特開2016-222199(P2016-222199A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222199(P2016-222199A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】車両の前部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20161205BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B62D21/00 B
   B62D25/20 C
   B62D25/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-113242(P2015-113242)
(22)【出願日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福山 龍
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB03
3D203BB16
3D203CA73
3D203CA79
3D203CB04
3D203CB09
3D203CB34
3D203DA02
3D203DA83
(57)【要約】
【課題】ブレースに滴下したエンジンオイルの拭き取り作業を作業性よく行えるようにすること。
【解決手段】ブレース40は、上向き凸である溝形横断面形状のブレース本体部42を有し、ブレース本体部42の上面46が当該ブレース本体部42の左右の側部へ向けて下り勾配に傾斜した構造にする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンルームの下方を略前後方向に延在するブレースを有する車両の前部車体構造であって、
前記ブレースは、上向き凸である溝形横断面形状のブレース本体部を有し、前記ブレース本体部の上面が当該ブレース本体部の左右の側部へ向けて下り勾配に傾斜している前部車体構造。
【請求項2】
前記ブレースは前記ブレース本体部の左右両側より左右外方にフランジ部を有し、前記フランジ部は当該フランジ部の側縁へ向けて下り勾配に傾斜している請求項1に記載の前部車体構造。
【請求項3】
前記ブレースは前後方向において上下に傾斜しており、
前記フランジ部に当該フランジ部の左右方向に延在して当該フランジ部の側縁に至る凹溝が形成されている請求項2に記載の前部車体構造。
【請求項4】
前記ブレースは前後方向において上下に傾斜しており、
前記フランジ部の前後方向の傾斜の下位側に、当該フランジ部の左右方向に延在する突条が形成されている請求項2または3に記載の前部車体構造。
【請求項5】
前後方向に延在する左右のフロントサイドフレームと、
前記左右のフロントサイドフレームの前側に取り付けられて車幅方向に延在するバルクヘッドロア部材と、
前記バルクヘッドロア部材より後方において前記左右のフロントサイドフレームに取り付けられ、左右のサスペンション部材を支持するサブフレームとを有し、
前記ブレースは、前端を前記バルクヘッドロア部材に接合され、後端を前記サブフレームに接合されている請求項1から4の何れか一項に記載の前部車体構造。
【請求項6】
前記ブレースは、各々前方に向かうに従って平面視で互いに近付く方向に傾斜する配置で左右一対設けられている請求項5に記載の前部車体構造。
【請求項7】
前縁を前記バルクヘッドロア部材に接合され且つ車幅方向の両側縁を前記一対のブレースに接合された補強部材を有する請求項6に記載の前部車体構造。
【請求項8】
前記バルクヘッドロア部材と前記サブフレームと前記左右のフロントサイドフレームとによって囲まれた部位に設けられたアンダカバーを有し、
前記補強部材に前記アンダカバーを固定する固定部が設けられている請求項7に記載の前部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部車体構造に関し、更に詳細には、エンジンルーム内にブレースを有する車両の前部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の前部車体構造として、車幅方向に延在するバルクヘッドロア部材(ラジエータサポートメンバ)と当該バルクヘッドロア部材より後方に配置されているサブフレーム(サスペンションメンバ)とを接続するブレースを有するものが知られている(特許文献1)。
【0003】
