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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222201(P2016-222201A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】乗員保護装置の配設構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/187 20060101AFI20161205BHJP
   B60R 21/206 20110101ALI20161205BHJP
【FI】
   B62D1/187
   B60R21/206
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-113315(P2015-113315)
(22)【出願日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 一洋
【テーマコード(参考)】
3D030
3D054
【Fターム(参考)】
3D030DC14
3D030DC37
3D030DD05
3D030DD18
3D030DD19
3D030DD65
3D030DE03
3D054AA02
3D054AA08
3D054AA14
3D054BB10
3D054BB18
(57)【要約】
【課題】車両の衝突時に、展開膨張するバッグ部53と共に運転席8の乗員9の膝部9aが車両前側に移動したとしても、電動パワーステアリング装置1の駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51がその膝部9aの移動を出来る限り妨げないようにする。
【解決手段】膝保護用エアバッグ装置51を、電動パワーステアリング装置1の、ステアリングコラム18に設けられた駆動部26の下側に設ける。好ましくは、膝保護用エアバッグ装置51を、駆動部26に取り付ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングホイールを支持しかつステアリングメンバに取り付けられたステアリングコラムを有する電動パワーステアリング装置と、該車両の衝突時に膨張展開するバッグ部を有し、該バッグ部の膨張展開により、該車両の運転席に着座した乗員の膝部を保護する膝保護用エアバッグ装置とを備えた、乗員保護装置の配設構造であって、
上記ステアリングコラムには、上記電動パワーステアリング装置の駆動部が設けられ、
上記膝保護用エアバッグ装置は、上記駆動部の下側に設けられていることを特徴とする乗員保護装置の配設構造。
【請求項2】
請求項1記載の乗員保護装置の配設構造において、
上記膝保護用エアバッグ装置は、上記駆動部に取り付けられていることを特徴とする乗員保護装置の配設構造。
【請求項3】
請求項2記載の乗員保護装置の配設構造において、
上記ステアリングコラムは、上記ステアリングホイールの上下位置を調節するためのチルト機構を有し、
上記膝保護用エアバッグ装置の車両後側に、インストルメントパネルのロアパネル部が位置しており、
上記膝保護用エアバッグ装置は、上記車両の衝突時に上記バッグ部が上記ロアパネル部の下端の下側を通って該ロアパネル部の車両後側に膨張展開するように構成されていることを特徴とする乗員保護装置の配設構造。
【請求項4】
請求項2又は3記載の乗員保護装置の配設構造において、
上記ステアリングコラムは、該ステアリングコラムの上記ステアリングメンバへの取付部として、車両前後方向に離れた前側取付部及び後側取付部を有し、
上記駆動部は、車両前後方向において、上記前側取付部及び上記後側取付部の間に位置していることを特徴とする乗員保護装置の配設構造。
【請求項5】
請求項4記載の乗員保護装置の配設構造において、
上記ステアリングメンバは、車幅方向に延びるパイプ部材で構成され、
上記駆動部は、上記パイプ部材の下側に位置しており、
上記パイプ部材、上記駆動部及び上記膝保護用エアバッグ装置が、上下方向に並設されていることを特徴とする乗員保護装置の配設構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の乗員保護装置の配設構造において、
上記駆動部は、モータケースからモータ軸が車幅方向に突出するように配設された駆動モータと、該駆動モータのモータ軸に結合された駆動ギヤとを有し、
上記駆動モータのモータケースの径は、上記駆動ギヤの径よりも大きくされ、
上記膝保護用エアバッグ装置は、車幅方向に延びかつ上記バッグ部にガスを供給するインフレータと、車幅方向に延びかつ該インフレータ及び上記バッグ部を収容するハウジングとを更に有し、
上記ハウジングは、上記モータケース及び上記駆動ギヤの下側に設けられ、
上記インフレータは、上記ハウジング内において、車幅方向の上記駆動ギヤ側に片寄って配置されていることを特徴とする乗員保護装置の配設構造。
【請求項7】
請求項6記載の乗員保護装置の配設構造において、
