特開2016-222291(P2016-222291A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧
<>
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000003
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000004
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000005
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000006
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000007
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000008
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000009
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000010
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000011
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000012
  • 特開2016222291-スポイト容器 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222291(P2016-222291A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】スポイト容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/32 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   B65D51/32 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-110462(P2015-110462)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】上村 英夫
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB04
3E084DA01
3E084DB12
3E084EA02
3E084EB03
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084JA07
3E084JA17
3E084KB02
3E084LA14
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC06
3E084LE20
(57)【要約】
【課題】押下ボタンのストロークやスポイト容器の外形を小さく抑えつつ、一回の押し下げ操作によってノズル部材内の内容物をすべて出し切ること。
【解決手段】容器本体2と、容器本体2の口部2aに着脱自在に装着される装着筒3と、口部2a内に挿通されるとともに、付勢力により装着筒3に対して下方移動するノズル部材4と、装着筒3に外装されるカバー筒5と、カバー筒5内に配設されるとともに、カバー筒5に対して下方移動可能とされたボタン部材6と、を備え、ノズル部材4に形成されたノズルガイド4cの上端部と、ボタン部材6に形成されたボタンガイド6cの下端部とが当接可能に対向配置され、カバー筒5は装着筒3に対して、ノズルガイド4cの上端部及びボタンガイド6cの下端部に設けられた凸部15、27同士が対向配置される規制位置と、凸部15、27と凹部28、16とが対向配置される解除位置と、の間を周方向に移動可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に着脱自在に装着される装着筒と、
前記口部内に挿通されるとともに、前記装着筒に対して周方向の回転が規制され、かつ、前記装着筒が前記口部から取り外されたときに、付勢力により前記装着筒に対して下方移動するノズル部材と、
前記装着筒に外装されるカバー筒と、
前記カバー筒内に配設されるとともに、前記カバー筒に対して周方向の回転が規制され、かつ下方移動可能とされたボタン部材と、を備え、
前記ノズル部材は、
下端部が前記容器本体内に開口するノズル筒と、
前記ノズル筒の上端部に設けられ、内部が前記ノズル筒内に連通するピストン筒と、を備え、
前記ボタン部材は、
有頂筒状をなし、内部がシリンダ室とされるとともに、周壁の内周面に前記ピストン筒の外周面が摺接するシリンダ筒と、
前記シリンダ筒の上端部に設けられ、前記カバー筒から上方に突出する押下ボタンと、を備え、
前記ノズル部材に形成されたノズルガイドの上端部と、前記ボタン部材に形成されたボタンガイドの下端部とが、当接可能に対向配置され、
前記カバー筒は、前記装着筒に対して、
前記ノズルガイドの上端部及び前記ボタンガイドの下端部に設けられた凸部同士が対向配置される規制位置と、
前記ノズルガイドの上端部及び前記ボタンガイドの下端部に設けられた凸部と凹部とが対向配置される解除位置と、の間を周方向に移動可能であることを特徴とするスポイト容器。
【請求項2】
請求項1に記載のスポイト容器であって、
前記装着筒は、前記容器本体の口部に螺着されており、
前記口部に対して、前記装着筒を装着するときに周方向に回転させる向きを締め込み側とし、前記装着筒を取り外すときに周方向に回転させる向きを緩み側として、
前記規制位置は、前記カバー筒が前記装着筒に対して締め込み側に回転した終端位置であり、
前記解除位置は、前記カバー筒が前記装着筒に対して緩み側に回転した終端位置であることを特徴とするスポイト容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスポイト容器であって、
前記装着筒には、前記装着筒に対して前記ノズル部材が下方移動したときに、前記ノズル部材に当接させられる係止部が設けられることを特徴とするスポイト容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスポイト容器であって、
