【解決手段】断面形状が楕円の胴部11aを備えた外容器11と、その外容器11内に収容され、胴部の断面形状が扁平な2つの内容器12と、外容器11および内容器12の開口部を閉じ、2つの内容器12と外部とを連通する通路を開閉するバルブアッセンブリ13と、2つの内容器12にそれぞれ充填される第1内容物C1、第2内容物C2と、外容器11と内容器12との間の空間に充填される加圧剤Pとを有する吐出製品10。内容器12は、その扁平なパウチ16が外容器11の長径と平行となるように設置されており、2つの内容器12は外容器11の長中心線に対して垂直に並んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の二重容器タイプの吐出製品は、外容器として円筒状のものが使用されており、その内面形状は円となっている。そのため、内容器の自由度が低い。一方、特許文献2の吐出製品は、外容器内に補強片が設けられており、内部に内容器を収容させることを前提としていない。
本発明は、内容器の外形(または複数の内容器の外接形状)と、外容器の内形とを調整することにより、外力に対して強い二重タイプの吐出製品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の吐出製品は、外容器と、前記外容器内に収容される可撓性を有する内容器と、前記外容器および内容器を閉じ、内容器内と外部とを連通する通路を開閉するバルブアッセンブリと、前記内容器に充填される内容物と、前記外容器と内容器の間の空間に充填される加圧剤とを備えた吐出製品であって、前記外容器の胴部の断面形状が扁平で、点対称かつ線対称な形状であり、前記外容器の胴部の断面形状の長中心線を中心に対向する2つの面がそれぞれ内容物を充填した内容器に均等に当接していることを特徴としている。ここで「前記外容器の胴部の断面形状の長中心線を中心に対向する2つの面」とは、長中心線を中心に相対する2つの平面、湾曲面および屈曲面を含むものである。ここで「均等に当接している」とは、実質的に当接面積が同じであることを言う。
【0006】
本発明の吐出製品であって、前記外容器の胴部の断面形状が楕円、長円または多角形であるものが好ましい。
【0007】
本発明の吐出製品であって、前記内容物を充填した内容器の胴部の断面形状が扁平で、点対称かつ線対称な形状であり、前記内容器が、外容器の胴部の断面形状の長中心線と前記内容器の胴部の断面形状の長中心線とが平行となるように前記外容器に収容されているものが好ましい。この場合、複数の内容器が前記外容器の胴部の断面形状の長中心線に対して垂直に並んで収容されているものが好ましい。
【0008】
本発明の吐出製品であって、前記内容器の胴部の断面形状が円形であり、複数の内容器が前記外容器の胴部の断面形状の長中心線に沿って並んで収容されているものが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吐出製品は、外容器と、前記外容器内に収容される可撓性を有する内容器と、前記外容器および内容器を閉じ、内容器内と外部とを連通する通路を開閉するバルブアッセンブリと、前記内容器に充填される内容物と、前記外容器と内容器の間の空間に充填される加圧剤とを備えた吐出製品であって、前記外容器の胴部の断面形状が扁平で、点対称かつ線対称な形状であり、前記外容器の胴部の断面形状の長中心線を中心に対向する2つの面が、それぞれ内容物を充填した内容器に均等に当接しているため、内容器は外容器の内面によって支持される。そのため、たとえ、搬送時等において吐出製品に外力が加わっても内容器が破れたり、その一部が損傷したりすることがない。また、外容器が扁平な形状であるため、使用者にとって持ち易い。さらに、点対称かつ線対称な扁平形状であるため、製造時において、外容器とバルブアッセンブリ、あるいは、内容物またはガス充填機との位置合わせが容易にできる。
特に、外容器の胴部の断面形状が楕円、長円または多角形(長方形、ひし形の四角形)である場合、外容器の内面形状と内容器の外形(あるいは複数の内容器の外接形状)と合わせやすい。
【0010】
本発明の吐出製品であって、前記内容物を充填した内容器の胴部の断面形状が扁平で、点対称かつ線対称な形状であり、前記内容器が、外容器の胴部の断面形状の長中心線と前記内容器の胴部の断面形状の長中心線とが平行となるように前記外容器に収容されている場合、外容器内の空間に効率良く、内容器を収容することができる。