他の前部車体構造として、車幅方向に延在するクロスメンバと当該クロスメンバより後方のサイドシルとを接続するブレース(サスペンション支持フレーム)を有するものが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−104898号公報
【特許文献2】特開平3−112788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の前部車体構造のブレースは、車体前部に配置される内燃エンジンの下方を車体の斜め前後に延在する。このため、内燃エンジンのオイルフィルタの交換時にエンジンオイルがブレースの上面に滴下し、ブレースを汚損する虞がある。
【0006】
従来のブレースは、上面が平らなハット形横断面形状の鋼材によって構成されているため、ブレースの上面に滴下したエンジンオイルがブレースの上面に溜まり易い。このため、従来のブレースでは、エンジンオイルを拭き取る作業が面倒なものになり、オイルフィルタ交換時の工数が大になる。つまり、従来のブレースはエンジンオイルの滴下に関して考慮がなされていない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ブレースに滴下したエンジンオイルの拭き取り作業を作業性よく行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による車両の前部車体構造は、エンジンルーム(30)の下方を略前後方向に延在するブレース(40)を有する車両の前部車体構造であって、前記ブレース(40)は、上向き凸である溝形横断面形状のブレース本体部(42)を有し、前記ブレース本体部(42)の上面(46)が当該ブレース本体部(42)の左右の側部へ向けて下り勾配に傾斜している。
【0009】
この構成によれば、ブレース(40)の上面(46)にエンジンオイルが滴下しても、上面(46)が左右の側部に向けて下り勾配に傾斜していることから、ブレース(40)の上面(46)に滴下したエンジンオイルは上面(46)の左右の側部に向けて流れ、上面(46)に溜まることがない。これにより、ブレース(40)の上面(46)からエンジンオイルを拭き取る量が少なくなり、エンジンオイルの拭き取り作業が容易になる。
【0010】
本発明による車両の前部車体構造は、好ましくは、前記ブレース(40)は前記ブレース本体部(42)の左右両側より左右外方に延在するフランジ部(44)を有し、前記フランジ部(44)は当該フランジ部(44)の側縁(44A)へ向けて下り勾配に傾斜している。
【0011】
この構成によれば、ブレース本体部(42)からフランジ部(44)上に流れ落ちたエンジンオイルは、側縁(44A)へ向けて流れ、側縁(44A)から外部に流れ落ち、フランジ部(44)上に溜まることがない。これにより、フランジ部(44)からエンジンオイルを拭き取る量も少なくなり、エンジンオイルの拭き取り作業が容易になる。
【0012】
本発明による車両の前部車体構造は、好ましくは、前記ブレース(40)は前後方向で見て上下に傾斜しており、前記フランジ部(44)に当該フランジ部(44)の左右方向に延在して当該フランジ部(44)の側縁(44A)に至る凹溝(48)が形成されている。
【0013】
この構成によれば、フランジ部(44)上に流れ落ちたエンジンオイルが凹溝(48)に集められて凹溝(48)に案内されて凹溝(48)から外部に流れ落ちるから、ブレース(40)から床上等の定位置にエンジンオイルが集まって流れ落ち、床上等のエンジンオイルの清掃も作業性よく行われるようになる。
【0014】
本発明による車両の前部車体構造は、好ましくは、前記ブレース(40)は前後方向において上下に傾斜しており、前記フランジ部(44)の前後方向の傾斜下位側に、当該フランジ部(44)の左右方向に延在する突条(50)が形成されている。
【0015】
この構成によれば、フランジ部(44)におけるエンジンオイルの流れは突条(50)によって堰き止められ、それより後方へ流れることなく、突条(50)の部分から外部に流れ落ちるから、ブレース(40)から床上等の定位置にエンジンオイルが集まって流れ落ち、床上等のエンジンオイルの清掃も作業性よく行われるようになる。
【0016】
本発明による車両の前部車体構造は、好ましくは、前後方向に延在する左右のフロントサイドフレーム(10)と、前記左右のフロントサイドフレーム(10)の前側に取り付けられて車幅方向に延在するバルクヘッドロア部材(14)と、前記バルクヘッドロア部材(14)より後方において前記左右のフロントサイドフレーム(10)に取り付けられ、左右のサスペンション部材(22)を支持するサブフレーム(18)とを有し、前記ブレース(40)は、前端を前記バルクヘッドロア部材(14)に接合され、後端を前記サブフレーム(18)に接合されている。