上記ハウジングの上部における車幅方向の上記モータケース側の部分に、該モータケースが入り込む凹部が形成されていることを特徴とする乗員保護装置の配設構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の衝突時に、該車両の運転席に着座した乗員の膝部を保護する膝保護用エアバッグ装置を備えた、乗員保護装置の配設構造に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の衝突時に、バッグ部が膨張展開することにより、車両の運転席に着座した乗員の膝部を保護する膝保護用エアバッグ装置が知られており、このような膝保護用エアバッグ装置は、インストルメントパネルのロアパネル部に設けた開口からバッグ部が膨張展開するように、インストルメントパネル内における該開口の近傍に設けられたり、コラムカバーに設けた開口からバッグ部が膨張展開するように、コラムカバー内に設けられたりすることが多い。
【0003】
膝保護用エアバッグ装置を、上記のように、インストルメントパネルのロアパネル部の開口からバッグ部が膨張展開するように設ける場合、バッグ部の膨張展開時の反力に耐え得るように、膝保護用エアバッグ装置をステアリングメンバーやセンターステー、車体(特にダッシュパネル)等の高強度部材に支持する必要があるが、そのような高強度部材が膝保護用エアバッグ装置の配設位置から遠くにあり、膝保護用エアバッグ装置の上記高強度部材への取付部が長くなってしまう。このため、その取付部のレイアウトの問題が生じたり、該取付部の長大化による車両重量の増大を招いたりする。
【0004】
一方、膝保護用エアバッグ装置をコラムカバー内に設ける場合には、膝保護用エアバッグ装置をステアリングコラムに固定することで、膝保護用エアバッグ装置の取付部を長く延ばす必要がなくて、コンパクトでかつ軽量な構成にすることが可能である。しかし、ステアリングコラムにおけるステアリングホイールに近い部分で重量物を支持すると、その重量物によりステアリングホイールの振動性能が悪化する虞がある。
【0005】
そこで、例えば特許文献1では、膝保護用エアバッグ装置を、インストルメントパネルのロアパネル部の開口からバッグ部が膨張展開するように、ステアリングコラムの下側に配設するとともに、その膝保護用エアバッグ装置を、ステアリングコラムにおけるステアリングホイールから離れた部分(車両前側の端部)に取り付けるようにしている。これにより、ステアリングホイールの振動性能の悪化を抑制しながら、コンパクトでかつ軽量な構成にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−13148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ステアリングコラムの車両前側の端部の下部には、通常、電動パワーステアリング装置の駆動部(駆動モータや、該駆動モータのモータ軸に結合された駆動ギヤ等)が設けられている。この駆動部は、乗員の膝部と略同じ高さ位置にある。このため、特許文献1のように膝保護用エアバッグ装置をステアリングコラムの下側に配設する場合、膝保護用エアバッグ装置と上記駆動部との位置関係が問題となる。例えば、上記駆動部の車両後側(乗員側)に膝保護用エアバッグ装置を配設した場合には、膝保護用エアバッグ装置と乗員の膝部との間の距離、及び、膝保護用エアバッグ装置と上記駆動部との間の距離を大きくすることが困難であり、このため、車両の衝突時に、展開膨張するバッグ部と共に運転席の乗員の膝部が車両前側に移動した場合、その膝部がインストルメントパネルのロアパネル部を介して膝保護用エアバッグ装置に直ぐに当接することになるが、このとき、膝保護用エアバッグ装置は上記駆動部により車両前側には移動できず、したがって、上記駆動部及び膝保護用エアバッグ装置によってその膝部の移動が妨げられることになる。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、膝保護用エアバッグ装置の配設位置を適切にすることによって、車両の衝突時に、展開膨張するバッグ部と共に運転席の乗員の膝部が車両前側に移動したとしても、電動パワーステアリング装置の駆動部及び膝保護用エアバッグ装置がその膝部の移動を出来る限り妨げないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明では、車両のステアリングホイールを支持しかつステアリングメンバに取り付けられたステアリングコラムを有する電動パワーステアリング装置と、該車両の衝突時に膨張展開するバッグ部を有し、該バッグ部の膨張展開により、該車両の運転席に着座した乗員の膝部を保護する膝保護用エアバッグ装置とを備えた、乗員保護装置の配設構造を対象として、上記ステアリングコラムには、上記電動パワーステアリング装置の駆動部が設けられ、上記膝保護用エアバッグ装置は、上記駆動部の下側に設けられている、構成とした。
【0010】
上記の構成により、膝保護用エアバッグ装置が駆動部の下側に設けられているので、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置と乗員の膝部との間の距離を大きくとることができ、この結果、車両の衝突時に、展開膨張するバッグ部と共に運転席の乗員の膝部が車両前側に移動したとしても、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置がその膝部の移動を出来る限り妨げないようにすることができる。
【0011】
上記乗員保護装置の配設構造において、上記膝保護用エアバッグ装置は、上記駆動部に取り付けられている、ことが好ましい。
【0012】
