特開2016-222187(P2016-222187A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222187(P2016-222187A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20161205BHJP
   G06F 15/78 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B60R16/02 660K
   G06F15/78 517
   G06F15/78 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-112590(P2015-112590)
(22)【出願日】2015年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】青木 充
【テーマコード(参考)】
5B062
【Fターム(参考)】
5B062HH04
(57)【要約】
【課題】入出力回路よりもコアの動作電圧が低いマイクロコンピュータを備える電子制御装置において、発熱を低減すること。
【解決手段】電子制御装置10は、マイコン11、電源IC12、周辺回路部13を備える。マイコン11は、第1電源電圧V1により動作するコア20、第2電源電圧V2(>V1)により動作する入出力回路21を有する。電源IC12は、第1電源電圧V1及び第2電源電圧V2を生成する。周辺回路部13は、第1電源電圧V1が入力される第1入力端子51、第2電源電圧V2が入力される第2入力端子52、これら端子51,52に接続されて、第1電源電圧V1と第2電源電圧V2の間の電位で動作する内部回路50を有する。マイコン11において第1電源電圧V1が入力されるコア入力端子22、電源IC12において第1電源電圧V1を出力する第1出力端子35、周辺回路部13の第1入力端子51が、互いに電気的に接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源電圧が供給されて動作するコア(20)と、前記第1電源電圧よりも高い電圧である第2電源電圧が供給されて動作する入出力回路(21)と、を有するマイクロコンピュータ(11)と、
外部から供給される外部電源電圧を降圧して前記第1電源電圧及び前記第2電源電圧を生成し、出力する電源回路部(12)と、
前記第1電源電圧よりも高い電圧である高電圧が供給される周辺回路部(13)と、
を備える電子制御装置であって、
前記マイクロコンピュータは、前記第1電源電圧が入力されるコア入力端子(22)を有し、
前記電源回路部は、前記第1電源電圧を出力する出力端子(35)を有し、
前記周辺回路部は、前記第1電源電圧が入力される第1入力端子(51)と、前記高電圧が入力される第2入力端子(52,53,55)と、前記第1入力端子と前記第2入力端子とに接続されて、前記第1電源電圧と前記高電圧との間の電位で動作する内部回路(50)と、を有し、
前記コア入力端子、前記出力端子、及び前記第1入力端子が、互いに電気的に接続されていることを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
前記電源回路部は、前記高電圧の監視結果を取得し、前記監視結果に基づいて、前記第1入力端子から前記第2入力端子に向けて電流が流れないように、前記第1電源電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記電源回路部は、前記第1電源電圧を生成して出力する第1電源回路(30)と、前記外部電源電圧を降圧して前記第2電源電圧を生成し、出力する第2電源回路(31)と、を有し、
前記第1電源回路は、前記第2電源回路から出力される前記第2電源電圧を降圧して前記第1電源電圧を生成し、
前記高電圧として前記第2電源電圧が前記周辺回路部に供給され、
電源リレー(101)のオンにより、前記電源回路部に前記外部電源電圧が供給される請求項2に記載の電子制御装置であって、
前記電源回路部は、前記第2電源電圧を監視する監視回路(39)と、前記第1電源回路への前記第2電源電圧の供給ラインに設けられたスイッチ(40)と、をさらに有し、
前記電源リレーがオンされて前記第2電源電圧が立ち上がる期間において、前記第2電源電圧の立ち上げ開始から、立ち上げ途中に設定される所定の閾値電圧未満までの間は、前記監視回路が前記スイッチをオフさせ、前記第2電源電圧が前記閾値電圧に達すると、前記監視回路は前記スイッチをオンさせ、前記電源リレーがオンされて前記第2電源電圧が立ち下がる期間において、前記監視回路は前記スイッチをオンさせることを特徴とする電子制御装置。
【請求項4】