【0011】
本発明の吐出製品であって、複数の内容器が前記外容器の胴部の断面形状の長中心線に対して垂直に並んで収容されている場合、複数の内容器を効率良く、安定して収容することができる。
【0012】
本発明の吐出製品であって、前記内容器の胴部の断面形状が円形であり、複数の内容器が前記外容器の胴部の断面形状の長中心線に沿って並んで収容されている場合、複数の内容物を効率良く、安定して収容することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1の吐出製品10は、独立して収容される2つの内容物を吐出する2液吐出タイプのエアゾール製品である。吐出製品10は、断面形状が楕円の胴部11aを備えた外容器11と、その外容器11内に収容され、胴部の断面形状が扁平な2つの内容器12と、外容器11および内容器12の開口部を閉じ、2つの内容器12と外部とを連通する通路を開閉するバルブアッセンブリ13と、2つの内容器12にそれぞれ充填される第1内容物C1、第2内容物C2と、外容器11と内容器12との間の空間に充填される加圧剤Pとを有する。このバルブアッセンブリ13には、その外周を覆う肩カバー14と、バルブアッセンブリ13の2つのステム27aを同時に押す押ボタン15とが取り付けられる。肩カバー14と押ボタン15とは一体に成形しても、別体としてもよい。また肩カバー14を設けず押ボタン15のみとしてもよい。
この吐出製品10において、外容器11の胴部11aの長径方向が吐出製品10の前後方向であり、胴部11aの短径方向が吐出製品10の左右方向である。そして、押ボタン15の噴射孔15aは外容器11の胴部11aの長径方向を向いている。
【0015】
外容器11は、
図1a、bに示すように、楕円筒状の胴部11aと、その胴部の下端を閉じる楕円形の底部11bと、その胴部の上端に形成されたテーパー状の肩部11cと、その肩部の上端に形成された円筒状の首部11dとを有する合成樹脂製の耐圧容器である。またこの外容器11は、半透明または透明であり、
図1a、bのように、内容器12を含む内部の状態が視認できるようになっている。ただし、不透明であってもよい。
胴部11aは、内形および外形が楕円となっている。その内面は、楕円の長径(長中心線)LCを中心に相対する2つの湾曲長面11a1が連結したものである(
図1c参照)。胴部の楕円の楕円率または長円の短径に対する長径の比率は、1.1〜3、特に1.2〜2.5が好ましい。楕円率が3より大きいと湾曲長面11a1の端部(長中心線LC近辺の湾曲部)の肉厚と湾曲長面11a1の中心部(短中心線上近辺の湾曲部)の肉厚との差を小さくして成形することが困難となり、それらの部位の内圧に対する強度に大きさ差ができる。結果、吐出製品10の外容器11として十分な強度を得ることができない。特に、外容器11をブロー成形で成形する場合、湾曲長面11a1の端部の肉厚が、湾曲長面11a1の中心部の肉厚に対して大きくなり、高温環境下において、湾曲長面11a1の中心部が端部に比べて膨張しやすくなる。楕円率が1.1より小さいと、内容器の保護、持ちやすさ、充填時の位置合わせ、などの本願の効果が得られにくくなる。
肩部11cは、胴部11aから首部11dに向かって、つまり、下から上に向かって断面形状の楕円の楕円率が1に収束するようになっている。そのため、湾曲長面11a1の中心から両端部に向かって徐々に水平に対する角度が緩やかになるよう構成されている。
首部11dの上端には、半径方向外側に突出するフランジ部11eが形成されている。そして、首部11dの内面は垂直面からなる円筒状となっている。
このような外容器11は、透明な合成樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等から成形される。しかし、透明でなくてもよく、また、内面および/または外面に炭素やシリカなどの蒸着膜を設けてもよい。
【0016】
内容器12は、
図2に示すように、拡縮するパウチ16と、その開口部とバルブアッセンブリ13とを繋ぐ筒状の連結部材17とからなる。パウチ16は、内部に内容物を充填して膨らませたとき、パウチの断面形状は扁平で点対称かつ線対称な形状であり、長中心線を中心に対向する2つの湾曲したパウチ面16aを連結させた形状となっている(
図2b参照)。そして、パウチ16が内容器12の胴部を構成する。