このことにより、膝保護用エアバッグ装置を、その近傍に位置する駆動部に取り付けることで、膝保護用エアバッグ装置の取付部を長く延ばす必要がなく、コンパクトでかつ軽量な構成にすることができる。また、駆動部は、通常、ステアリングコラムの車両前側の端部に設けられるので、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置からなる重量物によるステアリングホイールの振動性能への悪影響を抑制することができる。尚、駆動部は、高い支持性でもってステアリングコラムに支持されるので、膝保護用エアバッグ装置を駆動部に取り付けても、膝保護用エアバッグ装置は、バッグ部の膨張展開時の反力に耐えるように支持される。
【0013】
上記のように、上記膝保護用エアバッグ装置が上記駆動部に取り付けられている場合において、上記ステアリングコラムは、上記ステアリングホイールの上下位置を調節するためのチルト機構を有し、上記膝保護用エアバッグ装置の車両後側に、インストルメントパネルのロアパネル部が位置しており、上記膝保護用エアバッグ装置は、上記車両の衝突時に上記バッグ部が上記ロアパネル部の下端の下側を通って該ロアパネル部の車両後側に膨張展開するように構成されている、ことが好ましい。
【0014】
すなわち、ステアリングコラムがチルト機構を有する場合、そのチルト機構によってステアリングコラムがチルト支軸回りに揺動することになり、この揺動に伴って膝保護用エアバッグ装置の上下位置が変化する。ここで、膝保護用エアバッグ装置を、インストルメントパネルのロアパネル部に形成した開口からバッグ部が膨張展開するように構成した場合、チルト機構によって膝保護用エアバッグ装置の上下位置が変化するため、膝保護用エアバッグ装置におけるバッグ部の飛出し部位とロアパネル部の開口との合い沿い性が問題となる。しかし、膝保護用エアバッグ装置を、バッグ部がロアパネル部の下端の下側を通って該ロアパネル部の車両後側に膨張展開するように構成した場合には、チルト機構によって膝保護用エアバッグ装置の上下位置が変化しても、上記のような合い沿い性の問題は生じず、簡単な構成で、バッグ部を乗員の膝部の前側に膨張展開させることができる。
【0015】
また、上記膝保護用エアバッグ装置が駆動部に取り付けられている場合、上記ステアリングコラムは、該ステアリングコラムの上記ステアリングメンバへの取付部として、車両前後方向に離れた前側取付部及び後側取付部を有し、上記駆動部は、車両前後方向において、上記前側取付部及び上記後側取付部の間に位置している、ことが好ましい。
【0016】
このことで、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置からなる重量物が、車両前後方向において、前側取付部及び後側取付部の間に位置することになり、ステアリングコラム全体の重心が、車両前後方向において、前側取付部及び後側取付部の間に位置することになる。この結果、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置の支持性を向上させることができるとともに、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置からなる重量物によるステアリングホイールの振動性能への悪影響を抑制することができる。
【0017】
上記のような位置に上記駆動部が位置する場合、上記ステアリングメンバは、車幅方向に延びるパイプ部材で構成され、上記駆動部は、上記パイプ部材の下側に位置しており、上記パイプ部材、上記駆動部及び上記膝保護用エアバッグ装置が、上下方向に並設されている、ことが好ましい。
【0018】
こうすることで、ステアリングコラム全体の重心が前側取付部及び後側取付部の間でかつパイプ部材の下側に位置することになり、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置の支持性をより一層向上させることができるとともに、上記重量物によるステアリングホイールの振動性能への悪影響をより一層有効に抑制することができる。
【0019】
上記乗員保護装置の配設構造において、上記駆動部は、モータケースからモータ軸が車幅方向に突出するように配設された駆動モータと、該駆動モータのモータ軸に結合された駆動ギヤとを有し、上記駆動モータのモータケースの径は、上記駆動ギヤの径よりも大きくされ、上記膝保護用エアバッグ装置は、車幅方向に延びかつ上記バッグ部にガスを供給するインフレータと、車幅方向に延びかつ該インフレータ及び上記バッグ部を収容するハウジングとを更に有し、上記ハウジングは、上記モータケース及び上記駆動ギヤの下側に設けられ、上記インフレータは、上記ハウジング内において、車幅方向の上記駆動ギヤ側に片寄って配置されている、ことが好ましい。
【0020】
このことにより、膝保護用エアバッグ装置を駆動部に近接させて配設することができ、この結果、膝保護用エアバッグ装置を含むステアリングコラム全体の上下方向の長さを小さくすることができる。
【0021】
上記のように、上記インフレータが、上記ハウジング内において、車幅方向の上記駆動ギヤ側に片寄って配置されている場合、上記ハウジングの上部における車幅方向の上記モータケース側の部分に、該モータケースが入り込む凹部が形成されている、ことが好ましい。
【0022】
