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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222097(P2016-222097A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】電動駐車制動装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/172 20060101AFI20161205BHJP
   F16D 66/02 20060101ALI20161205BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B60T8/172 Z
   F16D66/02 A
   B60T13/74 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-109731(P2015-109731)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岩道 智樹
(72)【発明者】
【氏名】按田 寛
【テーマコード(参考)】
3D048
3D246
3J058
【Fターム(参考)】
3D048BB43
3D048BB52
3D048CC08
3D048CC41
3D048CC57
3D048NN02
3D048PP05
3D048QQ11
3D048RR01
3D048RR21
3D048RR29
3D048RR35
3D246BA02
3D246BA08
3D246DA02
3D246EA09
3D246GA02
3D246GA14
3D246GC09
3D246GC11
3D246HA02A
3D246HA08A
3D246HA23A
3D246HA25A
3D246HA38A
3D246HA48A
3D246HA65A
3D246HC05
3D246JB06
3D246JB43
3D246KA09
3D246LA09B
3D246LA15B
3J058AA41
3J058BA60
3J058BA63
3J058CC03
3J058CC15
3J058CC19
3J058CC35
3J058CC62
3J058DB02
3J058FA01
(57)【要約】
【課題】モータの出力軸の回転位相を検出しない構成であっても、摩擦材の残量を精度良く推定することができる電動駐車制動装置を提供する。
【解決手段】電動駐車制動装置10では、モータ31の駆動によってナット部材33が前進方向に移動すると、摩擦材15がブレーキディスク11に押し付けられる。一方、ナット部材33が後退方向に移動すると、摩擦材15がブレーキディスク11から離れる方向に移動する。そして、ナット部材33の更なる後退方向への移動が規制されているときのナット部材33の位置を第1の位置とし、摩擦材15の残量が少ないほど前進方向側に位置する位置を第2の位置とした場合、電動駐車制動装置10では、第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までのナット部材33の移動に要する時間が長いほど、摩擦材15の残量を推定する残量推定処理が実施される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪と一体回転する回転体と、摩擦材と、モータと、同モータに駆動連結され、同モータの正駆動時には前進方向に移動し、同モータの逆駆動時には前進方向とは反対方向である後退方向に移動するナット部材と、前記モータを制御する制御装置と、を備え、
前記ナット部材の前進方向への移動によって前記摩擦材が前記回転体に押し付けられることで前記車輪に制動力が付与され、
前記ナット部材の後退方向への移動によって前記摩擦材を前記回転体から離すことで前記車輪への制動力の付与を解消させる電動駐車制動装置において、
前記摩擦材が前記回転体から離れており、後退方向に移動して第1の位置に達した前記ナット部材の後退方向への更なる移動を規制する規制部を備え、
前記第1の位置よりも前進方向側の位置であって且つ前記摩擦材の残量が少ないほど前進方向側に変位する位置を第2の位置とした場合、
前記制御装置は、前記モータの駆動によって、前記第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までの前記ナット部材の移動に要する時間が長いほど、前記摩擦材の残量の推定値を小さくする残量推定処理を実施する
ことを特徴とする電動駐車制動装置。
【請求項2】
前記モータの駆動時では、同モータに加わる負荷が大きいほど同モータに対する電流値が大きくなるようになっており、
前記モータの駆動時において前記摩擦材が前記回転体に接触していないときの同モータに対する電流値よりも大きい値として、判定電流値が設定されており、
前記モータの駆動時において同モータに対する電流値が前記判定電流値に達したときの前記ナット部材の位置が、前記第2の位置である
請求項1に記載の電動駐車制動装置。
【請求項3】
前進方向及び後退方向に移動するピストンを備え、
前記ピストンは、
前進方向に移動する前記ナット部材に押されることで前進方向に移動し、前記摩擦材を前記回転体に押し付ける一方、
前記ナット部材が後退方向に移動し同ナット部材によって押されなくなると、後退方向に移動するようになっており、
非制動時には、前記回転体と前記摩擦材との間隔が第1の規定間隔で保持され、前記ピストンと前記ナット部材との間隔が第2の規定間隔で保持されており、
前記第2の位置は、非制動時における前記ナット部材の位置である
請求項1に記載の電動駐車制動装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記モータに対する電流値に基づいて同モータの回転速度を演算するようになっており、
前記制御装置は、前記残量推定処理では、前記第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までの前記ナット部材の移動に要する時間と、前記モータの回転速度の演算値とに基づき、前記摩擦材の残量の推定値を演算する
請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の電動駐車制動装置。
【請求項5】
前記ナット部材を内部に収容するハウジングを備え、
前記ハウジングにおいて前記ナット部材よりも後退方向側に位置する壁部には、前進方向に突出する第1の突出部が設けられ、
前記ナット部材において前記壁部に対向する部位には、後退方向に突出する第2の突出部が設けられており、
前記第1の突出部に前記第2の突出部が接触しているときの前記ナット部材の位置が前記第1の位置であり、
前記第1の突出部及び前記第2の突出部により、前記規制部が構成されている
請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の電動駐車制動装置。
【請求項6】
前記ナット部材を内部に収容するハウジングと、
前進方向及び後退方向に移動するピストンと、を備え、
前記ピストンは、
前進方向に移動する前記ナット部材に押されることで前進方向に移動し、前記摩擦材を前記回転体に押し付ける一方、
前記ナット部材が後退方向に移動し同ナット部材によって押されなくなると、後退方向に移動するようになっており、
前記ナット部材は、前記ハウジングと前記ピストンとによって形成されているシリンダ室内に設けられ、
前記ピストンは、前記シリンダ室内にブレーキ液が供給され、同シリンダ室内の液圧が増大されているときでも前進方向に移動するようになっており、
