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特開2016-222173シートクッションのバックル収納部構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222173(P2016-222173A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】シートクッションのバックル収納部構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/26 20060101AFI20161205BHJP
   B60R 22/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B60R22/26
   B60R22/00 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-112313(P2015-112313)
(22)【出願日】2015年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】伏木田 基弘
(72)【発明者】
【氏名】大島 智明
(72)【発明者】
【氏名】岸本 信行
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018CA03
(57)【要約】
【課題】シートクッションの座面に形成された凹部内にバックルを収納可能な構成において、バックルの収納状態の保持と起立状態の保持とを両立する。
【解決手段】バックル収納部構造10では、シートクッション14の座面14Aの後端側に、バックル26を収納可能な凹部32が形成されている。このバックル26は、ウェビング42を介してシートクッション14の骨格部材に連結されている。また、凹部32のシート幅方向一方側の側部には、バンド50の長手方向一端部が固定されている。このバンド50は、長手方向他端部が凹部32の内側面32Aに対して取り付け取り外し自在とされており、凹部32の内側面32Aに対する長手方向他端部の取り付け位置を変更することにより、バックル26が凹部32内に収納された収納状態、及びバックル26がタング挿入口46をシート上方側へ向けて起立した起立状態の何れにもバックル26を保持可能とされている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートに設けられ、座面の後端側に凹部が形成されたシートクッションと、
前記凹部内に収納可能とされ、可撓性を備えた連結部材を介して前記シートクッションの骨格部材又は車体に連結されると共に、シートベルト装置のタングプレートが挿入されるタング挿入口が形成されたバックルと、
可撓性を備え、一端部が前記凹部のシート幅方向一方側の側部に固定されると共に、他端部が前記凹部の内側面に対して取り付け取り外し自在とされ、前記内側面に対する前記他端部の取り付け位置を変更することにより、前記バックルが前記凹部内に収納された収納状態、及び前記バックルが前記タング挿入口をシート上方側へ向けて起立した起立状態の何れにも前記バックルを保持可能な保持部材と、
を有するシートクッションのバックル収納部構造。
【請求項2】
前記保持部材の他端部と前記凹部の内側面とによって、面ファスナーが構成されている請求項1に記載のシートクッションのバックル収納部構造。
【請求項3】
前記保持部材は、一端部が前記凹部のシート幅方向一方側の側部に固定された部材本体と、前記部材本体の他端部に取り付けられた面ファスナーのフックと、を有し、
前記凹部の内側面は、前記フックが着脱自在な布材によって形成されている請求項2に記載のシートクッションのバックル収納部構造。
【請求項4】
前記保持部材は、弾性を備えている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシートクッションのバックル収納部構造。
【請求項5】
前記連結部材は、前記凹部のシート後方側かつシート下方側へ延びており、
前記保持部材の一端部は、前記凹部のシート幅方向一方側の側部における後端側に固定されている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のシートクッションのバックル収納部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートベルト装置のバックルを収納可能な凹部がシートクッションの座面に形成されたバックル収納部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載されたシートベルトバックル収納構造では、シートクッションの凹部内に収納可能なバックルが、ウェビングを介してシートクッションの骨格部に連結されている。また、この収納構造では、凹部内の一方側の側部から張り出して設けられた可撓性面状のカバー部材が、上記のウェビングを被覆すると共に、凹部内の他方側の側部から張り出して設けられた支持カバー部材が、上記のカバー部材を下方側からあてがえて支持するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−121733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のシートベルトバックル収納構造では、凹部内に収納されたバックルを、カバー部材及び支持カバー部材によって収納状態に保持することができる。