このことで、膝保護用エアバッグ装置を駆動部により一層近接させることができて、膝保護用エアバッグ装置を含むステアリングコラム全体の上下方向の長さをより一層小さくすることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明の乗員保護装置の配設構造によると、膝保護用エアバッグ装置が、電動パワーステアリング装置の、ステアリングコラムに設けられた駆動部の下側に設けられていることにより、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置と乗員の膝部との間の距離を大きくして、車両の衝突時に、展開膨張するバッグ部と共に運転席の乗員の膝部が車両前側に移動したとしても、駆動部及び膝保護用エアバッグ装置がその膝部の移動を出来る限り妨げないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態1に係る乗員保護装置の配設構造が適用された車両の電動パワーステアリング装置及び膝保護用エアバッグ装置を示す、インストルメントパネルの車両後側から見た図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3図1のインストルメントパネル及びメータカバーを取り除いた図である。
図4図3のIV方向矢示図である。
図5】実施形態2を示す図3相当図である。
図6】実施形態2における膝保護用エアバッグ装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1図4は、本発明の実施形態1に係る乗員保護装置の配設構造が適用された車両の電動パワーステアリング装置1及び膝保護用エアバッグ装置51を示す。電動パワーステアリング装置1は、インストルメントパネル2の車両左側の部分に設けられている。すなわち、本実施形態では、上記車両は、左ハンドル車である。
【0027】
インストルメントパネル2は、主として、アッパパネル部2aと、その下側に位置するロアパネル部2bとで構成されている。ロアパネル部2bにおけるアッパパネル部2aとの境界部には、電動パワーステアリング装置1における後述のステアリングコラム18が挿通される開口部2cが形成されている。アッパパネル部2aにおける開口部2cの上側には、メータ3の車両後側を覆うメータカバー4が設けられている。
【0028】
インストルメントパネル2内には、車幅方向に延びるパイプ部材で構成されたステアリングメンバ6(インストルメントパネルメンバとも呼ばれる)が配設されている。このステアリングメンバ6の車幅方向中央部には、上下方向に延びるセンターステー7の上端部が連結固定され(図3参照)、このセンターステー7の下端部は、上記車両のフロアパネルの車幅方向中央部に形成されたフロアトンネル部(図示せず)に固定される。
【0029】
電動パワーステアリング装置1は、上記車両の運転席8(図2参照)に着座した乗員9(ドライバ)が回転操作するステアリングホイール11と、車両後側の端部が該ステアリングホイール11の中心部に連結されたステアリングシャフト12と、車両後側の端部が該ステアリングシャフト12の車両前側の端部に自在継手13を介して連結された中間軸14とを有している。また、図示は省略するが、電動パワーステアリング装置1は、一端部が中間軸14の車両前側の端部に自在継手を介して連結されかつ他端部にピニオンが設けられたピニオン軸と、このピニオン軸のピニオンと噛み合うラックが設けられたラック軸とを更に有している。このラック軸は、車幅方向に延びかつ車幅方向に移動可能に支持されている。このラック軸の両端部は、タイロッド及びナックルアームを介してそれぞれ左右の転舵輪(前輪)に連結される。
【0030】
電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール11を支持するステアリングコラム18を更に有している。このステアリングコラム18は、上記ステアリングシャフト12と、該ステアリングシャフト12を覆いかつ後述の如くステアリングメンバ6に取り付けられて支持されるコラムチューブ19とで構成されている。コラムチューブ19は、車両前側に位置する前側部19aと、車両後側に位置しかつ前側部19aよりも大径である後側部19bとで構成され、前側部19aの車両後側部分に、後側部19bの車両前側部分が外嵌合され、後側部19bは、前側部19aに対して、コラムチューブ19の軸心方向(ステアリングシャフト12の軸心方向)に移動可能になされている。後側部19bは、バネ21によって、後述の第2ブラケット32(つまり前側部19a)に対してコラムチューブ19の軸心方向の車両後側に付勢されている。
【0031】
ステアリングコラム18(ステアリングシャフト12及びコラムチューブ19)は、車両後側に向かって上側に傾斜するように車両前後方向に延びている。このステアリングコラム18の水平に対する傾斜角度は、後述のチルト機構41によって、調整可能になされている。そして、ステアリングコラム18は、インストルメントパネル2のロアパネル部2bの開口部2cに挿通されて、インストルメントパネル2よりも車両後側に突出している。ステアリングシャフト12は、不図示の軸受を介してコラムチューブ19(前側部19a及び後側部19b)に回転可能に支持されている。また、ステアリングシャフト12は、コラムチューブ19の後側部19bよりも車両後側に延びて、該ステアリングシャフト12の車両後側の端部に、上記ステアリングホイール11が取り付けられている。こうしてステアリングホイール11が、ステアリングコラム18によって支持されることになる。さらに、ステアリングシャフト12は、コラムチューブ19の前側部19aよりも車両前側に延びて、その車両前側の端部が自在継手13を介して中間軸14に連結されることになる。