前記制御装置は、前記シリンダ室内の液圧の増大によって前記ピストンが前進方向に移動し、前記摩擦材が前記回転体に押し付けられているときには、前記残量推定処理を実施しない
請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の電動駐車制動装置。
【請求項7】
前記制御装置は、車両が停止していることを条件に、前記残量推定処理を実施する
請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の電動駐車制動装置。
【請求項8】
前記制御装置は、車両に設けられているシフト装置によって選択されているレンジが駐車用のレンジであることを条件に、前記残量推定処理を実施する
請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の電動駐車制動装置。
【請求項9】
車両に設けられている複数の車輪のうち、少なくとも2つの車輪の各々に対し、前記モータ及び前記ナット部材を有するユニットが設けられており、
前記制御装置は、前記少なくとも2つの車輪のうち、1つの車輪に対して前記残量推定処理を実施しているときには、他の車輪に対して前記残量推定処理を実施しない
請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の電動駐車制動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられている電動駐車制動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載される電動駐車制動装置は、車輪と一体回転する回転体としてのブレーキディスクと、摩擦材を有するブレーキパッドと、ブレーキパッドを押すピストンとを備えている。こうした電動駐車制動装置では、モータの回転運動が直線運動に変換されてピストンに伝達されると、ピストンが進退移動する。すなわち、ピストンが前進方向に移動すると、ピストンに押されるブレーキパッドがブレーキディスクに押し付けられ、車輪に制動力が付与される。また、前進方向の反対方向である後退方向にピストンが移動すると、ピストンによるブレーキパッドの押しが解消され、ブレーキパッドがブレーキディスクから離れる。これにより、車輪への制動力の付与が解除される。
【0003】
また、こうした電動駐車制動装置は、非制動時におけるブレーキディスクとブレーキパッドとの間隔を規定間隔で保持する機能を有している。そのため、ブレーキパッドの継続使用によって同ブレーキパッドの摩擦材が摩耗しても、車両制動時における制動開始タイミングのばらつきを抑えることができる。
【0004】
なお、特許文献1には、ブレーキパッドの摩擦材の摩耗量の推定方法の一例が記載されている。すなわち、非制動時におけるピストンの位置を待機位置とした場合、摩擦材の摩耗量が多くなるにつれて待機位置は前進方向側に変位する。そのため、車両制動直前での待機位置と、車両制動終了後での待機位置との差分は、今回の車両制動に伴う摩擦材の摩耗量と相関している。そして、こうした差分を積算することにより、摩擦材の摩耗量を推定演算するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−280385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、非制動時におけるピストンの位置(すなわち、上記の待機位置)は、モータの出力軸の回転位相に基づいて演算することができる。このようにモータの出力軸の回転位相を検出できる場合にあっては、車両制動直前での回転位相と車両制動終了後での回転位相との差分を積算することにより、ブレーキパッドの摩擦材の摩耗量を推定演算することができる。しかしながら、こうした推定方法を採用するためには、モータの出力軸の回転位相を検出するセンサが必須となり、当該センサを備えない電動駐車制動装置では採用することができない。
【0007】
しかも、上記の推定方法は、上記の差分を積算することでブレーキパッドの摩擦材の摩耗量を推定演算するようにしているため、当該差分の演算精度が低いと、摩擦材の摩耗量の推定誤差が大きくなってしまう。すなわち、摩擦材の摩耗量の推定誤差を小さくするためには、ピストンの位置やモータの出力軸の回転位相を高精度に検出する必要がある。
【0008】
本発明の目的は、モータの出力軸の回転位相を検出しない構成であっても、摩擦材の残量を精度良く推定することができる電動駐車制動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための電動駐車制動装置は、車輪と一体回転する回転体と、摩擦材と、モータと、同モータに駆動連結され、同モータの正駆動時には前進方向に移動し、同モータの逆駆動時には前進方向とは反対方向である後退方向に移動するナット部材と、モータを制御する制御装置と、を備え、ナット部材の前進方向への移動によって摩擦材が回転体に押し付けられることで車輪に制動力が付与され、ナット部材の後退方向への移動によって摩擦材を回転体から離すことで車輪への制動力の付与を解消させることを前提としている。この電動駐車制動装置は、摩擦材が回転体から離れており、後退方向に移動して第1の位置に達したナット部材の後退方向への更なる移動を規制する規制部を備えている。第1の位置よりも前進方向側の位置であって且つ摩擦材の残量が少ないほど前進方向側に変位する位置を第2の位置とした場合、制御装置は、モータの駆動によって、第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までのナット部材の移動に要する時間が長いほど、摩擦材の残量の推定値を小さくする残量推定処理を実施する。
【0010】
上記構成では、摩擦材が摩耗し、同摩擦材の残量が少なくなるほど、第2の位置は前進方向に位置するようになり、第1の位置と第2の位置との間隔が広くなる。そのため、残量推定処理の実施によってモータを駆動させた場合、第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までのナット部材の移動に要する時間は、摩擦材の残量が少ないほど長くなる。そして、こうした時間に基づいて摩擦材の残量の推定値が演算されるため、摩擦材の残量の推定値は、実際の残量が少ないほど小さい値となる。したがって、モータの出力軸の回転位相を検出しない構成であっても、摩擦材の残量を精度良く推定することができるようになる。
【0011】
なお、電動駐車制動装置に採用されるモータとして、駆動時では、同モータに加わる負荷が大きいほど同モータに対する電流値が大きくなるモータを採用することができる。そして、モータの駆動時において摩擦材が回転体に接触していないときの同モータに対する電流値よりも大きい値として判定電流値が設定されている場合、モータの駆動時において同モータに対する電流値が判定電流値に達したときのナット部材の位置を、第2の位置とすることができる。
【0012】
このように摩擦材の回転体への接触によってモータに加わる負荷が大きくなり、同モータに対する電流値が判定電流値に達した時点のナット部材の位置を第2の位置とすることにより、第2の位置を、摩擦材の残量に応じた位置に設定することができる。そのため、第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までのナット部材の移動に要する時間を用いることにより、同摩擦材の残量を精度良く推定することができる。
【0013】