これにより、例えばシートバックをシートクッション上に前倒しした場合に、シートバックにバックルの圧痕が形成されることを防止できる。しかしながら、この収納構造では、乗員がシートベルト装置のタングプレートをバックルに挿入し易い状態、すなわちバックルがタングプレートの挿入口をシート上方側へ向けて起立した状態に、バックルを保持することができない。このため、乗員がタングプレートをバックルに挿入する際の容易性を向上させる観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、シートクッションの座面に形成された凹部内にバックルを収納可能な構成において、バックルの収納状態の保持と起立状態の保持とを両立することができるシートクッションのバックル収納部構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係るシートクッションのバックル収納部構造は、車両用シートに設けられ、座面の後端側に凹部が形成されたシートクッションと、前記凹部内に収納可能とされ、可撓性を備えた連結部材を介して前記シートクッションの骨格部材又は車体に連結されると共に、シートベルト装置のタングプレートが挿入されるタング挿入口が形成されたバックルと、可撓性を備え、一端部が前記凹部のシート幅方向一方側の側部に固定されると共に、他端部が前記凹部の内側面に対して取り付け取り外し自在とされ、前記内側面に対する前記他端部の取り付け位置を変更することにより、前記バックルが前記凹部内に収納された収納状態、及び前記バックルが前記タング挿入口をシート上方側へ向けて起立した起立状態の何れにも前記バックルを保持可能な保持部材と、を有している。
【0007】
請求項1に記載のシートクッションのバックル収納部構造では、車両用シートに設けられたシートクッションの座面の後端側に、バックルを収納可能な凹部が形成されている。このバックルは、可撓性を備えた連結部材を介してシートクッションの骨格部材又は車体に連結されている。このバックルには、タングプレートを挿入可能なタング挿入口が形成されている。また、凹部のシート幅方向一方側の側部には、可撓性を備えた保持部材の一端部が固定されている。この保持部材は、他端部が凹部の内側面に対して取り付け取り外し自在とされており、凹部の内側面に対する他端部の取り付け位置を変更することにより、バックルが凹部内に収納された収納状態、及びバックルがタング挿入口をシート上方側へ向けて起立した起立状態の何れにもバックルを保持可能とされている。これにより、バックルの収納状態の保持と起立状態の保持とを両立することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明に係るシートクッションのバックル収納部構造は、請求項1において、前記保持部材の他端部と前記凹部の内側面とによって、面ファスナーが構成されている。
【0009】
請求項2に記載のシートクッションのバックル収納部構造では、上記のように構成されているため、簡単な構成で、保持部材の他端部を凹部の内側面に対して取り付け取り外し自在とすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明に係るシートクッションのバックル収納部構造は、請求項2において、前記保持部材は、一端部が前記凹部のシート幅方向一方側の側部に固定された部材本体と、前記部材本体の他端部に取り付けられた面ファスナーのフックと、を有し、前記凹部の内側面は、前記フックが着脱自在な布材によって形成されている。
【0011】
請求項3に記載のシートクッションのバックル収納部構造では、保持部材の部材本体の他端部には、面ファスナーのフックが取り付けられている。また、凹部の内側面は、前記のフックを着脱自在な布材によって形成されている。つまり、凹部の内側面を形成した布材が、面ファスナーのループとして機能する。これにより、例えば凹部の内側面に、面ファスナーのループとなる部材を取り付ける場合と比較して、構成を簡素化することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明に係るシートクッションのバックル収納部構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項において、前記保持部材は、弾性を備えている。
【0013】
請求項4に記載のシートクッションのバックル収納部構造では、保持部材が可撓性及び弾性を備えているため、例えば、保持部材によってバックルを起立状態に保持する際に、バックルの姿勢に応じて保持部材を弾性的に変形させることができる。これにより、保持部材によるバックルの保持を安定させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明に係るシートクッションのバックル収納部構造は、請求項1〜請求項4の何れか1項において、前記連結部材は、前記凹部のシート後方側かつシート下方側へ延びており、前記保持部材の一端部は、前記凹部のシート幅方向一方側の側部における後端側に固定されている。
【0015】
請求項5に記載のシートクッションのバックル収納部構造では、保持部材の一端部が、凹部のシート幅方向一方側の側部における後端側に固定されている。このため、例えば、バックルが凹部に収納された状態で、保持部材の他端部を凹部のシート幅方向他方側の内側面における後端側に取り付ければ、凹部のシート後方側かつシート下方側へ延びるバックルの連結部材が、保持部材によってシート上方側かつシート前方側から覆われる。これにより、バックル収納時の外観を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係るシートクッションのバックル収納部構造では、シートクッションの座面に形成された凹部内にバックルを収納可能な構成において、バックルの収納状態の保持と起立状態の保持とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るシートクッションのバックル収納部構造が適用された車両用シートを側方から見た概略的な断面図であり、バックルの起立状態を示す図である。