前記第1入力端子の電圧を前記コアの絶対最大定格以下に制限するために、前記第1入力端子とグランドとの間に配置されたクランプ回路(60)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアと入出力回路を有し、入出力回路よりもコアの動作電圧が低いマイクロコンピュータと、外部から供給される外部電源電圧を降圧してコア及び入出力回路に動作電圧を出力する電源回路部と、周辺回路部と、を備える電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロコンピュータ(以下、マイコンと示す)が各種機能を実行することにより、電子制御装置は制御対象を制御する。たとえば自動車の制御に用いられる電子制御装置では、高機能化に対応すべくマイコンを高速動作させるために、コアを、入出力回路よりも低い電圧で動作させるようになってきている。
【0003】
このように、コアと入出力回路を有し、入出力回路よりもコアの動作電圧が低いマイコンと、外部から供給される外部電源電圧を降圧してコア及び入出力回路に動作電圧を出力する電源回路部と、周辺回路部と、を備える電子制御装置が、たとえば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−293492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マイコンの高機能化に対応するために、コアなどを構成するデジタル回路の周波数アップ、デジタル回路の規模増加がなされ、これによりマイコンの消費電流が増加してきている。そして、消費電流増加により、電子制御装置の消費電力増加、ひいては発熱の増加が問題となってきている。なお、電流の多くは、マイコンのコアにて消費されており、コアには電源回路部から電流が供給される。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、入出力回路よりもコアの動作電圧が低いマイクロコンピュータを備える電子制御装置において、発熱を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0008】
開示された発明のひとつは、第1電源電圧が供給されて動作するコア(20)と、第1電源電圧よりも高い電圧である第2電源電圧が供給されて動作する入出力回路(21)と、を有するマイクロコンピュータ(11)と、
外部から供給される外部電源電圧を降圧して第1電源電圧及び第2電源電圧を生成し、出力する電源回路部(12)と、
第1電源電圧よりも高い電圧である高電圧が供給される周辺回路部(13)と、
を備える電子制御装置であって、
マイクロコンピュータは、第1電源電圧が入力されるコア入力端子(22)を有し、
電源回路部は、第1電源電圧を出力する出力端子(35)を有し、
周辺回路部は、第1電源電圧が入力される第1入力端子(51)と、高電圧が入力される第2入力端子(52,53,55)と、第1入力端子と第2入力端子とに接続されて、第1電源電圧と高電圧との間の電位で動作する内部回路(50)と、を有し、
コア入力端子、出力端子、及び第1入力端子が、互いに電気的に接続されていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、従来、周辺回路部からグランドに捨てられていた電流が、第1入力端子及びコア入力端子を介してコアに流れる。したがって、電源回路部からコアに対して供給する電流を減らすことができる。これにより、電子制御装置全体の消費電力を低減し、ひいては発熱を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る電子制御装置の概略構成を示す図である。
図2】第2実施形態に係る電子制御装置において、電源ICの概略構成を示す図である。
図3】電源ICによる処理タイミングを示すタイミングチャートである。
図4】第3実施形態に係る電子制御装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。なお、各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
【0012】
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、本実施形態に係る電子制御装置の概略構成を説明する。本実施形態において、電子制御装置は、エンジンECU(Electronic Control Unit)として構成されている。
【0013】
図1に示す電子制御装置10は、車両のエンジンコンパートメントに配置されている。エンジンコンパートメントはエンジンルームとも称される。この電子制御装置10は、マイクロコンピュータ11と、電源IC12と、周辺回路部13と、を備えている。以下において、便宜上、マイクロコンピュータ11をマイコン11と示す。電源IC12が、特許請求の範囲に記載の電源回路部に相当する。
【0014】
マイコン11は、エンジンを制御するための各種機能を実行する。マイコン11は、コア20と、入出力回路21と、を有している。
【0015】
