記厚さ方向に向けて凸となるように湾曲していてもよい。
【0013】
この場合、横スリット部が、厚さ方向に向けて凸となるように湾曲しているので、横スリット部を、載置面に着座する乗員の外形に沿わせ易くすることができる。これにより、シート用パッドを乗員の外形に沿って撓ませることが可能になり、フィット感を高めて座り心地性を向上させることができる。
なお横スリット部が、厚さ方向に沿う反載置面側に向けて凸となるように湾曲している場合、シート用パッドを乗員の外形に沿って効果的に撓ませることが可能になり、フィット感をより高めて座り心地性を向上させることができる。
【0014】
前記横スリット部を画成する内面のうち、前記厚さ方向に沿う載置面側に位置する第1内面、および前記厚さ方向に沿う反載置面側に位置する第2内面にはそれぞれ、前記載置面に沿う規制方向に連なる凹凸部が形成され、前記第1内面に形成された前記凹凸部である第1凹凸部、および前記第2内面に形成された前記凹凸部である第2凹凸部では、互いの凹部と凸部とが前記厚さ方向に対向していてもよい。
【0015】
この場合、第1凹凸部および第2凹凸部で、互いの凹部と凸部とが厚さ方向に対向しているので、載置面に乗員が着座して横スリット部が厚さ方向に狭められたときに、第1凹凸部と第2凹凸部とを嵌合させ合うことができる。これにより、シート用パッドのうち、横スリット部を厚さ方向に挟んで両側に位置する各部分が、乗員の着座時に規制方向に相対的に変位するのを抑えることが可能になり、座り心地性をより一層向上させることができる。
【0016】
前記横スリット部は、前記載置面に沿い前記第1横方向に直交する第2横方向に沿って外側から内側に向かうに従い漸次、前記第1横方向に長くなっていてもよい。
【0017】
この場合、横スリット部が、第2横方向に沿って外側から内側に向かうに従い漸次、第1横方向に長くなっている。したがって、載置面において、横スリット部についての第2横方向の中央部が位置する部分を、横スリット部についての第2横方向の両端部が位置する各部分に比べて積極的に変形させることができる。これにより、乗員を載置面上で第2横方向の外側から包み込むように、シート用パッドを変形させることが可能になり、座り心地性をより一層向上させることができる。
【0018】
また、本発明に係るシート用パッドの製造装置は、複数の成形型の間に、前記複数の成形型それぞれのキャビティ面によって画成されるキャビティを備え、載置面を有するシート用パッドを形成するシート用パッドの製造装置であって、前記キャビティ内に配置された中子を備え、前記中子は、前記キャビティ面のうちの前記載置面を形成する載置面形成部に沿う第1横方向に沿って、前記キャビティの外側から内側に向けて延びる横スリット形成部と、前記横スリット形成部において、前記載置面形成部に沿い前記第1横方向に直交する第2横方向の端部から、前記載置面形成部に直交する厚さ方向に沿う載置面形成部側に向けて延びる縦スリット形成部と、を備えていることを特徴とする。
【0019】
この場合、横スリット形成部により横スリット部を形成するとともに、縦スリット形成部により縦スリット部を形成することが可能になり、前述したシート用パッドのように、座り心地性を向上させることができるシート用パッドを確実に成形することができる。
【0020】
前記横スリット形成部は、前記キャビティ面から前記キャビティ内に突出し、前記縦スリット形成部は、前記横スリット形成部から前記載置面形成部に至るまで延びていてもよい。
【0021】
この場合、横スリット形成部が、キャビティ面からキャビティ内に突出し、縦スリット形成部が、横スリット形成部から載置面形成部に至るまで延びている。したがって、横スリット形成部および縦スリット形成部の両方を、キャビティ内で形成されたシート用パッドの表面から露出させることが可能になり、シート用パッドを中子から容易に脱型させることができる。
【0022】
前記中子は、前記キャビティ面に着脱可能に装着されてもよい。
【0023】
この場合、中子が、キャビティ面に着脱可能に装着されるので、シート用パッドを中子から一層容易に脱型させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、座り心地性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係るシート用パッドの平面図である。
図2図1に示すシート用パッドの断面図である。
図3図1に示すシート用パッドの要部の斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るシート用パッドの要部の斜視図である。
図5】本発明の第3実施形態に係るシート用パッドの平面図である。
図6図5に示すシート用パッドの断面図である。
図7図5に示すシート用パッドを形成する金型の断面図である。
図8図7に示す金型を構成する中子の正面図である。
図9】本発明の第4実施形態に係るシート用パッドの平面図である。
図10図9に示すシート用パッドの側面図である。