また、電動駐車制動装置は、前進方向及び後退方向に移動するピストンを備えるようにしてもよい。この場合、ピストンは、前進方向に移動するナット部材に押されることで前進方向に移動し、摩擦材を回転体に押し付ける一方、ナット部材が後退方向に移動し同ナット部材によって押されなくなると、後退方向に移動することとなる。そして、こうした電動駐車制動装置にあっては、非制動時には、回転体と摩擦材との間隔が第1の規定間隔で保持され、ピストンとナット部材との間隔が第2の規定間隔で保持される装置もある。この場合、非制動時におけるナット部材の位置は、摩擦材の残量が少ないほど前進方向側に変位するようになる。
【0014】
このように非制動時におけるピストンの位置を基準とするナット部材の相対位置が固定されている電動駐車制動装置では、第2の位置を、非制動時におけるナット部材の位置としてもよい。このように設定した第2の位置は、摩擦材の残量が少ないほど前進方向に位置するようになる。そのため、第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までのナット部材の移動に要する時間を用いることにより、同摩擦材の残量を精度良く推定することができる。
【0015】
ところで、制御装置は、モータに対する電流値に基づいて同モータの回転速度を演算するようになっていることがある。この場合、制御装置は、残量推定処理では、第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までのナット部材の移動に要する時間と、モータの回転速度の演算値とに基づき、摩擦材の残量の推定値を演算することができる。
【0016】
なお、上記電動駐車制動装置は、ナット部材を内部に収容するハウジングを備えている。そして、同ハウジングにおいてナット部材よりも後退方向側に位置する壁部に、前進方向に突出する第1の突出部を設け、ナット部材において上記壁部に対向する部位には、後退方向に突出する第2の突出部を設けてもよい。この場合、第1の突出部に第2の突出部が接触しているときのナット部材の位置を第1の位置とすることができるため、第1の突出部及び第2の突出部により、規制部を構成することが好ましい。
【0017】
ハウジングの上記壁部に第1の突出部を設けないとともに、ナット部材に第2の突出部を設けない場合、ナット部材が上記壁部に密接しているときの同ナット部材の位置が第1の位置となる。こうした第1の位置にナット部材が位置している状況下でのモータが正駆動された場合、ナット部材と上記壁部との間で発生する摩擦力が大きいため、ナット部材の前進方向への移動に要するモータの電力消費量が多くなるおそれがある。
【0018】
この点、上記構成では、ハウジングの上記壁部の第1の突出部とナット部材の第2の突出部とによって規制部を構成している。そのため、第1の突出部及び第2の突出部により、ナット部材と上記壁部との密接が回避される。その結果、第1の位置にナット部材が位置している状況下でモータの正駆動が開始された場合であってもモータに加わる負荷が大きくならない分、モータの電力消費量を低減させることができるようになる。
【0019】
上記電動駐車制動装置は、ナット部材を内部に収容するハウジングと、前進方向及び後退方向に移動するピストンと、を備える構成であってもよい。そして、こうした電動駐車制動装置にあっては、ハウジングとピストンとによって形成されているシリンダ室内にナット部材が設けられることとなる。この場合、ピストンは、シリンダ室内にブレーキ液が供給され、同シリンダ室内の液圧が増大されているときでも前進方向に移動することとなる。すなわち、車両の運転者によるブレーキ操作などによってシリンダ室内の液圧が増大されるサービスブレーキ時でも、ピストンを前進方向に移動させることで摩擦材を回転体に押し付け、車輪に制動力を付与することができる。
【0020】
このようにシリンダ室内に液圧が発生している状況下では、ナット部材を前進方向や後退方向に移動させる際にモータに加わる負荷が、シリンダ室内の液圧に応じて変化するおそれがある。このようにモータに加わる負荷がばらつくときに残量推定処理を実施した際、ナット部材の移動速度やモータに対する電流値にばらつきが生じるなどして摩擦材の残量の推定精度が低くなるおそれがある。
【0021】
そこで、上記電動駐車制動装置において、制御装置は、シリンダ室内の液圧の増大によってピストンが前進方向に移動し、摩擦材が回転体に押し付けられているときには、残量推定処理を実施しないことが好ましい。この構成によれば、シリンダ室内に液圧が発生している状況下では、残量推定処理が実施されない。したがって、残量推定処理による摩擦材の残量の推定精度の低下を抑えることができるようになる。
【0022】
ところで、残量推定処理の実施中にあっては摩擦材が回転体に接触することがあり、摩擦材が回転体に接触すると車輪に制動力が付与されることとなる。そのため、車輪が回転している状況下で残量推定処理を実施した場合、同処理の実施に起因して摩擦材が回転体に接触すると、車輪に制動力が付与されてしまうため、車両の運転者が不快に感じるおそれがある。
【0023】
そこで、上記電動駐車制動装置において、制御装置は、車両が停止していることを条件に、残量推定処理を実施することが好ましい。この構成によれば、車輪が回転しているときには残量推定処理が実施されなくなる。そのため、残量推定処理の実施によって運転者が不快に感じる事象の発生を抑制することができる。
【0024】
また、車両に設けられている変速機のレンジが駐車用のレンジであるときには、車両が停止している状態がある程度継続すると予測することができる。そのため、制御装置は、車両に設けられているシフト装置によって選択されているレンジが駐車用のレンジであることを条件に、残量推定処理を実施することが好ましい。この構成によれば、残量推定処理の実施中に車両が発進する事象の発生を抑制することができるようになる。
【0025】
なお、残量推定処理の実施中にあっては、車両の停止を維持できるような制動力を車輪に付与することはできない。
また、一般的に、車両に設けられている複数の車輪のうち、少なくとも2つの車輪の各々に対し、モータ及びナット部材を有するユニットが設けられている。
【0026】
そこで、上記電動駐車制動装置において、制御装置は、上記少なくとも2つの車輪のうち、1つの車輪に対して残量推定処理を実施しているときには、他の車輪に対して残量推定処理を実施しないことが好ましい。この構成によれば、1つの車輪に対して残量推定処理が実施されている状況下では、他の車輪に対して駐車制動力を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1の実施形態の電動駐車制動装置の概略を示す構成図。
図2】同電動駐車制動装置が待機状態であるときの電動駐車制動装置の一部を示す断面図。
図3】同電動駐車制動装置において、(a)はナット部材が第1の位置に位置する様子を示す断面図、(b)は規制部を構成する第1の突出部と第2の突出部とが互いに接触している様子を模式的に示す断面図。
図4】同電動駐車制動装置において、車輪に駐車制動力を付与する際でのモータに対する電流値の推移を示すタイミングチャート。
図5】同電動駐車制動装置において、車輪に駐車制動力を付与する状態から待機状態に移行する際でのモータに対する電流値の推移を示すタイミングチャート。
図6】同電動駐車制動装置において、ナット部材を第1の位置まで移動させる際でのモータに対する電流値の推移を示すタイミングチャート。
図7】同電動駐車制動装置において、残量推定処理が実施されている際でのモータに対する電流値の推移を示すタイミングチャート。
図8】同電動駐車制動装置において、残量推定処理を実施するために制御装置が実行する処理ルーチンを示すフローチャート。
図9】同電動駐車制動装置において、残量推定処理ルーチンを説明するフローチャート。