前記装着筒に対して前記ノズル部材を下方付勢するバネ部材が、前記シリンダ室の外部に設けられることを特徴とするスポイト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポイト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に示されるようなスポイト容器が知られている。このスポイト容器は、内容物が収容される容器本体と、容器本体の口部に着脱自在に螺着される装着筒と、容器本体の口部内に挿通され、装着筒がこの口部から取り外されたときに、付勢力により装着筒に対して下方移動するノズル部材と、ノズル部材の上端部に設けられたシリンダ室と、シリンダ室に連通する弾性ドームと、弾性ドームの上方に設けられ装着筒から上方に突出するとともに、装着筒に対して下方移動可能とされた押下ボタンと、を備えている。
【0003】
このスポイト容器を使用するには、まず、装着筒を容器本体の口部から取り外す。装着筒を口部から取り外すと、この装着筒に対して、ノズル部材が付勢力により下方移動する。これにともない、シリンダ室の内容積が増加して、シリンダ室内が負圧となる。この負圧が弾性ドーム及びノズル部材の内部を通して容器本体の内容物に作用し、ノズル部材内に内容物が吸い上げられる。
次に、装着筒に対して押下ボタンを押し下げると、押下ボタンに押圧された弾性ドームが弾性変形し、弾性ドームの内容積が減少する。この弾性ドームの内容積の減少量に応じて、ノズル部材内の内容物が吐出させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4251340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のスポイト容器においては、ノズル部材内に吸い上げられた内容物を、押下ボタンを一回押し下げる操作によってすべて出し切ることに、改善の余地があった。
【0006】
具体的に、一回の押し下げ操作により内容物をすべて出し切るには、容器本体の口部から装着筒を取り外したときのシリンダ室の内容積の増加量に比べて、押下ボタンを押し下げたときの弾性ドームの内容積の減少量を、大きく確保しなければならない。つまり、ノズル部材内に内容物を吸い上げる際の吸い上げ容積に比べて、ノズル部材内の内容物を吐出する際の吐出容積を大きくする必要がある。
これには、押下ボタンのストロークを大きくしたり、弾性ドーム及びスポイト容器の外形を大きくせざるを得ない。このため、押下ボタンのストロークやスポイト容器の外形を小さく抑えつつ、一回の押し下げ操作によってノズル部材内の内容物をすべて出し切ることが難しかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、押下ボタンのストロークやスポイト容器の外形を小さく抑えつつ、一回の押し下げ操作によってノズル部材内の内容物をすべて出し切ることができるスポイト容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明のスポイト容器は、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に着脱自在に装着される装着筒と、前記口部内に挿通されるとともに、前記装着筒に対して周方向の回転が規制され、かつ、前記装着筒が前記口部から取り外されたときに、付勢力により前記装着筒に対して下方移動するノズル部材と、前記装着筒に外装されるカバー筒と、前記カバー筒内に配設されるとともに、前記カバー筒に対して周方向の回転が規制され、かつ下方移動可能とされたボタン部材と、を備え、前記ノズル部材は、下端部が前記容器本体内に開口するノズル筒と、前記ノズル筒の上端部に設けられ、内部が前記ノズル筒内に連通するピストン筒と、を備え、前記ボタン部材は、有頂筒状をなし、内部がシリンダ室とされるとともに、周壁の内周面に前記ピストン筒の外周面が摺接するシリンダ筒と、前記シリンダ筒の上端部に設けられ、前記カバー筒から上方に突出する押下ボタンと、を備え、前記ノズル部材に形成されたノズルガイドの上端部と、前記ボタン部材に形成されたボタンガイドの下端部とが、当接可能に対向配置され、前記カバー筒は、前記装着筒に対して、前記ノズルガイドの上端部及び前記ボタンガイドの下端部に設けられた凸部同士が対向配置される規制位置と、前記ノズルガイドの上端部及び前記ボタンガイドの下端部に設けられた凸部と凹部とが対向配置される解除位置と、の間を周方向に移動可能であることを特徴とする。
【0009】
このスポイト容器を使用するには、まず、装着筒を容器本体の口部から取り外す。装着筒を口部から取り外すと、この装着筒に対して、ノズル部材が付勢力により下方移動する。これにともない、ノズル部材のピストン筒がボタン部材のシリンダ筒に対して下方移動し、シリンダ室の内容積が増加して、シリンダ室内が負圧となる。この負圧がピストン筒及びノズル筒の内部を通して容器本体の内容物に作用し、ノズル筒内に内容物が吸い上げられる。
【0010】
次に、カバー筒に対して押下ボタンを押し下げると、押下ボタンとともにシリンダ筒が押し下げられて、シリンダ室の内容積が減少する。シリンダ室の内容積の減少量に応じて、ノズル筒内の内容物が、ノズル筒から吐出させられる。
【0011】
そして、本発明のスポイト容器では、装着筒に対してカバー筒を規制位置に配置したときに、ノズルガイドの上端部及びボタンガイドの下端部に設けられた凸部同士が対向配置される。従って、この規制位置において、ノズル部材とボタン部材とは凸部同士で当接させられる。
【0012】
一方、装着筒に対してカバー筒を解除位置に配置したときには、ノズルガイドの上端部及びボタンガイドの下端部に設けられた凸部と凹部とが対向配置される。従って、この解除位置において、ノズル部材とボタン部材とは凸部と凹部で当接させられる。
このため、規制位置におけるノズル部材とボタン部材との上下方向の距離に比べて、解除位置におけるノズル部材とボタン部材との上下方向の距離が小さくなる。
【0013】
従って、規制位置において装着筒を容器本体の口部から取り外したときに、シリンダ室の内容積が増加する増加量(シリンダ筒に対してピストン筒が下方移動するストローク量)に比べて、解除位置において押下ボタンを押し下げたときに、シリンダ室の内容積が減少する減少量(ピストン筒に対してシリンダ筒が下方移動するストローク量)が、大きくなる。つまり、ノズル筒内に内容物を吸い上げる際の吸い上げ容積に比べて、ノズル筒内の内容物を吐出する際の吐出容積が大きくなる。