図11図9に示すシート用パッドの断面図である。
図12】本発明の第5実施形態に係るシート用パッドの断面図である。
図13】本発明の第6実施形態に係るシート用パッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、図1から図3を参照し、本発明の第1実施形態に係るシート用パッド10を説明する。
図1および図2に示すように、シート用パッド10は、発泡成形体により形成される。発泡成形体としては、樹脂材料を発泡させて成形した軟質の樹脂発泡成形体、例えば軟質ポリウレタンフォーム(軟質樹脂)等が挙げられる。図示の例では、シート用パッド10は、同一材料により一体に形成されている。
【0027】
シート用パッド10は、例えば自動車(車両)に取り付けられるシート(座席)に採用される。シート用パッド10は、シートに着座する乗員が当接する着座面11(載置面)を備えている。本実施形態では、シート用パッド10として、クッションパッドやバックパッドを採用することができる。
【0028】
なお、シート用パッド10としてクッションパッドを採用した場合、シート用パッド10が自動車に取り付けられた状態で、着座面11は、鉛直方向の上側を向き、シート用パッド10には、乗員の荷重が上側から作用する。また、シート用パッド10としてバックパッドを採用した場合、シート用パッド10が自動車に取り付けられた状態で、着座面11は、自動車の前側を向き、シート用パッド10には、乗員の荷重が前側から作用する。
【0029】
シート用パッド10は、偏平直方体状に形成されていて、シート用パッド10において着座面11に直交する方向は、シート用パッド10の厚さ方向Hになっている。シート用パッド10において、厚さ方向Hに沿って反着座面側(反載置面側)を向く面は、シート用パッド10の取付け面12(裏面)となっている。
【0030】
シート用パッド10は、シート用パッド10の平面視において、着座面11に沿うとともに互いに直交する第1横方向B1および第2横方向B2(規制方向)に延びる矩形状に形成されている。シート用パッド10の側面には、第1横方向B1に直交する方向に延びる第1側面13と、第2横方向B2に直交する方向に延びる第2側面14と、が備えられている。なお第1横方向B1は、例えば自動車の左右方向となってもよく、車両の前後方向となってもよい。
【0031】
シート用パッド10には、第1横方向B1に沿って当該シート用パッド10の外側から内側に向けて延びる横スリット部15が形成されている。横スリット部15は、シート用パッド10において、第1横方向B1の両側に位置する部分に各別に設けられていて、第1横方向B1の中央部には設けられていない。横スリット部15は、シート用パッド10の平面視において、シート用パッド10の外側から内側に向けて延びている。
【0032】
横スリット部15における第1横方向B1の外側の端部は、シート用パッド10の表面に開口していて、横スリット部15における第1横方向B1の内側の端部は、シート用パッド10の表面に非開口となっている。横スリット部15は、第1側面13に開口していて、第1側面13から第1横方向B1の内側に向けて延びている。
【0033】
横スリット部15の第1横方向B1の大きさは、第2横方向B2の全長にわたって同等となっている。横スリット部15は、シート用パッド10よりも第2横方向B2に小さく、第2側面14に非開口となっている。横スリット部15の第2横方向B2の大きさは、例えば10〜25mm程度となっている。
【0034】
図2に示すように、横スリット部15は、第1横方向B1の内側に向かうに従い漸次、厚さ方向Hに沿う反着座面側に向けて延びている。横スリット部15の厚さ方向Hに沿う大きさである高さは、第1横方向B1の全長にわたって同等となっている。
【0035】
図1および図3に示すように、横スリット部15における第2横方向B2の端部には、横スリット部15から厚さ方向Hに沿う着座面11側に向けて延びる縦スリット部21が設けられている。縦スリット部21は、横スリット部15における第2横方向B2の両端部に各別に設けられている。縦スリット部21は、横スリット部15における第1横方向B1の全長にわたって形成されている。縦スリット部21は、シート用パッド10の平面視において、第1横方向B1に延びる直線状に形成されている。縦スリット部21は、横スリット部15から着座面11に至るまで延びていて、第1横方向B1の全長にわたって着座面11に開口している。縦スリット部21の第2横方向B2の位置は、厚さ方向Hの全長にわたって同等となっていて、縦スリット部21は、第2横方向B2から見た正面視において、厚さ方向Hに真直に延びている。
【0036】
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッド10によれば、シート用パッド10に、第1横方向B1に沿って、当該シート用パッド10の外側から内側に向けて延びる横スリット部15が形成されている。したがって、載置面上に乗員が着座したときに、横スリット部15を厚さ方向Hに狭めるように、シート用パッド10を変形させることで、シート用パッド10から感じる硬さを抑えつつシート用パッド10を適度に撓ませることが可能になり、例えば着座時やコーナリング時などの座り心地性を向上させることができる。