図10】第2の実施形態の電動駐車制動装置において、残量推定処理ルーチンを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
以下、電動駐車制動装置を具体化した第1の実施形態を図1図9に従って説明する。
図1に示すように、電動駐車制動装置10は、車輪100と一体に回転する回転体の一例であるブレーキディスク11と、ブレーキディスク11の車両幅方向の両側に配置される一対のブレーキパッド12,13とを備えている。ブレーキパッド12,13は、裏板14と、裏板14に固定される摩擦材15とを有している。そして、ブレーキパッド12,13がブレーキディスク11に接近し、摩擦材15がブレーキディスク11に押し付けられているときには、摩擦材15をブレーキディスク11に押し付ける力に相当する制動力が、車輪100に付与される。
【0029】
また、電動駐車制動装置10には、ブレーキディスク11に近づく方向及び離れる方向に移動可能な状態で両ブレーキパッド12,13を支持するキャリパ16が設けられている。両ブレーキパッド12,13のうち、ブレーキパッド12はブレーキディスク11よりも車両幅方向内側に位置しており、キャリパ16には、同ブレーキパッド12よりも車両幅方向内側に位置するハウジングの一例であるシリンダ本体17が設けられている。このシリンダ本体17は、車両幅方向内側が閉塞され、車両幅方向外側が開口する有底略円筒形状をなしている。こうしたシリンダ本体17は、ピストン18を車両幅方向に摺動可能な状態で支持している。
【0030】
ピストン18は、車両幅方向外側が閉塞され、車両幅方向内側が開口する有底略筒状をなしている。そして、ピストン18がシリンダ本体17の開口を閉塞しており、ピストン18及びシリンダ本体17によってシリンダ室19が区画形成されている。こうしたピストン18が図中左側である車両幅方向外側に摺動すると、ピストン18に押されることで両ブレーキパッド12,13がブレーキディスク11に近づく。一方、ピストン18が図中右側である車両幅方向内側に摺動すると、ピストン18による両ブレーキパッド12,13の押圧が解消され、両ブレーキパッド12,13がブレーキディスク11から離れる。すなわち、本明細書では、車両幅方向外側となる図中左方が「前進方向」に相当し、車両幅方向内側となる図中右方が「後退方向」に相当する。
【0031】
なお、シリンダ本体17内のシリンダ室19には、外部からブレーキ液が供給されるようになっている。そして、シリンダ室19内の液圧が増大されているときにはピストン18が前進方向に摺動し、シリンダ室19内の液圧が減少されているときにはピストン18が後退方向に摺動する。すなわち、シリンダ室19内の液圧を調整することにより、車輪100に付与する制動力、すなわち常用制動力を制御することが可能である。ちなみに、シリンダ室19内の液圧は、ポンプを備えるブレーキアクチュエータの作動、及び、運転者によるブレーキペダルの操作量などによって調整することができる。
【0032】
また、電動駐車制動装置10には、出力軸311を正逆両方向に回転させることのできるモータ31と、モータ31の出力軸311の回転速度を減速して出力する減速機構32と、モータ31と駆動連結され、前進方向又は後退方向に移動するナット部材33とが設けられている。本明細書では、モータ31、減速機構32及びナット部材33を含むユニットを、「駐車用ユニット30」というものとする。
【0033】
ここで、本実施形態の電動駐車制動装置10を備える車両には、4つの車輪(すなわち、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪)が設けられている。そして、各車輪のうち、少なくとも2つの後輪の各々に対し、駐車用ユニット30が設けられている。
【0034】
減速機構32は、シリンダ本体17の外部に配置されている複数のギヤ321を有している。そして、モータ31の出力軸311が回転すると、各ギヤ321は、出力軸311の回転方向に準じた方向にそれぞれ回転する。また、シリンダ本体17の底壁171の中央には車両幅方向に貫通する貫通孔172が設けられており、減速機構32には、底壁171の貫通孔172内に挿通されているロッド部材322が設けられている。このロッド部材322はシリンダ本体17の底壁171に回転可能に支持されており、ロッド部材322においてシリンダ本体17内に位置する部位の周面には雄ねじ加工が施されている。
【0035】
ナット部材33は、シリンダ室19内、より具体的にはピストン18の内側に配置されている。このナット部材33の内周面には雌ねじ加工が施されており、ナット部材33はロッド部材322に螺合されている。そのため、モータ31の駆動によってロッド部材322が回転することで、ナット部材33が前進方向又は後退方向に移動する。すなわち、ロッド部材322及びナット部材33により、モータ31の回転運動を直線運動に変換してピストン18に伝達する変換機構が構成されている。
【0036】
なお、本明細書では、ナット部材33を前進方向に移動させる際のモータ31の駆動を正駆動といい、ナット部材33を後退方向に移動させる際のモータ31の駆動を逆駆動という。そして、モータ31の正駆動時における出力軸311の回転方向が「正方向」に相当し、モータ31の逆駆動時における出力軸311の回転方向が「逆方向」に相当する。
【0037】
本実施形態の電動駐車制動装置10にあっては、車室内に設けられている操作部51がオン操作されると、モータ31が正駆動し、ナット部材33が前進方向に移動する。すると、ピストン18の底壁181がナット部材33に押され、同ピストン18が前進方向に摺動する。これにより、両ブレーキパッド12,13がブレーキディスク11に近づき、両ブレーキパッド12,13の摩擦材15がブレーキディスク11に押し付けられる。その結果、摩擦材15をブレーキディスク11に押し付ける力に応じた制動力、すなわち駐車制動力が、車輪100に付与される。一方、車輪100に駐車制動力が付与されている状況下で操作部51がオフ操作されると、モータ31が逆駆動し、ナット部材33が後退方向に移動する。そして、ナット部材33によってピストン18の底壁181が押されなくなると、各部品の弾性復帰力などを利用し、ピストン18もまた後退方向に摺動される。これにより、両ブレーキパッド12,13がブレーキディスク11から離れ、車輪100に駐車制動力が付与されている状態が解消される。
【0038】
図2には、車輪100に駐車制動力を付与していない待機状態の電動駐車制動装置10の一部が図示されている。図2に示すように、ブレーキディスク11とブレーキパッド12,13との間隔HAは、第1の規定間隔H1で保持されている。また、ピストン18の底壁181とナット部材33との間隔HBは、第2の規定間隔H2で保持されている。こうした待機状態でのナット部材33の位置を「初期位置」というものとする。
【0039】
なお、ブレーキパッド12,13の摩擦材15は徐々に摩耗し、摩擦材15の車両幅方向における厚み、すなわち摩擦材15の残量は徐々に少なくなる。そして、このように摩擦材15の残量が少なくなるにつれて、電動駐車制動装置10が待機状態であるときのナット部材33の位置である初期位置が、前進方向側に変位することとなる。
【0040】
また、図3(a)に示すように、シリンダ本体17の底壁171には、前進方向に突出する第1の突出部41が設けられている。この底壁171は、シリンダ本体17においてナット部材33よりも後退方向側に位置する「壁部」に相当する。また、ナット部材33において底壁171に対向する端面(すなわち、図中右端面)には、後退方向に突出する第2の突出部42が設けられている。この第2の突出部42は、ロッド部材322を中心とする径方向において第1の突出部41と同一位置に配置されている。そのため、図3(b)に示すように、モータ31の逆駆動によってナット部材33が後退方向に移動しているとき、第1の突出部41に第2の突出部42が接触する。そして、こうした第1の突出部41と第2の突出部42との接触により、ナット部材33の後退方向への更なる移動が規制される。