【0032】
ステアリングコラム18の車両後側の部分(コラムチューブ19の後側部19bにおいて、インストルメントパネル2よりも車両後側に突出した部分及びその車両前側の近傍部)は、樹脂製のコラムカバー20によって覆われている。このコラムカバー20は、コラムチューブ19の後側部19bに固定されている。
【0033】
ステアリングホイール11の中心部に設けられたパッド部11aには、図示は省略するが、乗員9の上半身(頭部及び胸部)を保護する周知の上半身保護用エアバッグ装置が設けられている。この上半身保護用エアバッグ装置は、上記車両の衝突時(特に前面衝突時)に乗員9の上半身の前側に膨張展開するバッグ部を有していて、このバッグ部の膨張展開により、乗員9の上半身を保護する。
【0034】
コラムチューブ19の前側部19aにおける車両前側の端部には、略リング状のホイール収容部材22が固定されている。このホイール収容部材22に、筒状のウォーム収容部材23を介して、操舵補助用の駆動モータ24が固定されている。この駆動モータ24は、ステアリングコラム18に対して車幅方向一側(本実施形態では、車両左側)に配設されているとともに、モータケース24aからモータ軸24b(図3及び図4参照)が車幅方向他側(本実施形態では、車両右側)に突出して延びるように設けられている。駆動モータ24は、ホイール収容部材22及びウォーム収容部材23を介して、ステアリングコラム18に設けられていることになる。駆動モータ24のモータ軸24bには、駆動ギヤとしてのウォーム25(図3及び図4参照)が一体的に回転するように結合されている。このウォーム25は、上記ウォーム収容部材23内に収容されている。ウォーム収容部材23及びウォーム25は、車幅方向に延びており、ウォーム収容部材23はモータケース24aと車幅方向に並んでいる。駆動モータ24のモータケース24aの径)は、上記ウォーム25の径よりも大きくかつウォーム収容部材23の径よりも大きい。本実施形態では、駆動モータ24、ウォーム25及びウォーム収容部材23が、電動パワーステアリング装置1の駆動部26を構成する。駆動部26は、ステアリングコラム18における車両前側の端部の下部に設けられていることになる。
【0035】
ホイール収容部材22内には、ウォーム25と噛み合いかつステアリングシャフト12に連結されたウォームホイール27(図3及び図4参照)が収容されている。ウォーム25及びウォームホイール27によって、駆動モータ24の動力が減速されてステアリングシャフト12に伝達されることになる。こうして駆動モータ24により、ステアリングホイール11に対する操舵力がアシストされる。
【0036】
ステアリングコラム18は、ステアリングメンバ6に取り付けられている。具体的には、ステアリングメンバ6(パイプ部材)に、第1ブラケット31が溶接により固定されている。この第1ブラケット31の車両前後方向に離れた前後2箇所に、それぞれ第2及び第3ブラケット32,33を介してステアリングコラム18が固定されている。第2ブラケット32は、第1ブラケット31における車両前側の部分に締結部材(埋込ボルト35及びナット36)を介して固定され、第3ブラケット33は、第1ブラケット31における車両後側の部分に締結部材(埋込ボルト37及びナット38)を介して固定されている。第2及び第3ブラケット32,33は、車両前後方向に離れた前側取付部及び後側取付部にそれぞれ相当する。
【0037】
上記駆動部26(駆動モータ24、ウォーム25及びウォーム収容部材23)は、車両前後方向において、第2ブラケット32及び第3ブラケット33の間(上記前側取付部及び上記後側取付部の間)に位置している。また、駆動部26は、ステアリングメンバ6(パイプ部材)の下側に位置している。
【0038】
本実施形態では、ステアリングコラム18は、ステアリングホイール11の上下位置を調節する(ステアリングコラム18の水平に対する傾斜角度を調整する)ためのチルト機構41を有している。具体的には、第3ブラケット33は、第1ブラケット31に固定された第1部33aと、ホイール収容部材22に固定されかつホイール収容部材22から車両前側に延びる第2部33bとで構成されている。第1部33aと第2部33bとは、車幅方向に延びる回動軸43回りに互いに回動可能に連結されている。これにより、ステアリングコラム18は、回動軸43回りに回動(揺動)可能にステアリングメンバ6に支持されることになる。こうして、ステアリングコラム18及びステアリングホイール11は、回動軸43回りの回動によって上下移動可能となり、チルト調節可能になる。回動軸43はチルト支軸であって、本実施形態では、ステアリングメンバ6(パイプ部材)に対して車両後側の近傍に位置する。
【0039】