【0037】
また、横スリット部15における第2横方向B2の端部に縦スリット部21が設けられている。したがって、着座面11上に乗員が着座したときに、縦スリット部21が第2横方向B2に狭まるように、シート用パッド10において着座面11と横スリット部15との間に位置する部分(以下、「受圧変形部」という。)を、第2横方向B2の外側に向けて伸長変形させることができる。これにより、乗員を着座面11上で第2横方向B2の外側から包み込むように、シート用パッド10を変形させることが可能になり、座り心地性を一層向上させることができる。
【0038】
なお本実施形態のように、横スリット部15および縦スリット部21がシート用パッド10の表面に開口している場合には、シート用パッド10の受圧変形部を、他の部分から独立して変形させ易くすることができる。したがって、このシート用パッド10を形成する金型において横スリット部15を形成する中子を、シート用パッド10から脱型させるときに、受圧変形部を積極的に変形させて受圧変形部に過度な負荷がかかるのを抑えることが可能になり、シート用パッド10を簡便に、かつ精度良く形成することができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態のシート用パッド30を、図4を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0040】
本実施形態に係るシート用パッド10では、縦スリット部21は、厚さ方向Hに沿う着座面11側に向かうに従い漸次、第2横方向B2の外側に向けて延びている。縦スリット部21は、第2横方向B2から見た正面視において、厚さ方向Hに対して傾斜する方向に延びている。一対の縦スリット部21は、厚さ方向Hの着座面11側に向かうに従い漸次、第2横方向B2に離反している。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態のシート用パッド40を、図5および図6を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0042】
本実施形態に係るシート用パッド40では、横スリット部15は、第1横方向B1の外側に位置する急傾斜部15aと第1横方向B1の内側に位置する緩傾斜部15bとが、第1横方向B1に接続されてなる。横スリット部15は、着座面11に開口している。
【0043】
次に、本実施形態に係るシート用パッド40を形成する金型50(シート用パッドの製造装置)について、図7および図8を参照して説明する。
【0044】
図7に示すように、金型50は、複数の成形型51の間に、複数の成形型51それぞれのキャビティ面52によって画成されるキャビティ53を備えている。キャビティ53は、シート用パッド40と同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。本実施形態では、複数の成形型51として、上型54および下型55を備えている。下型55のキャビティ面52には、シート用パッド40の着座面11を形成する着座面形成部56(載置面形成部)が設けられている。複数の成形型51は、着座面形成部56に直交し鉛直方向に沿う厚さ方向H(複数の成形型の開閉方向)に開閉する。
【0045】
キャビティ53内には、横スリット部15および縦スリット部21を形成する中子57が備えられている。中子57は、キャビティ面52に着脱可能に装着される。中子57は、下型55のキャビティ面52、図示の例では、着座面形成部56に装着されている。中子57は、着座面形成部56に沿う第1横方向B1に間隔をあけて一対配置されている。一対の中子57は、互いに同等の形状で同等の大きさに形成され、第1幅方向Bに対称に配置されている。中子57は、横スリット部15を形成する横スリット形成部58と、縦スリット部21を形成する縦スリット形成部59と、を備えている。
【0046】
横スリット形成部58は、第1横方向B1に沿って、キャビティ53の外側か内側に向けて延びている。横スリット形成部58は、キャビティ面52からキャビティ53内に突出していて、図示の例では、キャビティ面52のうち、着座面形成部56からキャビティ53内に突出している。横スリット形成部58は、第1横方向B1に沿って外側から内側に向かうに従い漸次、厚さ方向Hに沿って着座面形成部56から離間している。横スリット形成部58は、表裏面が厚さ方向Hを向く板状に形成されている。
【0047】
図8に示すように、縦スリット形成部59は、横スリット形成部58において、着座面形成部56に沿い第1横方向B1に直交する第2横方向B2の端部から、厚さ方向Hに沿う着座面形成部56側に向けて延びている。縦スリット形成部59は、横スリット形成部58における第2横方向B2の両端部に各別に設けられている。縦スリット形成部59は、横スリット形成部58における第1横方向B1の全長にわたって形成されている。縦スリット形成部59は、横スリット形成部58から着座面形成部56に至るまで延びている。