【0041】
したがって、本実施形態の電動駐車制動装置10では、第1の突出部41及び第2の突出部42により、「規制部」の一例が構成される。そのため、第1の突出部41及び第2の突出部42により、ナット部材33の後退方向への更なる移動が規制されているときのナット部材33の位置が「第1の位置」に相当する。この第1の位置は、図2に示す初期位置よりも後退方向側に位置している。そのため、第1の位置にナット部材33が位置している場合、ブレーキパッド12,13の摩擦材15はブレーキディスク11から離れているとともに、ピストン18の底壁181とナット部材33との間隔HBは第2の規定間隔H2よりも広くなっている。しかも、この第1の位置は、ブレーキパッド12,13の摩擦材15の残量が少なくなっても前進方向側や後退方向側に変位しない。そして、こうした第1の位置にナット部材33が位置している場合、シリンダ本体17の底壁171とナット部材33との間には、僅かな隙間が介在している。
【0042】
図1に示すように、電動駐車制動装置10の制御装置200には、上記の操作部51に加え、ブレーキスイッチ211、車輪速度センサ212及びレンジ検出センサ213が電気的に接続されている。ブレーキスイッチ211は、ブレーキペダルが操作されているか否かを検出する。また、車輪速度センサ212は、車輪100毎に設けられており、対応する車輪100の回転速度である車輪速度を検出する。また、レンジ検出センサ213は、車両に設けられているシフト装置52によって選択されているレンジを検出する。そして、制御装置200は、これら各種の検出系によって検出される情報に基づき、各駐車用ユニット30を制御する。
【0043】
次に、モータ31を駆動させる際に同モータ31に流れる電流の値である電流値Imtの推移について説明する。
まず始めに、図4を参照し、初期位置にナット部材33が位置する状態からモータ31が正駆動することで、車輪100に駐車制動力を付与する際の電流値Imtの推移について説明する。
【0044】
図4に示すように、モータ31の正駆動が開始されると、モータ31に対する電流値Imtが大きくなる。モータ31の起動時にあっては、モータ31に対する電流値Imtが大きくなる。こうしたモータ31の起動後において摩擦材15がブレーキディスク11に接触していない期間では、電流値Imtはほぼ一定となる。そして、摩擦材15がブレーキディスク11に接触し始めると、モータ31に加わる負荷が徐々に大きくなるため、電流値Imtが大きくなる。
【0045】
なお、本実施形態の電動駐車制動装置10にあっては、摩擦材15がブレーキディスク11に接触していないときの電流値Imtよりも少し大きい値として、判定電流値ImtTH1が設定されている。そして、モータ31に加わる負荷の増大に応じて電流値Imtが大きくなっている最中の第1のタイミングt11で、電流値Imtが判定電流値ImtTH1に達する。このように電流値Imtが判定電流値ImtTH1に達した時点でのナット部材33の位置が、「第2の位置」に相当する。この第2の位置は、摩擦材15の残量が少なくなるにつれて前進方向側に変位する。ただし、初期位置と第2の位置との間隔はほとんど変わらない。
【0046】
その後もモータ31の正駆動が継続されると、摩擦材15をブレーキディスク11に押し付ける力が大きくなる分、モータ31に加わる負荷もまた大きくなるため、電流値Imtがさらに大きくなる。そして、第2のタイミングt12で電流値Imtが駐車制動判定値ImtTH2に達すると、車輪100に付与する駐車制動力が十分に大きいと判断され、モータ31の正駆動が停止され、駐車制動力が保持される。
【0047】
次に、図5を参照し、電動駐車制動装置10を、車輪100に駐車制動力を付与している状態から図2に示す待機状態に移行させる際の電流値Imtの推移について説明する。
図5に示すように、摩擦材15がブレーキディスク11に押し付けられている状況下でモータ31が逆駆動される。このとき、摩擦材15とブレーキディスク11との間、ナット部材33とピストン18の底壁181との間などで押し付け力が働いている。そのため、モータ31に加わる負荷が大きく、同モータ31に対する電流値Imtは大きい。しかし、モータ31の逆駆動によってナット部材33が後退方向に移動し始めると、摩擦材15をブレーキディスク11に押し付ける力が徐々に小さくなり、モータ31に加わる負荷が徐々に小さくなる。その結果、電流値Imtが徐々に小さくなる。
【0048】
そして、第1のタイミングt21で、摩擦材15とブレーキディスク11との接触が解消されると、モータ31に加わる負荷が定常状態になる。そのため、第1のタイミングt21以降では、電流値Imtが判定電流値ImtTH1よりも小さい値でほぼ一定となる。そして、第1のタイミングt21からの経過時間が所定の待機時間TMTH1に達すると(第2のタイミングt22)、モータ31の逆駆動が停止され、電動駐車制動装置10が図2に示す待機状態になる。
【0049】
ところで、ブレーキパッド12,13の摩擦材15は、ブレーキディスク11に押し付けられることで摩耗するため、摩擦材15の残量は徐々に少なくなる。そして、摩擦材15の残量が少なくなると、ブレーキパッド12,13の交換が必要となる。
【0050】
そこで、本実施形態の電動駐車制動装置10では、摩擦材15の残量の推定値Xを演算する残量推定処理を実施するようにしている。上述したように、図3に示す第1の位置は摩擦材15の残量などによらず変化しない位置であるのに対し、第2の位置は摩擦材15の残量が少なくなるにつれて前進方向側に変位する。すなわち、第1の位置と第2の位置との間隔は、摩擦材15の残量が少ないほど長くなる。そのため、残量推定処理では、第1の位置から前進方向にナット部材33を移動させ、第1の位置から第2の位置までのナット部材33の移動に要する時間が長いほど摩擦材の残量の推定値Xが小さい値にされる。
【0051】
次に、図6及び図7を参照し、本実施形態の電動駐車制動装置10の作用について説明する。
残量推定処理を実施する前準備として、モータ31を逆駆動させることでナット部材33を第1の位置まで移動させる。このとき、図6に示すように、ナット部材33の第2の突出部42が、シリンダ本体17の底壁171の第1の突出部41に接触するまでの間では、モータ31に対する電流値Imtが比較的小さい値で保持される。しかし、第2の突出部42が第1の突出部41に接触すると、ナット部材33の後退方向への移動が規制される。その結果、モータ31に加わる負荷が急激に大きくなり、電流値Imtが急激に大きくなる。そして、第1のタイミングt31で電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3に達すると、ナット部材33が第1の位置に達したと判断することができるため、モータ31の逆駆動が停止される。このようにナット部材33が第1の位置に位置する状態で残量推定処理が開始される。
【0052】