ステアリングコラム18(詳細には、コラムチューブ19の後側部19b)は、第2ブラケット32に対して、チルト調節時の上下にスライド可能に連結されている。ステアリングコラム18には、コラムチューブ19の第2ブラケット32に対する固定及び固定解除を行うための操作レバー44が設けられている。この操作レバー44は、第2ブラケット32に車幅方向に延びるように設けられた支持軸45の軸心を中心に回動可能に支持されていて、その支持軸45の車幅方向一側(本実施形態では、車両左側)の部分から、コラムカバー20の下面に設けた凹部20a内を通ってインストルメントパネル2よりも車両後側に延びており、その操作レバー44の車両後側の端部を乗員9が上下方向に操作することができる。乗員9が操作レバー44の車両後側の端部を下側に押して操作レバー44を支持軸45の軸心を中心に図2で時計回りに回動させると、コラムチューブ19(後側部19b)が第2ブラケット32に対して上下にスライド可能になって、ステアリングホイール11のチルト調節が可能になる。このとき、本実施形態では、後側部19bが第2ブラケット32(つまり前側部19a)に対してコラムチューブ19の軸心方向に移動可能になり、ステアリングホイール11の車両前後方向の調整も可能になる。このチルト調節後に乗員9が操作レバー44の車両後側の端部を持ち上げて操作レバー44を支持軸45の軸心を中心に図2で反時計回りに回動させると、コラムチューブ19が第2ブラケット32に対して固定されて、ステアリングホイール11は、チルト調節した位置で固定されることになる。また、後側部19bが第2ブラケット32(前側部19a)に対して固定される。
【0040】
本実施形態では、上記上半身保護用エアバッグ装置に加えて、乗員9の膝部9aを保護する膝保護用エアバッグ装置51が設けられている。この膝保護用エアバッグ装置51は、車幅方向に延びるインフレータ52と、上記車両の衝突時(特に前面衝突時)に、インフレータ52からのガスの供給を受けて膨張展開するバッグ部53とを有していて、該バッグ部53の膨張展開により、乗員9の膝部9aを保護する(図2参照)。
【0041】
膝保護用エアバッグ装置51は、車幅方向に延びかつインフレータ52及びバッグ部53を収容するハウジング54を更に有している。このハウジング54の車両後側の面には、ハウジング54の内外を連通する開口54aが形成されている。この開口54aは、車両後側から見て略矩形状をなしていて、バッグ部53の膨張展開力により容易に破れるような閉塞部材55(例えば紙等からなる)によって閉塞されている。尚、閉塞部材55はなくてもよい。
【0042】
ハウジング54内における開口54aとは反対側(車両前側)の部分にインフレータ52が配設され、開口54a側の部分に、バッグ部53が折り畳まれた状態で配設されている。本実施形態では、インフレータ52は、図3に示すように、ハウジング54内において、ハウジング54の長手方向(車幅方向)の中央に対して略対称な位置に位置し、インフレータ52の長手方向(車幅方向)の両端部が、支持部材56を介して、ハウジング54における車幅方向両側の側壁部にそれぞれ支持固定されている。
【0043】
膝保護用エアバッグ装置51は、電動パワーステアリング装置1の駆動部26の下側に設けられている。すなわち、膝保護用エアバッグ装置51(ハウジング54)が、車幅方向に並ぶ駆動モータ24のモータケース24a及びウォーム収容部材23(ウォーム25)の下側に設けられている。
【0044】
膝保護用エアバッグ装置51のハウジング54の上面における車幅方向に離れた2箇所には、該膝保護用エアバッグ装置51を駆動モータ24のモータケース24aとウォーム収容部材23とにそれぞれ取り付けるための第1取付部54b及び第2取付部54cが、上側に延びるように設けられている。モータケース24aには、車両後側に突出する突出部24cが形成され、この突出部24cの突出先端面が、車両後側を向く鉛直面とされている。この突出部24cの突出先端面に、第1取付部54bの車両前側の面が当接された状態で、ボルト58により第1取付部54bが固定される。また、同様に、ウォーム収容部材23の車両右側の端部にも、車両後側に突出する突出部23aが形成され、この突出部23aの突出先端面が、車両後側を向く鉛直面とされている。この突出部23aの突出先端面に、第2取付部54cの車両前側の面が当接された状態で、ボルト59により第2取付部54cが固定される。
【0045】
このようにして膝保護用エアバッグ装置51は、その上側に近接する駆動部26(駆動モータ24及びウォーム収容部材23)に取り付けられる。この取付構成により、ハウジング54の第1取付部54b及び第2取付部54cを、ハウジング54から遠く離れたステアリングメンバ6やセンターステー7等にまで延ばす必要がない。また、本実施形態の取付構成では、膝保護用エアバッグ装置51(ハウジング54)を、駆動部26に対して車両後側から締結固定することができる。これにより、膝保護用エアバッグ装置51を駆動部26に容易に締結固定することができる。すなわち、通常、予めインストルメントパネル2にステアリングメンバ6及び電動パワーステアリング装置1を組み込んでサブアセンブリ状態とした後、そのサブアセンブリ状態のインストルメントパネル2を車体に組み付けることになるが、サブアセンブリ状態のインストルメントパネル2を車体に組み付ける前であっても後であっても、膝保護用エアバッグ装置51を駆動部26に容易に締結固定することができる。
【0046】
図2に示すように、膝保護用エアバッグ装置51の車両後側に、インストルメントパネル2のロアパネル部2bが位置している。膝保護用エアバッグ装置51は、ロアパネル部2bに対して車両前側に所定距離以上離間して設けられる。ロアパネル部2bは、その上側の部分ほど車両後側に位置しているので、膝保護用エアバッグ装置51に対して上側に位置する駆動部26とロアパネル部2bとの間の車両前後方向の距離は、膝保護用エアバッグ装置51とロアパネル部2bとの間の車両前後方向の距離よりも大きい。このように膝保護用エアバッグ装置51及び駆動部26を、ロアパネル部2bよりも出来る限り車両前側に配設して、膝保護用エアバッグ装置51及び駆動部26と乗員9の膝部9aとの間の車両前後方向の距離を出来る限り大きくする。