【0048】
前記金型50を用いたシート用パッドの製造方法では、キャビティ53内で発泡原料を発泡させてシート用パッド40を成形した後、複数の成形型51を型開きして、シート用パッド40から成形型51および中子57を脱型させることで、シート用パッド40を形成する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る金型50によれば、横スリット形成部58により横スリット部15を形成するとともに、縦スリット形成部59により縦スリット部21を形成することが可能になり、前述したシート用パッド40のように、座り心地性を向上させることができるシート用パッド40を確実に成形することができる。
【0050】
また横スリット形成部58が、キャビティ面52からキャビティ53内に突出し、縦スリット形成部59が、横スリット形成部58から着座面形成部56に至るまで延びている。したがって、横スリット形成部58および縦スリット形成部59の両方を、キャビティ53内で形成されたシート用パッド40の表面から露出させることが可能になり、シート用パッド40を中子57から容易に脱型させることができる。
さらに中子57が、キャビティ面52に着脱可能に装着されるので、シート用パッド40を中子57から一層容易に脱型させることができる。
【0051】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態のシート用パッド70を、図9から図11を参照して説明する。
なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0052】
図9に示すように、本実施形態に係るシート用パッド70では、横スリット部15は、第2横方向B2に沿って外側から内側に向かうに従い漸次、第1横方向B1に長くなっている。横スリット部15における第1横方向B1の内側の端部は、シート用パッド70の平面視において、第1横方向B1の内側に向けて凸となるように湾曲している。
【0053】
図11に示すように、横スリット部15の少なくとも一部は、第1横方向B1に沿って、当該シート用パッド10の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに小さくなっている。図示の例では、横スリット部15は、第1横方向B1の全長にわたって、当該シート用パッド10の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに小さくなっている。横スリット部15は、シート用パッド10を第2横方向B2から見る断面視において、第1横方向B1の内側に向けて凸となる三角形状に形成されている。
【0054】
横スリット部15は、厚さ方向Hに向けて凸となるように湾曲している。図示の例では、横スリット部15は、厚さ方向Hに沿う反着座面側に向けて凸となるように湾曲している。横スリット部15における第1横方向B1の内側の端部は、横スリット部15における第1横方向B1の外側の端部よりも、厚さ方向Hに沿う反着座面側に位置している。横スリット部15は、着座する乗員の外形に沿って湾曲している。
【0055】
図10に示すように、横スリット部15を画成する内面のうち、厚さ方向Hに沿う着座面11側に位置する第1内面16、および厚さ方向Hに沿う反着座面側に位置する第2内面17にはそれぞれ、第2横方向B2に連なる凹凸部18が形成されている。凹凸部18を構成する凹部18aおよび凸部18bは、第1横方向B1に沿って延びている。凹部18aおよび凸部18bは、第1横方向B1から見た正面視において、三角形状に形成されている。
【0056】
第1内面16に形成された凹凸部18である第1凹凸部19、および第2内面17に形成された凹凸部18である第2凹凸部20では、第1横方向B1から見た正面視において、それぞれの表面がなす波形状が互いに同等の形状となっている。第1凹凸部19および第2凹凸部20それぞれの表面がなす波形状では、第2横方向B2に沿う周期および厚さ方向Hに沿う振幅が、互いに同等となっている。第1凹凸部19および第2凹凸部20では、互いの凹部18aと凸部18bとが厚さ方向Hに対向している。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッド70によれば、横スリット部15の少なくとも一部が、第1横方向B1に沿って、当該シート用パッド70の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに小さくなっている。したがって、着座面11のうち、乗員が着座したときに荷重がかかり難いシート用パッド70の外側に位置する部分に、横スリット部15のうち、厚さ方向Hに比較的大きい部分を位置させることができる。これにより、シート用パッド70を着座面11の広い範囲にわたって偏り少なく撓ませることが可能になり、座り心地性を一層向上させることができる。