すなわち、図7に示すように、残量推定処理の実施によって、モータ31の正駆動が開始される(第1のタイミングt41)。ナット部材33が第1の位置に位置している場合、第1の突出部41と第2の突出部42とによってナット部材33とシリンダ本体17の底壁171とが密接しないようになっている。そのため、第1の位置にナット部材33が位置する状態からモータ31の正駆動を開始させる際に同モータ31に加わる負荷が大きくなりにくい。したがって、残量推定処理の実施時におけるモータ31での消費電力の増大を抑制することができる。そして、第1の位置からナット部材33が前進方向に移動している状況下で、摩擦材15がブレーキディスク11に未だ接触していないとき、モータ31に加わる負荷がほぼ一定であるため、モータ31に対する電流値Imtは、判定電流値ImtTH1よりも小さい値でほぼ一定となる。その後、摩擦材15がブレーキディスク11に接触し始めると、モータ31に加わる負荷が大きくなるため、電流値Imtが徐々に大きくなる。そして、電流値Imtが判定電流値ImtTH1に達する第2のタイミングt42で、ナット部材33が第2の位置に達したと判断することができる。すなわち、第1のタイミングt41から第2のタイミングt42までの時間TMが、第1の位置から第2の位置までのナット部材33の移動に要する時間となる。したがって、当該時間TMが長いほど、摩擦材15の残量の推定値Xが小さい値に演算される。つまり、モータ31の出力軸311の回転位相を検出しない構成であっても、摩擦材15の残量を精度良く推定することができる。
【0053】
ところで、残量推定処理の実施によって第1の位置から第2の位置に向けてナット部材33が移動しているときにおけるシリンダ室19内の液圧が高いほど、ナット部材33が移動しにくくなる。すなわち、シリンダ室19内の液圧に応じてモータ31に加わる負荷にばらつきが生じるおそれがある。このようにモータ31に加わる負荷がばらついていると、ナット部材33の移動速度やモータ31に対する電流値Imtの変動度合いにばらつきが生じ、残量推定処理による摩擦材15の残量推定の精度が低下するおそれがある。そこで、本実施形態の電動駐車制動装置10では、シリンダ室19内の液圧の増大によって摩擦材15がブレーキディスク11に接触しているとき、すなわち車輪100に常用制動力が付与されているときには、残量推定処理を実施しないようにしている。つまり、シリンダ室19内に液圧が発生しているときにはモータ31に加わる負荷がばらつくおそれがあるため、残量推定処理を実施しない。よって、摩擦材15の残量の推定精度の低下を抑制することができる。
【0054】
また、残量推定処理を実施しているときには、摩擦材15がブレーキディスク11に接触するため、車輪100に制動力が付与されることとなる。そのため、車輪100が回転している状況下、すなわち車両が停止していない状況下で残量推定処理を実施した場合、同処理の実施に起因する摩擦材15とブレーキディスク11との接触によって車輪100に制動力が付与されると、車両の運転者が不快に感じるおそれがある。そこで、本実施形態の電動駐車制動装置10では、車両が停止していることを条件、すなわち車輪100が回転していないことを条件に、残量推定処理を実施するようにしている。つまり、車両の走行中には残量推定処理を実施しないようにしているため、残量推定処理の実施によって車両の運転者が不快に感じる事象の発生を抑制することができる。
【0055】
また、車両が停止している状況下で残量推定処理が実施され、同処理が実施されている最中に車両が発進されると、車両発進時に車輪100に制動力が付与されることなるため、運転者が不快に感じるおそれがある。そのため、このように車両発進時に運転者が不快に感じる事象の発生を抑えるためには、車両の停止状態が継続されると予測されるときに限って残量推定処理を実施することが望ましい。そこで、本実施形態の電動駐車制動装置10では、シフト装置52で選択されている変速機のレンジが駐車用のレンジであるときには、車両の停止状態がある程度継続されると予測することができるため、駐車用のレンジが選択されていることを条件に残量推定処理を実施するようにしている。つまり、変速機のレンジが駐車用のレンジではないときには残量推定処理を実施しないようにしているため、残量推定処理の実施中に車両が発進する事象の発生を抑制することができる。なお、変速機が自動変速機である場合、駐車用のレンジとは、パーキングレンジ(すなわち、Pレンジ)のことである。
【0056】
また、残量推定処理を実施している車輪100には駐車制動力を付与することはできない。そのため、本実施形態の電動駐車制動装置10では、駐車用ユニット30が設けられている2つの後輪のうち、一方の後輪側で残量推定処理を実施しているときには、他方の後輪側では残量推定処理を実施しないようにしている。より具体的には、一方の後輪側で残量推定処理を実施し、その後に他方の後輪側で残量推定処理を実施するようにしている。そのため、一方の後輪側で残量推定処理を実施しているときであっても、他方の車輪には駐車制動力を必要に応じて付与することができる。
【0057】
次に、図8に示すフローチャートを参照し、残量推定処理を実施するために制御装置200が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、この処理ルーチンは、予め設定された制御サイクル毎に実行される処理ルーチンである。
【0058】
図8に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置200は、車両が停止しているか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、車輪速度センサ212によって検出される車輪100の車輪速度が停止判定速度以下であるときには、車輪100が回転しておらず、車両が停止していると判定することができる。そして、車両が停止していない場合(ステップS11:NO)、残量推定処理の実施条件が成立していないため、制御装置200は、本処理ルーチンを一旦終了する。
【0059】
一方、車両が停止している場合(ステップS11:YES)、制御装置200は、シフト装置52で選択されている変速機のレンジが駐車用のレンジであるか否かを判定する(ステップS12)。駐車用のレンジが選択されていない場合(ステップS12:NO)、残量推定処理の実施条件が成立していないため、制御装置200は、本処理ルーチンを一旦終了する。
【0060】
一方、駐車用のレンジが選択されている場合(ステップS12:YES)、制御装置200は、常用制動力が車輪100に付与されているか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、ブレーキスイッチ211によってブレーキペダルが操作されていないことを検出していること、及び、ブレーキアクチュエータが作動していないことの双方が成立しているときには、シリンダ室19内に液圧が発生しておらず、常用制動力が車輪100に付与されていないと判定することができる。
【0061】
そして、常用制動力が車輪100に付与されている場合(ステップS13:YES)、残量推定処理の実施条件が成立していないため、制御装置200は、本処理ルーチンを一旦終了する。一方、常用制動力が車輪100に付与されていない場合(ステップS13:NO)、制御装置200は、左後輪側での残量推定処理の実施が完了しているか否かを判定する(ステップS14)。制御装置200は、未だ完了していない場合(ステップS14:NO)、その処理を次のステップS15に移行する一方で、既に完了している場合(ステップS14:YES)、その処理を後述するステップS18に移行する。
【0062】
ステップS15において、制御装置200は、左後輪用の駐車用ユニット30のモータ31を逆駆動させることで、ナット部材33を第1の位置に移動させる。そして、ナット部材33が第1の位置に位置し、モータ31が停止されている状態で、制御装置200は、図9を用いて後述する残量推定処理を実行する(ステップS16)。この残量推定処理の終了後に、モータ31を逆駆動させることで、ナット部材33を図2に示す初期位置に戻す(ステップS17)。その後、制御装置200は、その処理を前述したステップS14に移行する。