【0017】
この構成によれば、バルクヘッドロア部材(14)の曲げ剛性を向上すると共に、バルクヘッドロア部材(14)およびサブフレーム(18)の捩れ剛性を向上する。
【0018】
本発明による車両の前部車体構造は、好ましくは、前記ブレース(40)は、各々前方に向かうに従って平面視で互いに近付く方向に傾斜する配置で左右一対設けられている。
【0019】
この構成によれば、バルクヘッドロア部材(14)に発生する曲げモーメントが抑制され、バルクヘッドロア部材(14)の強度が向上する。
【0020】
本発明による車両の前部車体構造は、好ましくは、前縁を前記バルクヘッドロア部材(14)に接合され且つ車幅方向の両側縁を前記一対のブレース(40)に接合された補強部材(52)を有する。
【0021】
この構成によれば、ブレース(40)の強度が向上する。
【0022】
本発明による車両の前部車体構造は、好ましくは、前記バルクヘッドロア部材(14)と前記サブフレーム(18)と前記左右のフロントサイドフレーム(10)とによって囲まれた部位に設けられたアンダカバー(54)を有し、前記補強部材(52)に前記アンダカバー(54)を湖底するための固定部(56)が設けられている。
【0023】
この構成によれば、アンダカバー(54)の支持強度が向上する。
【発明の効果】
【0024】
本発明による車両の前部車体構造によれば、ブレースの上面に滴下したエンジンオイルが上面に溜まることがない。これにより、ブレースの上面からエンジンオイルを拭き取る量が少なくなり、エンジンオイルの拭き取り作業が作業性よく行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による車両の前部車体構造の一つの実施形態を示す底面図
図2】本実施形態による前部車体構造の補強部材を取り外した状態での底面図
図3】本実施形態による前部車体構造の概略側面図
図4】本実施形態による前部車体構造のブレースの斜視図
図5図4の線V−Vに沿った拡大断面図
図6図1の線VI−VIに沿った拡大断面図
図7】本発明による車両の前部車体構造に用いられるブレースの他の実施形態を示す拡大断面図(図4の線V−Vに沿った拡大断面図相当)
図8】本発明による車両の前部車体構造に用いられるブレースの他の実施形態を示す拡大断面図(図4の線V−Vに沿った拡大断面図相当)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明による車両の前部車体構造の一つの実施形態を、図1図6を参照して説明する。
【0027】
図1図2に示されているように、前部車体構造は左右2個のフロントサイドフレーム10を有する。フロントサイドフレーム10は、各々、前後方向に延在し、後端を左右対応する側のサイドシル(不図示)の前端に接合されている。左右のフロントサイドフレーム10の後端近傍には左右対応する側のフロントフロアフレーム12の前端が接合されている。
【0028】
左右のフロントサイドフレーム10の前端にはバルクヘッドロア部材14の左右対応する側の端部が接合されている。これにより、バルクヘッドロア部材14はフロントサイドフレーム10の前端において車幅方向(左右方向)に延在している。バルクヘッドロア部材14の上部にはラジエータ16(図3参照)が取り付けられている。
【0029】
左右のフロントサイドフレーム10およびフロントフロアフレーム12にはサブフレーム18が取り付けられている。サブフレーム18は、バルクヘッドロア部材14より後方の位置において左右両側を左右対応する側のフロントサイドフレーム10およびフロントフロアフレーム12に固定され、左右のフロントサイドフレーム10を互いに接続するように配置されている。サブフレーム18は左右の前輪20のロアアーム(サスペンション部材)22を回動可能に支持している。
【0030】
左右のフロントサイドフレーム10とバルクヘッドロア部材14とサブフレーム18とに囲まれ略矩形の領域の上方空間がエンジンルーム30であり、エンジンルーム30には内燃エンジン24が配置される。内燃エンジン24の底部にはオイルフィルタ26が交換可能に取り付けられている。
【0031】
エンジンルーム30の下方には左右一対のブレース40が略前後方向に延在している。ブレース40は、各々、前端をボルト32によってバルクヘッドロア部材14の下底部に着脱可能に固定され、後端をボルト34によってサブフレーム18の前縁部に着脱可能に固定されている。本実施形態では、右側のブレース40の配置部近傍の上方にオイルフィルタ26がある。