これにより、押下ボタンを押し下げる一回の操作によって、ノズル筒内の内容物をすべて出し切ることができる。よって操作性が向上する。
【0014】
また、シリンダ室が、有頂筒状のシリンダ筒内に形成されている。そして、押下ボタンの押し下げによって、シリンダ筒自体がピストン筒に対して下方移動して、シリンダ室の内容積を減少させるようになっている。このため、特許文献1の弾性ドームを用いる場合に比べて、押下ボタンの押し下げ量を小さく抑えつつ、シリンダ室の内容積を大きく減少させることができる(内容物の吐出量を大きく確保できる)。
このように、押下ボタンのストローク(押し下げ量)を小さく抑えることができるので、操作性をより向上できる。また、スポイト容器の外形をコンパクトに形成することが可能になる。
【0015】
また、本発明のスポイト容器において、前記装着筒は、前記容器本体の口部に螺着されており、前記口部に対して、前記装着筒を装着するときに周方向に回転させる向きを締め込み側とし、前記装着筒を取り外すときに周方向に回転させる向きを緩み側として、前記規制位置は、前記カバー筒が前記装着筒に対して締め込み側に回転した終端位置であり、前記解除位置は、前記カバー筒が前記装着筒に対して緩み側に回転した終端位置であることが好ましい。
【0016】
この場合、容器本体の口部に装着筒を装着する際には、カバー筒を操作して、容器本体の口部に対してカバー筒とともに装着筒を、締め込み側に回転させる。このとき、カバー筒は装着筒に対して自然に締め込み側に移動して、規制位置に配置される。従って、次回のスポイト容器の使用時には、装着筒は規制位置に配置されていることになる。
また、容器本体の口部から装着筒を取り外す際には、カバー筒を操作して、容器本体の口部に対してカバー筒とともに装着筒を、緩み側に回転させる。このとき、カバー筒は装着筒に対して自然に緩み側に移動して、解除位置に配置される。従って、押下ボタンを押し下げるときには、装着筒は解除位置に配置されていることになる。
【0017】
つまり、容器本体の口部に装着筒を装着する操作と、装着筒に対してカバー筒を規制位置に配置する操作とが、一回の操作により行える。また、容器本体の口部から装着筒を取り外す操作と、装着筒に対してカバー筒を解除位置に配置する操作とが、一回の操作により行える。
従って、スポイト容器の操作性をさらに向上できる。
【0018】
また、本発明のスポイト容器において、前記装着筒には、前記装着筒に対して前記ノズル部材が下方移動したときに、前記ノズル部材に当接させられる係止部が設けられることが好ましい。
【0019】
この場合、容器本体の口部から装着筒を取り外したときに、装着筒に対してノズル部材が所定量だけ下方移動する。これにともなって、シリンダ室の内容積の増加量も所定値となるので、ノズル筒内に吸い上げられる内容物の量が、毎回同じ値となる。
従って、このスポイト容器によれば、ノズル筒内に内容物が吸い上げられるときに精度よく計量が行われて、押下ボタンの押し下げ操作により吐出させられる内容物の量を、所期する量とすることができる。
【0020】
また、本発明のスポイト容器において、前記装着筒に対して前記ノズル部材を下方付勢するバネ部材が、前記シリンダ室の外部に設けられることが好ましい。
【0021】
この場合、バネ部材により、装着筒に対してノズル部材を確実に下方付勢することができ、かつ、このバネ部材がシリンダ室内の内容物を汚染するようなことが防止される。また、バネ部材が内容物に浸されることを防止できるので、バネ部材の性能が長期にわたり良好に維持される。
【発明の効果】
【0022】
本発明のスポイト容器によれば、押下ボタンのストロークやスポイト容器の外形を小さく抑えつつ、一回の押し下げ操作によってノズル部材内の内容物をすべて出し切ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るスポイト容器を示す縦断面図である。
図2図1のスポイト容器の要部を拡大して示す図である。
図3図2のIII−III断面を示す図である。
図4図2のIV−IV断面を、部分的に簡略化して示す図である。
図5】容器本体の口部から装着筒を取り外したときのスポイト容器を示す縦断面図である。
図6図5のスポイト容器の要部を拡大して示す図である。
図7図6のVII−VII断面を示す図である。
図8図6のVIII−VIII断面を、部分的に簡略化して示す図である。
図9】押下ボタンを押し下げ操作したときのスポイト容器を示す縦断面図である。
図10図9のスポイト容器の要部を拡大して示す図である。
図11図10のXI−XI断面を、部分的に簡略化して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係るスポイト容器1について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態のスポイト容器1は、内容物が収容される容器本体2と、容器本体2の口部2aに着脱自在に装着される装着筒3と、口部2a内に挿通されるとともに、装着筒3に対して周方向の回転が規制され、かつ、装着筒3が口部2aから取り外されたときに、付勢力により装着筒3に対して下方移動するノズル部材4と、装着筒3に外装されるカバー筒5と、カバー筒5内に配設されるとともに、カバー筒5に対して周方向の回転が規制され、かつ下方移動可能とされたボタン部材6と、を備えている。
【0025】
容器本体2の口部2a、装着筒3、ノズル部材4、カバー筒5、及びボタン部材6は、それぞれの中心軸線が共通軸上に配置されている。本明細書では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。また上下方向のうち、容器本体2の底部2bからボタン部材6側へ向かう方向を上方といい、ボタン部材6から容器本体2の底部2b側へ向かう方向を下方という。また、上下方向から見た平面視で、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0026】
図1において、容器本体2は、有底筒状をなしており、内部に液状の内容物が収容される。容器本体2の周壁及び底壁のうち、周壁は、口部2aと、口部2aよりも大径の胴部2cと、口部2aの下端部と胴部2cの上端部とを繋ぐ肩部2dと、からなり、底壁は、底部2bからなる。口部2aの外周面には、雄ネジ部が形成されている。
【0027】