【0063】
ステップS18において、制御装置200は、右後輪用の駐車用ユニット30のモータ31を逆駆動させることで、ナット部材33を第1の位置に移動させる。そして、ナット部材33が第1の位置に位置し、モータ31が停止されている状態で、制御装置200は、図9を用いて後述する残量推定処理を実行する(ステップS19)。この残量推定処理の終了後に、モータ31を逆駆動させることで、ナット部材33を図2に示す初期位置に戻す(ステップS20)。その後、制御装置200は、本処理ルーチンを一旦終了する。
【0064】
次に、図9に示すフローチャートを参照し、上記ステップS16,S19の残量推定処理(残量推定処理ルーチン)について説明する。
図9に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置200は、計測カウンタCNTに「0(零)」をセットし(ステップS31)、モータ31の正駆動を開始させる(ステップS32)。計測カウンタCNTは、ナット部材33の第1の位置から前進方向への移動の開始時点からの経過時間に相当する。そして、制御装置200は、計測カウンタCNTを「1」だけインクリメントし(ステップS33)、この計測カウンタCNTが規定カウンタ値CNTTH以上であるか否かを判定する(ステップS34)。モータ31の起動時にあっては、モータ31に対する電流値Imtにばらつきが発生するおそれがある。このようなモータ31の起動時における電流値Imtのばらつきによって、電流値Imtが判定電流値ImtTH1以上になった場合、ナット部材33が第2の位置に未だ達していないにも拘わらず、ナット部材33が第2の位置に達したと誤判定されるおそれがある。そこで、モータ31の起動時には電流値Imtが判定電流値ImtTH1以上になったか否かの判定が実行されないように、規定カウンタ値CNTTHが設定されている。
【0065】
そのため、計測カウンタCNTが規定カウンタ値CNTTH未満である場合(ステップS34:NO)、制御装置200は、その処理を前述したステップS33に移行する。一方、計測カウンタCNTが規定カウンタ値CNTTH以上である場合(ステップS34:YES)、制御装置200は、モータ31に対する電流値Imtが判定電流値ImtTH1以上であるか否かを判定する(ステップS35)。電流値Imtが判定電流値ImtTH1未満であるときには、ナット部材33が第2の位置に未だ達していないと判断することができる。
【0066】
そのため、電流値Imtが判定電流値ImtTH1未満である場合(ステップS35:NO)、制御装置200は、その処理を前述したステップS33に移行する。一方、電流値Imtが判定電流値ImtTH1以上である場合(ステップS35:YES)、制御装置200は、モータ31の駆動を停止させる(ステップS36)。そして、制御装置200は、モータ31の駆動を停止させた時点の計測カウンタCNTが大きいほど、摩擦材15の残量の推定値Xを小さい値にし(ステップS37)、本処理ルーチンを終了する。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、電動駐車制動装置10を具体化した第2の実施形態を図10に従って説明する。本実施形態の電動駐車制動装置10では、残量推定処理の内容などが第1の実施形態と相違している。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0068】
本実施形態の電動駐車制動装置10では、車輪100に駐車制動力を付与している状態を解除する際に、残量推定処理を実施するようにしている。すなわち、車両が停止していること、常用制動力が車輪100に付与されていないこと、及び、シフト装置52によって選択されている変速機のレンジが駐車用のレンジであることが全て成立している状況下で、操作部51がオフ操作されると、モータ31の逆駆動が開始される。このとき、モータ31に対する電流値Imtは、判定電流値ImtTH1よりも大きい状態から徐々に小さくなる。そして、電流値Imtが判定電流値ImtTH1と等しくなった時点、又は、電流値Imtが判定電流値ImtTH1よりも大きい状態から電流値Imtが判定電流値ImtTH1以下の状態に切り替わった時点で、ナット部材33が第2の位置に位置していると判定できるため、時間計測が開始される。すなわち、計測カウンタCNTの更新が開始される。
【0069】
その後、計測カウンタCNTの更新を行いつつ、モータ31が逆駆動される。そして、シリンダ本体17の第1の突出部41にナット部材33の第2の突出部42が接触すると、モータ31に加わる負荷が急激に大きくなり、モータ31に対する電流値Imtが大きくなる。そして、電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3に達すると、ナット部材33が第1の位置に達したと判定できるため、モータ31の逆駆動が停止される。このようにモータ31の逆駆動が停止された時点の計測カウンタCNTは、第2の位置から第1の位置までのナット部材33の移動に要する時間に相当する値となっている。そのため、計測カウンタCNTが大きいほど、ブレーキパッド12,13の摩擦材15の残量の推定値Xが小さい値にされる。こうして残量推定処理の実施が終了されると、モータ31の駆動によってナット部材33が初期位置に戻され、電動駐車制動装置10が待機状態となる。したがって、モータ31の出力軸311の回転位相を検出しない構成であっても、摩擦材15の残量を精度良く推定することができる。また、このように駐車制動力の付与を解除させる際に残量推定処理を実施することで、モータ31を駆動させる機会の増大を抑制することができる。
【0070】
なお、上述したように、駐車用ユニット30は左後輪側だけではなく右後輪側にも設けられている。そのため、本実施形態の電動駐車制動装置10であっても、左後輪側での残量推定処理の実施が完了した後に、右後輪側での残量推定処理が実施される。
【0071】
次に、図10に示すフローチャートを参照し、本制御装置200が実行する残量推定処理ルーチンについて説明する。
図10に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置200は、計測カウンタCNTに「0(零)」をセットし(ステップS41)、モータ31の逆駆動を開始させる(ステップS42)。そして、制御装置200は、モータ31に対する電流値Imtが判定電流値ImtTH1以下であるか否かを判定する(ステップS43)。電流値Imtが判定電流値ImtTH1以下である場合、ナット部材33が第2の位置に位置している、又は、ナット部材33が第2の位置よりも後退方向側に位置していると判断することができる。
【0072】
そのため、電流値Imtが判定電流値ImtTH1よりも大きい場合(ステップS43:NO)、制御装置200は、電流値Imtが判定電流値ImtTH1以下になるまでステップS43の判定処理を繰り返し実行する。一方、電流値Imtが判定電流値ImtTH1以下になった場合(ステップS43:YES)、制御装置200は、計測カウンタCNTを「1」だけインクリメントし(ステップS44)、この計測カウンタCNTが規定カウンタ値CNTTH1以上であるか否かを判定する(ステップS45)。電流値Imtが判定電流値ImtTH1以下になった直後では、判定電流値ImtTH1と規制判定電流値ImtTH3との大小関係によっては、ナット部材33が第1の位置に未だ達していないにも拘わらず、電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3以上となり、ナット部材33が第1の位置まで移動したと誤判定されるおそれがある。そこで、モータ31の起動時には電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3以上になったか否かの判定が実行されないように、規定カウンタ値CNTTH1が設定されている。