【0017】
パウチ16は、上部を残して2つのパウチ面16aの周縁(貼り合せ部16b)を連結した袋体である。例えば、2枚のシートの周囲を溶着あるいは貼り合せて成形することができる。しかし、1枚のシートを折り畳んだり、3枚以上のシートを溶着または貼り合せて成形してもよい。
内容物Cを充填して膨らませたときのパウチ16の扁平度は、外容器の胴部の楕円率および内容器12の数に応じて適宜決定される。
なお、パウチ16の長さは、内容物を充填したときパウチ16の底が外容器11の底部に支持される長さ、あるいは、それより長くなっている。
【0018】
連結部材17は、バルブアッセンブリ13に装着される筒状の装着部18と、その装着部の下端に同軸上に設けられパウチ16の開口部が固定される筒状の固定部19と、その固定部19の下端からパウチの底部に向かって延び、内容物を固定部内に誘導する誘導部20とを備えている。
【0019】
装着部18は、上端に半径方向外側に突出して形成される係合突起18aが形成されている。
固定部19は、パウチ16のシートを溶着または接着するための平面部19aを有するものである。この実施形態では、断面が略ひし形となっており、ひし形の長い対角線がパウチ16の扁平な幅方向と略平行となるように配置されている。しかし、固定部19の形状は、特に限定されるものではなく、パウチ16の開口部を固定できるような筒体であればよい。
誘導部20は、パウチ16が収縮したとき、パウチ16の表裏面の内面同士が当接してパウチ16内に内容物が残存しないように、パウチ16内の内容物を固定部19の中心孔19bまで誘導する部材である。この誘導部20は、収縮したパウチ16と誘導部20との間に通路が形成されるように表裏面に凹凸が形成された棒状である。例えば、特開2015−58980号公報の流路部材が知られている。
なお、誘導部20としては、筒状のディップチューブや、上下に複数の側孔を設けたディップチューブなどを用いてもよい。また誘導部20は省略してもよい。
【0020】
内容器12は、
図2cに示すように、その扁平なパウチ16が外容器11の長径と平行となるように設置される。つまり、2つの内容器12は、外容器11の中心軸を中心に相対し、かつ、外容器11の長中心線LCに対して垂直(短径方向)に並んでいる。このとき、内容器12のパウチ16の断面形状は、外容器11の内面に押圧されて変形し、扁平で点対称かつ線対称な形状は保たれない。
このように内容器12は外容器11に収容されているため、外側のパウチ面16aは外容器11の湾曲長面11a1と面接触し、内側のパウチ面16bは他方のパウチ面の内側と面接触する。このとき、両パウチ16の外側のパウチ面16aは実質的に同じように湾曲長面11a1の内面と当接している。つまり、両パウチ16の内圧は同じであるため、外容器11の両湾曲長面11a1は実質的に同じ合力をそれぞれのパウチ面16aから受けることとなる。よって、内容器12は外容器11内で水平左右方向に支持されている。また、この実施形態では、
図2bに示すように、パウチ面の端部(貼り合せ部16b)が外容器11の湾曲長面11a1の端部近辺と当接しており、外容器11内で水平前後方向にも支持されている。
このように内容物が充填された内容器12は、外容器11内で水平(前後および左右)方向に支持されているため、吐出製品10に外力を与えても内容器12が水平左右方向に動くことがない。そのため、内容器12とバルブアッセンブリ13を連結している連結部材17が折れる等の損傷に至ることがない。
なお、パウチ面の端部(貼り合せ部16b1)は、
図2cの想像線に示すように、必ずしも外容器11の湾曲長面11a1の端部と当接していなくてもよく、若干離れていてもよい。つまり、吐出製品10に外力が与えられたとき、内容器12が水平前後方向に若干折れ曲がってから外容器11の湾曲長面11a1に当接するようにしてもよい。この場合、吐出製品10への外力は内容物が吸収し、連結部材17には大きな負担はかからない。
【0021】
バルブアッセンブリ13は、
図3aに示すように、外容器11の開口部に挿入されるバルブホルダー31と、そのバルブホルダーに固定される2つのエアゾールバルブ32と、それらを覆い、外容器11のビード外周に固着されるカバーキャップ33とを備えている。
【0022】
バルブホルダー31は、