図2及び図3において、装着筒3は、口部2aに着脱自在に装着される外筒3aと、外筒3a内に配置される内筒3bと、外筒3aと内筒3bとを繋ぐフランジ3cと、を備えている。図示の例では、外筒3aの上端部は、フランジ3cの外縁部より立設され、外筒3aの下端部は、フランジ3cの外縁部より垂下設されている。内筒3bは、フランジ3cの内縁部より立設されている。フランジ3cは、外筒3aにおいて上端部と下端部との間に位置する中間部分と、内筒3bにおける下端部と、を連結している。
【0028】
外筒3aの外周面のうち、上端部には、径方向内側へ向けて窪む位置切り替え溝7が形成されている。位置切り替え溝7の上端は、外筒3aの上端面に凹状に開口している。図示の例では、位置切り替え溝7が、外筒3aにおいて周方向に等間隔をあけて一対設けられている。図3において、位置切り替え溝7内には、周方向に間隔をあけて一対の乗り越え突起8が形成されている。
【0029】
図2において、外筒3aの外周面のうち、下端部には、径方向外側へ向けて突出する係止突起9が形成されている。
外筒3aの内周面のうち、フランジ3cよりも下方に位置する部分には、雌ネジ部が形成されている。この雌ネジ部は、口部2aの外周面の雄ネジ部に螺着している。つまり本実施形態において、装着筒3は、容器本体2の口部2aに着脱自在に螺着されている。
【0030】
内筒3bの上端部には、ノズル部材4(具体的には、後述するノズル部材4のノズルガイド4cの、有底筒状をなす大径筒部13の底壁の下面)に係合する係止部が設けられている。本実施形態においては、内筒3bの上端面(上端開口部)が前記係止部とされている。内筒3bの上端面は、外筒3aの上端面よりも下方に位置している。
【0031】
図示の例では、内筒3bの肉厚(径方向の厚さ)が、外筒3aの肉厚よりも厚くなっている。また、内筒3bの内径は、口部2aの内径よりも小さい。内筒3bの下端面と、フランジ3cの下面とは、上下方向の位置が同一とされている(つまり面一に形成されている)。内筒3bの下端面及びフランジ3cの下面は、口部2aの上方に配置されている。
【0032】
図2及び図3において、内筒3bの内周面には、径方向外側へ向けて窪む回転規制溝10が形成されている。回転規制溝10は、内筒3bにおいて上下方向の全長にわたって形成されている。図示の例では、回転規制溝10が、内筒3bにおいて周方向に等間隔をあけて一対設けられている。
【0033】
図1及び図2において、ノズル部材4は、下端部が容器本体2内に開口するノズル筒4aと、ノズル筒4aの上端部に設けられ、内部がノズル筒4a内に連通するピストン筒4bと、ノズル筒4aに外装されるノズルガイド4cと、ノズル筒4aに装着されて容器本体2の口部2aをシールするパッキン4dと、を備えている。
【0034】
ノズル筒4aは、容器本体2の口部2a内に挿通されて、上下方向に延びている。ノズル筒4aの下端部は、下方へ向かうに従い漸次縮径する先細り形状とされている。ノズル筒4aの下端開口部は、容器本体2内において底部2bに接近配置されている。
ノズル筒4aの外周面には、径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる円形リング板状の鍔部11が形成されている。ノズル筒4aの上端部は、鍔部11よりも上方に向けて延びている。
【0035】
鍔部11の上面には、装着筒3における内筒3bの下端面及びフランジ3cの下面が当接している。鍔部11の下面には、円形リング板状のパッキン4dが当接している。パッキン4dは、ノズル筒4aの径方向外側に嵌合している。パッキン4dの下面は、容器本体2の口部2aの上端開口縁に当接しており、パッキン4dは口部2aを密封している。鍔部11の外径及びパッキン4dの外径は、容器本体2の口部2aの外径と略同等とされている。
【0036】
図2において、ピストン筒4bは、ノズル筒4aの上端開口部に取り付けられている。
ピストン筒4bの下側部分は、2重筒状をなしている。ピストン筒4bの下側部分のうち、内筒部29は、ノズル筒4aの上端開口部の径方向内側に嵌合しており、外筒部30は、ノズル筒4aの上端開口部の径方向外側に嵌合している。内筒部29の下端部は、下方へ向かうに従い漸次縮径している。内筒部29の上端部と、外筒部30の上端部とは、フランジ31により径方向に接続されている。フランジ31の下面は、ノズル筒4aの上端開口部に、その上方から当接している。
【0037】
ピストン筒4bの上側部分は、下側部分との接続部分32から上方に向かうに従い漸次拡径するテーパ筒部33と、テーパ筒部33の上端部から径方向外側に向けて突設されるとともに周方向に沿って延びる環状の摺動筒部34と、を有する。図示の例では、摺動筒部34の上端部及び下端部が、上端部と下端部の間に位置する中間部分よりも径方向外側に突出している。ピストン筒4bの上端部に位置する摺動筒部34は、該ピストン筒4bにおいて最も大径とされているとともに薄肉に形成されて、弾性変形可能とされている。
【0038】
ノズルガイド4cは、筒状をなしており、下側部分が小径筒部12とされ、上側部分が大径筒部13とされている。
小径筒部12は、ノズル筒4aの上端部の径方向外側に嵌合している。小径筒部12の下端開口部は、鍔部11の上面に当接している。図2及び図3において、小径筒部12の外周面には、径方向外側へ向けて突出する回転規制リブ14が形成されている。回転規制リブ14は、小径筒部12において上下方向の全長にわたって形成されている。
【0039】
回転規制リブ14は、装着筒3の回転規制溝10内に挿入されている。回転規制リブ14が回転規制溝10内に挿入されることにより、ノズル部材4と装着筒3との周方向の相対回転が規制されている。具体的には、ノズル部材4のうち少なくともノズルガイド4cと、装着筒3と、の周方向の相対回転が規制される。一方、ノズル部材4と装着筒3との上下方向の相対的なスライド移動は許容される(詳しくは、所定範囲内において許容される)。回転規制リブ14の上下方向の長さは、回転規制溝10の上下方向の長さよりも長い。
図示の例では、回転規制溝10が、装着筒3において周方向に等間隔をあけて一対設けられているのに対応して、回転規制リブ14が、ノズルガイド4cの小径筒部12において周方向に等間隔をあけて一対設けられている。
【0040】
ノズルガイド4cの大径筒部13は、有底筒状をなしており、周壁と底壁とを有する。
大径筒部13の底壁は、小径筒部12の上端開口部から径方向外側へ向けて突出するとともに、周方向に沿って延びる円形リング板状をなしている。