【0073】
そのため、計測カウンタCNTが規定カウンタ値CNTTH1未満である場合(ステップS45:NO)、制御装置200は、その処理を前述したステップS44に移行する。一方、計測カウンタCNTが規定カウンタ値CNTTH1以上である場合(ステップS45:YES)、制御装置200は、モータ31に対する電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3以上であるか否かを判定する(ステップS46)。電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3未満であるときには、ナット部材33が第1の位置に未だ達していないと判断することができる。
【0074】
そのため、電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3未満である場合(ステップS46:NO)、制御装置200は、その処理を前述したステップS44に移行する。一方、電流値Imtが規制判定電流値ImtTH3以上である場合(ステップS46:YES)、制御装置200は、モータ31の駆動を停止させる(ステップS47)。そして、制御装置200は、モータ31の駆動を停止させた時点の計測カウンタCNTが大きいほど、摩擦材15の残量の推定値Xを小さい値にし(ステップS48)、本処理ルーチンを終了する。
【0075】
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・自動変速機ではなく手動変速機を備える車両では、ニュートラルレンジが駐車用のレンジに相当する。そのため、手動変速機を備える車両に電動駐車制動装置10を適用する場合、シフト装置によってニュートラルレンジが選択されていることを条件に、残量推定処理を実施するようにしてもよい。なお、ニュートラルレンジが選択されている場合であっても、クラッチペダルが運転者によって操作されているときには、変速機のレンジがニュートラルレンジから走行レンジに変更される可能性がある。そのため、ニュートラルレンジが選択されている場合であっても、クラッチペダルが操作されているときには、残量推定処理の実施を禁止するようにしてもよい。
【0076】
・自動変速機を備える車両にあっては、シフト装置52によって駐車用のレンジが選択されている場合、車両が発進することはない。そのため、残量推定処理の実施条件には、駐車用のレンジが選択されていることが含まれているのであれば、車両が停止していることという条件を含めなくてもよい。
【0077】
・車両が停止しているのであれば、シフト装置52によって駐車用のレンジ以外のレンジが選択されている場合であっても残量推定処理を実施するようにしてもよい。ただし、残量推定処理の実施中に車両の発進、又は車両を発進させるための運転者の車両操作を検出したときには、残量推定処理を速やかに終了させることが望ましい。
【0078】
・シリンダ室19内の液圧の変動に起因するナット部材33の移動速度やモータ31に加わる負荷のばらつきが許容範囲内に収まるのであれば、常用制動力が車輪100に付与されている状況下であっても残量推定処理を実施するようにしてもよい。
【0079】
・前輪用の制動装置内のシリンダ室内の液圧を増大させ、前輪に常用制動力を付与している状況下で、残量推定処理を実施するようにしてもよい。この場合、前輪への常用制動力の付与によって車両の停止状態を維持することができるため、左後輪側での残量推定処理を実施している最中で、右後輪側での残量推定処理を実施するようにしてもよい。
【0080】
・第1の実施形態において、ナット部材33を第2の位置まで移動させた状態で残量推定処理を実施するようにしてもよい。この場合の残量推定処理では、モータ31の逆駆動によって第2の位置から第1の位置に向けてナット部材33が移動され、第2の位置から第1の位置までのナット部材33の移動に要する時間に基づき、摩擦材15の残量の推定値Xを演算することとなる。
【0081】
・各実施形態において、第2の位置を、図2に示す初期位置としてもよい。この場合、第1の実施形態では、ナット部材33が初期位置(すなわち、第2の位置)に位置する状況下でモータ31を逆駆動させ、第2の位置から第1の位置へのナット部材33の移動に要する時間に基づき、摩擦材15の残量の推定値Xを演算させるようにしてもよい。この場合、残量推定処理の実施中には、摩擦材15がブレーキディスク11に接触しないため、車輪100に制動力が付与されない。すなわち、残量推定処理の実施を、車両の運転者に気づかれにくい。そのため、運転者がアクセルペダルを操作しており、車両が停止していないときでも残量推定処理を実施するようにしてもよい。
【0082】
また、第2の実施形態では、モータ31の逆駆動の開始後、摩擦材15がブレーキディスク11から離れ、ナット部材33が初期位置(すなわち、第2の位置)に達した時点から時間計測を開始し、初期位置から第1の位置へのナット部材33の移動に要する時間に基づき、摩擦材15の残量の推定値Xを演算させることとなる。
【0083】
・各実施形態において、残量推定処理では、モータ31の駆動時における出力軸311の回転速度を演算するようにしてもよい。そして、モータ31の出力軸311の回転速度と、第1の位置及び第2の位置のうち、一方の位置から他方の位置までのナット部材33の移動に要する時間との関係に基づき、第1の位置から第2の位置までの距離の推定値を演算し、距離の推定値が長いほど、摩擦材15の残量の推定値Xを小さくするようにしてもよい。
【0084】
・規制部は、第1の位置から前進方向へのナット部材33の移動を開始させる際にモータ31に加わる負荷の増大を抑えることができる構成であれば、任意の構成であってもよい。例えば、規制部は、シリンダ本体17の底壁181に支持されている弾性体を備える構成であってもよい。この場合、弾性体は、ナット部材33が第1の位置まで移動した際に弾性変形して弾性エネルギを蓄積する。そして、この状態で第1の位置からナット部材33を前進方向に移動させる際に弾性体が蓄積する弾性エネルギが解放されることで、モータ31の正駆動をアシストすることができる。
【0085】
・上記各実施形態では、ディスクブレーキ方式の電動駐車制動装置に具体化している。しかし、電動駐車制動装置を、ディスクブレーキ方式以外の他の方式(例えば、ドラムブレーキ方式)の装置に具体化してもよい。ドラムブレーキ方式の電動駐車制動装置では、ブレーキドラムが回転体に相当し、ブレーキシューが摩擦材に相当することとなる。
【符号の説明】
【0086】
10…電動駐車制動装置、11…回転体の一例であるブレーキディスク、12,13…ブレーキパッド、15…摩擦材、17…ハウジングの一例であるシリンダ本体、171…壁部としての底壁、18…ピストン、19…シリンダ室、30…駐車用ユニット、31…モータ、33…ナット部材、41…規制部の一例を構成する第1の突出部、42…規制部の一例を構成する第2の突出部、52…シフト装置、100…車輪、200…制御装置、HA,HB…間隔、H1…第1の規定間隔、H2…第2の規定間隔、Imt…モータに対する電流値、ImtTH1…判定電流値、X…摩擦材の残量の推定値。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10