【0047】
図2に示すように、膝保護用エアバッグ装置51は、上記車両の衝突時(特に前面衝突時)にバッグ部53がロアパネル部2bの下端の下側を通って該ロアパネル部2bの車両後側(乗員9の膝部9aの車両前側)に膨張展開するように構成されている。開口54aは、車両後側でかつ下側を向いており、これにより、バッグ部53は、その膨張展開初期に、車両後側かつ下側に向かうことになり、この結果、バッグ部53がロアパネル部2bの下端に当接し難くなる。そして、バッグ部53は、その膨張展開が進むと、バッグ部53の予め設定された形状から、車両後側でかつ上側へ向かうようになっている。
【0048】
バッグ部53は、膨張展開完了後において、車幅方向から見て、略J字状をなしており、バッグ部53の展開先端部は、乗員9の膝部9aよりも上側に位置している。また、バッグ部53は、膨張展開完了後において、ステアリングシャフト12の軸心を含む仮想の鉛直面に対して略対称な形状をなしているとともに、乗員9の左右両膝部9aを保護できるような幅(車幅方向の長さ)を有している。
【0049】
膝保護用エアバッグ装置51は、駆動部26の下側に位置することで、膝保護用エアバッグ装置51も、駆動部26と同様に、車両前後方向において、第2ブラケット32及び第3ブラケット33の間(前側取付部及び後側取付部の間)に位置する。これにより、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51からなる重量物が、車両前後方向において、第2ブラケット32及び第3ブラケット33の間に位置することになり、ステアリングコラム18全体の重心が、車両前後方向において、第2ブラケット32及び第3ブラケット33の間の間に位置することになる。この結果、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51の支持性を向上させることができるとともに、上記重量物がステアリングホイール11の振動性能に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0050】
また、ステアリングメンバ6(パイプ部材)、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51が、上下方向に並設される。これにより、ステアリングコラム18全体の重心がステアリングメンバ6(パイプ部材)の下側に位置することになり、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51の支持性をより一層向上させることができるとともに、上記重量物によるステアリングホイール11の振動性能への悪影響をより一層有効に抑制することができる。
【0051】
さらに、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51は、チルト支軸である回動軸43よりも車両後側に位置している。また、上記のように、回動軸43は、ステアリングメンバ6(パイプ部材)に対して車両後側の近傍に位置するので、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51と回動軸43との間の車両前後方向の距離は比較的短い。したがって、ステアリングコラム18に上記重量物が支持されていても、ステアリングホイール11のチルト調節を容易に行うことができる。
【0052】
本実施形態では、膝保護用エアバッグ装置51が、ステアリングコラム18に設けられた、電動パワーステアリング装置1の駆動部26の下側に設けられているので、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51と運転席8の乗員9の膝部9aとの間の車両前後方向の距離を大きくとることができる。この結果、車両の衝突時(特に前面衝突時)に、展開膨張するバッグ部53と共に乗員9の膝部9aが車両前側に移動したとしても、駆動部26及び膝保護用エアバッグ装置51がその膝部9aの移動を出来る限り妨げないようにすることができる。
【0053】
また、膝保護用エアバッグ装置51が、その上側近傍に位置する駆動部26に取り付けることで、ハウジング54の第1取付部54b及び第2取付部54c(膝保護用エアバッグ装置51の取付部)を長く延ばす必要がなく、コンパクトでかつ軽量な構成にすることができる。
【0054】
さらに、本実施形態では、ステアリングコラム18がチルト機構41を有する。この場合、ステアリングコラム18の回動軸43回りの揺動に伴って膝保護用エアバッグ装置51の上下位置が変化する。ここで、膝保護用エアバッグ装置51を、インストルメントパネル2のロアパネル部2bに形成した開口からバッグ部53が膨張展開するように構成した場合、チルト機構41によって膝保護用エアバッグ装置51の上下位置が変化するため、膝保護用エアバッグ装置51におけるバッグ部53の飛出し部位(開口54a)とロアパネル部2bの上記開口との合い沿い性が問題となる。しかし、本実施形態では、膝保護用エアバッグ装置51が、バッグ部53がロアパネル部2bの下端の下側を通って該ロアパネル部2bの車両後側に膨張展開するように構成されているので、チルト機構41によって膝保護用エアバッグ装置51の上下位置が変化しても、上記のような合い沿い性の問題は生じない。したがって、簡単な構成で、バッグ部53を乗員9の膝部9aの前側に膨張展開させることができる。