コア20は、図示しないCPU、ROM、RAM、レジスタなどを有して構成されており、第1電源電圧V1により動作する。マイコン11において、CPUが、RAMやレジスタの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された制御プログラム、バスを介して取得した各種データなどに応じて信号処理を行う。また、この信号処理で得られた信号を、バスに出力したりする。このようにして、マイコン11は、上記した各種機能を実行する。たとえば、マイコン11は、エンジンが出力すべき目標トルクを算出する。また、エンジンが要求される目標トルクを生じるために、図示しないスロットルバルブを適切な開度に制御するとともに、エンジンの燃料噴射量及び点火タイミングを制御する。なお、第1電源電圧V1は、後述する第2電源電圧V2よりも低い電圧、たとえば1.25Vとされている。
【0016】
一方、入出力回路21は、マイコン11のうち、周辺機能を実行する部分である。したがって、入出力回路21は、周辺機能回路とも称される。入出力回路21は、マイコン11と外部の入出力装置とをつなぐ機能を果たす。周辺機能としては、I/Oポート機能に加えて、シリアル通信するための機能、タイマ機能、A/D変換機能などがある。入出力回路21は、第2電源電圧V2により動作する。第2電源電圧V2は、第1電源電圧V1よりも高い電圧、たとえば5Vとされている。
【0017】
マイコン11は、外部接続端子として、コア入力端子22と、I/O端子23と、グランド端子24と、を有している。コア入力端子22には、電源IC12から第1電源電圧V1が入力される。このため、コア入力端子22を介して、コア20に第1電源電圧V1が供給される。I/O端子23には、電源IC12から第2電源電圧V2が入力される。このため、I/O端子23を介して、入出力回路21に電源電圧V2が供給される。グランド端子24は、グランド電位に接続する(接地する)ための端子である。
【0018】
電源IC12は、第1電源電圧V1を生成して出力する第1電源回路30と、第2電源電圧V2を生成して出力する第2電源回路31と、電源電圧VSを生成して出力する第3電源回路32と、を有している。また、電源IC12は、外部接続端子として、VB端子33、BATT端子34、第1出力端子35、第2出力端子36、第3出力端子37、及びグランド端子38を有している。第1出力端子35が、特許請求の範囲に記載の出力端子に相当する。グランド端子38は、グランド電位に接続するための端子である。
【0019】
第1電源回路30及び第2電源回路31には、図示しないイグニッションスイッチがオンされて、電源リレー制御回路から図示しない電源リレー駆動回路のスイッチに対してオン信号が出力された場合に、車両のバッテリ100のプラス端子の電圧が電源リレー101を介して供給される。電源リレー101は、メインリレーとも称される。以下において、プラス端子の電圧を、バッテリ電圧と示す。このバッテリ電圧が、特許請求の範囲に記載の、外部電源電圧に相当する。
【0020】
具体的には、VB端子33は、電源リレー101を構成するコイル102及び接点103のうち、接点103の一端に接続されている。接点103の他端は、バッテリ100のプラス端子に接続されている。上記したスイッチは、周辺回路部13に含まれており、後述するグランド端子54とMR端子55とに接続されている。スイッチがオンされるとスイッチを介してコイル102に電流が流れ、接点103が閉じる。すなわち、電源リレー101がオンする。これにより、バッテリ電圧がVB端子33に入力され、VB端子33から第1電源回路30及び第2電源回路31のそれぞれに供給される。
【0021】
第1電源回路30は、第1電源電圧V1を生成し、第1出力端子35を介して電子制御装置10の各部へ出力する。第1電源電圧V1は、上記したマイコン11のコア20に加えて、たとえば周辺回路部13にも出力される。第1電源回路30は、電源リレー101を介して供給されるバッテリ電圧を降圧して第1電源電圧V1を生成してもよいし、第2電源回路31から出力される第2電源電圧V2を降圧して第1電源電圧V1を生成してもよい。
【0022】
第2電源回路31は、電源リレー101を介して供給されるバッテリ電圧を降圧して第2電源電圧V2を生成し、第2出力端子36を介して電子制御装置10の各部へ出力する。第2電源電圧V2は、上記したマイコン11の入出力回路21に加えて、たとえば周辺回路部13にも出力される。
【0023】
なお、電源IC12は、第1電源回路30及び第2電源回路31が第1電源電圧V1及び第2電源電圧V2の出力を開始したときに、第1電源電圧V1及び第2電源電圧V2が安定するまでの間、マイコン11にリセット信号を出力する。このように、パワーオンリセット機能も有している。このため、マイコン11は、第1電源回路30及び第2電源回路31が第1電源電圧V1及び第2電源電圧V2の出力を開始すると、初期状態から動作を開始する。
【0024】