【0032】
バルクヘッドロア部材14とサブフレーム18との間に掛け渡されたブレース40は、バルクヘッドロア部材14の曲げ剛性を向上すると共に、バルクヘッドロア部材14およびサブフレーム18の捩れ剛性を向上する。このことは、後述の如くブレース40が略ハット形横断面形状を有してブレース40の曲げ剛性および捩れ剛性が高いことにより、より一層顕著なものになる。
【0033】
左右のブレース40の前端の車幅方向の離間距離は後端の同離間距離より短く、左右のブレース40は、各々、前方に向かうに従って平面視で互いに近付く方向に傾斜する配置、つまり、ハの字形の配置になっている。更に、左右のブレース40は、各々、後方に向かうに従って下位(低位)になるべく前後方向で見て上下に傾斜している(図3参照)。つまり、ブレース40は前方より後方に向かって降下する下り勾配の配置になっている。
【0034】
バルクヘッドロア部材14に対する左右のブレース40の固定点の車幅方向の距離が大きい程、バルクヘッドロア部材14の左右方向の中央に作用する前後力によってバルクヘッドロア部材14に発生する曲げモーメントが増加し、バルクヘッドロア部材14が変形し易くなるが、左右のブレース40が平面視でハの字形の配置であることにより、上述の固定点の車幅方向の距離が短くなり、バルクヘッドロア部材14に発生する曲げモーメントが抑制される。これにより、バルクヘッドロア部材14の強度が向上する。
【0035】
ブレース40は、鋼板のプレス成形品であり、図4図5に示されているように、上向き凸である溝形横断面形状のブレース本体部42と、ブレース本体部42の左右両側部より左右外方に延出した左右のフランジ部44とを一体に有し、全体で見て略ハット形横断面形状をしている。
【0036】
ブレース本体部42は、横断面で見て左右方向の中央に位置する頂部42Aと、頂部42Aの左右両側にあって各々左右側方に向けて下り勾配の左右の傾斜部42Bと、傾斜部42Bの下位端より下方に折曲して略垂直な左右の側部42Cとを有し、上向きに凸の横断面形状を長手方向の略全域に亘って有する。ブレース本体部42の上面46は、頂部42Aおよび左右の傾斜部42Bにより構成され、ブレース本体部42の左右の側部に向けて下り勾配に傾斜している。左右の傾斜部42Bの水平面に対する傾斜角(勾配角)θaは、互いに同じで、10〜20度程度であってよい。
【0037】
左右のフランジ部44は、左右対応する側の側部42Cの下端に接続され、左右対応する側の左右の側縁へ向けて下り勾配に傾斜している。つまり、右側のフランジ部44はブレース本体部42の右側の側部42Cとの接続部より右側の側縁44Aへ向けて下り勾配に傾斜し、左側のフランジ部44はブレース本体部42の左側の側部42Cとの接続部より左側の側縁44Aへ向けて下り勾配に傾斜している。左右のフランジ部44の水平面に対する傾斜角(勾配角)θbは、互いに同じで、10〜20度程度であってよい。これにより、ブレース40は横断面で見て左右方向の中央が上向きに凸な山形のブレース本体部42の左右両側に垂れ気味のフランジ部44を有する。
【0038】
フランジ部44にはフランジ部44を左右方向に延在して側縁44Aに至る凹溝48が形成されている。凹溝48は、オイルの流出を案内する溝であり、図3に示されているように、オイルフィルタ26の前後方向位置に対応する前後方向位置より後方、つまり、前後方向に傾斜するブレース40の低位側に設けられている。
【0039】
フランジ部44にはフランジ部44の左右方向の全体を横切るように延在する突条50が形成されている。突条50は、フランジ部44の長手方向(前後方向)のオイルの堰き止めを行う堰であり、図3に示されているように、オイルフィルタ26の前後方向位置に対応する前後方向位置より後方、つまり、ブレース40の前後方向傾斜の下位側に設けられている。突条50は、凹溝48より後方、つまり凹溝48よりブレース40の前後方向傾斜の下位側に設けられていることが好ましい。
【0040】
ブレース40の前側には、図1に示されているように、前縁をボルト36によってバルクヘッドロア部材14に接合され、車幅方向の両側縁(左右両側縁)を左右対応する側のブレース40に符号×で示されている溶接点でのスポット溶接によって接合された補強板52が取り付けられている。補強板52はブレース40と共にバルクヘッドロア部材14に対して取り外し可能である。
【0041】