図2】同車両用シートのシートバックが前倒しされた状態を示す図1に対応した断面図であり、バックルの収納状態を示す図である。
図3】同車両用シートのシートクッションに形成された凹部の周辺を拡大して示す斜視図であり、バックルの収納状態を示す図である。
図4図3に示される構成をシート上方側から見た平面図である。
図5図4のF5−F5線に沿った切断面を示す断面図である。
図6】凹部の周辺を拡大して示す斜視図であり、バックルの起立状態を示す図である。
図7図6に示される構成をシート上方側から見た平面図である。
図8図6及び図7に示される構成を図7の矢印F8方向から見た側面図である。
図9図8のF9−F9線に沿った切断面を示す断面図である。
図10】バックルを起立状態に保持したバンドの他端部が凹部の前面に取り付けられている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図10を用いて、本発明の実施形態に係るシートクッションのバックル収納部構造10(以下、バックル収納部構造10と称する)について説明する。なお、図中矢印FRは車両前方向を示し、矢印LHは車両左方向を示し、矢印UPは車両上方向を示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
【0019】
(構成)
図1及び図2に示されるように、バックル収納部構造10が適用された車両用シート12は、乗員が着座するシートクッション14と、乗員の背部を支持するシートバック16と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト18とを備えている。この車両用シート12は、例えば車両の後部座席であり、シート幅方向に長尺な3人掛け用のシートとされている。この車両用シート12では、図2に示されるように、シートバック16をシートクッション14上に前倒し可能とされている。これにより、車両用シート12の車両後方側に設けられた荷室を車両前方側へ拡大することができる。
【0020】
上記のシートクッション14は、骨格部材であるシートクッションフレーム15にクッションパッド20(図5及び図9参照)が被せ付けられると共に、クッションパッド20の表面が面状の表皮材22によって覆われた構成になっている。上記のクッションパッド20は、例えばウレタン樹脂の発泡成形体によって構成されており、上記の表皮材22は、例えば布材、皮革又は合成皮革によって形成されている。同様に、シートバック16は、骨格部材であるシートバックフレーム17にクッションパッド(図示省略)が被せ付けられると共に、クッションパッドの表面が面状の表皮材19によって覆われた構成になっている。シートバックフレーム17の下端部は、シートクッションフレーム15の後端部から立設されたヒンジ部15Aの上部側に回転可能に連結されている。
【0021】
図1図10に示されるように、シートクッション14の座面14Aの後端側には、シートベルト装置24のバックル26を収納するための凹部32が形成されている。この凹部32は、上記ヒンジ部15Aの車両前方に位置しており、座面14Aのシート幅方向中間部に形成されている。この凹部32は、シート上方側から見てシート前後方向に長尺な略矩形状をなしており、シート上方側及びシート後方側に開口している。
【0022】
図5及び図9に示されるように、シートクッション14において、凹部32が形成された部位では、クッションパッド20がシート上方側及びシート後方側に開口する形状に凹んでいる。この凹部32の内側面32A(内周面及び底面)は、当該内側面32Aの各壁面である前面32AF、左面32AL、右面32AR及び底面32AUの形に合わせて形成された布片34、36、38、40によって構成されている。これらの布片34、36、38、40は、互いの隣接する縁部同士が縫製によって結合されている(縫製部S2、S3、S6、S7参照)。また、布片34、36、38の上縁部、及び布片36、38、40の後縁部は、シートクッション14の表皮材22における凹部32内に臨む周縁部に縫製によって結合されている(縫製部S1、S4、S5参照)。
【0023】
上記の凹部32内に収納可能なバックル26は、直方体状に形成されており、上下の幅が小さくなる姿勢で凹部32内に収納される。このバックル26の長手方向一端部(基端部)には、連結部材としての帯状のウェビング42の一端部が結合されている。このウェビング42は、凹部32のシート後方側かつシート下方側へ延びており、図示しない他端部がシートクッション14の骨格部材に連結されている。これにより、バックル26がウェビング42を介してシートクッション14の骨格部材に連結されている。
【0024】
このバックル26の長手方向他端部(先端部)には、図3図6図7図10に示されるように、タング挿入口46が形成されている。このタング挿入口46は、図1に示されるシートベルト装置24のタングプレート30に対応している。このタングプレート30は、シートベルト28の長手方向中間部に摺動可能に取り付けられている。このタングプレート30には、タング挿入口46に挿入可能な舌片部30Aが設けられている。