大径筒部13の周壁における上端開口部には、周方向に沿ってノズル凸部(凸部)15とノズル凹部(凹部)16とが交互に配列し形成されている。ノズル凸部15は、上方に向けて突出する突起状をなしており、ノズル凹部16は、下方に向けて窪む切り欠き状をなしている。
【0041】
大径筒部13の径方向内側には、圧縮コイルバネからなるバネ部材17が配設されている。バネ部材17の下端面は、大径筒部13の底壁の上面に当接している。バネ部材17の上側部分は、大径筒部13の周壁の上端開口部よりも上方に向けて突出している。大径筒部13の底壁の上面のうち、バネ部材17よりも径方向内側に位置する部分には、バネ部材17の径方向内側への移動を規制するバネ抑え筒18が立設されている。バネ部材17の全体的な組み付け構造の詳細については、別途後述する。
【0042】
カバー筒5は、有頂筒状をなしており、周壁と頂壁とを有する。
カバー筒5の周壁の内周面のうち、下端部には、径方向外側へ向けて窪む係止窪み19が形成されている。係止窪み19には、装着筒3の係止突起9が係止される。係止窪み19に係止突起9が係止されることにより、カバー筒5と装着筒3との上下方向への相対的なスライド移動が規制されている。一方、カバー筒5と装着筒3との周方向の相対回転は許容されている。
【0043】
カバー筒5の周壁の内周面のうち、装着筒3の位置切り替え溝7に対応する部分(径方向に対向配置される部分)には、該位置切り替え溝7内に挿入される位置切り替えリブ20が形成されている。図示の例では、位置切り替えリブ20が、カバー筒5の上下方向の略中央に位置している。位置切り替えリブ20は、カバー筒5の周壁の内周面から径方向内側へ向けて突出して形成されている。
【0044】
図3に示されるように、位置切り替えリブ20の周方向長さは、位置切り替え溝7において周方向の端縁に位置する側壁と、この側壁に対して溝内において周方向に隣り合う乗り越え突起8と、の間の周方向長さと略同等とされている。また位置切り替えリブ20は、位置切り替え溝7内において、乗り越え突起8を乗り越えて周方向に移動可能である。位置切り替えリブ20が、位置切り替え溝7内の周方向両端に位置する一対の側壁間において、周方向に移動可能とされていることにより、カバー筒5は装着筒3に対して、前記移動可能とされた所定範囲内において、周方向に回転移動可能である。
【0045】
図2において、カバー筒5の周壁の内周面のうち、位置切り替えリブ20よりも上方に位置する部分は、上方へ向かうに従い縮径している。図2及び図4に示されるように、カバー筒5の周壁の内周面のうち上端部には、径方向外側へ向けて窪む回転規制溝21が形成されている。図示の例では、回転規制溝21が、カバー筒5の周壁内において周方向に等間隔をあけて一対設けられている。
【0046】
カバー筒5の頂壁の径方向中央(容器軸O上)には、該頂壁を上下方向に貫通する貫通孔22が形成されている。貫通孔22の内周縁部には、下方へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる垂下筒23が形成されている。
【0047】
図1及び図2において、ボタン部材6は、有頂筒状をなし、内部がシリンダ室24とされるとともに、周壁の内周面にピストン筒4bの外周面が摺接するシリンダ筒6aと、シリンダ筒6aの上端部に設けられ、カバー筒5の貫通孔22から上方に突出する押下ボタン6bと、シリンダ筒6aに外装され、下端部がノズルガイド4cの上端部に当接可能に対向配置されるボタンガイド6cと、を備えている。
【0048】
シリンダ筒6aは、有頂筒状をなしており、頂壁と周壁とを有する。
シリンダ筒6aの頂壁の外周縁部は、シリンダ筒6aの周壁の上端部から径方向外側に向けて突出しているとともに、周方向に沿って延びている。シリンダ筒6aの頂壁の外周縁部の下面には、バネ部材17の上端面が当接している。
【0049】
バネ部材17は、シリンダ筒6aの頂壁と、ノズルガイド4cの大径筒部13の底壁と、を上下方向に離間させる向きに付勢している。つまりバネ部材17は、ノズル部材4に対して、ボタン部材6を上方付勢している。また、バネ部材17は、カバー筒5に対して上下方向への移動が規制された装着筒3に対して、ノズル部材4を下方付勢している。
バネ部材17は、シリンダ筒6aの周壁よりも径方向外側に配置されており、シリンダ室24の外部に設けられている。
【0050】
シリンダ室24は、上方がシリンダ筒6aの頂壁により囲われ、径方向外側がシリンダ筒6aの周壁により囲われ、下方が径方向中央(容器軸O上)を除いてピストン筒4bにより囲われている。シリンダ室24は、ノズル筒4a内と常に連通している。
【0051】
シリンダ筒6aの頂壁には、ボタン内筒25が立設されている。図示の例では、ボタン内筒25は、シリンダ筒6aの周壁よりも小径とされている。図2において、ボタン内筒25は、貫通孔22内に挿通されており、カバー筒5の頂壁よりも上方に向けて突出している。
【0052】
シリンダ筒6aの周壁の下端部は、ノズルガイド4cのバネ抑え筒18の上端部に対向配置されている。シリンダ筒6aとバネ抑え筒18とが上下方向に最も接近して配置された状態において、シリンダ筒6aの周壁の下端部と、バネ抑え筒18の上端部との間には、隙間が設けられる。
【0053】
図2において、押下ボタン6bは、有頂筒状をなしており、頂壁と周壁とを有する。
押下ボタン6bの頂壁は、ボタン内筒25の上方に位置している。押下ボタン6bの周壁は、ボタン内筒25の径方向外側に設けられる。押下ボタン6bの周壁は、カバー筒5の貫通孔22よりも小径とされているとともに、貫通孔22内に挿通されている。押下ボタン6bの周壁の下端部は、シリンダ筒6aの頂壁の上面に当接している。
【0054】
ボタンガイド6cは、有頂筒状をなしており、頂壁と周壁とを有する。
本実施形態の例では、押下ボタン6bの周壁の下端部と、ボタンガイド6cの円形リング板状をなす頂壁の内周縁部とが接続されて、押下ボタン6bとボタンガイド6cとが一体に形成されている。
【0055】
ボタンガイド6cの頂壁は、シリンダ筒6aの頂壁の上面に載置されている。ボタンガイド6cの頂壁の上面には、カバー筒5の垂下筒23の下端開口縁が当接している。
ボタンガイド6cの周壁は、シリンダ筒6aの頂壁及び周壁、並びにバネ部材17の径方向外側に配置されている。
【0056】
