(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222220(P2016-222220A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】椅子の簡易ヘッドレスト
(51)【国際特許分類】
B60N 2/48 20060101AFI20161205BHJP
A47C 7/38 20060101ALI20161205BHJP
A47C 7/64 20060101ALI20161205BHJP
A61H 39/04 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
B60N2/48
A47C7/38
A47C7/64
A61H39/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-119767(P2015-119767)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】509351432
【氏名又は名称】片桐 靖之
(72)【発明者】
【氏名】片桐 靖之
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
4C101
【Fターム(参考)】
3B084DA03
3B084DB01
3B084DC02
3B087DC09
4C101BA01
4C101BB11
4C101BC22
4C101BD17
4C101BE02
(57)【要約】
【課題】 従来の椅子でヘッドレストが無いものには、本来構造ならびに配慮無き構造ならびに荷重の集中などの力学上の強度から、後からヘッドレストを追加・付加し辛かった。
【解決手段】 前記構造的脆弱性、すなわちヘッドレストにおいて椅子のフレームや背もたれの強度へ過渡に依存しない構造を得るには、頭部からの荷重を支点、力点、作用点を適宜な間隔で設けることで意図的に分散させ、椅子の構造体への負荷を軽減すると伴に、従来以上の強度と安定性を簡易に達成する事が出来る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
係留点が支点となる主軸に、ヘッドレストからの荷重が力点となり、これらが及ぶ作用点を有したヘッドレスト。
【請求項2】
差し替え可能なヘッドレスト部を係留するスリーブを設け、前記ヘッドレスト部の位置を変える受け口を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドレストを簡易的に取り付ける椅子の部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の椅子でヘッドレストが無いものには、構造ならびに力学上の強度から、後からヘッドレストを追加・付加し辛かった。
また、後からヘッドレストを取付けられるものであっても、施す椅子の背もたれに係るフレームに一点支持またはそれに類する極めて少ない接合面で固定するもの(例えば、特開2008−049081)や接合面を広範に取ったもの(例えば、特開2001−314267など)でも椅子のフレームに係る素材や形状によっては保持し辛く背もたれ前面に及ぶ当該部位に至っては使用者へ不快感を加えたり、また、二点支持(例えば、特開2006−026140など)であっても各々接合面への荷重は小範囲内で掛かる事に加え、ヘッドレスト保持の観点において取付ける椅子のフレーム強度にのみ依存しており、前記何れも使用時におけるヘッドレストの使用強度および不測の圧力に対して不足を伴っていた。
【特許文献1】特開2008−049081
【特許文献2】特開2000−005236 及び 特開2006−026140 及び 特開2001−293036
【特許文献3】特開平11−099184 及び 特開2001−314267
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に述べた従来の椅子は、使用者の疲労を緩和させるヘッドレスト機能が取付けられない事によって、使用者の作業効率性を損なっている本来的な側面と、製品既定外品で後から取付けられるものであっても前述構造的脆弱性において使用者の不安感と選択枝の乏しさを伴い、ヘッドレスト機能の有用性を認知するに至った使用者においては著しい損失を被っていた。また、高機能・高価格チェアでは、より顕著となっていた。
【0004】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、当初からヘッドレストの設定が為されていない仕様へ簡易的にヘッドレストを取り付ける事が出来、且つ従来からの構造的脆弱性を力学的に強化することで、既製品と同等、またはそれ以上の性能を付加出来るものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、本発明は上記目的を達成するため、本発明簡易ヘッドレスト本体(同段落内以下、本体)と取付ける椅子との接点において力学的に3箇所を伴う必要がある。まず、本体を椅子に係留する接点が1箇所目、本体と使用者頭部との接点が2箇所目、これら二つの接点からの荷重を受けとめる接点が3箇所目となる。