【0058】
また横スリット部15が、第1横方向B1の全長にわたって、当該シート用パッド70の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに小さくなっているので、シート用パッド70の変形の程度を、第1横方向B1に沿って徐々に変化させることが可能になり、シート用パッド70が撓むときに違和感が生じるのを効果的に抑えることができる。
【0059】
また横スリット部15が、厚さ方向Hに向けて凸となるように湾曲しているので、横スリット部15を、着座面11に着座する乗員の外形に沿わせ易くすることができる。これにより、シート用パッド70を乗員の外形に沿って撓ませることが可能になり、フィット感を高めて座り心地性を向上させることができる。
なお本実施形態のように、横スリット部15が、厚さ方向Hに沿う反着座面側に向けて凸となるように湾曲している場合、シート用パッド70を乗員の外形に沿って効果的に撓ませることが可能になり、フィット感をより高めて座り心地性を向上させることができる。
【0060】
また第1凹凸部19および第2凹凸部20で、互いの凹部18aと凸部18bとが厚さ方向Hに対向しているので、着座面11に乗員が着座して横スリット部15が厚さ方向Hに狭められたときに、第1凹凸部19と第2凹凸部20とを嵌合させ合うことができる。これにより、シート用パッド70のうち、横スリット部15を厚さ方向Hに挟んで両側に位置する各部分が、乗員の着座時に第2横方向B2に相対的に変位するのを抑えることが可能になり、座り心地性をより一層向上させることができる。
【0061】
また横スリット部15が、第2横方向B2に沿って外側から内側に向かうに従い漸次、第1横方向B1に長くなっている。したがって、着座面11において、横スリット部15についての第2横方向B2の中央部が位置する部分を、横スリット部15についての第2横方向B2の両端部が位置する各部分に比べて積極的に変形させることができる。これにより、乗員を着座面11上で第2横方向B2の外側から包み込むように、シート用パッド70を変形させることが可能になり、座り心地性をより一層向上させることができる。
【0062】
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態のシート用パッド80を、図12を参照して説明する。
なお、この第5実施形態においては、第4実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0063】
本実施形態に係るシート用パッド80では、横スリット部15の少なくとも一部は、第1横方向B1に沿って、当該シート用パッド80の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに大きくなっている。図示の例では、横スリット部15は、第1横方向B1の全長にわたって、当該シート用パッド80の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに大きくなっている。横スリット部15は、シート用パッド80を第2横方向B2から見る断面視において、第1横方向B1の外側に向けて凸となる三角形状に形成されている。
【0064】
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッド80によれば、横スリット部15の少なくとも一部が、第1横方向B1に沿って、当該シート用パッド80の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに大きくなっている。したがって、着座面11のうち、乗員が着座したときに荷重がかかり易いシート用パッド80の内側に位置する部分を、外側に位置する部分に比べて積極的に変形させることができる。これにより、例えば、シート用パッド80の厚さ方向Hの大きさを調整する等しなくても、乗員を着座面11上で第1横方向B1の外側から包み込むように、シート用パッド80を変形させることが可能になり、座り心地性を一層向上させることができる。
【0065】
また横スリット部15が、第1横方向B1の全長にわたって、当該シート用パッド80の外側から内側に向けて漸次、厚さ方向Hに大きくなっているので、シート用パッド80の変形の程度を、第1横方向B1に沿って徐々に変化させることが可能になり、シート用パッド80が撓むときに違和感が生じるのを効果的に抑えることができる。
【0066】
(第6実施形態)
次に、本発明に係る第6実施形態のシート用パッド90を、図13を参照して説明する。
なお、この第6実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0067】
本実施形態に係るシート用パッド90は、異種材料により一体に形成されていて、図示の例では、互いに硬度の異なる層91、92が厚さ方向Hに積層されてなる。