ボタンガイド6cの周壁の外周面のうち、下端部以外の部位には、径方向外側へ向けて突出する回転規制リブ26が形成されている。図2及び図4において、回転規制リブ26は、カバー筒5の回転規制溝21内に挿入されている。回転規制リブ26が回転規制溝21内に挿入されることにより、ボタン部材6とカバー筒5との周方向の相対回転が規制されている。具体的には、ボタン部材6のうち少なくともボタンガイド6cと、カバー筒5と、の周方向の相対回転が規制される。一方、ボタン部材6とカバー筒5との上下方向の相対的なスライド移動は許容される(詳しくは、所定範囲内において許容される)。回転規制リブ26の上下方向の長さは、回転規制溝21の上下方向の長さよりも短い。
図示の例では、回転規制溝21が、カバー筒5において周方向に等間隔をあけて一対設けられているのに対応して、回転規制リブ26が、ボタンガイド6cの周壁において周方向に等間隔をあけて一対設けられている。
【0057】
ボタンガイド6cの周壁の下端開口部は、ノズルガイド4cの大径筒部13の上端開口部と略同径とされている。
ボタンガイド6cの周壁における下端開口部には、周方向に沿ってボタン凸部(凸部)27とボタン凹部(凹部)28とが交互に配列し形成されている。ボタン凸部27は、下方に向けて突出する突起状をなしており、ボタン凹部28は、上方に向けて窪む切り欠き状をなしている。
【0058】
ノズル部材4に形成されたノズルガイド4cの上端部と、ボタン部材6に形成されたボタンガイド6cの下端部とは、当接可能とされて上下方向に対向配置されている。
具体的には、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凸部27とが、上下方向に当接可能である。また、ノズルガイド4cのノズル凸部15とボタンガイド6cのボタン凹部28との組、及び、ノズルガイド4cのノズル凹部16とボタンガイド6cのボタン凸部27との組のうち、少なくともいずれかの組の凸部と凹部とが、上下方向に当接可能である(図10を参照)。
【0059】
ノズル部材4のノズルガイド4cと、ボタン部材6のボタンガイド6cとは、図2及び図4に示されるように、互いの凸部15、27同士が上下方向に対向配置される「規制位置」と、図6図8図10及び図11に示されるように、互いの凸部15、27と凹部28、16とが対向配置される「解除位置」と、の間で相対回転可能である。
また、ボタンガイド6cと周方向に一体に回転するカバー筒5は、ノズルガイド4cと周方向に一体に回転する装着筒3に対して、「規制位置」と「解除位置」との間を周方向に移動可能である。
【0060】
本実施形態の例では、図3及び図7に示されるように、容器本体2の口部2aに対して、装着筒3を装着するときに周方向に回転させる向きを締め込み側Aとし、装着筒3を取り外すときに周方向に回転させる向きを緩み側Bとして、「規制位置」は、カバー筒5が装着筒3に対して締め込み側Aに回転した終端位置であり、「解除位置」は、カバー筒5が装着筒3に対して緩み側Bに回転した終端位置である。
【0061】
具体的には、図2図4に示されるように、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凸部27とが対向する規制位置において、カバー筒5を周方向の緩み側B(開方向)に30°回転させると、図7に示されるように、位置切り替えリブ20が、位置切り替え溝7内において乗り越え突起8を乗り越えていき、該位置切り替え溝7の側壁(周方向両端の一対の側壁のうち、一方の側壁)に当接する。これにより、位置切り替え溝7に対して位置切り替えリブ20が係合し、カバー筒5と装着筒3とがそれ以降においては供回りして、装着筒3と容器本体2の口部2aとのネジが緩み、これらの螺合が解除される。
【0062】
つまり、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凸部27とが対向する規制位置において、カバー筒5を操作して、装着筒3と口部2aとの螺合を解除する際に、ノズルガイド4cとボタンガイド6cとの位置関係が自然に解除位置へと変更されるようになっている。そして解除位置においては、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凹部28とが対向し、かつ、ノズルガイド4cのノズル凹部16と、ボタンガイド6cのボタン凸部27とが対向する。
【0063】
これとは反対に、図6図8に示される上記解除位置において、カバー筒5を周方向の締め込み側A(閉方向)に回転させると、まずカバー筒5と装着筒3とが供回りして、装着筒3と容器本体2の口部2aとのネジが徐々に締まっていき、これらの締結力が所定値以上となったときに、図3に示されるように、位置切り替えリブ20が、位置切り替え溝7内において乗り越え突起8を乗り越えていき、該位置切り替え溝7の側壁(周方向両端の一対の側壁のうち、他方の側壁)に当接する。つまり、カバー筒5が装着筒3に対して閉方向に30°回転させられる。これにより、位置切り替え溝7に対して位置切り替えリブ20が係合して、装着筒3と容器本体2の口部2aとのネジが最後まで締められ、これらが螺合する。
【0064】
つまり、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凹部28とが対向し、かつ、ノズルガイド4cのノズル凹部16と、ボタンガイド6cのボタン凸部27とが対向する解除位置において、カバー筒5を操作して、装着筒3と口部2aとを螺合する際に、ノズルガイド4cとボタンガイド6cとの位置関係が自然に規制位置へと変更されるようになっている。そして規制位置においては、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凸部27とが対向する。
【0065】
以上説明した本実施形態のスポイト容器1を使用するには、図1図4に示される状態において、まず、装着筒3を容器本体2の口部2aから取り外す。具体的には、口部2aに対してカバー筒5を周方向の緩み側Bに回転操作し、該カバー筒5とともに装着筒3を緩み側Bに供回りさせて、口部2aから取り外す。
なおこのとき、装着筒3に対してカバー筒5が、図3に示される規制位置から図7に示される解除位置に回転移動した後、これらカバー筒5及び装着筒3が供回りするようになっている。
【0066】
図5図8に示されるように、装着筒3を口部2aから取り外すと、この装着筒3に対して、ノズル部材4がバネ部材17の付勢力によりストローク量S1(吸い上げストローク量。図6を参照)の分だけ下方移動する。これにともない、ノズル部材4のピストン筒4bがボタン部材6のシリンダ筒6aに対して下方移動し、シリンダ室24の内容積が増加して、シリンダ室24内が負圧となる。この負圧がピストン筒4b及びノズル筒4aの内部を通して容器本体2の内容物に作用し、ノズル筒4a内に内容物が吸い上げられる。