補強板52はブレース40の剛性を向上する。同一車種でも、2輪駆動、4輪駆動やパワーユニット等の仕様の違いにより、必要となる剛性が異なるので、必要剛性が大きい場合には補強板52を取り付け、必要剛性の違いに応じて適当な大きさや板厚、材質の補強板52が用いられればよい。これにより、ブレース40の変更によらずに、つまり共通の一つのブレース40によって仕様の違いに対応でき、ブレース40のプレス成形のための大型の金型を数多く準備する必要がなくなり、製造コストの低減が図られる。
【0042】
バルクヘッドロア部材14とサブフレーム18と左右のフロントサイドフレーム10とによって囲まれた部位、つまりエンジンルーム30の下部には樹脂成形品によるアンダカバー54がボルト38によって着脱可能に取り付けられている。補強板52の上面には、図6に示されているように、ナット56が固定されている。ナット56にはアンダカバー54を貫通したボルト58が締結されている。これにより、ナット56がアンダカバー54の追加の固定部をなす。
【0043】
補強板52にアンダカバー54の追加の固定部があることにより、アンダカバー54の支持強度が向上し、水はね衝撃によるアンダカバー54の変形が抑制される。これにより、アンダカバー54の板厚を薄くすることができ、アンダカバー54の軽量化が図られる。
【0044】
つぎに、オイルフィルタ26の交換時にブレース40の上面46に滴下したエンジンオイルの挙動について説明する。
【0045】
図3図4に示されているように、ブレース40の上面46に滴下したエンジンオイルは、上面46が傾斜部42Bによって左右の側部に向けて下り勾配に傾斜していることから、上面46の左右の側部に向けて流れ、側部42Cを伝わってフランジ部44上に流れ落ちる。フランジ部44上に流れ落ちたエンジンオイルは、フランジ部44が側縁44Aへ向けて下り勾配に傾斜していることから、側縁44Aへ向けて流れ、側縁44Aから外部に流れ落ちる。これにより、ブレース40の上面46に滴下したエンジンオイルがブレース40上に溜まることがなくなり、ブレース40からエンジンオイルを拭き取る量が少なくなるので、エンジンオイルの拭き取り作業が容易になり、その作業が作業性よく迅速に行えるようになる。
【0046】
ブレース40が前方より後方に向かって降下する下り勾配の配置になっていることにより、フランジ部44上に流れ落ちたエンジンオイルの一部あるいは多くは、フランジ部44上を前方より後方に向かって流れ、凹溝48に集められて凹溝48に案内されて凹溝48から外部に流れ落ちる。これにより、エンジンオイルはブレース40から床上等の定位置にまとまるように流れ落ちるから、床上等のエンジンオイルの清掃が作業性よく行われるようになる。
【0047】
また、フランジ部44上を前方より後方に向かって流れるエンジンオイルが凹溝48を超えて後方に流れても、そのエンジンオイルの流れは突条50によって堰き止められ、それより後方へ流れることなく、突条50の部分から外部にまとまって流れ落ちる。このことによってもブレース40から床上等に流れ落ちたエンジンオイルの清掃が作業性よく行われるようになる。突条50は、堰き止め作用によりエンジンオイルにより汚染される領域の拡大を阻止する働きもする。
【0048】
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0049】
例えば、ブレース本体部42は、図7に示されているように、頂部42Aが比較的小さい左右方向幅を有する扁平形状であってもよい。また。ブレース本体部42は、図8に示されているように、略半円形の横断面形状であってもよい。ブレース40は後方より前方に向かって降下する下り勾配の配置になっていてもよい。左右のブレース40の配置は、バルクヘッドロア部材14との接合点が左右のもので同一位置で、平面視でV字形をしていてもよい。
【0050】
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 フロントサイドフレーム
12 フロントフロアフレーム
14 バルクヘッドロア部材
16 ラジエータ
18 サブフレーム
20 前輪
22 ロアアーム(サスペンション部材)
24 内燃エンジン
26 オイルフィルタ
30 エンジンルーム
40 ブレース
42 ブレース本体部
42A 頂部
42B 傾斜部
42C 側部
44 フランジ部
44A 側縁
46 上面
48 凹溝
50 突条
52 補強板
54 アンダカバー
56 ナット(固定部)
58 ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8