一方、第3電源回路32には、BATT端子34を介して、バッテリ電圧が常時供給されている。第3電源回路32は、バッテリ電圧を降圧して電源電圧VSを常時生成し、第3出力端子37を介して電子制御装置10の各部へ出力する。電源電圧VSは、たとえば周辺回路部13に出力される。また、図示しない電源リレー制御回路にも出力される。本実施形態において、電源電圧VSは第2電源電圧V2同様、5Vとされている。
【0025】
周辺回路部13は、電子制御装置10において、マイコン11及び電源IC12以外の回路である。このような周辺回路部13としては、センサ信号などの各種データを外部から受ける入力回路、外部の電気負荷を駆動する駆動回路などの出力回路、上記したスイッチを含む電源リレー駆動回路などを含んでいる。この周辺回路部13は、内部回路50を有している。また、外部接続端子として、第1入力端子51、第2入力端子52、第3入力端子53、グランド端子54、及びMR端子55を有している。
【0026】
内部回路50は、第1電源電圧V1と第2電源電圧V2の間の電位で動作する。たとえば、内部回路50は、外部ECUから入力された信号を、マイコン11に適した電圧信号に変換して出力する入力回路として構成されている。
【0027】
第1入力端子51には、電源IC12から第1電源電圧V1が入力される。第1入力端子51は、第1出力端子35及びコア入力端子22と電気的に接続されている。第2入力端子52には、電源IC12から第2電源電圧V2が入力される。第2入力端子52は、第2出力端子36と電気的に接続されている。内部回路50は、第1入力端子51と第2入力端子52とに接続されており、第1電源電圧V1と第2電源電圧V2の間の電位で動作する。このため、本実施形態では、第2入力端子52に入力される第2電源電圧V2が、特許請求の範囲に記載の高電圧に相当する。
【0028】
第3入力端子53には、電源IC12から電源電圧VSが入力される。第3入力端子53は、第3出力端子37と電気的に接続されている。グランド端子54は、グランド電位に接続するための端子である。MR端子55は、電源リレー101のコイル102におけるプラス端子に接続された一方の端部と反対の端部に接続されている。
【0029】
次に、上記した電子制御装置10の効果について説明する。
【0030】
本実施形態では、周辺回路部13が、外部接続端子として、電源IC12から第1電源電圧V1が入力される第1入力端子51を有している。第1電源電圧V1を出力する電源IC12の第1出力端子35、第1電源電圧V1が入力されるコア入力端子22、及び第1電源電圧V1が入力される第1入力端子51は、互いに電気的に接続されている。また、周辺回路部13は、第1入力端子51と第2電源電圧V2が入力される第2入力端子52とに接続されて、第1電源電圧V1と第2電源電圧V2の間の電位で動作する内部回路50を有している。
【0031】
このため、第2入力端子52を介して内部回路50に第2電源電圧V2が供給されると、内部回路50、第1入力端子51、及びコア入力端子22を介して、電流がコア20に流れる。このように、周辺回路部13側からもコア20に対して電流を供給することができる。従来は、電源ICのみからコアに対して電流を供給する構成において、周辺回路部の内部回路から周辺回路部のグランド端子を介してグランドに電流が捨てられていた。したがって、従来の構成に較べて、電源IC12からコア20に対して供給する電流を減らすことができる。これにより、電子制御装置10全体の消費電力を低減し、ひいては発熱を低減することができる。図1では、電源IC12からコア20へ供給される電流を実線矢印で示し、周辺回路部13からコア20へ供給される電流を破線矢印で示している。
【0032】
なお、内部回路50は、第1入力端子51と第2入力端子52に接続されるものに限定されない。第1電源電圧V1が入力される第1入力端子51と、第1電源電圧V1よりも高電圧が入力される入力端子とに接続されて、第1電源電圧V1と高電圧との間の電位で動作するものであればよい。
【0033】
たとえば、第2入力端子52に代えて第3入力端子53と接続され、第1電源電圧V1と電源電圧VSの間の電位で動作する内部回路50を採用することもできる。この場合、第3入力端子53が、特許請求の範囲に記載の第2入力端子に相当し、電源電圧VSが高電圧に相当する。
【0034】
また、第2入力端子52に代えて、MR端子55と接続された内部回路50を採用することもできる。この内部回路50については、第3実施形態に示す。この場合、MR端子55が、特許請求の範囲に記載の第2入力端子に相当し、MR端子55に入力される電圧が高電圧に相当する。電源リレー101がオンしているとき、MR端子55に入力される電圧は、第1入力端子51の電圧に、電源リレー駆動回路を構成するスイッチ(内部回路50)で発生する電圧を加えたものとなる。
【0035】