図3b、cに示すように、外容器11の開口部に挿入される円柱状の栓部34と、その上部に外容器11から上方に突出して設けられる蓋部35とを有する。また、バルブホルダー31には、栓部34および蓋部35を上下に貫通するバルブ保持孔36が2本形成されている。
栓部34の外周にはシール材(Oリング)S1が保持されている。シール材S1は、栓部34の外面と外容器11の首部11dの内面との間で圧縮される(
図1参照)。
蓋部35は、全体の向きがわかるように、扇状に切り欠いた切欠平面部35aを備えた断面円弧形状となっている。また蓋部35の下端は、外容器11のフランジ部11eの上に配置されるフランジ部35bが半径方向外側に突出して形成されている。バルブホルダー31は、切欠平面部35aが吐出製品10の前方を向くように設置される(
図1c参照)。
2本のバルブ保持孔36は、前記蓋部の切欠平面部35aと平行するように、外容器11の中心軸を挟んで相対して並んでいる。バルブ保持孔36は、下方に向かって縮径するテーパー状の支持段部36aを備えている。支持段部36aは、後述するエアゾールバルブ32を支持する部位であり、支持できればその形状は特に限定されない。
支持段部36aの上方には、支持段部36aと連続する内側内壁36bが設けられている。そして、その内側内壁36bの外周には、環状の溝部36cを介して外側内壁36dが設けられている。
支持段部36aの下方には、円筒状の下部内面37が延びており、その下部に半径方向内側に突出した係合突起37aが形成されている。この係合突起37aは、内容器12の連結部材17の装着部18の係合突起18aと係合するためのものである。係合突起37aおよび係合突起18aの代わりに、下部内面37と筒状の連結部材17と嵌合するように設計してもよい。
【0023】
エアゾールバルブ32は、
図3aに示すように、下端に筒状の連結部32a1を備えた筒状のハウジング32aと、そのハウジング32a内に上下動自在に挿入される筒状のステム32bと、そのステムの側面に形成されたステム孔を閉じる環状のステムラバー32cと、ステム32bを常時上方に付勢するバネ32dと、ステム32bおよびステムラバー22cをハウジング22aに固定するカバー32eとを備えている。このエアゾールバルブ32は、カバー32eをハウジング32aにカシメ着けており、一体化されたものである。そして、ハウジング32aの外周に環状のシール材S2が保持されている。ハウジング32aとバルブ保持孔36の内側内壁36bとでシール材S2は圧縮される。
このエアゾールバルブ32のハウジング32aの下端の連結部32a1を、内容器13の連結部材17の装着部18と連結することにより、内容器13は密閉される。
なお、ハウジング32aおよびカバー32eを省略し、バルブホルダーのバルブ保持孔36内にステム32b、ステムラバー32c、バネ32dを直接収容し、カバーキャップ33で閉じてもよい。
【0024】
カバーキャップ33は、
図3dに示すように、外容器11、バルブホルダー31およびエアゾールバルブ32を覆う筒状のマウント部38と、その下端に形成され、バルブホルダー31およびエアゾールバルブ32を外容器11に固定する筒状の固着部39とからなる。
マウント部38は、その天面38aにエアゾールバルブ32のステム32bを通す孔38bが2つ形成されている。マウント部38は、蓋部35と同様に、平面視の形状が2つのエアゾールバルブのステムを結ぶ線と平行な線によって一部を切り欠いた円となっており、バルブホルダーの蓋部35と同様に、湾曲側面部38cと、平側面部38dとからなる筒体となっている(
図1c参照)。そして、この平側面部38dは、バルブホルダー31の切欠平面部35aに沿うように設けられている。つまり、平側面部38dは、吐出部材を装着するときの吐出製品10の前後の向き認識手段となり、この実施形態では平側面部38dは前方を向いている。
【0025】
この吐出製品10は、次のようにして製造される。内容器12を連結させたバルブアッセンブリ13を外容器11の上方に、OリングS1が外容器11の上方となるように保持する。このとき、外容器11の胴部の楕円形状と、バルブアッセンブリ13のカバーキャップ33の平面部とで、それぞれの位置合わせを行う。その後、カバーキャップ33の下端と外容器のフランジ部11eの間、バルブホルダー31と外容器11の首部11dの内面の間から噴射剤を充填(アンダーカップ充填)する。それと同時に、バルブアッセンブリ13を下降させてOリングS1を外容器11の首部11dの内面に当接させ、カバーキャップ33の固着部39を外容器11の首部11dに向かってクリンチ爪でカシメて塑性変形させて、バルブアッセンブリ13を外容器11に固着することにより製造される。なお内容物C1、C2は、内容器12に充填してからバルブアッセンブリ13に連結してもよく、噴射剤を充填しバルブアッセンブリ13を外容器11に固着した後でステム32bから充填してもよい。この吐出製品は前述の位置合わせにより、内容物C1、C2を決められた内容器12に充填することができるため、内容物に応じた内容器(材質等)を使用することができる。