【0025】
車両用シート12に着座した乗員がシートベルト28を装着する際には、乗員がシートベルト28を身体に掛け回し、タングプレート30の舌片部30Aをバックル26のタング挿入口46に挿入する。これにより、シートベルト28の長手方向中間部がタングプレート30を介してバックル26に連結され、乗員がシートベルト28を装着した状態になる。また、バックル26の先端部には、解除ボタン48が設けられており、当該解除ボタン48が押圧操作されると、バックル26に対するタングプレート30の連結が解除される構成になっている。
【0026】
上記構成のバックル26は、ウェビング42の可撓性により、前後左右上下の各方向に自由に首振りさせたり捩るように回したりできるようになっている。これにより、このバックル26は、凹部32内に収納された収納状態(図2図5の図示状態)と、タング挿入口46をシート上方側へ向けて起立した起立状態(図1図6図10の図示状態)とを取り得る構成になっている。また、バックル26にタングプレート30が連結されているときには、バックル26が起立状態になるように構成されている。
【0027】
ここで、本実施形態に係るバックル収納部構造10は、バックル26を上記の収納状態及び起立状態の何れにも保持可能なバンド(保持部材)50を備えている。このバンド50は、部材本体としてのバンド本体52と、面ファスナーの構成部材であるフック54とによって構成されている。バンド本体52は、例えばゴムによって長尺帯状に形成されたゴムバンドであり、弾性及び可撓性を備えている。このバンド本体52の長手方向一端部は、凹部32のシート幅方向一方側(ここではシート左方側)の側部における後端側に固定されている。具体的には、バンド本体52の長手方向一端部は、布片36の上縁部と表皮材22における凹部32側の周縁部との間に挟まれており、縫製部S1において布片36及び表皮材22に共縫いされている。
【0028】
フック54は、可撓性面状の部材であり、縫製等の手段によってバンド本体52の長手方向他端部における片側面(バンド本体52をシート右方側へ真っ直ぐに延ばした状態でシート上方側を向く面)に取り付けられている。このフック54は、バンド本体52と接する側とは反対側の面がフック状に起毛されている。
【0029】
また、本実施形態では、凹部32の内側面32Aを構成する各布片34、36、38、40が、上記のフック54を着脱自在な布材(カーペット材)によって形成されている。具体的には、これらの布片34、36、38、40の表面は、例えばループ状に密集して起毛されており、フック54を布片34、36、38、40の表面に押し付けると、それだけで貼り付くようになっており、フック54を貼り付けたり剥がしたりすることが自在にできる構成になっている。これにより、バンド50の長手方向他端部に設けられたフック54と、凹部32の内側面32Aとによって、面ファスナーが構成されている。なお、上記の布片34、36、38、40の材料としては、例えば、ディロア(製品名、住江織物株式会社製、目付量;300g/m)を用いることができる。
【0030】
上記構成のバンド50は、長手方向他端部が凹部32の内側面32Aに対して取り付け取り外し自在とされており、内側面32Aに対する長手方向他端部の取り付け位置を変更することにより、バックル26を前述した収納状態及び起立状態の何れにも保持可能とされている。
【0031】
つまり、図3図5に示されるように、バンド50の長手方向他端部に設けられたフック54が、凹部32の右面32AR(シート幅方向他方側の面)における後端側に貼り付けられた状態では、凹部32内に収納されたバックル26の基端側がバンド50によってシート上方側から覆われる。これにより、バックル26が凹部32から不用意に抜け出すことが防止され、バックル26が凹部32内に安定的に保持される。
【0032】
また、図6図9に示されるように、起立状態のバックル26にバンド50が巻き掛けられると共に、バンド50の長手方向他端部に設けられたフック54が、凹部32の左面32AL(シート幅方向一方側の面)における前端側に貼り付けられた状態では、バックル26がバンド50と左面32ALとの間に挟まれて起立状態に保持される構成になっている。
【0033】
なお、図10に示されるように、起立状態のバックル26にバンド50が巻き掛けられると共に、バンド50の長手方向他端部に設けられたフック54が、凹部32の前面32AFに貼り付けられた状態においても、バックル26がバンド50と左面32ALとの間に挟まれて起立状態に保持される構成になっている。
【0034】
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0035】
上記構成のバックル収納部構造10では、車両用シート12におけるシートクッション14の座面14Aの後端側に、バックル26を収納可能な凹部32が形成されている。このバックル26は、ウェビング42を介してシートクッション14の骨格部材に連結されている。このバックル26には、タングプレート30を挿入可能なタング挿入口46が形成されている。
【0036】
また、凹部32のシート幅方向一方側の側部には、可撓性を備えたバンド50の長手方向一端部が固定されている。このバンド50は、長手方向他端部が凹部32の内側面32Aに対して取り付け取り外し自在とされており、凹部32の内側面32Aに対する長手方向他端部の取り付け位置を変更することにより、バックル26が凹部32内に収納された収納状態、及びバックル26がタング挿入口46をシート上方側へ向けて起立した起立状態の何れにもバックル26を保持可能とされている。これにより、バックル26の収納状態の保持と起立状態の保持とを両立することができる。