【0055】
(実施形態2)
図5及び図6は、本発明の実施形態2を示す。本実施形態では、膝保護用エアバッグ装置51の構成が上記実施形態1とは異なり、その他の構成は、基本的に、実施形態1と同様である。
【0056】
本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、膝保護用エアバッグ装置51(ハウジング54)が、車幅方向に並ぶ駆動モータ24のモータケース24a及びウォーム収容部材23(ウォーム25)の下側に設けられているとともに、第1取付部54b及び第2取付部54cを介してモータケース24aとウォーム収容部材23とにそれぞれ取り付けられている。
【0057】
そして、本実施形態では、膝保護用エアバッグ装置51のインフレータ52が、ハウジング54内の開口54aとは反対側部分において、車幅方向のウォーム収容部材23側(ウォーム25側)に片寄って配置されている。この配置状態で、インフレータ52は、埋込ボルト61及びナット62により、ハウジング54に固定されている。
【0058】
また、図6に示すように、ハウジング54の上部における車幅方向のウォーム収容部材23側(ウォーム25側)の部分(インフレータ52が収容されている部分とは反対側の部分)には、モータケース24aが入り込む凹部54dが形成されている。
【0059】
ハウジング54は、該ハウジング54の上面がウォーム収容部材23の下部に近接する高さ位置に配設されている。この場合、凹部54dが無いとすると、ウォーム収容部材23の径よりも大きい径を有するモータケース24aがハウジング54と干渉することになるが、本実施形態では、凹部54dの形成により、モータケース24aとハウジング54との干渉を防止するようにしている。
【0060】
尚、図5及び図6では、バッグ部53を記載していないが、折り畳まれた状態のバッグ部53の配設位置並びにバッグ部53の展開形状及び展開位置は、上記実施形態1と同様である。また、ハウジング54の開口54aの車両後側から見た形状や、開口54a周縁部の車幅方向から見た形状、開口54aが閉塞部材55によって覆われている構成も、上記実施形態1と同様である。
【0061】
したがって、本実施形態では、上記実施形態1と同様の作用効果が得られるとともに、膝保護用エアバッグ装置51を駆動部26に出来る限り近接させることができ、膝保護用エアバッグ装置51を含むステアリングコラム18全体の上下方向の長さを小さくすることができる。また、第1取付部54b及び第2取付部54c(特に第2取付部54c)の長さをより一層短くすることができ、膝保護用エアバッグ装置51の支持性を向上させることができる。
【0062】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態1及び2では、膝保護用エアバッグ装置51が、第1取付部54b及び第2取付部54cにより電動パワーステアリング装置1の駆動部26に取り付けられているが、膝保護用エアバッグ装置51を駆動部26に取り付ける代わりに、膝保護用エアバッグ装置51を、ステアリングコラム18のコラムチューブ19、ステアリングメンバ6(パイプ部材)、センターステー7、車体(特にダッシュパネル)等に取り付けるようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態1及び2では、ステアリングコラム18がチルト機構41を有しているが、このチルト機構41が無くてもよい。この場合、バッグ部53が、ロアパネル部2bに形成した開口から膨張展開するように構成することが容易にできる。チルト機構41が無い場合でも、上記実施形態のように、バッグ部53が、ロアパネル部2bの下端の下側を通って該ロアパネル部2bの車両後側に膨張展開するようにしてもよい。
【0065】
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、車両のステアリングホイールを支持しかつステアリングメンバに取り付けられたステアリングコラムを有する電動パワーステアリング装置と、該車両の衝突時に膨張展開するバッグ部を有し、該バッグ部の膨張展開により、該車両の運転席に着座した乗員の膝部を保護する膝保護用エアバッグ装置とを備えた、乗員保護装置の配設構造に有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 電動パワーステアリング装置
2 インストルメントパネル
2b ロアパネル部
6 ステアリングメンバ
8 運転席
9 乗員
9a 膝部
11 ステアリングホイール
18 ステアリングコラム
23 ウォーム収容部材
24 駆動モータ
24a モータケース
24b モータ軸
25 ウォーム(駆動ギヤ)
26 駆動部
32 第2ブラケット(前側取付部)
33 第3ブラケット(後側取付部)
41 チルト機構
43 回動軸(チルト支軸)
51 膝保護用エアバッグ装置
52 インフレータ
53 バッグ部
54 ハウジング
54d 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6