【0026】
吐出製品10は、外容器11の胴部の外形が長円または楕円であるため、使用者にとって持ちやすい。特に、外容器11の容量が大きくなればなるほど、その効果は顕著となる。また、製造時において、外容器11の胴部とバルブアッセンブリ13との位置合わせが容易となる。さらに、外容器11の胴部の内形が長円または楕円であり、内容器12がその内面に支持されるように外容器11の内面形状に沿って収容されているため、内容器12が外容器11内で動くことがない。そのため、内容器12とバルブアッセンブリ13とを連結する筒部材(連結部材17)が折れたり、損傷したりすることがない。さらに、内容物Cを吐出し押ボタン15を洗浄した後など、消費者が押ボタン15または押ボタン15を肩カバー14に連結した一体物を取り付ける際に、取り付ける方向を認識しやすい。
【0027】
図4aの吐出製品40aは、外容器41aの胴部の断面形状が長円(2つの平行な線を円弧で連結した形状)となっている。そして、この長円の長径(長中心線)LCを中心に対向する2つの湾曲長面41a1は2つの内容器12と均等に当接している。他の構成は、
図1の吐出製品10と実質的に同じである。
図4bの吐出製品40bは、外容器41aの胴部の断面形状が長方形となっている。そして、この長方形の長中心線LCを中心に対向する2つの長面41b1は2つの内容器12と均等に当接している。他の構成は、
図1の吐出製品10と実質的に同じである。
なお、外容器の胴部の断面形状は、扁平で点対称かつ線対称な図形であれば、特に限定されるものではなく、2つの平行な線の端部を曲線で連結した形状、扁平なひし形や、他の多角形であってもよい。ひし形の場合、長対角線(長中心線)を中心に対向する2つの屈曲面(2つの面が鈍角で連結している)は2つの内容器12と均等に当接している。
図4cの吐出製品40cは、胴部の断面形状が長円の外容器41aに内容器12を3つ収容したものである。内容器12は、
図1の内容器12と実質的に同じである。内容器12は、外容器の短径方向に3つ並べられている。この場合も、内容器12の内圧は同じであるため、それぞれ内容物を充填した内容器12は2つの湾曲長面41a1とそれぞれ均等に当接している。
【0028】
図5の吐出製品50は、内容器52の胴部の断面形状が円形となっており、それらが外容器51の長径方向に並んでいる。詳しくは、断面形状が長円の胴部51aを備えた外容器51と、その外容器51内に収容される2つの円筒状の内容器52と、外容器51および内容器52の開口部を閉じ、2つの内容器52と外部とを連通する通路を開閉するバルブアッセンブリ13と、2つの内容器52にそれぞれ充填される第1内容物C1、第2内容物C2と、外容器51と内容器52との間の空間に充填される加圧剤Pとを有する。このバルブアッセンブリ13にも、バルブアッセンブリ13の2つのステム32bを同時に押す押ボタン15が取り付けられる。バルブアッセンブリ13は、バルブホルダー31の栓部34が長円柱状である以外は、
図1の吐出製品10と実質的に同じものである。
この吐出製品50において、外容器51の胴部51aの短径方向が吐出製品50の前後方向であり、胴部51aの長径方向が吐出製品50の左右方向である。そのため、押ボタン15の噴射孔15aは、外容器51の胴部51aの短径方向を向いている。
【0029】
外容器51は、
図5a、bに示すように、長円筒状の胴部51aと、その胴部の下端を閉じる楕円形の底部51bとを有する合成樹脂製の耐圧容器である。つまり、
図1の吐出製品10の外容器11と異なり、下端から上端までの断面形状が長円となっている。またこの外容器51も半透明または透明であり、内部の状態が視認できるようになっている。胴部51aの上端には、外方向に突出する長円筒状のフランジ部51cが形成されている。