なおこのとき、装着筒3に対するノズル部材4の下方移動は、装着筒3の内筒3bの上端部(係止部)に対して、ノズルガイド4cの大径筒部13の底壁の下面が当接するまでの範囲(上記ストローク量S1の範囲)で許容され、当接した後は、それ以上の下方移動が規制される。これにより、ノズル筒4a内に吸い上げられる内容物が、所定の値に精度よく計量される。
【0067】
なお、このとき、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凸部27とは、ストローク量S1だけ上下方向に離間させられる。また、図6において、ノズルガイド4cのノズル凸部15と、ボタンガイド6cのボタン凹部28との上下方向の距離、及び、ノズルガイド4cのノズル凹部16と、ボタンガイド6cのボタン凸部27との上下方向の距離が、この後に押下ボタン6bを押し下げたときに許容されるストローク量S2(吐出ストローク量)となっている。つまり、吐出ストローク量S2は、吸い上げストローク量S1よりも大きくされている。
【0068】
また、図6に符号S3で示すものは、押下ボタン6bの頂壁からカバー筒5の頂壁までの上下方向の距離であり、押下ボタン6bの仮想のストローク量S3(押下ボタンストローク量)である。ただし本実施形態においては、押下ボタンストローク量S3は、吐出ストローク量S2よりも大きくされており、このため実際に押下ボタン6bが押し下げられたときの上下方向の移動量は、ストローク量S2に等しい。
【0069】
次に、図9図11に示されるように、カバー筒5に対して押下ボタン6bを押し下げると、押下ボタン6bとともにシリンダ筒6aが押し下げられて、シリンダ室24の内容積が減少する。シリンダ室24の内容積の減少量に応じて、ノズル筒4a内の内容物が、ノズル筒4aの下端開口部から吐出させられる。
【0070】
内容物の吐出を行った後、装着筒3を再び容器本体2の口部2aに装着する。具体的には、口部2aに対してカバー筒5を周方向の締め込み側Aに回転操作し、該カバー筒5とともに装着筒3を締め込み側Aに供回りさせて、口部2aに装着する。
なおこのとき、装着筒3に対してカバー筒5が、図7に示される解除位置から図3に示される規制位置に回転移動する。また、装着筒3に対してノズル部材4が上方移動し、ノズルガイド4cの上端部が、ボタンガイド6cの下端部に当接する。これにより、カバー筒5に対して押下ボタン6bが意図せず押し下げられるようなことが防止される。
【0071】
そして、本実施形態のスポイト容器1では、図3に示されるように、装着筒3に対してカバー筒5を規制位置に配置したときに、図2及び図4に示されるように、ノズルガイド4cの上端部及びボタンガイド6cの下端部に設けられた凸部15、27同士が対向配置される。従って、この規制位置において、ノズル部材4とボタン部材6とは、凸部15、27同士で当接させられる。
【0072】
一方、図7に示されるように、装着筒3に対してカバー筒5を解除位置に配置したときには、図6及び図8に示されるように、ノズルガイド4cの上端部及びボタンガイド6cの下端部に設けられた凸部15と凹部28、及び、凹部16と凸部27が対向配置される。従って、この解除位置において、カバー筒5に対して押下ボタン6bを押し下げると、図10及び図11に示されるように、ノズル部材4とボタン部材6とは、凸部15と凹部28の組、及び、凹部16と凸部27の組のうち、少なくともいずれかの組の凸部と凹部とが当接させられる。
このため、図2に示される規制位置におけるノズル部材4とボタン部材6との上下方向の距離に比べて、図10に示される解除位置におけるノズル部材4とボタン部材6との上下方向の距離が小さくなる。具体的には、図6に示されるストローク量S2(吐出ストローク量)からストローク量S1(吸い上げストローク量)を差し引いた差分(S2−S1)だけ、ノズルガイド4cとボタンガイド6cとの上下方向の距離が近くなる。
【0073】
従って、規制位置において装着筒3を容器本体2の口部2aから取り外したときに、シリンダ室24の内容積が増加する増加量(シリンダ筒6aに対してピストン筒4bが下方移動するストローク量S1に対応しており、具体的には、図2から図6へのシリンダ室24の内容積の増加量)に比べて、解除位置において押下ボタン6bを押し下げたときに、シリンダ室24の内容積が減少する減少量(ピストン筒4bに対してシリンダ筒6aが下方移動するストローク量S2に対応しており、具体的には、図6から図10へのシリンダ室24の内容積の減少量)が、大きくなる。つまり、ノズル筒4a内に内容物を吸い上げる際の吸い上げ容積(吸い上げ量)に比べて、ノズル筒4a内の内容物を吐出する際の吐出容積(吐出量)が大きくなる。
これにより、押下ボタン6bを押し下げる一回の操作によって、ノズル筒4a内の内容物をすべて出し切ることができる。よって操作性が向上する。
【0074】
また、シリンダ室24が、有頂筒状のシリンダ筒6a内に形成されている。そして、押下ボタン6bの押し下げによって、シリンダ筒6a自体がピストン筒4bに対して下方移動して、シリンダ室24の内容積を減少させるようになっている。このため、上述した特許文献1(特許第4251340号公報)の弾性ドームを用いる場合に比べて、押下ボタン6bの押し下げ量を小さく抑えつつ、シリンダ室24の内容積を大きく減少させることができる(内容物の吐出量を大きく確保できる)。
このように、押下ボタン6bのストローク(押し下げ量)を小さく抑えることができるので、操作性をより向上できる。また、スポイト容器1の外形をコンパクトに形成することが可能になる。
【0075】
また本実施形態では、装着筒3が、容器本体2の口部2aに螺着されており、規制位置は、カバー筒5が装着筒3に対して締め込み側Aに回転した終端位置であり、解除位置は、カバー筒5が装着筒3に対して緩み側Bに回転した終端位置であるので、下記の作用効果を奏する。
【0076】
すなわちこの場合、容器本体2の口部2aに装着筒3を装着する際には、カバー筒5を操作して、容器本体2の口部2aに対してカバー筒5とともに装着筒3を、締め込み側Aに回転させる。このとき、カバー筒5は装着筒3に対して自然に締め込み側Aに移動して、規制位置に配置される。従って、次回のスポイト容器1の使用時には、装着筒3は規制位置に配置されていることになる。