【0037】
その結果、例えば、バックル26の収納状態でシートバック16をシートクッション14上に前倒しした場合に、シートバック16にバックル26の圧痕が形成されることを防止できる。また、例えば乗員がシートベルト装置24のタングプレート30をバックル26に挿入する際に、バックル26を起立状態に保持しておくことができる。これにより、乗員がタングプレート30をバックル26に挿入する際の容易性を向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、バンド50の長手方向他端部と凹部32の内側面32Aとによって、面ファスナーが構成されている。これにより、簡単な構成で、バンド50の長手方向他端部を凹部32の内側面32Aに対して取り付け取り外し自在とすることができる。
【0039】
しかも、上記のバンド50は、長手方向一端部が凹部32のシート幅方向一方側の側部に固定されたバンド本体52と、当該バンド本体52の長手方向他端部に取り付けられた面ファスナーのフック54とを有しており、凹部32の内側面32Aは、フック54が着脱自在な布材によって形成されている。つまり、凹部32の内側面32Aを形成した布材が、面ファスナーのループとして機能する。これにより、例えば凹部32の内側面32Aに、面ファスナーのループとなる部材を取り付ける場合と比較して、構成を簡素化することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のバンド50が可撓性及び弾性を備えているため、例えば、バンド50によってバックル26を起立状態に保持する際に、バックル26の姿勢に応じてバンド50を弾性的に変形させることができる。これにより、バンド50によるバックル26の保持を安定させることができる。
【0041】
さらに、本実施形態では、バンド50の長手方向一端部が、凹部32のシート幅方向一方側の側部における後端側に固定されている。このため、例えば、バックル26が凹部32に収納された状態で、バンド50の長手方向他端部を凹部32のシート幅方向他方側の面(右面32AR)における後端側に取り付ければ、凹部32のシート後方側かつシート下方側へ延びるウェビング42が、バンド50によってシート上方側かつシート前方側から覆われる。これにより、バックル収納時の外観を良好にすることができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、バンド50のバンド本体52(部材本体)がゴムによって形成された場合について説明したが、本発明はこれに限らず、部材本体の材料は適宜変更可能である。例えば、部材本体が布材によって形成された構成にしてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、バックル26がバンド50(保持部材)によって起立状態に保持される場合に、バンド50の長手方向他端部が、凹部32の左面32AL(シート幅方向一方側の面)又は前面32AFに取り付けられる場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、バックルが保持部材によって起立状態に保持される場合に、保持部材の他端部が凹部の底面に取り付けられる構成にしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、フック54が、バンド本体52(部材本体)の長手方向他端部における片側面(部材本体をシート幅方向他方側へ延ばした状態でシート上方側を向く面)に取り付けられた構成にしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、部材本体の他端部における他側面(部材本体をシート幅方向他方側へ真っ直ぐに延ばした状態でシート下方側を向く面)にフックが取り付けられた構成、又は、部材本体の他端部における両側面にそれぞれフックが取り付けられた構成にしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、バンド50(保持部材)の長手方向他端部に設けられたフック54と、凹部32の内側面32Aを構成する布片34、36、38、40とによって、面ファスナーが構成された場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、保持部材の他端部に面ファスナーのループが設けられ、凹部の内側面に面ファスナーのフックが設けられた構成にしてもよい。
【0046】
また、保持部材の他端部を凹部の内側面に対して取り付け取り外し自在とするための手段は、適宜変更可能である。例えば、保持部材の他端部に取り付けられた鉤状の部材が、凹部の内側面に形成された孔に引っ掛けられる構成にしてもよい。また、ボタン、フック、磁石などを用いる構成にしてもよい。
【0047】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
10 シートクッションのバックル収納部構造
12 車両用シート
14 シートクッション
14A 座面
24 シートベルト装置
26 バックル
28 シートベルト
30 タングプレート
32 凹部
32A 内側面
42 ウェビング(連結部材)
46 タング挿入口
50 バンド(保持部材)
52 バンド本体(部材本体)
54 フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10