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態を参照できる。このため、第1実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
【0036】
本実施形態において、電源IC12以外の構成は、第1実施形態と同じである。以下に示す図3において、VB端子とは、VB端子33の電圧を示し、第1入力端子とは、第1入力端子51の電圧を示している。また、電位差とは、第2電源電圧V2と第1電源電圧V1の差分(V2−V1)を示している。
【0037】
図2に示すように、電源IC12は、監視回路39と、スイッチ40と、をさらに有している。本実施形態では、第1電源回路30が第2電源電圧V2を降圧して第1電源電圧V1を生成し、出力するようになっている。このため、監視回路39が、第2電源電圧V2を監視する。スイッチ40は、第1電源回路30への第2電源電圧V2の供給ラインに設けられている。スイッチ40がオンすると、第1電源回路30に第2電源電圧V2が供給され、スイッチ40がオフすると、第1電源回路30への第2電源電圧V2の供給が遮断される。
【0038】
監視回路39は、第2電源回路31から出力される第2電源電圧V2を検出する。監視回路39は、検出した第2電源電圧V2と、予め設定されてメモリに記憶された閾値電圧Vthと、を比較し、その比較結果に応じた信号をスイッチ40に出力する。このように、監視回路39は、第2電源電圧V2を検出し、その検出結果を閾値電圧Vthと比較することで、第2電源電圧V2を監視する。閾値電圧Vthは、第2電源電圧V2の立ち上げ途中の所定電圧が設定される。本実施形態では、第1電源電圧V1と同じ1.25Vが設定されている。
【0039】
第2電源電圧V2が閾値電圧Vthに達すると、監視回路39は、オン信号をスイッチ40に出力する。また、監視回路39は、第2電源電圧V2がゼロ(0)Vになると、オフ信号をスイッチ40に出力する。したがって、図3に示すように、電源リレー101がオンされるまでは、スイッチ40はオフとなる。電源リレー101のオンによりVB端子33にバッテリ電圧が供給されると、これにともなって、第2電源回路31が第2電源電圧V2の生成を開始する。すなわち、電源電圧V2の立ち上げを開始する。この開始のタイミングT1から、閾値電圧Vthに達するタイミングT2までの期間においては、第2電源電圧V2が閾値電圧Vth未満であるため、スイッチ40のオフが継続される。このため、第1電源回路30は、第1電源電圧V1の生成を開始しない。
【0040】
タイミングT2になる、すなわち第2電源電圧V2が閾値電圧Vthに達すると、スイッチ40はオンとなる。これにより、第2電源電圧V2が第1電源回路30に供給され、第1電源回路30が第1電源電圧V1の生成を開始する。これにともなって、第1入力端子51の電圧も上昇する。そして、タイミングT3において、第2電源電圧V2が5Vとなり、立ち上げが完了する。本実施形態では、タイミングT3で、第1電源電圧V1の立ち上げも完了するようになっている。しかしながら、第1電源電圧V1と第2電源電圧V2とで、立ち上げ完了のタイミングを異なるものとしてもよい。
【0041】
一方、電源リレー101がオフされると、オフのタイミングT4から、VB端子33の電圧が徐々に低下する。これにともない、第2電源電圧V2も低下する。スイッチ40はオン状態にあるため、第2電源電圧V2の低下にともない、第1電源電圧V1も低下し、タイミングT5で第1電源電圧V1が0Vとなる。そして、所定時間経過後、第2電源電圧V2も0Vとなる。このタイミングT6で、監視回路39はスイッチ40にオフ信号を出力し、スイッチ40がオフ状態となる。
【0042】
上記した構成によれば、図3に示すように、第2電源電圧V2と第1電源電圧V1の電位差が常に0V以上に維持される。特に、電源リレー101のオン時、オフ時においても、電位差が常に0V以上に維持される。第1電源電圧V1が第2電源電圧V2を上まわることがないので、第1入力端子51から第2入力端子52に向けて電流が流れることはない。このように、電流の回り込みを抑制し、内部回路50を保護することができる。
【0043】
なお、電流の回り込みを抑制する電源IC12の構成は、上記例に限定されない。電源IC12は、内部回路50に供給される高電圧の監視結果を取得し、この監視結果に基づいて、第1入力端子51から、高電圧が供給される入力端子に向けて電流が流れないように、第1電源電圧V1を制御する構成であればよい。
【0044】
電源IC12が監視回路39を有する例を示したが、電子制御装置10の内部であって電源IC12外に設けることもできる。また、高電圧が電子制御装置10の外部から供給される場合には、外部に設けられた監視回路から監視情報を取得することもできる。第1電源回路30として、第2電源電圧V2を降圧して第1電源電圧V1を生成する例を示したが、バッテリ電圧を降圧して第1電源電圧を生成する構成としてもよい。
【0045】