また、容器本体2の口部2aから装着筒3を取り外す際には、カバー筒5を操作して、容器本体2の口部2aに対してカバー筒5とともに装着筒3を、緩み側Bに回転させる。このとき、カバー筒5は装着筒3に対して自然に緩み側Bに移動して、解除位置に配置される。従って、押下ボタン6bを押し下げるときには、装着筒3は解除位置に配置されていることになる。
【0077】
つまり、容器本体2の口部2aに装着筒3を装着する操作と、装着筒3に対してカバー筒5を規制位置に配置する操作とが、一回の操作により行える。また、容器本体2の口部2aから装着筒3を取り外す操作と、装着筒3に対してカバー筒5を解除位置に配置する操作とが、一回の操作により行える。
従って、スポイト容器1の操作性をさらに向上できる。
【0078】
また本実施形態において、装着筒3には、装着筒3に対してノズル部材4が下方移動したときに、ノズル部材4に当接させられる係止部(内筒3bの上端部)が設けられているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、容器本体2の口部2aから装着筒3を取り外したときに、装着筒3に対してノズル部材4が所定量(ストローク量S1)だけ下方移動する。これにともなって、シリンダ室24の内容積の増加量も所定値となるので、ノズル筒4a内に吸い上げられる内容物の量が、毎回同じ値となる。
従って、このスポイト容器1によれば、ノズル筒4a内に内容物が吸い上げられるときに精度よく計量が行われて、押下ボタン6bの押し下げ操作により吐出させられる内容物の量を、所期する量(所定値)とすることができる。
【0079】
また本実施形態では、装着筒3に対してノズル部材4を下方付勢するバネ部材17が、シリンダ室24の外部に設けられているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、バネ部材17により、装着筒3に対してノズル部材4を確実に下方付勢することができ、かつ、このバネ部材17がシリンダ室24内の内容物を汚染するようなことが防止される。また、バネ部材17が内容物に浸されることを防止できるので、バネ部材17の性能が長期にわたり良好に維持される。
【0080】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0081】
例えば、前述の実施形態では、容器本体2の口部2aに対して装着筒3が着脱自在に螺着していることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、容器本体2の口部2aに対して装着筒3が、例えば嵌合等により着脱自在に装着されていてもよい。ただし前述の実施形態で説明したように、口部2aに対して装着筒3が螺着されている場合には、操作性がより高められることから、好ましい。
【0082】
また、前述の実施形態では、装着筒3に対してノズル部材4が下方移動したときに、ノズル部材4に当接させられる装着筒3の係止部が、内筒3bの上端部とされているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、装着筒3の係止部は、装着筒3に対してノズル部材4が下方移動したときに、ノズル部材4に当接させられればよく、装着筒3における内筒3b以外の部位(外筒3aやフランジ3c等)に設けられていてもよい。
【0083】
また、前述の実施形態では、装着筒3に対してノズル部材4を下方付勢するバネ部材17が、シリンダ室24の外部に設けられることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、バネ部材17が、シリンダ室24内に設けられていてもよい。ただし前述の実施形態で説明したように、バネ部材17がシリンダ室24の外部に設けられていることにより、内容物の汚染を防止でき、バネ部材17の性能を良好に維持できることから、好ましい。
【0084】
また、前述の実施形態では、ノズルガイド4cが、筒状をなしてノズル筒4aに外装されており、ボタンガイド6cが、筒状をなしてシリンダ筒6aに外装されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ノズルガイド4c及びボタンガイド6cは、それぞれが凸部及び凹部を有していればよく、その外形は筒状に限定されるものではない。また、ノズルガイド4cはノズル部材4に形成されていればよく、例えば、ノズル筒4aと一体に形成されていてもよい。また、ボタンガイド6cはボタン部材6に形成されていればよく、例えば、シリンダ筒6aと一体に形成されていてもよい。
【0085】
また、前述の実施形態では、装着筒3の位置切り替え溝7と、カバー筒5の位置切り替えリブ20の組が、周方向に等間隔をあけて一対設けられているとしたが、これに限定されるものではなく、位置切り替え溝7と位置切り替えリブ20の組は、1つのみ、又は、周方向に等間隔をあけて3つ以上設けられていてもよい。
また、装着筒3の回転規制溝10と、ノズル部材4の回転規制リブ14の組が、周方向に等間隔をあけて一対設けられているとしたが、これに限定されるものではなく、回転規制溝10と回転規制リブ14の組は、1つのみ、又は、周方向に等間隔をあけて3つ以上設けられていてもよい。
また、カバー筒5の回転規制溝21と、ボタン部材6の回転規制リブ26の組が、周方向に等間隔をあけて一対設けられているとしたが、これに限定されるものではなく、回転規制溝21と回転規制リブ26の組は、1つのみ、又は、周方向に等間隔をあけて3つ以上設けられていてもよい。
なお、前記組が周方向に複数設けられる場合には、周方向に等間隔をあけて配置される構成に限られるものではなく、周方向に不等間隔をあけて配置されてもよい。
【0086】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 スポイト容器
2 容器本体
2a 口部
3 装着筒
3b 内筒(係止部)
4 ノズル部材
4a ノズル筒
4b ピストン筒
4c ノズルガイド
5 カバー筒
6 ボタン部材
6a シリンダ筒
6b 押下ボタン
6c ボタンガイド
15 ノズル凸部(凸部)
16 ノズル凹部(凹部)
17 バネ部材
24 シリンダ室
27 ボタン凸部(凸部)
28 ボタン凹部(凹部)
A 締め込み側
B 緩み側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11