【0068】
シート用パッド90は、取付け面12側のベース層91と、着座面11側のクッション層92と、を備えている。ベース層91とクッション層92とは、横スリット部15により厚さ方向Hに区画されていて、シート用パッド90のうち、横スリット部15よりも取付け面12側に位置する部分がベース層91とされ、横スリット部15よりも着座面11側に位置する部分がクッション層92とされている。
そして本実施形態では、着座面11が、クッション層92により形成されていて、クッション層92の硬度が、ベース層91の硬度よりも低くなっている。
【0069】
なお図示の例では、ベース層91は、シート用パッド90のうち、第1横方向B1の両側に限定して配置されていて、第1横方向B1の中央部は、クッション層92により構成されている。すなわち、クッション層92は、シート用パッド10を第2横方向B2から見る断面視において、取付け面12側に突出するT字状に形成されていて、クッション層92のうち、取付け面12側に突出する部分に、ベース層91が、第1横方向B1の両側から各別に連結されている。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッド90によれば、ベース層91とクッション層92とが、横スリット部15により厚さ方向Hに区画されているので、着座面11に乗員が着座してクッション層92が変形するときに、クッション層92に追従してベース層91が変形するのを抑えることができる。これにより、各層91、92の特性を発揮させ易くすることができる。
【0071】
またこのように、乗員の着座時に、クッション層92に追従してベース層91が変形するのを抑えることができる上、本実施形態では、横スリット部15が、シート用パッド10において、第1横方向B1の両側に位置する部分に各別に設けられている。したがって、乗員の着座時に、着座面11のうち、負荷がかかり易い第1横方向B1の中央部において、つっぱり感(違和感)が生じるのを抑えることができる。これにより、各層91、92の特性をより発揮させ易くすることができる。
【0072】
以上のように、本実施形態のシート用パッド90によれば、各層91、92の特性をより発揮させ易くすることができるところ、本実施形態では、クッション層92の硬度が、ベース層91の硬度よりも低くなっている。したがって、クッション層92によって、乗員に対するフィット感を確保しつつ、ベース層91によって、乗員に対するホールド感を確保することが可能になり、座り心地性を効果的に向上させることができる。
【0073】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0074】
例えば、前記実施形態では、シート用パッド10、30、40、70、80は、同一材料により一体に形成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、シート用パッド10、30、40、70、80を異種材料により一体に形成することも可能である。
【0075】
前記実施形態では、横スリット部15は、シート用パッド10、30、40、70、80、90において、第1横方向B1の両側に位置する部分に各別に設けられているが、本発明はこれに限られない。横スリット部15が、第1横方向B1の片側にのみ設けられていてもよい。横スリット部15が、1つまたは複数設けられた他の形態に適宜変更することが可能である。
前記実施形態では、横スリット部15は、第1側面13に開口しているものとしがが、第1側面13に開口していなくてもよい。
【0076】
前記実施形態では、凹凸部18が第2横方向B2に連なっているが、本発明はこれに限られない。例えば凹凸部18が第1横方向B1に連なっていてもよい。横スリット部15の第1内面16および第2内面17にそれぞれ、着座面11に沿う規制方向に連なる凹凸部18が形成された他の形態に適宜変更することが可能である。
【0077】
シート用パッド10、30、40、70、80、90として、室内用の椅子や寝具などのクッション材などの様々な用途のものを対象とすることが可能である。さらに、人が着座することに限らず、荷物等を載置する載置面を有するシート用パッド10、30、40、70、80、90であってもよい。
【0078】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10、30、40、70、80、90 シート用パッド
11 着座面(載置面)
15 横スリット部
16 第1内面
17 第2内面
18 凹凸部
18a 凹部
18b 凸部
19 第1凹凸部
20 第2凹凸部
21 縦スリット部
50 金型(シート用パッドの製造装置)
51 成形型
52 キャビティ面
53 キャビティ
56 着座面形成部(載置面形成部)
57 中子
58 横スリット形成部
59 縦スリット形成部
B1 第1横方向
B2 第2横方向
H 厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13