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
【0046】
図4に示すように、本実施形態の電子制御装置10は、第1実施形態に示した要素に加えて、クランプ回路60をさらに備えている。
【0047】
図4では、電源リレー駆動回路を構成するスイッチが、内部回路50とされている。この内部回路50は、第1入力端子51とMR端子55とに接続されている。内部回路50であるスイッチは、Nチャネル型のMOSFETであり、ソースが第1入力端子51に接続され、ドレインがMR端子55に接続されている。
【0048】
車両の乗員によりイグニッションスイッチ104(以下、IGSW104と示す)がオンされると、電源リレー制御回路61に、IGSW104のオンを示す信号が入力される。電源リレー制御回路61は、電源電圧VSにより動作する。したがって、電源リレー制御回路61は、IGSW104のオン信号が入力されると、内部回路50であるスイッチのゲートに、スイッチをオンさせるための駆動信号を出力する。これにより、スイッチがオンし、コイル102及び内部回路50を介して電流が流れる。そして、電源リレー101がオンし、電源IC12にバッテリ電圧が供給されるのは、上記したとおりである。
【0049】
クランプ回路60は、第1入力端子51の電圧をコア20の絶対最大定格以下に制限するために、第1入力端子51とグランドとの間に配置されている。本実施形態では、クランプ回路60として、ツェナーダイオードを採用することができる。ツェナーダイオードのカソードが第1入力端子51と電気的に接続され、アノードがグランドに接続されている。ツェナーダイオードは、コア20の絶対最大定格(たとえば1.5V)を超える逆電圧が印加されると、第1入力端子51の電圧を、絶対最大定格以下の所定電圧に保持する。本実施形態では、ツェナーダイオードが、コア20の絶対最大定格の電圧に保持する。
【0050】
上記構成によれば、IGSW104がオンされて内部回路50であるスイッチがオンしてから、電源IC12の第1電源回路30が第1電源電圧V1を生成して出力するまでの間、第1入力端子51の電圧、すなわちコア入力端子22の電圧は、クランプ回路60によってコア20の絶対最大定格に保持される。この期間において、スイッチ(内部回路50)を流れる電流は、クランプ回路60を介してグランドにも流れるようになり、コア20に流れる電流を絶対最大定格以下に抑えることができる。したがって、電源IC12から第1電源電圧V1が出力されるまでの間、コア20を保護することができる。
【0051】
一方、電源IC12から第1電源電圧V1が出力されると、コア入力端子22及び第1入力端子51に第1電源電圧V1が入力される。第1電源電圧V1は、コア20の絶対最大定格よりも電圧が低いため、クランプ回路60を介してグランドに電流が流れない。このため、第1実施形態に示したように、内部回路50、第1入力端子51、及びコア入力端子22を介して、コア20に電流が供給される。これにより、上記したように、発熱を低減することができる。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0053】
電子制御装置10としてエンジンECUの例を示したが、これに限定されない。
【0054】
電子制御装置10は、第1電源電圧V1により動作するコア20と、第2電源電圧V2(>V1)により動作する入出力回路21と、を有するマイコン11と、外部から供給される外部電源電圧を降圧して第1電源電圧V1及び第2電源電圧V2を生成し、出力する電源IC12と、第1電源電圧V1よりも高い電圧である高電圧が供給される周辺回路部13と、を少なくとも備える。周辺回路部13は、第1電源電圧V1が入力される第1入力端子51と、高電圧が入力される入力端子(たとえば第2入力端子52)と、これら端子51,52に接続されて、第1電源電圧V1と高電圧との間の電位で動作する内部回路50と、を有する。そして、マイコン11において第1電源電圧V1が入力されるコア入力端子22と、電源IC12において第1電源電圧V1を出力する第1出力端子35と、周辺回路部13の第1入力端子51とが、互いに電気的に接続されていればよい。
【符号の説明】
【0055】
10…電子制御装置、11…マイクロコンピュータ、12…電源IC、13…周辺回路部、20…コア、21…入出力回路、22…コア入力端子、23…I/O入力端子、24…グランド端子、30…第1電源回路、31…第2電源回路、32…第3電源回路、33…VB端子、34…BATT端子、35…第1出力端子、36…第2出力端子、37…第3出力端子、38…グランド端子、39…監視回路、40…スイッチ、50…内部回路、51…第1入力端子、52…第2入力端子、53…第3入力端子、54…グランド端子、55…MR端子、60…クランプ回路、61…電源リレー制御回路、100…バッテリ、101…電源リレー、102…コイル、103…接点、104…イグニッションスイッチ
図1
図2
図3
図4