胴部51aは、内形および外形が長円(2つの円を直線で連結した形状)となっている。その内面は、長円の長径LCを中心に相対する2つの湾曲長面51a1が連結したものである(
図5c参照)。胴部の楕円または長円の短径に対する長径の比率は、1.1〜3、特に1.2〜2.5が好ましい。楕円率が3より大きいと湾曲長面51a1の端部(長中心線LC近辺の湾曲部)と湾曲長面51a1の中心部(短中心線上近辺の湾曲部)との肉厚差を小さくして成形することが困難となり、吐出製品50の外容器51として十分な強度を得ることができない。特に、外容器51をブロー成形で成形する場合、湾曲長面51a1の端部の肉厚が、湾曲長面51a1の中心部の肉厚より大きくなりやすく、高温環境下において、中心部が膨張しやすくなる。楕円率が1.1より小さいと、内容器の保護、持ちやすさ、充填時の位置合わせ、などの本願の効果が得られにくくなる。
【0030】
内容器52は、可撓性を有する内袋56と、その開口部とバルブアッセンブリ13とを繋ぐ筒状の連結部材57とからなる。内袋56は、内部に内容物を充填して膨らませたとき、断面形状が円形となるように構成されている。
内袋56は、円筒状の胴部56aと、その胴部の下端を閉じる円形の底部56bと、その胴部の上端に形成されたテーパー状の肩部56cと、その肩部の上端に形成された円筒状の首部56dとを有する。
連結部材57は、バルブアッセンブリ13に装着される筒状の装着部18と、その装着部の下端に同軸上に設けられ内袋56の首部56dの開口部が固定される筒状の固定部57aと、その固定部57aの下端から内袋の底部に向かって延び、内容物を固定部内に誘導する誘導部20とを備えている。装着部18および誘導部20は、
図1の吐出製品10と実質的に同じものである。
固定部57aは、内容器52の首部56dと嵌合するように挿入される部位である。その形状は、内容器52の首部56dに応じて決定される。
【0031】
2つの内容器52は、
図5cに示すように、外容器51の中心軸を中心に相対し、かつ、長径方向に並んでいる。このとき、内容器52の内袋56の断面形状は、外容器51の内面に押圧されて変形しており、必ずしも円筒形状は保たれない。
この吐出製品50も、外容器51の胴部の外形が長円であるため、使用者にとって持ち易い。また、製造時において位置合わせが容易である。さらに、使用者による押ボタン等の再装着も容易である。内容器52の内袋56の外面は、外容器51の両側の湾曲長面51a1と面接触する。さらに、一方の内袋56は、外容器51の中心軸近辺で、他方の内袋56と面接触する。これらは、同圧で接触している。そのため、内容器52は外容器51内で水平左右および前後方向に支持されている。そのため、吐出製品50が外力等を受けても、内容器52が外容器51内で揺れたり、動くことがない。そして、その動きにより連結部材57が折れたり、損傷したりすることがない。
【0032】
図6の吐出製品60は、1つの内容器12が収容されたものである。詳しくは、外容器11と、内容器12と、バルブアッセンブリ61と、内容器12に収容される内容物Cと、外容器11および内容器12の間の空間に充填される加圧剤Pとを有する。このバルブアッセンブリ61には、1つのステム32bを押す押ボタン15が取り付けられる。外容器11、内容器12は、
図1の吐出製品10と実質的に同じものである。なお、内容器12の長径(または長中心線、長対角線)と外容器11の長径(または長中心線、長対角線)とが重なるようにして、内容器12は外容器11内に収容される。そして、それぞれ一対の内容器12の湾曲長面12a1の外面が、一対の外容器11の湾曲長面11a1の内面と実質的に同等に当接するように構成されている。つまり、外容器11のそれぞれの湾曲長面11a1が内容器12から受ける合力は実質的に同じである。またバルブアッセンブリ61は、バルブホルダー31のバルブ保持孔36が一つだけ、カバーキャップ33の孔38bが一つだけ形成されている。他の構成は、
図1の吐出製品10と実質的に同じものである。
吐出製品60において、外容器11の胴部11aの長径方向が吐出製品60の前後方向であり、胴部11aの短径方向が左右方向である。しかし、この吐出製品60では逆にしてもよい。しかし、押ボタン15の噴射孔15aが外容器11の胴部11aの長径方向を向いている方が使用しやすい。
この吐出製品60も、
図1の吐出製品10および
図4の吐出製品40と同様の効果を奏する。