【0006】
以下、詳しく説明をする。縦及び後方荷重を考慮した適宜強度の主軸に椅子へ係留する為のフック部を設けこれが支点となり、主軸に備え付けたヘッドレスト部に使用者の後頭部がもたれ掛かる時の荷重を力点とした場合、これらの荷重は前記支点となるフック部を介して、下部に設けた支持部が作用点となり荷重を受け止める。この時、これら力点からの荷重は、支点と作用点で各々分散される。すなわち、従来、椅子背面部の一点または狭小に掛かっていた荷重を支点、力点、作用点を伴うテコの原理を応用し且つ、各々の点間距離を適宜設けることでより荷重を分散させるに至り、よって簡易ヘッドレスト本体と装着する椅子への両負担軽減に至りより構造的ならびに設置時の安定に寄与、よってヘッドレストの装着意図が為されない椅子においても、使用に無理なく本発明の簡易ヘッドレストを機能させるものである。
【発明の効果】
【0007】
上述した様に本発明の簡易ヘッドレストは、従来からヘッドレスト機能を有しない椅子に対し簡易的且つ力学的に安定する支点、力点、作用点を配することで、既製装着品と同等またはそれ以上の機能を有すると共に、素材の変更や、使用者の嗜好(配色やデザインの変更)・用途(ツボ・指圧機能などの付加、例えば
図11および
図12)によって差し替えるなど、従来以上の品質・性能を簡便に付加出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、簡易ヘッドレストの機能と構造および使用時の簡便性をより判り易くするため、自家用車両用ヘッドレストの流用または類似形状の場合で説明をする。
また、説明する本発明の基本構成
図1〜7は、
図3に示す中心線Aに線対称に現れる為、特段の説明を要しない左右同一部分に関しては番号とそれ及ぶ説明を省略する。
【0009】
図1において、ヘッドレスト1には差し込み棒2が合致したヘッドレスト部を成し、主軸9は固定版3と合致した筐体(以下、筐体)を成し、この筐体とヘッドレスト部の2が係留する為のスリーブa4へ接続し、この時、2を受け止める受け口5と5を固定及び係留する留め具a6は受け皿部を成し、筐体ならびに9に幾つか設けられた固定接続穴7に6が嵌合することで係留及び固定する。この時、ヘッドレスト部は、
図8ならびに
図9の様に受け皿部が7のうち何れかの位置で変える事により、使用者の体格に合わせるなどヘッドレスト部の位置を調整する事が出来る。
【0010】
突起a8は、椅子の構造において8が載る又は掛かる状態で係留可能な横軸方向のフレームBを前提とし、8と留め具b14によってBを挟み込む様に留める事で、筐体及び全体が抜けない様に施される。また、Bにおいて背もたれとフレーム間に9が差し込める余幅がある場合において8は
図8の様に設置されるが、他の製品形状フレームCにおいて8を差し込む余幅無く且つ多少の余地が残されている場合には、8と14は
図3の反対側の
図7、すなわち
図10に示す使用者の前方向側に設置され尚且つ8と14を先端で結んだ形状となる係留フック16または8がそれに類する鍵フック状を施す事で、筐体及び全体をBに係留させ、
図8と同様の機能を有する
図9となる。この時、前記ヘッドレスト部や後記支持部の距離や形状は、適宜調整または差し替えられる。
【0011】
筐体なる9に係留するスリーブb11と突起b10及び留め具c15は支持部を成し、椅子の背もたれの接点となる支持部は、接触面に対し適宜高さや角度を調整出来、また、対である支持部および9の間隔を抑制するための補正板12は各々15によって係留する9に固定する。
小物フック13は、衣類ハンガーや小物などを一時的に係留するものであり、本発明の力学的優位性がより耐荷重性の向上する。
【図面の簡単な説明】
本発明における前面とは、椅子の背面に設置された状態において本発明全体が現れる状態、すなわち椅子の背面から見た面を表面とみなす。よって正面図ならびに平面図が表面となる。
【0012】
【
図1】 本発明の実施形態を示す簡易ヘッドレストの斜視図
【
図10】
図3におけるD−D断面図を基にしたフレームBとフレームC及び8と14ならびに16との差異
【
図11】 ヘッドレスト部の差し替え機能の一例である指圧機能を配した後方斜視図
【
図12】 ヘッドレスト部を指圧機能に差し替えた状態の参考設置図
【符号の説明】
【0013】
1ヘッドレスト
2差し込み棒
3固定版
4スリーブa
5受け口
6留め具a
7固定接続穴
8突起a
9主軸
10突起b
11スリーブb
12補正板
13小物フック
14留め具b
15留め具c
16係留フック
A中心線
Bフレーム
Cフレーム